女性比率8割のリラクゼーション事業参入でゴルフ・ドゥが描く未来予想図

中古チェーンが女性の「美と健康」を新ビジネスに加えるという、大胆な挑戦を明らかにした。一見、水と油に思える組み合わせだが、これを手掛けるゴルフ・ドゥの伊東龍也社長(※写真)は、「様々な相乗効果が期待できます」 と大真面目だ。
同社は10月末現在、全国77店舗(直営21店、FC56店)の中古ゴルフショップを運営しているが、このほど100%出資子会社のナインルーツを設立し、リラクゼーションサロン事業への参入を図る。これまで培ってきたノウハウを活かし、健康を軸に「スポーツ」「美」「娯楽」などを取り入れるという。
新会社はまず、リラクゼーションサロン『ルアンルアン』ブランドの直営事業を行うサワンという会社と、同ブランドに関するフランチャイズ(FC)契約を締結。そのFC1号店として10月27日、JR柏駅から徒歩3分の商業施設内に『ルアンルアン柏モディ店』(千葉県柏市)をオープンした。伊東社長によれば、
「店舗面積は約15坪、6ベッドを設置していますが、初日は平日にも関わらず5回転したほど好調でした。英国式と東洋式をミックスし、日本人に最適化した独自の『アジアン手技』をウリにしています」
料金は25分間で2660円から。今後、『ルアンルアン』との融合を図っていくが、
「屋台骨のゴルフ事業以外で成長戦略を描く際、新しい事業領域の開拓は以前から重要だと考えていました。FC店舗は今回の柏モディ店が初めてですが、『ルアンルアン』は現在、直営9店舗を展開しており、総会員数は約16万人。そのうち8割ほどが女性会員なんですよ」――。
日本ゴルフ場支配人会連合会は先頃、全国のゴルフ場来場者の女性比率を調べ、「10.6%」という数値を発表した。ゴルフ・ドゥの直営店会員数は約30万人で、9割以上が男性だから、ゴルフ場の女性来場率と合致する。
「ですから、女性ゴルファーの開拓は急務です。『ルアンルアン』では、ゴルファーのためのリフレクソロジーやゴルファーズストレッチも提供しますが、実は、その簡易的な内容を『ゴルフ・ドゥ』の販売員が店内で有料提供する仕組みも視野に入れます。例えば、お客さまと世間話をしながらマッサージを施し、終わったら試打室に誘導。肩周りの筋肉がほぐれて可動域も広がるため、普段よりナイスショットで購買意欲の高まりも期待できます(笑)。逆に、『ルアンルアン』で『ゴルフ・ドゥ』の宣伝、販促を行うといったコラボレーションもしていくつもりです」
同社は昨年10月、女性ゴルファー向けウェブサイトを運営するキュルキュルと共同出資で、国内初となる女性専門ゴルフリユースサイト『キュルキュルリユース』を設立。また、2020年までに100店舗計画を掲げ、顧客層開拓に向けたスマホアプリの開発にも意欲的。業績も堅調に推移しており、前期決算は売上高44億5500万円(昨対104・4%)、営業利益7300万円(同229・8%)、経常利益7100万円(同294・2%)と増収増益を記録している。
「今回の柏モディ店の年間売上目標は4000万円で、営業利益率15%を目指します。来年3月までに2~3店舗の出店を予定しており、ゴルフ事業にも新サービスを加えます」
ショップ改革に一石を投じるか。
※写真提供:ゴルフ・ドゥ