• TOPページ
  • 工房ナビ
  • 月刊GEWについて
  • ライター一覧
  • GEW 購読申し込み
  • GEW 見本誌申し込み
  • 広告掲載について
  • 運営会社
  • 事業内容
  • 存在意義
  • 編集長メッセージ
  • 会社沿革
  • プライバシーポリシー
  • サイトポリシー
  • お問い合わせ
  • ゴルフ業界求人
  • PGA会員専用求人
  • 月刊GEW4月号 「業界参入15社」を特集

    ライター個別情報

    記事一覧

    太陽の光を浴びながら、マイナスイオンいっぱいの空気を吸い込む。ゴルフ場が持つ魅力の一つは、非日常の空間で、爽快な解放感が得られること。生物多様性も見直され、里山の役割をも担うコースの上で、心身ともにリフレッシュできる瞬間だ。そこに今、都会や自宅といった日常空間で活躍していたゴルフシミュレーターの進出が相次いでいる。ゴルフ場で今、何が起こっているのか。 シミュレーターはラウンドの「予習・復習」にうってつけ (上)ザ・ゴルフクラブ竜ケ崎(下)千代田カントリークラブ(上下写真とも提供:PGM) 国内で146のゴルフ場を運営するパシフィックゴルフマネージメント㈱(PGM)は、現在茨城の千代田カントリークラブとザ・ゴルフクラブ竜ケ崎にゴルフシミュレーターを5打席設置している。 この2コースはPGMが全コースの中でも最上級に位置付ける「グランPGM」16コースのうち2つ。実はそのグレードにあるゴルフ場だからこそ、シミュレーターを入れる必要があった。 PGM広報グループの話。「竜ケ崎にはアプローチ・バンカー練習場はあるのですが、この2コースにはドライビングレンジを作る用地がクラブハウスの近くになく、以前から『プレー前に練習したいのに』という声をいただいていました。そこでクラブハウス内の利用していないスペースを活用してシミュレーターを設置したわけです」。 これがウケた。スタート前は事故渋滞に遭遇したり、コースに着いてから忘れ物に気付いたりと、とかく予想外のことが起きてバタバタしやすい。ドライビングレンジまで離れていると、その往復時間でイライラしたり、場合によっては練習を断念する羽目になることも少なくない。 しかしクラブハウス内にあるシミュレーターであればそういうリスクも最小限で食い止められる。それだけではない。シミュレーターには多くの打ちっ放し練習場にはない利点があるのだ。前出の広報グループの話。「ゴルフゾン社製の、最新のシミュレーターです。シミュレーターのいいところは自分の正確な距離が把握できますし、今のショットがこすり球であったのか、フックしたのかも分かること。また、正面と後方からのスイング録画も見られるので、客観的なスイングチェックもできます」。 各クラブの正確な飛距離を、把握できていないゴルファーは意外に多い。ラウンド前にその日の飛距離、球筋の傾向を把握して、自分のスイングを見直すことが出来るのはありがたい。使用料は24球で550円。朝の調整にはちょうどいい球数でもある。 またホールアウト後、ラウンド中で生まれた課題を即座に修正することは上達への早道。ツアープロたちには当たり前の方法だが、アベレージゴルファーともなれば疲れもあり、クラブハウスと練習場への距離が離れていればそういう気分にもなりにくい。だがクラブハウス内にあれば、帰り際に「ちょっと打っていくか」という気分にもなる。 ゴルフ界のすそ野を広げる役割も 千代田カントリークラブ シミュレーションゴルフ個室(写真提供:PGM) 実はこのシミュレーターには、別の使い道も生まれている。ビギナーにバーチャルのラウンドを体験してもらい、技術だけでなくルールやマナーも勉強してもらう。そのうえでリアルなラウンドに移行するというプランだ。建物に例えれば1階が練習場で、2階がゴルフ場とすれば「中2階」の役割を演じるのがシミュレーターという考え方。これがうまくいけば、ゴルフ人口の増大に大きく貢献できそうだ。 その大きなテーマに取り組もうとしているのが栃木で3コースを展開する鹿沼グループ。鹿沼72カントリークラブのコンペルームを改造して、シミュレーター2台の導入を決定。8月のグランドオープンに向けて準備している。 鹿沼72の場合、屋外に300㍎・20打席の練習場がある。にもかかわらず、わざわざミュレーターを導入するという。その意味は、どこにあるのか。鹿沼グループの福島範治社長がその意図を明かしてくれた。 「U35(アンダーサーティーファイブ)会員制度」を新設して、今会員が1200人います。元は500人だったのですが、コロナ禍で倍に増えました。これは35歳以下の、上達したいと願うすべてのゴルファーのためのお得な制度です。現在の実力は問いません」。 当然、会員の中にはクラブを握ったばかりのゴルファーもいる。実はその会員たちにこそ、シミュレーターの持ち味が発揮されるという。「ご希望の方には、マナーが学べるレクチャーがあります。まずシミュレーターでゴルフに慣れてもらって、コースデビューに備えてもらう」(福島社長)。 コロナ禍において、ゴルフ界で最も明るい話題といえば、30代以下の若い世代が感染リスクの少ないレジャーとしてゴルフを始めたことだが、その一方で、クローズアップされてきた問題がある。ビギナーたちにマナーと技術を学ぶ場がないことだ。いきなりコースに出たためにスロープレーとなりベテランゴルファーから叱責されたり、うまくならずゴルフの楽しさや爽快感を体感できずにゴルフをやめてしまったりするケースも少なくない。 コロナ禍の中、せっかく密にならず、開放的な空間で楽しめるゴルフの魅力に気づいてくれた若者たちが、ゴルフに背を向けてしまうのは、何とももったいない話。彼らにリピーターとなってもらうはどうしたらいいか?というのはゴルフ界全体にとって、喫緊の課題だ。 一般客からも好評のシミュレーター(写真提供:キャメルゴルフ&リゾートCC) そのために、シミュレーターを使ってバーチャルなラウンドをしてもらい、技術だけでなくルールやマナーを身につけ、楽しくゴルフをしてもらおうというわけだ。 PGMでも、シミュレーターを有効活用してビギナーのコースデビューを後押しするプランをすでに導入している。「午前10時半くらいから12時までシミュレーターで練習していただき、ランチの後に最終組でスタートするプランです。後ろを気にせずラウンドできるため、ビギナーの方々にも喜ばれています」。 ビギナーに優しいプランは、ゴルフのすそ野拡大にも、大いに貢献してくれそうだ。 そういう意味では、ゴルフを身近にする役割を、シミュレーターが持っていることは間違いない。これを1歩進めて、パブリックスペースに近いところにゴルフシミュレーターがあればいいのではないか。それに近い試みを、すでに行っているゴルフ場があった。 早くからグランピングを導入し、ファミリー層のニーズ拡大に成功しているキャメルゴルフ&リゾートCC(千葉・御宿)だ。 「昨年の暮れからテスト運用をして、本格導入しました。ゴルファーはもちろんですが、宿泊客の方々も楽しまれています」(セールスマネージャーの児玉夏奈子さん)。 本館レストランの向かいに3打席設けられ、一般客も利用しているのだ。 コロナ禍の昨年、ゴルフ場入場者数は12年ぶりに9000万人台を回復、70歳未満は約7000万人(NGK調べ)で新規ゴルファーの参入も目立つ。この層をつなぎとめる役割を、シミュレーターが担う。 ■取材後記 1台数百万円程度と、決して安い買い物とは思えないゴルフシミュレーターだが、個人への販売が伸びている。コロナ禍の巣ごもり需要で、富裕層が自宅に設置するケースが増えているからだという▼自宅だけでなく、高齢者向けのマンションや介護施設などでもニーズが高まっている。加齢から体力が低下し、リアルなラウンドこそ難しくなったが、シミュレーターなら移動は無用。歩かずに18ホールをラウンドできるのは、高齢者にとってもうれしい。デイサービス施設に高齢者を呼び込む、大きな武器の一つにもなっている▼団塊の世代が75歳になる2025年はもう目の前。現在最もゴルフをしている人たちは70歳から75歳までの間に広く分布している。この層がごっそりいなくなったら、ゴルフ界が受けるダメージは少なくないだろう。それを最小限に食い止める手段を、早急に取るべきだ。▼シミュレーターを高齢者が使いやすいところに設置していくのも、有効な手段のひとつだが、忘れてならないのは今、増え続けている若年層のゴルファーたちだ。彼らにも、シミュレーターが使いやすい環境を整えるのもいいアイデアの一つ。今回取り上げたゴルフ場が成功例となれば、さらにシミュレーターのあるゴルフ場は増えていく。その好循環が生まれ、誰もが一度はクラブを握ったことがある環境を造れれば、ゴルフ界のすそ野は、確実に広がっていく。ゴルフ人口、まだ全体の1割にも満たないのだから、伸びしろはまだまだある。 <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2022年5月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
    (公開)2022年08月24日
    新型コロナウイルスの感染拡大とともに、ゴルフ場における非接触の取り組みが加速している。配膳ロボットや顔認証、自動チェックイン機の導入などDX(デジタル変革)が地域に密着したものであれば、それは厚労省が2025年に構築を目指す地域包括ケアシステムとも近づく。 高齢者が集い、障がい者が気軽に利用できるゴルフ場はSDGsにもマッチする。 レストランで猫型ロボットが活躍 ゴルフ場のレストランで、猫型ロボットが料理を運ぶ。そんな光景が珍しくなくなって来た。すでに多くのコースで導入されゴルファーたちからも好評だという。 1月末からコース内にある2カ所のレストランに、1台ずつのロボットを導入したキャスコ花葉CLUB(千葉)の佐竹新支配人が、猫型ロボットの導入についてこう語る。 「非接触と人件費カットの両方ですが、プラスSNSが普及する中での話題作りも考慮しました」。 インスタ映えだ。「女性が『可愛い』と言って頭をなでると(ロボットが)反応したりもするので」。 仕事はもっぱら、人間のアシスタント役。「当コースは45ホールありまして、18ホール用と27ホール用のレストランが計2か所あり、そこに1台ずつ導入しました。ホール担当の配膳係ももちろんいますが、ロボットは配膳と下げ膳の補佐役的役割を務めています。通常のワゴン4台のうち1台を減らした分にロボットが入っている感じです」。 ファミリーレストランや居酒屋などの配膳台からお客が自ら料理をテーブルに移す光景を目にするが、同コースの場合は違う。ロボットの役割は料理などの運搬のみでテーブルに置くのは人間の役割だという。 「当コースはメンバーシップですし、ご接待で使われる方もおられますのでスタッフがサーブします」。 ただ、運び役以上の役割もすでにちゃんと演じてくれているようだ。「猫型ロボットもいろいろ声を出したりするもので、従業員が行くと『え?猫型ロボットじゃないの?お姉ちゃんじゃなくていいよ』なんて冗談を言う方もいるようです。別のお客様からは『面白いね』という声もいただきますし、従業員も今のところうまく使えているようなので導入して良かったと思っています」。 すでにロボットはすっかり職場に溶け込めたようだ。販売元である(株)SGSTの小鹿泰光代表も、「導入は10コースを超えて、順調に注文も入っています。従業員が他のサービスに注力できるようになり、人とロボットが協働することでレストランの運営が効率化し、サービス向上にもつながることが期待できるということで導入の運びとなっています」と、好調に売り上げを伸ばしている理由を説明する。 レストランにおけるタッチパネル方式の注文システムも、ここにきて増えつつある。これは国内146のゴルフ場(内リース1コース)を保有・運営するパシフィックゴルフマネージメント株式会社(PGM)が進めている試みだ。 同社はゴルフ場の運営基幹システムである「Teela(ティーラ)」を自社で開発し、2019年の8月20日に一斉導入。セルフレジが導入されており、チェックインも支払いも、非接触で行えるようになった。レストランではタッチパネルで注文ができるセルフオーダーシステム(TSM)を現在7コースに導入し、注文時の感染リスクもゼロに近づけている。 静脈認証の次は顔認証 栃木のセブンハンドレッドクラブでは、1月7日から顔認証によるチェックインを導入した。入場後、タブレットの画面に顔を近づけるだけで、検温、チェックインが同時に完了。フロントですでに用意されたカードホルダーを受け取り、貴重品ボックスへと直行できる。 このシステムはDXYZ(株)が開発。マンション、オフィス、保育園等の入退場や受付用に提供していた「FreeiD」サービスに、ゴルフ場向けの会員認証・検温機能を追加することで実現した。これによりビジター用の受付カードへ住所、名前、電話番号を記入するなどの手間がいらなくなった。 しかしこのシステム、意外にも導入のペースが上がらずにいる。というのも顔認証に先駆け導入した手のひら(静脈)認証が好評で、利用者の多くが移行への必要性を感じていないからだ。 この手のひら認証、フロントで手をかざし、生年月日を申告すれば、チェッインが完了。また楽天GORAの会員の場合もすでに個人情報は登録済みとあって、チェックイン時の手間は氏名の申告だけで済む。すでにその便利さを実感しており「あえて顔認証まで登録しなくても」というゴルファーが多いのだという。 銀行のATMなどでもおなじみとなっている静脈認証。ゴルファーにも抵抗はそれほどなかったが、顔認証となるとプライバシー保護への漠然とした不安を口にする向きも少なくない。 しかしゴルフ場の朝の混雑時ともなれば静脈認証を待つ列はおのずとできる。関係者の一人は「結局、グループでお見えになったうちの1人が、他の3人の前で顔認証をしてくれれば『ああ、これは便利だ』と実感してもらえるはず。まずその、とっかかりになる方を増やさないと」と望みをつないでいる。 課題は他にもある。最初にスマホのアプリで、顔写真と住所、氏名、生年月日、電話番号を登録するというハードルがある。「その手間を惜しむ方が意外に多いんです」と現状の課題を明かした。 そのため現在、フロントとレストランにパウチしたQRコードの案内を設置。食前や食後の空いた時間にスマホをかざせば顔認証のアプリをダウンロードし、自分の顔を登録できるようにした。その甲斐あって顔認証の登録者も現在30人にまで増えたという。 新しい試みに挑戦すれば、当然修正すべき課題も見つかる。「スタッフはSLACKという社内コミュニケーションアプリを持ち、情報共有してから、会議に臨んでもらうようにしています」とセブンハンドレッドCの小林忠広社長。 このゴルフ場の強みは、そうした積極的なDXで得られたトライ&エラーのデータを、地元の中小企業などと共有することを視野に入れている点だ。 小林社長はさらにこう続けた。「地域の方々に『ゴルフ場があって良かった』と言っていただくためには、地域をともに活性化させることだと思いますから」。 同ゴルフ場は発達障害や視覚障害者に「広いところで散歩してもらおう」とスペースを提供している。その真意を小林社長に尋ねると「地元の人たちに(とって)ゴルフ場を『行ったところのある場所』にしていかなければ」と付け加えた。 ■取材後記 漬物一つとっても、材料は地元から調達。ゴルフ場の経営者が力を入れて語る地産地消は、すでに当たり前のこととして定着している。小林社長と話していて、ここまで地域と密着しているゴルフ場も稀ではないかと実感させられた▼行政との関わりも深い。「地元さくら市の高齢課や健康増進課、生涯学習課など8つくらいの部署と連携しています」。今年度のイベントは2日間にまたがるものや「視覚障害者フットゴルフ体験」など、その数は16に上った▼こうした状況が、意識しての結果ではないところが興味深い。「気が付いたら、そうなっていました」と笑う。その時々に、地域の問題と真摯に向き合ってきた結果だろう。高齢者へのフレイルトレーニングやウォーキングイベントをコース内で開催し「散歩してストレッチして、ランチを食べて帰っていただいています」。常連さんたちにとっては、セブンハンドレッドは、もはや庭のようなものだ▼厚生労働省が2025年をめどに構築を目指す地域包括ケアシステムは、地域医療と介護を連携させ、健康寿命を延ばしていくことも目標の一つに含まれる。団塊の世代が後期高齢者になるその年までに、ゴルフ場もしっかりとその枠組みに加わっていくべきではないか。果たせる役割は、相当にある。
    (公開)2022年07月25日
    シイタケ、バナナ、コーヒーに有機野菜…。ゴルフ場から農作物が出荷される時代がやってきている。松山シーサイドCC、ABCいすみGCではシイタケを栽培。鳳凰GCではバナナ、パイナップル、マンゴー、コーヒーなどを作っている。ブリック&ウッドCも関連施設で有機野菜を生産。津CCはクラインバルテン(共同農園)の設立を視野に入れている。 シイタケ、やがてはカブト虫も 原木シイタケ「べっぴんさん」(写真:松山シーサイドCC提供) きっかけは、たまたま目に留まった新聞記事だった。そこには「シイタケ農家が激減」との活字が躍り、ショッキングな内容が書かれていた。 今から4年前の2018年。松山シーサイドCC(愛媛県今治市)の藤井より子専務は大きな悩みを抱えていた。「1977年のオープン時から、手つかずの飛び地があったのです。ここに9ホールをレイアウトする予定でしたが、18ホールのコースとの間にあるミカン畑を譲ってもらえず(飛び地になってしまい)27ホールへの拡張が難しかった。何かほかに活用できるものはないかと、頭を悩ませていたのです」。 遊休地の活用に迫られると同時に、閑散期となる冬場の余剰人員に対応する必要にも迫られていた。そんな時、藤井専務が手に取った新聞には県内でシイタケ農家が減り続けている理由として、生産者の高齢化が書かれていた。 「ふーん、シイタケか…。山あるし、木あるし、ウチできるやん。でも、シイタケって、いつ、どうやって作るんやろ」。 ゼロからのスタート。「日本きのこセンター」(鳥取)に問い合わせ大洲市の出先機関からスタッフに来てもらい、原木シイタケ栽培の指導を受けた。 コース内の約2000平米の土地に、ナラやブナの原木80トンが運び込まれた。「何もわからない中、一から教えていただいた。ドリルで穴開けて、トンカチで1個ずつ(菌を)植えていきました」。 シイタケ栽培の収穫繁忙期は11月から翌年4月と、ゴルフ場の閑散期とピッタリ合致する。人手が余っていた状況は一変した。スタッフが入れ代わり立ち代わり、シイタケ栽培の作業にやってくる。「人手には困りませんが、何しろ寒い時期の作業。苦労も多かったと思います」。 原木シイタケは3~6か月で収穫できる菌床シイタケと違い、収穫まで2年を要する。独自のブランド「べっぴんさん」は昨年に続き2シーズン目の収穫期を迎えた。 「今年は乾燥がひどく、必要な湿気が不足しているため今のところ去年の3分の1程度の量しか収穫できていません。自然を相手にする難しさを感じています。ただ、ここにきて雪と雨が降ったんで、これからに期待しています」(藤井専務)。 すでに500キロ収穫されている「べっぴんさん」のおいしさに、藤井さんも絶対の自信を持っている。「普通の菌床シイタケとは違います。生でトースターに入れて、バター焼きもおいしいですし、塩胡椒だけというのもおすすめです。うちのレストランではアヒージョ、肉詰めフライ、のほか、おでんにも入っています」。 乾燥、生の商品に加え、レトルトの製品も開発中で、3月の発売を目指しているという。 今年は福祉施設からも人手を借りるなど地元への貢献も確実に進みつつある。日陰で湿気の多い、シイタケが好む環境が、このゴルフ場にはタップリあった。 シイタケが育った後の、お楽しみもある。「すでに中がスカスカになった原木が増えてきました。これが土に帰ろうとするとき、カブトムシがやってきます。それも楽しみですね」。 シイタケとカブトムシ。2大人気土産が、ゴルフ場の集客にも貢献しそうだ。 実は関東にも、シイタケ栽培で入場者の支持を集めているゴルフ場がある。千葉県のABCいすみGCだ。 こちらは3番から4番に向かうインターバルの道路わきに、原木がズラリと並ぶ。「しいたけ街道」としてゴルファーには知られた存在だ。 ゴルフ場でバナナやコーヒー栽培 奥がバナナ、手前がコーヒー。このほかにもパイナップル、マンゴーなども栽培されている(写真:清流舎) 2年前にレタスの水耕栽培を始めて以来、大きく農産物の生産に舵を切ったゴルフ場が群馬にある。鳳凰ゴルフ俱楽部だ。 ここに一見、行政機関の農産物試験場かと思わせる、巨大なビニールハウスが建てられている。幅8メートル、奥行き45メートル、高さ6・5メートルの巨大なビニールハウス3棟が接続された姿は、非常に目立つ。 案内役の同コース農産事業部・中神洋二部長に促されてハウスの扉をくぐった瞬間、息をのんだ。目の前にあったのは、バナナの森。南国そのものの、密林が立ちはだかっていたからだ。 歩を進めながら天井を見上げると、この3棟に仕切りはなく、ハウス内に巨大な空間が広がっていることがわかる。 約1080平米に及ぶ敷地に120本のバナナのほか、コーヒー、パパイヤ、パイナップルの苗木がそれぞれ40本、マンゴー10本などが植えられていた。 バナナの葉の大きさにも圧倒される。「花をきれいに咲かせるために」と中神部長がバナナの葉を切ると、それ1枚で中神部長の体がすっぽり隠れてしまった。 このコースもご多分に漏れず、4年前に預託金の償還問題で民事再生の道を歩んだが、新たなスポンサーとなったのが砕石や産廃処理を手掛ける祥和コーポレーション。 中神部長は満面に笑みを浮かべてこう言った。 「この下に砕石をまず敷き詰めて土盛りして、植木屋さんが持ち込んだ生木や建築廃材をウッドチップにして撒いています。ウッドチッパーを持っているのは業者の強みです。育成のカギを握るのは水はけですが、土壌の状態は素晴らしいと思います。私の経験でもここまでの生育を示したことは初めてです」。 いよいよ出荷の日も近づいてきた「ほうおうバナナ」。 すでに南国ムードいっぱいのチラシも出来上がった。「コンペの賞品にもいい。レストラン、売店など売る場所があるのが強みです。バナナジュースもレストランや売店でもお出しします」と大澤順支配人も笑みを見せる。 グータッチする2人の笑顔が、「ほうおうバナナ」の快進撃を予感させた。 また三重の津カントリー倶楽部でもクラインバルテン(共同農園)の設立に向けて動き出している。「まだテスト段階での生産ですがコース内に会員制クラインガルテンを計画しています」(小島伸浩副社長)。 ゴルフ場は用意すべき土地が容易に調達でき、土壌の改良や植物の育成法などで農業に生かせる経験値が高い。SDGsの観点からも、ゴルフ場と農業は親和性が多い。 取材後記 あるキャンプ用品メーカーの関係者が「ゴルフ場は農薬を使っておりそれが漏れ出して周辺の農家に甚大な被害を与えている」としたり顔で語っていたという。このような説を唱える人がまだまだ多いという事実に、いまさらながら暗澹たる気持ちにさせられた▼本誌では2021年9月号で「全国1435か所のゴルフ場の農薬検査結果を発表、延べ3万8927検体で水濁指針値を超過した事例はなかった」という環境省のデータを記載している。もはやゴルフ場が周辺の農家に迷惑をかけるようなことがないことは、前出のデータの示す通りだ▼しかし、まだまだそうした事実が世間に浸透していないことを、冒頭の言葉が物語っている。同じ号で大西久光氏がゴルフ緑化促進会で大学に依頼して得た調査結果として「国内のゴルフ場森林が年間400万トン以上のCO2を吸収固定していることを明らかにしている。だがこの事実もまた「ほとんど知られていない」と大西氏自身が語っている▼ゴルフ場が生物多様性に満ちた空間になっていること。今やゴルフ場こそが、農作物を生産し、都市部における里山の役割も果たしている事実を、辛抱強く、持続的に訴え発信していくことが大事だ。 <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2022年3月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
    (公開)2022年05月08日
    ゴルフと釣り。コロナ禍で人気が急上昇中のアウトドア業界の中でも、この2大レジャーの距離感がぐっと縮まっている。太平洋クラブ白河リゾートは施設内に、小淵沢CCと太田双葉CCには関連施設としての釣り場が存在する。練習場にもこうした例はあり、水上ゴルフ練習場、笠間ゴルフ練習場はゴルフも釣りも楽しめる複合型レジャー施設として人気を博している。 「幻の魚」イトウも釣れる? 【太田双葉CCの場合】 「太田フィッシングクラブ」は太田双葉CCの入り口手前にある。元々はゴルフ場の敷地外に用意されたコース散水用の溜め池だったが、25年以上一度も使われていなかったためオーナーの発案で釣り堀に転用。周りをコンクリートで固めるなど安全対策を兼ねた改装工事を行った。 若者に人気のルアーフィッシングでニジマスを中心にした釣り場を10月16日に仮オープンしたところ好感触。11月6日にグランドオープンとなった。 驚かされるのは受付の脇に掲示されていた「太田フィッシングクラブにいるお魚たち」のラインナップ。一番上には漫画「釣りキチ三平」にも登場した「幻の魚」イトウが写真入りで紹介されていた。 「今、うちには80㎝から1mオーバーのイトウが10匹います。私が知っている限り、すでに7人の方が釣られています。最初のうちはよく釣れましたが、頭のいい魚なので、すれてきたのか、最近はなかなか、かからなくなっています」(同クラブの責任者)。 とはいえ、スマートインターから5分という便利さもあって、遠方からの釣り客も多いという。ゴルフ場に続く釣り場の経営もアウトドアブームに乗って出足は好調なようだ。 【小淵沢CCの場合】 雄大な南アルプス連峰が眼前に開ける八ヶ岳南麓の小淵沢に、注目を集める複合施設がある。武田信玄が軍用道として作ったとされる「棒道」が通る小淵沢カントリークラブのほか、中村キース・へリング美術館、ホテル、レストランなどで構成される小淵沢アートヴィレッジ。その関連施設のひとつに釣り場がある。「フィッシングエリアやま里」だ。 48年近く前からあった釣り堀を3年前に買収して全面的に改装。バーベキュー棟を4棟、バリアフリーのトイレなどを増設。八ヶ岳が磨いた清冽な通称「もみの木湧水」をかけ流している釣り堀は、年間を通して9度から12度の水温を保ちニジマスとアマゴが放流されている。「繁忙期は小さいお子様を連れたファミリー層が中心で、少し寒くなると純粋に釣りを目的とした方が多くなります。昨年は子供会で80人の貸し切りイベントもあり、1万200人が来場されました。ゴルファーはBBQに来られる方が多いですね」(丸茂匠マネージャーの話)。 釣って食べるという人間本来の経験を、オープンエアーの環境で体験小淵沢CCの関連施設であるフィッシングエリアやま里太平洋C白河リゾート フィッシングエリアできる強みは、ウィズコロナの時代でさらに発揮されている。 【太平洋クラブ白河リゾートの場合】 「ゴルフ・キャンプ・愛犬・釣り」という4つの魅力を、ゴルフ場の敷地内で完結させた施設がある。標高950mの福島県の羽鳥湖高原にある太平洋クラブ白河リゾートだ。 もともとスイートルーム1室のほか和洋13室ずつの「VillaTheClubSHIRAKAWA」を備えたリゾートゴルフ場なのだが、ここにドッグフリーサイト付きのオートキャンプ場5サイトができた。これにより犬同伴でのゴルフも可能になった。 さらに昨年6月には1番と9番の間にある池に浮かぶ島に、橋を使って渡って行くフィッシングエリアもオープン。ニジマスのルアーフィッシングが楽しめるようにもなった。 キャンプ場利用者にとって大きな魅力はゴルフ場のクラブハウスが利用できること。アウトドアで思い切り楽しめる環境だからこそ、大浴場でのんびりお湯につかり、ゆっくりドライヤーが使える設備はウレシイ。 練習場の隣に釣り堀 水上ゴルフセンターは釣り堀と練習場が隣接 【水上ゴルフセンターの場合】 350yd 打ちっ放し。しかもその先にネットがない。練習場のランディングエリアは大きな調整池。眼前には広大な水面が広がっている。1階建てで40打席。ドライバーを思い切り振り回せる練習場だ。 しかしそれ以上にレアなのが、隣接している管理釣り場との共存だ。打席から左に視線を移せば、そこにはゴルファーならぬアングラー(釣り師)の皆様が。つまりは同じ池で、ゴルフも釣りも楽しめるのだ。 しかもこちらの「釣り処 椎の木湖」。総釣り座数416、自動計量器付きが400もある、ヘラブナ釣り愛好者から「聖地」と呼ばれるほど。初代の社長のゴルフ好きが高じて練習場を作ったとあって、一時はバンカー練習場も併設するほど熱が入っていた。釣り場は後発ながら、今は総売り上げの7割を占める。 【レジャーパーク笠間の場合】 250yd 61打席の練習場に加え、フィッシングフィールド、オートキャンプ場(BBQ可)を備えているのがレジャーパーク笠間。「以前は高齢者中心でしたが最近は若い人が増えて来ました」(関係者の話)。「ゴルフプラスアルファ」のひとつとして、釣りはその大きな武器になるはずだ。 編集後記 今回の取材で交錯したのが「若い人は確かに増えています」という明るい声と、「コロナが収まったら、また他のレジャーに流れてしまうのではないか」という不安を訴える意見。せっかくゴルフに興味を持って集まってきてくれた若者を、ゴルフ場や練習場に、どうやったらつなぎとめておけるのか。喫緊の課題はハッキリしている▼その中で目を引く企画があった。本文にも登場した太平洋クラブ白河リゾートの「ゴルフ体験プラン」。オートキャンプ場に宿泊するこのプランを選択すると、練習場のコイン2枚、レンタルクラブ1セット、レンタルシューズ2名分が無料になる▼スナッグゴルフのレンタルサービスもあるから、小さいお子様がゴルフに触れるチャンスもある。以前取材したところ、子どもよりも大人がスナッグゴルフに熱中するケースが多いのに驚いた。スナッグからゴルフへ、という流れを、作りやすい環境が整っているように思えた▼ゴルフの魅力の一つとして、ゴルフ場の解放感を挙げるゴルファーは多い。釣りやオートキャンプに来た人々がゴルフ場の解放感を体験できる。太平洋クラブ白河は、コロナ後のゴルフ場の進むべき道を提示しているようにも思えた。 関連施設に釣り堀があるゴルフ場・ゴルフ練習場 《ゴルフ場の関連施設》 太田フィッシングクラブ(太田双葉CC) 〒373-0001 群馬県太田市西長岡町1261-1 電話 0276-55-1320 フィッシングエリアやま里(小淵沢CC) 〒408-0044 山梨県北杜市小淵沢町 3866 電話 0551-36-2830 太平洋クラブ白河リゾート フィッシングエリ ア(施設内) 〒962-0622 福島県岩瀬郡天栄村羽鳥湖高原 電話  0248-85-2111 《ゴルフ練習場の関連施設》 つり処 椎の木湖(水上ゴルフセンター) 〒348-0011埼玉県羽生市三田ヶ谷平島2551-1 電話 048-565-4133 レジャーパークかさま(笠間ゴルフ練習場) 〒309-1637 茨城県笠間市片庭2749番地 フロント:070-3541-8708 <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2022年2月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
    (公開)2022年03月26日
    ゴルフ場を満喫した子供たち 月明かりが、ティーイングエリアを煌々と照らしていた。「月って、こんなに明るいんだね」とのつぶやきが聞こえた。 都会育ちの子どもたちには、月の明かりを感じることすら、非日常の体験なのだ。ここは千葉の山の中。クラブハウスを離れてしまえば周囲には照明がない。 しかし各自が装着している小型ヘッドランプが、必要ないほど。皆既月食は1日違いで見られなかったのが残念だったが、丸い月が子どもたちの頭上に上がっていた。 ティーイングエリアにセットされた大型の天体望遠鏡をのぞき込んだ子どもたちから「土星のわっかが見えたよ!」「月のうさぎさん、大きく見えた」と興奮気味の早口な言葉が聞こえてくる。星にはあまり興味を示さない子、ママに会いたくて寂しがる子もいるが、それが子どものあたりまえ。暗い夜を体験し、保護者と離れたお泊りを体験するだけでも大きな意味がある。 天体観測教室の先生を務めてくれたのは、株式会社ミザールテックの伊藤守取締役技術部長。同社は天体望遠鏡や双眼鏡など、光学レンズの製品メーカーで、伊藤氏は星座早見表を造ったお方でもある。 頭上を見上げて北極星からカシオペヤ座や北斗七星の見つけ方まで解説。子どもたちも周囲の大人と一緒に北極星を探した。 到着時にはクラブハウスでカレーライスの夕食を取っており、天体観測のあとは大浴場で入浴後、隣接したホテルに宿泊。翌日はいよいよ、練習専用ホールでのゴルフ体験だ。 子どもたちはゴルフカートに分乗して練習ホールを目指す。すでにこの時点で遊園地のアトラクション感覚となり、子供たちのテンションは上がっていた。 準備体操の後は各自ボールを持って、グリーンを等間隔で囲みアプローチの練習。講師役の松下健氏(マグレガーゴルフジャパン)はグリップやアドレスなど、細かいことをあえて指導しない。子どもたちは自由な発想でクラブを握り、ボールに当てることを試みる。 最初は苦労するが、見様見真似でやっているうち、みるみるうちに上達していく。各自にボールピッカーが渡されると、これだけでまたテンションが上がり、ボール拾いも遊びの一つになっていく。 次は5人ずつのグループに分かれ、順番に打ってカップインを目指すゲームに挑戦。年齢差もあり、ボールに当たらない子や、どこかに行ってしまう子がいても、チームメイトのプレーを辛抱強く待つ姿勢が素晴らしい。 バンカーからカップインを目指すチームも現れる。子どもたちが砂場からのショットをやりたがるのも意外だった。何度か挑戦するうち、脱出に成功し、歓声が上がった。その上達ぶりは目を見張るばかり。見ていた周囲の大人からは「こりゃ、すぐ追い越される」と嘆息が漏れる。 2時間のゴルフが終了しホテルで朝食後、最後は近くの「大多喜県民の森」で木登りなどワイルドに遊んで昼食。濃密なゴルフ場での2日間を満喫して帰路についた。 今回のイベントを企画したのは「放課後スクールMOCOPLA」の プランナーである小澤珠美さん。同社は東京都内で「学習・英語・プログラミング・美術・運動などあらゆる学びがある放課後スクール」を展開。今回はその四谷校に通う15人が参加した。 自由度の高い2ホール 実際、子どもたちの満足度はどうだったのか。「皆さん帰宅して『また行きたい』と、大喜びで報告したそうです」(小澤さん)。今回サポートした関係者も「今度は3泊4日で来たい!」という子どもの声を聞いている。 2日ではとても足りない。もっともっとうまくなりたい。ゴルフの魅力が、今回の体験でしっかり伝わったことは確かなようだ。 今回は子どもたちがゴルフと初めて触れ合うために、最高の環境が用意された。芝の上やバンカーで2時間、他のゴルファーに気を遣うことなく練習できた。こうした環境というのは、なかなかない。 この2ホールはオープン当初からあったものの、約10年前から整備し直して、プロのレッスン会や初心者ゴルフ体験会などに積極活用されるようになったという。 120ヤードの打ち下ろしと250ヤード、打ち上げの2ホール。「行ってこい」のレイアウトだけに、一人で来て2時間、たっぷりと練習するゴルファーもいるという。 面白いのは料金システム。2時間貸し切りで平日は1人4900円で土日祝日は5900円(いずれも税込み)。2人でも3人でも4人でも、10人でも、1人あたりの料金は同じなのだ。 1人で2ホールを2時間独占できるというのもぜいたくな話。一方でプロが引率してスクールの練習会をここで行うケースもあるという。後ろの組から急かされることなく、芝の上から実戦的なレッスンができるという点で、プロからも好評を博している。 さらに同コースではこれにプラスアルファする形で「クロスカントリー、ナイトゴルフ、探鳥会、テント泊バーベキュー」などを実験的に開催してきている。 クロスカントリーは通常のホールの中からいくつかのホールをピックアップしてオリジナルのコースを使ってチャレンジするイベント。これもまた他のコースにはない試みとして好評を博した。 テント泊バーベキューは本コースのティーイングエリアにテントを張り、天体観測などもできるイベント。アウトドアでのBBQとテント泊はコロナ禍においても、感染リスクの最も低いスタイルとして好評だった。自由な発想でゴルフ場のプラスアルファを提案してきたマグレガーカントリークラブ。1月1日からはレストランを廃止して、全組スループレーのゴルフ場へと大きく舵を切ることが決まっている。 今後このコースからどんな新たなイベントが飛び出してくるのか。目が離せない。 ■取材後記 本コースのほかに練習用のエキストラホールを持つゴルフ場は、全国にもいくつかある。マグレガーCCからもほど近い場所にある森永高滝CCは9ホール、長野のサニーCCも6ホールがあり、ゴルファーたちから好評を博している▼今回取り上げたマグレガーCCの持ち味は自分から仕掛けていくのではなく、2ホールの練習ホールに魅力を感じたゴルファーの要求に、柔軟に答えていることだ。今回の星空観測&ゴルフ体験のプランも、小澤さんが共通の知人を通じて松下氏に相談したところ「では、ウチでやりましょう」となったという▼少子高齢化が進んでいる。2025年には団塊の世代が75歳に達する。後期高齢者となるこの年齢以降、老化による体力の低下、ゴルフ仲間の離脱、経済的な問題からゴルファーたちのプレー頻度は下がっていく。減少傾向にあるゴルフ人口が、この2025年問題により、さらにガクンと減ると指摘する声は多い▼この傾向に歯止めをかけるためには、少ない若年層にゴルフへの参入を促す活動をしていくことが重要。今回のような企画が全国各地で実現すれば、ゴルフ業界の未来にも明るい光が差し込んでくる。小澤さんの「ゴルフ人口、増やしましょう!」という言葉が、胸に響いた。 ■DATABOX マグレガーカントリークラブ ▼住所&TEL&FAX 〒298-0205 千葉県夷隅郡大多喜町沢山2-1 TEL 0470-82-3221  FAX 0470-82-3225 ▼アクセス(自動車の場合)  ・東京湾アクアライン・圏央道「市原鶴舞IC」ルート:市原鶴舞ICより13km・約18分  ・館山自動車道-市原ICルート:市原ICより32km・約45分  ※カーナビをセットする場合は、電話番号 0470-82-3221 で設定 ▼施設案内 18ホール・パー72(ベント2グリーン・ニューベント6527ヤード、オールドベント6406ヤード) 練習専用ホール(120ヤードパー3・250ヤードパー4・パター専用グリーン・バンカー) アプローチ練習場 パッティング グリーン ドライビングレンジ(9打席)100ヤード ▼業態 2022年1月1日よりレストラン廃止。スループレー専用コースに変更 <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2022年1月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
    (公開)2022年02月08日
    ジュニア層には自習室、現役世代にはワーケーション、シニア世代にはサロンを用意。トップトレーサー全打席配備のゴルフ練習場に、プラスアルファがてんこ盛りだ。バッティングドーム、テニスコート、フットサルコートにフィットネスジム、温浴施設にキャンピングトレーラー2台を備えたワーケーション施設まである総合スポーツ施設の存在を、今回はリポートする。 ワーケーションには最適の環境 小春日和の11月19日、金曜日。兵庫県川西市の「多田ハイグリーン」を訪れると、練習場の打席でゴルファーたちが心地よい打球音を響かせていた。 その脇にあるスパ&フィットネスクラブ棟では、多くのシニア世代が汗を流していた。建物を回り込むようにして歩を進めると、目に飛び込んできたのが2台のキャンピングトレーラー。天然芝のサイトにデン、と鎮座していた。 全国でもなかなかお目にかかれない光景である。一体ここで何が起きているのか。 実はこれ、全国でレンタカー事業を展開する(株)ワンズネットワークと包括連携協定を結んだことにより、川西市が無償で借り受けることとなったキャンピングトレーラー10台のうちの2台。 同市の広報誌によれば「同社の所有する「MobiHo」(モビホ)は、全長4・8メートルで全幅2・2メートル、全高約2・4メートル。乗用車でけん引が可能で、必要なときに必要な場所へ移動させることができる。 内部には、ソファや二段ベッドの他冷蔵庫、エアコンなどが備え付けられており、車両のプラグを家庭用コンセントにつなぐことで電源を確保する。最大3人まで宿泊でき、子どもが同伴の場合は、おとな2人子ども2人が宿泊可能」だという。 トレーラー内に入ってみると、落ち着いて仕事をするには、ちょうどいいスペースであることが実感できた。疲れたらごろりと横になれるベッドもある。リモートワークにはうってつけの設備だろう。 用途としては災害時の避難場所などを想定しているが、必要な時に必要な場所へと移動できるメリットがあるだけに、平時にも活用したいところ。そこで市民からも活用方法のアイデアも募集した。 イベント時の救護室や授乳スペース、移動可能なリモートオフィスなどが提案される中で、多田ハイグリーンも手を上げた。ゴルフ練習場施設内での活用を提案したところこれが認められ、実証実験がスタートした。 多田ハイグリーンでは大きく分けて3つのトレーラー活用法を提案している。まず第1にランチピクニック。レストランからトレーラーに食事をデリバリーするプラン。2番目はキャンピングカーとBBQ窯をセットで貸し出すサービス。 そして3番目が個人の書斎・勉強部屋、会議室として、また事業者の打ち合わせ、催事会場、営業ブースとしての活用するアイディアだ。 プライバシーを保てるため、リモート会議や商談も落ち着いてできるし、デスクワークにも集中できることは間違いない。 クラブハウスのレストランも近いし、温浴施設、温水プール、トレーニングジムも目の前。仕事の合間にゴルフの練習をするのもよし、ジムで一汗流すもよし。一日が中身の濃いものとなりそうだ。 自習室やサロンとしても 朝9時から夜9時までの「一日まるまる満喫プラン」(1人当たり中学生以上3980円、中学生以下2980円)はトレーラーとスポーツアクティビティ、入浴がセット。 仕事や勉強がサクサクと、はかどるはずだ、実は多田ハイグリーンの野原和憲社長、さらに先のことを考えていた。 「この近くには小・中・高と多くの学校があります。私にも子供が3人いますが、今どきの子供たちは、放課後は塾の自習室で勉強している子も多いと聞きます。ならばトレーラーや施設内に自習室を作り、集中して勉強をしてもらうのもいい。ゴルフのレッスンも時間を作ってぜひ受けてもらいたいですね」。 ジュニア世代の自習室が、総合運動施設の中にあるというのは、悪くない。学習とスポーツの両立が、ここでなら可能だ。 一方で野原社長はシニア世代への提案も忘れない。「トレーニングに来ている方たちが、ストレッチマットで話に花を咲かせている姿をよく目にします。コーヒー1杯を飲みながら知り合いと話をするために、来てくれる方もおられるわけです。ならば、サロンのスペースを、施設内に作ってしまおうとも思っているんです」。 サロンのスペースと、自習室のスぺースはかなり接近している。これによりジュニア世代とシニア世代のふれあいも、自然に行われることになる。 ジュニアにとってみればシニア世代との交流は視野を広げる機会になり、シニア世代にしてみれば孫世代との会話は癒しにもなる。多くの人々との交流は、フレイル予防のメリットもある。 目前に迫ってきた2025年問題。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、65歳以上も総人口の30%を超えることが確実視されている。 そうなるとクローズアップされるのが、フレイル予防の重要性。定年退職後に周囲との関係性がなくなり自宅にこもりがちになる、一日中パジャマやジャージでの生活が続き、加齢に起因する筋力や筋肉量の減少が拍車をかけると活動、エネルギー消費量が低下していく。 その状態では食欲が湧かないので食事の摂取量が減り、タンパク質をはじめとした栄養の摂取不足による低栄養の状態にもなる。 それが続くと体重が減り、筋力や筋肉量がさらに減少。こうした悪循環がフレイル・サイクルと呼ばれるわけだ。 その先にあるのが転倒や骨折、あるいは慢性疾患の悪化が引き金となった要介護状態。フレイル・サイクルが招く最悪のパターンだ。 フレイル・サイクルの入り口が、引きこもりがちな生活であったというのは良く指摘されるところ。デイサービスに一度は出かけてはみたものの、その後足が遠のく原因の一つが「みんなで同じ体操をさせられたり、歌を歌わされたりして大人の幼稚園みたいだったから」。 そうした不満も、多彩な施設が揃う多田ハイグリーンには無縁だ。「『俺は、スポーツクラブに行ってんねん』、という自覚が、お客様の元気のよりどころにもなっているようです」と前出の野原社長。 スポーツ施設に行くことが習慣化するためには、そこが出掛けて行きたくなる、魅力的なものであることが大前提。 練習場だけでではない、多田ハイグリーンが持つプラスアルファの選択肢の多さこそが、魅力のベースにあることは間違いない。 取材後記 以前「ゴルフ場を造った男たち」という連載で、鳴尾ゴルフ倶楽部のことを書いた。国内2番目のゴルフ場である横屋ゴルフ・アソシエーションとして発足した後、鳴尾競馬場の隣に移転。その後売却話が出て、クラブ運営に深く関わっていたクレーン3兄弟による移転先探しが始まった。 ▶だが候補地は遠すぎたり価格が高すぎたりで、なかなか見つからない。能勢電鉄畦野(うねの)駅近くにようやく土地が見つかったが、十分な広さがなかった ▶その時救世主のように現れたのが、畦野村長・野原種次郎氏。ゴルフ場ができれば村の将来にも大きなプラスになると考えた野原氏は、関係地主の説得に当たった。これにより15万坪の土地がまとまり、鳴尾ゴルフ倶楽部の移転が実現。名門・鳴尾ゴルフ倶楽部の誕生である ▶賢明なる読者の皆様はもうお気づきだと思う。今回ご登場いただいた野原社長の曽祖父が種次郎氏なのだ。現在、鳴尾の広報委員も務めている野原氏のゴルフ愛と、事業に対する情熱は、まさしく曽祖父譲り。この人ならば、コロナ後のゴルフ界に、新たなプラスアルファが生み出せる。そう信じずにはいられなかった。 データボックス 《多田ハイグリーン》 ▷住所&TEL 〒666-0155 兵庫県川西市西畦野南山2 ℡ 072-793-4522 FAX 072-792-4722 ▷アクセス 電車の場合=阪急能勢電鉄・平野駅・徒歩15分/阪急バス・陽明小学校前下車・徒歩1分 車の場合=阪神高速池田線・木部IC・10分(無料駐車場300台完備) ▷ゴルフ練習場 総天然芝300㍎121打席 トップトレーサー導入済み ベント芝の練習グリーンあり ゴルフクリニックもあり ▷ バッティングドーム 準硬式3台/軟式6台完備。 球速は軟式の70㌔(右打席)~準硬式・軟式の130㌔まで B・Bパートナーと連携し、野球用品の販売・買取も。バット・グローブも無料で試すことができる プロ野球選手によるマンツーマンレッスンもあり。 ▷テニスコート ナイター完備・8面 ジュニアスクール・レギュラースクールも。 ▷フットサルコート 天然芝に近いロングパイル人工芝を使用したフットサルコートを3面完備。ナイターも24時まで営業 キッズ・ジュニアのスクールも。 ▷スポーツクラブ ウォーキング&ランニング用のアクティブスペース、ウォーキング&スイミングができるガラス張りの温水プール、マシンがずらりと並ぶフィットネスジム完備 ▷温浴施設 スポーツクラブの1Fにある、平野の高台から汲み上げた天然水使用の温浴施設。露天風呂のほかテレビ付サウナも完備 ▷岩盤浴 40℃~45℃に温めた天然岩を使用した岩盤浴施設。室内の温度38℃、湿度60%の中で様々なヨガポーズをとる「ホットヨガプログラム」もあり。 ▷鍼灸接骨院 健康保険適用施術のほか、健康保険外、交通事故・労災の施術にも対応。 ▷レストラン 喫茶・軽食から食事までOK ▷カルチャースクール 陶芸教室 毎月第1・第3 水・金・土・日曜日  午前の部 10:00~12:00 午後の部 1:00~3:00 ▷貸し会議室 会議室としても、友人とのサークルスペースとしても利用可 ▷キャンピングトレーラー 川西市と提携して「トレーラーハウス活用事業」2台が試験的に稼働中。練習グリーン、クラブハウスが至近距離にあり、ワーケーションとして利用するには最適の環境。 ▷バーベキューガーデン 自然の中のアウトドアバーベキュー施設。好きな食材や飲み物を持ち寄ってすぐに始められます。火おこしや、食後の片付はお任せで。特別価格で、ひらの湯も利用可。 <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2021年12月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
    (公開)2022年01月14日
    コロナ禍で止まっていたゴルフ界注目のプロジェクトが動き出す。世界各国が外国人観光客の受け入れに舵を切り、日本にもゴルフ・観光・宿泊が一体となったゴルフツーリズムの解禁の日が迫ってきた。そうなれば国内における都市部から郊外への移住傾向にも拍車がかかり、真の地方創生への大きなうねりも生まれる。その推進役となる存在が、津カントリー俱楽部だ。 18番からわずか40ヤードのところに半露天風呂 湯舟に浸かり、両足を思い切り伸ばしながら息を大きく吸い込むと、ヒノキのいい香りが鼻を突いた。 フェアウエーから、グリーンへと渡ってきた風が、顔に当たって心地良い。スライドドアを完全に開放した、半露天風呂だからこそ味わえる解放感に満たされる。 10月某日。まだ、時計は朝の6時を回ったところ。わずか40ヤード先に横たわる最終ホールのグリーンが、朝日を浴びてきらきらと輝き始めた。湯舟から立ち上がり、視線を右側に移すと、広大な森が広がっていた。 ここが三重県の県庁所在地・津市の中心街からわずか20分の場所にあるとは、ちょっと信じがたい。このゴルフ場の最大の強みは、立地条件と周辺の自然環境にある。 それを最も実感できるのが、18番グリーンの奥に建てられた、3棟からなる「KATADA Lodge&amp;Villa」なのだ。津カントリー倶楽部を中心としたゴルフツーリズムの目玉でもある。 クラブハウスに最も近いエリアに建てられているのがツインベッドルーム4室からなるロッジ。冒頭に登場した半露天風呂がある「Villa Ha-nare」はカップル2組でも、家族連れでも滞在が可能な2つのベッドルームを備えた完全1戸建ての宿泊設備だ。 その間にあるのが施設の心臓部とも言える「19番ホール」。対面キッチンのバーカウンターにダイニングエリアが備わり、リラックスして飲食と会話が楽しめる。 今回のプラスアルファは、コロナ後の世界的な「リベンジ消費」にジャストフィットするであろうゴルフツーリズム。このテーマと10年に渡り取り組んできたのが、津CCの小島伸浩副社長だ。 だがここまでの道のりは、けして楽なものではなかった。 「津市には当時、三重県内77コースのうち22コースがありました。千葉県市原市が33で最も多く、次に兵庫県の三木市が25か所で西日本一。津も22か所と多くて全国4位か5位にランクされていたのですが、市長はゴルフツーリズムのような新しいことには興味がなかった」(小島氏)。 韓国から年間1万人以上の宿泊ゴルフ客 18番ホール そんな時、小島氏は津市内で白山ヴィレッジゴルフ倶楽部などを経営する福田正興社長から、すでに韓国から年間1万人以上の来場者がいる事実を聞かされた。インバウンドで成功しているゴルフ場がすでにあったのだ。 しかし小島氏は福田氏から意外な本音を聞かされた。 「福田さんは『もともと国際交流とかインバウンドとかの意識はなかった』と言うのです。白山ヴィレッジは36ホールあって近隣2コースと合わせ1日800人がプレーできた。でもホテルは500部屋もある。『ゴルフ場が満杯でもホテルがガラガラだとうちは赤字。必然的に宿泊ゴルフを売らなきゃいけないから台湾や韓国からのお客さんが増えてきた』というわけです」。 ゴルフツーリズムは耳慣れない言葉でも、2010年以前からインバウンド1万人以上という数字は行政サイドとしても無視できない。 「これはゴルフが目的で来ている人々の数字。ゴルフツーリズムがインバウンドに有効だと僕らが提起して、県がそれを認めてくれた」。 小島氏は2014年、日本ゴルフツーリズム推進協会(JGTA)を立ち上げる。ちょうど2016年の伊勢志摩サミットを控え、県を挙げての準備が進んでいる時期だった。小島氏はそのタイミングでJGTAの白石武博会長とともに三重県の鈴木英敬知事を表敬訪問。「サミット開催国はゴルフ先進国です」と説明したとたん、知事は即座に反応した。 「『知事は)『県の海外誘客の目玉として、ゴルフを取り入れよう』と1分で決めてくれました」。 サミット終了後、2018年に約40か国が参加して、第1回日本ゴルフツーリズムコンベンションが開催される。この時に合わせて完成したのが、冒頭に登場した「KATADA Lodge&amp;Villa」だった。 最初の宿泊客は同コンベンションの主催者であるIAGTO((国際ゴルフツアーオペレーター協会)のピーター・ウォルトンCEOだった。 「彼の団体だけで年間3000億円くらいのゴルフツアーを組んでいます。ロッジの初日は世界一ゴルフツーリズム界で有名な人物である彼を泊める。それが僕の作戦でした」。 しかも伊勢神宮の「式年遷宮」には環境意識の高いゲストほど興味を示すことも分かった。この永遠に続く20年ごとのサイクルに感動するというのだ。 ゴルフツーリズムに取り組む過程で得たものも大きかった。「自治体や国との取り組みもその一つ。ゴルフ場以外の周辺観光を勉強して、提案もしなきゃいけない。焼肉を食べたいとか、寿司を食べたいとか、そういう要求に応えるため地域の飲食店とのネットワークも築く必要もある。そのうちに改めて移住・定住のヒントもいただいたのです」。 ゴルフだけで、津が移住の条件を満たすわけではない。「3分の2は子供の生活環境と家族の健康です。東京で一番高い野菜は無農薬。田舎なら安くいいものも手に入ります。農業とゴルフを合わせた形でお迎えできれば、ニーズは上がると思いました」。 ゴルフ場の近くに住み、農業にも従事するライフスタイルの提案だ。「農地をお借りしたり、ゴルフ場の一部を農地化して管理したりしています。移住してくるメンバーさんのために、共同農園をゴルフ場の周辺に作る計画もあります」。 アフターコロナで都市部の一極集中から地方分散型へのシフトが始まっていることも追い風になる。「(コロナ前は)会社の肩書や高収入、タワマンに住むなど都会中心の基準が評価されていました。でも空気が悪いし、通勤は立ちっぱなしで時間も無駄になる。リタイヤ後などは交友も減りデパ地下のお惣菜を肴に、一人高級ワインを飲む生活が果たして楽しいのでしょうか。郊外に住みゴルフ仲間と毎週末パーティーをする生活の方が、はるかに良いのでは」。 インバウンドが活況を呈すと同時に、選択の時もやってくる。 取材後記 津カントリー倶楽部 小島伸浩さんとしおりさん(右)ご夫妻 小島さんはインタビューの最後をこう締めくくった。「かつてはグッドゴルファーを育成することを目指していましたが、最近はゴルフ場の役目は、ゴルファーとその家族を幸せにすることだと考えるようになりました」▶そんな考え方の根底にあるのが「南アの黒ヒョウ」と呼ばれたグランドスラマー、ゲーリー・プレーヤーとの再会。1990年にジャック・ニクラウスのシニア入りを記念してハワイ島で行われたスキンズマッチのパーティーでのことだった▶この時、小島さんは幸運にもプレーヤーと食事をする幸運に恵まれた。「ゲーリーさんは5つのメッセージの最後に『ビー・ハッピー』と書いてくれたんです。『これが一番大事なんだ。幸せな家庭を築けなければ、スターになることは意味ないんだ』との言葉を添えて」(小島さん)▶それから25年後となる5年前、プレーヤーがレッスンのイベントで来日した際に小島さんは妻子を連れて東京のパーティー会場で再会を果たした。「うちの息子にもサインをしてくれたんですが、変わらないゲーリーさんの精神と幸せそうな表情を見て、25年前にもらった合い言葉に間違いないと思ったんです」。地域や行政との取り組みにも手ごたえをつかんだ小島さんに、迷いはない。 1990年にG・プレーヤーから小島さんに贈られた直筆サイン入りメッセージ 【DATA BOX】 ▷津カントリー倶楽部 住所 〒514-0077 三重県津市片田長谷町30番地  電話番号 059-237-3580 公式ウエブサイト http://www.tsu.co.jp 設計・監修 尾崎将司・佐藤謙太郎 18ホール 7023ヤード、パー72 練習場 200ヤード・15打席 《宿泊施設》 KATADA Lodge&amp;Villa(ゴルフ場内) 公式ウエブサイト https://katadalodge.com/ 電話番号 0120-80-3700 《アクセス》  電車の場合 JR紀勢本線 近鉄名古屋線、津駅下車。 近鉄大阪線 榊原温泉口駅下車。 クラブバス 3組以上のコンペの場合、送迎可能。 タクシー 津駅から約20分。2500~2800円。 車の場合 最寄IC:伊勢自動車道/津ICより5km 津ICで降り、津市内方面へ向かって1つ目の信号を右折、道なりに榊原温泉方面へ。途中、案内に従って右折、コースへ。 <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2021年11月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
    (公開)2021年12月05日
    栃木県内でゴルフ場3コースを保有する鹿沼グループ(福島範治社長)が、30項目にも及ぶ大胆な改革プランを断行中だ。中でも目を引くのは、補助金を活用してコンペルームを改造し、シミュレーター2台を投入する計画。若年層の開拓にも、このラウンジが大いに力を発揮しそうだ。コロナ後のロケットスタートに向けて、他の改革案も次々に実行へと移されている。 事業再構築補助金を活用 「4室ある鹿沼72のコンペルームのうち2室をシミュレーターラウンジとして整備します」。 鹿沼グループを率いる福島社長は笑みを浮かべて、さらにこう続けた。「『事業再構築補助金』の第2次候補として採択されたので、よし、これでいけるぞと」。 クラブハウス内にシミュレーターが2台。外には300ヤード・20打席の練習場も、45ホールものゴルフ場があるというのに、という疑問が生じるのも無理はない。そもそもシミュレーターは都市部などコースでプレーできない場所にいながら、リアルにラウンドしているかのような体験をするために生まれたものだ。 だが、実はゴルフ場だからこそ、シミュレーターを導入する意味がある。コロナ禍において、最も明るい話題といえば、30代以下の若い世代が感染リスクの少ないレジャーとしてゴルフを始めたこと。その一方で、問題視されているのが、ビギナーたちにマナーと技術を学ぶ場がないこと。いきなりコースに出たためにスロープレーとなりベテランゴルファーから叱責されたり、うまくならずゴルフの楽しさや爽快感を体感できずにゴルフをやめてしまったりというケースも少なくない。 コロナ禍の中、せっかく密にならず、開放的な空間で楽しめるゴルフの魅力に気づいてくれた若者たちが、ゴルフに背を向けてしまうのは、何とももったいない話。彼らにリピーターとなってもらうにはどうしたらいいか? というのはゴルフ界全体にとって、喫緊の課題だ。 当然のことながら、福島社長の言葉にも力がこもる。「U35(アンダーサーティーファイブ)会員制度」を新設して、今会員が1000人います。元は500人だったのですが、コロナ禍で倍に増えました。これは35歳以下の、上達したいと願うすべてのゴルファーのためのお得な制度です。現在の実力は問いません」。 当然、会員の中にはクラブを握ったばかりのゴルファーもいる。コースデビューという一段上のステージに上がる前にマナーや基本的な技術など身につけたい課題がある。そこに上がる前の「中2階」でシミュレーターが果たす役割は多い。 「ご希望の方には、マナーが学べるレクチャーがあります。まずシミュレーターでゴルフに慣れてもらって、コースデビューに備えてもらうのもいい」(福島社長)。シミュレーターならラウンドしながら、後ろの組にスロープレーで迷惑をかけることもなく、楽しくゴルフをマスターすることが可能だ。 入会金は4人で割れば2750円 ちなみにこのU35会員の入会金は1万1000円だが、グループ(上限は4人まで)で入会可。4人なら人数割りで一人2750円となる。 年会費は一人1万1000円。プレー料金は食事付きで平日3750円、土日祝日が5700円(料金はすべて税込み)とかなりリーズナブルだ。しかも正会員入会移行時には、名義書換料が50%オフの特典もある。 さらにシミュレーターのある場所でゴルフグッズを販売するプランもある。新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が出されてから、どこのコースでもドル箱だった企業コンペが消滅。コンペルームも無用の長物と化していた。そのスペースを有効活用するチャンスも広がる。 最近はゴルフ場に隣接したグランピング施設も珍しくなくなったが、鹿沼グループの栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部の場合は一味違う。フェアウエーにテントを張ってのラグジュアリーキャンプを5月19日より毎週水曜日と土曜日、1日1組限定でスタートさせている。 キャンプといっても、アメニティやキャンプ用品は完備されているので手ぶらでOK。1ラウンド(昼食付。有料でキャディー付きも可)をプレーした後、18番のフェアウエーでスタッフのサポートを受けつつテントを設営する。 その後は感染リスクも低いオープンテラス席でプレミアムディナーコースを堪能。テントに戻り、星空の下、焚火を囲んで一杯やりつつ、ぜいたくな時間を満喫できる。オプションで花火の打ち上げ(4万円~)も可能。 夜が明ければ、芝生の上で朝日を浴びながら、届いたばかりの朝食を楽しむこともできる。有料でその後の追加のプレーも可能だ。 お値段は水曜日が3万8000円、土曜日が4万8000円(ゴルフ昼食付1ラウンド、1泊夕食・朝食・テント、テント内ドリンクフリー付き=1人当たり)。 同コースは一昨年の11月25日、栃木市と災害時協定も締結した。地域の住民が、市が指定している「避難場所」へ安全に避難することが困難な状況となった場合などに、施設を一時的な避難施設、車の避難スペースとしても提供する。 この他、従来のゴルフ場では考えにくい企画がいくつも実現している。例えば今年5月29日に鹿沼72CCで開催された花火イベント。周囲に建物がないため、市内では打ち上げ不可能な一尺玉も打ち上げられたという。 昨年は地域の花火大会がすべてキャンセル。そのため医療従事者むけのチャリティーイベントとして花火大会を行った。今年も鹿沼市の花火大会が中止になったため、2年連続で開催した。「敷地内で完結しますから危険もない。来年も継続してやっていきたいと思います」(福島社長)。 マスター室前の立ち見が1人2000円(大人1人につき子供1人まで無料)、テラスでのバイキング&飲み放題付1人8000円のプランも好評を博した。売り上げの一部を今年も寄付している。 ピザ窯 また、鹿沼72ではレストランをリニューアルして、本格ナポリピッツァを提供する。「地元の一般の方にも来ていただけるように、新しいピザステーションを作って、オープンキッチンにして、生地から作るピザを提供します」。 ピザを食べに来たついでに、シミュレーターでプレーしていく。ゴルフ場が地域の人々の憩いの場や、災害時の避難場所としても機能する。それは結果的にゴルフ人口のすそ野拡大にもつながっていくはずだ。 ■取材後記 手元のICレコーダーには1時間35分14秒とカウントされているが、あっという間だったのが実感。福島社長の魅力は、人を安心させる笑顔。これが30もの改革を進められる原動力なのだと思う。社長が不安な表情を見せていたら、ついていく方も不安になる ▼この連載が早くも5回目を迎え、実感していることがある。今、元気のあるゴルフ場は、2016年あたりから5年後の今を見据えて、改革への準備を地道に進めていたことだ ▼5年前といえば少子高齢化に歯止めがかからず、ゴルフ人口が減少傾向に入り業界がシュリンクし始めていた時。その対策としてゴルフ場単体ではなく、プラスアルファの価値を見出し、それを具現化する作業に手を付けていた ▼人手もかかり、お金もかかる。体力のあるうちに準備を進めていたから、コロナ禍という緊急事態にも対応できた。これはラッキーだった、という一言で片づけられるものではない。いかなる有事にも備えられる体制を整えられていたからの、今なのだ。 【DATA BOX】 鹿沼グループ 代表者 福嶋範治 総従業員数 303人 売上高 22億2000万円(2020年3月現在) ◆鹿沼カントリー倶楽部 住所/電話番号 〒322-0532 栃木県鹿沼市藤江町 1545-2 TEL0289-75-2131 公式ウエブサイト http://www.kcc45.jp/  アクセス  車の場合:東北自動車道鹿沼IC  電車の場合:東武浅草線・新鹿沼駅下車 車で約15分 45ホール(南・北各18ホール、黄金(こがね)9ホール) ◆鹿沼72カントリークラブ 住所/電話番号 〒322-0526栃木県鹿沼市楡木町1475TEL: 0289-75-2111 公式ウエブサイト http://www.kanuma72.jp/ アクセス 車の場合:北関東自動車道 都賀ICより15分   電車の場合:東武浅草線・新鹿沼駅より車で20分 東武日光線・楡木(にれぎ)駅より車で5分(クラブバスは予約制) 45ホール(男体・筑波各18ホール、富士9ホール) 300ヤード・20打席のドライビングレンジあり ◆栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部 住所/電話番号 〒328-0121 栃木県栃木市細堀町376 TEL: 0282-28-1070 アクセス 車の場合:東北自動車道 浦和ICから45分 栃木IC3分 電車の場合:JR両毛線・東武日光線 栃木駅よりタクシーで15分  東武日光線・宇都宮線 新栃木駅よりタクシーで10分 (クラブバスは予約制) 18ホール 180㍎・11打席のドライビングレンジあり 公式ウエブサイト http://www.tgc18.com ◆富士企画株式会社(会員権仲介) <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2021年10月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
    (公開)2021年11月11日
    眠っているゴルフ場の底力。それを引き出すためには、既存の設備を時代のニーズにマッチさせていくことが重要。その体現者ともいうべきゴルフ場が、茨城県にある「スパ&ゴルフリゾート久慈」だ。このゴルフ場に舞い込んでいる注文は、葬儀用会席料理のケータリング。ゴルフ場と葬祭ビジネス、実は相性抜群なのだ。「地域包括ケアシステム」とも、歩調は合う。 地元のJA関連施設が発注元 6月初旬の某日。葬儀2日前に5000円の会席膳、33人前の注文が、「スパ&ゴルフリゾート久慈」に入った。翌日に2人前、さらに当日朝に3人前の追加が飛び込んでくる。 しかし厨房の中は、混乱もなく慣れたもの。通常営業と並行して作業は進み、38人前の会席膳が積み込まれた軽トラックは、予定通りゴルフ場を出発。約束の正午までに葬儀場のホールへと、無事届けることができた。 突発的な注文の変更にも対応ができるのが、ゴルフ場のレストランの強み。高橋哲也料理長が、その秘密を明かす。 「ウチの場合は朝、昼、晩と食事を作っていて、新鮮な材料が豊富にあり、常に回転している状態。だから急な注文が入っても、対応できるのが強みです。会場までは車で10分もあれば着きますから、ぎりぎりまで時間を合わせて、お届けするようにしています」。 注文は別の日にも、コンスタントに入っている。4000円の会席膳が45人前の日もあれば、34人前の日もあった。平均すると15人から30人規模の葬儀が多いという。 葬儀の場合は火葬の間に軽い食事を取り、最後に精進落としの料理を食べるのが一般的。「今はコロナ対策が最優先で、大皿料理ではなく、一人一人、個別の料理をご用意するようになっています」(高橋料理長)。 コロナ禍とはいえ、葬儀は行われ続けている。感染対策のうえで、食事の席は設けられているから、会席膳のニーズも当然あったわけだ。 発注元は、地元のJA。そもそもゴルフ場とJAが結びついたきっかけは何なのか。JA常陸葬祭部・JA大平ホールの阿部淳志副館長が、そのいきさつを明かしてくれた。 「近くの業者が高齢化で、ウチの提供しているメニューがもうできないと言われてしまいましてね。それで以前私がここに異動して来る前に、営業で来たことがあると聞いたゴルフ場さんに、お願いしてみたわけです」。 ゴルフ場側の地道な営業が実を結んだわけだが「今風の料理を出してくれるので、非常に(利用者の)評判もいいですよ」と阿部副館長。他にも業者がおり1社独占とはいかない事情はあるにせよ、様々なメニューに対応できるゴルフ場の強みが、利用者の支持を集めているのは間違いなさそうだ。 最初の緊急事態宣言が出た昨年春は、他のゴルフ場がそうであったように、大打撃を食らっている。 当時を振り返って田中秀幸総支配人がいう。 「コロナで売り上げは落ちましたが、復調傾向になりました。ケータリングだけで、200万円強を売り上げた月もありましたから」。 ゴルフ場にとってのドル箱である土日のコンペは激減したのはこのコースも同じだった。ケータリングの営業を行い、その後定着させていったことで、厳しい逆風の中での救いにもなったわけだ。 その後は密にならず、クラブハウス内が広く感染対策もなされていて、感染リスクが低いスポーツとしてゴルフが見直されていった。 べランピングと法事の融合も 高齢者に対するワクチン接種がほぼ終了したことで、今後期待が膨らんでくるのがクラブハウスを有効活用しての法事。もともとこのコースの強みは、船をかたどった巨大なクラブハウスの利点を生かし、ゴルファーと法事客の動線を完全に分けられることだった。 両者が鉢合わせにならない利点を生かし、約5年前から新聞の折り込みチラシで告知すると早速反響があり、15~30人規模の法事が月2回ペースで入っていた。 ちなみに現在も仏式、神式に対応し、8名からの無料送迎車も完備。会場は8名から80名まで対応できるのもゴルフ場のクラブハウスならでは。食事も豪華だ。 煮物、焼き物、油もの(天ぷら)など7品目3500円、8品目4500円、9品目6000円の会席コースが用意されている。 法事の会場となる部屋も多彩だ。右奥にあるコンペルームはベランダ付きで、バーベキューも可能。ハンモックも設置され「べランピングも可能です」と田中総支配人。べランピングとはベランダでのグランピングを指す造語だそうだ。 その隣には、広いスペースにカラオケが完備されたコンペルームも用意されている。ワクチンが行きわたりニューノーマルに戻った時には、この部屋も人気となりそうだ。 このゴルフ場はゴルファーでもなく、法事客でもない、ランチ目当ての一般客が多いことでも知られていた。雨の日の特別割引もあったため、現地に雨が降ったかを確認してから訪れるランチ目当ての一般客が、全体の一割を占めていた時期もあったほど。 コース内の「松ヶ沢温泉」は日帰り入浴のみにランチカフェテリアとのセットのほか、練習場でタップリ汗を流してから松ケ沢温泉につかって、のんびりするプランも用意されている(料金はDATA BOX参照)。 法事に温泉、食事、それにゴルフ。スペースにゆとりがあって感染リスクの少ないゴルフ場に、人が集まるのは自然の成り行きなのかもしれない。 厚生労働省は『団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現していく』としている。 その一方で「今後、認知症高齢者の増加が見込まれることから、認知症高齢者の地域での生活を支えるためにも、地域包括ケアシステムの構築が重要」ともしている。 ゴルフが認知症予防に役立つ、という説もある。それは2025年に向けて厚生労働省が目指している地域包括ケアシステムにも、直結するテーマでもある。地域住民がゴルフ場と密接な関係を築ければ、シニア世代の健康寿命を延ばすために、ゴルフ場が果たせる役割は多いはずなのだ。 ■取材後記 このコースはプロよりも強いアマチュアと言われた中部銀次郎氏が唯一設計監修したコース。その実力は本物で、1967年の西日本オープンでは本当に並み居るプロを抑えて優勝してしまった。当時としては大変な偉業。それからさかのぼること40年、1927年に第1回の日本オープンを制した赤星六郎以来、史上2人目の快挙だった▼筆者も生前一度だけ、六本木で酒席を共にさせていただいた。素顔の中部氏は実に気さくで18歳も年下の私にも優しく、最後まで楽しい酒席だったと記憶している▼生涯アマチュアを通して2001年12月14日に他界した後、追悼コンペは当然のことながら、このコースで行われることになった。追悼コンペには、青木功ら旧交のあった多くのプロが参加。59歳という早すぎる死を惜しんだ▼クラブハウス1階の一角には、クラブやシューズ、グローブなど、中部ゆかりの品を揃えたコーナーもある。また、貴重な中部語録も掲出されている。これも他のゴルフ場にはない、プラスアルファの財産だ。 ■データボックス スパ&ゴルフリゾート久慈 ▶住所&電話番号&メールアドレス  〒313-0112 茨城県常陸太田市岩手町1398 TEL0294-76-1711 FAX0294-76-1791  メールアドレス:info@spagolf-kuji.jp ▶アクセス 《くるま》  常磐自動車道「那珂IC」より約20km、約25分 《電車》   JR常磐線「勝田駅」から車で約45分、 またはJR水郡線「常陸大宮駅」から車で約15分 《高速バス》 「常陸太田バスターミナル」から車で約15分  ▶ホテル 《久慈スパリゾートホテル》  レギュラーツイン11室 フォースルーム(4名)1室 スイートツイン2室 和室 (12畳) 2室 プレイルーム 麻雀卓2卓・囲碁・将棋 ホテル温泉浴場 6:00~10:00  19:00~23:00 ▶ヴィラ 《リゾートヴィラ棟》 ツインベッドルーム(約67㎡) 定員2~4名 各種アメニティ・寝具完備 キッチン・冷暖房・床暖房 全室天然温泉浴場有り 洗濯乾燥機・空気清浄機 《ワイドテラスヴィラ》 ツインベッドルーム(約61.75㎡) 定員2名各種アメニティ・寝具完備 ・キッチン・冷暖房・床暖房 全室天然温泉浴場有り 空気清浄機 ▶ゴルフ場 中部銀次郎が唯一、設計・監修した18ホール 14打席200ヤードのドライビングレンジ  アプローチ・バンカー・パッティング練習場あり ▶温泉 《松ケ沢温泉》 露天風呂付温泉大浴場 地下1200mから湧出、ナトリウム塩化物硫酸塩温泉 日帰り入浴可 大人700円 子供300円(未就学児童無料) ▶レストラン 《ゴルフガーデンレストラン THE GRILL》 朝食から昼食(カフェテリアスタイル)、アフタープレイ、ディナーに対応  地産地消、トレーサビリティー(原材料~加工~販売~廃棄を明確に記録)がテーマ カフェテリアランチ 1700円 (小学生980円) 日帰り入浴&カフェテリア 2100円 (小学生1280円)※未就学児無料、価格は税込み 新型コロナ感染症予防対策を徹底のうえ、コンペの打ち上げや各種パーティーに対応 ▶クラブハウス内に「中部銀次郎ミュージアム」あり。 <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2021年9月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
    (公開)2021年09月21日
    コロナ禍において、ゴルフは密にならず、屋外で感染リスクも低いことからその良さが改めて見直された。同じ理由でキャンプ場も盛況となっている。今、その両者に注力しつつ総合リゾート施設へと変貌を遂げているのがリソルの森。ウィズ・コロナの社会で、ゴルフ場はこれからどこに進んでいくべきなのか。同社の佐野直人社長に、現地でじっくりと話を聞いた。 抜けるような夏空に、ぽっかり浮かんだ入道雲。スイスのレマン湖をかたどった大型プールでは、子供たちが歓声を上げながら水しぶきを上げていた。その脇に並んだ、テントの白さが目に染みる。 リソルの森は100万坪の広大な森林の中にゴルフ場45ホール、プール付きのグランピング施設、フォレストアドベンチャー・ターザニア、ホテル、メディカルトレーンニングセンター、研修施設、レストランなどが点在する総合リゾート施設。木々を抜けて来る風がさわやかだ。 ちょうどこの日、10棟のテントキャビンがオープン。すでにあった8張りに加え、18のグランピングテントが稼働を開始したところだった。佐野社長がこう話す。 「テント自体、ウチがオリジナルで開発していますし、コンクリートの基礎を打って快適性はどこにも負けない自信はあります。元々ホテルをやっていますので、よりホテルに近いサービスを提供しています」。 確かにこれはキャンプの域を超えている。室内は冷暖房完備で、ベッドやソファー、照明などの調度品が揃いホテル並みの快適さ。それでいてアウトドアの爽快感が同時に味わえるのだからたまらない。 トップシーズンとあって、BBQの夕食を含む1泊2食付きの値段が1人あたり10万円を超えるプランもあるが、予約は順調に埋まっている。「開発時からランドスケープを考慮した」(前出の佐野社長)景観を含めば、時節がら海外旅行に代わる選択肢として、富裕層がお得感を感じるのも無理はない。 それにしても、鮮やかすぎる変貌ぶりと、うならざるを得ないタイミングの良さだ。しかしこのグランピング施設、コロナ禍を視野に入れて開発されたものではなかった。 「グランピング施設の建設が計画に上がったのは、2018年ごろだったと思います。あの時点でゴルフ場単体としての中長期的な展望は、決して明るいものではなかった。いずれ右肩下がりになるとすれば、それに対応していくには、ホテルリゾート部門の強化策が必要でした。そこで上がって来たのがグランピングだったのです」(佐野社長)。 施設の核となっている真名カントリークラブの歴史は古い。長柄ふるさと村総合開発を土台にホテル、別荘、スポーツ施設一体型のリゾート施設としてオープンしたのは1976(昭和51)年だから、45年前だ。 1978年の日本プロ王者で、11勝を挙げた小林富士夫が契約選手だったことでオールドファンにもおなじみのコースだが、1985年にオープンしたエアロビクスセンター(現・メディカルトレーニングセンター)はカール・ルイスやベン・ジョンソン、セルゲイ・ブブカなど世界のアスリートがトレーニングに訪れたことで世界的な知名度を得た。 さらに1996年の10月にはグランドスラマーの「南アの黒豹」ゲーリー・プレーヤー設計の18ホールが加わり、45ホールの大型ゴルフ場にも成長し、その後1997年にミサワリゾート株式会社(現・リソルホールディングス株式会社)が経営を引き継いだ。 感染拡大でゴルフとキャンプが人気に もともと、単体のゴルフ場にはない強みがある。充実した宿泊・研修施設を使用する企業研修や総合運動場・プール・テニスコート・体育館を使うスポーツ選手・スポーツ団体のトレーニング合宿も大きな収入の柱になっていた。 2007年7月には、20代を中心とした若者をターゲットにした自然共生型アウトドアパーク「フォレストアドベンチャー・ターザニア」も加わり、多角化に拍車がかかっていく。 一方で悩ましい課題もいくつかあった。企業研修は安定した収入はあるものの、すでに飽和状態。「4月の新入社員研修、9月のフォローアップ研修、それに役員研修は時期が決まっていて、キャパの上限にもあるのでそれ以上取れない。それ以外の時期に独自の『チーム力を高める研修』なども行って、伸ばせては行けていましたが、単価が高いわけじゃなく、そこまでブランド力を高めるほどの収益力はなかった」事情もあった。 年間11万人が訪れるゴルフ場として知名度は高かったものの、ここでさらなる多角経営化に舵を切る必要があったわけだ。 そんなタイミングで、新型コロナウイルスの感染拡大。ご多分にもれず、週末のドル箱だった企業関連のコンペは、真名でも一気になくなった。佐野社長が昨年春の危機的状況を振り返る。 「3、4、6月は、例年コンペが最も入る時期。緊急事態宣言でそれがなくなりました。企業コンペは4割を占めていましたから、その影響は大きかったですね」。 しかしそんな状況でもグランピング施設の準備は粛々と進められた。一方で感染対策をして、スループレーを導入するなどしている頃、テレワーク生活で体を持てあました若者を中心にしたビジネスパーソンがゴルフに注目。ゴルフ練習場やゴルフ場が活況を呈し始める。 7月にグランピング施設がオープンすると、さらに風向きが変わっていく。グランピングのテントキャビンだけでなく、ログタイプのコテージ27室も密にならない宿泊施設として注目度が上がり、稼働率は100%に近づいて行った。 そしてもうひとつ、コロナ禍で注目を浴び始めたのが2拠点居住。通勤の必要性がダウンして、首都圏一極集中から地域分散型の動きが出始めている。 その動きに対応できる施設がリソルの森にそびえる16階建てのシンボルタワー「TRINITY書斎」だ。100室のうち53室が住居、47室が客室として利用されている。 「外房線の誉田駅から無料シャトルバスで約20分ですし、車はインターチェンジから5分ですので、東京へも十分通えます」。  ワーケーションの場所としても、うってつけだ。「10泊しても飽きない施設です。質を上げて、バリューを上げていくことが、大事だと思っています」(佐野社長)。 リソルの森ほどプラスアルファの選択肢が豊富なゴルフ場は、今のところない。 ■取材後記 帰る途中でオープンしたばかりのグランピング施設を撮影するために立ち寄った。そこにスタッフとの打ち合わせのため佐野社長が自ら運転して駆けつけてきた。行動派のリーダーであることが、その仕事ぶりから伝わってくる。猛暑日とあって、その額には玉の汗が浮かんでいた▼「10泊しても飽きない施設」と佐野社長は胸を張ったが、ゴルフ場に加えそれぞれ性格の違う多彩な施設を運営する会社のトップの大変さを垣間見た気がした▼2000年秋から場内に実験的にキャンプサイトを開設し、これまでの熟年層のメンバーシップゴルフに加えて、若年層によるキャンプとゴルフのマッチングという新しいニーズの掘り起こしにもチャレンジしてきた。その甲斐あってかゴルフ場には、20代の若いカップルも目立った▼プールを中心にしたグランピング施設には子供連れも多かった。ホテル併設の分譲マンションにはシニアも多い。その盛況ぶりは、ゴルフ場の総合テーマパーク化が生き残りの道であることを、如実に物語っていた。 ■データボックス Sport & Do Resort リソルの森 ▶住所&電話番号 〒297-0201 千葉県長生郡長柄町上野521-4 TEL: 0475-35-3333(9:00~17:00) ▶アクセス 《車》「板倉IC」「茂原長柄スマートIC」約5分。 《電車》 JR外房線「誉田駅」南口から無料シャトルバス約20分。 ▶グランヴォー スパ ヴィレッジ 《テントキャビン》 森-MORI- 7棟  ラク・レマン-LAC LEMAN- 8棟  《テントキャビンプレミアム》 森-MORI- 1棟 ラク・レマン-LAC LEMAN- 2棟 《グランピングヴィラ》 4室 《テラスハウス》 27室 《グランテラス》 11室 ▶スパ 天然温泉 紅葉乃湯 準天然温泉 長柄カルナの湯 ラク・レマンプール リラクゼーション  ウエルネス・リトリート ▶ゴルフ 真名カントリークラブ 真名コース27ホール 真名ゲーリー・プレーヤーコース 18ホール ドライビングレンジ2階建て48打席 230ヤード アプローチ練習場 ▶MTC メディカルトレーニングセンター 《屋内》多目的体育館・フィットネスルーム・ダンスルーム・室内200mトラック・室内プール 医療法人財団 健康医学研究会 リソルクリニック 《屋外》テニスコート4面 400㍍全天候トラック フィンネンバーン(ランニングコース)第1グラウンド140m×100m 第2グラウンド135m×95m アーチェリー場 ▶キャンプサイト 53区画 ▶フォレストアドベンチャー・ターザニア ▶レストラン 和食処 翠州亭 レストラン ブローニュ レストラン スポール  THE GRILL(真名店)(GP店) <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2021年8月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
    (公開)2021年09月07日
    コロナ禍は都市部への一極集中から、郊外分散型へのシフトを生んだが、千葉の「ブリック&ウッドクラブ」はとっくにその先を走っていた。ゴルフ場を中心に実現したコミュニティーは、2025年の構築が目標の「地域包括ケアシステム」の課題をクリア。さらに2030年がゴールのSDGsの諸条件にも多くがあてはまる。ニッポンが今目指すべき、理想の形がここにあった。 5月30日の日曜日、午前9時半。クラブハウスのテラスから見える練習グリーンでは、住民の子供たちが初夏の日差しを浴びながら、ジュニアクリニックに参加していた。初めてクラブを握る子も多い。所々から歓声が上がる。 ゴルフが生活の中に溶け込んでいる。クラブハウスやその周辺には犬が何頭もいて、のんびり昼寝を楽しんでいる。リード付きなら愛犬と散歩しながらのプレーもOKだ。住居エリアには共用のアプローチ練習場もある。所属プロもいて、レッスンも受けられる。 ブリック&ウッドのファウンダーでもある坂征郎顧問が、歓声を上げる子供たちに目を細めながら、こう語る。「当初は(テレビドラマの)『やすらぎの郷』のような高齢者施設になるのかと思いましたが、今は3世代が楽しめるコミュニティーとなっています。おじいちゃんとお孫さんがラウンドしたりね。世界ジュニアで優勝する選手までいますから。そういうレベルにあるお子さんが、5人くらいいます。プロたちとアプローチ合戦をして、勝ってしまう子供もいますから」。 子供たちにも絶好の練習環境が提供されている 敷地内にはすでに90棟の住宅が完成しており、近日中には130棟になる。ゴルフ場に付帯したテニスコート、プールもある。コミュニティーを構成する人々の平均年齢を聞いて驚いた。「おそらく、今は40代くらいになると思います」。親世代の70代、子世代の40代、孫世代の小中学生。こうした平均的な3世代同居も少なくない。 首都圏一極集中が当然だった時代なら、こうはならなかったはずだ。現役世代が郊外と都市部の2拠点居住という選択肢を視野に入れたことが大きい。長時間の通勤時間から解放されるばかりか、自然に囲まれた環境でのびのびと暮らすことができる地方移住が見直された。 企業側にも、都心に本社を構えていることのメリットが、薄まった。社員が出勤してこないのであれば、高いオフィス賃料を払い続ける必要はない。大規模災害への対策としても、郊外への移転は一つの選択肢。サザンオールスターズなどをマネジメントするアミューズが山梨へ、人材サービス大手のパソナが淡路島へと、郊外移転を選択するケースも珍しくなくない。これにより、職住接近が郊外移住と直結した。 すでに90棟の住宅が完成している Aさんは木曜と日曜の休日を利用し、週に4日間はブリック&ウッドの自宅で過ごす。休日明けの月曜日、約1時間かけて自分が経営する都内へ。3日間勤務し水曜日の夜、ブリック&ウッドに戻り木曜日は休日を満喫。金曜朝に出勤し、土曜の夜にまた帰宅する。都内には月、火、金と3泊。千葉には水、木、土、日と4泊するバランスの取れた2拠点居住をを続けている。 リモートワークに振り替えやすい職種であれば、選択肢は増える。その一方で、30年後の日本は人口が8000万人まで減り、社会を支える現役世代は半分の4000万人となるといわれる。働き手が減り、1人が1人を支える異常な人間ピラミッドが出来上がる。介護・医療の分野で国の財政を圧迫されていく。介護崩壊・医療崩壊も現実味を帯びる。 そこで掲げられているのが「地域包括ケアシステム」。これは団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年のシステム構築を目標にした厚労省が推進している支援・サービス提供体制のこと。要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けられることが目標。「地域」とされる範囲は概ね30分程度で必要なサービスが提供される「中学校区」とされる。 現段階でも、ブリック&ウッドと地域医療の連携体制も築かれ始めている。「ここから車で10分の牛久の町には、夜番のお医者さんが白衣を着たまま待機してくれています。何かあった時には対応してくれることになっています」(坂さん)。住民に医師が増えれば、コミュニティー内における診療所の設置も現実味を帯びる。在宅医療と在宅介護。これは世界一のスピードで超高齢社会へと突き進む日本が取り組まざるを得ない最重要テーマだ。 コミュニティー内に訪問看護ステーションを設置する計画もあるという。「入居予定の家族の奥様が、看護師の資格をお持ちなので、ケアマネージャーの資格も取っていただけるといいですね」。医療と介護、両方の分野に強い人材がいてくれれば心強い。 坂さんが続ける。「去年の1月にインドに行った際、ナースの資格を持っていて注射も現に打っている方々の多くが、来日を希望してくれたんです。30~40人はいらっしゃいましたね。フィリピンなどからもレストラン、農業の仕事で来日を希望してくれています。こうした人材を確保して養成していくことができるかどうかも研究課題です」。 ブリック&ウッドの最も大きな特徴は「メンバーが運営するゴルフ場であることです。お金が足りなくなれば、メンバーが補填する、というのが目標値です。メンバーによるメンバーの為のクラブ」(坂さん)。現在約30人のメンバーによる理事会・役員会が中心となり、集団で経営を進めているという。 コミュニティ内にある養蜂場 注目すべきは経営基盤を支えるために会員が協力する「ミニマムユース(最低消費額負担制度)」だろう。会員は年会費と、1年間にゴルフ場で使う金額を「S」「A」「B」「C」の4コースの中から選択する。 たとえばSクラスを選択すると、年会費36万7000円を払い、年間「消費目標」は80万円になる。会員のプレー代は無料になり、ビジター3人を連れてきた場合でプレー代、食事代で1日5万円を使う計算なら、これを20回繰り返せばノルマ達成だ。 Aクラスになると普通会員の年会費15万2000円で消費目標は半分の50万円。Bクラス、Cクラスになると年会費も目標額も下がっていく。ノルマを達成できなければ不足金はメンバー自らが、優待チケットを購入する形で補填する。プレー代はAクラスが6350円、B・Cクラスが9400円となっている。 すでに民泊の設備もあり、ホテル建設の計画も進行中。ソーラーパネルによる大規模太陽光発電も行っている。家屋の建設資材も敷地内で切り出し、製材までしている。無農薬野菜も生産し、養蜂場まである。植栽部会は蜂が好む木々を植え、造成後の敷地全体が生物多様性につながる里山にもなった。国連加盟193か国が2030年にゴールを定めたSDGsの条件にも多くが当てはまる。 ゴルフ場を核としたコミュニティーは、地域社会にも大きな貢献ができる。 ■取材後記 オーガニック野菜がクラブハウス内の販売スペースに並べられていた。無農薬で生産する野菜は手間も人手もかかる。坂さんは「赤字が出ます」と言ってから、こう続けた。「子供たちの健康のためには、この方がいい。市販されているものには、たいてい農薬が使われていますから」 ▼プラスチック製品が生み出すマイクロプラスチックを食べた鳥や魚から、有害物質を人間が取り込む。生物多様性が叫ばれる中、廃プラがもたらす健康被害の連鎖は深刻だ。赤字でも、無農薬野菜にこだわる目線は、環境問題をゴルフ場というコミュニティーの中から改善していこうとする意欲の表れだ ▼特に印象に残ったのが「人の手が入った土地を、里山にしていきたいんです」という坂さんの言葉。住宅のすぐそばに、養蜂用の木製巣箱が、4つ、並んでいた。近くの住人が笑いながら言う。「大丈夫、刺しませんよ」。周辺には、蜂が好む木々が植えられるという。ゴルフ場の中で、多様な生物が共存する環境が整えられつつあるわけだ ▼SDGs17目標の中の、少なくとも5つの条件に合致するブリック&ウッド。まだまだ多くの可能性を秘めている。 ■データボックス ブリック&ウッドクラブ ▶2000年開場 ▶コース設計 デスモンド・ミュアヘッド 18ホール・パー72 ▶総面積32万平方メートル ▶〒290-0558 千葉県市原市山口 ▶電話 0436-98-1330(火曜日・休場日を除く8:00〜18:00) ▶アクセス 車 東京から75分 品川から60分 横浜から60分 リムジンバス 羽田空港=市原鶴舞BS 50分 成田空港=市原鶴舞BS 60分 市原鶴舞BSから4km(10分) 圏央道木更津東ICから11km(15分) 小湊鉄道・上総牛久駅下車 タクシー15分 ▶テニスコート 1面 ▶プール ▶ウエディングチャペル ▶レストラン=120人収容可能なボードルーム ▶ラウンジバー/オープンテラス <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2021年7月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
    (公開)2021年08月04日
    コロナが教えてくれたのは、ステイホームの危うさだった。都市部での「巣ごもり」生活は、人の生命力を弱めることも分かってきている。そこで注目されるのが、大自然の中で豊かな時間を過ごすニューライフスタイル。ゴルフを中核にして美術館・乗馬・テニス・釣りなどができるアートヴィレッジが山梨・小淵沢に完成しつつある。新たな「ゴルフプラスアルファ」を構築し続ける中村和男氏に、話をきいた。 大自然の中で心身共に健康に 八ヶ岳、南アルプス、富士山と、素晴らしい景観を見ながら、こういうテラスで仕事ができたら最高ですね。 中村 気持ちいいでしょ? コロナのせいでステイホームと言われて家にいて、それが安全のように思われていましたが、実はそうじゃなかった。精神的なものと、人の動きはリンクしていて、巣ごもり生活では生命力がなくなってしまうことも分かってきました。それでうつになってしまう方もいる。 一日中家にこもってリモートワークでは気も滅入ります。テレビは暗い情報ばかりですし。 中村 そういう状況が体にも精神的にも良くないことが分かってきました。一方で今、ゴルフ場が予約が取れないほどの人気になっているのは、どういうことか。コロナによってゴルフの素晴らしさが、再認識されてきたからですよね。 確かに、こうした大自然の中で、のんびりできることが大切だな、と感じます。 中村 ゴルフ場に来れば自然と触れ合えて、ソーシャルディスタンスを取りながら友達と、コミュニケーションできる。それはある意味刺激的で、人間にとって生命力を高めるのにいい事も分かってきました。 それはうれしいですね。 中村 小淵沢はゴルフを中心にウエルネスとアートというテーマを掲げています。大自然の中で、一人一人が持つ生命力を復活させる場所にしたい。 ゴルフを真ん中に置いて、プラスアルファを探していくのがこの連載のテーマです。連載1回目にふさわしい内容になってきました。ウエルネスは単に健康と訳してはいけない言葉ですよね? 中村 健康とか不健康とか、そういう概念ではなく、精神的、身体的にも活力を持つイメージと捉えて下さい。ウエルネスと言うのはハピネスと結びつく。それを追求していくうえで、ゴルフを中核に置くと、実にピッタリくるんです。大自然の中で、 会話を楽しみながらお酒も飲めて、おいしいものを食べて、お風呂に入ってリラックス。それなら泊まれた方がいいですよね。 次の日の朝はハーフだけ回ってリモートワーク。仕事が済んだら夕食前にハーフでも、6ホールでも、3ホールでもいいから回るというのも選択肢のひとつ。足の悪い人でも、カートに乗ればゴルフを楽しめます。小淵沢は、雨の日でもフェアウエーに乗り入れ可能です。疲れていたらバンカーやアプローチ、パットの練習だけでもいいですし。 そういう生活が送れたら、心身ともに健康になれそうです。 中村 ウエルネスとともに、もうひとつの軸としてあるのが、アートです。アートが人間を救うという面がありますよね。国難の中で、人はアートから勇気をもらった。精神と肉体はリンクしていますから、単に体を休めていればいい、動かなければいいというものではない。アートとウエルネスも、人間にとって最も大事なところで、また密接な関係にあるわけです。 都市部とリゾート地の2拠点居住 キース・へリング美術館はその象徴となる施設ですね。キースの持つ色彩感覚とデザインは、人を元気にしてくれます。 中村 アートとウエルネスは、デジタルやAIでもできない分野として、改めて人間にとって最も大事なところだと認識されているわけです。動物はアートを持ってませんし、ゴルフをしませんし(笑)。究極は精神的な満足度。そこで大事なのは、ゴルフにも楽しめる要素を入れられるか、だと思います。 この大自然の中に、美術館を建てるという発想は、どういう形で生まれたのですか? 中村 今、世界の国々では都市部の便利なところに美術館を建てるのではなく、不便ではあるけれども、自然環境の素晴らしい郊外に建てている例は少なくありません。むしろそうしたところに建てて、地域の核になるような存在にしているんです。 雑踏や騒音があふれる都会よりも、ゆったりと時間が流れる大自然の中で芸術作品に触れるというのは、それだけで心が豊かになる気がします。小淵沢は、まさにそういうところですね。 中村 私は最初、ここに乗馬をしに来ていたんです。母校(山梨県立甲府一高)の強行遠足(甲府~小諸間105キロを、徹夜で歩く伝統行事)もこの近くを通りますし。そのうちにニューヨークに行く機会が増えまして、キース・へリングの作品に巡り合い、集め出すようになったんです。 へリングと言えば、ニューヨークのポップアートを代表するアーチストですね。 中村 (アンディー)ウォーホールや(ジャン=ミシェル)バスキアとともに一時代を築いた作家です。私がキースの作品を面白い作品だと感じた頃、ニューヨークのポップカルチャーは、軽く見られている部分があったように思います。でも感性でものを見ると、10年かかって描きあげられた作品よりも、3秒で描いた作品の方が心に残ることもありますよね。私は達磨絵に心惹かれるんです。平安室町あたりの作品や鳥獣戯画などもいいですよね。今、日本のマンガが世界に注目を浴びているのもとてもいい。 私たちが受けた美術教育も、そうした視点に欠けている気がします。 中村 大正時代にフランスから帰って来た人たちが推奨した画家たちばかりになってしまった感は否めませんよね。伊藤若冲など、日本には自信を持っていい作品が山ほどあるのですから、自分が心から感じるものを大切にしてほしいですね。 日本のゴルフ文化も高級志向に偏っていた気がします。接待ゴルフの文化は18ホールをきっちり回らなければいけなかったり、失礼のないように気を使ったりと、とかく堅苦しいものになりがちでした。 中村 コロナの後には、ニューエコノミー、ニューライフスタイルの時代が来るわけです。私の仲間もハーフマリガン(ハーフに1回打ち直し可)というローカルルールで、わいわい楽しくやってます。初心者にはダブルパーまででそのホールはOKとか、優しい特別ルールを入れてもいい。エチケットとマナーさえ守っていただければ、自由にやっていいと思います。スロープレーはいけませんが、それも街中を歩く感覚で、流れを止めないことに気をつければいいだけの話ですから。 人の動きが、都市部の一極集中から地方分散型へとシフトしています。それもリモートワークの普及がもたらした一面のように思います。 中村 そうですね。都市部とリゾート地の2拠点居住という選択肢も出てきます。小淵沢という場所は、そうしたライフスタイルに応えられる場所だと確信しています。 ■取材後記 今回登場願った中村和男氏は、医薬品開発支援を行う東証一部上場企業を率いる事業家でありながら、小淵沢アートヴィレッジ リゾート&スパを経営する株式会社アルテミスのオーナーでもある。 ホテルや美術館の経営は、本業とは全くかかわりのない、個人的な事業だという。 中村氏は約20年前、子会社のあるアイルランドで行われた国際会議に出席した時、それまで見たことのない光景を目にして、衝撃を受けたという。 「ホテル(カートンハウス)にはゴルフ場も乗馬クラブもあり、午前中にゴルフをして、午後から会議。世界中から集まって来た参加者の皆さんは家族も連れてきていて、それぞれ自由に楽しんでいました」。 中村氏の凄いところは、その考えをスピーディーに実現してしまったこと。「元々小淵沢には、乗馬をしに来ていたんです。2005年にご縁があり、ここに美術館を建てることになりました。それだけではなかなか収支が合わないということでレストランを作り、ホテルを建てテニスコート、乗馬クラブと広がって行きました。ゴルフ場を7年前に購入してからはアート&ウエルネスのヴィレッジ構想の実現を目指してきました。今では、この周辺の宿泊施設に100名近くが泊まれます。お父さんがゴルフをしている間、家族は釣り堀や乗馬クラブなど、色々な場所で遊べます」。 海外で実現している「カントリークラブライフ」がここにある。「ゴルフだけが人生じゃない。私の親友もアメリカのセントアンドリュースという古いクラブのメンバーですが、そこでは結婚式もできますし、ふだんは家族や友人と食事をしたりと、クラブライフをエンジョイしています。人生の中にゴルフがあるけど、ゴルフだけが人生じゃない。そこに集まる人脈と、冬はスキー、夏はゴルフと、自然の中で楽しむ。多様性と自然との共生。ここが大事ですよね」。 中村氏はこうも言った。「大都会のマンションの中に一人でこもっていることの不自然さ。それがコロナ禍によって分かったんです」。 それとは真逆の、大自然の中でのニューライフが小淵沢には、ある。ゴルフプラスアート&ウエルネス。ゴルフは、心も体も豊かにする。 ■データボックス 小淵沢アートヴィレッジ リゾート&スパ ▶山梨県北杜市小淵沢町10060 ▶アクセス/中央道小淵沢ICより5km  中央本線小淵沢駅・中央高速小淵沢BS(徒歩圏) ▶総敷地面積37万坪(うちゴルフ場30万坪) ▶標高1150m(母胎内の気圧に近い) ▶日照時間日本一(年間2500時間超) ▶点在型ホテル(合計100室以上) 【ホテルキーフォレスト北杜】6室のみの高級ブティック型アート&amp;リゾートホテル。 【ロッジキースプリング八ヶ岳】 Jazz LPレコードミュージアム、24時間利用可貸切源泉掛け流し温泉、テニスコート・フットサルパーク併設。 ▶レストラン【カントリーレストラン キースプリング】乗馬文化に合わせカウボーイの集まるステーキレストランをイメージ。2Fは予約ゲスト用フロア。 ▶小淵沢カントリークラブ 18ホール、全天候カートフェアウエー乗り入れ可。天然芝のアプローチ練習場、バンカー練習場完備。 ▶中村キース・へリング美術館 「光」と「闇」をテーマに、世界で唯一キース・ヘリングのコレクションのみを展示する美術館。 など <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2021年6月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
    (公開)2021年07月15日
    ゴルフで健康寿命を延ばす。これが次のステップだ。コロナ禍で、再認識されたゴルフの価値。若い世代や女性層がインドアスポーツからゴルフにシフトしている。 一方で、ゴルフが認知症予防やうつ病予防などに効果があることも分かってきた。リモートワークの普及により首都圏一極集中から、地方への移住の流れがあることも、ゴルフの世界には追い風だ。最終回はトンネルの出口にある、希望に満ちた現場を照らす。 ゴルフは認知症の予防にも 2025年問題をご存じの方も多いだろう。団塊の世代(1947~1949年生まれ)が2025年に後期高齢者となり、65歳以上の高齢者も3677万人となって、日本の人口全体の30%を占めるようになると推計されている(内閣府のHPより)。 医療費、介護保険費などが増えることは自然の成り行きといえるが、そのままでは国の財政は大ピンチになる。そこで叫ばれているのが、健康寿命を延ばすことだ。 注目すべき情報がある。ウィズ・エイジングゴルフ協議会が公式ウェブサイトで「認知症の予防に、ゴルフは効果があるの?」という問いに「あります。ゴルフで記憶力が改善されます!」と言い切っているのだ。 代表研究者の国立長寿医療研究センター、評価・検査機関の東京大学と杏林大学の協力のもと、ウィズ・エイジングゴルフ協議会が男女65歳以上で習慣的に運動をしていない高齢者を募集。応募した135人から認知症、パーキンソン病、運動を禁止されている方を除外し、前出の2大学で認知機能、運動機能、QOL(クォリティ・オブ・ライフ=生活の質)などの事前審査を実施。研究に的確な106人を対象としてゴルフを開始するグループ(ゴルフ教室組)とゴルフをしないコントロール群(健康講座教室)を半々に分けた。 2016年の10月から翌年の4月まで日高カントリークラブ(埼玉県日高市)でゴルフ教室組の53人は様々なレッスンを受ける。その内容は、身体的・認知的・社会活動に焦点を当てた90分間の練習セッションを14回、120分間のコースセッションを10回、週1回のレッスンを24回となった。 練習前のウォーミングアップと練習後のクーリングダウンは10分ずつ。練習セッションではスナッグゴルフと本クラブで打撃練習。コースセッションでは本クラブで実際にコースをラウンド。検証期間中は指導者がゴルフ知識の学習と、自宅でできるゴルフ練習等を継続するように促し、教室を行っている時には参加者同士の積極的なコミュニケーションを促した。 一方のコントロール群は、期間中に健康促進をテーマにした90分の健康講座教室を2回受講したのみだった。 研究期間終了後にはゴルフ教室組の53人とコントロール群47人に認知機能検査やQOL、うつ傾向等を検査した。 その結果、文章を覚える検査において①覚えた後すぐ思い出す検査、覚えてから15分後に思い出す検査、それらの総合スコアがゴルフによって向上したという。 フレイル・サイクルも止められる 単純に、認知症予防に効果があるだけではない。最近、介護の現場でよく使われている「フレイル・サイクル」という言葉がある。「フレイル」とは「か弱さ」と訳されるが、ここでは健康状態から要介護状態へと向かう間にいる状態のこと。そこでのサイクルが起きてしまうと、要介護状態へと入ってしまう。 前出の長寿健康医療センター公式ホームページによれば、次の5項目のうち3つが該当すると「フレイル」と評価される。①歩行速度の低下②疲れやすい③活動性の低下④筋力の低下⑤体重減少。このうち1つか2つが該当する場合は「プレフレイル(フレイルの前段階)」と捉えられる。 この5つの特徴が互いに関連しあって悪循環を作っていくのが「フレイル・サイクル」。これに陥らないために対策を打つことが、健康寿命を保つ秘訣ともいえるのだ。 例えば③番目に挙げられた「活動性の低下」、これは人との付き合いを面倒に感じ、活動の機会が減っている状態を指す。コロナ禍での外出自粛要請がキッカケで出不精になり、そこから運動不足に陥るケースも少なくない。 朝から晩までパジャマ姿でインスタント食品を食べてばかり。そこが入り口となるケースもある。筋力・筋肉量の低下による基礎代謝量、エネルギー消費量のダウンを招き、そうした状態では食欲がわかないため食事の摂取量も減る。タンパク質を始めとした栄養の摂取不足が低栄養状態を招き、さらなる筋力低下を招いていくのが「フレイル・サイクル」のパターンだ。 少なくとも外へ出て、人との接触機会を作りたい。それに一役買っているのが、歩かなくても18ホールプレーできるゴルフシミュレーターだ。デイ・サービス施設などに導入され、それまでデイ・サービスを敬遠していた人々に、再度外出するきっかけを与えているという。 もともと団塊の世代は、現役時代にバブル真っ盛りでゴルフをやりまくっていた人も多い。それが体力の低下や、ゴルフ仲間のリタイヤがキッカケでゴルフから離れてしまったケースも少なくない。 再びクラブを握ったことで、練習場に行くキッカケにでもなればしめたもの。デイ・サービス仲間と再びコースに出ることだって夢ではない。 今、全長4000ヤードクラスのティーを増設するコースも増えている。このセッティングこそが、彼らをコースに呼び戻す条件の一つとなるはずだ。 2ホールの練習エリアを貸し切りにできるマグレガーCC(千葉)や、7ホールのゴルフ場のほか4種類のレンジがあるゴルフトレーニングフィールドPies(福島)など、手軽にできるゴルフ場も増えてきた。河川敷にも、治水工事の影響を受け数ホールのみの営業を強いられるコースも近い将来出現する。9ホールの概念が行政の要請、ゴルファーの高齢化や生活様式の変化など、様々な事情から崩れていく兆しも見える。 体力の衰えた高齢者にも優しいゴルフ場づくりを筆頭にした、環境整備。ゴルフは国民全体の健康寿命を延ばすことに、いくらでも貢献できるはず。それがコロナ後のゴルフ界の役割だろう。 〇…高齢化社会を支える若い世代にとっても、ゴルフは身近なレジャーになりつつある。ダーツやボウリングなどのインドア型から、屋外で楽しめるゴルフへのシフトが進んでいるからだ。 さらに追い風となるのが、テレワークの普及。どこに住んでいても仕事ができる職種の人々に地方移住の傾向が表れている。通勤地獄からも解放され、往復の時間を余暇に充てられる。 2025年を目標にして推進されている「地域包括ケアシステム」は地元で「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」の5つのサービスを一体的に提供できる体制のこと。在宅介護の現場において、職住接近は介護者の負担を軽くすることにもつながる。 ゴルフ場が近くにあり、短時間で楽しめる環境が整えば、介護者のメンタルヘルスを含めた健康維持に、大きなプラス効果をもたらしてくれるはずなのだ。 もうひとつ、見逃せないのがワーケーション。長野のサニーCCや山梨の小淵沢CCなどはネット環境を整えオンラインでの会議やテレワークにも対応している。長期間ゴルフ場に滞在しながら、仕事とゴルフを両立させる。感染リスクも減らせて一石二鳥だ。 ■小川朗の目 高齢者が全人口の3割に達するのは2025年と言われている日本。この3割の人々がゴルフをしたくなる環境を作ることは、そのままビギナーを増やすことにもつながる ▼ゴルフを始めるならシミュレーターは最高だろう。後ろの組から急かされることもない。本文にも書いた練習フィールドは、初心者にとっても最高の環境だ ▼前述の実験で認知症予防の可能性があると言うデータが出たゴルフスクールも、初心者には有効だ。スクールの敷居を下げ、まずグリップとアドレスをしっかり教えてあげることが上達の早道。しかしその環境を作れずにいる練習場も少なくない。「握り方も分からない女の子が2人で来て困っていた」と練習場のスタッフから聞き「そこを何とかするのが君の役目だ」と思わず言いたくなった ▼コロナ禍で増えている若者や女性ゴルファーをつなぎ留め、シニアたちを呼び戻す。金銭的な面も含めたそのための努力を、コロナ禍の今こそ、やるべきだと、切に思う。 ■プロフィール 小川 朗(おがわ・あきら) 山梨県甲府市生まれ。甲府一高→日大芸術卒。82年東スポ入社。「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女のメジャー大会など通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。フリージャーナリストとして本誌を始め、日刊ゲンダイなどでも連載中。㈱清流舎代表取締役COO。東京運動記者クラブ会友。日本ゴルフジャーナリスト協会会長。「みんなの介護」にも連載し、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。自殺予防学会会員。 <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2021年4月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ用品界についてはこちら
    (公開)2021年04月22日
    JGA(日本ゴルフ協会)ゴルフミュージアムをご存じだろうか。関西の名門・廣野ゴルフ倶楽部(兵庫県三木市)のクラブハウス脇に、ひっそりとたたずんでいる。ここにはゴルフファン垂涎の品々が所蔵されており、我々ゴルフジャーナリストにとっても貴重な資料が豊富にある。しかしながらその利用者はごくごく限られており、宝の持ち腐れになっているのが現実だ。60回での連載終了を前に、あえて声を上げることにした。 ゴルフジャーナリストには宝の山 日本におけるゴルフ文化のルーツは関西にある。ゴルフの歴史に触れたければ、まずは神戸に行かなければ始まらないのだ。 ゴルフ週刊誌で「ゴルフ場を造った男たち」というタイトルの連載が決まると、当然のことながら関西に出かけていく機会が激増した。 ご存知の通り、日本のゴルフ場第1号は1901年に4ホールでスタートした神戸ゴルフ倶楽部だ。前出の連載では2019年の4月24日号から4回に渡り同コースの創始者であるアーサー・ヘスケス・グルームについて掲載した。 その後1コース3~4回のペースで17コース取り上げた。東京GCの井上準之助、雲仙の倉場富三郎、門司の出光佐三、横屋のW・J・ロビンソン、鳴尾のクレーン兄弟、程ヶ谷の森村市左衛門、舞子の南郷三郎、茨木の廣岡久右衛門と加賀正太郎、京都・上賀茂の安達貞市、霞ヶ関の発智庄平、唐津の高取九郎、川奈の大倉喜七郎、三田の佐藤満、仙石の山口正造、宝塚の小林一三、廣野のチャールズ・ヒュー・アリソン、我孫子の加藤良……。 ゴルフ場の現地取材が最優先。これに加えて、事前の資料調べでJGAゴルフミュージアムを訪れる必要が生じた。 廣野ゴルフ倶楽部のコースからクラブハウスに向かって左側、2階建ての館内には、世界的にも貴重な展示品が約2000点も展示されている。ゴルフミュージアムとしては、世界で3番目の規模だと、同ミュージアムの公式ホームページで紹介されている。 展示品の中にはマッセルバラやセントアンドリュースで200年以上も前に使われていた「ロングスプーン」と呼ばれるクラブなども間近に見ることができる。 日本となじみの深い伝説のグランドスラマー、ジーン・サラゼンのクラブもある。クラブだけではない。ここに来ればゴルフボールの起源から発達の過程が一目で分かる。古いものから新しいものまで、すべての種類のボールが展示されているからだ。 1階には宮本留吉のゴルフ工房が再現されているコーナーのほか、廣野GCや川奈ホテル富士Cを設計したアリソンの流れを汲む井上清一、上田治が描いたゴルフコース設計図なども展示されている。将来ゴルフ場設計家を志す人にも、ぜひ来てもらいたい場所だ。 我々ゴルフジャーナリストにとって忘れてはならない存在である伊藤長蔵が発刊した日本のゴルフ雑誌第1号である「阪神ゴルフ」の創刊号(1922年4月25日号)も展示されている。ゴルフの記事で生計を立てている人間であれば、一度は訪れておかねばならない場所でもあろう。 日本のゴルフの潮流を造った巨人たちの紹介コーナーも圧巻だ。神戸の創始者・グルームが愛用していたクラブなども展示されている。鳴尾を造ったクレーン兄弟のコーナーもある。 赤星四郎・六郎兄弟などの愛用品も展示され、日英皇太子によるゴルフ対決のコーナーもある。先達たちのゴルフに対する情熱が、写真のパネルや展示品から見る者に伝わってくる。ゴルフの素晴らしさを再認識できる場所だ。 むしろゴルフを知らない人にこそ、来てほしい施設だということもできる。これをきっかけに、ゴルフを始めてみる気にもなってもらえるはずなのだ。 ショーケースから伝わってくる怒りの声 まさしく宝の山で、機会を見て出かけては日がな一日、奥の資料室で調べものに没頭した。西村貫一コレクションを始めとする貴重な文献の数々には、ゴルフ週刊誌で60回に渡る連載を続けていく上で、大いに助けられた。 もともとオタク気質が強いから、新聞社に潜り込めた部分もある。自身にとっても、ミュージアムの奥にある資料室に座り、たった一人で資料を読み漁っては書き写す間が、まさに至福の時だった。 だが通い詰めるうちに、疑問を感じるようにもなった。一日中こもっていても、この素晴らしいミュージアムを訪れる方に、一度もお会いしないのだ。 館内はしんと静まり返り、物音ひとつしない時間が流れていく。仕事には集中できるのだが、この贅沢な空間を独り占めするうちに、なんだか申し訳ない気分になってくる。 さらに何度かミュージアムを訪ね、1人で過ごしていると、ゴルフの巨人たちから発せられている怒りの声を感じるようになった。 「なぜ誰も来ないのだ」。ショーケースに収まっている巨人たちは、おそらくそう感じているのではないか。 ここにあるのは、日本のゴルフ文化そのものである。ゴルフ好きなら、一度は見ておきたい逸品がいくつもある。ゴルフの歴史に興味がある方も、スポーツジャーナリストを志す方にとっても、ここにある資料は非常に大きな意味を持つものばかりであるはずだ。 しかし告知が足りないため存在そのものの認知度が低い。このミュージアムは1979年、JGA創立55周年の事業として、設立されたもの。 4年後の1983年には(当時の)乾豊彦JGA会長と摂津茂和史科委員長のテープ・カットにより盛大な開会式が行われたそうだ。その後のPR不足からか、このミュージアムの存在を知る人はゴルフ業界でも多くないのが現実だ。 足の便の悪さもネックとなっている。神戸・三ノ宮から電車で広野ゴルフ場前まで行こうとすれば、約1時間というのが通り相場。梅田からも約1時間半近くかかる。 敷居の高さも問題だ。廣野ゴルフ倶楽部の敷地内、入り口から見るとクラブハウスの向こう側、奥の方に位置している。気軽に入っていくには相当な勇気がいる。 そんなこともあって、昨年、このミュージアムを訪れた人は339人にとどまっている。あまりに寂しい数字ではないか。果たしてこの場所でいいのか。真剣に検討する時期が来ているように思う。 ■画像:JGAゴルフミュージアム(写真提供・清流舎) ■小川朗の目 今、ゴルフ練習場に若者が増えている。スポーツジムやボウリング、ダーツバーなどのインドアレジャーから、密にならずオープンエアで楽しめるゴルフへと移行しているのが原因だそうだ ▼感染リスクを避けられるスポーツとしてゴルフが認められたことは、ゴルフ関係者にとっては喜ぶべきこと。しかしこれを一過性の物に終わらせないことが大事なのは明白だ ▼ゴルフに興味を持ってもらうために、文化的側面からアプローチすることは大事だろう。そういう意味では、ゴルフミュージアムが持つお宝の数々は魅力的だ。本文にも書いたが、ゴルフに触れたことがない人にこそ、来てほしい場所なのだ ▼それだけに2000点のお宝が持ち腐れの状態になってしまっているのは何とも惜しい。ここにあるお宝の10分の1でいいから、トレーラーに積んで全国を回り展示することはできないものか。手始めに3オープンの会場で展示してはどうか。 あるいはこのミュージアムから、動画配信などで情報を発信することはできないのか。それができないのなら、真剣に移転を考えるべきではないだろうか。 ■プロフィール 小川 朗(おがわ・あきら) 山梨県甲府市生まれ。甲府一高→日大芸術卒。82年東スポ入社。「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女のメジャー大会など通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。フリージャーナリストとして本誌を始め、デイリースポーツ、日刊ゲンダイでも連載中。㈱清流舎代表取締役COO。東京運動記者クラブ会友。日本ゴルフジャーナリスト協会会長。「みんなの介護」にも連載し、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。自殺予防学会会員。 <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2021年3月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ用品界についてはこちら
    (公開)2021年03月24日
    埼玉県内の荒川流域で営業中の4コースが深刻な問題に直面している。治水事業により、借りている土地の占用許可が解除になってしまうからだ。今あるゴルフ場用地を国に返せというワケだ。治水も大事で、もはや解除は避けられない状況。ならば規模を縮小してでも存続の道を探ろう。首都圏には1~3ホールのミニゴルフ場が、もっともっとあっていい。 元々ゴルフは1ホール単位 日本の河川敷ゴルフ場第1号・岡山霞橋ゴルフ倶楽部のホームページに、こんな記述を見つけた。 「昔々、スコットランドではコースは1ホール単位で、同じホールのティーとグリーンを繰り返しプレイして遊んでいました。ふと隣を見ると、同じように遊んでいて、ふたつ繋いだらもっと面白くなり、3ホール、9ホールと繋いで9ホール単位となった話があります」。(原文ママ) 岡山霞橋の生い立ちも、それに似る。1930年(昭和5年)に高梁川の河川敷に、日本では12番目のゴルフ場として産声を上げた。 当時の名称は吉備ゴルフ場。3ホールでスタートしたのち翌年に3ホール、3年後に9ホールまで延長。岡山ゴルフ俱楽部に改称後、戦後18ホールに延長され現在の名称となっている。 岡山霞橋が3ホールなら、日本最古の神戸ゴルフ倶楽部が生まれた時は4ホール。岡山霞橋誕生からさかのぼること29年前の1901年、六甲山上に誕生しホールを増設していった。 関東に河川敷ゴルフ場ができるのは翌1931年。9ホールの学士会ゴルフ倶楽部が赤羽の河川敷に誕生する。諸説はあるが、ゴルフにはもともと18ホールの概念なんてなかったのだ。 これを踏まえた上で、河川ゴルフ場の問題をとらえたい。第2次大戦後の1954年に川口GC、1956年には学士会ゴルフ倶楽部の跡地に36ホールの東京都民ゴルフ場が誕生。設計は日本のゴルフ場設計の父、チャールズ・ヒュー・アリソンの流れを受け継ぐ上田治が手掛けた。 その後も続々とゴルフ場が誕生し、今や荒川の河川敷には12コース259ホールがレイアウトされ、ゴルファーたちを楽しませている。その中で今回、占用解除の対象となっているのは、以下の4コース。多くのゴルファーにとって、愛着のあるゴルフ場ばかりだ。 アコーディア・ゴルフグループのノーザンカントリークラブ錦ヶ原ゴルフ場(43ホール、パー173)、PGMの川越グリーンクロス(27ホール、パー107)、大宮カントリークラブ(27ホール、パー108)大宮国際カントリークラブ(45ホール、パー180)となっている。4コースのホールを合計すると、荒川の総ホールの5割。 この4コースに「荒川第二・第三調整池事業」の影響が出る。国土交通省から出されているコースの占用許可が、部分的に解除されることとなったからだ。 今回の事業の目的は、2019年2月28日に国土交通省荒川上流河川事務所が出している「平成30年度着手『荒川第二・第三調整池事業について』」という資料に詳しい。 「荒川流域は、東京都と埼玉県にまたがり、流域内には、日本の人口の8%が集中しています。特に埼玉県南部及び東京都区間沿川は人口・資産が高密度に集積している地域となっています。荒川の治水安全向上のための抜本的な対策として、広い高水敷(堤防と川が流れている間のエリアのこと)を活用した調整池の整備に着手しました」。 要するに、今あるゴルフ場の一部にカラの池を作っておき、増水した際にはここに溜め、氾濫の被害を減らすわけだ。 荒川はすでに平安時代から被害の記述があるほどの「荒れる川」。一昨年の台風19号の被害も、記憶に新しいところだ。 この時は岩淵水門が閉められたことで下流域が一気に増水。ゴルフ場やグラウンドなどの多くの施設が川底に沈んだ。 今後も予想される集中豪雨による被害を減らすことが、今回の目的。さいたま市、川越市、上尾市を流れる荒川の、河川敷の一部(760ヘクタール)に洪水の一部を流れ込ませる調節池を作り、洪水時の水位上昇と下流に流れる量を抑え、堤防の決壊リスクも減らす計画だ。 荒川にはすでに治水量3900万㎥の第1調整池があり、今回作られるのは第二・第三の貯水池。新たな二つの調整池の治水量は5100万㎥に達する。事業期間は2030年度までの13年間。総事業費も1670億円に上る。 この工事にゴルフ場の一部が使われるため、占用許可の解除がなされるわけだ。 影響を受けるのは38万人? ゴルフ場にとっては敷地の一部が使えなくなってしまう一大事。この先、使用できるホールは確実に減り、予約が取りづらくなる事態も予想される。 不便さを味わうことになるのは、河川敷のカジュアルなプレーを愛するゴルファーたちだ。それはかなりの数に上る。 年間の利用者を順に挙げてみよう。ノーザンCC錦ヶ原は13~14万人、川越グリーンクロスは7万5000人程度で、大宮CCが約7万人、大宮国際が約10万人(数字はいずれも推定)。いずれも首都圏の人気コースならではの数字だろう。合計すれば、その数は実に37〜38万人に及ぶ。 治水事業はもちろん大事。ゴルフ場の関係者からも「治水と言う大義名分の前には、占用許可の解除も致し方ない」という声も確かに聞いた。そもそもそういう契約であることもわかっている。 だが高齢化社会で健康寿命の大切さが浸透する中で、健康にプラスなゴルフの良さは、もっとアピールされるべき。コロナ禍ではメンタルヘルスも含めてなおさらその重要性が増す。 河川敷のゴルフには歴史があり、文化があり、雇用がある。多くのコースでジュニアの大会が開かれており、子供の頃から荒川のコースでプレーし、プロになった選手も少なくない。 あの青木功も、下流にある東京都民ゴルフ場で育ったプロの一人。金井清一もこのコースで修業し、トッププロの仲間入りを果たしている。 東京都葛飾区出身で名門日大ゴルフ部を経てプロとして活躍している牧野裕も河川敷で育った。「中学に上がる前の春休みに、初めてゴルフをしたのが江戸川ライン松戸ゴルフ場。中三の時に、ノーザン錦ヶ原で予選を勝ち抜き、日本ジュニアに初出場したことを、今でも思い出しますね」。 日大ゴルフ部出身で牧野の後輩にあたる松下健氏(マグレガーゴルフジャパン企画開発部課長)もこう語る。「学連の新人戦の予選は男子が大宮国際で女子がノーザンでした。河川敷には生活感があって、独特の雰囲気があるんですよね」。 女子プロゴルファーの馬場由美子は福岡県育ちだが「小学校1年の頃から河川敷で育ちました。100を切れるようになって、ようやくメンバーのゴルフ場でプレーできるようになったんです」。 河川敷に余剰スペースがほとんどなく、ゴルフ場を増やすことが絶望的な現状に照らせば、今ある財産を減らさない努力もまた必要だ。コロナ禍で密にならず太陽の下で健康的にプレーを楽しめるゴルフが見直されている今こそ、低価格でプレーできるムニンシパル(公営)のゴルフ場を増やしていくべきではないか。そのためにも国交省などだけでなく、地方自治体の協力を取り付け、並行してゴルフの底辺を拡大し、世論を盛り上げることが必要になる。 ■小川朗の目 取材の中で上滑りした会話の末に、最後はこんな話になった。 ―〇〇さん(国土交通省関係者)はゴルフをしますか? 担当者 以前はやっていましたが、やめました。 ―それは何か理由でも? 担当者 我々の立場ですと、業者の方などとゴルフをしてしまうといろいろと問題もありますので▼問題と聞いてこれは国家公務員倫理規定を指すのだと、ピンときた。もう20年も前の話だが「ノーパンしゃぶしゃぶ接待」やゴルフ接待などもふくめた国家公務員の不祥事が相次いだ。このことから公務員の倫理保持のためとして利害関係者とゴルフをすることの禁止等が条文化され、2000年4月1日から施行された▼霞ヶ関でもうすぐ定年を迎える友人はゴルフをするが、やはり相手を選ぶ。「一番つらいのは、ゴルフを勧めてくれた先輩が民間企業に天下ってしまうと、一緒にプレーできなくなることでした」▼この話を聞いて、そっけない対応をした担当者の気持ちが少しだけわかる気がした。自分が自由にプレーできないためにやめてしまったスポーツを、果たして心の底から応援したい気持ちになるだろうか。 ■プロフィール 小川 朗(おがわ・あきら) 山梨県甲府市生まれ。甲府一高→日大芸術卒。82年東スポ入社。「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女のメジャー大会など通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。フリージャーナリストとして本誌を始め、デイリースポーツ、日刊ゲンダイでも連載中。㈱清流舎代表取締役COO。東京運動記者クラブ会友。日本ゴルフジャーナリスト協会会長。「みんなの介護」にも連載し、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。自殺予防学会会員。 <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2021年2月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ用品界についてはこちら
    (公開)2021年02月17日
    移動に制限がかけられ、1か所に人を集めるイベントの開催も難しくなったウィズ・コロナの社会。毎年発表されている「都道府県魅力度ランキング」でも、観光意欲度が低下し、居住意欲度が上昇している。それはリモートワークの普及により、どこにでも住めるようになった証でもある。大都市への一極集中型から、地域分散型の社会に変化していくことも予感させる。郊外にあるゴルフ場に、さらなる追い風が吹く。 北関東3県の嘆き すでにご存じの方も多いだろうが、「都道府県魅力度ランキング」について説明しておこう。 民間調査会社のブランド総合研究所が年1回行っているのがこのランキング。「地域ブランド調査」によるもので、47都道府県と国内1000の市区町村を対象に行われている。 その内容は認知度や魅力度、イメージなど全84項目からなる。調査期間は2020年6月24日から7月20日。全国の消費者3万1734人から有効回答を得た。 トップは北海道で12年連続。2位は京都府、3位は沖縄県と続く。しかしマスコミを賑わすのはどん尻グループで起きるドラマの数々。今年は栃木県が最下位に転落。前年まで7年連続で最下位に甘んじていた茨城県がついに脱出。42位まで浮上した。 今年は栃木県の福田富一知事がブランド総研に出向き、田中章雄社長に抗議。茨城の大井川和彦知事、40位と低迷が続く群馬の山本一太知事の北関東3県の「恨み節」が、多くのメディアに取り上げられている。 魅力度ランキングは、ゴルフ場が置かれている状況にもピッタリと当てはまる。栃木・群馬・茨城は、コロナ前から最も厳しい条件にさらされているエリア。首都圏のゴルファーにとっては帰りの渋滞もマイナス材料の一つ。遠出となれば4人で相乗りしてもガソリン代と高速代もかさむ。 ネット予約全盛の中、プレー代の安値競争が過熱。スループレーやセルフプレーを取り入れ、18ホールで3000円を切るコースまで登場していた。 しかしここまで来るとチキンレースも限界だ。3000円の中から人件費や光熱費、コースの維持管理費、ゴルフ場利用税、諸経費を差っ引いたら、いくらも残らない。経営を圧迫し、閉場に追い込まれるコースも少なくなかった。 ドーム型ホテルに泊まり、隣接する練習場は天然芝の上から打てる環境が充実していたスーパーゴルフCC益子C(栃木)や、サファリパークに隣接しグリーン脇から「ライオンが見えるゴルフ場」として知られていた21センチュリー富岡(群馬)などの名物コースも、惜しまれながら相次いでクローズしている。 そこにコロナウイルスの感染拡大である。4月、5月のゴルフ場の売り上げは4割減少が当たり前。広島の仙養ヶ原ゴルフクラブが6月1日に廃業を決めると、6月26日に埼玉の小川カントリークラブが民事再生法の適用を申請。岡山の日本原カンツリー倶楽部も6月30日に廃業に追い込まれた。一部報道では、いずれもコロナ禍が原因の一つに挙げられていた。 コロナが追い風になる しかしここに来て、ゴルフ業界のコロナに対する「耐性」が注目を集めている。三密を避けられ、開放的なゴルフ場という空間でリフレッシュできる安全なスポーツとして見直されたのが原因だ。 実はもうひとつ、見逃せないプラス要素がある。移動距離の短さと、脱中心都市の動きだ。4月から5月にかけて起きていたのが「他県ナンバー狩り」という新種の〝自粛警察〟。商業施設の駐車場施設で他県ナンバーの車が、車体に傷をつけられる被害が発生していた。 だがゴルファーたちがプレーしているのは9割近くが自宅から半径30キロ以内であるという。これは日本ゴルフ場経営者協会(NGK)が行ったアンケートにより判明したもの。県をまたぐような遠出がはばかられるようになると、もともと地域密着型のレジャーであるゴルフに注目が集まったというワケだ。 しかもゴルフ場のほとんどが、都市部ではなく郊外に位置していることも追い風になる。冒頭に登場した都道府県魅力度ランキングの発信元・ブランド総研の田中章雄社長がこう語る。 「テレワークの普及によって、これからは脱東京という動きだけでなく、脱中心都市という動きが出てきます。東北で一人勝ちと言われる仙台だけでなく、名古屋、福岡などから、もっとノンビリと、過ごしやすいところに行きたいという傾向が表れています」。 すでにレジャーと仕事を両立させるワーケーション(ワークとバケーションを合体させた造語)の設備を整えているゴルフ場も増えてきた。山梨の小淵沢CCや長野のサニーCC、三重県の津CCなどは、すでにネット環境も整えて好評を博している。 前出の田中氏は、「魅力度ランキングへの影響度は、観光意欲度が一番大きかったんです。居住意欲度がその7掛け8掛けくらいの度合いで続いていました。でも今回、その差が縮まりました」と分析結果の一端を明かしてくれた。 観光という、移動が基本のレジャーにブレーキがかかった。その一方で住まいそのものを郊外に移し、仕事とレジャーを両立させる考え方が、改めて注目されていることの証明だろう。 首都圏のゴルファーにとって、ゴルフ場が遠いのは悩みのひとつ。郊外に住むことは、それだけゴルフ場との距離が縮まるということ。早朝や薄暮、スループレーなど、平日でもゴルフに出かけられる日常は、ゴルファーたちにとって理想の形であるに違いない。 北関東に住まいを移す人々が増えれば、首都圏からは遠距離であることで二の足を踏んでいたゴルファーが、コースに足を運ぶはず。企業努力の末に提示している低価格は、十分に魅力的なのだ。 そうなれば厳しい立場に追い込まれているゴルフ場が、息を吹き返すキッカケにもなるはず。 知事の皆様、都道府県魅力度ランキングにケチをつけている場合ではない。そんなことよりも首都圏から人々を移住させるために、インフラ整備と情報発信に注力するべきだ。 ■小川朗の目 20代の未経験者が来ている、という声を、ゴルフ練習場の関係者からここのところよく聞く。 「グリップもアドレスも分からないまま、来ている若い人が多いですね」。感染リスクが低いスポーツという認識が、若い人々の間に浸透した ▼しかしせっかくゴルフに興味を持ってくれても、基本を教えてくれる人がいなければ、ろくに当たらずギブアップということも十分ありうる。興味を持って来てくれた20代を引き留めるためには、初心者向けの無料レッスンなど、思い切ったサービスが必要だろう ▼その一方で「70歳以上のゴルフ場への来場者数は、確実に減っています」(NGK・大石順一専務理事)。いくら感染の心配は少なくても、重症化リスクが高い年齢層は慎重にならざるを得ない ▼2025年には、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となる。ゴルフ界を支えてきたこの世代が、今クラブを握らず、家にこもっていることは、ゴルフ界全体にとって大きなダメージとなる。デイサービス施設などにゴルフシミュレーターを増やしていくことが、団塊世代を元気にする近道に思える。 ■プロフィール 小川 朗(おがわ・あきら) 山梨県甲府市生まれ。甲府一高→日大芸術卒。82年東スポ入社。「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女のメジャー大会など通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。フリージャーナリストとして本誌を始め、デイリースポーツ、日刊ゲンダイでも連載中。㈱清流舎代表取締役COO。東京運動記者クラブ会友。日本ゴルフジャーナリスト協会会長。「みんなの介護」にも連載し、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。自殺予防学会会員。 <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2021年1月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ用品界についてはこちら
    (公開)2021年01月23日
    介護業界でゴルフシミュレーターが大活躍している。実に3617万人(総務省の推計)。全人口の28・7%が65歳以上の高齢者となったニッポン。そうした状況下、注目キーワードとして上昇しているのが「フレイル・サイクル」。体力の低下によって介護状態へと陥っていくスパイラル状態のことを指す言葉だ。この難題を解消する「主役」となりそうなのが、実はゴルフシミュレーターなのだ。今回は介護業界の現場を照らす。 フレイル対策の主役に 免許を返納しても、介護状態になっても手軽にゴルフが楽しめる。それを可能にするのが、シミュレーション・ゴルフだ。実は巷の介護施設やシニア向けマンションで、ゴルフシミュレーターがすでに活躍している。 室内でゴルフのショットが楽しめ、18ホールを実体験できるシミュレーター。各メーカーが競うように開発しており、お値段も200万~500万円と、けして安い商品ではない。 それでも介護業界で活躍の場が拡大しているのは、「フレイル・サイクル」対策の主役になる可能性を持っているからだ。 団塊から上の世代の多くが今、フレイル(虚弱)という状態を経て要支援・要介護の領域へと向かっている。そのキッカケは、慢性疾患などに起因した筋力の低下。筋力・筋肉量の低下は基礎代謝量の低下を招き、活動量が減る。同時にエネルギー消費量もダウンしていく。 そうした状態では食欲がわかないため食事の摂取量も減る。タンパク質を始めとした栄養の摂取不足は低栄養状態を招き、さらなる筋力の低下を招いていくのが「フレイル・サイクル」だ。 この先にあるのが社会的交流の減少。そこに認知機能や身体能力の低下が加わると転倒や骨折、慢性疾患の悪化などを招くケースが多い。この時点ですでに要介護状態のレベルに入ってしまっている。 男性の高齢者に顕著なのは、人との接触を避けてしまう引きこもり状態。朝から晩までパジャマ姿でインスタント食品を食べてばかりでは、フレイル・サイクルに入っていくのも時間の問題だ。 2020年に高齢者の仲間入りをした団塊の世代は、現役時代にゴルフをやりまくった世代。だが体力の低下からリアルなゴルフからはリタイアする人が増えている。 そこで注目を集めているのが、歩かなくても18ホールをプレーできるシミュレーター。京都府木津川市の㈱アクティブは健康寿命延伸事業(ヘルスケア事業)と通所介護事業(デイサービス)などを行っている施設だが、ここにも2018年の1月からゴルフGOLFZONの最高級モデル(500万円相当)が設置されている。 代表者が、シミュレーター導入のキッカケをこう明かす。 「かつてはゴルフを良くやったけど、できなくなった方に、もう一度ゴルフの楽しさを思い出してゴルフをやってもらいたい、という思いからです。飛距離が落ちたのは仕方がないこと、1ヤードでも遠くに飛ばすには・・・運動の大事さを知りトレーニングに励んでほしい、そのトレーニングが自然と健康に結びつく。(導入の)タイミングがすこし早かったかな、という気もしますが、これから団塊の世代の方が増えてきますので、期待しています」。 群馬の「エムダブルエス日高 日高デイトレセンター」は、2013年のオープンと同時期から設置されているというから、介護業界では先駆け的存在。松本博所長は導入のいきさつをこう明かす。 「弊社の代表が設立に当たり、従来型では後期高齢者の方々の満足を得られないと考え、団塊の世代の人気スポーツであるゴルフに着目したからです。要介護3で左半身マヒの方でも、女性用のクラブを右手1本で打たれていました。『他のデイサービスでは物足りない』という方もおられるほど。見学の折にシミュレーターを見て通所を決めた方もいます」 写真キャプション=栃木のデイサービス施設内に置かれたゴルフシミュレーター 今年の8月に導入したばかりの「デイトレセンター・リヴァール長野」の江口明施設長は「シミュレーターが、前向きになるキッカケとなることを期待しています」と語ってから、こう続けた。「シミュレーターをプレーすることで『もう一度、ゴルフ場に戻ってゴルフをしよう』という気持ちになってくれれば、リハビリのモチベーションにもなりうるのではないかと思います」。 リハビリに成功し、再びフェアウェーに戻ってゴルフをする。そのためにリハビリも頑張る、となれば健康回復への好循環も期待できそうだ。 シニア向けマンションでも 「週に4〜5日はゴルフの練習をしています」。シニア向けマンションの「スマートコミュニティ稲毛」(千葉県)に住むAさんは、以前こう話していた。ここにはゴルフ好きにとって、たまらない練習環境が整っているからだ。 住居棟と140メートル離れた別棟のクラブハウス内に、シミュレーター2打席を含む5打席のインドア練習場が完備されている。キャディバッグ専用置き場の風景も壮観だ。入居者たちのキャディバッグがずらりと並べられていた。その数約150本……。 さらに徒歩約10分の所には70ヤードの屋外レンジまである。月額1000円程度の会費を払えば、これらのゴルフ環境を思う存分使うことができるわけだ(最新鋭のシミュレーター1台のみ、別途税別で30分200円がかかる)。練習熱心なゴルファーの中から、エージシューターも出現しているという。 この分譲マンションでは月額9万3239円(税込)で朝夕の食事のほか、クラブハウスの基本的なサービスを利用できる。入居者が集う2階のレストラン街は和食(洋食メニューもあり)・焼肉(水・木休業)・海鮮と3軒が揃い、中央にはテラス席も設けられている。夫婦で違うレストランのものが食べたければ、約15種類のメニューからそれぞれ選んで、中央のテラス席で食べられる。 「終活」への備えも万全だ。ケアマネージャー(介護支援専門員)も2人いて交替で対応。適切なケアプランを作成してくれる。 保健師・看護師も日中出勤しているから日々の健康相談もOK。フロントは365日・24時間体制で常駐しており、深夜にも救急対応する。体調が悪くなった場合にはお弁当の宅配もあり、食事に数日行かなかった場合には安否確認もしてくれる。 フレイルの状態から適切な治療や予防を行なうことが出来れば、健康な状態に戻ることができる。逆にそのままフレイル・サイクルに身を置けば、要支援・要介護状態にまっしぐらとなる。 健康と要支援との分岐点にあるフレイルの状態で、誰もが健康な状態に戻りたい。歩かずともできるゴルフシミュレーターが、その入り口の役割を果たしてくれるはず。デイサービス施設で体力がつけば、リアルなゴルフに戻っていくことも可能になる。 人生100年時代。ゴルフシミュレーターが活躍する場は、今後も広がっていくに違いない。 ■小川朗の目 「大人の幼稚園なんかに、行きたくないからね」。デイケア施設に足が向かない理由として、シニア男性が語ったというこの言葉が、ずっと引っかかっていた。歌を歌ったり、体操をしたりというのは、確かにシニア男性には恥ずかしさを感じるプログラムだと思った ▼だがその結果、家に引き籠り、運動不足が続くと本文にも書いた「フレイル・サイクル」に陥ってしまう。理想はまずはゴルフシミュレーターを試し、思い切り楽しんでもらう事。その結果、再びゴルフ場に出てみたい、と思えればしめたもの ▼それが実現した折には、朝早い時間でのスループレーを楽しんでもらいたい。解放感いっぱいのゴルフ場で、歩きのゴルフが出来たら。もっといい。朝のうちに太陽光を浴びることができれば、セロトニンの分泌につながる ▼セロトニンと睡眠物質のメラトニンの相関関係はよく知られるところ。うつの予防にもなる。質のいい睡眠を取るためにも、太陽光を浴びることは重要。心身ともに健康になるキッカケが、シミュレーションゴルフとなれば、ゴルフ業界にとっても万々歳だ。 <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2020年12月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ用品界についてはこちら&lt;/a
    (公開)2021年01月11日
    男女プロゴルフツアーの大半が無観客で開催され、プロアマ大会がコロナ禍でバタバタと中止される中、異色の〝プロアマ〟イベントが注目を浴びつつある。プロといってもプロゴルファーではなく、野球のプロと、アマチュアゴルファーが一緒にラウンドする試みだ。 ものまねタレントがプロゴルファーの代役を務める形もすでに試された。ウィズ・コロナの時代、プロゴルファーたちも、うかうかしては、いられない。 プロ野球のレジェンドたちがゴルフ場に集結 完全試合男・八木澤荘六(元ロッテ)、西武ライオンズ第1期黄金時代のリードオフマン・石毛宏典、かつての巨人打線で中軸へのつなぎ役を担った川相昌弘、神宮の人気者・ギャオス内藤尚行(元ヤクルト)‥‥。野球ファンにとってはこたえられない豪華な顔ぶれが、目の前にいた。 その光景がスタジアムの放送席や記者席なら、誰も驚きはしない。だがここはゴルフ場。たまたま居合わせた人々が驚きの表情を浮かべるのも無理はなかった。 常に注目を浴び続けてきた選手達から放たれるオーラは、現役時代と変わらない。自然ににじみ出てくる明るさとさわやかさが、そこにいる人々を引き付ける。 野球ファンにとってみれば、そうしたスター選手たちとゴルフ場の緑の中で一日を共に過ごすことができるとなればどうだろう。まさに感動もの。実はそんな夢を実現する試みが進行中なのだ。 9月30日、静岡・レンブラントゴルフ倶楽部御殿場。ここでメディアに対し、テスト的に行われたのが「アスリートとファンラウンド!!」というドリーム企画だった。 アスリートとそのファンがつながり、きずなを深める仕組みを構築するSNSサービス「KIZUNA」とバリューゴルフが運営する「1人予約ランド」がコラボ。これに日本プロ野球OBクラブが協力し実現した。 本来は1人のOBと応募したアマチュアゴルファーが1日一緒に回るこの企画。ゴルフというスポーツは4時間を超えるプレーの中で、ショットやパットに要する時間は10分程度と言われる。残りの3時間50分は雑談にあてられるだけに、選手たちとじっくり話す余裕がある。 この日はメディア関係者向けの体験ラウンドのため特別にレジェンドたちが全組と3~4ホールずつスライドする形でプレー。さすが野球の世界で一流だっただけに、引退しても筋力と運動能力がハンパない。 桁外れのビッグドライブが飛び出す一方で、パットの時に発揮される集中力も人並外れている。プレーの合間には面白エピソードが次々に飛び出し、笑い声が絶えない。楽しいラウンドが実現した。 通のファンなら、レジェンドたちに直接聞いてみたい材料は山ほどあるはず。日本シリーズのあの場面は、実際どんな指示が送られていたのか? とか、完全試合のチームメイトたちの素顔やエピソードなど‥‥。もちろんオフレコはあるだろうが、聞いてびっくりの(秘)情報を得られるかもしれない。まさに夢いっぱいの企画と言える。 物まねタレントがプロの代役 当日参加したものまね芸人の皆さん(左から=こち亀子、白倉ヒサオ、ぺよん潤、<br />プリティ長嶋、葉月パル、アントキの猪木、リトル清原、まっちゃま) 実は昨年の9月5日、神奈川のレイクウッドGCで、これとは似て非なる企画が実現している。物まね芸人と一般ゴルファーのラウンドだ。 「第1回じゅじゅ苑カップ」と銘打って行われたこの大会には葉月パル、プリティ長嶋、アントキの猪木、ぺよん潤、リトル清原らが参加。7組すべてに、ものまね芸人が入って一般参加者と18ホールプレーする内容だった。 このコンペで何より楽しかったのは、表彰パーティー。芸人全員がものまねを披露し、参加者の爆笑を誘っていた。 参加費や収益の一部は世界の子供たちを支援するため、ユニセフに寄付された。ゴルフの楽しみだけでなく、一日笑って過ごせる上に、チャリティにもつながるコンペというのも、なかなかない。 コロナ禍のため今年の9月に予定されていた第2回は延期されたが、来年4月の開催に向け準備が進んでいるという。このイベントを企画したゴルフリサーチ㈱の代表取締役・長野豪洋氏は、11月11日に、千葉県のキングフィールズGCで「DREAM GOLF(ドリームゴルフ)」と題した一風変わったプロアマ大会も準備中だ。 「以前から『プライベートでプロゴルファーと回りたい』という声は多かったので、それを実現させる企画です。プロとのラウンド料金を入札していただき、落札した方がプレーできます」。 まず参加費2000円を払ってプロの氏名またはカテゴリーを記入する。2万円以上の金額を入札。落札できれば、一緒にラウンドした上、ホールアウト後に30分間、パターのレッスンとアドバイスが受けられる。ちなみにプレーフィーはキャディ付きで1万9800円がかかる。すでに賞金女王経験者と日本オープン歴代優勝者、PGAシニアツアー優勝者が参加することが決まっているという。 日本の男女レギュラーツアーは感染拡大防止の名のもとに、10月までプロアマ戦を開催することなく進んできた。しかしそれが正解なのかは、意見が分かれるところ。 協会の使命は選手たちに稼ぎ場所を提供すること。だが、今年はその使命をほとんど果たせていない。シーズン当初の開催中止続きの後、無観客やエキシビションで試合に出られるようになった選手たちはまだいい。プロキャディー、観客席やトイレなどの設備関係を請け負う業者などが食らっている打撃は大変なものだ。 そんな状況下、徐々に増えつつある野球選手やものまねタレントとラウンドできるイベントの数々。これが大きく育てば、プロゴルファーだけでなく、周辺の仕事をする人々も活路を見いだせる。 一方で、プロゴルファーといえどもコミュニケーション能力が低いと出る幕はますますなくなっていく。トッププレーヤーに求められているのは試合での素晴らしいプレーだが、ファンやアマチュアとのコミュニケーションも大切なプロアスリートの仕事の一つ。それを生かせる場を作れないのはツアーの責任だろう。 ■小川朗の目 最近、夕刊紙の連載でタレントやスポーツ選手をインタビューする機会が多い。その現場で感じるのは、コミュニケーション能力の高さだ。例えば元ヤクルトの飯田哲也さんはベストスコアが69。その一方で、アウトが39、イン69という大波賞など、面白エピソードがよどみなく出てくる ▼関根勤さんのゴルフ愛もスゴイ。ずんの飯尾和樹さんなど、事務所の後輩にはクラブを惜しみなくプレゼント。タモリさんとの猛練習体験や明石家さんまさんとのラウンドエピソードなど、爆笑の連続だった ▼翻って、プロゴルファーはどうか。ゴルフは自分の稼ぎ場所であるにもかかわらず、プロアマなどで一緒に回っているアマチュアに対する接し方は褒められたものではなかった。それはかつて、ツアーに届いていたクレームの数が証明している ▼プロアマは、お客であるアマチュアのゲストがいかに楽しく一日を過ごせるかにかかっている。タレントたちの多くが、その達人であることは間違いない。野球選手がファンにサービスできることも、今回のイベントで証明された。ことプロアマに関しては、プロゴルファーが他のスポーツ選手やタレントから学ぶことは山ほどある。 <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2020年11月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ用品界についてはこちら
    (公開)2020年10月30日
    コロナ禍の中で生まれてきた芽を摘んではならない。今年の6月、20代の若者がゴルフ市場回復のけん引役に躍り出ていた。対前年比でゴルフプレー支出額が2343%、ゴルフ場入場者が150%。中部・関西の練習場では125%増と、すべて前年に比べてアップという驚きのデータが続々と届いた。次代を担うのは20代の若者と女性ゴルファー。そこで重要となるポイントも見えてきた。「オジサンゴルファー」の徹底改造だ。 体を持て余していた20代がゴルフ練習場へ 「オジサンゴルファーの徹底改造計画」をぶち上げたのは、日本プロゴルフ協会の倉本昌弘会長。9月7日に行われた理事会後の定例会見でのことだった。 話の流れを順に追っていくこととする。「中部・関西の特定のゴルフ練習場でのアンケート結果で、20代・30代の来場者数が120%増。これは若い人たちが『体を動かしたい。密にならない所に行きたい』ということでゴルフを選択してくれている。細かく言うと、20歳から24歳までが125%増、25歳から28歳までが60%増、逆に75歳から79歳までが50%減、60歳から64歳の層は44・4%減です。『コロナが恐い』という警戒感から出控えの傾向が強い」(倉本会長)。 実は、3月から20~29、35〜39歳の層は、すでに増加へと転じていたという。「多分リモートが始まったあたりから、若い世代は体を持て余していたのではないかなと。それが数字に表れたのだと思います」と倉本会長は解説した。 4月に始まったフジテレビ、テレビ朝日などのワイドショーによるゴルフバッシング。自粛要請の対象から外れているゴルフ練習場を、対象でありながら営業を続けるパチンコ店と同列に扱う偏向報道により自粛警察のターゲットとなった。営業していること自体を批判するSNSでの拡散などのいやがらせにより、複数の練習場がゴールデンウィークに臨時休業を選択せざるを得なかった。 そんな状況下でも、若者たちは練習場に足を向けていたわけだ。数字はほかの分野にも表れている。本誌前月号・山岸勝信氏の寄稿連載でも既に報じた通り、29歳以下のゴルフプレー支出額(ゴルフ練習場、ゴルフ場)が前年同時期(3~6月)に比べ2343%となっている事実もある。 また全国で134コースを運営するアコーディア・ゴルフの入場者(6月)でも、20代は前年同月比150%という驚きの数字が続々と弾き出されている。 だが問題は、ここで生まれた新しい芽を、今後しっかりと根付かせることができるかどうかだ。倉本会長も、そこに頭を悩ませている。「ゴルフをまったくやったこともない子たちが、見様見真似でやっている。せめて立ち方、握り方、クラブを飛ばさないためにはどうしたらいいか、くらいはウチ(PGA)の会員をうまく利用して基本を教えられたらいいなと思っています。実際、練習場でも無料のお試しレッスンなどをやっているところもあるわけですし」。 女性ゴルファーも増加 前出のアコーディア・ゴルフは以前から女性ゴルファーの集客にも妙味を発揮してきた。たとえば、おおむらさきGC(埼玉)。1995年に西武鉄道系のゴルフ場をオープンしたが、2007年にパシフィックスポーツアンドリゾーツに譲渡され、2012年にアコーディアが取得。同グループの運営ノウハウが注入されると年間7万5千人(推定)の来場者数を記録している。 特に2015年の12月から16年11月までの女性来場者数は全体の19・7%。当時同グループ135コースにおける女性比率は平均12・1%。グループの中でもトップだった。 この時採用していたのが「サービスキャプテン制度」。自薦、他薦で選ばれたフロント、レストラン、ショップなどの女性スタッフ6人ほどが月一ペースで会議。リーダー以外は毎回違うメンバーが出席していた。 スタッフたちは女性来場者の要望や不満を、ロッカー、大浴場、脱衣場、レストランなど敷地内の至る所でモニタリング。それを会議で検討し女性目線の企画を打ち出してきた。 それがチェックイン時におけるメーク落としなどが入ったアメニティグッズプレゼントや、ロッカールームの水素水サーバー設置、トイレのタッチレスサニタリーボックス、洗面台のマウスウォッシュなどのきめ細かいサービスにつながった。 最近では同グループの四街道ゴルフ倶楽部が女性から高評価。女性用のロッカー、トイレなどをリニューアルしパウダールームも新設した。シャンプーを変え、ドライヤーはダイソン、XXIO11のレンタル料金はわずか1000円と、女性に喜ばれるサービスが充実。今年の3月には女性比率25・8%という驚異的な数字が記録されている。 一方、140コース保有(他運営2コース)のPGMが全社的に行っているのが、ピンクティーの全コース設置。約3600ヤードと短く「初心者や女性でも気軽にゴルフを楽しんでいただけるようにしています」(同社広報)。その甲斐あって、8月は20代・30代女性の来場者数が、すべて前年同月比を上回っているという。 コロナ禍の中、密ではないスポーツということでゴルフに興味を持つ人は少なくない。特に伸びを示した20代や女性層は、ゴルフ界の将来を握っている。しかしこの層の市場参入の障害となっているのが、ゴルフ界を支え続けてきた男性の高年齢層だというから悩みは深刻だ。 オジサンゴルファーの大改造計画 倉本会長がそのショッキングな事実を明かす。「女性ゴルファー創造プロジェクトなどからは、辛辣な意見が出ています。練習場に行けば、知らない人が寄って来てレッスンするとか、会社にはゴルフをすることを報告したくないとか」。 練習場でよく見かける「教え魔」や「ヌシ」。頼みもしないのに上から目線でレッスンし、時にはセクハラまがいの言動まで。女性ゴルファーにとっては、うっとうしい存在でしかない。せっかくゴルフに興味を持ってくれたのに「練習場などゴルフに関するすべての施設が、女性に優しくないという意見も出た」(倉本会長)現実が、女性の参入を阻んでいる感は否めない。 コースに出られるまでに成長しても、会社には秘密にしている女性ゴルファーも少なくない。社内コンペへの強制参加や、プライベートなゴルフへの誘いを嫌がる向きも多い。各組に女性を入れてホステス役を強要しているのもその表れだ。オンオフの切り替えがつかなくなることも嫌がられる理由に挙げられる。 ある50代の女性は「私がゴルフを辞めた理由」をこう説明する。「始めたころは練習場にもよく行ったのですが、レッスンを受けた時に体を触られてイヤになっちゃいました」。 セクハラやパワハラの原因となっているのが中高年層。冒頭の「オジサンゴルファーの徹底改造」発言は、ここにつながる。 ここまでゴルフ場、練習場、用具業界に多大な貢献をしてきたオジサン世代は日本独特のゴルフ文化を作り育ててきた世代でもある。しかしその文化は、女性や若者に居心地の良いものでは決してない。むしろ嫌われている。 「今の若い子のゴルフに対する感覚は(オジサン世代とは)まったく違っています。だったら我々から歩み寄って行かないと。R&Aやアメリカですら変わっている。日本が一番変わっていないのではないか」(倉本会長)。 オジサンが、変わらなきゃ。日本ゴルフ界がV字回復を実現するための、最優先課題だ。 小川朗の目 介護業界の2025年問題をご存じだろうか。団塊世代が後期高齢者の75歳になるのがこの年。様々な問題が現実化することが予測される。そのため厚労省は地域で高齢者を支える「地域包括ケアシステム」を2025年までに整備することを提唱している ▼同省発表の簡易生命表によれば、男性の健康寿命は72.14歳で、女性は74.79歳。あくまで平均値だが、何らかの介助が必要となるのがこの年齢。健康でなくなったことを理由にゴルフ場から足が遠のくのはよく聞く話 ▼一方で平均寿命は男性が81.25歳で女性が87.32歳。男性で9.11年、女性で12.53年の開きがある。男女とも長期間介護が必要になることを覚悟した方がいい ▼健康寿命と平均寿命の差が開けば開くほど医療費、看護費などがかさみ日本経済を圧迫する。ゴルフに勤しみ、健康寿命を延ばすことが日本を救うと言っても大げさではない。 それと並行して、オジサンゴルファーの徹底改造も大事だ。今の感覚では、ますます立場は悪くなる。意識改革はオジサンたち自身のためでもある。 <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2020年10月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ用品界についてはこちら
    (公開)2020年09月25日
    埼玉の小川カントリークラブが民事再生法の適用を申請し「ゴルフ場のコロナ倒産第1号」などと騒がれている。しかし現実には新型コロナウイルスの感染拡大によって命脈を絶たれたゴルフ場はすでに出現していた。 価格競争に異常気象、消費税増税と厳しい状況が続く中、このコロナだ。ゴルフ業界は今、どうすべきなのか。その答えのひとつが「ビヨンド・コロナ(コロナを乗り越えて)」。新たな試みの、現場を照らす。 ゴルフ場は複合施設の一要素 山梨県北杜市は、太陽と水に恵まれた場所だ。 日照時間は全国平均の年間2000時間を500時間も上回り日本一。湧き出る水の美味しさには定評があり、「南アルプスの水」に代表されるミネラルウォーター生産量も国内トップを誇る。 燦燦と降り注ぐ太陽光と、ミネラルをたっぷりと含んだ名水が湧出する環境が何を生み出すのか。肥沃な土地と目に染みる緑だ。 夏の夜には降り注ぐ満天の星が目を楽しませてくれる。国立天文台宇宙電波観測所もすぐ近くの野辺山にある。秋には目に染みる紅葉が、眼前に広がる。 このエリアにいくつか存在するゴルフ場の中でも、どっしりとした存在感を醸し出すのが小淵沢CCだ。ゴルフ場単体として存在しているのではなく、複合的な施設のひとつという立ち位置こそがカギを握っている。 点在型ホテル、美術館、源泉のあるスパとロッジ、地産地消のレストラン、研修所、フットサルコート、テニスコート、フィッシングや乗馬。リゾートとして様々な楽しみ方ができるだけでなく、仕事ができる環境も整っている。 小淵沢カントリークラブといえば、年配のゴルファーには遠山偕成が保有していた「高級パブリック」という印象が強いはずだ。 しかし今、同ゴルフ場は中村和男氏に所有が移った後も、メンバーシップ制には移行しなかった。それでいて利用者には、ゴルフ場をプライベート感覚で利用する空間として使えることを重視して機能させている。 中村氏はいう。「ゴルフ場自体は、回りたい時に、3ホールだけ回って下さってもいいんです。6ホールでも、9ホールでも。18ホールにこだわる必要はないんです。もちろんプレーの料金は、いただきますが(笑)」。 コロナはゴルフのプレースタイルを劇的に変えた。感染拡大防止のため「三密」を控えることが必要とされる中、最もそこから遠く、安全だとされたのがゴルフの「たったお一人様プレー」だった。 家から一人で車を運転して、ゴルフ場に着いたら自分でカートにバッグを積み込み、18ホールをスルーでプレー。ホールアウト後の支払いは自動精算機となれば、感染リスクは限りなくゼロに近い。 マグレガーカントリークラブ(千葉)では自粛期間中、平日の朝のアウト・イン7組がすべて「たったお一人様」。連日20人程度が一人きりでプレーしていたという。 コロナ以前の主流だった「ロッカールームの使用と豪華な食事とプレー後の入浴」が感染リスクの高さから敬遠され、時短にもなるセルフプレーの良さに多くのゴルファーが目覚めてしまった。 もはや「コロナ前」の早起きして日が暮れる頃に帰ってくる日本ならではの「終日ゴルフ」には戻れない。それは一部の高級接待コースでしか成立しないだろう。 スループレーやハーフプレーなど、自由度の高いプレースタイルが主流になるのは明らかだ。休日を家族サービスや他の趣味に時間に振り分けたい人々にゴルフで1日を使い切るという発想はない。 若年層ほどこの傾向は顕著であるだけに、ゴルフへのハードルを低くするためにも、自由度の高いプレースタイルを提案すべきであるのは間違いない。 カントリークラブとゴルフクラブの違いとは たとえばスパリゾートハワイアンズゴルフコース(福島県いわき市)。かつての「常磐ハワイアンセンター」は温泉プールやウォータースライダーを備えたテーマパークに変貌。映画「フラガール」のヒットもあり知名度もアップした。ここには27ホールのゴルフコースがあり、宿泊パックも定着している。 そもそも「カントリークラブ」の意味を知る人は意外に少ない。ゴルフクラブは本来ゴルフだけに特化した施設を呼ぶ。カントリークラブは乗馬クラブやプール、テニスコートなどの複合施設だ。 小淵沢は、カントリークラブそのものの形態を持っているわけだ。しかもカントリークラブのスケールには収まらない。と言うよりも、むしろ小淵沢アート&ウェルネス コンプレックスの施設を構成する要素がゴルフ場だという認識で作られている。 提案されているのは、長期滞在型のリモート生活と、オフサイトミーティングが可能な環境で、仕事もすること。 コロナによって、デキるビジネスパーソンはどこに住んでいても仕事が可能であることが明確になった。対照的に仕事をしているように見せかけているだけだったり、変化についていけなかったりの「お荷物社員」もあぶり出されてしまった。 3時間のリモート会議が済んだら、3ホールほどゴルフをして乗馬や釣りを楽しむのもいい。スパでリフレッシュしてから、食事も地産地消のおいしいものを楽しめる。 絵画、陶芸、音楽など様々な分野のアーティストが集い居住しているエリアで、余暇と仕事を両立しながら人間的な生活が送れる。 宿泊施設も用途に応じて多彩となっており、ミーティングや研修などに使えるものも十分にある。 合言葉はワークとバケーションを融合させた「ワーケーション」だ。仕事を大自然にもちこんで、ゆったりと生きる。コロナ後の新たな選択肢となりそうだ。 <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ用品界(GEW)2020年8月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ用品界についてはこちら
    (公開)2020年08月27日