グリーンオンはレーザー距離計『GL04PRO』とGPS距離計『GS601』を発売した。今回は2機種を連動できるなど、距離計が次の段階に入った。そこで「距離計マイスター・くわっきー」こと桑木野洋二が、ゴルフ場で2機種をテスト。徹底解説する。
【動画】『GL04PRO』と『GS601』をゴルフ場でレビュー
まずは2機種の徹底レビューを動画で観てもらいたい。
デザインもブラッシュアップ
桑木野 これまでのグリーンオンの距離計は武骨というか、どちらかというと男性っぽいデザインでしたが、今作の『GL04PRO』は明らかにデザインがカッコよくなっています。『GS601』に関しては正直、違うメーカーの製品かと思うくらい変わっています。聞くところによると今作は2機種ともデザイナーを変えて、統一感のあるデザインにしたとのこと。頷けます。
『GS601』は前作同様、ディスプレイはAMOLED(有機EL)を採用。サイズも1.43インチと大きく鮮明で、コースマップにグリーンまでの距離表示が重ならず見やすくなりました。
それ以上に私が面白いと思ったのがマグネットベルトです。素材はラバーで軽く、装着も簡単です。ゴルフ用のGPSウォッチでマグネットベルトを採用したのはグリーンオンが初とのこと。考えてみると、本来磁気は電子機器に影響するので、この実現は同社の技術の賜物です。
それと物理ボタンを5つ配置し、ボタンだけでも操作できるようにしているのはゴルファー目線だなと思います。タッチパネルが苦手な人や、右手にもグローブをはめる人に便利。ボタンを押せるのは昭和の男としては嬉しいです(笑)。
共通のハイブリッド計測モード
気象情報を加味したハイブリッド計測モード
桑木野 今回の2機種共通の新機能で面白いのは「ハイブリッド計測モード」です。これはグリーンオンのアプリにBluetooth接続することで、従来の高低差に加えて気象情報も加味した打つべき距離や風向きを表示できる機能です。レーザーの『GL04PRO』にもこの機能が備わっているのは面白い。
注意点として、『GL04PRO』に関してはスリープ状態になるとアプリとの接続が切れてしまうので、ハイブリッド計測使用時は再接続が必要です。
また直線モードとの切り替えもファインダー下のボタンをワンタッチするだけです。グリーンオンの場合はハイブリッド計測や高低差モードを使用している時に本体のランプが光る仕様なので、むしろ競技においては分かりやすいと思います。
コース攻略に二刀流発動!
桑木野 早速使いたいと思いますが、私は基本的にGPSウォッチとレーザーの二刀流です。
その上で『GS601』はハザードまでの距離を一覧で表示してくれるため、おおよその情報が手に入ります。それによると右バンカーまでが177ヤード、左バンカーまでが196ヤード。私の飛距離を加味し、ティーショットはセンターから右が安全ですが、気になるのが右バンカー奥の木です。
そこで『GL04PRO』で木までの距離を測ると、瞬時に赤と緑のOLEDで266.3ヤードと計測されました。これならドライバーを思い切り振っても届くことはないので、安心してフェアウェイセンターから右寄りを狙っていけます。
2打目が計算できる三点間計測
『GL04PRO』の三点間計測モード
桑木野 ティーショットは狙い通りフェアウェイ右サイドに着弾しましたが、カートからは少し遠いです。そこで今回『GL04PRO』に追加された三点間計測機能を使ってみましょう。モードボタンで切り替えて、ボール→ピンの順番で測ると、自動的にボールからピンまでの距離を計算してくれます。結果はヤーデージ杭よりも10ヤード以上長いことが分かり、番手選びにも役立つと実感。
次にボール地点まで来て役立つのが『GS601』。コースマップに左右グリーンのフロント、センター、バックまでの距離が表示されています。グリーン奥まで距離が160ヤード、レーザーで測ったピンまでの距離が約155ヤードなので、意外とグリーン奥が短いということが分かります。
この情報から、奥にこぼれないようにセンター(145ヤード)からピンの間を狙って打つ必要があるということが分かりました。
『GS601』の三点間計測モード。拡大(右)も可能
それと三点間計測は、実は今回『GS601』にも搭載されています。2番ホールのロングは、左ドッグレッグかつグリーンが見えない状況で、ティーショットの着弾付近の左右にバンカーが2つあります。そこで画面内のポインターをタッチして、バンカー手前まで移動させると、自動的にバンカーまでの距離と、バンカーからグリーンまでの距離を表示してくれます。マップも拡大できるのでポインターも動かしやすい。
この機能で2オンを狙うのか、安全に3オンで攻めるのかが瞬時に組み立てられます。これはレーザーとは違う、GPSならではの三点間計測です。
それとアプリに予め番手別の飛距離を入れておくことで、推奨クラブを表示してくれるのも便利です。
レーザーとGPSを連携 便利機能でマネジメント
アプリ連携で『GL04PRO』の計測距離を『GS601』にも表示可能
桑木野 今回はアプリに2機種を接続することで、『GL04PRO』で測った距離を『GS601』に表示することができます。今後この連携機能がさらにブラッシュアップされていくことを期待したいです。
また、グリーンだけでなく、グリーン周りのアプローチエリアでも傾斜を色分け表示する機能もあります。『GL04PRO』にはマグネットや充電口キャップなど、さり気ない便利機能が搭載されているのも気が利いている。
いずれにしても2機種とも前作よりも進化して、十分な情報がインプットできます。ハイブリッド機種が流行っている昨今ですが、この2機種を使うと私の推奨する二刀流がより高次元で楽しめそうです。