日新開発は10月21日、運営する新宝塚CC(兵庫県宝塚市)に「関西初」(同社調べ)となるクラブハウス隣接型の総合練習場「バーディーズガーデン新宝塚」をオープン、報道・ゴルフ場関係者約80名を集めて開場式を行った。プロジェクトの立ち上げは2013年春、足掛け3年半の構想が実現しただけに、綿引秀憲社長の挨拶には万感が込められていた。
「関西で唯一無二の練習環境が完成したと自負しています。多くの関係者の想い、そして夢の詰まった施設です。会員に限らず、一般外来のゴルファーやジュニアの利用も促進し、関西ゴルフ界発展の一助になりたいと願っています」
同氏の万感には理由がある。この事業は、創業社長であり母親の故・綿引久美子会長が、同コースの監修を手掛けた故・杉原輝雄プロの遺志を継いで立ち上げたもの。その久美子会長は昨年10月21日に他界しているため、この日の開場式は一周忌に当たる。「多くの想い」には、そんな背景があるわけだ。
それだけに、施設の内容はギネス級の陣容を誇る。総面積は1万2000坪超で、全長約300ヤード・30打席にクロスバンカー2打席を設けた『ドライビングレンジ』と、様々なライが体験でき、天然芝からのアプローチや高低差2mのバンカー練習ができる『アプローチエリア』。さらに、世界最大の練習グリーンとしてギネス世界記録に申請中の一面約900坪の『パッティンググリーン』。仲間や家族連れがくつろげる『カフェスペース』も完備しており、総工費は非公開だが、充実の内容を備えている。営業時間は午前7時半から日没まで、駐車場は160台収容でき、阪急宝塚駅・JR宝塚駅からクラブバスを往復など、あらゆる層のゴルフライフに対応できる。
当日は、同コース理事長である松井功氏も駆けつけたので、今後の構想を取材した。
「ここの地質は岩石が多く、芝の根付きを含めて造成には苦労しました。こだわったのは、クラブハウスから練習施設を見たときの一体感で、海外のゴルフ場を思わせる景観に仕上げました。今後、この施設を利用してJGTO、PGA、LPGAの各団体と協力しながら、すべてのアマチュアゴルファーの育成にも活用したいですね。個人的には、ジュニア育成に注力しようと思っています。スナッグゴルフの次の段階、初めて白いボールに触れる機会をここで創出したい。具体的には、通常の5~6個分の広さを誇る練習グリーンを使って、ジュニアのパター大会をやりたいと考えています」
また、ブリヂストンスポーツと提携したスクール事業も運営するなど、ゴルファー創出に向けて様々な角度からアプローチしていく。
奇しくも同日は、前月号で詳報したPGM運営のザ・インペリアルCC(茨城県稲敷市)内に、外来型総合練習場の『インペリアルゴルフガーデン』がオープンした日でもある。同社の田中耕太郎社長は、「将来的には、この施設を若年層やジュニアたちで溢れかえる場所にしたい」と話しており、従来のプレー需要に限定したゴルフ場の在り方に一石を投じる構えを見せる。東西で同時に生まれたコース内の総合施設は今後、どんな提案力を発揮するのか?