R&AとUSGA、2017年度ディスタンスレポートを発表
トム河北(翻訳者)
長年ゴルフ用品メーカーに勤務、商品企画、広報宣伝、海外業務を担当。退職後はその経験を活かし、主にゴルフ用品に関連する執筆活動を開始。最近は海外ゴルフ関係ニュースの翻訳、ゴルフ用品関連座談会司会、海外メーカー来日...
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R&AとUSGAは3月5日、同時に2017年度世界プロ競技のディスタンスレポート(飛距離報告)を発表した。
以下はR&A発表レポートの前書き:
R&AとUSGAはゴルフにおけるドライビングディスタンス(ドライブ飛距離)の年度調査を完了し、2017年度シーズンについての説明書と評価、重要発見事項についての調査レポートをまとめた。
2015年に開始された世界主要7大プロツアー(PGAツアー、欧州ツアー、ウェブコムツアー、チャンピオンズツアー、LPGAツアー、日本ツアー)から得たドライビングディスタンスデータを調査した年次レポートは、年間約30万打のドライブを基礎にしている。このデータには男女、アマチュアゴルファーについても含まれている。
2015年及び2016年版におけるディスタンスレポートでは、2003年からのドライビングディスタンスの増加は、年間約0.2ヤードとノロノロした僅かなペースだったが、2017年度のレポートではこの傾向から大きく外れ、世界7ツアーを通した平均ディスタンスは、2016年から年間3ヤード以上も増えていた。
以前の年次レポートで示された通り、一つのツアーでシーズンからシーズンで4ヤード以上ドライビングディスタンスが変化することは珍しくない。しかしながら、単一シーズンで多くのツアーを通してこのレベルの増加は異常であり、その要因と影響を完全に理解するため、関心事としてより細かい検査、観察が求められる。
この問題進展の検討として、R&AとUSGAは引き続き、ゴルフへの飛距離影響を多面的に認識し、如何なる最高レベルにおける顕著な飛距離増は好ましくないと定めた2002年の共同声明の精神を守る考えだ。
飛距離の増加はゴルフのあらゆるレベルで、ゴルフコースに対して、より長くより難しくより資源集約的な要求につながる可能性がある。これらの傾向はゴルフコース運営のコストに影響し、ゴルフコースに対して、その地域環境で更なる圧力を与える可能性がある。ゴルフ技術と用具技術間のバランスによるディスタンス増の影響もまた重要な考察だ。このバランスを保つことは、ゴルフの誠実さを維持するために最重要だ。
近年引き受けてきた広大な調査を築きながら、我々はいかなる特定の提案をする前に、ディスタンスの影響について思慮深い会話を行うだろう。
我々は常にオープンマインドで、我々の絶対的な優先事項は、全ての主要関係者がオープンに参加し、プロセスに含まれ、全レベルのゴルフの最高の利益において共に前進することを確実にすることだ。そこには決められたタイムテーブルはないが、我々は直ちにこのプロセスを開始し、出来るだけ速やかに結論に達するように努力するだろう。
2017ディスタンス調査レポートの発行に関連し、R&AとUSGAは、プレーとゴルフの健全性双方についての、ディスタンス増加影響の包括的分析を成し遂げようとしている。
R&AとUSGAは両組織が行ってきた、また同時にゴルフ業界の他所で行ってきたディスタンスの影響に関する業務の足跡やプレーを総括することを意図し、この問題の現在の知識を拡大するため、同じトピックスについて新しい調査を実施する。
そして最も重要なのは、来月、ゴルフ業界全体の利害関係者と、ディスタンスに関する展望の包括的理解を開発する約束をする。この利害関係者約束についての追加情報は、追って可能となるだろう。
最後に、R&AとUSGAは、ゴルフの維持可能で楽しい未来を確実にするため断固としてコミットし続ける。
※2017年度ディスタンスレポートの詳細はR&Aウェブサイトからダウンロード出来る。
(R&Aウェブサイト 3/5より)
翻訳者トム河北のワンコメント
このところとみに話題が大きくなってきたゴルフボールの飛距離問題、R&AとUSGAが2017年度プロツアーにおける実態を具体的に示したことにより、これから更に利害関係者(ツアー、メーカー、協会、ゴルファーetc.)を交えてより具体的な議論が展開されることになるのだろう。 仮に一律のゴルフボール飛距離制限(ルール変更)ともなれば、一般ゴルファー、メーカー、市場に大きな影響を与えることになり、一方、プロトーナメントを別に考えるダブルスタンダード(bifurcation)への反対論者も多いことから、簡単にはまとまりそうにない。果たしてどんな解決案が示されるのか、ゴルフ界全体の注目を浴びることになるだろう。昨日多く読まれた記事TOP25
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