先週のフジサンケイクラシック優勝で今季3勝目をあげた松山は、おたふく風邪のように右頬を腫らして登場した。試合中にぶよに刺されたということらしい。
それはともかく、松山の企業契約はゴルフ用品のダンロップスポーツ、スポーツサングラスのオークリーにつづき3社目となる。「金本さんからの紹介もあり、7月第1週のセガサミーから試しはじめ、それからずっと付けています。おかげで海外5連戦もいい戦いができましたし、これを外すと球がどこへ飛ぶかわからない(笑)」。珍しく、リップサービスを交えて効果を語った。また、ファイテンの平田好宏代表は、「マスターズで外国人選手に交じって戦っていた時、まったく遜色ない姿に可能性を感じました。世界で活躍する松山選手を、微力ながらサポートしていきたい」――。
実は、ファイテンは今年からゴルフ市場に本腰を入れる。同社の主力成分はチタンをナノレベルで水溶化させる「アクアチタン」というもので、慢性緊張の除去に効果を発揮するとか。すでに70社を超える企業にこの技術を提供しているが、今後はゴルフシューズのインソールやグローブ、ソックス、サポーターなど、1業種1社に限定して「技術提供」したい意向をもつ。今回の松山との契約で、業界参入のノロシをあげた格好だ。
平田代表は先月、GEWの取材に対して、「当社はダルビッシュ投手とも契約を交わしていますが、それだけではなく、MLBの公式用品として認定されてもいます。MLB効果を強く実感するのは、たとえば当社の水は一見、ふつうの水ですが、有名選手の愛飲で『特別な水』になるわけです。その波及効果でアメリカの寝具メーカーやアパレル数社からオファーをもらいました。ゴルフ界も、まずは地道に足場を固め、機が熟したらトップ選手を取りにいく。それが当社のマーケティングです」と語っていたが、早くも国内ナンバーワン選手を獲得した。
その余勢を駆って、ゴルフ市場にどのようなアプローチをしていくのか注目される。
ちなみに松山、記者発表後の囲み取材で、報道陣から「五輪代表になるとしたら、その気持ちは?」と問われ、「わからないっス。(五輪に)出たことないので」と一刀両断。心臓の強さを伺わせた。