「ゴルフを通じて楽しく健康な生活を」――。
9月25日、「全日本エイジシューターマスターズ選手権」がグランディ那須白河GC(福島県)で開幕。主催は一般社団法人日本エイジシューター協会で、高齢者の健康増進とゴルフ振興を目的に設立された。当初はメインスポンサーだったクレイジー元代表が逮捕され、望月薫理事長が退任するというドタバタ劇があったものの、昨年4月に体制を一新。新理事長にイベント企画・運営を手掛けるイ・ディ・パ社長の稲田賢一氏が就任し、文部科学省の後援も取り付けた。
同大会は、9月25~11月18日の期間中に計15試合(1試合70名規模)の地方予選会を実施。各予選でのエイジシュート達成者及び比例配分による予選通過者が12月4日、宝塚GC新コース(兵庫県)で決勝を戦う。予選を勝ち抜いた120名のほか、約40名のシニアプロも参加し、過去には陳清波、杉本英世、鷹巣南雄、新井規矩雄、岡田美智子、海老原清治、小林富士夫など、ツアー合計150勝超の大物揃いだ。
本間徹生事務局長が熱く語る。
「18ホールを自分の年齢以下のスコアで回るエイジシュートは、技術が優れていることはもちろんですが、それ以上に健康で生き生きとした老後を過ごす人生の達人でなければ達成できません。ゴルフ人生の集大成ともいえるエイジシュートをシニアゴルファーの目標として啓蒙したい」―――。
その参加者のデータを分析すると面白い。平均年齢は70歳超で、その可処分所得は60歳前後まで重くのしかかっていた住宅ローンや子育て費用等がなくなり、非常に高くなっている。また、8割近くが年金の他に事業所の役員として収入源を確保、自由度の高い生活をしている。一方、所得300万円以下では、60歳以上68歳未満の年金所得のみの参加となり、全体の11%と少ないが、それでも可処分所得が多いためラウンド比率は高いのだとか。
現在のゴルフ市場を支えている年代は60歳以上で、活動的なシニアによるゴルフ需要拡大はすでに最盛期にある。若年層の創出はもちろん重要だが、目を使い、頭を使い、全身を使うといった健康志向でのゴルフの位置づけを、さらに高める必要がある。スポンサーを募集中とか。