先頃、今期主力商品の『XP』を発売したトゥルーテンパースポーツが、フェイスブック(FB)の活用で好調なのだという。
同社がFBを立ち上げたのは昨年9月と出遅れ感は否めないが、わずか半年あまりで「いいね!」数が7793となり、4月上旬現在ではシャフトメーカーのトップを快走中。先行他社を横目で睨みつつ、研究した成果といえるだろう。
世の中には多くのSNSが存在するが、中でも実名登録が原則のFBはリアルな世界との親和性が高いため、口コミ効果を期待できる。
「当社がFBを立ち上げたのは、企業イメージを変えたかったから。トゥルーテンパーは硬い印象があったので、親しみやすさを出したかったのです。これを伝えるメディアとしてFBに注力しようとなりました」(同社の成田修代表)
同社の公式FBを閲覧すると、製品や試打会、ツアー情報などのほかに、遊び心が散りばめられている。バレンタインデーや雛祭りなどのイベントに絡めて、ロゴの入ったチョコレートやシャフトを持った人形の画像をアップ。それが閲覧者の目を楽しませ、「いいね!」の増加に貢献したとか。4月上旬にはレビュー数も185件に上昇、評価も4・7星(最高5)を獲得するなどゴルファーからの評価は高い。
実は、企業にとってSNS対策は、本腰を入れるほど負担が重くなる。新ネタの掲出だけではなく、フォロワーへの返事を含めて多くの雑務が発生するからだ。従業員3名の同社はどのような体制で取り組んでいるのか?「情報発信の内容は、製品紹介から試打会の告知、そしてイベントに絡めた画像アップなどですが、プロモーションや画像担当などを決めて、それぞれが責任を持って仕事を遂行しています」
FBへの注力が、実ビジネスに好影響を与えはじめたともいう。ユーザーコメントに商品名が記載されるようになり、「現在『ダイナミックゴールドS200』を使用中だけど、キツくなったから軽量の『XP115』にしようかな?」といったように、リシャフトのイメージを連想させる。
これにより、ショップが顧客に新製品を薦めるイメージができる。FBのコメントを参考にする売り場は増えているのではないか。ユニークな画像でFBのファンを拡大、ユーザーコメントを集めて売り場に販促を提案する。SNSを媒介にした三段論法がどう業績に反映されるのか、今後注目されそうな動きだ。
なお、同社FBは、
こちら
画像は、エイプリルフールに因んで『TOUR ISSUE』のお菓子を発売というジョークを表現。389いいね!を稼ぎ出している。