月刊ゴルフ用品界2015年3月号掲載
なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
「前の組は女性だけのコンペかよ、今日はハーフ3時間かかっちゃうよ、ツイてないな~」
休日の混み合ったゴルフ場、スタート前に同伴者が嘆いていた。まぁまぁAさん、ショットの前に十分な時間がある方がしっかり準備ができていいじゃないですか。とイライラを宥めてはみたが、自分のペースでプレーができず調子がでないAさん。
一緒にプレーしているこちらにもイライラ感は伝わってくる。他の同伴者にもそれは伝染し「何やってんだあの初心者の子は、クラブ持って走れよ、いちいちマークするなよ」などと前の組への文句を切らすことなくハーフを終えた。
2時間30分、それほど遅いペースではなかったが、女性だから遅い、初心者だから下手、という勝手なイメージで捉えていた同伴者達は2時間30分以上に感じながらプレーしていたのではないだろうか。
この日に限らず、プレーが遅い前の組や女性に対する上から目線でモノを言うゴルファーを沢山みてきたが、女性には女性の事情がある。カート道から離れた位置にあるレディースティーや飛距離の問題、深いラフやバンカーからの脱出などは非力な女性では時間がかかるのは当然である。
あるアンケートでは多くの女性が、プレーのペース、支度に時間がかかる、トイレが長いなどについて、できるだけ周りに配慮し迷惑をかけないように心掛けています、と答えていた。また女性だからというだけで、遅い、下手、という男性からの偏見を感じると答えた女性もいた。
ゴルフ場は進行がスムーズに流れるように特に気を使っているが、女性だけのコンペや初心者が多い日は他のお客様からの苦情も多いと聞く。ではこの問題を解決する方法はあるのだろうか?
ゴルファーがまず知っておくべき最も大切な事がある
僕が初めて“ゴルフ規則”を読んだのは8年前、恥ずかしながらゴルフクラブを握って15年近く経ったころでした。
ゴルフで最も大事なことが第一章に全て書いてあるからしっかり読んで覚えておきなさい、あるゴルフ場運営の大先輩に教わった。ゴルフ規則には難しいゴルフ用語からルールまで細かく記されているが、一番初めの第一章には“エチケット”のことが書かれている。
とても大事なところなのでみなさんも覚えていてほしいと思います。
〈コース上での心得〉
はじめに、この章ではゴルフゲームはどのようにプレーされるべきかというゴルフのマナーについてのガイドラインを規定しているが、これが守られれば、プレーヤーがみなゴルフを最大限に楽しむことができるだろう。この章全体に通じる基本的な考えは、コース上にいる他の人に対しても常に心をくばるべきということである。
続いてゴルフの精神について、
ゴルフ規則を守り誠実にプレーをすること、他のプレーヤーに対しても心くばりをし、礼儀正しさとスポーツマンシップを常に示しながら洗練されたマナーで立ちふるまうべきである。これこそが正に、ゴルフの精神なのである。
出典:ゴルフ規則
この第一章を読んだ時、感動して胸が熱くなったことを覚えている。ゴルフの腕に差はあっても、みなさんが第一章に書かれている意味を理解し、この精神を持ってプレーすれば多くの問題は解決するのではないだろうか。