ヘルメット内の温度上昇を約12℃抑制  DICプラスチックの『ヒートバリア』がゴルフ場の猛暑対策を変える

ヘルメット内の温度上昇を約12℃抑制  DICプラスチックの『ヒートバリア』がゴルフ場の猛暑対策を変える
真夏のゴルフ場で、強烈な日差しを浴びながらコースを整備する管理スタッフ。芝刈りや樹木の剪定、施設の補修など、ヘルメットを着用して行う作業は少なくない。 一方、暑さや蒸れ、長時間着用による首への負担は、これまで避けにくい問題とされてきた。 その解決策となりそうなのが、DICプラスチックの遮熱ヘルメット『ヒートバリア』だ。 同社は化学メーカーのDICを親会社とするプラスチック製品メーカーで、産業用ヘルメットを中心とする安全資材のほか、密閉容器などの容器資材、インフルエンザ検査キットなどに使われる体外診断用医薬品資材を手掛けている。

遮熱顔料を素材に練り込む

産業用ヘルメットでは、「より強く、より軽く、より快適に」を掲げ、遮熱、通気性、軽量性といった明確な機能を持つ製品開発に力を入れてきた。 従来の遮熱ヘルメットでは、完成した帽体の表面に遮熱塗料を塗る方法が一般的だった。しかし、塗装工程が必要なうえ、使用中の傷や塗装の剥がれによって遮熱性能が低下する可能性がある。 『ヒートバリア』は、太陽光に含まれる赤外線を反射する遮熱顔料を、ヘルメットの帽体を成形する材料そのものに練り込んでおり、成形と同時に遮熱機能を持たせるため、塗装工程を省くことができる。また表面に傷がついても遮熱機能が失われにくく、コストも抑えられるのが特徴。 社内テストでは、一般的な白色ヘルメットと比較して、ヘルメット内部の温度上昇を約12℃抑える結果が得られたという。 展示会ではライトを照射して通常品との温度差を比較する実演も行っており、来場者からは「想像以上に熱くなりにくい」「遮熱でこれほど違うとは思わなかった」といった反応が寄せられたという。

通気性と軽さも暑さ対策に

同社が提案する暑さ対策は、遮熱だけではない。『AEROMESH(エアロメッシュ)』は、従来の発泡スチロール製衝撃吸収ライナーを使わず、樹脂製の衝撃吸収内装を採用。ヘルメット内部に風の通り道を確保することで、熱や湿気を逃がしやすくした。 従来の内装と比較して約8℃の温度差を確認。内装を含めて水洗いできるため、汗や臭いを落としやすく、清潔な状態を保ちやすい点も屋外作業には向いているという。 また、長時間の着用では重量も重要になるが、同社は260gの軽量モデルをはじめ、クリアバイザーを備えた『軽神』などを展開。機能だけでなく、外観や視界の広さにも配慮している。

フェアウェイは日陰ばかりではない

産業用ヘルメットの主要市場は建設業であり、ゴルフ場への販売実績はまだ十分に把握できていない。販売店や卸会社を経由して納入される場合、メーカー側では最終的な使用先を確認できないためだ。 ただし、ゴルフ場との相性について営業本部石村隆樹部長はこう話す。 「ゴルフ場には木陰もありますが、作業する場所が常に日陰とは限りません。特にフェアウェイは日差しを直接受けます。コース管理をはじめとする屋外作業との親和性は非常に高いと思います」 ゴルフ場では、コース管理スタッフの装備も施設の印象を左右する。特に来場者への見え方を重視するコースでは、作業着や帽子、ヘルメットの色やデザインを統一するケースがある。 同社では、白や青を基調とした遮熱仕様のほか、マット調のモデルやクリアバイザー付きモデルなども用意する。社名やゴルフ場名、ロゴを入れる対応も可能だ。暑さ対策と安全性に加え、コースのイメージに合わせた装備として提案できる余地は大きい。 サイズは製品によって異なるが、おおむね52~62cmの範囲で調整可能。価格はオープン価格で、上位モデルの実売価格は6000~8000円程度が目安となる。安全用品販売店、工具店、作業服販売店、ホームセンターなどで購入できる。 熱中症対策が強く求められるなか、ゴルフ場の対応は飲料や空調、冷却用品だけでは終わらない。日差しを受け続けるヘルメットそのものを見直すことも、コース管理スタッフの作業環境を改善する選択肢になる。 石村部長は「遮熱、通気性、軽さを組み合わせることで、より快適な作業環境を提案できます。ゴルフ場にはまだ製品を知っていただけていない部分があるので、今後は新しい市場として可能性を探っていきたいですね」 と話すが、建設現場で磨かれた暑熱対策の技術が、猛暑に立ち向かうゴルフ場へ広がろうとしている。 DICプラスチック https://www.dic-plas.co.jp/