有賀園が吹く進軍ラッパの青写真 3年後に300億円で上場も視野

有賀園が吹く進軍ラッパの青写真 3年後に300億円で上場も視野
既存店売上80億円、ネット通販(EC)売上30億円で、営業利益は5億円。これにより対前年比売上10%増、利益率を2%高める――。ゴルフ市場が長期的に伸び悩むなか、有賀園ゴルフが強気の2015度計画を打ち出した。 意欲的なのは販売予測だけではない。3年後の株式上場に向け、東京ゲートウェイ構想を立ち上げた。有賀園の本社は群馬県。ゆえに当初は「北関東の雄」として域内商圏での盤石を目指したが、徐々に関東全域へ拡大し、郊外店を主軸として全国チェーンと覇権を競った経緯がある。今回旗揚げした東京ゲートウェイ構想は都心部へ攻め込むイメージで、東京の「本丸」を落とす構え。 その狼煙として3月6日、小田急ハルク(都内新宿区)内1階に19店舗目を立ち上げる。同社は2013年9月に「DECKSお台場店」(都内港区)を開業しており、両店の相乗効果を図りながら、売上の都心部比率を高める目算。今後も同様の戦略を継続させ、2018年末までに30店舗体制を整えるという。有賀剛史社長の進軍ラッパを聞いてみよう。 「今回の小田急ハルクは加賀スポーツの居抜きですが、売上実績は約2億5000万円だったと聞いています。ハルクは関東でゴルフアパレルを一番売る百貨店ですが、当社がやればもっと売れるのではと考えた。むろん、百貨店だから高く売れる時代ではないので、市場の実勢売価と合わせながら質のいい顧客を取り込みたい。客層は30~40代が中心で、特に女性が多く品揃えがカギになるでしょう。床面積は約40坪と路面店の10分の1にすぎないから、商品選択が重要になる。流行発信基地の役割も担いたいですね」――。 ゴルフの専門量販店としては、アパレルの販売比率が高い有賀園。厳選した商品を小田急ハルクに並べ、そこでの売れ筋商品を「都会の人気ブランド」として郊外店へフィードバックする利点もありそうだ。 これ以外にも今年中に2店舗の新規出店を計画しており、既存店のリニューアルも同時に行う。昨年9月に新装開店した高崎本店には改装効果があったそうで、その成功体験を新横浜店にも踏襲する。具体的には総工費5000万円をかけ、パッティングコーナー、試打ブースをそれぞれ10mへ拡大、試着室も高崎本店同様1・5坪に広げ、3月の開店を予定している。 一連の流れでソフト面にも注力する。スクール事業への本腰がそれで、ダンロップゴルフスクールが受託運営する柏、東名、越谷の3店舗以外をすべて自社運営にしていくもの。これによりインストラクション販売に注力するが、日本プロゴルフ協会は、会員の職域拡大の一策としてインストラクション販売に興味をもっているだけに、今後、有賀園と共同歩調を描く可能性もある。 「顧客のゴルフ上達が大前提ですが、スクールだけでは利益を確保しにくい。クラブやウエアを販売できるインストラクターを養成すれば、多店舗展開のスピードも速まるでしょう」 今年5月に新本社ビル(群馬県高崎市)を落成し、翌6月は55周年式典を行うなど意気軒高な同社は、昨年9~12月期売上で前年比20%増(既存店ベース)と好調を維持。2018年7月期に店舗売上200億円、EC売上100億円の計300億円を視野に入れる。果たして? 画像:有賀園ゴルフ 有賀史剛社長