まずは、同社主要ブランドのひとつ「ルコックスポルティフ」のシーズン業況だが、14年FWは前年同期比90%という厳しい状況で推移。その理由として挙げられたのが、「トラッド」「カジュアル」スタイルが市場トレンドになり、同ブランドが展開する「アスリート」スタイルは、メンズ・レディスともに苦戦したこと。特にアウター、パンツの動きが鈍かったという。
これを受けて、来シーズン15年FWのシーズンは、同103%で計画。強化ポイントとして挙げたのが、①メンズホワイトラインの再構築、②市場シェアUPによるレディス売上拡大、③新マニュアル什器導入によるVMD強化の3つ。特に注目したいのは①で、同社が得意とする機能性素材を柱に、価格以上の価値を提供する商材を提案していく。具体的には、体から放出される熱を反射し、衣服内を暖める特殊アルミプリントの「メガヒート」や、軽量・保温・コンパクトに収まる新開発の裏地「スマートパディング」をアウター類に採用。また、ファッション性の高いトレンドアイテムや、汎用性の高いシンプルなアイテムを展開し、市場のカジュアル傾向へ対応していく構え。
さらに、同ブランドは15年FWで、ゴルフカテゴリー展開20周年(国内販売)を迎える節目の年になることがトピックスとして挙げられる。もちろん、この好機を逃すことなく「20周年記念モデル」を投入していくという。
アイテムは、ポロシャツ(1万2000円)、パンツ(1万8000円)、キャディバッグ、ボストンバッグで、各アイテムには20周年の記念ロゴが施される。そのほか、ウエアはもの作りにこだわった日本製、バッグ類はトップモデルと同素材を使用するなどして通常ラインとの差別化を図る。
一方、「ルコック」と対称で好調な業績を上げたのが「C&B」。同ブランドの14年FWのシーズン業況は同116%を記録。14年SSから打ち出している「IVYテイスト」のニットベスト、カットソーなどが、市場のトレンドである「トラッド」スタイルにマッチ。さらに、同ブランドの取り扱い店舗が前年の250店舗から、400店舗に伸びたことも約2割増の援護射撃になったようだ。
ちなみに、15年FWの強化ポイントとして、①高付加価値商材の拡充、②話題性のある商品提案という2つを列挙。店頭売上計画を同110%で計画すると発表した。こちらで注目したいのは②で、好調の「WOOLRICH(ウールリッチ)」とのコラボ商材を15年シーズンも継続。さらに小物系アイテムを充実させるという。
また、牛革を使用したラウンド用小物入れ2型や、ヘビ革、トカゲ革、ワニ革を使用した高級ベルト5型を投入し、ブランドイメージを高める動きもみられた。
続いて、エキップメントの14年FWシーズン業況は、同100%で推移。市場全体は厳しく、アクセサリー関連は苦戦するも、レディスのキャディバッグが牽引したという。15年FWは、メンズキャディバッグの受注拡大、レディス商材の強化を2つのポイントとして挙げ、同103%で計画するという。
なお、発表会同日には「カルバンクライン ゴルフ(CK)」の15年FWコレクション展示会も開催。シーズンテーマを「The House」として、同ブランドの原点回帰といえる現代アーティストの構築的なイメージ、スクエア感を表現したデザインを提案。モード感を前面に打ち出す。
型数はメンズ約60型、レディス約55型。価格帯は、ポロシャツが1万1000円~1万2000円、パンツが1万3000円~1万6000円、アウター類が1万3000円~2万円といった内容。スポーティーさのなかにブランドアイデンティティーを感じるラインアップを打ち出していく。