温暖化と気候変動
今月もまた、問題児・トランプ大統領の発言を取り上げます。
この冬、アメリカやヨーロッパで発生した大寒波についてトランプ大統領は「温暖化というが、この寒波は何だ」と発言し、温暖化なんてどこかに行ってしまった、と声高に繰り返していました。
この疑問は、誰もが持つのだと思うのでちょっと説明をします。地球が異常に暖かくなると、気候の循環が大きく崩れてしまいます。これを気候変動と言います。すると、何億年前から連綿として続いてきた一定の気候循環が乱れてしまう。
地球温暖化は気候変動の原因であり、気候変動はその結果として発生するのです。
気候変動は、大雨や干ばつを引き起こし、台風・ハリケーンを巨大化させます。また、大雪や異常寒波が発生するようにもなります。
ですので「温暖化による異常気象が発生しつつある」ということが問題なのですが、一般には、温暖化だけが問題だ、というようにとらえられてしまいがちです。
トランプ大統領の疑問は、温暖化と気候変動が区別できていないことから生まれる疑問なのです。
今冬の大雪、寒波は気候変動の結果であって、夏には温暖化が進んで暑くなる可能性もある、と考えていただければ、トランプ大統領の疑問は氷解すると思います。
AI技術の進展

この正月には、もう一つアメリカから衝撃的な発言が伝わってきました。NVIDIA(エヌビディア)のCEO、ジェンスン・ファン氏が「チャットGPTからフィジカルAIへの転換」と発言し、大きな反響を呼んでいます。
ファン氏の発言を要約しますと、これまでAIはモニターの中での活躍だったが、これからは現実の生活に浸透する、ということです。
AIの活用はロボットを通じて人手不足を補う技術の展開に向かい始めています。無人農業や運輸での無人トラック輸送、介護を手伝うAIロボットなどが実用化に向けて着々と準備が進んでいます。
こうした状況を見据えてファン氏は「チャットGPTのようにコンピューターの中での作業から現実の世界で活躍するAIが次々に出てくる」と予測するのです。
これはかなりの産業革命です。前回紹介したように海運や陸上輸送、畜産、発電などでも様々な革命的技術の進展が期待されます。こうした技術発展は温暖化や気候変動を防ぐためにも役に立ちます。
ゴルフ場のAI利用
AIの活用がコンピューターを飛び出して実際の現場で動き出す。この技術を活用して、ゴルフ場でのキャディ業務やカート・コントロールなどをAI化できないでしょうか。キャディさんが足りなくて困っているという声も聞こえます。
18ホールの状況をすべてAIに覚えさせて、カートに乗っているときに説明させるのです。チャットGPTのように、コース状況などを声で質問すれば答えてくれる。今どこにいて、次のショットは刻むのか、勝負するか、などを自分の飛距離を話せば答えてくれる。グリーンでの状況も教えてくれる。
超ベテランのキャディさんほどでなくても一般の楽しみゴルフでキャディさんにいろいろ聞く内容程度ならAIが十分機能を発揮してくれるでしょう。
カートに乗っている間に、ゲーム展開が遅れているとか天候異変などの通告もできます。マナーを伝えることもできます。すべてのカートの位置が分かれば無駄な動きをコントロールできるでしょう。
キャディさんにクラブを運ばせたり、バンカーの後始末をさせたりしないで、自分で処理するのが筋ではないでしょうか。ボールが見つからなければ5分以上探さないなどのルール内で、自分たちで探せばいい。
そのほか、若いゴルファーの取り込みや女性、家族層の拡大など、フィジカルAIを活用する分野がかなりあると思います。
次世代への課題

SDGsは2015年9月に国連総会で採択されました。2030年をめどに、貧困や教育、ジェンダー平等、気候変動、環境保護、平和と公正など、地球規模の課題を解決するための目標です。
環境問題と途上国での課題を合体したようなものですが、地球はひとつ、人類間の差別をなくす、といった世界認識を目指して作られたものです。
しかしながら、現実は厳しく、目標ははるか遠くに設定されたままです。気候変動防止だけ見ても「産業革命前に比べて地球の平均気温の上昇を1・5度以下とする」目標も実行が難しくなっています。
でもこのままでは、孫たちの時代には深刻な事態を迎える可能性があります。その認識だけは、誰もが持っていなければいけません。
貧困対策と気候変動についての主な目標
1 貧困をなくそう
①2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
②2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、全ての年齢の男性、女性、子供の割合を半減させる。
13 気候変動に具体的な対策を
①気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。
②気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。
③気候変動関連の効果的な計画策定と管理のための能力を向上するメカニズムを推進する。
この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2026年3月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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