月刊ゴルフ用品界2017年3月号掲載
vivi golf 田中禎晃(たなかよしてる)「さわやか仮面が紐解く 裏腹な女性ゴルファー心理」
なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
2月から始まった「プレミアムフライデー」の実施にあわせて、様々な企業が新しい顧客獲得に向けたサービスを準備している。月末金曜日にどれだけの人が仕事を切り上げ、どのような過ごし方をするのか想像できないが、ゴルフ業界も積極的にPRして余暇をゴルフで楽しんでもらいたいものだ。
金曜日の夕方出発して温泉宿に宿泊、翌日ゴルフをプレーして帰るバスツアーなど、女性に人気がでそうな企画だが…。まだまだ様子見ムードのゴルフ業界である。
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金曜日の夕方からの過ごし方と言えば、バブル時代にディスコに通い詰めた経験がある。ディスコに限らず幅広い世代の社会人が夜の繁華街で余暇を楽しんだいわゆる「花金」。この時、会社の同僚や同世代の友人らグループで飲み歩き遊んだ記憶が多い。
シミュレーションゴルフもいいかもしれない
今回のプレミアムフライデーではインドアのシミュレーションゴルフとの相性が良いのではないかと思う。日本ではインドアよりもアウトドアなゴルフだが、お隣韓国では6500店舗が存在し、サラリーマンを中心に若者にも人気の高い娯楽として定着。イ・ボミ選手が経営しているお店には日本からのファンも多いと聞く。
日本でのシミュレーションゴルフといえばゴルコンイベントで利用されたり、飲みに行った帰りにサラリーマンが楽しむ施設のイメージが強い。また、ティーチングプロがレッスンで活用するなど、まだまだ一般の人に浸透しているとは言えないレベル。まずは韓国のシミュレーションゴルフがどのようにして成長を遂げたのか、学ぶ必要がありそうだ。
韓国では2012年からシミュレーションゴルフのプロツアーができ、賞金総額が1億円と、韓国の下部ツアーを超えるほど注目度も高い。決勝大会はTV中継されるなど、もはや遊びの域を超えていて、下部ツアーではスポンサーがつかないプロゴルファーでもシミュレーションゴルフのプロツアーでは数社のスポンサー契約がとれるとか。
そこまで熱くさせるシミュレーションゴルフの魅力をプレミアムフライデーを機会に広めていければ、「花金はみんなでインドアゴルフ大会」が浸透するかもしれない。
常識を打ち破るゴルフスタイルからライトゴルファーを開拓
シミュレーションゴルフが人気の韓国だが、イギリスとアメリカではトップゴルフ(TOPGOLF)社が展開する巨大ゴルフ練習場が続々とオープンしている。この施設、一見ゴルフ練習場に見えるが、ただの打ちっ放しではない。打席の後ろにはソファーやテーブルがあり、お酒や食事を楽しみながら練習できるようだ。
練習と言っても一人でゴルフバッグを抱えて真面目に打っている人はいない。半導体チップが埋め込まれたボールをターゲットに当ててみんなでゲームを楽しむという、まさに常識を打ち破るエンターテイメント施設なのだ。
これならゴルフ未経験者の女性でも仲間と一緒にアフターファイブを楽しめそう。こんな施設が日本に登場すれば、ゴルフ人口減少問題は一気に解決するかもしれない。この数年、ゴルフ業界が抱えている問題について、ゴルフ場のサービス改善やレッスンやスクールへの勧誘などが行われてきたが、音楽を聴く、お酒を飲む、食事をするという、全ての人が楽しめる場所にゴルフの要素を加える発想が足りなかったのかもしれませんね。
次回のプレミアムフライデ―は2月23日です!