「コンペ常連」が大半だった、JGGA初の女性大会の修正点

「コンペ常連」が大半だった、JGGA初の女性大会の修正点
「JGGA初の女性限定コンペです。コロナ禍で増えた女性ゴルファーのために開催し、今後も続けていきたいですね」そう語るのは日本ゴルフ用品協会(JGGA)で市場活性化委員長を務める倉島隆夫氏。 6月7日、JGGA初となる女性限定コンペ『ウィメンズゴルフJGGAカップ』を紫CCあやめ36西コース(千葉県野田市)で開催。募集人数100名に対して103名の応募があった。 「開催の背景にはコロナ禍による女性の新規ゴルファーや、休眠復活ゴルファーの増加があります。当協会は市場活性化策の一つとして、女性ゴルファーをサポートする目的から開催を決めました」 そのサポートぶりがハンパじゃない。 協賛はJGGAの会員企業など36社だが、ほかに全日空やJTB、化粧品のKOSEなども協賛。参加賞も盛り沢山で、まるで結婚式の引き出物状態だ。 さらに、クラブハウスやマスター室前にはバルーンが多数飾られて、表彰式ではピアノ、ビオラ、ヴァイオリンの3人組ユニットが30分の演奏会。ほとんどの参加者が「楽しかった」とアンケートに答えている。 JGGAも開催に向けて気合を入れた。コンペの告知をジャパンゴルフフェアで始め、それ以前から開催コースの紫CCと交渉。 「開催コースは女性に人気があり、ロッカーが綺麗で数が多いコースが必須でした。さらに、電車とクラブバスが充実してアクセスしやすいことも条件です」 会場の紫CCあやめ36は、インフルエンサーの女性ゴルファーに人気がある。コロナ以前の女性来場率は14%だったが、今年1~6月は19%まで増加しており、これを受けて女性が使用可能なロッカーを、不要なコンペルームの再利用で最大160名まで増やしている。 クラブバスで最寄り駅の野田市駅(東武アーバンライン)から10分と、アクセスの良さもウリのコース。ところが、今回の参加費は2万2000円。コンペ初心者や新規・休眠復活ゴルファーにとっては負担が大きいように思える。 この点について倉島委員長は計画段階で、 「初めての試みなので、おそらく新規や休眠復活の女性参加は少ないと思います」実際「コンペ常連」の女性が多かったというから、新規・休眠復活層には価格等を含め敷居が高かった。 常連はそもそもプレー頻度が高いため、今後軌道修正が必要だろう。 JGGAの新居秀樹専務理事は、 「参加者のうち、クラブバスでの来場者は10人程度。マイカーの乗り合いも多かった。ただ、女性ゴルファーをサポートする上で、ゴルフ場までのアクセスが負担にならない施策は必要です。女性のゴルフ参加率を上げるために敷居を下げることが重要だと思います」 女性の参加率を高めるために、業界は過去、涙ぐましい努力を重ねてきた。高級リンスにシャンプー、パワーのある人気ドライヤーなど浴場の付加価値向上や、女性コンサルを招いての講習会、茶店のトイレには「一輪挿し」、プチケーキの種類を増やしなさい‥‥。 常連客にはウケたが、新規開拓は覚束なかった。そこで一案。今回の豪華な大会を決勝として、敷居の低い予選会を全国の練習場スクールと提携して、開催したらどうだろう。業界の一体感も創出できそう。
この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2022年7月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら