アクシネットジャパンインクからタイトリストの『Tシリーズ』(T100・T200・T300)アイアンが発売された。
単なる飛び系アイアンとは違う。スコアメイクを考えた何ともタイトリストらしいシリーズという触れ込み。
そこで今回は新宿御苑ゴルフスタジオの坂本龍楠プロに、各機種の7番アイアンでセンターヒットとオフセンターヒットを打ち分けもらい、その弾道を解析してもらった。
[surfing_voice icon="https://gew-web.com/wp-content/uploads/2019/10/photo_sakamoto-ryunan.jpg" name="坂本龍楠プロ" type="l big" bg_color="eee" font_color="000" border_color="eee"]1981年生まれ。神奈川県出身。オーストラリアへ留学してゴルフを学び、2011年「日本プロゴルフ協会」ティーチングプロ合格。自身が運営する新宿御苑ゴルフスタジオでは身体に負荷のかからないスイング理論が好評を博し、公式YouTubeのチャンネル登録数は9万5000人を超える。著書には「逆説のゴルフ」などがある。[/surfing_voice]
モデル別に解説:コンパクトサイズの『T100』
GEW:まず、『T100』のデータですが、センターとオフセンターでそれぞれ打ってもらいました。縦の距離はセンターが163.3ヤード、オフセンターが155.4ヤードと7ヤードの差でした。
坂本:オフセンターはかなりトウに当たりましたので、それを考慮すれば大きな差ではありません。
GEW:次に左右のバラつきですが、目標に対してセンターで5ヤード(左)、オフセンターで6.7ヤード(右)とほぼ変わりません。
坂本:『T100』はヘッドのブレがとにかく少ないですね。
GEW:具体的には、サイドスピンの少なさです。オフセンターの打ち出しは右に4度出ていますが、サイドスピンは301rpmとセンター(641rpm)よりも少ない。
坂本:このスピン量ならボールは大きく曲がりませんね。
GEW:最後に弾道の高さですが、センターヒットで打ち出し角27度、オフセンターで25度でした。
坂本:基本的に『T100』はロフト(#7:33度)がスタンダードなのでセンターでもオフセンターでも心配なく上がります。
- T100の対象ゴルファー
- ロフトピッチがきっちりしているので、それぞれの番手でしっかりと距離を打ち分けたい人向け。このモデルで練習すればいいスイングも身につくでしょう。
[caption id="attachment_59798" align="aligncenter" width="788"]
T100 センターヒット試打データ[/caption]
[caption id="attachment_59797" align="aligncenter" width="788"]
T100 オフセンターヒット試打データ[/caption]
モデル別に解説:ミッドサイズの『T200』
GEW:次に『T200』(#7:ロフト角30度)ですが、縦の距離がセンターで174.5ヤード、オフセンターで169.7ヤードと5ヤードほどの違いでした。
坂本:『T100』よりも飛びますし、縦の距離の差も減りました。オフセンターの打点が距離の出難いヒールヒットでも飛ぶ。フェース全域での飛距離性能を感じます。
GEW:続いて左右のブレですが、センターが1.3ヤード(右)とほぼストレート、一方、オフセンターは7.9ヤード(左)でしたが。
坂本:目標が170ヤード先ということを考えれば、ミスしてこの範囲なら結果は上々。オフセンターでも縦の距離が安定しているので、大きく目標から外れることはありません。
GEW:サイドスピンもオフセンターで511rpm(センター275rpm)と低い値です。また、ボールの高さはセンターで打ち出し角24度、オフセンターで23度。
坂本:ロフトのわりには十分上がるのでグリーンに落ちても止まります。
- T200の対象ゴルファー
- 『T100』に少し手強さを感じる人にはこちらがオススメ。センターでもオフセンターでも縦の距離が変わり難いので、距離感重視の人に特にオススメしたい。
[caption id="attachment_59800" align="aligncenter" width="788"]
T200 センターヒット試打データ[/caption]
[caption id="attachment_59799" align="aligncenter" width="788"]
T200 オフセンターヒット試打データ[/caption]
モデル別に解説:ラージサイドの『T300』
GEW:最後に『T300』ですが、縦の距離はセンターで178.0ヤード、少しヒール寄りのオフセンターでも173.0ヤードと5ヤードほどしか変わりません。
坂本:3機種の中で一番やさしく飛ばせます。どう当てってもしっかりとボールが飛んでいきます。
GEW:次に左右のバラつきですが、センターが2.4ヤード(左)、オフセンターが8.1ヤード(左)と5ヤードほどに収まっています。センターは打ち出しが4度右に出て少しドロー回転(サイドスピン697rpm)で目標に戻ってきている。一方、オフセンターは打ち出しが真っすぐで少し左にボールが切れていますが、サイドスピンが482rpmと少ないので大きく切れていません。ただ、『T300』で気になるのがボールの高さ。ロフトは7番で29度とストロング気味なので弾道の高さが出るかどうかですが。
坂本:いわゆる飛び系アイアンだとそういうケースもありますが、『T300』の打ち出しはセンターで25度、オフセンターでも23度とグリーンに落ちてボールが止まるレベルですよ。
- T300の対象ゴルファー
- クラブを正面に置く意識をもってスイングすれば、誰もが飛距離と方向性を得られるモデル。特に、飛び系アイアンで弾道が安定しないと感じる人に強く薦めたい。
[caption id="attachment_59802" align="aligncenter" width="788"]
T300 センターヒット試打データ[/caption]
[caption id="attachment_59801" align="aligncenter" width="788"]
T300 オフセンターヒット試打データ[/caption]
タイトリスト『Tシリーズ』アイアンの評価
GEW:『Tシリーズ』の3機種、改めていかがですか。
坂本:誰もが構えやすいと感じる3つのヘッドサイズがありながら、いずれのヘッドもフェース全体が仕事をしてくれる。このタイトリストの先進テクノロジーがミスヒットを無くしていると感じますね。アイアンは飛ぶだけではなく、本来スコアメイクするためのもの。そこを起点にして理想の飛びを追求したタイトリストの考え方に、共感するゴルファーも多いと思いますよ。
アクシネットジャパンインク
TEL:0120-935-325
http://www.titleist.co.jp/