神奈川県茅ヶ崎市では、「成人のつどい(成人式)」の企画・準備を行う成人のつどい実行委員会が「コロナ禍で影響を受ける市内企業の積極的な活用で地域を活性化したい!」との思いから「地元企業×新成人 地域の環プロジェクト」を発案した。
若者の力で地元企業を盛り上げようと、昨夏ごろから賛同する企業の参加を呼びかけて準備を進めてきた。実行委員会は今年度の新成人を対象に「EBOSHI PASS(エボシパス)」を発行。パスと身分証明書を参加した店舗や企業で提示すると、様々な特典が受けられる仕組みだ。
この「エボシパス」、平安時代に成人した男子は烏帽子(えぼし)を被る習慣があり、形が似ていることから「烏帽子岩」と呼ばれる茅ヶ崎のシンボルから名付けられた。
新成人が立ち上がった初めての試みに60以上の事業者が賛同。飲食、物販から不動産屋に至るまで、若者向けの様々な特典や割引が実現した。
GDO茅ヶ崎ゴルフリンクス(茅ヶ崎GL)はプレーフィの1000円割引に加えて、「茅ヶ崎市新成人限定ゴルフ体験サポートイベント」を企画。参加者5名に現役女子プロゴルファー、ツアープロキャディ、ゴルフインストラクター、スポーツマーケティング会社の代表など経験豊富なサポーターが9ホールのラウンドに帯同し、楽しさや魅力を伝えるイベントとなった。
唯一の男性参加者でイベントの企画に携わった実行委員メンバー川﨑智洋さんは、実はプロゴルファーを目指す大学生。
「ただただ楽しかった。みんなボールを打つのは初めてくらいなのに、どんどんうまくなっていくのを見てすごいなって。。ゴルフはやってみたら絶対に楽しいので、来年もこの企画を続けられるよう頑張りたい。ゴルフは上手くいかないことが多いけど、初心に戻ればきっかけがつかめるかもと思えました」と、手応えを感じたようだ。
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ラウンド前のお祝いセレモニーでは神奈川県議会議員ます晴太郎氏が駆け付け、
「新成人おめでとうございます。茅ヶ崎GLの約6割は神奈川県の土地で、ゴルフ場を活用した地域交流などを一緒に取り組んでいます。新成人のみなさんには若い力で茅ヶ崎の街を盛り上げていただきたい。これからも茅ヶ崎に住んで、まちの魅力をPRしてもらえればうれしい」と祝辞を述べた。
ツアープロキャディの伊能恵子さんは、
「ゴルフを一度もしたことがない子が、9ホールで球が当たって飛ぶようになる感動体験に帯同できて最高に楽しかったです。初心者はまずはコースに来て、大自然に触れることでゴルフを続けたくなるんじゃないかな。ボールが林に入ったらフェアウェイに出して打つとか、バンカーから2回で出なかったら外から打つとか、プレッシャーにならないようにルールを決めるのが楽しめるコツだと思います」と語った。
イベントの運営統括を務めた平野貴子さんは
「若者がどうしたら喜ぶかを思い浮かべて、プレゼントは花束とゴルフをモチーフにしたアイシングクッキーに。司会、サポーター、スタッフ一同のゴルフ愛で自然と場が盛り上がり、みんなが楽しんでくれている姿を見ることができてほっとしました。正直、自分が参加したいくらい、豪華なイベントだなって思いました」と振り返った。
コロナ禍で増加した20、30歳代の若年層ビギナーへの施策として昨年の4月からスタートした「初心者ゴルファーサポート企画」は、今年で2年目を迎えた。
すでに150名以上のゴルフデビューをサポートし、今回は新成人向けのスピンオフ企画として開催。日本中のコースでゴルフ体験イベントが開催されるような流れがでてくることを願っている。
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イベントの参加者と帯同サポーターに感想を聞いた。
大久果鈴(オオヒサカリン)さん
コースデビューをしたかったけど、無理かなって思っていたタイミングでイベントを知って申し込みました。最初は当たらないでゴロばっかりだったけど、だんだんボールに当たって球があがるようになって嬉しかった。天気もいいし、広いゴルフ場で自然を感じながらプレーできるのでこれからも続けたいねって話していたところ。ソフトボールやフットサルをやっていたが、同級生の友達が部活ではなく趣味でゴルフをしていたのを見て、やってみたくなった。ゴルフは流行っているし、「おじさんのスポーツ」というイメージは無いですね。
瀧澤のこ(タキザワノコ)さん
6ホールくらいで、だんだんゴルフがわかってきた。当たるとちゃんと飛ぶし、気持ちがいい。何回空振りしても笑いが止まらないくらい本当に面白い。当たったらもっと楽しいから、すぐにでも打ちっぱなしにいきたくなりました。
児玉純良(コダマキヨラ)さん
まったくの初心者で、ゴルフをやってみたくて、お父さんがゴルフしている友達のレイナを誘って参加しました。当たると意外に飛ぶし気持ちがいい。一緒にまわっていた川﨑くんみたいにドライバーを飛ばしたいな。テニスでは筋肉トレーニングを結構やっていたが、ゴルフでは必要なのか知りたい。
森礼奈(モリレイナ)さん
言わない方がいいのかなぁと思っていましたが、父親はシニアツアーのプロゴルファーです。ゴルフは無理にすすめられたことはなくて、年に1回練習場にいくときに少し教わる程度。今日はすごくいい運動になったし楽しかったです。お父さんとだとちょっと荷が重いけど、友達と一緒ならまたゴルフをしたいな。
広兼祐介(ヒロカネユウスケ)さん
ぼくは帯同する側でしたが、あらためて純粋に楽しむことが大切だと思い知らされました。仕事もゴルフも、年月を重ねて経験を積むと、慣れてしまうので、常に新鮮な気持ちでいたいですね。最近は就職活動でゴルフ経験が有利になると聞いたことがあります。これから社会に出て、上司や取引先とのお付き合いなどで重宝されることもあるかと思うし、ゴルフの面白さを伝えることができてよかったなと思います。
この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2021年5月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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