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  • 連載SDGs 第11回 海の豊かさを守ろう

    岡島 成行
    学校法人青森山田学園・理事長、(公社)日本環境教育フォーラム・会長、NPO法人自然体験活動推進協議会・会長。1969年読売新聞入社、80年環境庁担当となり環境問題専門記者に。87年東京開催の「環境問題国際ジャー...
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    森は海の恋人

    1989年9月10日午後、岩手県一関市の室根山(895m)に大漁旗が翻えりました。地元の漁師さんたちが中心になって山に植林をしたのです。学生や市民も参加しました。リーダーは畠山重篤(はたけやましげあつ)さん。宮城県気仙沼市で牡蠣の養殖をしています。 この運動のきっかけは、1965年ごろから養殖がおかしくなったことです。生活用水が海に流れ込んで赤潮が発生するようになり、海が汚れ、牡蠣が赤く染まる「血ガキ」が発生するようになったのです。畠山さんは、栄養不足によるものだと推察していましたが、原因が分からず苦闘していました。 そんなころ、1984年にフランスに視察に行く機会があり、そこである発見をします。磯に魚介類が豊富で、川を遡ると広葉樹林が広がっていました。しかし当時、気仙沼湾での状況は全く反対でした。川には水産加工場の排水が流入し、上流の山は荒れ果てていた。 帰国後、畠山さんは山での森づくりを呼び掛けました。漁師仲間が70人立ち上がってくれた。地元の歌人が「森は海の恋人」というスローガンを示してくれた。 こうして山に木を植える運動が立ちあがり、それがマスメディアに注目され、一気に全国的に有名な運動になりました。「森は海の恋人」というスローガンもよかったのかもしれません。

    大震災にも大震災にもめげず

    その後、畠山さんは大活躍です。地元の漁師とともに植林を続けるかたわら、北海道大学に調査を依頼、気仙沼湾の植物プランクトンなどを育む鉄、リン、窒素などが大川から供給されていることを実証した。環境保護機運の高まりもあって、大川上流の室根山への植樹運動(現在は矢越山)が広がり、小中学校の教科書にも掲載された。高校の英語の教科書にも載った。本を幾つも出版した。そして京都大学フィールド科学教育センター社会連携教授に就任。今や「海を守る有名人」です。 その間、あの東日本大地震がありました。家を流され、母を失った旧友・畠山さんを慰めようと、私は気仙沼に出向きました。震災から一か月後でした。 やあやあ、と出迎えてくれた畠山さんは、開口一番「岡島さん新発見だよ」と言い出した。「津波で川と海が繋がって、見事な汽水域になった。これは山と海が繋がっていることを教えるに最適の場所だよ」。畠山さんは目を輝かしている。 あそこに校舎を建てて、水中が見えるような船を用意して、と話は続く。家族を亡くし、すべての財産が流されたその苦しい胸の内は明かさず、前向きの話だけが出てくる。 森を守り、海を守る、畠山さんの強い意志が感じられました。森は海の恋人運動はその後、NPO法人になり、環境教育施設は京都大学などの協力を得て実現した。活動の範囲は今も広がっています。

    太平洋ゴミベルト

    畠山さんたちの努力とは裏腹に、世界中の海は人間が出したごみや排水などのため汚れきっています。写真のように、太平洋には二つの大きなごみの塊が漂っています。この塊はとてつもなく大きく、日本の4倍以上もあると言われています。 オランダのNPO「オーシャン・クリーンアップ」が、飛行機を使って上空から観察し、船で実際に海域を調査した結果、この海域に漂うプラスチックごみは、これまで考えられていた量より16倍も多い、と報告されています。 中でも、捨てられた漁業用の網の量が多く、漂流ゴミの総重量の46%を占めていました。廃棄漁網は海を漂いながら、生き物にからみつき、小さな破片に変化しています。 このゴミベルトは年ごとに大きくなっている可能性が高いのです。考えてもみてください。堀江青年が太平洋を横断したころの海にはこんなゴミベルトはありませんでした。 わずか50年の間に私たちは広大な海をこんなにも汚してしまったのです。ゴルフとともにヨットやサーフィンを楽しむ方もいらっしゃると思いますが、あの果てしなく広がる海にプラスチックゴミが漂っていたら台無しですね。

    海を守る海

    洋汚染には、プラスチックゴミのほかに、船やタンカーなどから漏れた油、工場排水、生活排水などがあります。こうした汚染源はみな私たち人間が出しているのです。 自分たちが海を汚したのなら、自分たちできれいにしなければいけない、と各地で様々な活動が始まっています。ビーチ・クリーニングやプラスチックバッグをもらわずにマイバッグを使う動き。海洋生物を救う基金。最近では企業が主催するキャンペーンがあります。 例えばスポーツ用品メーカーのアディダスは、2024年までにすべての製品にリサイクルポリエステルを100%使用することにしています。また、ネットで世界中から参加 者を募り、参加者が走った距離一キ ロにつきペットボトル 10 本回収するというRun For the Oceansという ユニークな企画が人気です。これまでに500万人を超えるランナーが 参加し200万ドルの寄付を集めてきました。若い人達にプラスチック の問題や海の状態について知っても らうのに大きな効果も出ています。 深刻な海洋汚染 1)海に流出しているプラスチックの量は世界全体で毎年800万トン以上 2)2050年には海のプラスチックの量が魚の量を上回ると予測 3)持続可能な海洋漁獲資源は1974年の90%から2013年には69%に低下 4)海洋資源は世界人口の37%を占める沿岸地域に住む人々にとって重要
    この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2022年3月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
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