「現在、橘社長は最長で23日間の拘留中。担当弁護士と相談の上、近日中に状況説明を行いたい」(同社)――。
折しもクレイジーは「特需」にわいていた。「全米プロシニア選手権」(5月23~26日)を制した井戸木鴻樹がドライバーに同社の『ロイヤルデコレーション』を装着していたことで注文が殺到。自社工場(東京都足立区)はフル操業の状態だった。
一転、「社長逮捕」で暗雲が垂れ込める。同社は今年1月、取締役3人が辞任しており、6月に新たな取締役を選任して新体制を組む予定だった。その矢先の逮捕劇だけに、橘社長の拘留中は取締役不在の状況に陥る。
「社員が一丸となって頑張るしかない」(同社)――。
クレイジーは2012年5月期の決算で売上高10億円超。2013年度は二桁増が見込まれるなど、順調に推移してきた。成功要因のひとつが巧みなブランド戦略で、直営の「クレイジーファクトリー」(国内7店舗、韓国1店舗=FC含む)を大丸東京店、松坂屋名古屋店に出店するなどブランド価値を高めてきた。また、昨年11月には一般社団法人・日本エイジシューター協会(名誉理事長・塩川正十郎氏)が初開催した大会に冠企業(クレイジーカップ)として協賛。米シャフトメーカー「KBS」の国内代理店としてスチールシャフト市場へも進出するなど、多面的な活動を行ってきた。
関西の専門店主は「利益を稼げる付加価値商品に育っただけに残念」と、今後の余波を懸念している。