新たな企業がゴルフ用品業界に参入した。それが都内品川区にオフィスを構えるKSPだ。製品は100切りを目指すゴルファー向けに正しいグリップが学べるというグローブ『エジソンゴルフ グリップトレーナープロ』。
特徴は指と指の根元部分に盛り上がったガイドラインを設け、そのラインに沿ってグリップすれば、正しいグリップが習得できるというもの。いわば、矯正用グローブという位置づけで、JGTOプレーヤーのキム・ヒョンソン選手が推奨している。
KSPは、キム・スポーツ・プロモーションの頭文字を取った名称。エジソンブランドでベビー用品などの製造・販売を手掛けるケイジェイシーの崔鍾植社長とキム選手が共同で設立した会社だ。
KSPは元々、キム選手や彼の後輩の韓国人プロをマネジメントするために設立されたが、キム選手のアイデアなどを活かし、100切りを目指すゴルファーを応援するサポート用品を今後も販売していくという。まずは、崔氏に業界参入の経緯などについて聞いてみた。
<h2>100切りゴルファーが製品対象者</h2>
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<strong>崔社長自身もゴルフがお好きとか。</strong>
崔氏「はい、年間100回ラウンドくらいします。」
<strong>けっこう行かれますね!ところで、今回発売された『グリップトレーナープロ』も含めて、100切りゴルファーをターゲットにしている理由は何でしょうか。</strong>
崔氏「この層のボリュームが一番大きいですし、丁度、このレベルが一番ゴルフが楽しい時期ですよね。その一方、正しいグリップをちゃんと教わっていない人もけっこういます。そこでグローブするだけで正しいグリップが自然と身につくグローブを発売したというわけです。
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当社はそもそも『エジソンママ』というブランドでベビー用品を作っているメーカーです。例えば、リングに指を入れるだけで正しいお箸の握り方を覚えられる商品もありますが、モノ作りの考え方としては『グリップトレーナープロ』も同じです。」
<strong>なるほど。ちなみに、ゴルフ業界にはビジネスとしてどれくらいの興味がありますか。</strong>
崔氏「販売の流れや商品の卸値など全く業界の知識がないので難しいところはありますが、とても関心は高いです。だから、短期間で結果を出そうとは考えず、3年、5年、10年というスパンを持って市場でのポジションを確立していきたいと考えています。」
<strong>わかりました。今後のご活躍を期待しております。</strong>
同社が展開するベビー用品『エジソンママ』は、ベビーの初めての「できた」瞬間に貢献したいという想いから設立された。ゴルフも「できた」「わかった」という瞬間がゴルファーにとっては一番嬉しいもの。
ベビーとゴルファーの違いはあるものの、「できた」時の喜びは相通じるものがある。同社の商品作りに対する理念は、ゴルファーのハートをつかむかもしれない。
<h2>甘いマスクと人柄の良さで人気のキム・ヒョンソン食事会</h2>
そのKSPは先頃、キム・ヒョンソン選手のファンイベントを都内新宿区のパーティー会場で開催した。日本全国から63名のファンを集め、キム選手と飲食を共にしながらゲームやトークショーなどを楽しんだ。
年に2回、ファンを集めた食事会とコンペを開催するという崔社長は、なぜキム選手を応援するようになったのか、話を聞いてみた。
<strong>キム選手と知り合ったのは、いつですか。</strong>
崔氏「2014年に名古屋で開催された東海クラシックのプロアマで、いっしょにラウンドしたのが最初です。」
<strong>応援するにはそれ相応の理由があると思いますが。</strong>
崔氏「プロゴルファーって、言ってみれば芸能人と同じじゃないですか。だから態度が大きかったり上から目線だったりというのが一般的だと思っていたんです。
でも、キム選手はプロアマが終わった後に自ら携帯番号の交換を申し出てくれたり、その日に撮った写真を送ってくれました。あと“気を付けて帰ってください”というメッセージもくれたんです。もう、一般の人よりも礼儀正しいと思いました。
まぁ、それで男として惚れて、その後に彼の応援に何度か行ったんです。そうしたら女性のファンの人が何人かいて…。そこでファンクラブを作って色んな催しを企画して盛り上げようと考え、夏の食事会と年末のコンペを開催しています。」
崔氏はキム選手の人柄に惚れてファンクラブまで結成してしまったとのことだが、今回の食事会に参加したファンも、一様にキム選手の人柄の良さを口にする。
<h2>異国で頑張る姿勢に好感</h2>
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福島から車で3時間かけて参加したという男性の話。
「男子トーナメントに行っても、正直横柄な態度のプロが多く応援したいという気持ちにはなれません。でも、キム選手は違う。男子プロで唯一応援したいと思う存在です」
一方、毎回コンペに参加するという女性ファンは、親近感のあるキム選手の人柄に魅せられているという。
「プロって試合会場では自分のエリアを作って、あまりギャラリーとは話しませんよね。でも、キム選手はすごくオープンに話しかけてくれます。男性にも女性にも好かれている感じ。有名なプロゴルファーで遠い人ですけど、すごく親近感のあるところが魅力です」
いずれも、キム選手の人柄に触れてファンになり、応援しているという。ゴルフトーナメントは野球やサッカーとは違い、ロープを隔てただけで選手とギャラリーの距離が近い。その分、ギャラリーにとっては選手の態度や表情が分かりやすい上、コミュニケーションも取りやすいという性質がある。
よって、ギャラリーが選手に好感を持てくばファンになってくれるし、逆に不快感を与えれば嫌われたりもするわけだ。それは最近の「しぶこフィーバー」を見れば明らかで、選手の更なる自覚が促される所以でもある。
いずれにしろ、キム・ヒョンソン選手やイ・ボミ選手など異国でファンのハートをつかむというのは、相当な意識をもって臨まなければできないこと。元来の社交的な性格はあるかもしれないが、ギャラリーに喜んでもらうために常に努力をしている。そういった頑張りに対して、サポートしたいと感じるのは世の常といえるだろう。