本誌でも連載中の武蔵野美術大学身体運動文化研究室の北徹朗准教授とネオマーケティングは先ごろ、過去に年1回以上のラウンドをしていたが、現在まで5年以上コースを回っていない全国の45歳以上の女性を対象に「女性のゴルフ離れ」をテーマにした共同調査を実施、結果を発表した。
今回の調査はWEBアンケート方式で9月11日から15日に実施し、有効回答数400を得た。なお、昨年12月に同条件で男性400名を対象に同様の調査を実施しているため、今回はそのデータと比較しながら分析をしていく。
まずゴルフを始めたきっかけについて回答を見てみると、「誘われたから」(60.3%)が圧倒的な割合を占めていることがわかる。次ぐ2位には「流行っていたから」(24.3%)と回答が続く。昨年の調査(男性)では、仕事関係をきっかけにゴルフを始めるケースが目立ったが、大きく異なる様相を見せていることがわかる。
また今回、「ゴルフコースを回らなくなった理由」について調査したところ、「プレーフィーが高い」「用具価格が高い」という価格面の理由を半数以上の女性が挙げていることがわかった。特に40代・50代の女性が費用面の不満から、ラウンドを控える傾向にあるようだ。
次ぐ3位には「仲間がゴルフをしなくなった」(40.3%)という理由が挙げられている。男性を対象にした調査では6位(33.3%)の項目が上位にランクインする形になったが、特に60代以上の女性からの回答が多かったようだ。そのほか、「結婚した」「育児のため」など女性特有のライフスタイルの変化がゴルフに与える影響も大きいようだ。
一方で「またコースを回るゴルフをやりたいと思うか」という質問に対しては37.6%が今後またゴルフをやりたいと思っていることが判明。男性(29.3%)と比較して、意欲的であることが伺える。特に17.3%の女性は「またやりたいと思う」と強い意志で回答していることから、この需要に対してゴルフ実施を喚起していくことで、ゴルフ市場活性化の糸口となるのではないだろうか。
北徹朗准教授は今回の調査について、次のようにコメントを寄せている。
「今回の調査における、『ゴルフをやめた理由』の男性との違いとして仲間がゴルフをしなくなったことやゴルフ場が遠いことが挙げられた点が、女性離反者の特徴です。また女性離反者の再びゴルフをやりたいへの回答率が、男性離反者より高かったことも意外な結果でした。ゴルフ市場活性化のためには、この層の掘り起こし策が望まれます」――。
業界としてはゴルファーの新規開拓だけでなく、"リターンゴルファー"の呼び戻し策についても検討を進めていきたいところだ。