ゴルフの技術やスコアの良し悪しは評価に直結するものではありません。当たり前の話ですが、まず『人として』どうなのか、なのです。マウント取ったり、ニギりの無理強いをしてはいけません。ゴルフが上手くてもなんにも偉くありません。ゴルファーにとっての最高の賛辞は「また行きましょう」と言われること。そのために避けるべきは『へぼ』じゃなく『やぼ』。ゆめゆめ油断なさらぬよう。
【何も感じようとしないひとたち】
なんでもかんでもすぐに誰かに聞く人がいる。自分で考えることなく。だが、そういうのに限って自分から尋ねたくせに答えをちゃんと聞いてない。「ピンは奥?」「手前です」って会話の5秒後に「ピン位置は?」みたいなのはキャディさんによると日常茶飯事らしい。本当に知りたいわけじゃなく、ただの儀式に過ぎないのだろうか。そもそも手前か奥かなんて見りゃーわかるだろ。
本気で知りたいなら「何メーター」まで聞け。そして、はっきりと五感で察知できるほどの風についての問いは間抜けに見えるから控えたほうがいい。その風によって髪がなびいている場合は特に。頬をくすぐる髪の感触や、はためくパンツの裾に気づかないほどの乏しい感性で一体全体どうやってゴルフのプレーができるというのだろうか。
漠然と芝をちぎって空中に放る前にまず感じようとしたらどうだろう。芝ちぎりこそただの儀式。無駄にちぎるな。自然を侵す前に自然を感じろ。人に聞く前に自分の五感に聞け。
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この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年10月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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