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    ハッシュタグ「PGM」記事一覧

    PGMは、スマートフォン用「PGMアプリ」に新たにスコア履歴が確認できる「スコア丸」の機能を追加した。 「スコア丸」は、PGMのゴルフ場で、カートナビに入力したスコアが、自動で アプリから確認できる機能。過去、当日のスコアだけではなく、ベストスコア・平均スコア、当日のゴルフ場ごとのスコアランキングが確認できるようになっている。一部のゴルフ場では、ラウンド中、カートナビにスコアを登録すると、そのままアプリにも反映されるため、アプリ上でスコア入力をする必要がなく、簡単に利用することが出来る。 また、「スコア丸」に先行してPGMのゴルフ場でラウンドするとゴルフ場のロゴマーク入り「ラウンドマーカー」や、各種サービス利用で「スペシャルマーカー」が獲得できる「ラウンドマーカー」機能も搭載。アプリ上でコレクションができ、獲得マーカー数・ラウンド数の全国ランキングや、エリア内ゴルフ場のラウンドマーカーを全て獲得すると「COMPLETE(コンプリート)」マークが表示される等、コレクション意欲をそそる機能になっている。 ■PGMアプリの主な機能 1)スマートチェックイン機能 2)予約機能 3)PGMポイント残高や PGM Web ステイタスの確認機能 4)プッシュ通知機能 5)ラウンドマーカー機能 6)「スコア丸」機能 詳細は下記WEBサイトまで。 <a href="https://booking.pacificgolf.co.jp/app/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://booking.pacificgolf.co.jp/app/</a>
    (公開)2024年11月05日
    パシフィックゴルフマネージメント(PGM)は、現在展開しているPGMサポートプロと一緒にプレーを楽しめるサービス「withGolf」に加え、新たにPGMサポートプロとコンペが開催できるサービス「withGolfコンペパッケージ」を開始した。 「いつもと違ったコンペを開催したい」「プロがコンペに入ってくれたら」と考えている人におすすめなのが「withGolf コンペパッケージ」。プレー中のワンポイントアドバイスだけではなく、プレー終了後のパーティー等にもPGMサポートプロが参加することで、より華やかな時間を過ごすことが可能となる。 PGMが運営する関東のゴルフ場64箇所で同サービスを開始。今後は対象のゴルフ場を増やすことも検討している。 「withGolfコンペパッケージ」の詳細、お問い合わせは下記特設サイトまで。 <a href="https://booking.pacificgolf.co.jp/htmls/withgolf/compe/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://booking.pacificgolf.co.jp/htmls/withgolf/compe/</a>
    (公開)2024年08月06日
    パシフィックゴルフマネージメント(PGM)は、「花の木ゴルフクラブ」(岐阜県瑞浪市)を威厳と品位を兼ね備えたハイグレードなゴルフ場ブランド 「GRAND PGM」として7月1日より運営を開始した。 「GRAND PGM」運営開始に伴い、エントランスやレストランなどを改修し、プロショップの一部を「トミー ヒルフィガー ゴルフ」のインショップとしてオープン。 また、PGM Webでは、「GRAND PGM」運営開始を記念して、花の木ゴルフクラブを対象とした無料プレー権やPGMポイントをプレゼントするキャンペーンを期間限定で開始している。 【花の木ゴルフクラブ 概要】 ・所在地:〒509-6251 岐阜県瑞浪市日吉町8675-1 ・電話番号:0572-68-9111 ・アクセス:車利用の場合・中央自動車道/土岐ICより11㎞。電車利用の場合JR土岐市駅からタクシーで25分 ・コース概要:18ホール/7018ヤード/パー72 ・設 計 者:川田 太三 ・オープン日:1990年6月1日 ・ホームページ:<a href="https://www.pacificgolf.co.jp/hananoki/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://www.pacificgolf.co.jp/hananoki/</a>
    (公開)2024年07月27日
    パシフィックゴルフマネージメント(PGM)は、夏のイベント「夏ゴルフGO!GO!PGM」の一環で、「ナイターゴルフキャンペーン」を開催中。 新たに「PGMゴルフリゾート沖縄」と「多治⾒北ゴルフ倶楽部」の2コースが8⽉1⽇よりナイター営業の仲間⼊りをする。この2コースの運営開始を記念して、ナイター導⼊ゴルフ場全8コースを対象にキャンペーンを実施。 ライトアップされた幻想的な雰囲気の中でゴルフプレーを楽しんでみよう。 【ナイターゴルフキャンペーン 概要】 ・キャンペーン応募期間:6月20日~9月30日 ・プレー対象期間:7月1日~9月30日 ・キャンペーン内容: PGM Webからキャンペーンに応募・ナイタープランの予約(0.5ラウンド以上。1人予約プランは除く)し、スマートチェックインでプレーしたPGMロイヤルティプログラム会員の予約代表者にもれなくPGMポイント500ポイントをプレゼント。 ポイントの利用期限は2024年12月末まで。 キャンペーンの詳細は下記WEBサイトまで。 <a href="https://booking.pacificgolf.co.jp/campaign/summer/2024/6/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://booking.pacificgolf.co.jp/campaign/summer/2024/6/</a>
    (公開)2024年07月07日
    パシフィックゴルフマネージメント(PGM)は、1月13日より全国のPGMのゴルフ場にて、ブリヂストンの新商品を含めた対象商品がお得に購入できる「ブリヂストンスプリングキャンペーン」を開催中だ。 ラインナップはキャディバッグから新商品のボストンバッグ・ポーチ類など、バッグ類が中心。春のゴルフシーズンに向けての買い替えや、これからゴルフを始められる家族・友人・同僚へのプレゼントにもぴったり。対象商品は最大20%引きになっている。 【キャンペーン概要】 キャンペーン名:ブリヂストンスプリングキャンペーン 期間:1月13日~3月11日 開催コース数:105コース 対 象商品:バッグ類(キャディバッグ、クラブケース、ラウンドバッグ、トートバッグ、シューズケース等) ※ゴルフ場により取り扱い商品が異なる。 キャンペーンの詳細は下記サイトまで。 <a href="https://www.pacificgolf.co.jp/proshop/bs/2401/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://www.pacificgolf.co.jp/proshop/bs/2401/</a>
    (公開)2024年01月27日
    PGMは、「1人でも多くの女性にゴルフのある人生を楽しんでいただきたい」という想いから、全国148箇所のゴルフ場の中から、「女性におすすめのゴルフ場」20コースを選定した。 PGMは2022年11月には女性のためのゴルフ情報サイトANGEL GOLFを全面リニューアル。今年の3月には、国際女性デーに賛同し、「PGM LADIES WEEK」を初開催。さらに5月からは10会場でペアスクランブル「PGM LADIES DOUBLES」を開催するなど、女性ゴルファー拡大を目的とした様々な活動を行っている。 そして今回、さらなる女性ゴルファーの活性化を目指し、「女性におすすめのゴルフ場」を選定。女性従業員が中心となって選定基準を決定。「レディスティからの距離が短い」「トイレの数が多い」「電車で行ける」「写真映えコース」など女性ならではの視点を重視し、選定項目に多く当てはまるゴルフ場の中から20コースを「女性におすすめのゴルフ場 」として決定した。選定コースでは女性浴室 ・脱衣所に「DHC」「POLA」の製品をはじめとするこだわりのアメニティや、最新ドライヤーを導入。女性向けプランを拡充するなど、女性の満足度向上を目指している。 また、女性のゴルフを飛距離だけでなく技術でも楽しめるようにとの想いから、レディスティからの距離の基準は5000ヤード程度とし、女性におすすめのゴルフ場では、レディスティからの総距離が5000ヤード以下になるよう、改修にも取り組んでいる。 現在、「女性におすすめのゴルフ場 」の公開を記念し、ANGEL GOLFではPGMポイントプレゼントキャンペーンを11月30日まで実施している。ポイント付与条件等詳細は左記のキャンペーンページまで。 キャンペーン詳細: <a href="https://angel.pacificgolf.co.jp/campaign/lrec2023/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://angel.pacificgolf.co.jp/campaign/lrec2023/</a> 女性におすすめのゴルフ場詳細: <a href="https://angel.pacificgolf.co.jp/recommend/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://angel.pacificgolf.co.jp/recommend/</a>
    (公開)2023年11月01日
    PGMは、PGMゴルフアカデミー銀座の開場5周年を記念して、12月18日にPGMスポンサーシップ契約プロが出演するクリスマスレッスンイベントを開催する。 このイベントは、PGMスポンサーシップ契約プロ6名と参加者8名を2グループに分け、担当プロ3名からテーマ別の特別レッスンを20分×3回の計60分間、個別にレッスンが受けられるイベント。レッスンは初心者から上級者まで全てのゴルファーを対象に、普段レッスンを受ける機会のないプロからスコアアップの秘訣や、ドライバー、アイアン、アプローチの技術を学ぶことができる。 さらにレッスン終了後にはPGMスポンサーシップ契約プロ同士によるエキシビション対決を予定。プロの技術を間近で見ることができる特別な時間だ。 参加者全員に、サイン色紙など記念品のプレゼントも用意している。 今年のゴルフライフの締め括りはPGMゴルフアカデミー銀座5周年記念・クリスマスレッスンイベントで、憧れのプロと一緒に楽しいひと時を過ごしてみてはいかがだろうか。 【イベント概要】 開催日程:12月18日(月)  会場:PGMゴルフアカデミー銀座 住所:〒104‐0045 東京都中央区築地1‐13‐1 銀座松竹スクエア2F 募集人数: ・第1部/10時~12時・定員8名 ・第2部/13時30分~15時30分・定員8名 ・第3部/15時50分~17時50分・定員8名 出演プロ(予定):宮里優作/宮里聖志/嘉数光倫/小倉彩愛/小倉ひまわり/幡野夏生 詳細は左記にて <a href="https://www.pacificgolf.co.jp/indoor/event/event_details/20231218.asp" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://www.pacificgolf.co.jp/indoor/event/event_details/20231218.asp</a>
    (公開)2023年10月28日
    PGMは、2023年ABEMAツアー『PGM Challenge』を9月6日(水)~8日(金)に兵庫県のライオンズカントリー倶楽部にて開催する。 また、本大会開催に先立ち8月22日(火)に「主催者推薦選考会」を開催する。 【PGM Challenge 開催概要】 主催:パシフィックゴルフマネージメント 主管:一般社団法人日本ゴルフツアー機構 大会名称:PGM Challenge 開催期日:2023年9月6日(水)~9月8日(金) 開催場所:ライオンズカントリー倶楽部 賞金総額:1500万円 <a href="https://www.pacificgolf.co.jp/challenge/2023/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://www.pacificgolf.co.jp/challenge/2023/</a>
    (公開)2023年08月15日
    パシフィックゴルフマネージメント(以下「PGM」)は、6月より全国のPGMゴルフ場にて、世界3大ブランドであるODYSSEY、TaylorMade、PINGのパターを特別価格にて購入できる「パター買い替えキャンペーン」(以下「本キャンペーン」)を期間限定で開催。現在開催中のキャンペーンは以下の通り。 <strong>キャンペーン名:パター買い替えキャンペーン</strong> 期間:2023年6月24日(土)~2023年8月21日(月) 開催場所:全国のキャンペーン開催PGMゴルフ場 対象ブランド:ODYSSEY(オデッセイ)、TaylorMade(テーラーメイド)、PING(ピン) 商品例: 【ODYSSEY】TRI-BEAMパター 【TaylorMade】TP TRUSSパター 【PING】PING 2021パター また、梅雨シーズンにおすすめの雨対策アイテムがお得に購入できる「ミズノ レインウェアキャンペーン」を全国のPGMゴルフ場にて開催中。 <strong>キャンペーン名:ミズノ レインウエアキャンペーン</strong> 期間:2023年6月3日(土)~2023年7月10日(月) 開催場所:全国のPGMゴルフ場 「梅雨の合間でもゴルフを楽しみたい!」「梅雨シーズンが明けても夕立が心配」という層に、表示価格より10%OFFで購入できるチャンス。
    (公開)2023年06月27日
    ゴルフ界の問題は日本の問題と同じ <strong>御社は創業わずか5年で上場しました。当初からそこを狙っていたわけでしょうが、そもそもPGMとはどんな会社なのか? そのあたりからお願いします。</strong> 「わかりました。まず、当社の創業時はゴルフ場の倒産ラッシュがありましてね、この傾向は会社が立ち上がる前から顕著でしたし、わたし自身、7つの会員権を持っていましたが、そのうち4つが倒産ですよ(苦笑)。 一人のゴルファーとしても何とかならないかと……。そんなことを思っていた矢先、PGMから『経営をやってもらえないか』と打診を受けたのです」 <strong>会長への就任は2002年ですが、それ以前からゴルフ市場の荒廃を深刻に受け止めていたわけですか?</strong> 「そうですね。わたしの経歴を簡単に話しますと、大日本印刷に長らく勤めまして、1979年から8年間、アメリカ法人の社長をしていました。その後ヘルスケア業界最大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&amp;J)に移って、J&amp;Jメディカルの社長や日本法人の社長など、日米の大手企業で様々な経験を積んだわけです。 PGMからの誘いはJ&amp;Jを辞めてコンサルティング業をしていた頃ですが、そういった観点から思うことは沢山あったんですよ」 <strong>たとえば?</strong> 「わたしの頭の中はゴルフ業界だけではなく、日本の国家や制度、そこで活動する企業群が21世紀にどのように出直すのか……。そんなことを常に考えているんですね。 医療制度や社会保障も同じです。少子高齢化が加速して、託児所や幼稚園、私学の倒産も増えているじゃないですか。次世代に向けてシステムを変革するのがこの国の大命題になってくる。思考しながら提案し、具体的な手段を講じていく。一連のことを手掛けるには、マーケティングの発想が不可欠です」 <strong>なるほど。それらはゴルフ業界の課題とも通底しているわけですね。</strong> 「そうです。日本では93%のゴルフ場が赤字でした。ゴルフというスポーツのポテンシャルは変わらないのに、周辺環境が変化したからです。 社用ゴルフの激減が卑近な例ですが、プレーに対するウィシュ(願望)は同じなのに、それを妨げる障壁がある。つまりゴルフ業界が抱える問題は、学校や病院の問題と同じなんですよ。ゴルフ界が抱える問題は、ゴルフ界に限ったものではありません」 <h2>浪花節の経営じゃダメですよ</h2> <strong>つまり「変革」が急務だと。変革をする際に、変革の軸を刺すことが大事ですね。その軸を市場のどこに刺すんですか?</strong> 「そうですねえ。日米の大手企業に勤めて、さらにコンサルティング会社を経営した経験で思うのは、『文化の違い』に尽きるでしょうね。 要するに、変革は文化の溝を認識して、ブリッジング(架橋)をすることです。谷を埋める作業ではなく、橋を架けるコンセプトで、互いの強みを活かしていく。これによって新しい方向性を創造することが『軸』になると考えています。 で、そのことを深く考えられる人が日本に少ないのは、日米で大手企業の経営を体験した人が少ないからなんですよ。 自分をPRするわけじゃありませんが(笑)、わたしはコンサルティングでもトヨタ、日産、味の素など、グローバル企業を手掛けてきました。そういった目線で考えたとき、PGMもわたしが描くストーリーに乗っていると判断したし、上手く舵をとれば今のゴルフ市場の在り方を変えられる。まあ、そんなふうに考えたわけです」 <strong>観念論としてはわかりますが、具体的にはピンときません。経営破綻に陥ったゴルフ場を、今のストーリーでどのように再建するわけですか?</strong> 「わたしはね、学者でも評論家でもメディアでもなく、経営者なんですよ。その視点で日本の現状を見た場合、ふたつのグループに大別できると思うんですね。 ひとつは『今のままでもなんとかなるだろう』と考える既存勢力、もうひとつは『ダメだからイチからやり直そう』と考える勢力です。わたしはまず、後者の立場をとりますが、なぜならファンダメンタルのシフトが要求される現代では、一度ゼロにリセットしたほうが合理的で、そのことはダイエーとマイカルの再建にも顕著に表れています」 <strong>ボロ家を増改築するよりも、一度更地にして建て直した方が効率的。</strong> 「という話です。両社とも流通グループの雄として成長してきたわけですが、市場の変化に対応できず、結局は苦戦しましたね。問題はここからです。 マイカルのスポンサーとなったジャスコ(現イオングループ)の場合、支援はするけど『その前に法的整理をすべきだ』と主張して、一度潰しているんですよ。 ところがダイエーは潰さない方向でスキームを組んで、銀行もその流れで協力したじゃないですか。ゼロにしたほうが早いのに、日本的な情緒を優先して、未だに試行錯誤を続けています。実はね、それがコンフォタブル(心地良い)なわけですよ」 <strong>つまり、再建過程の努力自体が浪花節というか、悲運に酔える?</strong> 「そうそう、まったくそのとおりです(笑)。ビジネスはね、浪花節的な感情を含めて、気持ち良さを求めるものではありませんよ。 そりゃ、潰れればいろんなバッシングを受けますが、純粋な意味での経営は日本の社会性やシキタリと切り離して考えるべきであって、先ほど申し上げた『文化の違い』はそのことを指しているんです」 <strong>非情ですねえ。</strong> 「日本人が言うと『非情』なんだけど、ピーター・ドラッガー(米経営学者)は『再生の早道を考えるのが大切だ、再建が成功すれば雇用も生まれるじゃないか』と主張しています。これが文化の違いなんですよ」 <h2>「ハゲタカ」には異論あり</h2> <strong>そのような思考がPGMの経営に反映されているわけですか? 瀕死のゴルフ場を虎視眈々と狙っていることから「ハゲタカ」とも呼ばれてますが。</strong> 「あのね、ぼくは『ハゲタカ』と呼ばれることには異論があるんですよ。なぜなら、うちはアメリカ流のバッサリではなく、日米の中間手法をとっているからです。 ただし、コース買収のストラテジー(戦略)は例外なく倒産企業に絞り込む。法的整理をされてないゴルフ場は絶対に買わないし、その点はイオンと同じスタイルかな。 なかには整理前に『買ってくれ』というコースもありましたが、引き受けませんでした。 まずは一度、きちんと潰れることです。倒産は裁判所が決めるから、その過程でうちは一切絡みません。裁判所はゴルフ場を持っていても仕方ないから、入札になる。入札はガラス張りだから談合もない。非常にスッキリしてるじゃないですか」 <strong>そうですね、買収に至る諸々の雑事が一切ないから非常にスッキリしています。で、再建側の人間として、破綻コースに共通する問題点は見えますか?</strong> 「見えますねぇ。裁判所は民事再生会社のスポンサーを募り、新たな引き受け先が事業化管財人を出しますが、わたし自身、エスティティ開発や地産では管財人を務めました。 そのような経緯から思うのは、破綻コースの最大の穴は前経営者の責任ですよ。会員から集めた預託金を、勝手に株や土地に投資したじゃないですか。 本来、預託金は預かり金だからきちんと経理処理をすべきだし、そこになければいけない資産なのに、多くの経営者は勝手に流用したわけですよ。 これ、商法違反じゃないですか。アメリカの経営者なら間違いなく逮捕されますが、日本はそれをやりません。地産のときも前経営者は脱税容疑だったでしょ。つまり日本そのものが間違っているんですよ。 にもかかわらず『ハゲタカ』という言葉を我々に向ける。むしろどちらが『ハゲタカ』なの……? わたしはそう問いたいですよ。 それと、破綻コースに総じて言えるのは集中力の欠如もありますね。地産の場合は29のホテルがあって、いずれも赤字に苦しんでいました。同じことは西武にも言えますが、ゴルフ以外の事業にも投資していたのでゴルフ事業が散漫になったわけです」 <strong>要するに片手間だった?</strong> 「そう。これじゃきちんとした経営は期待できませんよ」 <h2>この仕事は「不良債権買取再生業」</h2> <strong>経営で大事なのは集中力だと。すると、PGMの集中力はどの方向に向けて発揮するんですか?</strong> 「うちは現在18ホール換算で118コースを運営しておりますが、これをもっと増やしたいと考えていて、すなわち集中力は『数』ですよ。集中力は当面、チェーンメリットの追求に発揮する方針です。 我々の仕事は経営的に『不良債権買取再生業』だと思うんですね。だって、買収コースの100%が倒産企業じゃないですか。買収額は表面的に10億〜20億円なんですが、個々に抱える不良資産は少なくとも50億円、多いところでは200億円に達するものもあるんですよ」 <strong>とはいえ、負債をすべて継承するわけじゃないですよね。</strong> 「そうですが、だとしても入札は一発勝負で、再生に失敗したら不良資産だけが残るじゃないですか。 再生に成功を収めるためには『ゴルフコース・マネジメント・ビジネス』に特化する必要があって、ゴルフ場をマネジメントしながら健全化の源泉である利益を出す。これによってメンバー、株主、従業員の満足度を高めていく。そんな道筋になるわけです」 <strong>それで今、キャッシュフロー・ベースでどれくらい改善したわけですか?</strong> 「買収コースの8割以上が黒字になりました」 <strong>すごいですねぇ。で、どのように?</strong> 「私どものビジネスコンセプトは『チェーンオペレーションの徹底』で、10コース程度のチェーンではゴルフ場経営の採算が合いません、合わないから倒産してしまう、という視点に立っています。 数を持たないとコストは下がらない。だから数が大事なんで、このコンセプトはアメリカで50年以上も前のビジネスモデルなんですよ。 会社の近所にとんかつ屋があって、カツ丼が870円です。コンビニのカツ丼は半額以下で、双方成立してますが、400円のコンビニはこれを可能にするシステムがあるわけで、決してマジックではありません。ゴルフ場も同じですよ」 <strong>PGMは2010年までに、運営受託を含めて200コース(現在100コース)を目指してますが、社内的なチェーンオペレーションによるコストの優位性とは別の視点で、他社対抗的な意味合いのシェアもありますね。</strong> <strong>仮に200コースを取ってもシェア1割に届きませんが、限界シェアについてはどんな判断ですか?</strong> 「それについては今のところ、未知数ですね。国内2430コースのうち、当社とアコーディアさんを併せても現段階では7%程度じゃないですか。我々の力が及ぶ範囲はどれくらいなのか……。 まあ、2010年で200コースは発表している数字なので、間違いなく目指しますが、それ以降は未知数なんですよ」 <h2>買収環境は厳しくなってくる</h2> <strong>先ほどコンビニのカツ丼の話が出ましたが、コンビニ業界の激越なシェア合戦が派生する形で「99円ショップ」を生み出して、社会で価格破壊が進んでいます。御社はつまり、それをゴルフ業界に持ち込むわけですね。</strong> 「いやいや、そこを目指して経営してるわけじゃありませんよ(苦笑)。採算の中で大事なことは適正利益を出すことで、そこは重視していきます。とはいえ、競争はいつの時代も同じことで、永遠に続くテーマです」 <strong>御社の競争相手はアコーデイアですが、今後ふたつの局面で競合が激しくなってきます。ひとつはコースの買収競争、もうひとつは顧客の獲得競争ですが、その際、PGMとアコーディアの違いは何でしょう。</strong> 「そうですねえ。まず、アコーディアさんはマクドナルド・スタイルで、すべてのコースに統一感を持たせています。色や看板、スコアカードも共通化するなど、経営はやりやすいと思います。 これは想像ですが、1コース当たりの入場者数は向こうが多いでしょうし、単価も安いはずだと思います。ところがウチはそれと反対で、PGMのカラーを出しません。そこが一番の違いでしょうね」 <strong>その理由は?</strong> 「まあ、一言でいえば哲学の違いだと思います」 <strong>わかりません。哲学って何ですか?</strong> 「うん、ゴルフコースは地域のニーズによって成立します。だからメンバーの心象に配慮する必要もある。経営破綻で買収されて、『進駐軍』が我が物顔で居座ったらどうなりますか?」 <strong>もの凄く居心地悪いというか、腹が立ちますね。だって、そもそも自分が払った会員権で造ったコースなのに、他人が我が物顔で振る舞うわけだから。</strong> 「ですよね。メンバーさんの気持ちを考えれば、進駐軍的な振る舞いをしたり、何から何まで新しいやり方に変えるべきではありませんよ。 だから我々は買収後もコース名を変えないし、PGMのコーポレートカラーも押し付けません。それで傍目にはPGMとわかりにくいわけですが、それでいいと思ってます。 破綻コースは今後も沢山でると思いますが『買収されるならPGMの方がいい』と、そんな希望を口にするところは多いんですよ」 <strong>アコーディアは現在87コースですが、あそこはチェーンの着地点を「取り敢えず100コース」と考えています。</strong> 「うん……」 <strong>PGMの目標はその倍だから、買収は当面続きますね。</strong> 「そうですね」 <strong>その一方で、第三勢力、つまり国内の様々な企業がゴルフ場買収のビジネスに参戦してきています。当然、買収状況は厳しくなるし、そんな事情を考えれば「進駐軍的な手法」は得策じゃない。「配慮」というのはその意味ですね。</strong> 「おっしゃるとおりです」 <strong>目標の200を達成したら、一転、マクドナルド・スタイルに転じるかもしれない。その方が合理的ですから。</strong> 「まあ、良し悪しの判断をするのは時期尚早だと思いますが、将来においてその必要性が生じれば、そうなるかもしれませんね」 <strong>運営コースの利益ターゲットはどれくらいですか?</strong> 「まあ、今はコメントを控えましょう(笑)」 <strong>ゴルフ場って図体が大きいから、売上も大きいと思われがちですが、実のところ中小企業なんですよね。経営状況が「中の上クラス」でもキャッシュフローで年商5億円。年間来場者5万人で客単価1万円。これに年会費と名変料が付く程度で。</strong> 「あのね、ゴルフ場をアバウトな数字で考えたら駄目ですよ。コース経営はディテールビジネスですからね、これまでの大雑把な手法は通用しません。 たとえばリゾートコースといった場合、北海道のリゾートや東京近郊の『リゾート的』なコースでも、実態はまったく違うじゃないですか。そこをきちんと把握しないと」 <strong>その違いを御社の場合、何分類してるんですか?</strong> 「そうねえ、マーケティング的には12分類ですが、これにリージョン(地域)の気候やGDP、絶対人口とゴルフ人口の兼ね合い、消費特性などを吟味する必要があります。 リージョンは県単位がベースになって、先ほど申し上げた要素をマトリクスで判断するわけですが、これ以上は企業秘密です(笑)。それでもね、かなり話した方ですよ。ちょっと話しすぎたかなぁ」 <strong>ありがとうございます。それでは最後にビジネスビジョンを伺います。これ、凄く大事なことだと思うので。</strong> 「大事ですね。我々のキャッチフレーズは『Love Life Love Golf』で、ビジョンはこの言葉に集約されているんですね。 博報堂は以前、コカ・コーラを普及させるときに『スカッと爽やかコカ・コーラ』とやって成功しましたが、会社の名前を打ち出すよりも、商品を想起させる言葉の方が遥かに浸透しやすいわけですよ。 従来のゴルフはビジネスマンの世界に偏りすぎて、女性や子供が入れないというイメージがありました。当社はそれを壊すために、逸早く業界のリーダーになることを掲げたし、そのために創業から5年で上場しました。 その上で、ゴルフビジネスの最大のリスクは何だと思いますか?」 <strong>それはもう、天候要因、天変地異を含めてこれでしょうね。</strong> 「そうなんです。だからそれをヘッジするためにも、全国チェーンを追求しているわけですよ。 先頃『P-CAP』制度を導入して、会員は系列コースで安くプレーできるようになりました。それで『価格競争勃発か?』と書かれるのは筋違いで、重ねて申し上げますが、うちは安ければいいという考えは持っておりません。 正当な価値を提供し、質の高い利益を得るのがビジネスビジョンだと心得ています」 <hr>
    (公開)2023年02月27日
    単独系のゴルフ場210コースを束ねる日本ゴルフ場経営者協会(NGK)の手塚寛理事長。一方、国内141コースを運営するパシフィックゴルフマネージメント(PGM)の田中耕太郎社長。 二人は共に業界歴「40年」のベテランだが、今回の対談が初対面だった。 疎遠だったのには理由がある。NGKの加盟コースはピーク時に450を数えたが、バブル経済の崩壊で多くが経営破綻となり、外資系ファンドに買収された。 ゴールドマン・サックスがアコーディア・ゴルフ、ローンスターがPGMをつくったわけだが、その傘下に入らず生き残ったNGKの会員にしてみれば、PGMは「旧友の仇敵」といえる存在。それだけに、両者の没交渉時代は長かった。 ところが、コロナの蔓延で事情は変わった。あらゆる産業で「ニューノーマル」の在り方が問われ、コロナの力を借りる形で新しい経営に舵を切る。ゴルフ業界も過去の因縁にとらわれている場合ではない。 NGKとPGMを合わせれば351コース。国内約2200コースの16%を占めるだけに、両者が握手をすればゴルフ産業を動かす力を持てる。さて、どんなことが話し合われたのか? (司会・GEW片山哲郎) <strong>以下の対談内容はGEW7月号(7月1日発行)に掲載された内容をウェブ用に要約したものです。</strong> <h2>コロナと台風が二大問題</h2> <strong>G 二人とも業界歴ほぼ40年のベテランですが、意外なことに初対面なんですね。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> お互いにゴルフ場は近いんですけどね(笑)。ウチの東我孫子CCは去年の台風でかなりやられて、27ホール中9ホールが復旧していません。 PGMさんのクリアビューも同じ利根川の河川敷ですよね。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/08/20080404.jpg" alt="" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-63303" /> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> はい。ウチもかなりやられましたが、台風は今後、業界最大の問題になると思います。 一昨年の西日本豪雨では、系列コースのひとつが土砂崩れで進入路から何から消えてしまった。あの光景は言葉を失うほどの衝撃でした。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> それに今はコロナでしょ。第2波が来る中で収束の目処がまったく立たない。どうですか? <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> 同感ですねえ。コロナの状況は誰にも読めませんが、ただ、飲食や旅行業などに比べればゴルフはマシだと思えます。 海外旅行もしばらくできないので、その分、国内旅行に回ると思えるし、ゴルフは他の業界に比べればまだ恵まれているほうでしょうね。ところで、NGKの会員数はどれぐらいですか? <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> 正・副会員を合わせて210コースです。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> 副会員とは? <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> 副会員というのは、複数のゴルフ場を持つ会社は1コースが正会員になると残りは「副」でいいんですよ。年会費は正会員が10万円、副会員は1万円です。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> それは、安いですねえ。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> 近年はいろんな活動をしています。ゴルフ場におけるコロナ対策のガイドラインを作成したり、地球温暖化で大型台風が頻発するから、被害調査や対策作りも我々の仕事です。 コロナのガイドラインにつきましては、国から様々な業界団体に「作れ」とお達しが出ましてね、その受け皿がゴルフ場の場合はNGKだったわけです。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> あのガイドラインは、非常に素早かったですね。当社も独自に作りましたが、NGKのは業界の指針なので、参考になったゴルフ場は多いと思います。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> ありがとうございます(笑) <h2>競技ゴルファー中心の在り方に疑問</h2> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> あのぉ、こんな話をしていいですか? <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/08/20080403.jpg" alt="" width="788" height="528" class="aligncenter size-full wp-image-63304" /> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> どうぞ。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> ご承知のようにゴルフ界には競技会中心の団体があります。 <strong>G JGAやKGAなどですね。ほかにも県や地区単位で競技会を統括する団体が全国にある。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> それが、コロナで競技ができなくなった。で、何が起きるかというと年会費の問題ですよ。 我々が競技団体に収める年会費は「倶楽部対抗」に参加するのが目的みたいなものですが、団体に加盟しないと一部のメンバーから「なぜウチは入らないんだ」とクレームを受けることもあります。 <strong>G 倶楽部対抗戦は、ゴルフ団体の加盟コースの対抗戦だから、基本的にそこの会員じゃないと参加できない。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> でもね、世間は未曽有のコロナ不況で、にも関わらずゴルフ場は固定資産税に消費税、利用税も払っていて、その上、競技団体の年会費もある。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> なるほど。コロナで競技会が自粛なのに、払うんですか、と。 <strong>G つまり、コロナを機に競技団体から脱退しようという話になるわけですか?</strong> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> いや、そこまでの話じゃなくて、せめて減額措置を講じるぐらいのことは、 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> あっていいと思いますね。 <strong>G PGMとNGKが連名して、減額の要望書を提出する?</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> まあ、少なくともですよ、活動の中心である競技会がないわけだから、要望書云々は別にしても一考に値する話ですよね。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> それだけじゃなく、ゴルフ場には緑化協力金やゴルフ振興金もあるじゃないですか。具体的な効果が確認されずにどんどん膨らんで、その膨らみが放置され、まとめる機関がないまま肥大化した。 この現状は問題だと思いますよ。 <h2>ゴルフ振興金の使途を考える</h2> <strong>G ゴルフ振興金の在り方は再考する必要がありますね。そもそも振興金は、ゴルフが国体種目になって、各県が代表選手を強化する名目で来場者から一人数十円を取りはじめた。</strong> <strong>徴収するのは各県のゴルフ連盟で、47都道府県の7割ほどが取ってます。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> そうですね。 <strong>G 総額は年間10億円超と言われますが、徴収元の「県連」は任意団体が多いから、使途が公表されないケースも目立つ。</strong> <strong>過去10年20年の積み上げで数百億円規模になりますが、これが雲散霧消しているわけです。その金で、エリートジュニアの遠征費にグリーン車を使ってないでしょうねと、そんな疑問もわくわけです。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> まあ、先ほど競技団体の話が出ましたが、ゴルフ場経営の立場で思うのは、振興金も競技団体の年会費も根は同じだと思うんですよ。つまりトップアマの過剰な優遇です。 JGAハンディの保有者は1コース当たり50人もいないと思いますし、なのにそのコースのトップ30人ぐらいのために年会費を払っているようなものですから。 <strong>G いくらですか?</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> わたしは朝日コーポレーションの社長を務めていて、国内7コースを運営していますが、会費総額は年間数百万円になります。 少数の競技層のためにこれだけの負担をするわけだから、他の会員の不満が募って当然でしょう。 <strong>G しかも、競技が強いゴルファーは威張りがちです。倶楽部の中で大きな顔をするから評判が悪い。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> そういった風潮は否めないでしょう。 <strong>G フォーティーンを創業した竹林さんは日本オープンのローアマ(77年)ですが、ある時期、競技ゴルフをスパッとやめました。</strong> <strong>理由はゴルフが強い連中の振る舞いで「なぜ彼らは食堂で大声を出すのか。風呂場で我が物顔に振る舞うのか。なぜ、普通でいられないのか。それが嫌で嫌で仕方なくて、競技ゴルフをやめました」と。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> その話はよくわかる部分もありますね。わたし自身、20代の頃はゴルフ場の支配人をしてましたが、当時苦労したことのひとつがそれなんですよ。 当時は一部のメンバーが『俺のカオで安くしてくれ』とか、幅を利かす振る舞いもあって、支配人によってはハイハイ聞いてしまうこともある。実は(彼らの存在が)若者や女性ゴルファーが増えない原因のひとつだと思えます。 <strong>G 黒光りの顔で睨みをきかせる。縄張りに入ってきた新参者を威嚇するように。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> 若者が初めてゴルフ場に来て、一度アレをやられたら、二度と来たくなくなるでしょうね(苦笑) <strong>G ゴルフ場はなぜ、彼らに弱腰なんですか?</strong> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> 弱腰というか、いくつか理由がありますが、ひとつは預託金問題でしょうね。 無利子無担保の預託金を会員からたくさん集めて、それを(民事再生等で)飛ばしてしまったから、メンバーに対して強く出られない面があると思います。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> 日本のゴルフ場は9割が会員制ですからね。そんな中で強い選手が威圧するように映るから、余計風当たりが強くなるのかもしれません。 <h2>利用税撤廃を条件闘争に</h2> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> 実は今年「緑の甲子園」を応援することにしたんです。今年はコロナで中止になりましたが、高ゴ連から「ゴルフにも甲子園みたいな聖地がほしい」という話がありましてね。 栃木のサンヒルズ(36H)は宿泊施設も完備しており、近隣のピートダイ(18H)と併せて「聖地化しよう」と。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> それはいい話ですね。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> わたしはゴルフをレジャーからスポーツにしたい、スポーツ文化としてこの国に根付かせたいと思っているんです。 そのためには、高校に野球部やサッカー部があるように、ゴルフ部を増やさないと文化にならない。 そこでゴルフ場利用税の問題です。業界は全面撤廃を主張しますが、それだと財政がまわらない自治体も出てくる。当然、抵抗しますよね。 ですから全面撤廃なんて絵空事を言ってないで、利用税の一部を高ゴ連の地区予選に充てるとか、具体的な案を示す必要があるわけですが、一企業では限界があるじゃないですか。 そこで業界を代表するNGKさんと共同歩調を取りたいと、そんな思いもあるんです。 <strong>G 利用税は「スポーツ課税」として評判が悪いですが、これがなくならないのは「ゴルファーは金持ちだから担税力がある」という徴税側の理屈ですね。理屈というか、思い込みだけど。それで1ラウンド500~1200円程度の幅で取られるのが一般的です。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> だけど今は金持ちだけがゴルフをしているわけじゃないし、プレー料金もバブル時代に比べれば格段に下がっている。その中で利用税を取るのはケシカランと、業界は全面撤廃を主張してきました。 ただ、おっしゃるように実現性が薄いわけだから、全面撤廃じゃなく「条件闘争」に持ち込んで具体的な道を探ろうと、わたしは以前から主張してるんですよ。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> まったく同感です。以前は「娯楽施設利用税」として麻雀やダンスホールと同じ括りだった税金が、今はゴルフ場利用税になって進歩というか、それで条件闘争がやりやすくなった面もありますよね。 <strong>G 進歩ですかねえ。消費税の導入で「娯楽税」が撤廃されたものの、ゴルフ税だけが名前を変えて残ったのは業界の敗北じゃないですか。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> まあ、そういう考えがあるとしても、課税の名目が「娯楽」から「ゴルフ」に限定されて、税の10分の7がゴルフ場所在地の市町村に落ちるわけだから、条件闘争はしやすくなったはずですよ。 撤廃じゃ地方財政はまわらないから、撤廃をゴリ押しするのではなく、せめて一部をゴルフ振興に戻してくださいと。利用税の一部が「緑の甲子園」に使えれば、本当に大きいですからねえ。 <strong>G 利用税は500億規模だから、1割でも50億円程度になる。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> 田中さんがおっしゃる高校ゴルフの支援策は、条件闘争を具体化するための一案にはなりますね。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> そうなんです。是非、NGKさんと共同で働き掛けたいと。そんな思いがあるんですよ。 <h2>コロナでスルーは定着するのか?</h2> <strong>G 若者ゴルファーを増やすことは業界の大きな課題ですが、その際の障害は「ゴルフは丸一日掛かる」という時間的な問題があります。せめて半日になればプレー人口が増える可能性が高まりますが、コロナの「3密回避」でスルーが浸透すれば時短も定着する。どうですか?</strong> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> うちは緊急事態宣言中の5月に全コースでスループレーを可能にして、約80コースのレストランを閉めました。つまり「スルー専用」の実験をしたわけです。 約60コースはレストランを開けて、閉めたところと比較したら、開けたほうの収益が高かった。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> それは頷ける話ですね。昔、鎌倉パブリックでスルーを試したことがあるんですよ、午前と午後の二部制にして。これが見事に外れたのは、午前はアッという間に埋まりますが午後がまったく埋まらない。 食堂の売上もどーんと落ちて、半年後に分析したら、まずは交通事情の問題があった。沖縄と北海道は時間が読めますが、本土で11時頃のスタートだと渋滞にハマってまったく読めない。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> 最初の1年はおっしゃるように午後がダメで、安くしても埋まりません。ただ、3~4年続けると浸透する。その3~4年が厳しいわけですよ。 当社の系列のKOSHIGAYA GCは5年ほど前に改造して、スルーやツーサムを導入しましたが、今は午前も午後も満杯です。粘り強く続ければ、いずれ浸透するわけですが。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> あそこはメディアもよく取り上げてますね。コンパクトなハウスの屋上でバーベキューとか、アメリカ的な要素もあって。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> そうなんですよ。ハウスはハワイのタートルベイを意識して、もっとコンパクトにしようと思ったんです。練習場もオープンで、プレーしなくても勝手にどうぞ、そんな雰囲気づくりですね。 それでホットドッグも研究して、アメリカで食べまくりました(笑) <strong>G KOSHIGAYA GCはホットドッグよりも、スパムの握り飯のほうが美味いですね。個人的な意見ですが。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> ん~、ホットドッグは本場に敵わないのかなあ(苦笑) <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> 何が違うんですかねえ。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> なんかこう、ソーセージが違っていて、パンとの組み合わせがアレというか。 <strong>G 米軍がやってるゴルフ場(多摩ヒルズ)のホットドッグ、あれは断トツで美味いですね。ピクルスを刻んだのをたっぷりのせて、ソーセージもでかくてケチケチしない。あのケチケチしない感じが美味いんじゃないですか、アメリカ的で。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> なるほどねえ(笑) <strong>G スタート小屋でかぶりつくのがいいんですよ、アメリカ的で。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> なるほど。 <h2>ゴルフ場のスリム化を考える</h2> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> あのお、これからのゴルフ場を考えるとき、ハウスの在り方が凄く重要になると思うんですね。ゴルフ場経営で金を食う大きな要素のひとつが倶楽部ハウスで、その補修やメンテナンスにコストが掛かる。 スタート小屋のホットドッグじゃないけれど、ハウスのコンパクト化ですね、導線を含めたハウスの考え方をどうするかは大きなテーマになるはずです。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> 現状、大半のゴルフ場はハウスに投資する体力がないでしょう。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> ですからゴルフ場経営をコースメンテナンスと機材関係、これにスタート小屋という形でやれば年間1億を目安にしてまわせます。 入場者4万人で客単価2500円、これに利用税500円を乗せて3000円。ハウスがなければ10~15人で運営できますから。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> そうですね。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> で、売上1億を大衆化路線の目安と考えたとき、その収益構造をつくれないところは生き残りが難しい。特に北関東です。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> 北関東はゴルフ場が多過ぎますよ。今の時代、東京から片道1時間半のコースには行きませんし、すると地元需要が大事ですが人口が少ない。北関東と兵庫の西、ここは淘汰される可能性が大きいでしょう。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> それに輪を掛けたのが今回のコロナで、耐えられないところも出てくるでしょうね。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> そこでM&Aの話をしますとね、年間100コースほどの情報があるんですが、成立するのはせいぜい2から5なんですよ。売り主の提示額が高すぎて、我々とは感覚がまったく合いません。 <strong>G いくらですか?</strong> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> 具体的には言えませんが、このコースで何十億はムリだろうというところもあって。今後、コロナと台風で経営は厳しくなるでしょうし、底値を見ている状況なんです。 <strong>G 大づかみな数字を言えば、先ほどの1億はボトムとしても、客単価1万円で年間来場者3・5万人。3億5000万円のキャッシュフローで運営できますか?</strong> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> 一般的な話をすれば18ホールの基本コストは3億5000万円が目安です。諸々の税金にコース管理、人件費など全部入れて3・5億が損益分岐点になりますが、当然、平均来場者3・5万人を切るところもあって、客単価1万円も厳しいですよね。 これは推測ですが、国内2200コースの半分は償却前利益で赤字でしょう。減価償却後の会計上の利益だと、3分の2が赤字かもしれません。 3億5000万は絶対に掛かるし、客単価1万円は厳しいから、安全に見て4万人でペイできる。そんな目算を立てています。 ただ、これに台風など不測の事態も織り込む必要があって、先ほどもちょっと触れましたが、一昨年の西日本豪雨では進入路から何から全部やられて、直すのに数十億の出費ですよ。 <strong>G それでも捨てられない。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> はい。利益が期待できるゴルフ場であれば、中長期的には取り戻せますから。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> 単独系のゴルフ場だと数年間は耐えられない。そこはチェーンならではの強みでしょうね。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> おっしゃるとおりです。 <h2>「ゴルフ外収益」の可能性</h2> <strong>G ゴルフ場経営をゴルフだけでやるのではなく、「ゴルフ外収益」はつくれませんか? 今後、収益の多様化は必要でしょう。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> それね、皆さん同じことをおっしゃいますが、特に地方のコースでは無理ですよ。ゴルフ外収益はKOSHIGAYA GCや東京、神奈川のコースはできますけど、その他は採算が合わない以前に需要もありませんから。 <strong>G 地元の陶芸家の販売会とか?</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> ダメですね(苦笑)。当社のこぶしGCは岐阜県可児郡で焼き物の町だから、一応、置いてはいるんですよ。だけどあまり売れないし、売れてもマージンくれとは言いにくいからボランティアみたいなもんですよ。 これからスルーがトレンドになるとして、プレー代が6000円なのに3000円の茶碗を買いますか? 片山さんもやってみればいいんですよ。 <strong>G ゴルフ場で物売りを?</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> そう。 <strong>G 売れない小説を販売する?</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> そうそう(笑) <strong>G イヤですよ。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> ほらね。なんでもそうですが、コメンテーターがテレビに出てきて無責任にああでもないこうでもないって言うじゃないですか。無責任に言いすぎですよ。 <strong>G ん~、素人は口を出すなと。そう言われると多少、ムカッ腹が立ちますけどね。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> あははッ。失礼しました。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> 実際、過去にサイドビジネスは沢山試しましたが、労力の割に採算が合わないんです。 たとえばレストランをプレーヤー以外に開放して地元の法事をやった、結婚式もやりました。そういうの全部やりましたが、結婚式の需要がないし準備その他で割に合わない。 やはりゴルフ場はゴルフ場として、空き枠にきっちり入れることが王道だと思いますね。 <strong>G 王道はきちんと守る必要があると。その上でニューノーマルの話ですが、いろんな世界で「新しい様式」が台頭しています。ゴルフの場合はどうですか?</strong> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> 5年というスパンで見た場合、スルーは定着するというか、スルーにならざるを得ないと思いますね。 ゴルフ場にはいろんな悩みがありますが、総合するとコース管理とレストランの人手不足に集約されて、 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> だから外国人労働者の雇用が課題になるんですよ。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> なんですが、ゴルフ場経営はレストランをやめてスルーのほうが楽じゃないですか。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> たしかに。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> 外国人労働者は2種になっても(就労期間は)3年ですよね。 レストランの収益は大きいし、ハウス内の独占販売だから儲かりますが、ようやく仕事を覚えた頃に帰国するから、期限付きの雇用は足枷になります。 もうひとつの考え方は、昼休憩ありで一日50組が上限とした場合、スルーだと頑張れば75組入るんですね。1・5倍の入場者は大きいですよ。 <h2>稼ぎ頭の「法人コンペ」がなくなる?</h2> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> スルーの定着でレストランをやめた場合、コンペのパーティはどう考えます? これ、かなりの稼ぎ頭ですが。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> 3分の1は食事しないで帰る、残り3分の2に需要があったとしても、専門業者への委託とか方法はあると思いますよ。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> 問題は、コロナで法人需要が激減しただけではなく、仮にコロナが収まっても接待や法人コンペは不要という空気が蔓延すれば、かなり厳しくなると思うんですね。 特に法人コンペは受付に社員を出してくれるし、飲み食いにお土産の売上もあるから、これがなくなるのはデカいですよね。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> そうですよねぇ。ウチは4~5月の入場者が3割減って、3組以上のコンペがなくなったことで売上は4割減ですよ。 ご指摘のようにコンペの飲食とお土産が響いたわけですが、今後ワクチンができてどうなるのか。そのあたりは見えません。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> ワクチンができて終息しても、法人ゴルフは不要という空気の蔓延がね、ちょっと怖い。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> わたしも同じ心配をしてますが、仮に法人コンペが低調でも単組でどうにか頑張ろうと、粘り抜くしかないですよね。 <h2>PGMがNGKに入会</h2> <strong>G ここで肝心な話、そもそもPGMはなんでNGKに入らないんですか? 手塚さんの代わりに聞きますけど(笑)</strong> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> あのぉ、意識的に入らないということじゃなく、あまり意識しなかったというのが正直なところなんですね。それと、入会すると系列の全コースが会員になって、多額の会費になるんじゃないかと、 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> いや、先ほどもちょっと触れましたが、会社として正会員の10万円を払えば系列コースは副会員で1万円だと。 しかも、系列全コースが「副」になる必要もなくて、仮に御社が全国6ブロックに分けていて、各地区に代表的な6コースがあるとすれば、そこだけ副会員になってもOKなんです。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> アッ、それじゃ入ります。 <strong>G ハイ、決定! 今後NGKの理事会に諮る必要はあるでしょうが、基本的な入会の流れはできましたね。ここで手塚さん、NGKのPRをしてください。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> そうですか(笑)。実はあまり知られていませんが、凄い活動をしてるんですよ。そのひとつが固定資産税の値下げで、鎌倉にある2コース(各18H)はピーク時の税額が合わせて1億5000万円でしたけど、我々が折衝した結果、合計6000万円になったんです。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> ほお~。 <strong>G 固定資産税が半額以下?</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> はい。まずは総務省と5年間勉強会を開きましてね、評価基準の見直しに漕ぎ着けた。で、総務省が各自治体に通知して、東京を皮切りに他も付随して下がったという経緯です。 NGKの活動を知らない人は「自治体が勝手に下げたんでしょ」と言いますが「いえいえ、違います。我々が運動した成果なんですよ」と。 それと河川敷の話をすれば、NGKは当初から河川敷問題の情報交換が活発で、協会内には河川敷委員会があるんですね。 全国の河川敷経営者が集まって話し合い、各コースが個別に県や国交省と折衝してきました。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> そうなんですか、それは幅広い活動ですねぇ。河川敷は国有地だから、会員権問題もあるじゃないですか。そんなことも含めて、NGKさんが代表になって行政と折衝するわけですね。行政以外のこともまとめて頂きたいし、我々も協力は惜しみません。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> ピークの加盟数は450コースほどあったものの、バブルの破綻で日東さんが抜け、スポーツ振興が抜けるといったように大口の会員がどんどんなくなった。 それで今の数(210コース)なんですが、とにかくこの業界は国と折衝する代表機関がないと間違いなくダメなんです。個別にはね、地区地区でゴルフ場同士の競争はあるでしょうが、それはそれとしながらも、国との折衝や業界の底上げを全体でやらないと他の産業に負けてしまう。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> まったくおっしゃるとおりだし、その考えには完全に賛同します。 ゴルフをスポーツ文化に育てたいという想いの中で、業界団体が力を持つことは必要ですよ。力を合わせて一緒にやっていきたいと、真剣にそう思いますね。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> ありがとうございます。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> 用品もトーナメントも何もかも、この業界はゴルフ場がないと成立しない。 サミット16団体にはいろんな協会がありますが、イニシアチブを取るべきはゴルフ場だし、その経営者の集まりであるNGKが中核にならないとダメですね(笑) <strong>G 国は業界団体の組織率を重視します。全体の1割程度だと業界を代表してないじゃないかと。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> そう、大きくすることも必要でしょうね。 <strong>G その際、手塚さんが大変そうなのは、バブル破綻で多くの「旧友」がハゲタカファンドに買収されたし、買収した一翼がPGMだと。そんな恨みがNGK会員の一部に残っているなら、これを越える必要がある。</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">手塚</span> いや、わたしはとっくに越えているし(苦笑)、何より大事なのは大同団結じゃないですか。まずはこれをやらないと、業界の未来は描けませんから。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">田中</span> 一緒にやりましょう!
    (公開)2020年08月05日
    全国141コースを運営するPGMはこのほど、4月の業績を発表した。売上は4割減と深刻で、 「東日本大震災のときは3割減。あれよりかなり悪いです」 田中耕太郎社長はそう話した。大震災時は、被災地域のゴルフ場で修復工事等が必要だったが、それ以外のエリアは無傷だったことが被害を限定的にした。今回のコロナ禍は全国に自粛が広がって、業績を著しく押し下げた。 既存店ベースの実績は139コースとなり、売上は42億8800万円で前年同月比42・6%減。来場者は46万5000人で34・5%減。売上と来場者の数字に8ポイントの開きがあるのは、客単価が18・0%下がったことによる。このあたりの事情について同氏は、 「コンペの減少が非常に大きい。当社の場合は通常、コンペの入場者が3割で、コンペ関連の売上は4割を占める。パーティやお土産代が含まれるから収益への貢献が大きいのです。 ところが、主催コンペで感染者が出たら、その企業は姿勢を問われてしまう。コンペが続々とキャンセルになったことが業績に反映したのです。 この状況は5月も続くでしょう。4~5月は昨対で半減するかもしれない。そのような見立てをしていますが、他の業種、たとえば飲食業や旅行、ホテル業に比べればゴルフは恵まれていると思います」 ただし、この状況を逆手に取る戦略も同時に考えている。スループレーの普及によって、ゴルフの大衆化を一気に進める青写真がそれ。同社は5月以降、全コースでスルーに対応し、約6割に相当する80コースを「スルー専用」にするという思い切った手を打った。 短期的にはランチ収益の減少、ツーサムプレーの積極化やスタート間隔を空けるなどで入場者減も予想されるが、 「業界は今後、若者と女性ゴルファーを増やす必要がある。その意味でスルーの普及は、中長期的に見ればゴルフの大衆化に寄与できます。コロナでピンチをチャンスにしたいですね」 ゴルフ場運営の最大手が、80コースを「スルー専用」に切り替える大英断。そのあたりの詳細はGEW6月号に掲載する。
    (公開)2020年05月18日
    国内140以上のゴルフ場を保有・運営するパシフィックゴルフマネージメント株式会社(以下:PGM)は1月下旬、今後のゴルフ業界発展に欠かせない「グリーンキーパー」の育成を目的とした公開講座『第15回PGM CMアカデミー』を開催した。*CMはコースメンテナンスの略称 今回、同アカデミーの受講者は社内外から集まった計48名。5日間の日程にわたり「クリアビューゴルフクラブ&ホテル」(千葉県野田市)、「総武カントリークラブ総武コース」(千葉県印西市)、「KOSHIGAYA GOLF CLUB」(埼玉県吉川市)の3ゴルフ場を使用して座学・屋外実習を実施。この合同研修を通じ、全国標準での教育及びPGMの経営方針の共有化が大きな狙いにある。 今年で15回目を数える同アカデミーの社内総受講者数は466名にも上る。試験合格者の内、現在GK(グリーンキーパー)84名(全体の62%)、AGK(アシスタントグリーンキーパー)103名(同90%)が全国のPGMゴルフ場で活躍中。 今回は、東名厚木カントリー倶楽部(神奈川県厚木市)の福田源チーフへ取材を敢行。リポートする。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/05/IMG_0876.jpg" alt="" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-62332" /> <strong>――5</strong><strong>日間の研修を終えた感想は?</strong> 「大学ではスポーツ科学を専攻していましたので、農業とは全く無縁でした。特に芝草に関しては日々勉強が必要で、マニュアルどおりにはいきません。コース管理の知識があるだけではいけないと痛感。非常に充実した4日間でした」 <strong>――将来、何を目指して受講した?</strong> 「ゴルフ場を管理するグリーンキーパーのアシスタント(AGK)を目指すために受講しました。 将来的には、多くの来場者に満足いただけるコースメンテナンスはもちろん、自分が思い描くコースが作れるよう努力したい。そのためにはまず、『AGK』への昇格が必須と考えます」 <strong>――印象に残った講義は?</strong> 「農薬を撒く実技講習です。多くのゴルフ場や現場を経験されてきた方々の話す内容は、自分の中でも身に覚えのあるものでした。今まで以上に、ゴルフ場の生命線はコースだと再認識した次第です」 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/05/a7ebf99b83a693fd2fe023240182fdb7-1.jpg" alt="" width="788" height="525" class="size-full wp-image-62336" /> 東名厚木カントリー倶楽部(神奈川県厚木市)の福田源チーフ <strong>――東名厚木に帰り、どのような心構えで仕事に臨むのか</strong> 「私のモットーは、お客様のプレーの妨げにならないこと。そして、コース管理は、刃物を使った機械を使用していますので、“安全”を常に心がけていこうと再確認した次第です」 <strong>――コース管理で難しいこととは</strong> 「基本的なメンテナンス作業は毎年そう大きく変わることはありません。ただ、シーズンによっては、降水量が少なかったり、台風やゲリラ豪雨も突如としてやってくる。コースは生物ですから、対峙する能力が問われる責任のある職種だと感じています。焦らずにいかに自然と向き合えるか・・・経験の浅い私はまだまだですね」 <strong>――研修を通じて仲間はできた?</strong> 「はい! 全国各地のAGKやGKを目指す方々と触れ合うことができたのは自分の財産です。気候が違うとゴルフ場のメンテナンスはこうも違うんだ、と。コース管理に携わる人間は、“好奇心”や“探求心”を持っている人が多いと改めて感じましたし、情報の価値も大きく、共感する部分も多かったですね。 この仲間たちと今後、情報を共有して、PGMゴルフ場の発展に寄与していきたい。次はAGKを目指します!」 PGMでは、ゴルフ場運営会社のリーディングカンパニーとして、業界全体のコースメンテナンス向上に今後も注力する方針だ。 <iframe src="https://www.youtube.com/embed/aI5EMQiyRZU?rel=0" width="788" height="433" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/05/IMG_0990.jpg" alt="" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-62337" />
    (公開)2020年05月16日
    国内142コースを運営するPGMは、新型コロナウイルスの影響でコンペのキャンセルが相次いでいる。3月5日現在、2月以降のコンペ(3組以上)は1600件、1万1500組がキャンセルされ、法人需要が中心だった。 また、同日現在の予約状況は既存137コースとの前年同月比で3月95・0%、4月96・0%、5月に103・0%となり、5月に上向き傾向が見られるが、3、4月は厳しい商況となりそうだ。 顧客心理として「ゴルフはしたいけど、レストランでの食事や入浴など、クラブハウスでの長時間滞留を嫌気する傾向がある」と分析。そこで同社はこの機を捉え、以前から注力する1ラウンドスループレーの枠を増やし、コロナ対策とゴルフのカジュアル化を同時に進める。 現状、約50コースでスループレー枠を公開しているが、3月11日を目処に「スループレー特集」を全国にメルマガ配信。丸一日掛かるゴルフの敷居を下げることで、今後の需要開拓につなげる構え。 安全対策として、ビュッフェ形式の朝・昼食を原則、全コースで中止(一部スタッフの盛り付け有り)。来場者への注意喚起として、全コースの玄関に消毒等の励行を掲示する一方、従業員へはマスク着用、咳エチケット、健康管理を徹底させる。 また、同社が特別協賛するPGM世界ジュニアゴルフ選手権・日本代表選抜大会(東日本5、西日本3会場=2月29~4月19日)は主催者が3月2日に中止を決定、高校ゴルフ連盟主催の春季大会(滋賀GC、3月24~26日)も3月2日に中止が決まった。 スポーツイベントは全国的に中止・延期となる傾向だが、大相撲は無観客試合で開催中など、個々に判断が分かれている。ゴルフ界では国内女子ツアーが初戦から2試合連続中止となったが、専門家の意見を判断材料に取り入れる必要がある。
    (公開)2020年03月09日
    国内141コースを運営、来場者796万人を数えるPGMは、今年3月期の前期決算で売上高825億円、昨対1.7%増を記録した。昨年7月の西日本豪雨など多くの天災に見舞われただけに、田中耕太郎社長は「かなり頑張った」と胸を撫で下ろす。 が、ゴルフ場業界を取り巻く環境は厳しさを増す。最たるものが市場の中核を成すシニアゴルファーのリタイアで、社会問題化している高齢者の暴走事故や免許返納がゴルフリタイアを早める可能性もある。つまり、四面楚歌の状況なのだ。 このような現状をどのように捉えているのだろう。田中社長に展望と解決策を聞いてみた。本文はGEW(月刊ゴルフ用品界)7月号「VIPの視点」を要約、併せて動画インタビューもご覧頂きたい。(聞き手・片山哲郎) <h2>天災によるコース崩壊は保険適用外</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/07/pgm2.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-58167" /> <strong>前期は悪要因が重なりましたが、決算は健闘の部類ですね。</strong> 「ありがとうございます。ご存知のように昨年は、7月の西日本豪雨に記録的な猛暑、二度の大型台風縦断があって、最後に北海道の地震(胆振東部地震)です。これによって第2四半期(7~9月期)の業績は大きく左右されました。特に豪雨の被害は甚大で、今も4コースほどが通常営業できていません」 <strong>どんな被害状況ですか。土砂で1ホール丸潰れとか?</strong> 「いやもう、凄いですよッ。フェアウェイの陥没なんてもんじゃなくて、岸和田CC(大阪府)なんかは進入路が消えてしまった。ここは27ホールだったので、9ホール潰して進入路をつくったり・・・。あの様子は言葉では表現できませんね。 ただ、通期の業績は秋の天候が安定して、冬場も雪が少なかったでしょ。来場者は796万人で、来場者数と売上は前年をクリアできました。平均客単価も微増(9218円)だったから、計画値には及ばないものの、かなり頑張ったと思います」 <strong>災害の保険適用は?</strong> 「ゴルフ場には施設賠償保険があって、クラブハウスには適用されますが、コースは適用外なんですよ。ウチだけじゃなく西日本のゴルフ場は相当やられたし、復旧費用はどこもかなりでしょう」 <strong>数億円規模ですか?</strong> 「そんなものではありません。回復に10億20億掛かるとすれば、財務的に弱いところは廃業に追い込まれてしまう。ゴルフ場業界はプレー人口の減少など多くの課題を抱えていますが、異常気象は一番深刻かもしれません。ゴルフ場は赤字経営が多いので、諸問題に耐えられなければ売却案件が増えるかもしれませんね」 <h2>高齢者の免許返納問題は?</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/07/pgm5.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-58168" /> <strong>自然災害の一方で、昨今は高齢者の暴走事故と免許返納が社会問題化しています。深刻なのは、業界の上顧客である団塊の世代がクルマを手放すと、ゴルフリタイアが前倒しで加速する。これも大きな問題じゃないですか。</strong> 「もう、毎日ニュースでやってますよね。それで免許返納が加速すれば業界への悪影響もあるでしょうが、この問題で最初にピンと来たのは自走カートの運転ですよ。脇見運転したら崖や池に落ちますし、この面での危険性が高まっているのかなと。 安全管理をこれまで以上に強化すると同時に、電磁誘導カートへの切り替えですね。当社の場合は自走カートが全体の6割以上と多いので、特に山岳コースは切り替える必要があるでしょう。 また、池の縁石を補強したり、危険個所の案内板を増やしたり。全長7㎞のカートパスを細かく点検して十分な対策を講じること。そんな思いが日増しに強くなっています」 <strong>18ホールの場合、必要なカートは何台ですか。</strong> 「一日50組とすれば、予備を含めて60台は必要になります」 <strong>1台の値段はいくらですか。</strong> 「一般的には、5人乗りのガソリン車で1台120万~130万円はすると思いますね。頑張れば10年は使えますけど」 <strong>なるほど。1コースで全部交換すると7000万円ほどの出費になる。で、免許返納問題は、業界にどれほどのインパクトを与えると考えられますか?</strong> 「その点はいろんな見方がありますが、まず、免許返納のスピードは早まると思います。その衝撃度ですが、来場者の年齢構成比を見てみると、当社の場合は延べ800万人で80歳以上が3%、70代は20%だから合計23%です。 さらに後期高齢者の75歳以上でラインを引くと10%になりますが、仮に75歳以上の層があと5年でゴルフリタイアすると仮定すれば、返納問題によって来場者の1割が消えるスピードが早まると。すると、その分を若い来場者で埋める作業が大事になる。つまりこの問題は、」 <strong>来場者80万人分の補充作業という見方もできる。</strong> 「おっしゃるとおりです。と同時に、この問題をクルマ離れの観点で考えてみると『電車でゴルフ』の環境整備、つまり送迎バスの有無が重要視されるので、この部分を強化する必要もあるでしょう。  実は今、46コースで送迎バスを出していますが、需要の大半は関東のコースなんですね。関東には系列59コースありまして、その6割に当たる35コースで送迎バスを出しています。 これ以外では大阪で10コースほど出していますが、逆にまったくないのが名古屋圏と中四国、九州、東北で、このあたりは電車でゴルフの文化がないというか、」 <strong>そもそも電車が通ってない。</strong> 「そう(苦笑)。むしろ自宅からクルマで30分とか、クルマ社会を前提に成り立っているから『電車でゴルフ』は都市部の課題でもあるわけですよ。で、これに関連するのが人手不足です。 この問題も極めて深刻なんですが、自社でバスを出す場合は自前の従業員を確保するのが難しくて、採用しても年配者が多い。それで事故でも起こされたら大変だし、そのリスクを考えると簡単にバスは出せません。それと、送迎バスを出せるのは最寄駅から30分以内が目安なので、対応できるコースも限られます」   <strong>すると、電車で行けるゴルフ場の価値は上がっていく?</strong> 「んー、どうでしょう(笑)。そのへんはよくわかりませんが、返納問題に話を戻すと、これは80代が大半じゃないですか。この世代は当社の3%で、しかもこの3%はほとんどメンバーです。 ということは自宅から近い、電車で行ける。80過ぎたビジターがクルマで来場されるケースは限りなくゼロに近いはずだし、そう考えればリタイアは、自然の摂理で仕方ないのかなと。個人的にはそんな印象をもっています」 <h2>若いゴルファーを増やす具体策</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/07/pgm4.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-58169" /> <strong>自然の摂理で減少する分を若返りで埋める必要がある。その際、シニア層が保有する会員権を下の世代にシフトする必要もありますね。</strong> 「はい。その施策を以前から進めていて、この5年ほどは自社発行の補充会員募集をやっています。PGMには18万人の会員がいらっしゃって、平均年齢は63歳ですが、補充会員の平均は50代半ばなんですよ。 イメージ的には、75歳以上の会員が100人ゴルフリタイアで退会したら、その半分を若返りの会員で補充する感じで、トータルの会員数は減少傾向なんですが、2~3年掛けて補充する活動を大半の系列コースでやっています。 もうひとつ、プレミアムステージというのがありまして、これは65歳以上で会員権をもっている人は二親等以内の方に譲渡できる。本人は会員じゃなくなるけど、会員待遇でプレーできます」 <strong>名変料は?</strong> 「いずれも掛かりません」 <strong>若い世代にとって名変料は理解しにくいし、会員権が10万円なのに名変料が100万円のケースも珍しくない。これは会員権の流動性を阻害する面もありますね。</strong> 「それを言ったら会員権相場にも触れなきゃダメですよ。つまり相場があるから名変料があるわけで、昔からのやり方が残っているわけですが、同様に預託金というのも不思議でしょ。だから今、当社が自社発行している会員権は預託金がなくて、入会金だけです」 <strong>というか、預託金はゴルフ場をつくるための錬金術だった。</strong> 「まあ、バブル時代に1000万円の会員権があったとして、預託金7割、入会金3割で、7割の分を10年、15年の据え置きでゴルフ場に預けたと。それで(返せなくて)どんどん潰れたという流れですよね。会員権相場があり、預託金があって名変料があるというのは、多分日本のゴルフ場だけでしょう。 だから今、自社発行分について名変料はありません。先述の施策を5年ほどやっていて、新しい会員の平均年齢は56~57歳。一番安い会員権は10万円ぐらいで高いのは100万円ほど。それで年間5000人ほど入会しています」 <h2>古参の会員が若者をにらむ</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/07/pgm3.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-58170" /> <strong>次に「グランPGM」の話を伺います。これはハイエンドの12コースをグループ化する試みで、系列141コースを階層化する試みですね。傍目にはアコーディアの「トロフィア」と似てますが、狙いは何です?</strong> 「そもそもの問題意識は、ゴルフ場来場者の属性がバラバラというところにありました。初心者もいればシングルもいて、対象者が不明確なんですよ。 ゴルフ人口の減少理由を考えると、シニアが多くて若者が少ない。若者がやらない理由は沢山ありますが、年配者が多いから自分達が浮いてしまうという問題も指摘されます。 年配者が中心だと、ゴルフ場のオペレーションもそれに合わせるじゃないですか。食事のメニューがシニア向け、松の盆栽が置いてあったり、囲碁・将棋がデンとある。スタートホールでは後続のシニア会員に睨まれたりして(苦笑)」 <strong>あの態度は本当に問題ですね。ゴルフが上手いだけの古株が、牢名主みたいに威張ってる。威圧されてゴルフが嫌いになった若者は星の数ほどいるでしょう。</strong> 「で、若い方が初めてゴルフ場に行きました、それで諸々の光景を目の当たりにすると、エッと息を呑むわけです(苦笑)。 そこでグランPGMの話ですが、ゴルフ界の課題を若者、女性、インバウンド需要の開拓とすれば、これからのゴルフ場は個々のターゲットに合わせて照準を定める必要がある。その特色づけのひとつとして、まずはハイエンドの10コースほどをまとめてみようと。 実際、お題目だけじゃ進まない部分が多いんですよ。業界は今、レディス開拓を掲げてますが、阻害要因のひとつにキャパシティの問題があって、女性用ロッカーが10個しかない、あるいは浴場のカランが3つで家風呂と変わらないとか。 古いコースは女性用施設が貧相極まりないし、男女の使用面積比率が95対5も珍しくない。女性の浴場、ご覧になりました?」 <strong>ないですよ。見たら通報されてしまう(苦笑)</strong> 「なるほどね(笑)。もうひとつがインバウンドで、これも外国人来場者が5割以上占めないと成立しにくい」 <strong>わかります。特に韓国のゴルファーは非常に熱い。勝った負けたで大声で話すと、日本人との軋轢が生じてしまう。</strong> 「そう、つまり『混在』ですな。若者や女性が増えないのも混在が大きな要因で、たとえばフルコース4万円の高級レストランにジーパンの若者が来ていたら、二度とそこには行きませんよね。 ゴルフ場も同じことだから、グランPGMは単価を上げて、1万3000~1万4000円に設定してます。141コースの平均単価が9218円だから3割ほど高いわけですが、その分組数も制限する。 一日60組入れるコースはスタート間隔が5~6分で詰まるけど、これを8分間隔にすれば45組程度だけどゆったり楽しめる。早朝・薄暮プレーをやらずにコースの常態を良好に保ち、スタッフのサービスも高級ホテル並みを目指したい。 141コースの平均従業員数は18ホールで60人超ですが、グランPGMの場合はクラブハウス内のスタッフを通常の1.2倍程度に考えています」 <strong>ネット予約への制限は?</strong> 「グランPGMは大手2社(楽天GORA、GDO)からも予約できますが、枠数はかなり狭めています。提供は冬場の枠だったり、枠自体を公開しない日もあって、メンバー優先でコントロールしていきます」 <h2>志向性に合わせた分類法</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/07/pgm6.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-58172" /> <strong>141コースをマッピングする上でハイエンド、若者、女性、インバウンドがあるとして、それ以外の分類法はどうですか。</strong> 「その話でいうと『スルー』もひとつのカテゴリーになるでしょうね。本州では9ホール終えてランチが当たり前ですが、沖縄・北海道はスルーじゃないですか。これを本州でも増やしたい」 <strong>それは大賛成です。ゴルフの難しさは、スタートの3ホールで心と身体をコース空間に馴染ませることもありますが、ようやく慣れて来たのに「お昼です」って。食事で腹が膨れ、また頭の3ホールからやり直す。後半のスコアが悪いのは昼飯のせいですよ。</strong> 「まあ、それはともかく(苦笑)、スルーの文化を本州でつくらないと若者が増えないと思うんですよ。特に関東圏はゴルフ場行くのに1時間半、帰りは渋滞で2時間。朝は4時とか5時に起きて、コンペのパーティやったら帰宅は夜。これでは本当に苦痛です。 スルーで早めのスタートだと、一日を有効に使えますよね。これやらないと若者は増えません。現状、スルーの試みは5コースでやっています。コシガヤGC(埼玉県)を皮切りに、東京ベイサイドGC(千葉県)、今年に入って多治見北GC(岐阜県)と名阪チサンCC伊賀コース(三重県)などですが、今後、毎年2コースぐらい増やす感じで進めます」 <strong>「カジュアル・スルー」がひとつのカテゴリーになると?</strong> 「はい。今の状況で劇的に若者を増やすのは難しいと思いますが、当社には141コースあるのでチャレンジできる。 新しい試みは定着するまでに時間が掛るんです。スルーの導入も当初は反対の声がありましたし、業績的にもマイナスが生じる可能性がある。でも、当社の場合は他のコースでカバーできますから」 <strong>全体最適の中で個別の挑戦ができる強みがある。</strong> 「そう。ですから単体の経営者の方とは考える土俵が違うと思うんですね。別の観点で言えば、去年銀座にオープンしたインドア施設もそうです。手ブラでレッスンを受けられるし、みんなでワイワイ楽しめる。女性の来場率は3~4割じゃないですかね。 オープンして1年未満ですが、銀座を基点にゴルフ場への誘導を考えていきます。ここで様々なノウハウを構築したら、他の大都市圏に水平展開することを含めて議論したい。いろんな面で改革を進めていきますので、期待してください(笑)」 *月刊ゴルフ用品界(GEW)7月号「VIPの視点」から抜粋・要約。以下、田中氏との動画インタビューを2パートに分けて掲載する Part1(約6分間) <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/dq2lR0GHCJw?rel=0" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe> part2(約4分間) <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/PZkHLRNfIzw?rel=0" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe>
    (公開)2019年07月12日
    国内140以上のゴルフ場を保有・運営するパシフィックゴルフマネージメント(PGM)は1月下旬、ゴルフ業界の発展を視野に入れた「グリーンキーパー育成」の公開講座『第14回PGM CMアカデミー』を開催した。ちなみにCMは「広告」ではなく、「コースメンテナンス」の略称。社内外から参加者を募り、今回は48名が受講した。 ゴルフ場業界は今、深刻な人手不足に悩んでいる。なかでもコースメンテナンスは「ゴルフ場の生命線」といえる重要な仕事だが、その人材育成は各社にとって重い課題だ。今年14回目を迎える同アカデミーは、その解決策としても注目される。 <img class="aligncenter size-full wp-image-55206" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/03/pgm4.jpg" alt="「ゴルフ場の生命線はコースです」――。業界全体のメンテナンス力向上を目指す『第14回 PGM CMアカデミー』開催" width="788" height="525"> 5日間の日程にわたり「クリアビューゴルフクラブ&ホテル」(千葉県野田市)、「総武カントリークラブ総武コース」(千葉県印西市)、「KOSHIGAYA GOLF CLUB」(埼玉県吉川市)の3ゴルフ場を使用して座学・屋外実習を実施。全国標準での教育及びPGMの経営方針の共有化が大きな狙い。 これまでの累計社内総受講者数は425名。試験合格者の内、現在GK(グリーンキーパー)71名(全体の59.3%)、AGK(アシスタントグリーンキーパー)99名(同86.8%)が全国の系列ゴルフ場で働いている。 今回は、AGKを目指す茨木国際ゴルフ倶楽部(大阪府茨木市)の笹井貴博さん(26)に取材した。 <img class="aligncenter size-full wp-image-55203" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/03/pgm1.jpg" alt="茨木国際ゴルフ倶楽部(大阪府茨木市)笹井貴博" width="788" height="525"> <strong>―5日間の研修を終えた感想は?</strong> 「まだ4年と経験が浅いので、補う知識がたくさんありました。特に芝草に関しては日々勉強が必要で、マニュアルどおりにはいきません。コース管理の知識があるだけではいけないと痛感したし、充実した4日間でした」 <strong>―将来、何を目指して受講した?</strong> 「ゴルフ場を管理するグリーンキーパーのアシスタント(AGK)を目指すために受講しました」 <strong>―印象に残った講義は?</strong> 「『農薬総論』です。これ以外にも外部の方の講義が多数ありましたが、多くのゴルフ場や現場を任された経験経験者の話しは、自分の中でも身に覚えのあるものが多かったですね。今まで以上に、ゴルフ場の生命線はコースメンテナンスだと再認識しました」 <img class="aligncenter size-full wp-image-55204" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/03/pgm2.jpg" alt="講義の様子" width="788" height="525"> <strong>―AGK資格取得後は何を目指す?</strong> 「多くの来場者に満足してもらえるメンテナンスはもちろん、将来自分が思い描くコースを作れるよう努力したいですね」 <strong>―茨木国際に帰り、どのような心構えで仕事に臨むのか</strong> 「私は大学卒業後、新卒でPGMへ入社しましたが、モットーはゴルフ場の感動をお客様へ伝えること。そして、価格に見合ったコースコンディション以上の状態を常に提供することが重要だと考えます」 <strong>―具体的には</strong> 「大阪府にある茨木国際GCは、土地やお客様に恵まれた環境にあり、今後一層グレードが上がっていくと思います。最も重要な商品であるコースコンディションを向上させることは、会社の業績にも直接影響します。『GRAND PGM』(グランPGM)の名に恥じない、評価の高いメンテナンスを今後も心掛け、よりお客様が来場しやすいゴルフ場にしていきたい」 <strong>―コース管理で難しいこととは</strong> 「基本的なメンテナンス作業は大きく変わりませんが、シーズンによっては、降水量が少なかったり、台風やゲリラ豪雨もある。コースは生物ですから、対応能力が問われる責任のある職種だと感じています。焦らずにいかに自然と向き合えるか・・・経験の浅い私はまだまだですね(苦笑)」 <strong>―研修を通じて仲間はできた?</strong> 「はい! 全国各地のAGKやGKを目指す者と触れ合えたのは自分の財産です。気候が違うとゴルフ場のメンテナンスはこうも違うんだ、と。コース管理に携わる人間は、“好奇心”や“探求心”を持っている人が多いと改めて感じましたし、情報の価値も大きく、共感する部分も多かったですね。この仲間たちと今後、情報を共有して、PGMゴルフ場の発展に寄与していきたい」 <iframe src="https://www.youtube.com/embed/ZuSUoD3ki90?rel=0" width="788" height="433" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe>
    (公開)2019年03月20日
    今季未勝利で「コースにいるのが辛かった」と話すイ ボミだが、ファンとの交流には笑顔を振りまくプロぶりを発揮。 「韓国ではスクリーンゴルフが人気で、わたしもオフシーズンによく利用します。打球後に自分のスイングが自動再生されるので、スイングチェックに最適なんですよね」(イ ボミ)――。 全国139のゴルフ場を運営するPGMは12月5日、今年10月にオープンした同社初のインドア施設『PGMゴルフアカデミー銀座』にてイ ボミの来店イベントを開催。当日は抽選で選ばれた参加者が、イ ボミによるスイングチェックや記念撮影、その後トークショーが開催され、ファンとの交流を深めた様子。 レッスンでは参加者にボディタッチ、終了後の見送りではハイタッチなど、ファンサービスに余念がない。その様子をまずはショート動画で。 <iframe src="https://www.youtube.com/embed/N7YnZqmilQk?rel=0" width="788" height="433" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe> <h2>オープンから早2ヶ月、『PGMゴルフアカデミー銀座』の来場者層は?</h2> 『PGMゴルフアカデミー銀座』は、地下鉄「東銀座駅」から徒歩1分の好立地。銀座松竹スクエアビルの2階フロアをすべて借り切り、面積は約180坪。オープンから2ヶ月が経過するが、来場者はどんなヒトが多いのか? 田中耕太郎社長が次のように話す。 「当社の運営ゴルフ場は9対1で男性が圧倒的に多いのですが、『PGMゴルフアカデミー銀座』は女性が3割を占めそうな勢いです。当社のコースで最も女性が多いKOSHIGAYA GOLF CLUB(埼玉県)と同比率で、改めてゴルフの楽しみ方が多種多様になっていると認識しました。今後、銀座からゴルフ場へ送客する導線を作っていきますが、そのためにはまず『PGM銀座』の認知アップが急務です」 そこでイ ボミを招聘したわけだが、今後は同様のプロイベントを2回開催する方針だという。 <img class="alignnone size-full wp-image-51646" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/12/181205_pgm1.jpg" alt="181205_pgm1" width="788" height="525"> 店内は一般用8打席、完全個室のVIPルームが2部屋のほか、最新のシミュレーター10台(ゴルフゾン製)と弾道計測器のトラックマンも1台導入。休憩ラウンジやプロショップも完備し、将来的にはクラブフィッティングによる物販やゴルフ関連のイベントも行う予定で、総力を傾けた店構えといえそう。 <h2>PGMゴルフアカデミー銀座の概要</h2> <h3>利用料金(50分)</h3> <ul> <li>【オープンレンジ(~4名)】 平日:7時~18時 3600円、18時~23時 4200円 土日祝日: 4200円</li> <li>【プライベートレンジ(~4名)】 全日:5400円</li> <li>【VIPルーム(~6名)】 全日:1万円 ※1打席当たり最大4名まで利用可能、レンタルクラブ、シューズ無料</li> </ul> <h3>レッスンプログラム</h3> パーソナル(1回50分)1万円~1万2000円、グループ(1回50分)3000~4000円 <h3>トラックマン(貸出し)</h3> 50分3000円 <table> <tbody> <tr> <th>所在地</th> <td>東京都中央区築地1-13-1 銀座松竹スクエア2F</td> </tr> <tr> <th>TEL</th> <td>03-3544-4555</td> </tr> <tr> <th>営業時間</th> <td>平日:7時~23時、土日祝日:8時~20時</td> </tr> <tr> <th>公式サイト</th> <td><a href="http://pgm.golf/pgag79">http://pgm.golf/pgag79</a></td> </tr> </tbody> </table> <img class="alignnone size-full wp-image-51648" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/12/181205_pgm2.jpg" alt="181205_pgm2" width="788" height="525">
    (公開)2018年12月07日
    「どうせやるなら銀座の一等地に出したかった」――。 全国139のゴルフ場を運営するPGMは10月1日、同社初のインドア施設『PGMゴルフアカデミー銀座』をオープン。冒頭のコメントは、田中耕太郎社長の気合を表している。 地下鉄「東銀座駅」から徒歩1分、銀座松竹スクエアビルの2階フロアをすべて借り切り、面積は約180坪。銀座という土地柄を考えれば思い切った投資だが、 「初年度から赤字にするつもりはありません」 店内は一般用8打席、完全個室のVIPルームが2部屋のほか、最新のシミュレーター10台(ゴルフゾン製)と弾道計測器のトラックマンも1台導入した。休憩ラウンジやプロショップも完備し、将来的にはクラブフィッティングによる物販やゴルフ関連のイベントも行う予定で、総力を傾けた店構えといえそうだ。 まずは、9月26日に開催された先行内覧会の様子をショート動画で。 &nbsp; <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/OaJBeG6xrsA?rel=0" frameborder="0" allow="autoplay; encrypted-media" allowfullscreen=""></iframe> &nbsp; <h4>なぜインドアだったのか?なぜ銀座だったのか?</h4> 「周知の通り、新規ゴルファーの創出は業界全体の課題です」 と田中社長。その創出に向けてジュニア・若年層・女性・初心者をターゲットにした都市型のインドアゴルフ施設が『PGMゴルフアカデミー銀座』だという。 ゴルフ場ビジネスは、コースへの来場者数と客単価が生命線。それがなぜ、銀座にインドアを開業することになったのか? 採算を含め、都市型ビジネスへの参入はリスクを伴うはず・・・。次の動画では、田中社長が開業の意義について熱く語る。 &nbsp; <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/UdRW6qrYJ_4?rel=0" frameborder="0" allow="autoplay; encrypted-media" allowfullscreen=""></iframe> &nbsp; 動画の話を捕捉すれば、同社の系列139コースのうち会員制は約100コースで、総会員数は19万人。しかし、平均年齢は64歳と還暦を超え、さらに全体の3割超が70歳以上と深刻な高齢化に直面している。そのため、銀座への出店で「待ち」の商売から「攻め」に転じる必要があったもの。 この施設の特徴は、①練習場としての機能(定額打ち放題)、②本格的なレッスン(初級者から上級者まで対応)、③グループラウンドに加えて、フィッティングとイベントの5本柱。インストラクターはイケメン揃いだ。 全打席に導入したシミュレーターはゴルフゾンの『VISIONプラス』と『GDR』をカスタマイズしたもの。150コース以上をラウンドできるほか、本格的な練習もできる特別仕様となっており、HEIWA&PGMチャンピオンシップ開催コース『PGMゴルフリゾート沖縄』も収録されている。 <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/l1bUKRAtgQU?rel=0" frameborder="0" allow="autoplay; encrypted-media" allowfullscreen=""></iframe> 補足すれば、田中社長は既存のゴルフ練習場は収益性の面で再投資が難しく、 「老朽化した施設が多いため、マイナスイメージがあると思います。当社の施設は、これを払拭できると思う」 銀座松竹スクエアは、3~18階がオフィス、19~23階が住居となっており、 「オフィスは17社で従業員2000人以上、住居には富裕層が住んでいるため、ここに効果的なアプローチを仕掛ければ上顧客を獲得できる可能性もあります」 と算盤を弾いている。シミュレーションを利用した入居企業や家族のゴルフ大会、成績上位チームへの副賞として系列コースの無料体験ラウンドなど、様々な青写真が描けるはず。 もうひとつ、銀座ならではのこんな企画はどうだろう? 高級歓楽街として沢山の飲食店が軒を連ねるだけに、「夜の蝶」とその顧客のペアスクランブル大会をシミュレーションゴルフで行うとか。 業界喫緊の課題はレディスゴルファーの開拓だが、現状は遅々として進まない。夜の銀座で働く女性に、その火付け役を担ってもらうことは現実味がありそうだ。これに対して田中社長はどう答える? そのあたりも動画で聞いてみた。 &nbsp; <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/y3NYkRjVdZY?rel=0" frameborder="0" allow="autoplay; encrypted-media" allowfullscreen=""></iframe> &nbsp; &nbsp; <h2>PGMゴルフアカデミー銀座の概要</h2> <h3>利用料金(50分)</h3> <ul> <li>【オープンレンジ(~4名)】 平日:7時~18時 3600円、18時~23時 4200円 土日祝日: 4200円</li> <li>【プライベートレンジ(~4名)】 全日:5400円</li> <li>【VIPルーム(~6名)】 全日:1万円 ※1打席当たり最大4名まで利用可能、レンタルクラブ、シューズ無料</li> </ul> <h3>レッスンプログラム</h3> パーソナル(1回50分)1万円~1万2000円、グループ(1回50分)3000~4000円 <h3>トラックマン(貸出し)</h3> 50分3000円 <table> <tbody> <tr> <th>所在地</th> <td>東京都中央区築地1-13-1 銀座松竹スクエア2F</td> </tr> <tr> <th>TEL</th> <td>03-3544-4555</td> </tr> <tr> <th>営業時間</th> <td>平日:7時~23時、土日祝日:8時~20時</td> </tr> <tr> <th>公式サイト</th> <td><a href="http://pgm.golf/pgag79">http://pgm.golf/pgag79</a></td> </tr> </tbody> </table>
    (公開)2018年09月27日
    「あらゆるサービスを盛り込みます!」 全国139のゴルフ場を運営するPGMの田中耕太郎社長が宣言した。今年10月、銀座松竹スクエア(都内港区)に開業する「PGMゴルフアカデミー銀座(仮称)」のことだ。 2階フロアをすべて借り切り、面積は約180坪。郊外型のゴルフ量販店と同規模だから、銀座という土地柄を考えれば思い切った投資。 店内は一般用8打席、完全個室のVIPルームが2部屋のほか、最新のシミュレーター10台(ゴルフゾン製)と弾道計測器のトラックマンも2台導入する。 休憩ラウンジやプロショップ、クラブフィッティング関連の装備も揃える予定で、総力を傾けた店構えといえるだろう。田中社長の説明を聞こう。 「従来のインドアゴルフは、3種類に大別できると思います。具体的には①ゴルフバー、②レッスン集中型、③インドア練習場ですが、当社の銀座店はそうではなく、ゴルファーのすべての要望に応えられる施設を目指します。 初心者から上級者までのレッスンやフィッティングに加え、シミュレーションゴルフではグループでのラウンドを通じてゴルフ仲間づくりにも寄与したい。そういったコミュニティをベースにして、実際のコースでのコンペやレッスンも企画します。 また、系列コースのイベントや会員権情報の発信など、アンテナショップの役割も担います」 ゴルフ人口が減っているのは、誘い合う仲間がいないことも一因だが、昼間の人口密度が高い銀座で仲間づくりを応援するという。 同社は若手プロ50名(内女子プロ40名)と契約しており、彼らがレッスンを担当する。ゴルフインストラクター内藤雄士氏の協力を得て、独自の指導カリキュラムも作るという。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/05/20180513A1.jpg" alt="PGMゴルフアカデミー銀座(仮称)" width="650" height="487" class="aligncenter size-full wp-image-43751" /> <h2>会員の3割超が70歳以上</h2> ゴルフ場ビジネスは、コースへの来場者数と客単価が生命線。それがなぜ、銀座に直営店を開業することになったのか? 都市型ビジネスへの参入はリスクを伴うはずなのだが、踏み切った背景には深刻な高齢化があるという。 同社の系列139コースのうち会員制は約100コースで、総会員数は19万人。しかし、平均年齢は64歳と還暦を超え、さらに全体の3割超が70歳以上と深刻な高齢化に直面している。そのため、銀座への出店で「待ち」の商売から「攻め」に転じる必要があったという。 3割超の会員が数年後にゴルフをやめるとすれば、来場者は一気に激減する。これは悪夢などではなく、現実的な問題なのだ。 この点についてひとつの推論がある。ゴルフ産業研究を行う武蔵野美術大学の北徹朗准教授は、著書の「ゴルフ産業改革論」で次のように警鐘を鳴らす。 <blockquote> 出生数が200万人を超えた年代は、団塊の世代(1947~1949年生れ)以降も、実は3年間(1950~1952年)にわたって続いている。 ゴルフ界に本当の危機が訪れるのは、出生数200万人台最後の年である1952年生まれの人が65歳を迎え、団塊の世代が健康寿命(71歳)に達する頃(2018年)以降になるのではないかと推測される。 出典:ゴルフ産業改革論 </blockquote> つまり、今年を皮切りにゴルフ人口が低減していくとの推測なのだ。 日本人の平均寿命は延びているが、肝心なのは健康でいられる「健康寿命」。その平均が71歳であり、これを超えると何らかの要因で健康を害してしまう。 ゴルフ市場は団塊の世代に支えられるが、この世代が健康寿命に達する今年以降が正念場になるという見方なのだ。 他の年代に比べて人口が多い団塊の世代は、仕事の一環としてゴルフを学んできた。カラオケ、麻雀、ゴルフがサラリーマンの「三種の神器」と言われ、上司が中古のクラブを部下に与え、レッスンやゴルフ場でのマナーも教育した。要するに「社会構造」そのものがゴルファーを育てた経緯がある。 その「システム」が崩れてしまい、近年ではパワハラが問題視されるなど、上司が部下にゴルフを強要できなくなった。そこでゴルフ界は自力でゴルファーを生み出そうと様々な創造策を講じてきたが、目立った成果はあげられていない。その意味で、PGMが出店する銀座店はゴルファー創造に向けた新たな挑戦に位置づけられる。 <h2>PGMの全包囲網型サービス</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/05/20180502A2.jpg" alt="PGMゴルフアカデミー銀座(仮称)" width="650" height="487" class="aligncenter size-full wp-image-43752" /> 実は、同社はこれまで様々な施策を行っている。2016年10月にはインペリアルCC(茨城県)に屋外練習場を設けて底辺の拡大に挑戦しており、 「これ以外では日本一の規模を誇る桂ゴルフガーデン(北海道)でもスクール事業の強化と統一カリキュラムの作成を急いでます」(田中社長) 美浦GC(茨城県)でもウエッジのフィッティングを手掛けるなど、サービスの総合化を進めてきた。ゴルフ場の役割を多様的に捉え、ゴルファーの悩みをトータルで解決するための施設に脱皮しようと試みている。 今秋開業する「銀座店」は、その総本山の役割を担う。詳細は詰めている段階だが、極力敷居を下げる方針で、会員以外のスポット的な利用にも随時対応していく構えだという。銀座を拠点に集客して、系列コースに顧客を誘導することも念頭に置くことから、「ハブ空港」の位置づけでもありそうだ。
    (公開)2018年05月02日
    国内130以上のゴルフ場を保有・運営するパシフィックゴルフマネージメント株式会社(以下:PGM)はこのほど、今後のゴルフ業界発展のために欠かせない、「グリーンキーパー」の育成を目的とした公開講座『第13回PGM CMアカデミー』を開催した(※CMはコースメンテナンスの略称)。 今回、同アカデミーの受講者は社内外から集まった計48名で、5日間の日程にわたり「クリアビューゴルフクラブ&amp;ホテル」(千葉県野田市)、「総武カントリークラブ 総武コース」(千葉県印西市)、「KOSHIGAYA GOLF CLUB」(埼玉県吉川市)の3ゴルフ場を使用して座学・屋外実習を実施。この合同研修を通じ、全国標準での教育及びPGMの経営方針の共有化が大きな狙いにある。 今回は、同社コース管理部の佐藤雅彦エリアコースディレクターに直撃取材を実施。そのインタビュー内容を紹介しよう。 <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/KGcBNwuSfJI?rel=0" frameborder="0" allow="autoplay; encrypted-media" allowfullscreen></iframe>
    (公開)2018年04月12日