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    ハッシュタグ「工房」記事一覧

    千葉県木更津市。住宅街の一角で営業するのがゴルフ・リミックス。一人で切り盛りする藤田典紀代表は、玩具のトイザらス出身ということもあり、商品の充実に余念がない。ヘッドやシャフトでも膨大な品揃えが特徴の工房だ。今回の「マイカスタム」は、スコア100前後、30歳の女性ゴルファーが主人公。悩みは縦の距離が揃わず、スコアに繋がらない。その女性ゴルファーにマッスルバックアイアンを薦めた。 <h2>多くのゴルファーが軽いクラブ だから飛ばないし安定しない</h2> 最近の傾向を藤田氏に聞くと、 「軽いクラブを使う、軽いクラブが良いという傾向が強いですね。それは間違っていると思いますよ」 藤田氏の語気が強まる。 「だって、ボールの重量は変わってないじゃないですか。女性でも男性でも、シニアもプロも、同じ重量のボールを使っっている。それなのに、そのボールにぶつけるクラブが軽いと、単純に負けますよね。それが分かっていないゴルファーも多いと思います」 さらに、 「もうひとつ、重いクラブを振ると体幹でスイングできるようになるんです。軽いクラブでは小さい筋肉しか動きませんし、それでは飛距離も出ない。女性だとバンカーから脱出できないですよね」 それを解決するために、重いセッティングを推奨するのだが、今回のケースは女性ゴルファーだ。彼女の悩みは、不安定な縦の距離が原因でスコアにならないことだとか。そこで、なんと、アーティザンのマッスルバックアイアン『LS★720MB』とクレイジーの『ARROWアイアン』を薦めた。 これにより、何が起きたのか? <h2>軽いがシッカリした軽量シャフトとプロも絶賛のマッスルバック</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/11/remix2.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-79593" /> 今回のケースは、30歳、HS30m/s、プレー頻度は週2回だが、スコア100前後の女性ゴルファー。これまでは、高級国内メーカーのアイアンを使用していて、悩みは縦の距離の不安定さによるスコアメイクだ。 「アイアンの前に『アーティザン』のウエッジを購入された。その流れで、悩みのアイアンも『アーティザン』のマッスルバックにしました。これまで使用していたアイアンはレディス。スイングは体幹を使った良いスイングなのに、飛ばないし安定しない。そこで思い切って重たいヘッドにしたんですよ」 アーティザン『720MB』に、クレイジーの『ARROW』シャフトを挿した6番アイアンは347.5gで、以前のアイアンに比べて30g以上も重い。ロフトも6度は寝ている。装着したのはHSに合わせた40g台の『ARROW』だが、フレックスはSRだ。 「女性ならではで、ロフトが寝て球が上がり、ヘッド、クラブの重量でビッグボールが打てるようになりました。『ARROW』はシニア、女性向けの軽量シャフト。ただ、軽量ですがシッカリしたシャフトなんです。今回の女性はスイングがシッカリしているので、フレックスも硬めのSRにしたんです」 <strong>ヘッドスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/11/headspec1-1.jpg" alt="" width="788" height="207" class="alignnone size-full wp-image-79602" /> <h2>女性だからこそ重いクラブをランで稼ぐゴルフからキャリーに</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/11/Arrow_-White_front1.jpg" alt="" width="788" height="104" class="alignnone size-full wp-image-79594" /> この組み合わせによって、ビッグボールが打てるようになり、クラブ重量でインパクトエネルギーが強くなった。それでアイアンでのキャリーが伸び、これまでつかまっていたバンカーも避けられるようになったという。 「女性は軽いクラブを使うため、球が上がらない。キャリーではなく、ランで距離を稼ごうとするからバンカーに入る。バンカーから出ずにゴルフが嫌になる。そんな女性ゴルファーは多いんです」 それに加えて、 「重いクラブを振ると、身体とクラブでコミュニケーションが取れるようになるんです。軽いクラブでゴルフをしてはダメですよ。ゴルフを続ける上で重要なことだと思います」 結果、30歳の女性ゴルファーは、アイアンの縦の距離が安定して、スコアも縮まっているというが、とはいえ、女性にマッスルバックと軽・硬のシャフトの組み合わせ。常識を覆すマイカスタム。しっかりした体幹を見極めての着想だ。 <strong>シャフトスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/11/shaftspec1.jpg" alt="" width="788" height="156" class="alignnone size-full wp-image-79603" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> アーティザン輸入代理店 インフィニットゴルフ 秋山 弘充氏 「ソール幅、そしてスイートスポットが狭いため、アスリート向けに見られがちな『720MB』ですが、アスリートからアマチュアまで幅広く愛用してもらってます。今回、女性ゴルファーに選んでもらったのも、そういう先入観がなかったからかもしれませんね。幅広いゴルファーに使ってもらいたいですね」 <h2>ゴルフ・リミックスとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/IkfutKgJrTA?si=XW91w-8eMGKSFyFb" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe> 〒292-0038 千葉県木更津市ほたる野4丁目19-1 TEL 0438-97-8577/ FAX 0438-38-3308 https://www.golf-remix.com/
    (公開)2023年12月03日
    ゴルファーズ・ガレージ・サムライといえば以前はユーチューブでチョンマゲのカツラで試打インプレッションを行っていた工房。中古店から始まり、いまでは埼玉県屈指の工房としてゴルファーの信頼を獲得している。そのクラフトマンが取締役の枝松和健氏。今回の目からの鱗のマッチング「マイカスタム」は、スライサーが球をつかまえすぎて、よりフックになることを抑制したセッティング。その意外な組み合わせが興味深い。 <h2>力自慢が硬いシャフトで身体が開く 小さいヘッドに短いシャフト</h2> サムライの常連には、建築関係の力自慢ゴルファーが多く、軟らかいシャフトだとスライスするが、硬いシャフトでも振り遅れてスライス・・・。どっちにしても、スライスに悩むゴルファーが多いという。原因は少々複雑だ。 クラブが長いと、しなってくれると思い込んで身体が開く。シャフトの先端がインパクトに間に合わず、かつ、しなりを利用できず打ちにいってしまう。 これを解決するために、インパクトまでのタイミングが短い短尺で、返りやすい小ぶりのヘッドを組み合わせる。それによってスライスを抑制する。この考え方は一般的なのだという。 枝松さん自身、逆の症状に悩まされた経験があるという。それはインサイドアウトのスイングで球を右に打ち出し、つかまえるとドローではなくフックが出る。その時に考えた解決策が、今回紹介する「マイカスタム」のセッティング。『ロッディオ』のポケットキャビティのヘッドに、コンポジットテクノの競技者向けのシャフトを合わせる。これにより何が起きたのか? <h2>スライサーなのにつかまって左へ ヘッドを遅らせる組み合わせ</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/10/1.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-79231" /> 今回の被験者ゴルファーは、42歳でHS45m/s前後。ゴルフ歴10年で、週1回ラウンドする。少しアウトサイドインのスイングで、入射角が若干強く、ドライバーでは右に飛び出してスライスするが、フェアウェイの範囲にボールが収まるから問題なし。ただ、短いアイアンは引っかかってスコアにならない。 そこでチョイスしたのが、ロッディオの『PCフォージドアイアン』だ。ポケットキャビティのヘッドだが、ヘッド重量が少し重めの270.5g(#7)。打感が良く、それでいて易しいヘッド。 このヘッドに合わせたシャフトがコンポジットテクノの競技者向け『ファイアーエクスプレスMS-I 100』。アスリートゴルファーが理想とするアイアンシャフトという触れ込みで、重量も7番で 102gとなっている。 この組み合わせによって、ヘッドでボールをつかまえる試みだが、ヘッドとシャフトが重い仕様。スイングのトップからダウンにかけて、ヘッドを身体の右側に落とし、さらに、総重量でクラブを身体の右側に落とす。その結果、ヘッドだけではなく、クラブが振り遅れて、スイングがインサイドからインパクトを向かえるようになるという。 <strong>ヘッドスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/10/headspec.jpg" alt="" width="788" height="196" class="alignnone size-full wp-image-79235" /> <h2>打ち出しが右に出てつかまる スライサーがストレートになる</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/10/FE_MS_I_100.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-79232" /> もともとロッディオの『PCフォージドアイアン』は、打感の良さを求めながら、スリットが深くてMOIも大きく、ソールも幅広なアベレージ向けヘッド。一方で『ファイアーエクスプレスMS-I 100』は、重量級のカーボンシャフトで、手元が重く感じる。この組み合わせは、アベレージ向けヘッドと競技者向けシャフトの組み合わせになり、通常なら軟らかく軽いシャフトを入れて、楽にゴルフをさせるヘッドだ。 その常識に反して、ヘッドとクラブをインサイドからインパクトに向かわせ、かつ、球をつかまえるためにヘッドとクラブを落とすことで、インパクトを遅らせ、スイング軌道とつかまり具合を調整したという。 これによって、左に打ち出して、つかまりすぎて左に行くゴルファーが、正常なロフトでインパクトを向かえることによりストレートの弾道になった。 それにしても、ヘッドやクラブを振り遅らせてスクエアなインパクトを向かえることは、「振り遅れ」を良しとしない常識のフィッティングでは考えにくい。これも特殊なケースと言えるのだろうが、ゴルファーにとっては、大きな弾道の変化になる。逆転の発想が「マイカスタム」だということだろう。 <strong>シャフトスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/10/shaftspec.jpg" alt="" width="788" height="151" class="alignnone size-full wp-image-79241" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> コンポジットテクノ 中山豊昭氏 「パワーがあるからと言って重量級のシャフトが使いこなせるわけではないので、やさしいヘッドに『MS-I 100 』を装着するケースもあると思います。ただ、量販店に並んでいるナショナルブランドではあまりないセッティングですから、これぞカスタムといったセッティングだと思いますね」 <h2>ゴルファーズ・ガレージ・サムライとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/Y8gnaUo9ST8?si=_TheTIiL1ZfvEbNw" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe> 〒351-0015 埼玉県朝霞市幸町2-5-23 TEL 048-423-7750/ FAX 048-423-7751 http://samurai-golf.net/ この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2023年9月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2023年10月29日
    埼玉県所沢市の埼玉スポーツセンター。ボウリング場、バッティングケージ、フットサルコートがあるスポーツ施設で、ゴルフ練習場も併設されている。その練習場の一画で営業するのがゴルフ工房「SPARK」。一人で切り盛りする佐藤敦郎氏は工房歴15年。昨年独立した。顧客の7割が常連客だが、今回悩みを解決したゴルファーは、飛び系アイアンを使用して、ゴルフ仲間から「反則」と言われたシニア。解決策は、マッスルのヘッドに女性でも使えるシャフトの組み合わせだった。 <h2>カスタムシャフトの人気と見栄でオーバースペック</h2> 最近のゴルファーはカスタムシャフトの人気と見栄で、オーバースペックのクラブを購入する傾向が強い。佐藤氏はそう呟く。 「シャフトの軽量化はここ数年進んでいますが、40歳代のゴルファーがドライバーで50g台のXシャフトを使うケースが目立ちます。自分がオーバースペックを使っていることを認識する人も増えましたが、見栄もあるのが日本人のゴルファーの特長ですかね」 同氏によると、数年前までアイアンシャフトはダイナミックゴールドとNS950がメインだった。それに加えて重くて硬いシャフトが「上級者用」との固定観念があり、そこに見栄も加わって、ハードスペックになりがちだとか。 「重量とフレックスを1段階ずつ下げることで、ドライバーの飛距離が230ヤードから245ヤードまで伸びたケースもあります。思い込みや見栄が飛距離減を招くことは多いんです」 そんな佐藤氏の顧客に72歳のシニアゴルファーがいる。数年前からナショナルブランドの飛び系アイアンを使っていたが、ゴルフ仲間から「反則だ」と。 「それでアイアンをガラッと変えたいと『ジニコ』の薄っぺらいマッスルバックを要望されたんです」 7番アイアンでロフトは34度。シャフトは女性でも使えるデザインチューニングの『メビウスEQ IX LITE』を組み合わせた。 <h2>ダウンブローなのに払い打ちのアイアン</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/09/ginnicco-web.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-78798" /> 「反則」呼ばわりされたこのゴルファーは、HS35m/s程度。ダウンブロー度合いが強い反面、飛び系アイアンは払い打ちで、その性能が活かせなかった。 「もともとのアイアンは7番でロフト角は26度でした。クラブ長も長く38.25インチ。長すぎて、ダウンブロー度合いが強いスイングなのに、払い打ちになっていた。それによって打点も安定していなかったのだと思います」 周囲からの揶揄もあり、ガラッと変えたい! そんな希望もあり、ヘッドはイオンスポーツが展開する「ジニコ」のマッスルバック『MBアイアン』に。ペラッペラのヘッドのロフトは7番で34度。シニアが使えそうな仕様ではないが、これに組み合わせたシャフトが女性でも使えるといわれる50g台の『メビウスEQ IX LITE』である。 「驚くことに、飛距離は変わらなかったんです。クラブ長も同じ7番ですが37.25インチ。2番手ほど短くなりましたが、同じ7番でも短くて振りやすかった。錯覚なんでしょうかね」 ロフト角8度の差、そして1インチ短くなっても飛距離は変わらない。驚きの結果は、理由がほかにもあるという。それは、クラブ重量だ。 <strong>ヘッドスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/09/headspec.jpg" alt="" width="788" height="220" class="alignnone size-full wp-image-78800" /> <h2>短く重いクラブでインパクト効率の上昇</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/09/EQ_IXlite-web.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-78802" /> 「その人が使っていた飛び系アイアンは、7番で総重量350g程度。それが『ジニコMB』と『メビウス』のシャフトで374g。20g以上重くなりましたが、それでインパクトエネルギーが強くなり、短いからミート率も上がった。ロフトが8度寝ても飛距離が変わらなかった最大の理由かもしれませんね」 周囲から「反則」呼ばわりされたシニアゴルファーの悩みは解決された。 「冒険的なセッティングでしたが、信用してもらえた。そこが嬉しい」 と笑う。佐藤氏が最後に付け加えた。 「今回のケースは、ロフト角&クラブ長よりも、クラブ重量が飛距離につながったケースです。誰にでも推奨できるセッティングではありませんが、私としては引き出しが増えて嬉しいですね」 目からの鱗のフィッティング「マイカスタム」は、特定のゴルファーに向けたセッティングだが、今回のマッスルバックと女性でも使えるシャフトの組み合わせは、思わぬところで工房店主の引き出しを増やす結果となった。 <strong>シャフトスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/09/shaftspec.jpg" alt="" width="788" height="214" class="alignnone size-full wp-image-78804" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> イオンスポーツ 東日本マネージャー 渡辺政光氏 「昔から佐藤さんのフィッティング技術は高いと思っていましたが、『MB』はシニア向けのアイアンじゃないので、我々としても驚きの組み合わせです。これからはシャフトで予期せぬ組み合わせが出てくる時代になると思いますし、今回のケースは勉強したいので、すぐに佐藤さんに電話します!(笑)」 <h2>SPARKとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/yfBmZ72_Ijc?si=6S3XPco2IeCq3YEF" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe> 〒359-0011 埼玉県所沢市南永井1116 埼玉スポーツセンターゴルフ練習場内1F TEL&amp;FAX:04-2968-5778 この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2023年8月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2023年10月01日
    東京都世田谷区のゴルフステージ成城といえば、25年ほど前に大手ナショナルブランド(NB)の特約店としてスタートし、同時に東京都初の『エポン』特約店として始まった老舗。15年前に地クラブの商いに移行した都内の有力店だ。同店では最近、吉田朋広店長独自の見立てで、ウエッジでのダフリトップが止まった例があるという。それが鍛造ヘッドとカタログにはカウンターバランスという表記のないのシャフトだ。 <h2>バランスにこだわるゴルファー それしか基準がなかった!</h2> ゴルフステージ成城の吉田店長が開口一番、業界の習慣について警戒心を露わにする。 「クラブのバランスにこだわりすぎるゴルファーが多く、それにとらわれ過ぎてゴルフが上手くいっていないゴルファーは多いです」 クラブバランス……。ゴルファーがスイングする際のクラブの振り心地を数値化したものだ。それにゴルファーがこだわりすぎて、ゴルフの足かせになっているという。 「大手メーカーのカタログを見ればわかりますが、ほとんどが男性用は Dバランス、女性用はCバランス。ウエッジはD5だとか、それがゴルファーの常識になってしまっています。もちろん、他に基準がなかった時代からの習慣でしょうが、昔と比べれば、アイアンひとつとっても高重心から低重心に変わっているし、ネックも短くなっています。だから、バランスだけにこだわるのは危険なんです」 総重量が同じクラブでもヘッド側にバランスポイントがあれば、体より遠くに重心があるからクラブを重く感じて、振り辛くなる。逆も然りで、バランスが軽いクラブは非力な女性用というのが定番。そのような警戒心と吉田店長の自由な発想が、ゴルファーの悩みを解決している。今回の目から鱗のマッチングは「鍛造ウエッジ」と「棒みたいなカーボンシャフト」だ。 <h2>ウエッジもバランス重めが常識!? 棒みたいなシャフトでダフリ軽減</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/08/063-IMG_0007-6.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-78441" /> 吉田店長が、特にウエッジに対して言及する。 「売れ筋の大手NBのウエッジは、ほとんどがDバランス以上です。Eバランスも珍しくない。そのデメリットはヘッドが落ちやすく、ボールより手前に入ることが多い。つまりダフリが起きるということもそうですが、バランスの重いクラブに慣れ過ぎて、そのようなスイングになってしまったということもあります」 知らないうちに、ウエッジでダフる症状のゴルファーは多い。同店の顧客で50歳代男性は、ラウンド頻度月2回、HSは46m/sと速く、スコアは80台。スインガータイプでアウトサイド・イン。ドライバーのクラブバランスは重めのD3。 そこで敢えて、標準的な鍛造のウエッジヘッドに棒のようなカーボンシャフトの組み合わせを推奨した。 ヘッドはプロトコンセプトの『フォージド・ウエッジ』。打感の良さが際立つメーカー。これに、日本でも密かに人気のあるLAゴルフの『Lシリーズ120ウエッジWV』というシャフト。このLAゴルフは、HSの速い米PGAツアープロに人気というだけあって、重量も120g台と重く余計な挙動が少ない。振動数だけみても345cpmと少し高めで、簡単にいえば棒のようなシャフトだ。 その組み合わせで何が起きるのか? <strong>ヘッドスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/08/d67dd5163f0f72fc9aa92994a5c78639.jpg" alt="" width="788" height="272" class="alignnone size-full wp-image-78448" /> <h2>カタログ表記にない手元重心 コックがほどけずダフリが止まる</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_6778.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-78442" /> 吉田店長がカタログには記載がないと前置きして、 「実は『120WV』はシャフトのバランスポイントが手元にあるんです。カウンターバランスに感じるんですよ。それによってクラブ全体のバランスが軽くなり、『フォージド・ウエッジ』との相乗効果で、打感を感じやすく、ヘッドの操作性が上がります。なにより、コックがほどけないから、早いタイミングでヘッドが落ちて手前に入ってダフることがなくなります」 これは、吉田店長ならではの見立てだ。そして、吉田店長が語気を強める。 「今回のセッティングは市場のウエッジと異なり、バランスが軽いです。今回のウエッジはバランスがC8で、その効果も大きいと思います。先ほどから話していますが、習慣化しているクラブバランスの考え方にとらわれないことで、新たなセッティングが見つかるんです」 業界でひとつの基準となっているクラブバランス。それにこだわることで、ゴルフが上手くいかないゴルファーは多い。それを逆手にとった組み合わせは、工房ならではの技。特にLAゴルフの『120WV』は、メーカー発信ではない性能を見つけ、ゴルファーの悩みを解決していく。目から鱗のマッチングは、メーカーの情報だけではなく、クラフトマンの視点の置き方によって生まれていた。 <strong>シャフトスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/08/4968382f5e9f6e17d4a09e55ebd50bb1.jpg" alt="" width="1172" height="407" class="alignnone size-full wp-image-78451" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> 輸入代理店 K.E.Iプランニング 竹渕 幸夫氏 「『120WV』は振動を減衰する素材を採用していて、余計なフィーリングがないシャフトです。それゆえ、プロの印象は打感が良いというのがほとんどですが、カウンターバランスというのは聞いたことがありませんね。新たな発見で、そういう効果もあるかもしれませんね(笑)」 <h2>ゴルフステージ成城とは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/EtkTmProrRA?si=yUssYAv6JXZPYhgG" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe> 〒157-0074 東京都世田谷区大蔵2-5-1オークヒル一階 ☎03-3749-0171 https://www.golfstageseijyo.com/ この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2023年7月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2023年09月02日
    本号からはじまる新連載「マイカスタム」の初回は愛知県春日井市で営業するリフレックスゴルフである。国内屈指の売上を誇る単独工房として業界でも有名な存在だ。同店では最近、以前の常識とは異なるセッティングでゴルファーの悩みを解決した例が増えたという。重ヘッドに手元がゆるゆるのシャフト。その意図と効果を丸山恭生代表が解説する。 <h2>シャフトのしなりが使えない 左抑制のシャフトで左に行く</h2> リフレックスゴルフの丸山恭生代表が、最近の傾向から警鐘を鳴らす。 「特に外資大手の人気クラブを使用するゴルファーには、オーバースペックのクラブを使用するゴルファーが多い。良い傾向ではないですね」 オーバースペック……。つまり、自分の力以上の仕様を使うことだが、これにより、クラブ本来の性能とは逆の症状が出てしまうという。 「例えば、ゴルファーは上級者になると左へのショットを警戒して、球がつかまりにくいヘッドとシャフトを使いたがります。この組み合わせはシャフトをしならせることが前提ですが、オーバースペックでシャフトをしならせることができないから、球がつかまらない。それで身体で球をつかまえるアウトサイド・インのスイングになってしまい、弾道はストレートだけど打ち出しが左になってしまう。左に行かないヘッド、シャフトなのに、結果的に左へ行くんです」 そのようなゴルファーのほとんどが、Sシャフトを使っているため、同店ではスペックダウンを推奨しているという。さらに、手元がしなりやすいシャフトでトップスイングからダウンスイングにかけて、タメをつくれるセッティングをテストするという。 今回の目から鱗のマッチングは「重ヘッド」と「手元ゆるゆるシャフト」の組み合わせだ。 <h2>重ヘッドは上級者だけではない 元ゆるシャフトでアベレージにも</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/07/5c9e905e2beb90927790e66d792efb29.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-77987" /> 丸山代表が説明する。 「一昔前は、重量が200gを超えるヘッドには、重くて硬いシャフトをセッティングして、パワーヒッター向けに組み立てました。ところが最近のヘッド重量は196~198gが平均的で、そうなると200gを超える『重ヘッド』は難しいヘッドとなってしまう」 これはヘッド単体の話だが、これにシャフトのトレンドを加味すると、もっとややこしくなってくる。 「最近の地クラブは460㎤の大型ヘッドで、慣性モーメントも高くなっています。それに合わせて、インパクトでの当たり負けを防ぐために、シャフト先端の剛性を高めたシャフトを装着するクラブが多い。それもあり、シャフトを上手くしならせることができないのです」 そんな悩みを持ったゴルファーが多いという。同店の顧客で55歳の男性ゴルファーは、ラウンド頻度月2回、HSは40~42m/sだが、タメができないスイングでアウトサイド・イン軌道。クラブはオーバースペックだという。 そこで敢えて、難しい「重ヘッド」と「手元ゆるゆるシャフト」で短尺の組み合わせを推奨した。ヘッドはエポンの『EF‐02D』で202g。これに、先ごろ発売されたスリリングの『シュハリ』を組み合わせた。このシャフトは手元がゆるゆるで剛性の低い部分が長く、完成後のクラブ長に影響されず、ゆるゆる効果でタメを作り、インパクトでHSが減速しにくい効果を狙ったシャフトだ。一昔前まで上級者向けだった「重ヘッド」が「ゆるゆるシャフト」でどうなるのか? <strong>ヘッドスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/07/7f0c23a65ae1e96328bc6f023c00557e.jpg" alt="" width="788" height="281" class="alignnone size-full wp-image-77996" /> <h2>短尺でミート率も上がりタメができてつかまる</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/07/c7999664be42f5d5fc058a5bdeffe6eb.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-77989" /> まず、「重ヘッド」の利点はインパクトでの衝突エネルギーが大きいこと。 「45.5㌅の短尺で組むとミート率が上がり、インパクトでの圧が高まって飛距離アップにつながります。また、ヘッドが重いのでインパクトの軌道がアッパーになり、シャフトをしならせやすくなるのです」 そこに手元ゆるゆるの『シュハリ』を組み合わせると、ヘッドの重みとの相乗効果もあって、シャフトの性能を活かしやすいという。 「これによってタメができるため、シャフトがしなりタイミングもとれる。アウトサイド・インの軌道が抑制され、ドローボールが打ちやすいのです」 顧客のゴルファーは、この組み合わせでドローボールが打てるようになり、悩みは解決に向かったという。「重ヘッド」はバランス調整のため、重くて硬いシャフトを装着しがちだが、「ゆるゆるシャフト」との組み合わせで、スコア90~100程度のアベレージゴルファーの悩みを解決した例だ。 一昔前にはあまり見られなかったマッチングだが、目から鱗の「マイカスタム」であることは間違いない。 <strong>シャフトスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/07/e3384e408c2c0f83393cf3076ceeeb12.jpg" alt="" width="1180" height="400" class="alignnone size-full wp-image-77999" /> <h2>メーカー担当者コメント </h2> スリリング 代表取締役 植木達朗 「『シュハリ』はコックが早くほどけてタメができないゴルファーにベネフィットを提供するシャフトです。今回の『重ヘッド』との相性が良く、ゴルファーの悩み解決になるという工房の新たな発想は、参考になりますし、嬉しい限りですね」--。 <h2>リフレックスゴルフ&amp;スポーツとは?</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/S7AYC5A1kBw" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe> 〒486-0914 愛知県春日井市若草通り4丁目104番地 ☎0568-29-9090/ FAX:0568-29-9299 https://www.reflex-g.jp/ この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2023年6月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2023年07月29日
    ワークスが発売する『パーフェクトプロ』グリップの関西主力ゴルフ専門店・工房での評価が高まっているという。昨今のグリップ市場は、多数のメーカーから多種多様なモデルが販売されている。どのモデルも機能性やデザインに工夫を凝らしたもので、ゴルファーはどのモデルが一番自分に合うのか、ちょっと悩んでしまう状況だ。そんな中、グリップを知り尽くす関西有数のゴルフショップが『パーフェクトプロ』をゴルファーに強く薦めているという。 その理由は何か。そこで今回、「ゴルフプロショップウィザード」(京都市西京区)を展開するウィザード54の谷口和馬社長、フジゴルフ(京都市下京区)の工房チーフクラフトマンの塩﨑敏伸氏、そしてワラニモ(滋賀県大津市)の戸田秀一代表にそのワケを尋ねてみた。 <h2>「グリップで一番大切な均一性が秀逸だ」</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/08/20190809Mtaniguchi.jpg" alt="" width="787" height="525" class="alignnone size-full wp-image-58747" /> GEW 「ウィザード」さんはスコッティ・キャメロンのツアーパターなどレアアイテムを豊富に取りそろえるセレクト感満載のショップですね。そして、カスタムクラブにも注力する工房も完備します。クラブにこだわりを持つ遠方からのゴルファーも多いと聞きますが、そんなこだわりの強いショップが『パーフェクトプロ』を薦める理由は? 谷口氏 当店がグリップで一番大切だと思うのは、モノとしての均一性。どのグリップでも重さや太さが同じであることがとても重要です。特に、当店はカスタムクラブの製作が多いので、作る側としてはバランスが出て数値がしっかりとしていないと顧客が満足するようなクラブはできません。 GEW 『パーフェクトプロ』は国産で品質を厳しくチェックしています。その辺りのモノ作りの姿勢を評価されているわけですね。その他にユーザーへ推奨するポイントはありますか。 谷口氏 あとは、デザインとリーズナブルな値段。そして、ラバーなのに色がきれいに出ているところも高く評価できるしょうね。 GEW 樹脂系は色がハッキリと出やすいのが特徴ですが、ラバー系で色を出すのは難しい。でも、『パーフェクトプロ』はラバーにも関わらずきれいな色が出ますよね。男性よりも色にこだわる女性からの人気が出始めているのも頷ける話です。 谷口氏 もう一つ『パーフェクトプロ』の良さを挙げるとすれば、フィーリングが長持ちすること。長期間にわたってラバー感が維持されるので、それも顧客に安心して推奨できる大きなポイントになるでしょうね。 GEW すぐにツルツルになってしまったら、それを薦めたショップもお客さんに合わせる顔がない。そんな商品としての信頼性も『パーフェクトプロ』は持っているということですね。どうもありがとうございました。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/08/20190809Mwizardgaikan.jpg" alt="" width="787" height="525" class="alignnone size-full wp-image-58748" /> <h2>「シャフトの太さに合わせられる柔軟性を気に入っている」</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/08/20190809Mshiozaki.jpg" alt="" width="787" height="525" class="alignnone size-full wp-image-58749" /> GEW 「フジゴルフ」さんはゴルフ場運営なども展開する信和グループのショップ部門で、創業55年の老舗です。工房も18年前から開設され、ゴルフクラブが大好きな京都のゴルファーのオアシスのようなショップと聞きます。 塩﨑氏 ありがとうございます。 GEW それにしても、すごい試打クラブの量ですね。 塩﨑氏 地クラブのドライバーだけで40本はあります。新規ブランドが出てくると、すぐに作っちゃうんですよね(苦笑)。 GEW クラブが大好きな人が見たら垂涎ものですね。ところで塩﨑さんはクラブフィッターとしてグリップの重要な点って、どこだと考えていますか。 塩﨑氏 握り心地と太さ、そして見た目ですが、特に太さは重要です。 GEW と、いいますと。 塩﨑氏 まず、お客さんのグリップを交換する時は、太さを聞きます。「この太さでいいなら、これに近づけます」という感じになります。ただ、お客さんの中には少し細くしたい太くしたいという要望があるので、それに応じてグリップを引っ張って細くしたり、詰めて太くしたりするんです。ただ、この調整を樹脂系のグリップはでき難いのですが、ラバーはしやすい。特に『パーフェクトプロ』のラバータイプはすごく調整がしやいので重宝しています。 GEW 具体的に太さを調整するケースってどんな時ですか。 塩﨑氏 最近のカーボンシャフトは太いものが多いのでちょっと細く仕上げるケースが多いですね。また、スチールシャフトにはステップがあるので細くなった部分を太くしたりします。 GEW なるほど。太さ調整がしやすいのはクラフトマンにとって使い勝手が良さそうですが、他に何か『パーフェクトプロ』で特筆されることはありますか。 塩﨑氏 クラブメーカーの純正ラバーにフィーリングが近いので、純正と同じフィーリングを求めるお客さんには『パーフェクトプロ』を薦めています。あと、メーカーの純正ラバーのカラーグリップよりも『パーフェクトプロ』はラバーのフィーリングが長持ちするのも推奨ポイントになりますね。 GEW そこはポイントですね。ありがとうございました。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/08/20190809Mfujigaikan.jpg" alt="" width="787" height="525" class="alignnone size-full wp-image-58750" /> <h2>シャフトと振動数のマッチングも図れる</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/08/20190809Mtoda.jpg" alt="" width="787" height="525" class="alignnone size-full wp-image-58751" /> GEW ゴルフクラブ好きが高じてクラフトマンになり、ゴルフ専門店勤務を経て昨年独立、工房を開いたと聞きましたが、お客さんにカスタムクラブを作る上で大切にしていることは何ですか。 戸田氏 店名の「ワラニモ」とは、藁にもすがりたいという言葉に因んでいます。お客さんはとにかく上手くなりたい、そんな気持ちで工房に来られるわけですから何を求めているのか、ここをしっかりと聞いてそれに応えるようにクラブを作っています。 GEW そのリクエストに応えるにはグリップも大切ですか。 戸田氏 当然です。グリップは重さなど均一性が重要ですが、グリップ感も大切ですね。特に、滑り難いというのが肝心。 GEW そういった観点から『パーフェクトプロ』をどう評価していますか。 戸田氏 以前は少し硬化が早いと感じていましたが、今はラバーのフィーリングがすごく長持ちするようになりましたし、カラバリとラバー・ハーフコード・コードなど種類も多いのでお客さんの多様なニーズに合わせやすいので積極的に薦めています。 GEW かなり気に入っているようですが、おススメはどのタイプですか。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/08/20190809Mwaranimoblack.jpg" alt="" width="515" height="525" class="alignnone size-full wp-image-58752" /> 戸田氏 自分用のアイアンセットやウエッジにも挿している『Xホールド ブラックシリーズ』ですね。ロゴを黒く塗りつぶした『ブラック×ブラック』はその質感も含めてカッコよさもあるので薦めやすいですよ。あと、『パーフェクトプロ』で気に入っているのがシャフトとのコーディネイトがしやすいこと。カラバリが多いのでシャフトの色とも組み合わせやすいですし、シャフトの振動数とも合わせやすいのが特徴です。 GEW どんな風にですか。 戸田氏 例えば、ハードヒッター向けにしっかりしたシャフトを組む際、コードを装着することでクラブの振動数が変わり、さらにしっかり感が出るんです。特に、ダウンスイングで切り返しが速い人には合いますし、逆に切り返しがゆっくりな人には柔らかいシャフトにラバーを挿すことで、さらにそのフィーリングが出やすくなる。より細かくカスタマイズしたい時に『パーフェクトプロ』のバリエーションは使い勝手がいいのです。 GEW なるほど。そんな使い方もできるんですね。貴重な話をありがとうざいました。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/08/20190809Mwaranimogaikan.jpg" alt="" width="787" height="525" class="alignnone size-full wp-image-58753" /> 『パーフェクトプロ』の中でも人気の『Xホールド ブラックシリーズ』 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/08/perfectpro.png" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-58746" /> 従来品よりもホールド感をアップした『パーフェクトプロ』の中でも人気シリーズの一つ。『パーフェクトプロ』の代名詞でもある「Xパターン」の形状やサイズ、糸の配列や太さを改良し、握った時のしっかり感が従来品よりも高いため、汗や雨によるスリップを抑える効果がさらに高まった優れものだ。特に、昨今市場で人気が出始めているのが「ブラックシリーズ」になる。
    (公開)2019年08月16日
    2016年のジャパンゴルフフェアで多くの業界関係者の耳目を集めたのが倉本産業の『グリップテープ水』。これまでの有機溶剤を使用することなく、水でグリップ交換ができる画期的なグリップ交換用の両面テープが『グリップテープ水』の最大の特長だといえるだろう。 同社は1950年に広島で創業。自動車メーカー・東洋工業(現マツダ)へ、ボディに車名ロゴを貼り付ける粘着フィルムを開発・納品したのが始まりだ。 以後、粘着加工製品を中心に、高度成長期にはNHKの受信ラベルや『マツダファミリア』で一世を風靡したボディストライプのマーキングフィルムなどで大きく成長を遂げている。 粘着加工製品の老舗で工業製品からスポーツ用品用途まで幅広く、産業分野に合わせて製品を提案している企業だ。 そして2016年の5月に発売したのが『グリップテープ水』。現在、工房や量販店、インドアゴルフスクールなどで密かに導入企業が増加中。その特長は、競合他社品と遜色のない品質と環境配慮型製品ということにつきるだろう。 特にインドアゴルフスクールなどでは、レストランを併設する施設も多く、有機溶剤の臭いは気になるもの。 さらに、作業者の健康にも被害を及ぼす可能性もあるが、『グリップテープ水』は水でグリップを交換可能な両面テープだから、エコ、無臭で手荒れもないという優れもの。 ゴルフ用品産業に一石を投じた商品だ。 製造ロットなど条件によっては独自の幅、長さのグリップテープも対応しており、工房や量販店だけではなく、アッセンブル工場等の部材としても対応可能だ。 ゴルフ用品産業でも環境改善が求められているエコな時代。東京五輪に向けて、日本のゴルフ産業も注目されつつある。 その中で、これまでの有機溶剤を使用したグリップテープではなく、エコ型のグリップ交換用両面テープ『グリップテープ水』は時代のミーズに合っている。その意味でも『グリップテープ水』はこれからのスタンダードになる。今年も密かに注目の商材となりそうだ。
    (公開)2019年05月19日
    12月21日、東京都渋谷区広尾にゴルフ5プレステージ広尾店がオープンする。高級路線でフィッティングによる高付加価値サービスを提供するプレステージブランドとしては、2016年10月オープンの日本橋店、今年6月オープンの新宿店に続く3店舗目。スポーツ量販大手のアルペンが運営するもので、コンセプトは「ゴルフ用品を売るだけでなく、新しいゴルフライフをお客様に提案する」というものだ。 <h2>ソール研磨も可能な本格的な工房を完備</h2> <img class="alignnone size-full wp-image-52160" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/12/prestagehiroo2.jpg" alt="プレステージ広尾" width="788" height="525"> 売場面積93坪に試打クラブは約2000本を完備。試打室は3打席(VIP試打室2打席)で弾道計測が設置され、パター売場にはパッティング解析機も常備されている。しかし、この広尾店の最大の特長は、カスタムに対応できる工房を完備したことだという。 10人近いスタッフを引っ張る岡謙二郎店長が説明してくれた。 「実は今回、ゴルフ5の店舗も含めて初めて取り扱いを行うのが『EPON』です。それもあって本格的な工房を店内に作りました。ただ、作業場というイメージではなく、売場と隔たりのないオープンキッチンのようなイメージなので、半分ガラス張りです」 そのこだわり抜いた工房スペースは、細長いスペースで計器や工具もシンプルでコンパクトなものが多い。 <img class="alignnone size-full wp-image-52161" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/12/prestage3.jpg" alt="プレステージ広尾3" width="788" height="525"> 「まず、売場のイメージと合わせてキレイな工房を目指しています。なので極力、ソケットや工具類は見えないように引き出しの中に収納しています。それと、作業中のゴルフクラブはなるべく移動距離を少なくクラブを平行に移動するだけで作業が出来るようにしたい。工房内であっても動かすことで御客様のクラブにキズが付くこともあります。細心の注意を払う意味で、コンパクトで使いやすい、ムーバブルな計器などを揃えています」 その工房で、ソールの研磨もゴルファーからの要望によっては行うという。その価格表も見せてもらった。 <img class="alignnone size-full wp-image-52164" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/12/IMG_9201.jpg" alt="プレステージ広尾店" width="4032" height="3024"> そのため、リシャフト作業時にシャフトティップ側の塗装を剥がすサンドペーパー以外にも、ソール研磨用のサンドペーパーも用意。町中の工房にも負けない最新鋭のフィッティング機器とソールまで削って調整してもらえる工房機能が最大の特長だというのも頷ける。 <h2>次はギンザ!? プレステージ成立要件は人口よりも富の集中</h2> <img class="alignnone size-full wp-image-52167" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/12/prestage5.jpg" alt="プレステージ広尾" width="788" height="525"> ゴルフ5プレステージ広尾店は、オープン前日の12月20日に関係者向けにプレオープンしている。クラブメーカーをはじめとする各社の幹部が顔を揃えた。一方、アルペンは村瀬一夫副社長が対応。今後のプレステージ構想の一部を話してくれた。 「東京で3店舗のプレステージ店をオープンできましたが、今後は立地や不動産物件次第ですが、限られた富裕層がメインのターゲット層となりますので、人口が集中する都市というよりは、それ以上に富裕層が集中する場所になるかもしれませんね。そういう意味では、東京なら銀座ですかね」--。 その他の大都市圏について聞いてみると、 「横浜、大阪、神戸は候補になるかもしれませんが、それを含めてもプレステージは10店舗出店出来れば十分ではないでしょうか。それ以外の場所だと、費用対効果が見込めるとは考えにくいですからね」 とにもかくにも、高級路線で高付加価値サービスのプレステージ。ゴルファーへ特別なサービスを提供するための店舗としては、ある種の希少価値も必要なのかもしれない。 <img class="alignnone size-full wp-image-52176" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/12/prestage7.jpg" alt="プレステージ広尾" width="788" height="525"> <img class="alignnone size-full wp-image-52177" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/12/prestage8.jpg" alt="プレステージ広尾" width="788" height="525"> ■店舗情報 店 名・・・ゴルフ5プレステージ広尾店 住 所・・・〒150-0012 東京都渋谷区広尾5丁目7-35 広尾コンプレックス1階 ○電話番号・・・03-3446-5021 ○営業時間・・・平日・土曜日/10:30~20:30 日曜日・祝日/10:00~20:00 ○アクセス・・・東京メトロ日比谷線広尾駅1 番出口から徒歩3 分 外苑西通り沿い ○店 長・・・岡 謙二郎(オカ ケンジロウ) ○店舗 URL・・・https://golf5-prestige.jp/store/hiroo ○取り扱いブランド・・・EPON、PXG、イーデルゴルフ、ドゥーカス、ゼクシオ、タイトリスト、キャロウェイゴルフ、テーラーメイドゴルフ、ブリヂストンゴルフ、ミズノ、ヤマハ、スリクソン、ピン、PRGR、オノフ、フォーティーン、ヨネックス、リョーマゴルフ、本間ゴルフ、マジェスティゴルフ、クリーブランド、オデッセイ、スコッティーキャメロン、クロノスゴルフ、シーモアパター、フジクラ、グラファイトデザイン、三菱ケミカル、ピレッティーパターなど
    (公開)2018年12月20日
    月刊ゴルフ用品界2018年4月号「地クラブの神髄」掲載。 <hr /> 精度道――。 斯様な言葉は存在しない。敢えて、存在するとするならば、精度の道を究めし男・ゴルフギャレーヂ代表の中井悦夫のための言葉。 本物の“クラブチューンナップ・メンテナンス・リペア・オーダーメイド”を求め、辿り着いたのが測定器の開発。 基準が在ってこそ調整が可能となる。開業から四半世紀を経て、漸く時代が追いついた。その想いには「計る」ということに対する神髄があった。   <h2>神髄一 計るということの定義</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/05/golfgarage_1.jpg" alt="ゴルフギャレーヂ" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-43919" /> 不幸にして計ることの意義は、クラブ販売の不振によって見直された感がある。ゴルフ人口が減少し、趣味志向の広がりが、ゴルフから人々を遠ざけて、ゴルフ用品の販売がままならなくなった。メーカー各社は、それぞれの試行錯誤の中で、クラブ販売に工夫を凝らす。しかし、メディアやSNSの普及によって、消費者が工業製品としてのゴルフクラブの製造精度の低さを認識している。 ゴルフギャレーヂの中井悦夫は、 「クラブ販売の低迷が、チューンアップやカスタマイズなどの優良なサービスに業界全体の目を向けさせたが、そこに必要なのが、まず、クラブを測定するということと、その基準となる『計る』ということの定義」―。 その原風景は1995年に遡る。R&amp;AのA・J・コクラン技術顧問が来日。英国大使館でR&amp;A用具関係改定規則セミナーが開催された。1996年からの規則変更についての連絡や新規則の条文の説明、図面の解説やR&amp;Aの解釈、見解が配布された資料にもとづき順次進められた。 その中で、中井が注目したのは、「規則第4条第1項のパターのロフトは10度を超えてはならない。またライ角度は80度を越えてはならない」という項目。 中井は、その測定基準について、 「クラブの設計上、持ち合わせる角度即ち、ロフトやライ角度の規制を今回訴えるうえで、角度そのものをR&amp;Aではどのような測定器、計測器を使い判定しているのか?」 ということを問いかけた。しかし、R&amp;Aの見解は、 「オフィシャルなゲージはR&amp;Aには存在しない。有るのは大きなテーブルに載せた大きなプロトラクターで、テーブルの上で提出されたクラブにプロトラクターをあてがい、ルール上超えて違反しているならダメとし、よほど超えていなくてもスコアに影響し、その差が出そうであるものもダメとする」 というものである。ゴルフ規則を統括するR&amp;Aですら曖昧。中井の疑問は、基準となる測定器が存在しない状況で、「パターのロフトは10度を超えてはならない」という規則自体が画餅に期すということにほかならない。 中井が強調する。 「数値がなければ、クラブの管理すらできない。基点があるからフィッティング、チューニング、アジャストができる。経験といわれるが、経験は伝承できず、技を教えるにも数値化が背骨となる」―。 計ることの意義は、クラブが工業製品として、そして調整できる道具として、基準なくしては、調整すらできないということを表している。 基準器がなければ、作るしかない。それがゴルフギャレーヂの求めたクラフトマンシップの原点となる。   <h2>神髄二 シャフトは平行に非ず軸線を据える意義</h2> ゴルフギャレーヂの測定器開発は、初期バージョンの『オリジナルクラブアングル測定器』の開発まで、十余年を要している。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/05/golfgarage_2.jpg" alt="ゴルフギャレーヂ" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-43922" /> 「私は図面を書けない。しかし、どの様に計れば、正確なのか把握していた。だから、台湾メーカーの測定器を元に、機械屋に依頼して試行錯誤を繰り返した」 ゴルフギャレーヂの隅にいままで試行錯誤した測定器が、無造作に佇んでいる。 奇しくも、1988年1月、日本ゴルフ用品協会は「ゴルフクラブの基準」を制定。中井は、その「基準」に対して文字通りに計測できる機器の開発を目指した。肝は、ライ角。 「ヘッドの角度は、ライ角、ソール、フェースアングルの3次元で動くと考えなければならない。現代のクラブは、パーシモンと異なり、ソール形状が複雑だから、それをクラブ構造の理論に沿うよう、ライ角を固定することからクラブの測定は始まる」 しかし、それまでの測定器と呼ばれる機材はシャフトの側面に分度器をあてて、ライ角などを計測していた。 「特にスチールシャフトは、ステップのあるシャフトとノンステップでテーパーのついたシャフトがある。シャフト軸線と端面は平行ではない。そこには角度があって、軸線との誤差が生じる。その誤差はライ角やフェースアングル、ソールに大きく影響する」 既存の計測器では、ステップ付のシャフト、ノンステップのシャフトにそれぞれ、同じヘッドを装着しても、シャフト側面に分度器をあてる測定方法では、ヘッドの測定値は異なる。だから、シャフト軸線上を基準として、測定器にクラブを装着する。 理に適っている。そして生まれたのが、初代の『オリジナルクラブアングル測定器』である。その測定方法は特許が認められ、発売後20年弱で120数台を販売。アイアンだけが計測可能でウッドやパターは測定できない機器や、左利きのクラブは測定出来ない機材はあった。しかし、シャフト軸線を基準として測定可能な機器はなかった。 「思うような弾道にならない。それは一流プロが悩むクラブに対する不安の根源です。しかし、クラブが曖昧な測定基準を元に調整されている。それでは、幾ら調整しても意味がない。だから、理に適った測定器が必要なんです」 一般アマチュアゴルファーなら尚更だ。標記ロフトから掛け離れたヘッドのクラブを使い、その標記の間違いに気付かなければ、いつまで経ってもゴルファーは自己の技術力の低さを上達しない理由だと思い込んでしまう。ゴルフが上達せず、プレー継続の妨げとなる。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/05/golfgarage_5.jpg" alt="ゴルフギャレーヂ" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-43923" /> その意味でも、正確な、そして論理の破綻を来さない測定器の存在意義は業界全体において、有意義であるといわざるを得ない。それはヘッドの測定だけではなく、シャフトに関しても同様である。 今般、日本ゴルフ用品協会は「ゴルフクラブの『スペック測定』に関するガイドライン」を改定、開示しているが、そのガイドラインに基づいた測定を可能とする機材は、特許商材であるゴルフギャレーヂ製「オリジナルクラブアングル測定器」以外にない事実がある。 それに加え、ガイドラインとして測定方法が明文化されたにも関わらず、測定器のオフィシャル化を推奨しないことに対して、中井の疑問は残るばかりである。   <h2>神髄三 統一基準があれば規格に惑わされない</h2> インターネットが世界を繋ぎ、SNSが個人をメディア化する。その中で、多くのゴルファーがクラブを評価し、ゴルファーに情報を提供している。しかし、それは誰しもができることがゆえに、ゴルファーを惑わせることに成りかねない。そこに警笛を鳴らすのが中井である。 「クラブやシャフトの試打インプレッションをネットやSNSで掲載される人が多くなっています。しかし、製品個々の測定値を元にしておらず、リベラルな印象ではない場合が多い。それゆえに、一般ゴルファーが惑わされるケースがある。間違ったフィッティングに繋がることも散見される」 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/05/golfgarage_4.jpg" alt="ゴルフギャレーヂ" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-43920" /> それに加え、特にシャフトは大量生産の弊害によって、製品の直線性に大きな公差があると中井は指摘する。さらに、シャフトメーカー各社の計測方法は異なっており、ゆえに一元的にシャフトの挙動を比較検討することが実質不可能となっている。 「そこで開発したのが、センターフレックス値・剛性値がシャフト軸周り360度方向で測定可能な『マルチシャフトアナライザー』という計測器」―。 シャフトを360度、シャフト軸線を基準に回しながら、各所の剛性値、スパインなどの検出も可能。左右のシャフト固定部が直線上、自在にスライドして中央のシャフト圧縮部分が水平に動くのでシャフトの全長にわたり、先部分・中部分・元部分の圧縮剛性値がシャフト軸全周方向、規格幅の中で測定できる測定器だ。 「特にシャフトの測定基準がメーカー各社で異なるなか、『マルチシャフトアナライザー』によって、シャフトの曲がり特性や捻れ特性を数値化して一元管理ができる。複数のシャフトブランドのモデルでも、同じ基準で比較ができる。ひいてはメーカーのスペックや試打インプレションに惑わされることなく、シャフトの特性を理解し、フィッティングに生かすことができるのです」 シャフトに関して中井が警笛を鳴らすことが、もうひとつある。それがシャフトの曲がりである。先に中井が述べるように、クラブが規格通りに製造されていなければ、ゴルフの腕前は向上しない。その最たるものが、シャフトの曲がり。 「工業製品である以上、公差は必ずある。そしてシャフトは公差以上に大きく曲がっている事も多い」 そこで開発したのが、『シャフト軸直線性検査器』。シャフトのみならず48インチ460㎤のドライバーからパターまでの完成品クラブでのシャフト直線性が測定可能で、ダイヤルゲージを使用する事で直線性が目の当たりになる。 「曲がったシャフトでは本来の挙動が制限されて上達しない」 それはゴルファーへ、そしてクラブを組み立てる工房のクラフトマンへのメッセージである。その言葉には、クラブへの熱い想いが垣間見られる。 もちろん、「オリジナルクラブアングル測定器」「マルチシャフトアナライザー」以外にも、同社では稚拙な機材が多い中で「正にプロ用チューンアップ機材」を多く取り揃え、長年多くの工房やメーカーに機材を販売していることが、何よりも高精度な基準の必要性を証明している。   <h2>神髄四 造り手ではなく使い手を満たす</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/05/golfgarage_6.jpg" alt="ゴルフギャレーヂ" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-43921" /> 近年、地クラブ・工房ビジネスが注目を浴びている。中小メーカーから独立して、地クラブメーカーを興す者。それに呼応するように研修生やゴルフ好きが高じて工房を開く者が後を絶たない。活性化をいう論点では、喜ばしい事だが、ゆえに工房間で技術格差が叫ばれている。 「最近では、ヘッドとシャフト、そしてグリップを装着する作業自体が簡単にできると誤解され、誰にでもできると思われている。ただ、そこに基準もなければ資格もなく、それが問題であることは周知の事実。その問題をクラフトマンとして解決したい」 米国には、プロフェッショナル・クラブメーカーズ・ソサエティー(PCS)なる団体が存在した。現在は、その代わりとなるインターナショナル・クラブメーカーズ・ギルド(ICG/米国ゴルフクラブ技師協会)が存在する。 共に工房を意味するクラブメーカーのクラフトマンの技術向上や情報共有化などを目的に、統一基準の制定、クラブ組立方法やフィッティングに関するノウハウを一元化して、ゴルフ産業の底上げに尽力している。 そのような中立的且つ基準となる知識、測定方法、作業工程などを一元化して地クラブ・工房ビジネスの健全な成長に寄与したいと考えるのが中井である。 「クラフトという仕事の重要性を説いていきたい。どのような考えで、そのクラブを組み立てるのか? それが重要であることは間違いない」 中井の夢は、日本版PCSの構築である。そのために、基準となる、そして理に適う測定器を作る。もちろん、自ら工房マンとしての疑問が、それらの測定器を世に生み出した。 中井に師事した門下生は10人を超え、業界で独立し盛業中の組織化した実績もある。しかも、確固たる技術を有した店にゴルファーが集約される傾向も顕著だ。そこで重要なのは、 「組み立てるクラフトマンの満足度よりも、信頼してクラブをクラフトマンに預けてくれるゴルファーの満足度を優先しなければならない」 中井が生み出した様々な測定器は、4つの特許、2つの意匠が登録されている。原点は理に適う測定方法であり、そして測定可能な機器の存在が、ゴルファーの満足度を高めていくと信じて止まない。 「計る事の重要性」―。 大阪のいち工房店主が、長年想い、そして辿り着いた境地。それが理に適った計測。その神髄に漸くゴルフ業界が追いつきそうな気配である。 〈敬称略〉 <hr /> <strong>株式会社ゴルフギャレーヂ</strong> 大阪市北区長柄東2-1-21-103 TEL:06-6353-6383 FAX:06-6353-6414 <a href="http://www.golfgarage.jp/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">http://www.golfgarage.jp/</a>
    (公開)2018年05月17日
    三浦技研は7月27日、純度99・3%以上の純鉄(ピュアアイアン)を使用して徹底的に打感にこだわったという鍛造ウエッジヘッド『MG―S01』(2万2000円)を発売した。 純鉄とは炭素、その他の不純物の含有率が非常に少ない鉄のことで、一般的には不純物元素の限界についての明確な区分はないが、炭素含有量0・02%程度までを純鉄と称されている。今回の『MG―S01』はその純鉄を使用しているが、通常のS25C、S20Cなどより柔らかいことが素材の特徴。ちなみに、25や20などの数字は、それぞれ炭素含有率が0・22~0・28%、0・18~0・23%という数値を表現している。 その純鉄は、一般的に入手が困難で柔らかいゆえに加工性が低いといわれている。しかしながら、今回『MG―S01』の製造にあたり、同社用に製鉄されて素材で、その柔らかさゆえに難しい製造工程もひとつひとつ見直されたとか。 形状は曲線のフローバックデザインで、フェースには彫刻スコアラインを施した。さらに番手別に設計されたソールデザインに、吸い付くような純鉄の打感で高次元のスピン性能を発揮するという。 また、ロフト設定は50度、52度、56度、58度を用意。±2度の頂角が可能なことから、実質的には48度~60度の1度刻みで多ロフトのニーズにも対応できるラインアップになっている。 問い合わせは三浦技研へ、0790-26-0773。
    (公開)2016年08月03日
    ラズルダズルブランドを展開するJ・GREEDは3月10日、ウエッジ『CS―01W』(ヘッド単体価格=2万8000円)にロフト角50度を追加ラインアップする。これまでのラインアップは52度、56度、58度の3ロフトだったが、今回の追加で更に多様なセッティングが可能になるという。 同ブランドは、元地クラブメーカーのスタッフだった阿部歩氏が昨年8月に設立したもので、現在は国内を中心に約20店舗で展開。知る人ぞ知るブランドで、年内に50店舗の取扱店開拓を目指している。 要となるプロダクトが『CS―01W』で、商品名にもなっている「CS」とは独自設計の『CLAWING SOLE』で、それが特長。CLAWINGとは「かぎ爪状」という意味で、フェースを開けば開くほどライに状況に関わらず、ヌケの良いソール形状にデザインしている。 現在の地クラブビジネスにおいて、ウエッジは一定の取扱店舗数でビジネスが成立しやすいカテゴリーであるとともに、ジャパンメイドをPRしやすい商材でもある。さらに、全国展開していないウエッジブランドも多数存在することから、その中で今後ラズルダズルがどのように生き抜くのか? 今後の展開も気になるところだ。 尚、写真はロフト角56度のウエッジを掲載。 問い合わせ先はJ・GREEDへ、03―6280―3407。
    (公開)2016年02月29日
    ゴルフクラブ・パーツの輸入・販売、飲食経営コンサルタント業を手掛けるアウタートップはこのたび、米国スナップキャップ社が展開するカラーソケット『<a href="http://www.snapcap.jp/" target="blank">SNAPCAP(スナップキャップ)</a>』を発売した。アウタートップが国内総代理店を担うもの。 同製品の特徴はなんといっても、カラーバリエーションの豊富さだろう。カラーを紹介すれば、ニオンピンク、ピンク、レッド、オレンジ、イエロー、ニオンイエロー、グリーン、ティファニーブルー、フォレストグリーン、ブルー、パープル、ブラック、ホワイト、クロームの14色で展開。それだけではない。なんと、同ソケットは半分にパーツが分かれており、両側から挟む設計を採用。リシャフトやヘッドを外す必要もなく、簡単に付け替えが可能だという。カスタマイズすれば、異なる2色のパーツで組み合わせることも可能だ。アウタートップの小林克至社長は、同ソケットについて次のように説明する。 「米国西海岸で生まれた、いままでにない画期的且つ斬新なカラーソケット、それが『スナップキャップ』です。ヘッド、シャフト、グリップ、そしてソケットから構成されるゴルフクラブのパーツのなかで、唯一、100年以上なんの進化もしてこなかったソケットが、同ソケットで大変身します。昨今、カスタムという言葉とともに、シャフトもグリップも、自分仕様に変えたのだから、ソケットもグリップカラーにあわせてカラーマッチしてほしいと思います。そんなオシャレが米国PGAツアーでも大好評で、使用プロも急増中です。もちろん、USGA、R&amp;Aのルールにも適合しているので、安心してお使いいただけます。取り付けも、取り外しも簡単に行えます。ぜひお試しください」 同製品の取り付け方だが、①カッターなどを使って、古いソケットを切り落とす、②取り外し後はシャフトに付着している接着剤やサビ、汚れを綺麗に落とし、パーツクリーナーなどで磨く、③スナップキャップを取り出し、左右の内側に接着剤(※)をドット状に3点ほどつけ、センター位置を確認し、張り合わせる、④接着剤が内側の面に広がるよう乾く前に数回ねじる、⑤最後は、はみ出た接着剤をパーツクリーナーなどで拭きとる、という5工程。これなら、慣れてくれば個人でも取り付けできそうだ。 なお、同製品のサイズは、チップ側外径13・8mm、グリップ側外径12・0mm、スナップキャップ内径9・30mm(パラレル)、全長22・0mmとなっている。 「スチールシャフトは基本的に問題ありませんが、カーボンシャフトはソケットの取り外し時、また取り付け時にサイズ確認をご注意ください」(小林社長) 本体価格は、8セット入り(8本分)で2000円となっている。同ソケットを使えば、これまで、黒が主流だったソケットを、個性的にコーディネイトできるだろう。国内でも需要が高まれば、工房店主もソケット交換で、新たな売上げを確保できる期待の商材といえるだろう。さらに、シャフトの中心に合わせてツートンカラーで組み合わせれば、ターゲットに対して構えやすさが向上。レッスンでも活用できそうだから、スクールでの需要も高まりそうだ。 ※『ロックタイト』の強力瞬間接着剤ピンポインターゼリー状を推奨とのこと。 問い合わせはアウタートップへ、03‐6459‐2828。 <a href="http://www.snapcap.jp/" target="blank">スナップキャップWEBサイト</a>
    (公開)2016年01月05日
    ゴルフ雑誌『EVEN』を発行する枻出版は3月1日、最新の測定機器を導入し、精密な組み立てを可能にする工房を併設したカスタムフィッティングスタジオ『EVEN GOLF LABO』(EGL)をオープンした。場所は、田園都市線「二子玉川」駅より徒歩3分という好立地で、同スタジオの面積は約70坪を誇る。 施設内には、『トラックマン』『フライトスコープ』といった最新の弾道解析器を装備した試打席を2打席用意(左利きも試打可能)。同打席には先述した2機種のほか、スイング中の体重移動と加重ポイントの推移を計測する機器『スイングカタリスト』や、インパクト前後のヘッドとボールの動きを1秒間に最大400コマ撮影できる『ピーコック』を導入。弾道、スイング軌道、インパクト前後のヘッド・シャフト挙動といった多角的な視点から、ゴルフを熟知したフィッターが一人ひとりに合った最適なクラブを提案してくれるという。 また、EGLにはパッティンググリーンも併設。パターフィッティングでは、パター専用計測器『サム』や『ピーコック』を駆使し、よりストロークを安定させるために最適なパターを選定してくれるという。フィッティング料金は、ドライバー、アイアン、ウエッジまで、クラブトータルのフィッティングが9000円(90分間)、パターフィティングが6000円(60分間)となっているが、フィッティング後30日以内にEGLでクラブを購入した場合はフィッティング料金を全額返金してくれるサービスも同時に展開する。 現在、取り扱うブランドは、クラブがブリヂストン、ミズノ、キャロウェイ、ピン、ダンロップ、タイトリスト、フォーティーン、エポンの8社。シャフトがフジクラ、日本シャフト、グラファイトデザイン、USTマミヤ、三菱レイヨン、トゥルーテンパー、KBSの7社となっている。枻出版の角謙二社長は、EGL開設について次のようにコメント。 「自分自身も10年ほど前、本当に自分に合った良い道具に出会った経験があるのですが、そのときの喜び、嬉しさをいまでも忘れられない。その経験を踏まえ、EGLは『一人ひとりにあったゴルフクラブを使えばゴルフはもっと楽しくなる』をテーマに掲げ、当社発行の『EVEN』が蓄積してきたゴルフに関するあらゆる情報をベースにして、すべてのゴルファーに喜びと楽しさを提供するためにオープンいたしました。 もうひとつの側面としては、ゴルフ雑誌を発行するうえで、もっと道具のことを知らなくてはならないと考えたからです。メーカー側が提供してくれるデータだけではなく、自分たちでもひとつひとつの製品を研究・検証し、どのような特徴があるのか? それがどういったゴルファーにマッチするのか? 感覚だけではなくしっかりと数字で納得させられるようなクラブを提供したいと思っております。 無闇に売上を追求するのではなく、一人でも多くのゴルファーに楽しみを提供し、EGLをコミュニティの場として利用してほしいと思っております」 さらに、同施設の大きな特徴は、ビルダーと呼ばれるクラフトマンが製品個々の正確な測定とカスタム、組立を行ってくれること。ライ・ロフト角、クラブ長さ・重量、クラブバランス、シャフト振動数はもちろんのこと、ヘッド個々・クラブ全体の慣性モーメントや重心位置、シャフトの剛性分布、シャフトスパインなどを計測するかなり専門的な計測器を用意。しかも、それをエンドユーザーの目の前で計測、調整してくれるから、ツアーのサービスカーレベル、いやそれ以上の緻密な測定と微調整を行ってくれるといっても過言ではないだろう。角社長が続ける。 「売りっぱなしではなく、とことんアフターサービスにも付き合います。生涯にわたる調整が可能。いわば、いちゴルファーのゴルフライフを見守る主治医になりたいと思っております」 以上、駆け足で紹介したが、今後はプロのゴルフレッスンやフィジカルトレーニングなど、あらゆる面でゴルフをサポートするカリキュラムも考えているという。さらに、同店舗を足掛かりとして、今後、多店舗の展開も視野に入れているという。同施設の詳細は以下の通り。 □名称:『EVEN GOLF LABO』 □住所:東京都世田谷区玉川1‐17‐7 B1F □TEL&amp;FAX:03‐6805‐7611 □営業時間:10時~20時 □定休日:月・金曜日 ※フィッティングは完全予約制。
    (公開)2015年03月04日
    同氏はドラコンプロとしても有名で、過去、日本選手権で3位の成績を収めたこともある実力者。なんと、自己最高の公式記録は384ヤードだという。現在、プロコーチとしても活躍中で、ツアープロやジュニアゴルファーのレッスンも実施。飛ばしに関する著書も多数だ。同製品の開発にあたり、吉田氏は次のようにコメント。 「これまで飛ばしのスペシャリストとして、クラブには自分のこだわりを追求してきました。しかし、形状、打感、操作性など、いくつかの要素に満足することはあっても、私のこだわりをすべて満たしてくれるクラブに出会うことはありませんでした。自分自身が満足できるクラブが作りたい。そんな想いから『グランディスタ』は誕生しました」 同モデルは、膨大なゴルフクラブの分析データとプレーヤーとして実際の現場での経験を基に、クラブヘッドの重心位置を追求。構造や形状、素材、細部のマスキングに至るまで、そのすべてをイチから吟味し、徹底的に研究したという。そんな吉田氏が理想とするクラブとは? 「私が理想とするクラブは、ずばり『思いっきり振って曲がらないクラブ』です。一見単純に聞こえるかも知れませんが、これがとても重要なんです。というのもヘッドの形状、見え方、すわり、重心位置・距離など、クラブを構成するそれらすべての要素のどれか一つ、いや、ほんの些細なことでも不安な部分があれば、思いっきりスイングすることはできません。特に試合では、緊張する場面が数多く存在します。その緊張した場面で完璧に信用できるクラブは、メンタルに悪影響を及ぼさない。絶対的な武器になりうるということです。ですから、『グランディスタ』は私が考える理想のクラブ。『世界で一番飛ぶクラブを作りたい』という、私のこだわりがカタチになりました。ぜひ実感してください!」 同ヘッドのフェース素材は、かつて高反発ドライバーに採用された大同特殊鋼のβチタン合金「DAT55G」を採用(グランディスタはルール適合品)。ボディに「Ti‐6AI‐4Vチタン」、クラウン部にカーボン素材を採用した複合構造により、大きく飛んで曲がりにくく、しかも操作性も兼ね備えたモデルに仕上がったという。 また、ウエイト交換(2、4、6、8、10g)を容易にするロールバーを2ヶ所ソール部に配置。レーシングカーを思わせる雰囲気は、ゴルファーのアスリート魂をかきたて、さらなる飛ばしの領域へと導いてくれるだろう。と、ここまでの説明を聞くと「上級者や競技ゴルファーしか使えないんじゃ?」というムキも多いはず。 「いや、そうではありません。構えた感じは完全スクエアのプロ・上級者モデル。いわゆるプロゴルファー目線からみて良いカオつきですが、打ってみると非常にやさしいモデルなんです。例えるなら『狼の皮をかぶった羊』といったところ。対象ゴルファーは、アベレージから中級ゴルファーです」(吉田氏) ヘッドサイズは460cm3、ロフトは9度、10度の2モデルを用意。価格はヘッド単体で本体価格6万円。現在、工房を中心に全国約20店舗で展開中。将来的には取扱い100店舗ぐらいまで増やしていきたいという。5月の発売開始からわずか2か月間で、すでに初回ロットは完売。巷で話題沸騰中の同製品。今後も要注目の商材になりそうだ。 ちなみに、『グランディスタ』は、イタリア語の「Grande(大きな)」、「Distanza(飛距離)」、「ista(~する人・専門家)」を組み合わせた造語。つまり、大きな飛距離の専門家「飛ばし屋」を意味している。 問い合わせはリアルスポーツへ、06~7878~6573。
    (公開)2014年07月12日

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