当日はM・ジョーンズ氏、そして、同氏がコーチを務めるブラッド・ケネディ選手が来日。両人の略歴を紹介すると、M・ジョーンズ氏は1968年生まれ、オーストラリア出身。1992年にプロ転向、現在は最新テクノロジー(測定機材)を使用し、各個人のスイング、体力などを分析し、各個人に合わせたゴルフフィットネスとスイング指導を併用。決してひとつのスイングメソッドを押し付けない、シンプルかつ各選手の長所を活かしたゴルフ指導で、プロツアー選手を含め数多くの生徒が成果を上げている。
一方、B・ケネディ選手は1974年生まれ、オーストラリア出身。プロ転向後は母国のオーストラリアのみならず、欧州やアジアでもプレー。2011年から日本ツアーにも参戦しているので、ご存知のムキも多いだろう。B・ケネディ選手はプロ転向16年目。国内外合わせて5勝をマークしている。だが、初勝利をあげたのは5年前で、それまでのおよそ10年間は、
「どうしたら勝てるのか分からなかった。だけど、5年前、マイケルと出会ってから練習の質や考え方が変わった」――。
とケネディ選手は語る。これを受け、ジョーンズ氏は、
「ブラッドが勝つために必要だったのは、スイングではなく、気持ちの問題。自信やアグレッシブさが彼には足りなかった。だから、まずはブラッドとコミュニケーションをとることに多くの時間を費やしたよ。彼の心の中になにがあるのか? 不安やプレッシャーを与えているのは何なのか? を見極め、自信を取り戻すことが先だった」
「マイケルが主宰するクリニックでは、スイング面はもちろん、フィジカル、メンタルまで、チーム5名で僕のゴルフを支えてくれている。自分に必要だったものがここにはすべてあったよ。これまでバラバラだったものが、ひとつになった感じで、『勝ちたい』という欲が、心の底から湧いてきた感じだ」(ケネディ選手)
実際、マイケル氏が主宰するクリニックでは、基礎体力など足りない部分を強化しながら、プレッシャーのかかる実践的な練習を実施しているという。
「1mの円に5球連続で入れないと終われないアプローチ練習、トラックマンを使って距離を打ち分ける練習など、実践的でプレッシャーのかかる練習を約25項目行っている。これは、球数を多く打つのではなく、集中力を高め、いかに練習の質を向上させるかがカギ」(マイケル氏)
「とにかく、マイケルは面倒見がよく、なぜこの練習をやるのか? など、明確にきちんと話してくれる。だから、納得して練習することができる。特に試合で緊張する場面では、いかに質の高い練習をしているかが重要。常に勝つための準備をしているから、自信もあるし、試合で緊張する場面がきても100%、ショットに集中できるようになった」(ケネディ選手)
選手を育てるためには、スイングの修正はもちろん、コミュニケーション、練習の質がとにかく重要とマイケル氏は説明。最後に日本のゴルファーに上達のアドバイスを、
「私の日本のアマチュアゴルファーに対する印象は、とにかく球数を打ち過ぎということかな。ただ打つのではなく、目的をもって、1球1球集中することが大切。だから、500球やみくもに打つよりも、50球を集中して打った方が間違いなく上達する」(マイケル氏)
「まずは自分の欠点を見つめなおすこと。アマチュアゴルファーの7割以上は、ショートゲームが得意じゃないんじゃないかな(笑)? 爽快なドライバーショットの練習もいいけど、ゴルフプレーのなかで発生する様々なショットをイメージして練習してほしい」(ケネディ選手)
なお、クールクラブスでは、今後、M・ジョーンズ氏参画のゴルフクリニックを国内で展開する予定だとか。同社のカワバタ・志伸社長は、
「クラブフィッティング、レッスン以外にも、フィジカルやメンタル、コースマネジメントなどが学べるゴルフクリニックの展開を視野に入れています。ご期待ください」――。
ちなみに、M・ジョーンズ氏は流暢な日本語を話すので、英語が話せなくても安心してレッスンが受けられる。日本校のスタートがいまから楽しみだ。