創業55周年の有賀園ゴルフ、新本社ビルをお披露目
創業55周年を迎える有賀園ゴルフは6月16日、「新本社ビル・インターネット物流倉庫落成記念式典」を開催。前段のお披露目会には、業界関係者200名ほどが来場し、同施設を見学した。
3層構造の敷地面積約900坪を誇る同施設を紹介すると、1階フロアは総額3億円ほどのクラブ在庫、物流・配送センターを配置。2階フロアはアクセサリー系、シューズ、キャディバッグの在庫を保管。また、アパレルをメインとしたウェブ掲載用の撮影室も完備するという注力ぶり。3階フロアは、30名体制のインターネット事業部をはじめ、社長室、専務室、応接室や社員の休憩スペースを設置。
同社執行役員の松本智宏営業部長は次のようにコメント。
「ここにある商品はすべて、EC販売用の在庫になります。これまでは、3億円分ほどの在庫しか置くことができませんでした。商品を仕入れたくてもスペースの関係で、できないということもありましたが、同施設が完成したことでそれも解消。今後は、現在の3倍である約9億円分を在庫し、売上も3倍を目指します」
ちなみに、同社の昨年実績は売上約100億円。うち実店舗が80億、EC販売が20億円という割合。松本部長が続ける。
「EC販売のうち、約50%がアパレル、30%クラブ、15%がシューズ、アクセサリー類が5%という構成比です。面白いのは、昨今、サイズ物であるアパレルやシューズをネットで購入するユーザーが増えていること。
売上はもちろん、実店舗の方が大きいですが、実店舗の売上構成をみるとアパレルが約30%なので、サイズ物をネットで購入する慣れというか、抵抗感がなくなってきているのだと思います。
クラブに関しては逆転現象が起きていて、価格差も少なくなったこともありますが、ネットよりも実店舗でクラブを購入するケースが増えていますね。フィッティングや、本当に自分に合ったものを選んでほしいというニーズが高まっています」
同社は、2020年までに40店舗、年商300億円、株式上場に向けた事業計画を打ち出している。計画実行に向け、今年9月には、新宿小田急ハルクに初となる自社運営のゴルフスクールを開校。インストラクション販売に本腰を入れる。さらに、20店舗目となる宇都宮店のオープン、PBアパレル『SURF&TURF』の展開も決定。
そして、高崎市のホテル会場で行われた後段の55周年記念式典には、同社の従業員70名体制で約250名の来賓をもてなした。式典冒頭の挨拶で有賀史剛社長は、
「色々と喋ることを考えてきましたが、登壇して真っ白になりました(笑)。ただ、これだけは言いたい。昨今、ゴルファー人口減少、市場縮小など、業界が落ち込んでいる印象を受けますが、老若男女問わずできるゴルフというスポーツの力はこんなもんじゃないはず。みなさんで力を合わせ、もっともっと盛り上げていきましょう!」
と声高らかにエールを送った。
今回、特に印象的だったのは、2011年に社長を退いた有賀明会長の姿。式典の式次第には、有賀会長の挨拶は入っておらず、また、55周年記念誌においても、長男・有賀史剛社長、次男・有賀生雄専務を前面に立て、自分は後面に下がるカタチをとった。
50周年祭で誓った二頭立て「兄弟馬車」が、より本格的になったことが垣間見えた55周年式典。次世代の経営手腕に業界中が注目する。