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    今回参加したのは抽選で当たった72名の小学生(保護者は20名)で、その内39名がゴルフ未経験者。開催目的が、「アマチュアゴルファーの裾野の拡大」ということもあり、半数以上がゴルフクラブを初めて手にする子供達となった。 イベントは、午前9時から午後3時まで6時間。未経験者は、まずスナッグゴルフのレッスンを受けてからコースデビュー、経験者はテクニカルレッスン後にラウンドするなど、それぞれのレベルに応じて楽しめる内容で構成されていた。 このイベントで欠かせないのが、PGAとLPGAのプロの存在。子供にゴルフを教えるスペシャリストが勢ぞろいし、プレーに関するレッスンだけではなく、ゴルフのルールやマナーにも言及することで、参加者全員が楽しめる雰囲気を作り出していたことも印象に残った。 プロからの教えは子供達だけに留まらない。ゴルフは家族の理解や支援がないと継続できないという考えのもと、保護者に対しても「子供にゴルフをやらせる心得」的な講習会を実施したのだ。テーマは、「子供が持つ自主性への尊重」――。 「小さい子供にゴルフという選択肢を与えるのは保護者です。しかし、続けるのは本人で、本当にゴルフが好きかどうかということが大切です」と講師を務めた槇岡充浩プロは前置きし、次のように続けた。 「ジュニアゴルフ界でいま危惧されるのは、勝利至上主義的な親が多いこと。試合で結果が出ないと子供を叱るという姿が散見されます。ただ、これが本当に子供にとって幸福なのでしょうか。努力しているけど結果が出ない子供もたくさんいます。早急に結果を求めるのではなく、子供が一段ずつ成長していく姿を受け止めて、それを理解してあげる。その積み重ねで子供はゴルフが好きになり、ゴルフのいい面である自己責任や周辺との調和などを学んでいくのです。 親の勝利至上主義的な考えの押しつけによって、ゴルフが嫌いになった子供たちをたくさん見てきました。是非、この機会に子供がゴルフをすることの意味をいっしょに考えていきましょう」――。 親の押しつけでゴルフが嫌いになり止めて行ってしまう子供達が存在する。子供にとっては悲劇だが、ゴルフ界にとっても大きな損失だ。ゴルフの画一的な競技性の在り方が市場縮小に起因しているのであれば、それ以外のバリエーションの提案も必要だろう。ゴルフ界の在り方を改めて考える、いい機会にもなった。
    (公開)2014年09月02日

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