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    ハッシュタグ「三浦」記事一覧

    三浦技研は4月18日、フラッグシップモデルである『TC-102』を発売。 1994年MGヘッドが誕生してから30年余り、1シリーズは常に三浦技研らしさを表現したヘッドとして存在している。 1シリーズの設計思想は、ハーフキャビティ設計による最高の打感と操作性。そこにミスヒットへの寛容性を高次元で両立させることによって、愚直に追い求めたヘッドが誕生する。その時代や上級者からの問いかけに対しての答えが1シリーズのヘッドであり、常にチャレンジする精神を半世紀に及ぶ熟練の技術によってさらに進化を遂げたのが『TC-102』となる。 【TC-102 製品特徴】 ■分厚いインパクトからさらに球を強く押し込める、インパクトエリアの縦方向への重量配分 「CB-1007」において設計テーマとした縦方向の重量配分(Center MASS Weight Distribution)を『TC-102』ではT-Bar Weightによって徹底追及。番手ごとの打点位置の肉厚フローとブレード方向への重量配分によって、ロング・ミドル・ショートアイアンの弾道、スピン量などを適切にコントロールする。 インパクトからしっかりボールを包みこむように押し込んでいく剛性感のあるヘッド挙動がプロ、上級者が意識する縦距離の安定性をもたらし、打感と操作性に極めて優れている。 ■ライ角通りのインパクトを迎えやすい、トウダウンしにくい重量配分 「KM-700」モデルからのフィードバックで、キャビティ外周のソール部のトゥ側を大胆に削り、重量を落としたウエイト設計。これによりスムーズなスイングが約束され、インパクト時のトウダウン現象が起こりにくく、ライ角どおりのインパクトが容易に。澱みのないスイングとヘッド軌道がスイートスポットでのインパクト確立をアップさせる。 ■シリーズ史上最大のソール幅を持ちながら、リーディングカットソールによるライを選ばない抜けの良さ ソール幅は1シリーズ最大の19・3㎜を達成(#7ソールセンター部分)。「TC-101」より1度ハイバウンス設計で、バウンス効果が高くライを選ばない抜けの良いリーディングカットソールを採用。操作性の高いヘッドでありながら、ダフリなどのインパクトミスに強い寛容性を持たせている。 MCWのソールカスタムサービスでは、スイング軌道やヘッド入射角、ヘッドスピードなどに合わせて最適なソール形状にカスタムも可能。さまざまなタイプのゴルファーに対応でき適応力が高い。 ■ヘッドシェイプをコンセプトに合わせて見直し、風に負けない強弾道と優れた操作性を実現 プロ、上級者から高評価だった前作「TC-101」の構えやすさを残しつつ、ヘッド形状をさらにブラッシュアップ。ヘッドサイズを縦方向に1㎜伸ばし、ブレード幅も0・5㎜太くなっている。ダウンブローに打ち込みやすく、縦の打点ブレにも対応し、縦距離のばらつきを軽減。高低左右へのボールコントロール性能に優れ、自在に球を操れるヘッド。 価格はN.S.PRO MODUS3装着モデルが1本4万700円、Fujikura TRAVIL装着モデルが1本4万8400円。 お問い合わせ 三浦技研 TEL0790‐26‐0773
    (公開)2025年04月23日
    カリスマフィッター鹿又芳典氏が代表を務めるゴルフマジックは11月12日(土)、「第14回ゴルフショップマジック大試打会」をジャパンゴルフ(千葉県千葉市若葉区加曽利町1482―1)で開催する。 例年30社以上のパーツメーカーを集め、パーツブランドの知名度、そして試打機会を広くゴルファーに提供することを目的としている。 今回の試打会には、A GRIND、GolfPride、JP GOLF、KBSシャフト、メタルファクトリー、ムジーク、オノフ、ラズルダズル、ロマロ、USTマミヤ、バティックゴルフ、アーティザンゴルフ、エポンゴルフ、カムイワークスジャパン、コンポジットテクノ、ジオテックゴルフコンポーネント、ジャスティック、シンカグラファイト、スリリング、ダンロップ、トゥルーテンパースポーツインクジャパン、日本シャフト、藤倉コンポジット、ブリヂストンゴルフ、プロギア、マスダゴルフ、三浦技研、三菱ケミカル、ヤマハ、ロッディオが試打ブースを構える。 そのほかには販促ブース等に5社が出展予定。概要は下記の通り。 【タイトル】 第14 回ゴルフショップマジック大試打会 【日時】 2022 年11 月12 日(土) 10:00~17:00 ※雨天決行 【場所】 <a href="https://www.jgs.co.jp/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">ジャパンゴルフ</a> 千葉県千葉市若葉区加曽利町1482-1
    (公開)2022年10月24日
    全米女子オープン覇者でも変わらない <strong>GEW</strong> まず、全米女子オープンの優勝、おめでとうございます。全米女子オープンを優勝してからゴルフも含めて、心の風景とか、ものの見方とかは何か変わりましたか? <strong>笹生</strong> 特に変わったことはないです。人生変わった? 考え方かわった? とはよく聞かれます。何も変わってないです、自然体のままです。 <strong>三浦</strong> 2020年の4月ですね? うちの会社(三浦技研)に来てくれたのは? <strong>笹生</strong> そうですね。 <strong>三浦</strong> 初めて来た時から、その時から全然何も変わってない。いまのこの感じも全く変わっていないし、プロとしての状況が変わってくれば、周りであったりだとか、本人であったりだとか、彼女自身、個人の変化が全くないですね。「本当に近所の小学生の男の子」みたいな感じですよ。 <strong>GEW</strong> 笹生プロは、ご自身で何も変わらないとお話しされていますが、そのような性格はこれまでの環境や経験など、どのあたりに起因すると思われますか? <strong>笹生</strong> もちろん、ゴルフ場にいる時とオフの時は違います。ゴルフ場にいる時は真剣ですし、ゴルフのことばかり考えていますが、オフはしっかり休んで、クラブを握らない時もありますし、何もしないでずっと寝てる時もあります。その意味では、ずっと真剣ではないです。優勝したからといって態度を変えなくちゃいけないとか、自分じゃない自分を作ってしまうことは良くないことだと思うので、自分は自分でいないとゴルフに影響が出ると思います。 <strong>GEW</strong> フィリピンで育った場所はマニラから何kmくらいの場所ですか? <strong>笹生</strong> 何kmか、分からないです。フィリピンでは距離でなく、時間なんです。10kmでも2時間かかるところもあるので、空港からお母さんの実家までは2時間30分くらいで混んでいたらもうちょっとかかりますね。 <strong>GEW</strong> 調べると、マニラのベットタウンのように思われますが。 <strong>笹生</strong> 今はサンタロッサというラグナの方にいまして、お母さんの実家は北の方なんですけど、フィリピンツアーが多くやっている場所が南の方なので、車で1時間の場所に沢山のコースがあります。すごくいい練習環境が整っている場所です。近くで家を借りていて練習をしています。 <strong>GEW</strong> 田舎ですか? <strong>笹生</strong> 行ったときは田舎でしたし、昔は何もなかったのですが、今はすごくきれいな街になっています。 <strong>GEW</strong> 子供の頃は田舎だったんですか? <strong>笹生</strong> はい、あまり家もなかったし、道路は大きくなかったですね。最近、2年前くらい前からどんどん大きくなりましたし、モールもできてアウトレットもできました。今はきれいな街です。 <strong>GEW</strong> そうすると、昔の風景と三浦技研さんにいった時の風景が、オ-バーラップすることはありますか? <strong>笹生</strong> すごく田舎でしたが、すごく好きな場所でした。私自身静かなところが好きですね。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2021/12/IMG_9185.jpg" alt="" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-69880" /> <strong>GEW</strong> 三浦技研がある市川町と同じような静かなところですか? <strong>笹生</strong> 静かなところです。ただ、日本とフィリピンはちょっと違って、日本はキレイじゃないですか! 山があって川もキレイだし、フィリピンはそんなキレイじゃないので・・・。 <strong>GEW</strong> 三浦技研のクラブを使い始めたのは2020年の4月ですか? <strong>三浦</strong> 笹生プロとの最初のコンタクトで、笹生プロが「自分の思い通りのクラブを使いたい」というのが始まりであって、「クラブでどうとかヘッドでどうとかではなく、それを我々の技術で協力するのが要望」だと思い、それを快く受けさせて頂きました。 <strong>GEW</strong> それまでクラブに対して何かこだわりや、クラブに対する考え方はありましたか? <strong>笹生</strong> もともと自分はシンプルで、マッスルバックのようなすっきりしているヘッドが好きでしたが、なかなかそういうヘッドがない。それに近いようなヘッドを使っていました。 <strong>GEW</strong> 三浦技研は軟鉄鍛造で有名ですが、笹生プロはご存じでしたか? <strong>笹生</strong> 自分が16歳くらいの時に、テレビで見たハンドメイクするクラブ会社さんのクラブを使うのが夢でした。その当時、ゴルフ場で使っているひとがいて 三浦のアイアンは高価で、「いいないいな」ってみんな言ってました。ハンドメイドですし。知ってはいたんですけど、高くて買えなかった。 <strong>GEW</strong> そして、三浦技研を訪問されました。工場もご覧になったと思いますが。 <strong>笹生</strong> 訪問する少し前にプロになって、ハンドメイドのアイアンを探していた際に、「9ポジションフィッティング」については知っていましたが、あまり身近なプロが使用していないハンドメイドのクラブで、「私に使うことができるのかなぁ」という不安はありました。 <strong>GEW</strong> 「使えるのかなぁ?」というのは? <strong>笹生</strong> ちゃんとフィッティングしてクラブを作ってもらえるのだろうか? と思いましたし、使いたいという憧れがあった時に、スポンサーさんに紹介して頂いたら、いきなり工場に行くことが決まったんです。 <strong>GEW</strong> 工場を訪問された時、どんな印象でしたか? <strong>笹生</strong> すごく楽しかったですよ。初めて工場内に入って、クラブを削っているところなどを見ることができて楽しかったですね。 <strong>GEW</strong> 何が楽しかったですか? <strong>笹生</strong> 自分も削ってみたいと思いました。削れなかったけど(笑)。私はクラブの完成品しか見たことがなかったけど、間近で作っている工程が見れたことが貴重な経験となりました。 <h2>三浦に行くのが夢だった! </h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/09/miura5.jpg" alt="9position" width="788" height="525" class="size-full wp-image-59205" /> 三浦技研の軟鉄鍛造 <strong>GEW</strong> 工場を見られてこんなに大変に作ってるんだ、自分でも作りたいなと思ったと。製造工程を見た後に、ゴルフクラブに対する考え方とか捉え方は変わりましたか? <strong>笹生</strong> 変わりました。 <strong>GEW</strong> どのようにクラブに対しての考え方などが変わりましたか? <strong>笹生</strong> 製造工程を最初から説明して頂いて、クラブには変えられるところがあることや、ゴルフクラブってこうやって作られているんだ、こういう動きをするんだということを考えるようになりました。もっとクラブに対してどうやったら自分に合うようなヘッドなどを作れるのかっていうことが分かったような気がしました。これまではどのようなクラブが自分に合うのかを知らなくて、感覚でやっていたので、こういう風にやってくださいと思うことができました。 <strong>GEW</strong> 三浦社長は過去の経験上、クラブに対して「良いですね」以上に、次の言葉を発する女子プロは会ったことがないとお話しされていましたが? <strong>三浦</strong> プロ自身がクラブが良いとか悪いとかは、実際に打っている球を見たり、音を聞いていれば分かります。それが、2~3球の試打の間に自分の中で弾道をイメージできる、球筋を再現できそう、フェースに球がのっている時間など、それを感覚的な要素だけではなく、言葉にできるプレーヤーが若い女子にいたことに驚きました。 なので、笹生プロに対して「スゴイ」という印象でした。テレビなどで素振りを見た時にとんでもないゴルファーが居ると思いましたし、とんでもない女の子がいるというのは知人から聞いていました。だから、実際に試打している現場を見たら、スイングしている力感にびっくりしましたね。 <strong>GEW</strong> 最初に三浦技研さんに行った時に、工場を見てフィッティングしてもらった感覚を三浦会長と話しながらヘッドを研磨してもらったと思いますが、1発目からビタっとハマったんですか? <strong>笹生</strong> フィッティングは5時間くらいかかると思っていましたが、3時間くらいで終わりましたね。2本目を打った時はイマイチでしたが、3本目で「これだ!」と決まったんです。削ってもらいながら打っていたら感覚も一致しました。 <strong>三浦</strong> 実際は2時間半くらいでしたね。 <strong>GEW</strong> 想像よりも早い時間で終わったことも驚きましたか? <strong>笹生</strong> 驚きはなかったですが、逆にその方が良かったですね。フィーリング的に、1発打った時に決まったので、そのヘッドに決めました。 <strong>GEW</strong> クラブに対する勉強も必要だと、先ほどお話しされていました。三浦技研さんと遣り取りも含めて、何を勉強しないといけないと思いますか? <strong>笹生</strong> 私自身はクラブに対して、特にアイアンは柔らかいというか空気を打ってるような打感、打音を大事にしていましたし、そのようなクラブを求めていました。その中で三浦技研さんにお世話になっていますが、ヘッドの削る場所によってヘッドの挙動や当たり方が変わることや、鉛を貼った時の弾道など、弾道の変化やクラブの細かい部分を勉強させてもらいました。それに対してやっぱり自分がゴルフしてる時に、ラフから打ったりとかしなくちゃいけない状況の時に、クラブヘッドを理解していた方が、自分のゴルフに取り入れやすかったと思います。 <strong>GEW</strong> 笹生プロの印象は「小学生の男の子みたいな」イメージで意外と楽観的な人格だと、先程も三浦社長が仰っていましたが、意外とクラブやゴルフに関して細かいですね。 <strong>笹生</strong> ゴルフに関しては、まとめて話してしまう人が多くて、それではプロゴルファーとしてダメなんじゃないかなって思います。意外と大雑把に見えがちなんですけど、クラブの話になると細くなってしまいます。 <strong>GEW</strong> 何故、細かくなってしまわれたのか? <strong>笹生</strong> プロゴルファーとしては、クラブ以外に他に必要ないってことかもしれないですね。でも、クラブのことを考えるのは、本当に自分に必要な時だけしか頭に浮かばないです。 <strong>GEW</strong> 笹生プロは考えることが全部ではなく、こだわりが強いとか潔癖症とかじゃなくて、こだわらない部分もある。それは、様々な場所で暮らし、色んな場所で試合をして、様々な国の人と関わって、そのような性格がなったんでしょうか? <strong>笹生</strong> 無意識でこうなったのかもしれないですし、お父さんと一緒に行動してるから変わったのかもしれない。そこは分かりません(笑)。 <strong>GEW</strong> 過去に色んな国で暮らして、幼少期から試合に出場すると周りには大人が多いですよね。お父さんと一緒に動かれてたからそういうのもあるんですかね? <strong>笹生</strong> 自分より年上の方って知識が豊富ですよね。ゴルフ以外の経験もそうですし、いろいろ勉強になります。 <strong>GEW</strong> 1回のフィッティングでクラブが出来て、もっともっと自分がクラブに対する知識も勉強して、プロゴルファーとして全部の分野ではありませんが、詳しくなりたいと思っていますか? <strong>笹生</strong> ゴルフってすごく深いので、まだ私は浅い所にいると思います。クラブのことも本当に少ししか知らないので、歴が短い私はまだまだ学ぶことだったり、知らないことが沢山あると思います。 <strong>GEW</strong> その中で今回色んな縁があって三浦さんのグラブを使ってらっしゃると思いますが、笹生プロからみて三浦技研さんのいいところってなんですか?? <strong>笹生</strong> まず本当にクラブが良いこと、そして、フィッティング前に2~3時間しか話していないのに、私が必要としている望んでいることを理解してもらえました。 <strong>GEW</strong> 具体的にどういうことですか? <strong>笹生</strong> ハンドメイドのところが一番です(笑)。 <strong>GEW</strong> つまりハンドメイドの良さって何ですか? ハンドメイドという言葉には様々な解釈があると思いますが。 <strong>笹生</strong> クラブへのこだわりが強いので、普通の市販品とは違うクラブですし、ハンドメイドだと全部自分のこだわりの理想のクラブを作っていただけることです。プロとして選手としてすごく安心して自信をもって使えるという意味ですね。 <strong>GEW</strong> 三浦社長、カスタマイズがひとつの三浦技研の大きな強みですが、これは感覚を形にするという次のステップで、やはり高いレベルの技術力を求められますか? <strong>三浦</strong> クラブづくりに関しては、プレーヤーとの会話、何をプレーヤーが考えているのか、どうボールに対して向き合っているのか、クラブに関しての向き合い方、ターゲットに合わせて構えた時にどこを基準として見ているのか? その先にどういう球のイメージをしているのか? 振りやすく振れているのか? 全体の動き方の状態をみて、笹生プロの場合は本当にすぐに合っちゃったんで、細かくやり取りしていませんね。 <strong>笹生</strong> 一番はボールに当たる前の瞬間ですね。クラブに当たるときのタイミングの感触がよかった。 <strong>GEW</strong> 先ほど、空気を打っているような打感と打音が決め手と話されていましたが? <strong>笹生</strong> そうです。当たったなという感触の時に、これだと思いました。 <strong>三浦</strong> クラブを使う上で、何が嫌なのか話した時に、左にいってしまうのが嫌と話していましたが、「そんなことなんて後でなんとでもなるから、そんなことはもうどうでもいいよ!」と話したんです。 彼女のスイングを見た際に左に行きやすいスイングはしていましたし、手元の位置や地面にコンタクトするソールの接地の仕方、インパクトへ向かうヘッドの入り方など、当然左に手首がひっくり返るスイングでした。嫌がれば嫌がるほど、すごいストレスを抱えたスイングやアドレスをしていましたね。 それと、初めて顔合わせた時に食事する機会がありまして、彼女はその時が一番緊張していました。なんでこんなに強張ってるのか? そう思うくらい緊張していましたね。 <strong>GEW</strong> クラブをもっともっと勉強したいと思いますか? <strong>笹生</strong> 勉強したいです。ただ、勉強したからといってこだわりが強くなるのは別だと思います。 <strong>三浦</strong> 笹生プロが勉強したいというのは、どちらかといえばショットに対してで、プレー中の状況に対してという意味ですね。プレーヤー目線からするとそこで一打でも縮めるのが仕事ですし、そのためだけの道具というのはまた違うと思いますが、信頼性の強いものを使いたいと思っていると思います。 <strong>GEW</strong> クラブに対してはですよね? それは信頼があるから他にもっともっとこうで気をつけないといけないとか、ライとかマネジメントとかそういうことですね? そういう風に受け取っていいですか? <strong>笹生</strong> 自分とクラブがセットっていうイメージです。わたしがここに立ったら、ここにクラブがあるイメージですし、仕事の道具として誰よりも一番大切に一番近くにあるけど、過保護にもしていないけど、これを生かすためにはもっと大きい事がゴルフ場にあるわけで、そこに何があるのかを理解しないといけない、と思います。 <strong>GEW</strong> 面白いですね。だからもう、ここにクラブと笹生プロがセットで、それはもうアイアンは三浦ということですね。クラブと一緒に寝たりとかしますか? お風呂に入るとか? そういうゴルファーもいるんですよ。 <strong>笹生</strong> それはないですね(笑)。 <strong>三浦</strong> 愛情をもってというか、愛着をもって、それが信頼になるんでしょうね。そういう気持ちで使ってくれてると感じています。やっぱりそれを余分な事なく素直に使ってくれてるっていうか。身近においてくれていると思います。 <h2>ゴルフの多様性に何が正しいかの正解はない</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2021/12/IMG_9183.jpg" alt="" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-69881" /> <strong>GEW</strong> 三浦技研では鋳造アイアンの『PI-401』など、三浦技研の過去の歴史を考えるとクラブにも多様性が出てきていますが、ゴルフ自体も多様に広がっていると思います。ゴルフの多様性ってすごく難しい質問かと思いますが、ゴルフにも様々な形があり、様々な国の人がプレーしています。それに対してゴルフ界を引っ張っていく立場にあるプロゴルファーとして、どのように考えていますか? <strong>笹生</strong> 私は、ゴルフ界を引っ張っていくことなんか思ったこともないですし、自分がゴルフ界を変えていけるとも思っていないです。自分も何かを変えようとも思っていません。ゴルフに関しては様々なスタイルがありますけども、何が正しいのか正しくないのかはプレースタイルや、日本のコースやリンクスやフィリピンみたいに芝がナチュラルといった国によってゴルフの仕方も違うので、正解がないんじゃないかなと思います。 <strong>GEW</strong> 過去に、アニカ・ソレンスタムやミシェル・ウィーが男子ツアーに参戦しましたが、多様性という意味ではどう考えてますか? <strong>笹生</strong> 女子と男子ではツアーの飛距離やコースセッティングが違うので楽しいんじゃないかなと思います。男子ツアーに混ざってプレーしてみたいと思います。 GEW クラブの多様性はどうですか? <strong>三浦</strong> タイガーが復活優勝した際に当社の会長と話をしたんですが、タイガーが復活優勝した際のクラブのロフト角と、ジャック・ニクラウスの全盛時に使っていたクラブが、ロフト角という点において何が違うのか? そのような話をしたんですね。それを考えた時に、30年、40年、50年経ってもトッププレーヤーが考えること、やってることって変わらないんじゃないかなってなったんです。マッスルバックもずっと残ってるし、これからも残り続ける証なのではないかと思ったんですね。 もしかしたら笹生プロが5年後、10年後、変わっていくことが体力的なことなのか、考え方なのか、そのような状況が起きたら道具で対応したい。例えば、これから何十年変わらないものから、自分達の企画ベースで作ることができる寛容性が高いキャストクラブがあれば、いかなる状況に対しても対応できると思います。
    (公開)2021年12月30日
    フックの原因となるスイング要素を、スイング中の手打ちによるものと分析。 ①手でクラブを上げる始動、②ダウンスイング時のアーリーリリース、③インパクト時の手首のコネで、それが手打ちになりフックの原因になる。今回は工房店主が推奨するフック撲滅黄金スペック、島田ゴルフ製作所のシャフト『K’sNINE9』と三浦技研のアイアン『MC-501』を坂本龍楠プロがテストした。 1981年生まれ。神奈川県出身。オーストラリアへ留学してゴルフを学び、2011年「日本プロゴルフ協会」ティーチングプロ合格。自身が運営する新宿御苑ゴルフスタジオでは身体に負荷のかからないスイング理論が好評を博し、公式YouTubeのチャンネル登録数は9万5000人を超える。著書には「逆説のゴルフ」などがある。 無駄な挙動のない同調系の『K’sNINE9』手打ちで出来る撓りを軽減してフック撲滅! <iframe src="https://www.youtube.com/embed/8JCmK83miho?rel=0" loading="lazy" width="788" height="433" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe> <h2>坂本龍楠プロの解説</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2021/09/shimada2.jpg" alt="フック撲滅なるか?島田ゴルフ製作所『K’sNINE9』シャフト×三浦技研『MC-501』" width="780" height="520" class="aligncenter size-full wp-image-68446" /> ワッグルした際の印象ですが、先端が撓る印象はなく、全体的に少し撓るフィーリングです。 打ってみるとシャフトの挙動としては動きが激しいシャフトではない印象で、だからといってボールが必要以上に捉まらないシャフトではありませんね。弾道的には左に引っかかる弾道ではないですが適度に捉まる。フッカーの悩みには効果的だといえるシャフトですね。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2021/09/shimada3.jpg" alt="フック撲滅なるか?島田ゴルフ製作所『K’sNINE9』シャフト×三浦技研『MC-501』" width="780" height="520" class="aligncenter size-full wp-image-68447" /> フック弾道の原因は手打ちにあります。スコア100前後のゴルファーは手でクラブを上げることがありますが、それゆえに体で振り回してしまう。 振り回そうとするとクラブが遅れます。次に遅れるクラブを戻そうとします。手で上げる時にシャフトが撓り、体で戻そうとして撓りができ、また、手首をコネて撓りができる。 無駄に撓りを作ります。『K’sNINE9』は全体的にバランスの取れた剛性分布なので、余計な撓りを生みません。極端に言えば、スイング中に変な撓りを生まないので、素直にスイングできます。 それが手打ちを抑制してフックを改善しますね。 <strong>フィッティングスタジオ・ホープ(千葉県)推奨スペック</strong> ■シャフト:『K‘s NINE9』 フレックスS、シャフト仕様重量95g、中調子 ■ヘッド三浦技研『MC-501』(7番=標準) ロフト角34度、ライ角61.0度、ヘッド重量271g ■クラブスペック クラブ重量417g、クラブバランスC7、振動数307cpm
    (公開)2021年09月24日
    まずは三浦技研の工場動画をご覧頂きたい。その後、コロナ禍によって生じたゴルフクラブの物不足と、国内工場の健闘ぶりを取材したので併せてお読みください。 <iframe width="788" height="525" src="https://www.youtube.com/embed/qfUviz766dg" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe> 国内で作ればコロナは無関係? <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/11/TC-101.jpg" alt="" width="788" height="525" class="size-full wp-image-65128" /> 三浦技研 TC-101 コロナ禍で国内での製造工場に注目が集まっている。その一つが三浦技研の躍進だろう。今年2月発売のアイアン『TC-101』は、今季ルーキーイヤーにして2勝を挙げ賞金ランクのトップを走る笹生優花の使用で脚光を浴びた。 現在、『TC-101』のカスタム研磨商品の納期は2か月先ともいわれているが、笹生の活躍以前から同アイアンはスタートダッシュを見せていた。緊急事態宣言が発出された新型コロナウイルス拡大の時期にあっても、国内生産ゆえに供給が滞らなかったからだ。 同様に国内生産で潤沢に供給されているのがシャフトだといわれている。アーチブランドを展開するHopeFulの浅井淳一取締役は次のように指摘している。 「いわゆる地シャフトは、国内工場で製造しているメーカーが多いと思います。そのため、海外工場での製造がほとんどのグリップやドライバーヘッドと違い、供給が滞らない。いま、地シャフトの販売が好調に推移しているのは、そのためだと思います」--。 <h2>地クラブのヘッドは納期遅延が悪化</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/11/1d60fb970117deb15bca2b677ffae750.jpg" alt="" width="788" height="525" class="size-full wp-image-65127" /> 中条カムイ KP-01 一方で、コロナ禍で大幅に製造が遅れたのが地クラブのドライバーヘッドだろう。キャスコの『バティック』、イオンスポーツの新ブランド『ジニコ』など新規参入やリブランドなども見受けられるが、コロナ禍で地クラブメーカーの担当者は製造拠点である中国に渡航できず、現地での細かな修正のミーティングが行えない。そのため、量産前のヘッドサンプルが納品されても修正が遅れ、発売が数か月遅れる事態も発生している。 「6か月以上発売が遅れて、販売店、ゴルファーの方々に御迷惑をかけました」--。 そう語るのが中条カムイの中条浩重専務だ。同社が11月に発売した『KP-01』は、当初4月の発売予定だった。それがコロナ禍で量産が遅れた。それ以外にも、多くのパーツブランドで納期が遅れ、商機を逸したケースが散見される。 <h2>グリップは世界的な欠品 理由は生産調整とスターターセットの爆売れ</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/11/palmax12.jpg" alt="" width="788" height="525" class="size-full wp-image-65137" /> 純国産のパルマックス 世界的に欠品していると言われるのがグリップだ。大手グリップメーカーがコロナ禍で大幅な生産調整を行ったことに加え、日米のゴルフ用品市場でスターターセットが爆売れしたことが、グリップの不足につながっている。 「クラブの販売は順調ですが、ヘッド、シャフトが間に合ってもグリップが不足しているので、特に初心者セットの販売店への供給が遅れるとの噂も出ています」(流通関係者) 一方、一部の商品を国内でも生産しているのがイオミックだが、 「イオミックのグリップ生産のメインはタイといわれていますが、一部国内でも製造しており、同社は忙しいと聞いてます」(問屋関係者) <h2>鍛造は日本のお家芸 タイガーのクラブを削った男のアイアンも国産</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/11/MB_backface.jpg" alt="" width="788" height="525" class="size-full wp-image-65139" /> 来春発売予定のアーティザンアイアンは国内工場で生産 ゴルフクラブのパーツで国産がひと際目立つのが、鍛造アイアンだろう。三浦技研や共栄ゴルフ工業、藤本技工などが業を営む兵庫県神崎郡市川町は、国産アイアン発祥の地として歴史を刻んでいる。一方、2017年に鍛造工場を竣工したのがササキ(栃木県鹿沼市)だ。 当初、国内での鍛造フルチタンウッドの開発を目指したが、現在はアイアン、ウエッジを中心に鍛造製品を優先的に製造している。西の市川町、東のササキと、アイアンの鍛造工場の存在は、国内での鍛造製品の製造に拍車をかけているといっても過言ではない。 その中で、昨年日本に上陸したアーティザンゴルフのアイアンが来春発売されるが、それが国内の鍛造工場で生産しているようだ。 アーティザンゴルフといえば、ナイキ時代にタイガー・ウッズのアイアンを手掛けていた研磨師マイク・テーラーのブランド。そのアイアンが日本国内での製造となれば、今後、鍛造品の日本国内製造が再び注目を浴びるのは必至だ。 「中国工場の人件費は10年前と比較して大きく高騰しています。コロナ禍でコミュニケーションが取りづらいこともあり、今後は日本国内での生産が見直されることは間違いありません」(地クラブ関係者) コロナ禍で浮き彫りになった製造拠点の問題。大手クラブメーカーも含め、量より質の時代に変化しているのは間違いない。その中で少量高付加価値の商品を提供できるのが、国内工場の強みといえるかもしれない。
    (公開)2020年12月10日
    <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/eAj6p62Rhfw" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe> 三浦技研といえば、「神の手」と称される三浦勝弘を想起するかもしれない。そして、その技を継ぐ三浦由貴、業を継ぐ三浦信栄。しかし、当たり前のように、三人だけでは物づくりは成立しない。そこには多くの手が、そして想いが三浦の軟鉄鍛造アイアンを創り上げている。そう、これが本当のTeamMIURA。ミウラのクラブを作る人々を紹介しよう! <h2>坪田孝博さん</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/10/fe05d2eef1c15f71ca9f79ac28c97eb5.jpg" alt="坪田孝博" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-64135" /> 鍛造/金型管理・生産社歴:30年 「やんちゃな金型を厳しく育てて売り手、使い手が喜ぶヘッドを!」 <strong>鍛造の要である金型。入社直後から、金型の面倒を30年にわたり見てきた。「神の手」といわれる三浦勝弘、業を受け継いだ三浦信栄と丁々発止を繰り返し、ミウラの金型を育てている。「無事発売した刹那」が、人生の喜び。金型を「やんちゃな息子」と表する。その想いを明るく語る</strong>。 「入社したのは三浦技研が鍛造を始める時分でしたね。ゴルフの『ゴ』の字も知らなかったんですが、会長(三浦勝弘)には『無駄に知っている人間はいらん』と世話になるようになりました。 実際の仕事は、新商品の企画立上げから銅マスター、一次金型のメンテナンス、粗鍛造金型の磨きなんですが、入社して1年目の時に金型を割ってしまったんです。その時会長が会社にいなくて・・・。金型屋さんに電話して修理したんですが、次の日に会長にバレて大目玉を食らいましたよ(笑) 金型って、使っているうちに『へばる』んです。ヘッドが大きく目方が重い鍛造ができてしまう。機嫌が悪い日もあるし、素直な日もある。言ってみれば『やんちゃな息子』。数多く鍛造を打ち、長い期間使えるように面倒見るんです。 最初はイケメンだと思っても、ずっとイケメンのままじゃない。違う顔の『やんちゃな息子』が沢山いて、同じヘッドが数多く出来るように、次の工程で作業しやすいようにどうやって厳しく育てるか。そこを想って仕事しています。 だから、仕事って子供を育てるのと一緒で生活の一部なんですよ。世の中に出すまで責任があるわけですから。ミウラのヘッドが『悪い』と言われれば、金型が『悪い』。育て方が悪いんですよ。でも、『ここをこう治したらいいんじゃない』とやって、『どうコレ?』ってやっているのが楽しいですね。 そんな中で、笹生優花プロの優勝はめちゃめちゃ嬉しかったですし、ミウラのヘッドが『打感イイですね』と言われるのは嬉しいですね。ショップさんには、もっとミウラを好きになってもらえるよう、金型を厳しく育てていきます」 <h2>岡田昇平さん</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/10/c4b7160fe0f34b10b2997b9bb59cf463.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-64139" /> 研磨/成型研磨(プロパー品) 社歴:28年 「プロパー品は『変えない』研磨 海の向こうのゴルファーにも責任を持つ」 <strong>三浦技研といえば、研磨である。カスタムは使い手に合わせた研磨だが、プロパー品は同じ形状が命綱だ。だから、プロパー品の成型研磨は「取らない見極め」、そして「変えない研磨」が肝心要。手数を少なくすることが重要ななかで、守るための手数――。同じヘッドを数多く供給するメーカーとしての使命を担う。</strong> 「担当しているのはプロパー品の成型研磨です。入社したころは、鍛造、仕上げ、研磨など色々な作業に携わりましたが、この5年ほどは成型研磨をやらせてもらっています。 成型研磨ってカスタムと違って、同じものを数多く作らなければならないですよね。カスタムは手数をかけて使い手それぞれの要望に合わせて研磨していきますが、プロパー品は違うんです。それぞれ微妙に違う部分を研磨で取っていく。『手数を少なく』して『変えない』っていう研磨なんです。三浦技研らしい形状を『守るために必要な手』をかける作業です。 成型するための手本はもちろん、勝弘会長が削るヘッドの形状、寸法のバランスが絶妙に整っているヘッドなんです。黄金比のヘッド。それがミウラのヘッドだし、それを目標にして仕事をしています。 入社して28年経ちますが、実は教わったのはモノ作りだけではないんです。作業を通じて、考え方や生き方を含めて教えてもらった。だから、会社は親だと思っています。なので、恥ずかしいモノは作れませんし、仕事の結果が活力になりますね。気持ちよく仕事できたからといって結果が良いとは限りませんが(笑)。そんな気持ちで仕事しています。 それと、以前ユーチューブでミウラのヘッドを使っている碧い目の外人さんの動画を見たんです。海を渡って行って、英語はわからないんですが、『ミウラは素晴らしい』と言っていた。たぶんですけど(笑)。そんな海の向こうの私が知らない所で、ゴルファーが喜んでくれている。嬉しい反面、責任持って作っていきたいですね」 <h2>山野秀明さん</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/10/0de1e848e783cdae57b378fe1a773cb3.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-64140" /> 刻印/ロフト角・ライ角、FP調角 社歴:38年 「数値は絶対! 顔の見え方はそれぞれでも、最終形をイメージする」 <strong>昨年11月。三浦技研が新たにスタートした『9ポジションフィッティング』。FPに注目し、最適飛距離を提供する。ロフト・ライ角の調角はもちろん、FPを出し入れする。ミウラの顔を変えることなく――。それが軟鉄鍛造の雄である三浦技研の技術力でもある。要諦は「次の作業のしやすさ」。山野が淡々と語る。</strong> 「入社して、もう38年ですね。いまは荒研磨の前までの工程、ロフト角、ライ角の調角、FP調整、刻印などを担当させてもらっていますよ。簡単にいえばカスタムラインの刻印と調角ですね。 調角の難しさって、ロフト角、ライ角、FPを合わせるのは当たり前のことで、その先の研磨がしやすくないと意味がない。研磨をイメージして、最終形をイメージして調整しています。数値は絶対ですからね。 ただ、プレーヤーの見え方はそれぞれなんです。数値は基本的に絶対的な要素ですが、数値だけが合っていても面長にヘッドが見えたらダメだし、その反対もご法度です。だから、特にFPは通常前後に出し入れすると思われがちですが、当たり前のように左右にも動かします。それができていないと、研磨作業の助けにはなりませんし、プレーヤーがイメージする製品に仕上がりません。 大変な作業ではありますが、『9ポジションフィッティング』が始まったからには、調角やFP調整についても作業の効率化も考えていかなければなりません。ただ、自動化するなんて安易な考え方ではいけませんが・・・。 それと、ミウラのヘッドが雑誌に紹介されたら家族に雑誌を見せますし、『今日有名人が会社に来たよ』なんて家族に話したりするんですよ。そのようなことが刺激になりますし、注目を浴びるから、責任も重大だと思っています。それが23歳から、この仕事をやってこれた理由ですかね。自信にも繋がっていますから、数値の精度に関しては、何でも相談してもらいたいです」 <h2>服部真人さん</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/10/c61cfa41614d856e5e0a4f2482db3b0e.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-64143" /> 仕上げ研磨 社歴:13年 「仕上げ研磨は一発で決める 研磨痕すら美しく仕上げる使い手への想い」 <strong>ゴルファーがクラブを手にした時。それはメーカーとゴルファーが最初に出逢う瞬間だ。その一瞬に、すべてがかかっていると言っても過言ではない。産毛ほどのキズも許さず、一筆書きの如き研磨痕すら感性に訴える。担うのは仕上げ研磨。ゴルファーとヘッドを介して向き合う。その秘訣は「一発で決める」――。</strong> 「もともと病院の調理師だったんですが、子供が大きくなるにつれて土日のイベントが増えるでしょう。それで三浦技研に転職したのが2008年、今年で13年目ですね。 やらせてもらっているのは仕上げ研磨で、形が大きく変わる研磨ではありませんが、お客様の手にそのまま届く。磨いた時に磨いたことで違和感がないことを心がけていますね。 実際、研磨痕もそうですが、サテンをかける前のバフ掛けは、目がキツイんです。だから、ナイロンバフの目が残ることもあるんですよ。それを仕上げ研磨で直します。ペーパーを当てすぎるとキズができるし、だからといって何回も研磨すると形状が変わってしまいます。なので『一発で決める』ことを肝に銘じていますね。 子供のころからオモチャを自分で修理していたし、割れた部品も、そのつなぎ目が分からないように直すとか、手先は器用でしたし、だから仕事は楽しいですよ。 それに、仕上げ研磨ですが、その仕上がりによって色入れ作業で塗料のノリが違うこともあります。うちの仕事は次の工程の作業のしやすさを考えてやらないとお客様に迷惑がかかりますし、その想いは一人でも欠けると成り立たないから、私にとって会社は家族と似ていますね。みんなで作っていますから。 だから、うちのクラブがキャディバックに入っているのを見ると嬉しいし、手にした時にクラブが綺麗だと気持ちイイですよね。多くのゴルファーに使ってもらえるよう、製造の効率化も含めて、美しさも追求していきたいですね」 <h2>岡本敦史さん</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/10/79408704dc053d4d0550b70c0d94c4ee.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-64145" /> フロント営業/来客・電話対応、注文処理 社歴:8年 「製造現場に伝える繋ぎ役 『待たせない仕組みを作りたい』」 <strong>三浦技研の取引工房はミウラクラフトマンワールドの260店余り。日々、営業担当や販売店から寄せられる注文や、問い合わせに対応するのがフロント業務だ。受発注、出荷のミスは信用問題。製造現場の進捗に目を配り、時には調整役も担う。目標は工程管理の一元可視化の構築というのが岡本敦史。ミウラの将来を担うイケメンだ。</strong> 「入社して8年ですが、最初は当社がスゴイ企業だという実感が湧かなかったんです。会長は『神の手』と言われていますが、最初はレジェンドというより『おじいちゃん』という印象でした。ただ、働いているうちに、スゴイ人たちの集団だと分かりました(笑)。 担当しているのは、電話や来客対応、注文処理ですが、仕事で注意しているのは、電話での聞き間違いや未発送のミスで、起きてはならないこと。まだまだ先輩が見てくれているという油断が何処かにあるので、反省しきりです。 それと、特にいまは多くのお客様にカスタムで納期遅れなどがあって、大変ご迷惑をお掛けしているので、申し訳ないと思っています。納期のお問い合わせも多く、お客様には明確な回答ができないこともあります。それでは信用を無くしてしまいますし、その改善が大きな課題だと思っています。 なので、製造の進捗が一元で可視化できる仕組みを作りたい。ヘッドにバーコードを付けて工程の終了ごとにチェックすれば簡単でしょうが、それで効率化してお届けが迅速になっても、コストが上がれば本末転倒です。その仕組み作りが近い将来の目標ですね。 それとやはり、お客様の要望を伺って、理解して現場に繋いでいく。私の仕事は繋ぎ役ですから、そのスペシャリストにならなければならないと思っています。 スゴイ職人さんたちが大勢いて、ゴルファーの理想を技術力でお届けしています。工場だけどメーカーで、世界に誇れる会社です。気持ちよく使ってもらえる商品をこれからもお届けして、自信を持って使ってもらいたいですね」 <h2>森本温子さん</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/10/4a27eba957f3bf7273e619155b7e921b.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-64148" /> フロント/出荷指示、売上管理 社歴:33年 「小さな『気づき』が会社を助け 『気づき』でお客様へ感謝を」 <strong>三浦技研を支えているのは男性ばかりではない。32名のスタッフのうち、10名が女性社員だ。ベテラン社員も多く、女性社員の最古参が森本温子さん。出荷指示、国内外の売上管理に、海外からの受注を管理している。これまで幾度となく試練を共にしてきたからこそ抱く三浦技研への想い、そしてゴルファーへの想いを話してくれた。</strong> 「結婚を機に市川町(兵庫県神崎郡)に住むようになりました。入社した当時は、1年に1回新商品を発売する程度でした。それから新社屋ができて、少しずつ大きくなっていきましたが、厳しい時代もあって、震災があったり、どうなるんだろうと不安になったこともありました。今年はコロナ禍で大変でしたが、何とか業績も上向きでありがたいと思っています。 ただ、販売店様に対しては、メッキやキズなどの不良品、カスタムの納期遅れもありますから、お詫び申し上げなければならないと思っております。そこは精神的につらい部分もありますが、仕事ですからね(笑)。お客様に御迷惑をお掛けしないように心掛けております。 私の場合、製造現場のことは分からない部分はありますが、分からないなりにも、お客様のために現場は一丸となって頑張っておりますので、ご理解頂きたいと思っております。 それと、私自身はあと何年かで定年ですが、三浦技研はもっともっと発展する会社です。必要なのはスタッフ全員それぞれの『気づき』で、それが製造の遅れを改善し、限られた時間の有効な活用に繋がるはずだと信じています。そしてそれがお客様の利益に繋がるのだと思っております。 三浦技研のクラブはどこにも負けないと思っております。ただ、技術が超一流であっても出荷ミスなんかあったら意味がない。それも、スタッフそれぞれの『気づき』があれば防げます。三浦技研のクラブを使っていただけること感謝の気持ちを持ちながら、仕事をしていきたいと思っていますね」 <h2>津田千春さん</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/10/458d095cfdb57249d069cf60cf05301d.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-64151" /> フロント/経理、総務 社歴:28年 「遊び道具の製造には余裕が必要 そこからの発想が顧客満足へ繋がる」 <strong>三浦技研が居を構えるのは、兵庫県神崎郡市川町。国産アイアン発祥の地である。しかし、その史実を知らない町民は多い。社歴28年、経理、総務業務に携わる津田千春さんも、入社前は同じだった。「通勤で建物の前を通ることもあったけど、何の会社かな? と思っていた」。それが三浦技研だった。そして28年経て思うことがある。</strong> 「若いころはゴルフをプレーしていた時もあったんですよ。でも、三浦技研の存在は知りませんでした。会社の前を通勤で通ったこともありましたが、ここがゴルフの会社だとも知りませんでしたし、市川町が国産アイアン発祥の地ということも知りませんでした。で、入社したらテレビで見たことがある有名なプロが来社する。スゴイ会社なんだと思いましたね。 仕事は経理と総務ですが、この仕事も製造現場の生産管理、納期管理が上手くいかなければ仕事になりません。というか、そこに直接かかわっていなくても重要なことは分かります。どの工程が渋滞しているのか? スムーズな工程は? 人員配置は? それをチーム力で解決しなければなりません。 とはいえ、フロントが製造現場を知らないように、お互いが知らない部分がある。だから、互いを知って、意見を出し合えることも必要だと思います。それがサービスの向上に繋がりますから。 それと、やっぱりモノづくりへの執念は恐ろしいほど強いと思います。現状よりも更なる向上をという想いですね。それもただの製造所ではないですから、仕事への使命感が強い。ただ、遊び道具を作っているので、もう少し余裕があった方が斬新な発想も浮かぶし、振り返ることも必要だと思います。いままでやってきたことが正しかったのが分かると思います。 そして、販売店である工房の皆様に感謝を申し上げたい。当社はお客様との繋がり強い。ですから、いまであれば工房様にどんどんフィッティングを利用いただきたい。そして、何でも相談してもらいたいですね」 <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/qfUviz766dg" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe>  
    (公開)2020年10月21日
    笹生優花の2週連続優勝で、三浦技研では笹生フィーバーが続いている。彼女が使用する軟鉄鍛造アイアン『TC-101』のカスタム仕様は、納期2か月待ちというから嬉しい悲鳴だ。 その三浦技研は10月23日、「もっと飛距離が欲しい」「もっとやさしいアイアンが欲しい」というニーズに応えてラージサイズ&ディープポケット形状の『EI-801』アイアン(通称イージーエイト)を発売する。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/09/2020092501.jpg" alt="" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-64019" /> ミウラといえば「鍛造の雄」だが、このモデルは鋳造ボディで「飛び系」というのが興味深い。同社リリースにはこうある。 「『Easy-8』は『ミウラらしくない』と言われるかもしれません。ヘッド開発のきっかけは、 当社スタジオに来ていただいた特定カテゴリーのプレーヤーのフィッティングデータにみられる飛距離の低下や、ミスヒットの多さなど共通の悩み事に着目したんです。 それらのプレーヤーへ、最適なヘッドを提供できないか? という考えからスタートしました。 『打感』『形状』に強いこだわりのある軟鉄鍛造のミウラが『飛距離』と『やさしさ』を最優先し、鍛造製法では作ることが出来ない形状にミウラらしさを盛り込んで届けます」――。 そこで同社は『Easy-8』の使用者層を明確化して、ヘッドスピードが 38m/s未満の低速域をターゲットに据えた。この層の特徴は、飛距離を求めるあまりすくい上げて打とうとする意識が働き、フェース面の下部でヒットするケースが多く、ミート率の低下に加え打球の高さが確保できない。 その結果、飛距離ロスが大きくなる傾向があるという。 そこで『Easy-8』は同社史上最大ソール幅(30㎜)の超低重心&ハイロフトでワイドスイートエリアを実現。ソール面には形状にこだわるミウラらしいショートディンプル形状を施し、振り抜きの良さをもたらしたという。 対象者を広げるミウラの狙い <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/09/face.jpg" alt="" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-64022" /> 素材にもこだわっている。フェースには飛び系アイアンで使用されるカーペンター社のバネ鋼を鍛造でつくり、ボディ部分は8620軟鉄を精密鋳造している。 ロフトはハイロフト設定。#6アイアンでロフト角は24度、以下、#7=27度、#8=31度、#9=35度、PW=40度、GW=45度の設定となっている。 リリースの最後を次のように締めくくっている。 「今回は数多くのフィッティング データを基に『飛距離』と『やさしさ』を最優先とし徹底研究したひとつの結論が『Easy―8』です」 ミウラのアイアンはアスリートの使用者をイメージするが、同社は今後、「初心者からアスリート、プロまで」をターゲットに対象者の領域を広げる構え。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/09/miura_back.jpg" alt="" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-64025" /> 特徴は「ミウラらしくない」という点だが、その「らしくない」に多くの工房が期待しているようだ。リフレックスゴルフ(愛知県春日井市)の丸山恭生代表は、 「ミウラとしてはメインの製品ではありませんが、そこへのチャレンジは興味深い。シニア、飛距離減退傾向のゴルファーは確実にいるので、ミウラのアイアンの中に1モデルくらいあっても良いと思いますし、期待できますね」 これに同調するのは、練習場内で工房を営むゴルフバーン(埼玉県川越市)の吉井謙一代表だ。 「今回の『Easy-8』はシニアだけではなく、女性もターゲットになります。大手クラブメーカーの飛び系アイアンはグースが強くて違和感を持つゴルファーが多い。 一方で『Easy-8』はストレートなので、引っかかるイメージはないけど、しっかりとつかまる。こういうチャレンジは必要だと思いますし、遊べるアイアンになるはずです」 さらに吉井代表は、『Esay-8』は三浦勝弘会長の「色」を脱却する狙いがあるのでは、と憶測する。 「これまでのミウラの鋳造アイアンは三浦会長のデザインを意識したものが多かった。今回は異例だし、会長のデザインからの脱却も意図しているのかとも思います。想像ですがね(笑)」 <h2>親子の葛藤があった?</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/09/miura.jpg" alt="" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-64027" /> 同社にとって鋳造ボディのアイアンは初ではない。直近では2018年の『IC-601』が鋳造の中空構造ボディと、弾き系素材455カーペンター特殊鋼をフェースに用いたアイアンだった。 当時、三浦会長が減退した飛距離を補うために作ったモデルだ。2017年の『CB-2008』も鋳造ボディだったが、ともに見た目はミウラのアイアンと一目でわかる形状だ。 三浦信栄社長は過去の取材で、鋳造製法について次のように語っている。 「10年ほど前、中国の鋳造工場で、あるドライバーの金型を見たんです。その金型は細かく分けると16パーツに分かれていた。一方で鍛造製法は基本的にこの何十年も変わっていない。鋳造製法にチャレンジすることで、新たな鍛造の可能性を見出したいと思ったんです」 それが今回の『Easy-8』につながっていることは間違いない。同氏はさらにこう話していた。 「このまま40~50歳代のゴルファーだけをターゲットにモノづくりをしていても将来は不安です。なので初心者から上級者、プロまで対応し、老若男女に受け入れられる方向性は大事。 打感や見た目より、結果重視のゴルファーにも対応していかなければなりません。軟鉄鍛造ではクリアできない寛容性を持たせながら対応していくことも大事なんです」 もちろん、社内には葛藤があったという。 「会長からすれば、アイアンは飛距離を刻むものなんですよ。飛距離が衰えたからと言って、ロフト立てて飛ばせば良いというものではない。そんな考え方だったから、当時は会長のその意識を覆すのには時間がかかりました」 信栄氏が社長に就任して10年。新たなチャレンジは、鍛造だけでもなく、上級者だけでもない。「らしくないミウラ」への挑戦が、ニューノーマルを生き抜くミウラの知恵なのかもしれない。
    (公開)2020年09月28日
    「帝王」ジャック・ニクラウスが設計・監修し、ヘッド研磨で「神の手」と呼ばれる三浦勝弘氏(三浦技研会長)がマスターモデルを削った『ニクラウス・ミウラ記念アイアン』。今秋を目処に米ミウラゴルフ(MG社)が発売する予定だったが、予約段階で完売したという。 価格は8本組(3~9番、PW)で約2000ドル、バックフェースにニクラウスのサインが刻印された流麗なマッスルバック。往年のファンならずとも垂涎の逸品といえるだろう。三浦技研の三浦信栄社長によれば、 「この件についての取材は今回が初めてです。なので日本のゴルファーは、記念モデルの存在さえ知らないと思います」 つまり、知らぬ間に生まれて知らぬ間に完売した「幻の合作」ということになる。帝王80歳、神の手77歳。そう考えれば「最後の合作」となる可能性も否めず、手に入れたかったファンは多いだろう。しかし、同社がPRしなかった背景には多少複雑な事情がある。 <h2>日米の資本関係は解消</h2> このモデルが米国でアナウンスされたのは7月半ば、ニクラウスが大会ホストを務める「ザ・メモリアルトーナメント」(7月16~19日、米オハイオ州ミュアフィールドビレッジGC)においてだった。 直後に米国のファン1000人超から購入の申し出が殺到したが、そもそもニクラウス自身の要望で、彼が設計・監修した世界400ほどのゴルフ場で販売する方針だった。三浦技研への製造依頼は300セット。米MG社はこれ以上作るつもりはないと頑なで、 「日本にもニクラウス設計のコースはありますが、ほとんど入って来ないと思います」 三浦社長は諦め顔でそう話す。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/07/2646.jpg" alt="" width="788" height="541" class="aligncenter size-full wp-image-63203" /> 三浦技研で製造した『ミウラ』ブランドの製品なのに、なぜ、日本で発売されないのか? 単純な疑問がわくのだが、実は米MG社と三浦技研は資本関係を解消しており、今回のモデルはMG社とニクラウスの会社で契約が交わされた。三浦技研は製造に徹する立場なのだという。 「25年ほど前、当社の会長とその友人が出資してカナダにミウラゴルフを設立しました。三浦技研のクラブを世界で販売する目的でしたが、その後、新たな投資家が現れてオーナーが代わり、会長の出資金も返された。『ミウラゴルフ』という社名ですが、うちとの資本関係はないのです」 とはいえ、MG社は今も三浦技研のモデルを中心に販売しており、『PXG』と同じ高価格帯に位置する人気ブランド。ゴッドハンドのファンは米国にも多く、『ニクラウス・ミウラアイアン』もその流れで同社の製造となった。 「そこで日本で販売する可能性を打診しましたが『今回は300セット以上やるつもりはない』と言われましてね。ニクラウスの設計コースが400とすれば、100コースは手に入りませんが、それでも300セットで変更はないと」 そんなわけで、日本で発売される余地はなさそうだ。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/07/2643.jpg" alt="" width="788" height="592" class="aligncenter size-full wp-image-63204" /> 今後「帝王」と「神の手」の合作はあるのだろうか? 冒頭の写真(三浦技研提供)は2014年10月8日、プライベートジェットを飛ばしたニクラウスが同社を訪ねた一枚。 「上海から岡山経由で、当社(兵庫県市川町)までわざわざ来てくれました。会長は以前もニクラウスのアイアンを手掛けており、信頼関係を築いてます」 だとすれば、日本のファンに新たな「合作」を提供してもらいたいもの。本家として、三浦技研の巻き返しが期待される。
    (公開)2020年07月29日
    三浦技研と言えば、世界に誇る軟鉄鍛造アイアンだろう。その打感、そして美しさは、世界屈指のツアープレーヤーからアマチュアゴルファーまでを魅了してきた。その三浦技研が新たなフィッティング理論を構築。11月より取扱店の一部より順次導入される。 工場からメーカーへの脱皮 常識が覆った計測データ  <img class="size-full wp-image-59196" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/09/miura2.jpg" alt="9position" width="788" height="525" /> 三浦技研フィッティングスタジオ(越谷ゴルフリンクス) 2014年、三浦技研は取引工房から会費を募り、顧客が使用するヘッドの形状や重量変更を行う「ミウラクラフトマンワールド」(MCW)を開始。 会員工房は250店を超え、工房店主からは、「『ミウラ』のアイアン、ウエッジの打感は秀逸で、ヘッドの精度が高くフィッティングしやすい商材」と言わしめ、ゆえに新商品の発売後直ぐに多くの工房が発注するというのが常識となった。 しかし、同社の三浦信栄社長はそこに甘んじず、2017年10月、越谷ゴルフリンクス(埼玉県越谷市)にスイング解析機「ギアーズ」、弾道計測器「GCクワッド」、重心移動解析マット「ボディトラック」などの計測器を備え、300本以上の試打クラブを用意した『三浦技研フィッティングスタジオ』(MFS)を仮オープン。 翌年11月に、累計1500人、約3000時間の計測をベースに構築したFP値(フェースプログレッション)カスタムフィティングの『9ポジションフィッティング』を発表した。 その『9ポジションフィッティング』が2019年11月、「MCW」の一部店舗に本格的に導入され、多くのゴルファーに対応していく運びとなった。 <img class="size-full wp-image-59203" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/09/miura4.jpg" alt="9position" width="788" height="525" /> 三浦信栄社長 「MFS」開設時、三浦信栄社長は次のように語っている。 「長年クラブを作ってきましたが、我々は単なる工場でしかなかった」 そう前置きして、 「それが『MFS』の開設、そして計測値の解析で、これまで『ダウンブローに打つ上級者にはストレートネック』『シャローな入射角にはグースネック』などと思い込んでいた物づくりの常識が覆った」――。 既成概念は覆り、「工場からメーカーへの道」を志向する原点ともなった。いまでは累計計測データは2000人を超え、対応できるモデルも7モデルまで増えた。『9ポジションフィッティング』を世に広め、これまでにない理論を展開する。機は熟した。 <h2>FPと飛距離の関連性 原点となった疑問は「グースは捉まって飛ぶ?」</h2> <img class="size-full wp-image-59198" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/09/miura3.jpg" alt="9position" width="788" height="525" /> 浅谷理フィッター(スリリング社) この『9ポジションフィッティング』の開発に大きく貢献したのが、三浦技研からMFSの運営を任されているスリリング社の浅谷理フィッター。 浅谷氏は大学卒業後、百貨店勤務を経てゴルフショップに転職。その時分に研究開発したのが、様々な要素からクラブの最適な振動数のフローを計算するシステムで、そのシステムが大手シャフトメーカーの目にとまった。それが後に『9ポジションフィッティング』を生み出すひとつの要素となる。 『9ポジションフィッティング』について、浅谷氏は次のように説明する。 「アイアンでロフト通りに飛距離が出ないゴルファーを調べた結果、スイング軌道、入射角、インパクトロフトのうち、入射角とインパクトロフトが問題だと分かりました。アイアンが飛ばない人の8割はヘッドの入射角が浅く、インパクトでロフトが寝てしまう。 ボールとのインパクトの位置はゴルファーによって違いますが、ボールに当たる位置を少し早くすれば適正な飛距離が得られる。これをFPを前後に設計するのが今回の考え。前後に2ミリ動かすとロフト4度分に相当する効果が得られる」 たとえ、インパクトロフトが立ってボールに当たるゴルファーでも、ヘッドの軌道がスイープ、つまり入射角が浅く、フェースがボールに当たるタイミングが遅ければロフトは寝てしまう。 それをロフトが寝ないタイミング、つまり、ボールに少しでも早く当たれば、ロフトが立った状態でフェースがボールに当たるから、適正な飛距離に限りなく近づくことができる。 着眼点の源泉は、長い年月をフィッターとして過ごしてきた浅谷氏に芽生えた素朴な疑問だった。 「グースネックは本当にボールが捉まって飛ぶのか?」――。 FPは飛距離に繋がる要素か、それとも否か、という検証が始まる。特に現代のフィッティングのベースはライ角。ところが、検証を続けて行くと、ライ角以上にFPの重要性が高い可能性が認められると浅谷氏は語気を強める。それが『9ポジションフィッティング』の神髄でもある。 <h2>三浦技研の研磨の腕が成す 1つのヘッドから9つのヘッドへ</h2> <img class="size-full wp-image-59205" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/09/miura5.jpg" alt="9position" width="788" height="525" /> 三浦技研の軟鉄鍛造 ところで、アイアン、ウエッジの飛距離を適正化するための『9ポジションフィッティング』では、後述する6段階のステップを経て、最終的にライ角±2度、FP±2ミリの組合せからなる9つのヘッドから、最適な飛距離が得られるスペックが選択される。 その9つのヘッドは、モデル毎に3回の鍛造金型によって生み出された1つのスタンダードなヘッドから、三浦技研が42年の間、血の滲むようにして磨いてきた研磨技術を駆使して形状が変更される。 通常、ロフトやライ角を調整すれば、FPなど他の数値も変化する。もちろん『9ポジションフィッティング』では、ライ角も選択するため、ロフトが変化し、FP値も影響を受ける。ロフトを変えずにライ角を変え、そしてFPまで変える。匠の技を要せずには、この3要素を制御できず、歪な、そして美しいとは決していえない形状になってしまう。 <img class="size-full wp-image-59207" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/09/miura6.jpg" alt="9position" width="788" height="525" /> 三浦勝弘会長 三浦技研を研磨の腕で一流のブランドに仕上げた三浦勝弘会長は、目指す物づくりについて、こう語っている。 「それは、全部なめらかなことです。一言で表すのは難しいけれど『しかりした中になめらかさがある』ということかな」 なめらかさ――。アイアンヘッドには削り上がりの目が粗く見えるものと目が細かく綺麗に見えるものがあるという。削りの角度がコンマ数ミリ違っても粗く見える。コンマ数ミリの角度を熟練した技工で削り、そしてライ角が変わり、FPが変化しても、ゴルファーの目には美しく映るヘッド。 そして求める弾道を実現する顔を成し得る。だから、『9ポジションフィッティング』は、研磨の技に命を賭してきた三浦技研の技術なしでは語ることができない。 <h2>クラブ測定からFP値まで綿密に練られた6つの階段</h2> 『9ポジションフィッティング』は大きく6つの過程で行われる。 <ul> <li>①問診(ゴルフ歴、体重、身長など)&握力測定</li> <li>②クラブ測定(ロフト角/7番アイアン、重量、クラブ長、振動数)</li> <li>③ドライバー弾道計測(GCクワッド)、動画撮影</li> <li>④重心移動計測(ボディトラック)</li> <li>⑤アイアン計測(現在使用アイアン、ギアーズ計測アイアン)</li> <li>⑥FP値を含めたスペック選定</li> </ul> ①~⑥までを完走するには約2時間。これほどまでに事細かな手順を踏むのは、これまで工場として歩んできた職人集団の思い込みを科学的な検証から払拭し、真の自分だけの道具をつくることを目的とした究極のカスタムをゴルファーに提供するためである。 <img class="size-full wp-image-59210" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/09/miura7-1.jpg" alt="9position" width="788" height="525" /> 問診、クラブ測定、握力測定 まず①の問診&握力測定である。この問診でゴルフ歴、プレー頻度、身長、体重、握力などを把握。そのうち、身長や体重、そして握力は、クラブ長やクラブ重量と大きく関連しており、それらの最適値を導き出すための要素となる。 一方で、②のクラブ測定では使用中の全クラブのスペックを測定。この①と②の数値から、使用中クラブの振動数フローと、最適とされる重量フロー、振動数フローが導き出される。この最適とされる重量フロー、振動数フローから推奨されるシャフトのスペックが選定される。 次に③のドライバー弾道計測である。一番大きな動きであるドライバーショットのスイングや弾道を解析・数値化してデータを収集、整理をする。 特に、クラブパス、フェースアングル、入射角などは、身長からの影響が大きいなど、スイングやインパクトの特性を解明するとともに、①と②から導き出された最適値に対する差の発生原因の究明を行っていく。 ちなみに振動数フローはドライバー基準で計算されるが、物理の法則を用いれば、0.5インチクラブ長が短くなれば4.2cpm増加する。これは、クラブの移動距離、クラブ重量、移動時間から算出された数値となる。 また、同時にゴルファーの後方と正面から動画を撮影。撮影した動画に画面上にラインを引くことで、スイング中のスウェーや前傾角度の維持具合などを目視で確認。スイングの特性だけではなく総合的に弾道測定値とスイング中の体の挙動を観察。 最適ではないクラブ重量や振動数がスイングや飛距離に影響している可能性など、スイング動画からも、現状と①と②から導き出された最適値に対する差の裏付けを行っている。 <img class="size-full wp-image-59212" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/09/miura8.jpg" alt="9position" width="788" height="525" /> ドライバー弾道計測、動画撮影、ボディトラック計測、アイアン計測 ④のボディトラックによる重心移動計測は、スイング中の反力(スイング中に地面を蹴る力)と左右の足裏の何処に体重がかかり、その重心はどのように移動しているかを計測。 最適な反力は体重の1.5~1.6倍が理想とされ、これはスイング中の踏み込み具合を表す数値でもあることから、クラブに対するエネルギーの伝達効率を示す値でもある。 また、この数値はダウンブローの度合い、ミート率、ボール初速に繋がり、クラブ重量や振動数からの重心移動への影響、そして重心移動からみた飛距離増減を分析している。 これら①~④で、重量フロー、クラブの振動数フローなど、現状と最適値の差の原因が究明される。 これらは『9ポジションフィッティング』の工程だが、同時にクラブ、スイングの問題点を解明する重要な作業である。これらの問題点を総合的に、そして科学的に分析することで、『9ポジションフィッティング』がより精度の高いフィッティングに繋がることはいうまでもない。 <h2>設計ロフトは変わらず一番手飛ぶ 『9ポジションフィッティング』</h2> <img class="size-full wp-image-59214" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/09/miura10.jpg" alt="9position" width="788" height="525" /> 9positionフィッティングツール もう一度お復習いすると、『9ポジションフィッティング』はアイアンの適正飛距離を実現する手法だ。前項までのステップは、現在使用のセッティングやスイングに関する問題点を浮き彫りにして、精度の高い『9ポジションフィッティング』を提供するためにある。 これらに加え、⑤のアイアン計測が重要な意味を持つ。入射角やインパクトロフト、打ち出し角、スピン量、フェースアングル、ヘッド軌道などが可視化できる「GCクワッド」を用いて、現在使用の7番アイアン、そしてスイング解析システム「ギアーズ」用の7番アイアンをそれぞれ5球ずつ試打。 現在使用7番アイアンの入射角、インパクトロフト、落下角度などと、「ギアーズ」によるスイング解析、そして①~④で導き出された問題点を加味して、ライ角、そして飛距離が適正化するFP値のヘッドスペックを想定する。 <img class="size-full wp-image-59217" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/09/miura11.jpg" alt="9position" width="788" height="525" /> フィッティング前 これらの計測では、『9ポジションフィッティング』の基準値がある。例えば、設計ロフトが7番アイアンで35度、ギアーズ計測で判明したリーン角は8度だった場合。インパクトロフトは設計ロフトから7~9度前後少ない値が最適とされるので、リーン角も踏まえれば理想のインパクトロフトは26~28度前後。 また、最高到達点からの落下角度は40~45度、さらに身長が170cmほどであれば、ダウンブローの度合い(入射角)は3~4度が最適としているなどだ。 これらは2000人を超えるフィッティングデータやギアーズのデータから導き出された独自の推奨値。それに合わせて、ライ角±2度、FP値±2ミリ、9つのヘッドの中から飛距離を適正化するヘッドを試打することになる。 <img class="size-full wp-image-59219" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/09/miura12.jpg" alt="9position" width="788" height="525" /> フィッティング後 入射角、インパクトロフトの相関関係で、ライ角はもちろん、FP値を±2ミリ動かす。FP値0.5ミリでインパクトロフト1度分。2ミリFP増やせば最大でインパクトロフトは4度分の効果がある。つまり、一番手分の飛距離を手に入れることができる。 飛び系アイアンが多く存在するが、『9ポジションフィッティング』でFP値が適正化されれば、三浦技研独自の打感、そして美しいヘッドのまま、未知の飛距離を得ることができるのだ。 <iframe src="https://www.youtube.com/embed/EHLCXTxI_TI?rel=0" width="788" height="433" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe> <iframe src="https://www.youtube.com/embed/Sp_teDdGJV0?rel=0" width="788" height="433" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe>
    (公開)2019年10月28日
    職人歴60年、神の手と呼ばれる三浦技研の三浦勝弘会長をご存知だろうか?現在75歳の勝弘氏が自ら考え、自分同様に飛距離の衰えに悩みを持つベテランゴルファーでも使える鋳造中空アイアン『IC-601』を4月に発売する。 <h2>神の手が作った鋳造中空アイアン</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/01/miura1.jpg" alt="「神の手」三浦勝弘が自らのために作った『IC-601』" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-39417" /> 「ゴルフクラブを作って60年になりました。20年間勤めに出て、独立して40年。クラブメーカーさんからのOEMを作っていましたが、24年ほど前からオリジナルを作り始めました。そのなかでプロやトップアマの意見を聞いてきました。それらの経験をさせてもらって、いままでクラブを作らせてもらいました。これからもお客さんにいいものを作っていきたい」 そう語った勝弘氏だが、75歳でも現役でゴルフをプレーしている。そのベテランゴルファーが飛距離に悩んでいる。それを解決したいとの想いで作ったアイアンが『IC-601』だ。 <h2>全番手フル中空でやさしくピンを狙える</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/01/miura2.jpg" alt="「神の手」三浦勝弘が自らのために作った『IC-601』" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-39420" /> 『IC-601』は、4番アイアンからPWまでの全番手をフルインナーキャビティ構造にした設計で、やさしくピンを狙える中空アイアンヘッドに仕上がっているという。捉まりのよいグースネックやターゲットをイメージしやすいシャープなトップブレード、ワイドで滑りのよりソール形状など、三浦技研いわく、「グッドショットを約束するアイアンヘッド」――。 <h2>飛距離追求に455カーペンタースチール</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/01/miura3.jpg" alt="「神の手」三浦勝弘が自らのために作った『IC-601』" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-39421" /> 力の衰えたベテランゴルファーが渇望するのが飛距離だろう。その飛距離を追求するためフェースに採用されたのが、「455カーペンター鋼」だ。過去、飛び系アイアンに多く採用された素材で、反発性能に優れているため、高初速を生み出すフェースになっている。また、アイアンの飛びに必要な高弾道を実現するために、バックウエイトビス(8g)を装着して深重心設計も施している。 <h2>7番アイアンでロフト31度</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/01/miura4.jpg" alt="「神の手」三浦勝弘が自らのために作った『IC-601』" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-39424" /> 昨今の飛び系アイアンは7番アイアンでロフト角25度や26度とストロングロフトが多いが、『IC-601」は昨今の飛び系アイアンと一線を画している。そのロフトは7番アイアンで31度、クラシックロフトともいえる。同社によると、 「アイアンは距離を刻むクラブ。必要以上に飛んでも、止まらなければ意味が無い」 職人歴60年。まだまだ神の手は健在だ。
    (公開)2018年01月29日
    兵庫県神崎郡市川町をご存知だろうか? ゴルフ界では由緒正しき土地柄だ。市川町は1930年に国産初の鍛造アイアンの製造に成功した<strong>「国産鍛造アイアン発祥の地」</strong>なのだ。 1960年代にはアイアンヘッドの7割が市川町周辺で生産されていた。当時、市川町を中心にした姫路周辺にゴルフ部品の工場が100社ほどあり活況を呈していた。つまりその昔は、日本のゴルフ界では市川町なくしてゴルフ用品の販売が成立しないほどの生産拠点だった。 しかし1980年代に入ると、日本の製造業は人件費の高騰などから生産拠点を台湾や中国に移転した。ゴルフ用品の製造も台湾・中国に製造拠点を奪われて市川町周辺のクラブ製造業者は20社弱となってしまっている。 工場は、一度灯が消えると盛り返すのが難しい。技能継承も寸断されて、後継者廃業が相次いでしまう。そんな状況が市川町が「国産アイアン発祥の地」であることを忘れさせてしまっていた。 その「発祥の地」という資産を活用すべく、市川町役場、市川町商工会、市川町観光協会、市川町ゴルフ協会とゴルフ関連企業9社が協力して、第2回市川町ゴルフまつり『喜楽☆喜楽GOLFフェス』が10月22日開催で企画された。「発祥の地」を知らない地元民が大多数なため、イベントを通じてまちおこしにつなげる狙いがあった。 台風で泣いた市川町の「ゴルフまつり」 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2017/12/ichi1.jpg" alt="「国産アイアン発祥の地」を知っている? 「ゴルフまつり」中止で見えた市川町の未来" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-33941" /> ところが、10月22日はその前日から台風21号が日本列島を襲った。 「『ゴルフまつり』の開催中止は、前日の10月21日午前10時に決めました」――。 と話すのは、今回の「ゴルフまつり」をまとめた原野建運営委員長(市川ゴルフ支配人)。その表情には無念と疲労感がにじんでいた。それもそのはず。 今年で2回目となる同イベントは、地元の4団体(市川町役場、商工会、観光協会、ゴルフ協会)で構成された実行委員会とゴルフ関連企業9社からなる運営委員会などで組織され、今年1月から企画がスタートした。 いわば、ゴルフを核にした一大プロジェクト。それが無情の大雨で流れたのだから、関係者や町民の落胆は計り知れない。 企画は1月にスタートし、4月にはゴルフ関連企業の3名で構成された「町民大使」が東京のゴルフメディア4社を訪れ、企画の説明と取材のお願いをして回った。その往復交通費約10万円は実は自腹だったというから、その意気込みが伝わってくる。 その「ゴルフまつり」の会場に予定されたのが、9ホールのショートコースを併設する練習場・市川ゴルフだった。イベントの内容は、ニアピンコンテストや試打会、各社製品の展示などに加えて、飲食の露店も19店舗とグルメイベントを兼ねていた。 その一大イベントに関わったスタッフは総勢84名で、当日開催が予定された6種類のイベントには延べ134名が参加を申し込んでいた。 参加者に中止の連絡をした市川町役場の中塚崇仁主事(農林商工係)によれば、 「一人ずつ連絡をした時に『次の開催はいつですか?』と尋ねる町民が多かった。自然と涙がこぼれました・・・」 心中、察するにあまりある。原野実行委員長は、 「市川ゴルフの駐車場は、町内を縦断する市川のそばにあって、22日の午後には一部が冠水したのです」 日本列島は大型台風が続々と押し寄せたが、なぜこの時期を選んだのかを責めるのは酷というもの。実は、今回ほど準備万端で臨まなかった第1回目の昨年は猛暑の8月開催で、酷評を浴びていた。この点について町役場の広畑一浩課長(地域振興課)は当時、 「猛暑での開催で成果は残せませんでした」 と取材に答えている。そこで今年1月、町役場から市川ゴルフの原野社長に協力要請があり、開催日を秋にした経緯がある。誰を責めるわけにもいかないのだ。 <h2>町民も知らない「国産鍛造アイアン発祥の地」</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2017/12/ichi3.jpg" alt="「国産アイアン発祥の地」を知っている? 「ゴルフまつり」中止で見えた市川町の未来" width="788" height="525" class="size-full wp-image-33943" /> 原野建運営委員長 地方都市の窮状は周知の通りで、なかには「ふるさと納税」で活性化を目指す自治体もあるが、多くは地元産品の訴求等で対応している。これに比べて市川町には「発祥の地」というストーリーがある。これを全面に押し出して、まちおこしにつなげる試みは意義深い。 しかし、昨年の第1回目は先述の通り、「発祥の地」をPRできず、ゴルフ関連企業が積極的に参加できる企画内容ではなかった。そこで、クラブ製造業者を中心に9社(市川ゴルフ、三浦技研、共栄ゴルフ、東邦ゴルフ、井内ゴルフヘッド工業、光栄ゴルフ製作所、共和ゴルフ、藤本技工、FG)が運営委員会に名を連ねた。「ゴルフまつり」の開催で、ゴルフ関連企業も積極的にPRしようと考えた。 月に1度ほど運営委員会が開催され、様々の課題が浮き彫りになったという。最大の問題は地元の市川町民が「発祥の地」を知らないことだった。原野委員長は自身の経験を振り返る。 「実は、私は市川町の出身ではなく、10年前に市川ゴルフに就職して業界に入りました。市川町が『発祥の地』だと知ったのは3年前で、ゴルフ雑誌によるものだったのです」 ゴルフ関連企業が多くて歴史があるのに、町民の大半がそのことを知らない。そこで、地域交流の要素として製造業に焦点を当てた「ゴルフまつり」を企画すれば、まちおこしにもつながる。そう考えて、原野氏は運営委員会の委員長を引き受けたという。 一方、飲食ブース19店舗を取りまとめたピザ・オートフェリーチェの木村智裕マネージャーも当初、知名度の低さに多少の不安を感じたという。 「出店を予定した飲食関係の企業に、市川町が『発祥の地だと知っていますか?』と聞いたところ、『知らない』という答えが多かった。だから当初は『発祥の地』を謳っていいのか疑問でしたよ」 知名度が低い理由は後述するが、イベント自体のメインテーマが知られていなければ話にならない。三浦信栄副委員長(三浦技研社長)はこの件について、 「ですから、まちおこしの武器となる『発祥の地』を有効活用するための第一歩が今回の企画でした。我々製造業者が積極的にイベントに関与すれば、町民とゴルフがつながるかもしれません。そう考えて、様々な企画を練ったのです」 ところが、当日は台風21号の接近でイベントは中止。そこで当日午前10時から、市川町役場4階の会議室で、第3回実行委員会が開催された。そこでは議論噴出。地域創生に向けた地方都市の生き方が本音でぶつかった。 <h2>「助けて」と言えなかった市川町製造業者同士のつながり</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2017/12/ichi5.jpg" alt="「国産アイアン発祥の地」を知っている? 「ゴルフまつり」中止で見えた市川町の未来" width="788" height="525" class="size-full wp-image-33945" /> 岩見武三町長 実行委員会の参加者は、岩見武三町長(実行委員長)、楠田一利商工会会長(同副委員長)、木村重己観光協会会長(同副委員長)の3名に加え、運営事務局から6名。それに加えゴルフ関連企業7社8名と、ピザ・オートフェリーチェの木村マネージャーなど総勢20名。1時間半にわたる意見交換が行われた。 岩見町長は冒頭の挨拶で、「発祥の地」の重要性を話している。 「2年前の町長就任当時から、『発祥の地』を内外に発信することが大きな課題でした。認知してもらうにはゴルフ業界と行政の協力が必要で、今年はゴルフ関連企業が運営に積極的に参加してくれた。町としては『発祥の地』のPRでゴルフ関連企業の販路拡大に寄与したい」 昨年は観光協会と商工会が企画して、そこに行政が相乗りする形だったため、ゴルフ関連企業が積極的に参加できる内容ではなかったと振り返る。そして、「発祥の地」のPRは行政にとって、 「大きな課題」 と岩見町長は強調した。それを受けた東邦ゴルフの荒深泰男社長は、 「以前は町をあげてゴルフ界を支援することに不公平感が漂っていましたが、この企画で市川町に来訪者が増えれば経済効果もあるため、少しずつ意識は変わっていると思います」 町と業者が歩み寄り、協力してまちおこしに臨む姿が伺える。しかし、なぜ、ここまで「発祥の地」が町民に浸透していないのか。その疑問が残る。運営委の坂本敬祐副委員長(共栄ゴルフ社長)は、 「町民に根付いていないのは、製造業者同士の横のつながりがなかったからだと思います。だから、行政にも積極的に陳情しない。町民が知らないのは当然で、運営委に参加して気づきました」 それに応えるように、出席者で最高齢の井内ゴルフヘッド工業・井内幸男社長(78歳)が積年の想いを口にした。 「我々はこれまで横の繋がりがなかった。今回の活動で初めて仲間ができたように思います」――。 井内社長によれば30年前に、横の連携を持つ動きがあったという。しかし、「系列が違う」などで進まなかった。同氏は今回の企画で横のつながりができたことが、一番嬉しいと笑みを溢した。 井内社長が口にした「系列」とは、町内のゴルフ製造業者間で下請けを依頼する上でのつながりのこと。誰もがそのことに足かせを感じながら、公言することはなかったというのだ。 「系列意識」以外にも、当地ならではの職人気質が横の連携を拒んできたと見るむきもある。東邦ゴルフの荒深社長が、過去に誰も口にしなかった本音を漏らした。 「20~30年前はゴルフ産業も活気があったし、この界隈も横の繋がりがなくても個別に儲かっていました。しかし、不況になった時、行政や同業者に『助けて』とは恥ずかしくて言えなかったのではないでしょうか」 FGの藤本雄介氏は、荒深社長に同調するように、 「我々は職人の集まりだから、同業者に協力を求めることにプライドが許さなかったのだと思います」 それは職人の誇りで、モノ造りにこだわる上で必要不可欠な要素だが、反面、プライドが強すぎると意固地になってしまう。狭い世界でしのぎを削る職人気質が、横の連携を阻害してきた。三浦技研の三浦社長は自戒を込めて、 「自分が完璧だと思っていても、外から見ればできていないし、成立していない。それを素直に認めることからスタートしなければなりません」 <h2>地域創生に向けて、PR方法が分からない そして未来へ</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2017/12/ichi2.jpg" alt="「国産アイアン発祥の地」を知っている? 「ゴルフまつり」中止で見えた市川町の未来" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-33942" /> 低い認知度が改善されない理由がもうひとつある。PR戦術と疎遠なことで、地方自治体が成功した一例にゆるキャラブームがあった。2015年当時、1727のキャラクターが登場したが、以後急速に数を減らした。 今回の「発祥の地」PRは、先例のない取り組みだけに、そのあたりの悩みを楠田一利商工会会長は次のように話している。 「10年ほど前から、地場産業のPR予算を県の商工会に要請しています。商工会には『商』と『工』の2つがあって、ゴルフだけに予算が使えない事情もありますが、市川町はゴルフが強いので、県には試打ができる『ゴルフ体験館』の設立も提案しています。地場産業のPR方法も分かりません。でも、ゴルフで盛り上げようと思っています」 このことは製造業者も同じで、藤本技工の藤本勝也社長は、 「『発祥の地』を広く知ってもらいたい。その一環として、当社はふるさと納税の返礼品にゴルフクラブを提供しています。ただ、私は還暦を過ぎていてPR方法が分からない。それは若手に担ってもらいたい。その意味で若い世代が企画する『ゴルフまつり』には大いに意味があると思っています」 ゴルフ業界だけでなく、若い世代の台頭が活性化につながる。これを進展させるには、ある程度の権限委譲と成功体験が必要となる。市川町の場合、FGの藤本雄介氏(35歳)が若手有望株かもしれない。 「『ゴルフまつり』でチャリティー品の製作が決まった時、様々な意見が出て形になった。それは横のつながりができたからだと思います」 それが市川町のゴルフ、そして、さらには日本のゴルフ発展につなげられるという。そして、それに気づいたことが大きな収穫だったと、藤本雄介氏は振り返った。 もちろん、異業種交流も糧になる。グルメコーナーと取りまとめた前出の木村マネージャーは、 「市川町の団体、企業にはそれぞれ情熱があるんです。様々な課題はありますが、今回の企画でひとつになれたと思います」 それを受けて、FGの藤本竜平氏が最後に締めくくった。 「これまで我々は表舞台に立つ機会が少なかったけど、『ゴルフまつり』に携わったことで同業者の多さを改めて知り、町内の異業種とも触れあった。お互いの認識が深まれば、町民にもPRできる。そう実感できたことも大きな収穫です」 台風に吹き飛ばされてしまった「市川町ゴルフまつり」の顛末を紹介したが、結果だけを見ればイベントは中止になって、すべての苦労が水の泡になってしまった。しかし、関わったすべての関係者が本気で議論し、明日への展望を共有した。それ自体が得がたい糧となったようだ。 開催中止から1ヶ月半の12月上旬、第2回市川町ゴルフまつり『喜楽☆喜楽GOLFフェス』の開催が、来年4月21日に決定した。「国産鍛造アイアン発祥の地」の復権に向けて、市川町の新たな挑戦がはじまった。
    (公開)2017年12月07日
    三浦技研は4月20日、MGシリーズ初の複合アイアン『CB―2008』と親和性の高いハーフキャビティ『MG―M01』ウエッジを発売する。ミディアムサイズのソール幅を持たせたウエッジで、MCW加盟店で販売を開始する。 ストロングロフト化に伴うヘッドの大型化に適したセミラージサイズを採用し、バックフェース側に設けたキャビティ形状は打感を損なうことなく、キャビティ部分が生み出した20gの余剰重量を、ソールとインパクトスポット後方へ配分。深重心化してボールの上がりやすさを向上。また、セミグースネック設計で、『CB―2008』を始め、多くの大型・複合ヘッドとの親和性を高めたという。 さらに、理想とするインパクトスポットに対して、真っ直ぐ後方部分を最も肉厚になるようトレーディングエッジの位置をデザイン。分厚いインパクトを実現したという。加えて、フェース面にはCNC平面加工を施して平滑度を高め、さらにスコアラインを彫刻加工で入れることにより、軟鉄鍛造の打感に加えて強烈なスピン性能を有するウエッジに仕上がったという。ロフトラインアップは、50度、52度、56度、58度の4種類。価格はヘッド単体で2万円。 問い合わせは三浦技研へ、0790―26―0773。
    (公開)2017年04月08日
    三浦技研は2月25日、4年ぶりの「CB-2000」シリーズのリニューアルモデルとして『CB-2008』(5番~9番、PW)を発売する。自社製造では初となる複合ヘッドで軟鉄鍛造のボールを包み込む柔らかな打感と、ポケットキャビティ形状ならではのミスへの許容性の高さを高い次元で融合した自信作だという。 これまでの同社のアイアンはやさしさ&amp;飛距離性能はフィーリングと相反するものという同社の考えのもと、フィーリング重視のモデルが多かった。その中で、三浦ならではのフィーリングを残しながら、やさしさ&amp;飛距離性能を実現したのが『CB―2008』。 全番手の中で5番から8番アイアンまでを軟鉄鍛造フェース+SUS304のバックボディの溶接接合複合ヘッドにすることで、二律背反を解決したという。 形状にもこだわりを見せ、ともすれば分厚くもたついた印象を与える複合ヘッドを、同社独自の研磨技術で厚すぎないように見せている。また、シリーズ中で最も幅広いソールにデザインしながら、匠の研磨技術でヌケの良さを実現。 飛距離性能に対しては、従来品比で2度ロフトを立て、グースを効かせたネック形状で捉まりやすさも実現しているという。ヘッド単価は2万円。あらたなユーザーの掘り起こしにも活躍しそうなプロダクトだといえるだろう。 問い合わせは三浦技研へ、0790-26-0773。
    (公開)2017年02月08日
    三浦技研は7月27日、純度99・3%以上の純鉄(ピュアアイアン)を使用して徹底的に打感にこだわったという鍛造ウエッジヘッド『MG―S01』(2万2000円)を発売した。 純鉄とは炭素、その他の不純物の含有率が非常に少ない鉄のことで、一般的には不純物元素の限界についての明確な区分はないが、炭素含有量0・02%程度までを純鉄と称されている。今回の『MG―S01』はその純鉄を使用しているが、通常のS25C、S20Cなどより柔らかいことが素材の特徴。ちなみに、25や20などの数字は、それぞれ炭素含有率が0・22~0・28%、0・18~0・23%という数値を表現している。 その純鉄は、一般的に入手が困難で柔らかいゆえに加工性が低いといわれている。しかしながら、今回『MG―S01』の製造にあたり、同社用に製鉄されて素材で、その柔らかさゆえに難しい製造工程もひとつひとつ見直されたとか。 形状は曲線のフローバックデザインで、フェースには彫刻スコアラインを施した。さらに番手別に設計されたソールデザインに、吸い付くような純鉄の打感で高次元のスピン性能を発揮するという。 また、ロフト設定は50度、52度、56度、58度を用意。±2度の頂角が可能なことから、実質的には48度~60度の1度刻みで多ロフトのニーズにも対応できるラインアップになっている。 問い合わせは三浦技研へ、0790-26-0773。
    (公開)2016年08月03日
    三浦技研は2月18日、使い手に馴染むアイアンをコンセプトに開発した『CB-1008』を発売する。上級者が満足するような小ぶりでシャープな形状でありながら、低重心で球が上がりやすいモデルだという。 同社の壺坂淳司統括が説明する。「この『CB-1008』というモデルは、プロスペックシリーズの『CB―1007』の後継機種となります。当社が38年間磨き上げてきた精密軟鉄鍛造製法の技術を可能な限り高め、そして駆使して、飾ることなく可能なまで、使い手であるゴルファーの色に染めてもらいたいと考えています。無垢な形状ですので、強い弾道をイメージさせる顔つき、逆に使い手が易しく使いこなせるような形状にも仕上げることが可能な集大成のモデルです」 その磨き上げた精密鍛造製法の技術とは、同社がいうところの「W.D.D accurate forged」。設計重量、設計寸法、素材密度の3つの要素を可能な限り高い精度で実現させ、そこに神の手といわれる研磨技術を加えたものだ。 セット構成は#4~#9、PWで#3はオプション。全国約2600店舗のWCM加盟のショップでの販売で、MCW対応ヘッドとなっている。クラブ推奨価格は、スチールがモーダス3/120装着で2万5000円、カーボンはUSTマミヤATTASアイアンまたは藤倉MCI装着で3万円となっている。 問い合わせは三浦技研へ、0790-26-0773。
    (公開)2016年02月18日
    三浦技研は1月21日、ポケットキャビティアイアン「パッシングポイント(PP) NEO」シリーズから『PP-9005 Genesis(ジェネシス)』を発売する。これは今年6月に発売された『PP-9005プレミアム』の後継機種で、さらに飛距離を追求したポケットキャビティアイアンという位置づけだ。 その特徴は3点に集約される。一つ目はボール初速を高めるためにフェースに採用された455カーペンター特殊鋼だ。航空宇宙産業で使用され、ゴルフ用品では飛距離特化型クラブに使用されてきた。今回の採用で同社は「ミウラ史上最高のボール初速で、さらなる飛距離性能を実現した」と自信を漲らせている。 2つ目は飛距離、ワイドスイートエリア、打感など、購買ターゲット層と据えるミドルシニア層が望む性能を高いレベルで達成させることを追求した複合素材による3ピースポケットキャビティ構造だという。同社が世界に誇る精密鍛造技術によるボディと高反発のカーペンター特殊鋼フェースで、ポケットキャビティアイアンにありがちな手応えのない打感と異なり、ボールをしっかり押し出すフィーリングを感じることができるとか。 そして3点目がシェイプ。ヘッドの面と面が繋がる輪郭に丸みを持たせることや、滑りのよいワイドソール、適度なグースネック形状など、デザイン全体的にはやさしく感じられる工夫を満載した。 セット構成は5I~9I、PWの6本セット。価格は参考価格がアッタス/MCI装着モデルが21万円、ゼロス8/モーダス3装着モデルが17万4000円となっており、販売は全国約260店のミウラ・クラフトマンワールドにて展開される。 問い合わせは三浦技研へ、0790-26-0773。
    (公開)2015年12月26日
    三浦技研は7月10日、『パッシングポイント・ネオ キャディバッグ』を発売する。これまで、三浦のキャディバッグといえば本格的なプロスタッフバッグがメインだった。今回は、オレンジの口径ボアをデザインアクセントにしたカジュアルバッグだ。 ナイロン製のキャディバッグというのが、これまでの三浦らしさと一線を画し、カジュアルなデザインで新たなファンも獲得できそうだ。生地には「ダイヤモンドリップストップ」というテントなどの補強部分に使用される素材を採用。贅沢にもほぼ全面に使用することで、軽量で丈夫なキャディバッグに仕上がったとか。さらに撥水性に優れた生地ということで、雨の時期でも気兼ねなく使用できる。 このところの三浦技研の新商品は、これまでの同社と明らかに異なるプロダクトが多い。企業として新たなステップへの階段を登ろうとしている姿勢が強調されている。 カラーはブラック、ブラック&amp;ホワイト、ホワイトの3色展開。重量は3.1kgで、価格は4万円。 問い合わせは三浦技研へ、0790~26~0773。
    (公開)2015年06月26日
    三浦技研は7月10日、同社初となる鋳造のウエッジ『パッシングポイント・ネオPP-W01』を発売する。軟鉄鍛造を追求してきた企業が、初の鋳造製法に挑戦するのだ。 軟鉄鍛造製法ではできなかった機能・形状をSUS精密鋳造で実現。三浦独特の本格的な顔でありながら、最大幅30mmのワイドソールと、Wソール形状が特長。ソールがスイングを導いてくれるようなイメージを表現しながら、誰にでも簡単にバンカーショットやアプローチができるウエッジを実現したという。 また、バックフェースはアンダーカットキャビティ形状で、打点のバラツキによるミスの許容範囲を抑制。飛距離の誤差を最小限に抑えているとか。また、SUS特有の打感の硬さも、先の構造によって感じにくくなり、打感とショットの結果がマッチするという。 もちろん、機能特化型のウエッジだからといって、三浦独自のアドレスの存在感は犠牲にせず、さらに、フェースのCNC彫刻によるスコアラインや、PP-W01マーキング・レーザー彫刻で、SUS鋳造とは思えないスピン性能も実現していると自信を漲らせている。 ロフト設定は50度と56度の2タイプ。クラブ参考価格は2万7000円からとなっている。 問い合わせは三浦技研へ、0790~26~0773。
    (公開)2015年06月19日
    三浦技研は6月16日、同社初となるポケットキャビティアイアン『PP-9005プレミアム』とフローティング・ウエイト構造のUT『パッシングポイント・ネオUT』を発売する。どちらも、これまでの同社にはない発想のクラブ。新たな挑戦を感じさせる。 『PP-9005プレミアム』のボディは同社のウリである軟鉄精密鍛造のS25C。鍛造後にバックフェース、ポケットキャビティをNC加工で成形し、フェースにはバネ鋼であるSUP-10を採用。もちろんセパレートホーゼル構造だから、同社初の複合素材による3ピースポケットキャビティ構造と位置づけられる。特筆すべきは、SUP-10を採用したフェースで、「SUP-10を採用したこと、一般的なポケットキャビティにある手応えのない打感とは異なり、厚みのある打感を感じることができる」――。 また、仕上げにはゴルフヘッドで始めて採用されるという低摩擦抵抗の表面処理「アキュライズコート」を採用。ダブルニッケルクロームメッキと異なり、芝との接触抵抗が少なく、ワイドソールでありながらヘッドが抵抗なく滑っていくフィーリングを提供しているという。 ただ、複合素材&amp;ポケットキャビティの飛び系アイアンといっても、これまでミウラが培ってきたヘッド形状と打感は一切犠牲にせず、力強く且つやさしくボールを包み込むようなヘッド形状は踏襲されているという。 同社初の複合素材&amp;ポケキャビは、ミドルシニア層に向けられたアイアン。新たなミウラの戦略も見え隠れする。クラブ参考価格は6本セット(#5~#9、PW)で21万3000円からとなっている。 一方の『パッシングポイント・ネオUT』は、ヘッド内部のソール側に空間ができており、その上に35gのウエイトが配置されている。同社ではフローティング・ウエイト構造と名付けているが、ウエイトがソールから離れていることで、最適な低・浅重心設計を実現。ロースピンによる劇的な距離と最適弾道を実現しているという。また、アドレス時から飛びをイメージさせるため、実際のヘッドサイズより小ぶりに見えるよう、引き締まって見えるマットブラック塗装のボディとシルバー磨き上げのフェースにデザイン。このコントラストで、ターゲットを明確にして、捉まりの良い強弾道を想起させるという。 番手のラインアップはUT-21とUT-24の2タイプ。クラブ参考価格は4万9000円となっている。 問い合わせは三浦技研へ、0790~26~0773。
    (公開)2015年05月22日
    三浦技研は4月10日、現会長である三浦勝弘氏の匠の技を継承する三浦由貴氏によるオリジナルモデル『Y-GRIND』アイアン(セット参考価格4I~9I・PW:18万2000円~)を400セット限定で発売する。 今回の『Y-GRIND』は、ボールを操る楽しさを追求したマッスルバックアイアンという位置づけ。タイプは2種類に分かれ、ボールを包み込むような柔らかな印象を持ったヘッドシェイプで、ドローヒッターが安心して振り切れる「type D」。シャープな印象のヘッドシェイプで、ヒール側にボリュームを持たせて正確なフェードを打ちやすいヘッド形状の「type F」を用意。それぞれ、イニシャルフィニッシュとシャイニーヘアラインフィニッシュの2つの仕上げで、各100セットずつの販売予定となっている。   1977年の創業以来、独自の軟鉄鍛造製法と研磨の技で生み出されたアイアンは、多くのメジャーチャンプを輩出してきた。その神の手といわれる三浦勝弘氏を継ぐ三浦由貴氏。新たな時代を予感させる『Y-GRIND』になりそうだ。   商品の問い合わせは三浦技研へ、0790~26~0773。
    (公開)2015年03月24日