月刊ゴルフ用品界2017年8月号
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歯止めが掛らない。新規ゴルファーの創出や一人当たりのプレー回数を増やすためにも、利用税の撤廃が求められる。 そもそもこの利用税は、ゴルファーは金持ちだから担税能力があるとの主旨に起因している。戦後、ゴルフ市場の黎明期はそうだったかもしれないが、バブル崩壊後のデフレ経済下では一般的なゴルファーが増え、担税能力のある人ばかりではない。また、ゴルファーは人口の10%に満たない少数派かもしれないが、シニアが延べ1600万人もプレーしていることが、健康増進に貢献していることを考えてほしい。パッティング時の集中力がアルツハイマーの予防に効果的との研究もあるなど、ゴルフには様々な効果が期待できる。税が「寄付」になる奇妙な提案 そんな中、新たな動きが起きている。超党派ゴルフ議員連盟は利用税撤廃の方向で活動しているが、撤廃の代替え財源として先頃、ゴルファーから「寄付金」を募る案が提起されたのだ。利用税は3割が都道府県、7割が市町村に納められるが、都道府県分を廃止して、市町村分全体の最大4分の3を国からの交付金で賄い、残りの4分の1をゴルファーからの寄付で埋めるもの。同時に、ゴルファーに「ふるさと納税」を呼びかけて、地域の活性化を目指す方針だが、強制力のない寄付金をアテにした財源に実現性はあるのだろうか。それ以前に、税金が寄付に代わるような奇妙なこの提案に正当性はあるのだろうか。これに対し、わたしは断固反対の立場を表明したい。 寄付を求めるくらいなら、減税によってゴルファーの負担額を減少させた方が公平であろう。例えば、70歳以上の免税を60歳以上に広げるなど、条件闘争の余地はあると考える。利用税の撤廃は供給者団体のためではなく、ゴルファーの負担を軽減することが本来の趣旨。今回の寄付は、困ったらゴルファーの懐をアテにするという悪しき体質が根強くあることの証左といえる。 多くのゴルフ団体は供給者(業界)団体であり、需要者であるゴルファーの声を聞く機会もない。また、東京五輪の開催で「日本はゴルフで税金を取っている」ことが世界中に知れわたる。そんなことでいいはずがない。ゴルフ界は「ゴルフ場利用税」への取り組みをもっと真剣に考えるべきだ。日本の課題は健康寿命の延伸であり、これに寄与するゴルフは素晴らしいスポーツと断言できる。だからこそ、ゴルフ振興は意義深いのだ。「新提案は断固阻止する」と腕を撫す大西理事長。30

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