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    ハッシュタグ「ヨネックス」記事一覧

    ヨネックは、グローバル成長戦略(GGS)に掲げるITの分野において、IT戦略のグローバル展開を進め、ヨネックスグループ全体でのIT基盤強化とそれにもとづく事業のさらなる成長を図るべく、1月14日付けの人事異動を発表した。 ・最高情報責任者  入江 稔也
    (公開)2025年01月16日
    ヨネックスは、カスタムオーダーで好評のカーボンシャフト「REXIS」シリーズから、先進カーボンとスチールを融合したアイアン用『REXIS SteelCore Type-L』、『REXIS SteelCore Type-H』、40g台の軽量ウッド用モデル『REXIS KAIZA L 4R・4S』、『REXIS KAIZA M 4R・4S』、『REXIS KAIZA HP 4R・4S』を発売した。 <strong>■REXIS SteelCore Type-L/Type-H</strong> アイアン用の「REXIS SteelCore」は、先進カーボンとスチールの融合により、高初速・高弾道のショットを実現。向上心の高いゴルファーからの声に応えて、新たに2種類のシャフトを追加。「Type-L」は、強度と弾性を併せ持つカーボン繊維のトレカM40Xを複合した弾き系シャフト。「Type-H」は、トレカM40Xに加えてカーボンの約3倍の柔軟性を持つ「タフGファイバー」搭載の粘り系シャフト。スチールの安定性とカーボンの振りやすさとマイルドな打感を両立している。 <strong>■REXIS KAIZA L/M/HP 4R・4S</strong> 岩井明愛、岩井千怜も愛用する「REXIS KAIZA」シリーズのウッド用シャフト3種のモデルに、軽量シャフトが登場。先端が加速する「KAIZA-L」、球押しが強い「KAIZA-M」、ミート率が高い「KAIZA-HP」に40g台のスペックを新たに追加。この追加により、ジュニアや女性ゴルファーなど幅広いゴルファーにも最適なシャフトを提供することができ、より多くのゴルファーが自分にぴったりのシャフトを手に入れることが可能となった。 同社のゴルフシャフトは、国内の自社工場において全て一貫して製造。「MADE BY YONEX」ならではの高い品質をぜひ体感してもらいたい。 価格は「REXIS SteelCore」が1本1万4850円、「REXIS KAIZA」が1本4万5100円。
    (公開)2024年11月16日
    ヨネックスは、ジョブローテーションを推進し組織の活性化と生産機能の強化を図るため、人事異動を行うことを発表した。 《人事異動》 ・生産・技術本部 新潟工場 バドミントン製造第一部長      倉重 郁里 ・生産・技術本部 新潟工場 ゴルフ製造部長           梶山 俊幸 ・生産・技術本部 新潟工場 総務総括付部長            吉原 隆 《異動日》 2024年10月21日付
    (公開)2024年09月09日
    ヨネックスは、新潟県長岡市にあるヨネックス長岡工場の隣接地に新たな研究開発施設『Yonex Performance Innovation Center(ヨネックス パフォーマンス イ ノベーションセンター)』を開設。2024年7月より運用を開始した。 同施設は、ヨネックスの掲げるパーパス「独創の技術と最高の製品で世界に貢献する」を実現するため、イノベーションを生み出すプロセスの革新に取り組む。様々なプレー環境を再現する設備と、最新鋭の機器の導入により科学的な分析力を強化し、迅速に製品開発に反映することで、あらゆるプレーヤーのパフォーマンスを支えるものづくりを目指していく。 新研究開発施設は2万5400m2の敷地内に3階建ての研究開発棟を備えている。実際の多様なプレー環境でプレーヤーの動作や打球をより精密に分析するため、最新鋭の解析機器を常設した研究用コートに加え、 可変式アリーナ(バドミントンコートの場合8面、テニスの場合2面)、テニス世界大会を想定した4種類のサーフェス(表面)の屋外テニスコートも設置。また、トレーニング施設等、トップレベルのトレーニングキャンプにも対応できる設備も併設。 蓄積したデータを活用し、隣接する生産施設と連携し最短24時間以内のスピーディな試作品開発につなげるなど、製造工場に隣接していることが大きな強みとなる。 研究開発は、テニス、バドミントンなどのラケットスポーツから着手し、ゴルフ、スノーボードなど同社が取り扱うスポーツ分野へと対象を広げていく計画。さらに、トッププレーヤーのトレーニングやジュニア選手の育成の場としても活用していく予定。 同施設で新たなイノベーションを追求し、あらゆるプレーヤーのパフォーマンスを支える、革新的で高品質な製品を届けていく。 【Yonex Performance Innovation Center 概要】 ・名称:Yonex Performance Innovation Center (ヨネックス パフォーマンス イノベーションセンター) ・所在地:新潟県長岡市高頭町中山 ・研究開発棟:鉄骨3階建て ・研究施設エリア面積:2万5400m2 ・建築面積:5109m2 ・延床面積:8581m2
    (公開)2024年08月28日
    ヨネックスは9月下旬、本来は廃棄されるはずの茶殻を配合したグリップ『茶殻配合グリップ』を発売する。 同グリップは伊藤園の「茶殻」を有効活用する独自のアップサイクルの取組み「茶殻リサイクルシステム」とコラボしたもので、素材に茶殻リサイクル材を使用。消臭・抗菌機能を実現している。エンドキャップ先端にはお茶を連想させるディープグリーンを採用する。 実際に手に取るとほんのりお茶の良い香りがし、清潔感がある。またグリップすると手への吸着力も感じられる不思議な握り心地だ。 近年SDGsが叫ばれているが、ゴルフ業界、特にゴルフ用品メーカーは対応が遅れている。そんな中、今作のようなエコ素材を活用したグリップを同社が発売することは、用品メーカーのSDGsの具体例として価値がある。同グリップはカスタムや単品販売にも対応予定。販売現場においても、性能だけでなく開発の背景を伝えることでゴルファーの所有感も高まりそうだ。 ■製品概要 素材:エラストマー(合成樹脂)、茶殻リサイクル材 原産地:日本 スペック:口径60、重量50g 価格:1650円 発売日:9月下旬
    (公開)2024年08月13日
    ヨネックス元社長の米山宏作氏が5月4日、永眠された。享年87歳だった。その「お別れの会」が7月24日、都内のホテルで開催され、多くの関係者が別れを惜しんだ。 同氏は新潟県三島郡に6人兄弟の5男として生まれる。長兄の稔氏が1946年、ヨネックスの前身となる米山製作所を創業。宏作氏は1997年、二代目の社長に就任し、中興の祖としてヨネックスを成長させた。 GEWは2001年10月号で宏作氏のインタビュー記事を掲載したが、その内容を改めてウェブに再掲する。 カーボン技術を搭載した『カーボンアイアン』で業界参入を果たしたものの、構造上の問題でルール違反と判定された。その後、適合の新型を発売したが、日本ゴルフ協会(JGA)の関連競技では「紛らわしいから禁止」となる。これを不服としたヨネックスは1985年9月、JGAを相手取り東京地裁へ訴えて和解。前代未聞の闘争だった。 そんな武勇伝を含めて、「国内工場堅持」への強い想いなど、企業経営の本質論が込められている。(聞き手・片山哲郎) <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/BP-60C26_20240729_111429.jpg" alt="" width="1000" height="669" class="aligncenter size-full wp-image-82265" /> <h2>2001年『サイバースター』絶好調</h2> <strong>それにしても12万本とは凄いですね。『サイバースター3000』の販売目標は当初7万本だから大幅アップ。秋口に『360』『ツアーモデル』『レフティ』を加えて完全に陣容が整いました。</strong> 「12万本はね、単なる計画ですよ。そこまでいけるかどうかわからんし、ライバルメーカーも強力な商品を出してくる。『調子に乗ってる』なんて書かないで下さいよ(笑)。 だけどまぁ、うちにとって間違いなくNO1ヒットだし、出荷ベースで毎月9000本は出ています。外資メーカーの攻勢に対抗するとまでは言えないけど、土俵に指が掛かるくらいにはなったのかな」 <strong>『サイバースター3000』だけで45億円ですか。</strong> 「もうちょっと少なくて、42億〜43億といったところでしょう。うちのゴルフ事業全体で47億〜48億の計画だから『サイバースター』に一極集中だし、 裏返せばこれしかない(笑)」 <strong>なぜここまでやれたのか、という理由のひとつに、御社のケンカ慣れがあると思うんですが、どうでしょう?</strong> 「ん、どういうこと?」 <strong>御社は1985年、「カーボンアイアン騒動」でJGAを東京地裁に訴えた。そんな武勇伝があるだけに、高反発性能のアピールが他社より頭ひとつ抜けてます。</strong> <strong>テレビCMでも競技委員をからかうみたいなシーンを流してますが、かなり思い切りよくやってますね。</strong> 「別にからかっちゃないですよ(苦笑)。あのCMは飛びの優位性を表現するための手法でね、『反発係数』は作り手の言葉じゃないですか。そうじゃなくて、消費者に広く正しく知らしめるための演出なんです。 まあ、ケンカ慣れという意味じゃそうかもしれません。『カーボンアイアン騒動』は、ゴルフ業界における我々の原体験になっていて、消費者への対応、社員の結束、ゴルフへの取り組み方。そんな諸々を徹底的に鍛えられた。 非常に厳しい環境の中で全員が腹を固めたわけで、当社の歩き方を決した面もありますから」 <strong>腹の固め具合はどの程度でした?</strong> 「徹底的に! ですよ。うちがゴルフ市場に参入したばかりで、ゴルフ事業の売上は当時たったの8億円。にも関わらず『カーボンアイアン』のヘッド交換その他で12億円以上費やした。違反ヘッドの指定を受けてから3か月で97%回収して、間髪入れずに適合の新型ヘッドに切り換えたんです。 なぜそこまでやるんだと、みなさんから聞かれましたがね。だけどやらなきゃ駄目なんです。テニス、バドミントンのユーザーはゴルフへの流動性を持っていて、約3割が重複している。ヨネックスブランドの威信にかけても『俺は知らん』とは言えないでしょ? それ以上にゴルフマーケットへの真剣さをアピールする必要もありまして、逃げるわけにはいかなかった。徹底的に、というのはその意味ですよ」 <strong>当時、ゴルフ事業の販売構成比はどの程度ですか。</strong> 「そうだなぁ、1割未満。たしか7〜 8%だったと思います」 <strong>すると主力のラケット部門から突き上げもあった? 「だから言わんこっちゃない、ゴルフなんかやるべきじゃなかった」とか。</strong> 「そうじゃないッ、そうじゃないんですよ。ゴルフの痛手を全社挙げて取り返すんだと、みんな形相が変わりましたよ。ゴルフの痛手を挽回するために、テニス、 バドミントンのラケット事業も必死にシェアアップを目指したし、ゴルフの老舗メーカーからも『ほら見たことか』って中傷されたじゃないですか」 <strong>ラケット屋がおもちゃのクラブを出したからだ、とか。</strong> 「そうそう(笑)」 <strong>反骨心に火が点いた。</strong> 「そうですよ。その頑張りが報われて、翌期には倍以上売りましたし、翌々期は60億に手が届くまで成長した。ラケットで培ったカーボン技術による飛び性能は、特に年配者に評価されましてね、その意味ではゴルフ振興にも一役買ったと自負している。 まあ、いろんな意味で『カーボンアイアン』は我々の原点です」 <h2>「禁止マーク」900枚を専門店にばら撒いた</h2> <strong>『サイバースター3000』のアイキャッチは道路標識の「侵入禁止」をかたどったデザインですね。社内で「禁止マーク」と呼んでるそうで、主要店に900枚ばら撒いたとか。</strong> 「ほお、よく知ってますなあ。数までは僕も知らなかった(笑)」 <strong>あのマークはかなり刺激的ですね。高反発規制は2008年からだけど、それをわざわざ先取りしている。</strong> 「うん。先ほどもちょっと申し上げたように、わかりやすさが大事なんですよ。わざわざ『禁止』と書かなくても(高反発禁止が先行した)アメリカでは使えない、それがあのマークですぐわかる。 テレビや新聞でアピールしても売り場でやらなきゃ浸透しない。それが『禁止マーク』の配布ですよ」 <strong>「咀嚼する」ということでしょうか。いろいろ言っても仕方ない、噛み砕いて要点だけをポンッと出す。</strong> 「あのお、機能訴求の時代がね、長らく続いたと思うんですよ。これは大事。クラブは機能商品だから、他社と比較した機能の優位性じゃなく、明かに違った物を出すことです。 でも、だとしてもね、それは作り手の事情であってお客さんは違うじゃないですか。冷え切ったゴルフ市場に活力を与えるには話題性が必要で、それはお客さんの感性をつかむこと。 機能説明をダラダラ言っても買いません。感性を刺激した価値観をどのように創造するかが要点なんで、『サイバースター3000』はここに物凄くこだわってます」 <strong>感性って何でしょう。</strong> 「わかりません。僕もわからないで言っている(笑)。だけどその大切さは認識してますよ」 <strong>どのように?</strong> 「うん。例えばうちはウォーキングシューズにも力を入れてますが、これ、スポーツ医学の先生に言わせれば非常に優れた物なんです。スッと足を入れた瞬間に何とも心地良い感触がして、みなさん軽いと言ってくれる。 軽いのは誰でもわかるんです。そうじゃなくて、心地良さを言葉にできないものか。これまではウンチクをごちゃごちゃ並べてましたが、それを止めろと言っている」 <h2>おばあちゃんの涙</h2> <strong>ヒトは他人からごちゃごちゃ言われると耳を塞ぎたくなります。いくら正しいことを言われても拒否反応を示してしまう。</strong> 「そう。僕はそれを、作り手とお客さんの本質的なギャップだと言ってるんですが、作る側はいろんな苦労を重ねてきたから全部言いたくなるんですよ。取捨選択できないんだな。だけど消費者は要点だけを聞きたいんです」 <strong>苦労話なんか聞きたくない。</strong> 「そうですよ。ならば思い切って捨てる作業が必要だし、それを一言に込めるのが表現力じゃないですか。コミュニケーションを図るには咀噌して集中させること。 それで最近、こんな話があったんですよ。 自宅のそばに本屋さんがありましてね、そこのお婆さんが歩けなくなっちゃった。見てて痛々しいんですよ。それでサイズを聞いたら僕の家内と同じだから、すぐに持って行ってあげたわけ。 そしたらみるみる回復して、海外旅行へ行っちゃった。僕の顔見ると嬉しそうに一々報告してくれるんです」 <strong>それを言葉にしたい?</strong> 「そうなんです」 <strong>「涙が出ます!」とか。</strong> 「う〜ん・・・・・」 <strong>センスがない・・・・。</strong> 「一言に込めるって難しいでしょ?(笑)」 <h2>機能訴求から「感性訴求」へ</h2> <strong>最近コカ・コーラが「ノーリーズン」というキャッチフレーズでやってます。何だかわからないけど飲みたい、という心境なんでしょうが、そもそもコーラって健康飲料じゃありませんから感性でやるしかないですよね。</strong> 「なるほど」 <strong>面白いのはテーラーメイドです。新商品の発表を大画面を使ってやりましたが、商品写真が切り替わるたびにブルガリやモンブラン、ジャガーの写真を挿入する。言葉では説明しないけど、自分たちのポジションはここなんだと。</strong> 「それは面白いねえ。従来のテーラーメイドとは全く違うし、おそらく(親会社の)アディダスの影響じゃないですかね。アディダスのにおいがぷんぷんします。 海外メーカーはこれまで、機能訴求を徹底的にやってきたけど、今の話にもあるように、最近はかなり違ってますね。感性に対する取り組みが目立つんですよ。 残念ながら我々は、そこまで行けてない。広告代理店のセンスを含めて遅れてる事実は否めませんなあ」 <strong>だけど、御社にも感性訴求らしき動きはありましたね。去年『サイバースター2000』のコマーシャル映像で、CGを使った竜巻にオペラ歌手の歌声を被せた。大袈裟だし、ゴルファーの感性に訴えた?</strong> 「違います。アレもやっぱり機能訴求ではありましたね。というのも『竜巻』はボールのスピンを連想させる試みで、飛距離へのイメージを狙ったんです。だけど結果的には反省があって、常に議論はしています」 <strong>なるほど、いろいろ難しいんですねぇ。</strong> <h2>ミケルソンと切れたのは悔しかった</h2> <strong>ゴルフ事業の売上は当期47億~48億円ということですが、最盛期はいつですか。</strong> 「8年前に96億(連結)まで行って、その後ズドンと落ちてしまって、前期は44億を切りました。これが最低です。 だけど理由があるんですよ。余分なものを整理するため徹底的に絞り込んだ。散漫にやると売り場もメーカーもお客さんも、みんな混乱するじゃないですか。それを避けるために絞ったわけですが、絞れば売り上げも減りますでしょ。そういったことでした」 <strong>御社は「熟年市場」へのアプローチが中心ですが、これまで看反選手はずーっとフィル・ミケルソンでした。その彼と、絞り込みの過程で契約切れになったことはよかったんですか?</strong> 「いや、傍目にはどう映るかわからんけども、我々の基本線はアスリート志向だし、ミケルソンと切れたことはやっぱり残念ですよ。彼とはアマチュア時代からの付き合いで、世界市場ヘヨネックスを印象付けるのに多大な貢献をしてくれた。でもね、要求額が・・・。 我々の年商が500億クラスならともかく、うち程度じゃ歯が立ちませんよ(苦笑)」 <strong>要求額は複数年で110億超ですか?</strong> 「具体的な額は言えませんが、 以前の3〜4倍に跳ね上がった。この金額をほかのプロモーションに振り向ければ相当なことができますので、結果的には断念せざるを得なかったんです。 もちろん悔しかったですよ。その気持ちをわかってもらえたのか、彼のお父さんからお手紙を頂戴しまてね・・。 ただ、金の切れ目が縁の切れ目ということじゃなく、今でも彼の活躍は楽しみだし、気になる存在ではありますね」 <strong>御社との契約期間は昨年末までありましたが、その前の11月にアクシネットが「ミケルソン獲得」を発表しました。あれは、</strong> 「そう、あれは問題ですよッ。本来なら訴えられても仕方ないぐらいだ。 うちとしては事を荒立ててもしょうがないのでグッと我慢しましたが、非常に残念なやり方でしたな」 <strong>ミケルソンがいなくなってグローバル戦略は小休止ですか?</strong> 「いや、それは全くありません。地道だけどプロ契約も進めてるし、常に世界を意識しないと逆に国内でやられてしまう。そういった感覚を磨くのは非常に大事なことなんです。 国内外の比重の掛け方は経営のバランスだから、臨機応変ではあるけれど、徐々に採算が取れるようにはなってます」 <h2>安易な海外生産は「命」を取られる</h2> <strong>御社は国内生産にこだわってますが、グローバル戦略を考えたときに国内生産のコストは重くないですか?</strong> 「そうねえ・・・まるっきり『NO』とは言えないけど、国内工場を堅持することは必要条件だと思ってます」 <strong>でも中国の労働コストは、日本の20分の1じゃないですか。</strong> 「だから一部中国へ依託もしてますが、国内工場をどうこうするという話にはなりませんし、長い目で見ればコスト差を補って余りあるメリットがある。僕はそう考えてます」 <strong>どういったことでしょう。</strong> 「うん。かつて日本にラケットメーカーは63社ありました。だけどいま何社残ってると思います? うち1社ですよ。 労賃の安い国へ技術移転して、ついでに命まで取られてしまった。つまりメーカーが自社生産を放棄した時、それはメーカーが終わる時なんです」 <strong>倒産して、自殺者も出たんでしょうねぇ。命まで取られた。</strong> 「そりゃね、すぐ隣に安く作れる国があれば、そこを使わない手はないと考えるのが普通ですが、メーカーは自分で物を作るのが基本じゃないですか。それを見失うとまずいということを、我々はラケットで散々経験してるんですよ。 ひとつ例を言いましょうか。例えばウエアの話です。ひとつの商品でS、M、L、Oと4サイズ揃えます。すると経験則的にSが5%になるという。1万枚の生産計画でSを500枚作って、結果100枚しか売れなかった。すると残った400枚は無駄になります。 ゴルフクラブもまったく同じで、経営の最大の圧迫要因は『見込み生産』なんですよ。 でね、これを回避するためにはジャスト・イン・タイムしかありません。いろんな調査データを見たところで意味がないとまでは言わないけど、需要予測をパーセンテージで見るんじゃなくて、日々の本数で追いかけるのが一番大事なことなんです」 <strong>市場予測を机上で議論しているうちに、現実の市場はどんどん変化する。だから机上論ではなく、現実の動きに如何に瞬時に対応できるか。そのほうがよっぽど大事だと。</strong> 「そう。うちもチタンヘッドは中国でやってますが、中国はあくまで材料としてのストックです。材料は1.5か月分、商品は0.7か月分で、これをきっちりと守っていく。 このあたりを全て外注すると、事前に先方の生産ラインを抑えなきゃならないので、日々の現実の動きに対応できなくなる」 <strong>つまり「見込み」をしなきゃいけなくなる。</strong> 「そう。対応できない、ということが命取りになるんですよ」 <strong>低コストへなびくのは近視眼的だと。</strong> 「少なくとも僕は、そう考えます。もちろん中国の技術進歩は素晴らしい。後発が有利なのは、その時代の最先端の技術からスタートできるじゃないですか。新しい技術の吸収が早いから、成長性も見込めます。 だけどそういったことを前提にしても、国内工場は絶対に堅持すべきなんです」 <strong>そこはもう、思想というか哲学ですね。</strong> 「そんな立派なもんじゃありませんが(笑)、うちは『計画と仕入れ』について方程式を持っていて、常に3つの角度から検証してるんですね。常にメールでやり取りして、本数をしっかりと追いかける。 たしかに『サイバースター3000』は猛烈な勢いで売れてますが、せっかく作ったブランドも過剰供給になれば在庫処分で安売りになる。ブランドなんかすぐに崩壊しちゃうし、せっかく買ってくれたお客さんに残念な思いをさせてしまう。 そうさせないのが我々メーカーの責任なんだッ。でしょ?」 <strong>わかります。</strong> 「一見合わない国内生産のコストもね、結局は帳尻が合うようになっている(笑)」
    (公開)2024年07月29日
    ヨネックスはジョブローテーションを推進し組織の活性化を図るため、7月31日付で人事異動を発表した。 《人事異動》 ・ヨネックスジャパン 大型店営業部長  西尾 文之
    (公開)2024年07月03日
    ヨネックス元代表取締役社長の米山宏作氏が、2024年5月4日に逝去された。 享年86歳。葬儀は近親者のみにて執り行われた。 心よりご冥福をお祈りいたします。 なお、お別れの会が7月24日にANAインターコンチネンタルホテル東京にて予定されている。
    (公開)2024年06月26日
    ヨネックスは、国内自社工場製グラファイトハイブリッド鍛造アイアンシリーズより『EZONE CB901 フォージドアイアン』を2月下旬から発売する。 このアイアンは「もっと遠くに、もっとやさしく」をコンセプトとして開発。軟鉄鍛造アイアンのソフトな打感に加えて、初中級者でも使用できる飛距離と寛容性を兼ね備えたアベレージゴルファーに魅力的なフォージドアイアンである。 アスリートゴルファーも使用するグラファイトハイブリッド鍛造アイアンの好打感はそのままに、ヘットサイズを大きくし、飛距離と寛容性を向上させた扱いやすいフォージドアイアンを求めるゴルファーにおすすめのアイアンだ。 【EZONE CB901 フォージドアイアン 特徴】 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/02/CB901_head.jpg" alt="" width="1000" height="1051" class="aligncenter size-full wp-image-80482" /> ■肉薄・低重心化したフェースで飛距離アップ 軽量かつ高反発なカーボンパーツ(g-BRID)をフェース裏面に一体化し、低重心化とフェースの薄肉化を実現。優れた反発性と低重心化による高い打ち出し角により、飛距離性能がアップ。8番アイアンで7番アイアンのような飛距離を実現する。さらに、振動も抑えられ打球感の柔らかさが向上し、高打感をもたらしてくれる。 ■ヨネックスフォージドアイアンシリーズ最大の慣性モーメント ヘッドサイズを大きくし、ウェイトをトゥヒールに配分することで、ヨネックスフォージドアイアンシリーズ最大の慣性モーメントを実現。寛容性が高くミスヒットに強いため、より正確にグリーンを狙える。 ■アベレージゴルファー向けの飛ばせるアイアン 飛距離と寛容性を重視したアベレージゴルファー向けのフォージドアイアン。 価格はカーボン5本セット(#6~PW)が16万5000円、カーボン単品(#4、#5、AW・SW)が3万3000円。N.S.950 GH neo5本セット(#6~PW)が14万8500円、N.S.950 GH neo単品(#4、#5、AW、SW)が2万9700円。 【お問い合わせ先】 ヨネックス 03-3833-3526 
    (公開)2024年02月27日
    ヨネックスは、カスタムオーダーで好評のカーボンシャフト「REXIS」シリーズから新しいシャフトを発売した。 シャフトは、最適な素材と製法を配置し、粘り感を追求したフェアウェイウッド用『REXIS KAIZA-F HP』と、ユーティリティ用『REXIS KAIZA-U HP』の2種類。手元側をしなりやすくし、粘り感を追求するとともに、しなり戻りの再現性に優れた安定した方向性を求める、中上級者向けのカーボンシャフトだ。 フェアウェイウッドとユーティリティのシャフトには、カーボンの約3倍の柔軟性を持つ独自素材「TOUGH G-FIBER(タフジーファイバー)」を手元側に搭載し、自然な粘り感を実現。また、ユーティリティの『REXIS KAIZA-F HP』には、シャフト全体にマルチレイヤードワインディング製法を採用。極薄のカーボンシートを均一に巻くことにより、360度精密でバラつきのない肉厚を実現している。これにより硬さのバラつきが少なく、しなり戻りの再現性を高め、ミート率と方向性を高めることが可能になる。 今回の発売によって「REXIS KAIZA-HP」シリーズは、フェアウェイウッド用とユーティリティ用が加わり、ドライバー用からアイアン用まで全てのシャフトがラインアップ。全番手違和感なく振りぬけるようになった。 価格は『REXIS KAIZA-F HP』が2万7500円、『REXIS KAIZA-U HP』が1万7600円。 日本国内67店舗のヨネックスフィッティングスタジオのコンセプトショップにて販売。 お問い合わせ ヨネックス 03-3833-3526
    (公開)2023年10月10日
    ヨネックスはこのたび、下記の人事を発表した。 《人事異動》 ・新潟工場技術開発第一部長 樋熊 忠治 ・ヨネックスジャパン 名古屋支店 営業部長 近藤 千恵 ・ヨネックスジャパン ゴルフ営業部長 矢島久仁彦 《異動日》 2023年10月21日
    (公開)2023年09月06日
    ヨネックスはこのたび、下記のとおり取締役候補者、執行役員を選任した。 なお、取締役の異動は6月23日開催予定の定時株主総会及びその終了後開催予定の取締役会の決議を経て正式決定の予定。 1.取締役候補者の選任 ・社外取締役 ダンカン 隆賢 ウィリアムズ 2.執行役員候補者の選任 ・執行役員 東京工場長 田中 謙介 ・執行役員 YONEX SPORTS (CHINA)CO., LTD.(中国)総経理 芝原  歩 ・執行役員 新潟工場総務総括兼総務部長 星野 尊子 ・執行役員 IR部長 綿貫 涼子 ・執行役員 マーケティング本部長兼グローバル戦略室長 ケーシー ヨネヤマ 3.退任予定執行役員 ・執行役員 東京工場長 森  敏昭 ・ 執行役員 YONEX SPORTS(CHINA) CO., LTD.(中国)董事長 YONEX TAIWAN CO., LTD.(台湾)董事長 渡邉 一昭
    (公開)2023年05月10日
    契約のサインで手が震えた <strong>おめでとうございます。やりましたね。</strong> 「ありがとうございます(笑)」 <strong>契約の発表会見に集まった報道陣は166人とか。すごかったですねえ。</strong> 「まったくです(苦笑)」 <strong>冒頭のあいさつで「契約書にサインするとき手が震えた」とおっしゃいましたが、あれは報道陣を意識したリップサービスですか。</strong> 「とんでもないッ、そんな余裕はありませんよ。本当に手が震えましてね、あの時、コトの大きさを改めて実感したわけです」 <strong>コトの大きさとは?</strong> 「あのぉ、話は多少前後しますけど、わたしが石川君と初めて会ったのは記者会見の当日だったんです。それ以前の印象は『社儀正しい子だなあ』というもので、高校生ながらツアーで優勝したときも、勝ったことよりむしろスピーチに感心したんですね。 一言一言がカッコよく、意味があって華がある。絵になるなあと。 ただし、わたしが本当に感激したのは、当社から会見場へ向かうクルマに乗り込んだときなんですよ。わたしの隣に座った遼君は、即座に『運転手さん、よろしくお願いします』と。 つまり、単に社儀正しいということではなく、ひとへの気遣いがパッとできる。これから記者発表へ向かうあの状況で、あの振る舞いができる人間は滅多におりません。ありえない16歳です」 <strong>それ以前、「プロ宣言」をしたときの記者発表で、同じ印象を持ったんですよ。300人の記者を前に、質問への回答をジックリ考える。</strong> <strong>10秒ほどの沈黙が数回ありましたが、普通なら静寂の重さに耐え切れなくてあらぬことを口走るのに、落ち着いて熟考する。あの集中力は並じゃないし、空間を完全に支配していました。</strong> 「彼の魅力は天性ですよ。そんな選手と契約できた幸運と、サポートをしていく責任感……。金額もやたら大きいですが(笑)、コトの大きさというのはその意味です」 <h2>原油高なのに石川遼</h2> <strong>それにしても争奪戦はハンパじゃなかったですね。石川家は自宅から数分の場所に一室を借りて、各社との交渉に当たったと聞いています。子供がいるところでの交渉は、穏当じゃないという親の配慮だったそうですが……。</strong> 「そのあたりは黒子常務(ゴルフ事業責任者)が詳しいんですけど、もともとうちは小学4年生から彼をサポートしてきたわけです。そういった経緯を考えれば、行かないほうがヘンですよ。 わたし自身、夏ぐらいには是が非でもという気持ちになっていたし、担当者によれば(プロ宣言の)可能性は高いという。11月には社内へ向けて『獲るぞッ』と宣言していました」 <strong>条件闘争は激しかった?</strong> 「まあ、他社のことは知りませんが、少なくともウチはマネーゲームにはならなかったですね。黒子常務から『この条件でいきます』と最初に報告を受けて、結局、その内容は最後まで動かなかった。最終的には、本人がヨネックスに決めたそうです」 <strong>クラブ契約はドライバーを含む11本以上にもかかわらず、今季は去年のドライバーでやるそうですね。あれ、他社品ですが。</strong> 「それは例外的に認めました。お父さんいわく、高校に通いながらの参戦だから、クラブ調整の時間がとれないと。そんな話もありましたので」 <strong>寛容すぎる(笑)。</strong> 「あのね、使ってもらうことは大事だけど、長い目でみる必要がありますよ。ただ、ビジネスの側面を考えるなら、今秋新しいウエアを発表して、来春の発売につなげたい。そんな方向性ですし、当然期待もしています」 <strong>契約の予算はどの部署から出すんですか?</strong> 「ウチの場合、プロ関連の予算はすべて宣伝広告の範疇です」 <strong>なるほど。直近の年商と、ゴルフ事業の構成比を教えてください。</strong> 「年商はおよそ350億円で、そのうちゴルフ事業は約1割です。売上高は微増だけど、利益面は苦労の連続で、一番大きいのが原油高の影響ですよ。 主力のラケットは炭素繊維だから、原油の高騰がもろに響いてくる。ウエアやシャトルコックも同じことで、過去数年、材料原価は3〜4割も跳ね上がってしまいましたし、シャトルコックは期中で値上げしたほどです」 <strong>原油高なのに石川遼を獲りに行った? しかもゴルフ事業は全体の1割なのに……。</strong> 「わたし、記者会見が終わった翌週の月曜に、朝礼で言いましたよ。『今回の契約はヨネックス・ブランドを全社的に高めるチャンスだ!』と。 要するに石川プロとの契約は、ゴルフ事業の範疇で考えるものではなく、全社的なプロジェクトなんですね。会見場には多くの社員が駆けつけたし、彼らの顔を見ていると、みんな熱く燃えていた。その熱気がね、ビンビン伝わってきましたよ(笑)」 <h2>王子獲得は「新体制」の試金石</h2> <strong>冷や水を浴びせるつもりはないですが、過剰な期待はどうでしょう? ミシェル・ウイもタッド・フジカワも、プロになってから苦労しているし。</strong> 「いや、プロになってすぐに勝てると思うのがおかしいんですよ。そりゃ、勝ってもらったら嬉しいけど、過剰な期待はしていません。 考えてみてください。試合会場が固定している大会は、プロアマを含めて1試合5ラウンドしますよね。10年選手は50ラウンドもしているわけだから、その経験値はものすごいプラスだし、石川君にはそれがないでしょ。 そういった意味でも、プロの世界は甘くないと思います」 <strong>今回の争奪戦で改めて感じるのは、ヨネックの企業体質です。古い話で恐縮ですが、80年代の「カーボンアイアン騒動」で御社はJGA(日本ゴルフ協会)を東京地裁に訴えた。</strong> <strong>そのいきさつはともかく、局面における決断と行動の素早さはワンマン経営の特徴で、トップがこうと決めたら譲らないし、度胸が据わっている。</strong> <strong>米山さんが新社長に就任されたとき、併せて新体制も発表(2007年5月)しました。常務は5人体制という異例の数で、</strong> 「いや、6人です。副社長と合わせて『七人の侍』だと(笑)」 <strong>失礼しました。それで常務の平均年齢は50歳。社長も50歳だったから、若返りによる「合議制」への転換と見えたわけですが、今回の大勝負を見ると「ワンマン体質」は健在だった。あれだけの契約は合議制では決断できないでしょう。</strong> 「いや、微妙に違いますね(苦笑)。たしかにこれまでのヨネックスはトップが強かったです。わたしの父親が創業者なので、右といえば右だし、左といえば左でした。 比べて今は、従来のワンマン体制ではありません。だけど、合議制でもないと言いきれるのは、6人の常務が個々に責任部門を任されていて、決定権を持っているからなんですね。 石川プロの契約金も黒子常務が決断したし、わたしも記者発表の当日までは一切表に出なかった。契約に至る背景には、新体制の機能的な働きがあったといえるでしょうね」 <strong>「石川遼」は、新体制の試金石だった?</strong> 「新体制が機能した、いい事例になりましたよね(笑)」 <h2>ミケルソン獲得の裏話</h2> <strong>それにしても、ヨネックスの「プロ戦略」はダイナミックです。テニスのヒンギスやヒューイット、ゴルフもかつてはミケルソンがいた。特にミケルソンは米山社長の駐米時代、肝いりで獲得したそうですね。</strong> 「実は、あれもラッキーだったんですよ。というのも、わたしが駐米時代に親しく付き合っていたディーン・レインマスというコーチがいましてね、ミケルソンを学生時代から教えていたんです。 そのディーンがうちの『エアロナプロ』を使っている様子をフィルがみて、いっぺんに惚れ込んでしまったのです。アッ、石川遼君も同じですね。彼もうちのアイアンに惚れ込んでくれました。 でね、ぼくもフィルを高校時代から知っていて、これはすごい選手になりそうだと確信があったんですよ。マスクがいいし、スマートだし、何より握手したときの手が本当に大きいんだ。アッ、遼君の手も大きかったなあ……。大きくて厚いんですよ」 <strong>それで?</strong> 「ご存知のように、その後フィルは頭角を現わして、大学1〜2年で『大学選手権』を連覇します。3年生で三連覇を逃したときは、連覇のときに使っていたアイアンを替えて失敗したんですが、そのタイミングで彼は『エアロナプロ』と出会うわけです。 最後の『大学選手権』は、これで勝負したいと言ってくれた。 でも、周囲は大反対ですよ。クラブを替えて三連覇を逃したことに加えて、この大会の3勝はベン・クレンショーと並ぶ大記録だったからです。そこで彼は、反対派の人たちをアメフトのグラウンドに集めましてね、ゲインラインヘ打ち始めた。他社のアイアンはブレるけど、うちのは正確に距離を打ち分けられる」 <strong>それで周囲を黙らせた?</strong> 「なんですが、あとでお母さんに聞きましたら『フィルならあれぐらいの芸当はするわよ』って言われて、」 <strong>悲しかった?</strong> 「うん……。ちょっと悲しかったですねえ(苦笑)」 <strong>卒業後にミケルソンと契約して、ヨネックスのビジネス環境は激変します。まさに『プロ契約効果』で、ヨネックス・ブランドが一気に跳躍した。</strong> 「あれは本当にすごかったですよね。フィルは当時、ジャック・ニクラウスの再来といわれていたので、セールス部隊の目の色も変わりました。それで一気に勢力を拡大しましてね、アメリカだけで30億円の売上ですよ。 国内と合わせれば100億円を超えたはずで、当社ゴルフ事業の最盛期となったわけです。まさにミケルソン効果で、うちでは『外堀戦略』と呼んでますが、日本市場へ与えた影響も図り知れません」 <h2>「大物食い」はヨネックスの伝統</h2> <strong>つまり、石川遼の獲得にも経験的な確信があったわけですね。ミケルソンと同じ効果が期待できる、と。</strong> 「というか、ウチのプロ戦略はもっと根源的なものなんですよ。 簡単に経緯を説明すると、父親が戦地から復員して、下駄や浮きをつくる米山木工所を創業しました。その後テニスラケットの世界に入るわけですが、でも『ヨネヤマ』じゃ誰も相手にしてくれなかったので、海外に出ようと決めたわけです。 物作りには自信がある。だけど、そのよさを証明してくれる人が誰もいない。そんな悔しさが海外に出た原動力だったわけです」 <strong>ビッグネームは獲れました?</strong> 「ええ。これはバドミントンの話ですが、当時『全英選手権』を7連覇の8度優勝というバドミントンの神様が、インドネシアにおりました。ハルトノ選手です。日本でいえばジャイアンツの長嶋さんみたいな存在です。 それで父は『とにかく使ってください』と、拝み倒すようにして契約するんですね。テニスもまったく同じで、あのキング夫人とナブラチロワを一度に契約したんですよ。 キング夫人のガッツポーズに惚れ込んで、エージェントに掛け合うと『ナブラチロワも一緒にどうですか?』と(笑)。 彼女だって当時は世界ランク1位ですよ。それがセットで契約できた。契約したら、世間のヨネックスを見る目が一気に変わった。この経験が本当にデカくって、つまり当社のバドミントンはハルトノ、テニスはキング夫人とナブラチロワによって今日を築いているんです」 <strong>話題を現代に転じると、バドミントンの「オグシオ」(小椋久美子/潮田玲子)がいますね。可愛さばかり注目されますが、ペアでの世界ランクは7位です。</strong> 「そう、実力もある。彼女たちは三洋電機の所属で、なおかつアマチュアだから、当社とはチーム契約になっています」 <h2>「オグシオ」は業界の戦略だった</h2> <strong>「オグシオ」はバドミントン市場の拡大に寄与しているとか。</strong> 「それは間違いありませんが、実はオグシオの登場は、バドミントン業界の努力と無縁ではないんですよ。彼女たちはもともとペアじゃなくて、高校も別々だったんですね。 で、二人の可能性に注目した三洋電機の監督さんが、一緒に入社させてペアを組ませたわけですよ。強くて美人、その二人がペアになったらバドミントン人気が出るだろうという計算です。 当社には『可愛いウエアを作ってください』と要望がきましてね。バドミントンはつい最近まで、男女とも同じデザインだったから、まずはウエア改革に着手しました」 <strong>ウエア改革?</strong> 「そうです。バドミントンは英国に発祥しているため、ウエアの色は白で襟つきとか、ドレスコードが本当に厳しかったんです。それに加えて、日本では『学校体育』の範疇だから、シャツはパンツに入れなさいとか細かく指導されるわけですよ。 でも、こういった発想を変えないとバドミントンは衰退する。野球みたいにメジャーなスポーツではありませんから、放っておいたら競技人口が野球やサッカーに取られてしまう。そんな危機感で改革に乗り出した矢先、タイミングよくオグシオが出てきたわけです」 <strong>それで競技人口は激増した?</strong> 「いや、微増です」 <strong>ふ〜ん。オグシオは大したことありませんねえ(笑)</strong> 「とお~んでもない! 考えてみてくださいよッ。バドミントン人口のかなりを子供や学生が占めている。ということは、少子化の影響をもろに受ける。実際、地方の学校では子供の数が少なくて、チーム競技が成立しないケースもあるじゃないですか。 そのなかでの微増はね、本当に大したことなんです。日本バドミントン協会(NBA)に登録する競技者数は、大人も含めて30万人、非登録を合わせればトータル60万人ほどでしょう。かなり小さいわけですが、だからこそ底辺の拡大が不可欠なんですよ」 <strong>どうやって底辺を拡大するんですか?</strong> 「うん、ふたつ方向性がありますね。ひとつはNBAを頂点とする大会の開催で、ゴルフでいえばJGAの主催競技にあたるのかな。NBAの傘下団体はカテゴリー別に社会人、大学、レディース団体などが並列に組織されていて、それぞれ全国大会を開きます。 一方の流れは『草大会』で、NBAの大会に出られないレベルの選手が参加することになるわけです」 <strong>草大会の主催者は誰ですか?</strong> 「それは専門店のご主人とかなんです。国内には『日本バドミントン専門店会』というのがありましてね、50社ほどが加盟していて、非加盟の専門店を合わせれば全国で100社ほどになりますが、彼らが事務局を務めるわけですよ」 <h2>遼君をスポーツ界の模範生に!</h2> <strong>たとえば、わたしが専門店の店主だとして、何をすればいいんですか?</strong> 「まず、場所を確保してください。多くは使用料を払って体育館を借ります。これが決まったら大会要綱を作成して、郵送する。返信がきたら組み合わせを作ります。当日は負けた選手が審判をするとか、」 <strong>手作りですねえ。</strong> 「そう、まったくのボランティアなんですよ。草大会は全国で年間500~1000ほどあって、当社も大半の大会にかかわっています。ラケットやバッグを賞品提供したり、トロフィーやパンフレットに広告を出したり」 <strong>広告費はいくらですか?</strong> 「1万〜5万円の範囲ですね。もの凄~く地味な活動だけど、絶対に必要な活動です」 <strong>その一方、御社には「テニプリ」(漫画・テニスの王子様)の成功例もありますね。人気漫画に協賛して、「YYマーク」を訴求している。</strong> 「よくご存知ですねえ。あれはもともと『少年ジャンプ』の連載で、小中学生のあいだで大ヒットしたんです。当初は広告代理店から登場人物のウエアにロゴをつける話が持ち込まれて、その後テレビ東京でアニメ化された。 ウチは番組スポンサーです。『王子』は野球の斉藤君、ゴルフの石川君ですが、もとはテニスの王子様だったんですよ(笑)」 <strong>ヨネックスは二人の王子をゲットしたことになる。</strong> 「でね、当時は中高のテニス部に入部者が殺到して、2年間は倍増でした。読者層は小中だから、小学生は中学へ、中学生は高校のテニス部に駆け込むわけです。うちのジュニア用品は200〜250%を記録したものですよ」 <strong>ジュニア育成という意味では、御社には伊達公子もいる。</strong> 「そうなんです。彼女は引退してから10年間、ずう〜っとジュニア育成をしてくれてます。幼稚園児のキッズテニスは短いラケットにスポンジボールですが、伊達さんはヒザを折って子供目線で話しかけるなど、あの姿勢には本当に頭が下がりますよ。 面白いのは、親御さんの熱中度です。親は伊達さんと同じ世代だから、ウインブルドンでの活躍をリアルタイムで知ってるじゃないですか。自分の子供が、あの『伊達公子』に教わるのに感激して、一生懸命ビデオを撮っている。 でね、伊達さんが象徴しているのは、少子化における子供の獲得合戦なんですよ。我々スポーツ業界は、ほかのスポーツとの取り合いじゃなくて、ゲーム業界やケータイもライバルなんだよ、と。そこを視野に入れなきゃいけないと思ってます」 <strong>「Wii」は新たに、台に乗って遊ぶバージョンを発売しました。日本の医療費は31兆円、そのうち10兆円が生活習慣病に費やされますが、ゲーム業界はそこを狙っている。あのバージョンには凄みを感じますね。</strong> 「まったく同感です。スポーツ業界は健康産業でもありますから、ゲーム業界に負けるわけにはいきませんよ」 <strong>それで、石川遼をどう使いますか?</strong> 「うん。具体的にはまだ未定なんですが、これから何百通りもの案を検討していきます。ただし、個人的にはロールモデル(模範生)と言いますか……、スポーツをすると石川君のようになれるんだよ、そんな子供に育てたいと願う大人たちの応援を、しっかり取りつけることが大事でしょうね。 石川遼君は、スポーツ界の象徴になれるはずだと思いますので、そこへの期待感は大きいです」 <strong>そうするためのノウハウを、御社はテニスやバドミントンで蓄えている。</strong> 「そうですよ。彼には天与の才がありますからね、石川君を象徴としながら、ヨネックスは子供の健全育成に寄与する会社だと。そのようなイメージを形成したいんです!」 <strong>契約書のサインで、震えるはずですねぇ。</strong> <hr>
    (公開)2023年03月20日
    ヨネックスはこのたび、下記の通り組織変更と人事異動を発表した。 1.組織の新設(2023年4月1日付) 東京工場に、海外管理に特化した部門として「海外生産統括部」を新設。 2.人事異動(2023年4月1日、4月21日付) ・東京工場 海外生産統括部長 宮城 哲也 ・東京工場 シャトル製造部長 河村 律治 ・新潟工場 テニス製造部長 大久保 昭 ・新潟工場 バドミントン製造第二部長        長谷川照美 ・新潟工場 バドミントン製造第一部長        梶山 俊幸  また、6月21日付で下記の組織変更及び人事異動を行う予定。 1.組織変更(2023年6月21日付) 海外営業部を「海外営業第1部」、「海外営業第2部」に再編する。 2.人事異動(2023年6月21日付) ・執行役員 海外営業本部 海外営業第2部長 海老原宏明 ・海外営業本部 海外営業第1部長 金  建鎬
    (公開)2023年03月20日
    ヨネックスは、シリーズ史上最軽量を更新し、高初速性能を向上させた最高級・シニア向けモデルの『Royal EZONE シリーズ』を2月下旬より発売する。 同製品は、「200ヤードをもっとやさしく飛ばせる」をコンセプトに、軽量性やしなりによる振りやすさに加え、低重心、高反発性能をさらに高めることで、飛距離アップを可能にするという。すべてのクラブにおいて、クラブ全体で12gから18gの軽量化に成功し、『Royal EZONE』史上最軽量を更新。振りやすさが向上したことで、より高く、真っ直ぐにやさしく飛ばすことができるという。 また、ヘッド部もさらに進化。ドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティーヘッドは、さらに低く、深くした重心が高慣性モーメントを実現し、当たり負けせず直進性の高い飛びを生み出すという。アイアンヘッドには、新素材マイティマレージングプラスL型フェースを採用することにより反発性を高め、圧倒的なボール初速を実現。さらに、高比重タングステンウエイトをソール部分に複合し低重心化。低ヘッドスピードでも、楽に飛ばすことができるとか。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/02/RoyalEZONE_shaft.jpg" alt="" width="722" height="39" class="aligncenter size-full wp-image-76188" /> シャフトには、しなりと復元力を飛躍的に向上させる次世代カーボン「2g―Namd Flex Force」を搭載。また、手元側をしなりやすくした剛性設計により、ダウンスウィング時のタメを促し、少ない力のゴルファーにも振りやすく、効率的な飛び性能を発揮するという。 ■価格 ドライバー:11万5500円 フェアウェイウッド:6万8200円 ユーティリティ:5万5000円 アイアン:4本セット(#7~PW)14万5200円、単品(#5・#6・AW・SW)3万6300円 ヨネックス ゴルフ営業部 03‐3833‐3526
    (公開)2023年02月24日
    今年最後の報告は2022年シーズンで大ブレイクした岩井ツインズの使用クラブについてです。昨年2021年度のプロテストに合格し、ファイナルQTでは思った成績も出せずに2022年シーズンは前半戦で10数試合での参戦予定でしたが、ルーキーシーズンにもかかわらず、上位での活躍によりリランキングで夏以降の試合出場も可能となりました。   妹の岩井千怜プロは8月のNEC軽井沢72ゴルフトーナメントで初優勝、翌週のCATLadies2022でも2週連続優勝という快挙を成し遂げました。 一方姉の岩井明愛プロは、ロレックスランキングによるシード獲得のために奮闘し富士通レディースで惜しくも一打差で優勝は逃したものの、ロレックスランキング42位まで押し上げシード獲得に大きく前進しました。 2023年度に岩井ツインズがそろってシードを獲得することになればJLPGA始まって以来の快挙となります。(2022年12月20日追記:二人そろってシード権獲得) 今回は終盤に差し掛かったタイミングでの二人のクラブセッテイングを紹介しようと思います。 岩井明愛(姉)はヘッドスピードも速く、9月中旬の住友生命Vitalityレディス東海クラシックのドラコン大会でも優勝した穴井詩選手に次いで2位に入りました。特別なドラコン用クラブではなく通常使っているクラブでです!! 岩井千怜(妹)もかなりヘッドスピードも速く飛ばし屋の部類に入りますが、さすがに姉の明愛プロと比較すると10ヤードほど飛距離は変わるようです。 二人とも飛距離重視のアイアンヘッドを使い、アイアン型のUTをバッグに入れるあたりは、やはりヘッドスピードの速い飛ばし屋プロを証明しています。 <strong>岩井 明愛プロ</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2022/12/ane-1.jpg" alt="" width="857" height="1132" class="aligncenter size-full wp-image-75103" /> クラブ 名称 ロフト角 ライ角 シャフト シャフト 硬さ 長さ バランス 1W 03EZONE GT 450 9° 02レクシスカイザ M 5S 45.75 D0 3W 03EZONE GT 15° 02レクシスカイザ M 6S 43 D0 5W 03EZONE GT 18° 02レクシスカイザ M 6S 42.25 D0 5I EZONE FSアイアン 21° 60.5 02レクシスカイザ i 8S 39 D1 6I EZONE FSアイアン 23° 61 02レクシスカイザ i 8S 38.5 D1 6I EZONE CB511 28° 61.5 NS950NEO S 37.75 D1 7I EZONE CB511 32° 62 NS950NEO S 37.25 D1 8I EZONE CB511 36° 62.5 NS950NEO S 36.75 D1 9I EZONE CB511 41° 63 NS950NEO S 36.25 D1 PW EZONE CB511 46° 63.5 NS950NEO S 35.75 D1 ウェッジ EZONE W 501 ノーメッキ 50° 63.5 NS950 S 35.25 D2 ウェッジ EZONE W 501 ノーメッキ 54° 63.5 NS950 S 35.25 D2 ウェッジ EZONE W 501 ノーメッキ 58° 63.5 NS950 S 35 D2 <strong>岩井 千怜プロ</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2022/12/imouto.jpg" alt="" width="800" height="1067" class="aligncenter size-full wp-image-75104" /> クラブ 名称 ロフト角 ライ角 シャフト シャフト 硬さ 長さ バランス 1W 03EZONE GT 425 9° 02レクシスカイザ M 5S 45.75 D1.5 3W EZONE FS 15° レクシスカイザ M 5S 43 D2 3UT EZONE FS 19° レクシスカイザ M 5S 40.5 D2 6I EZONE FSアイアン 23° 60.5 02レクシスカイザ i 8S 38.5 D1 5I EZONE CB511 25° 60.5 02レクシスカイザ i 8S 38.25 D1 6I EZONE CB511 28° 61 02レクシスカイザ i 8S 37.75 D1 7I EZONE CB511 32° 61.5 02レクシスカイザ i 8S 37.25 D1 8I EZONE CB511 36° 62 02レクシスカイザ i 8S 36.75 D1 9I EZONE CB511 41° 62.5 02レクシスカイザ i 8S 36.25 D1 PW EZONE CB511 46° 63 02レクシスカイザ i 8S 35.75 D1 ウェッジ EZONE W 501 50° 63.5 NS950 S 35.25 D2 ウェッジ EZONE W 501 54° 63.5 NS950 S 35.25 D2 ウェッジ EZONE W 501 58° 63.5 NS950 S 35 D2 <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2022年12月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://www.gew.co.jp/magazine">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2022年12月26日
    ヨネックスはこのたび、下記の通りの人事異動を発表した。 ・マーケティング本部 製品開発部長(現:マーケティング本部 製品開発部次長) 秀 一志 異動日:2023 年1月 21 日付
    (公開)2022年12月15日
    ヨネックスはこのたび、下記の通りの人事異動を発表した。 ・ヨネックスジャパン 福岡営業所長 大平 真史
    (公開)2022年09月20日
    ヨネックスはこのたび、下記の通りの人事異動を発表した。 ・新潟工場 人財開発部長 池津 和弘 ・新潟工場 総務総括兼総務部長 星野 尊子 ・新潟工場 総務総括付部長 渡辺 和賢
    (公開)2022年06月30日