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    ゴルフ関連アプリ・アクセサリーの製造・開発を行うLLPゴルグルは先頃、「翼を授ける魔法の液体」と謳った『飛びッシュ』(1本2000円)を発売。ユニークなネーミングの不思議な液体が、SNSを中心に話題だとか。 「『飛びッシュ』の発売は昨年の10月上旬です。ヴィクトリア新宿店でテスト販売したところ、2日間で100本売れました。その後、量販店やECサイトなど30店舗強で展開し、12月末現在で累計販売3000本を突破しました」 そう熱弁を振るうのは森昌俊代表だが、一体どういった商品なのか? 「これはドライバーやFWのフェース面にスプレーをふりかけ、全体に馴染ませるだけで飛距離アップが望める魔法の液体です。1000人以上のモニター調査を行い、8割以上が飛びを実感。『スカイトラック』や『トラックマン』などの弾道計測器で測ったところ、平均16.6ヤードの飛距離アップを実現しました。もちろん、ゴルフ規則に違反する商品なので、公式競技などでは絶対に使わないでください」 森代表によれば、この手の類似商品は世界に20種ほど存在するという。内容量や価格も様々で、差別化が難しい商材といえるが、製品化に至るまでには様々な苦労を重ねてきたという。 「構想から発売までの7ヵ月間で200パターン以上の試作品をつくりました。特に難しかったのは、液体選びと希釈率です。この辺りは企業秘密なので公表できませんが、最終的には2種類の液体を混合することで成功しました」 聞きなれない「希釈率」とは、塗料に対してどれくらいの量の希釈材(水やシンナーなど)を混ぜるかの割合。同氏が続ける。 「昔から、フェース面にワセリンなどを塗るとスピン量が減って飛ぶという裏ワザがありましたが、その油がボールに付着するため、セカンドショットも飛び過ぎてしまう難点がありました。それを解決し、耐久性を長持ちさせたのが『飛びッシュ』です。1ラウンド4プッシュの計算で、ボトル1本(30ml)につき約50ラウンド使えます。さらに、最新のクラブ事情に合わせて、スピンが減り過ぎない仕様になっています。対象ヘッドスピード(HS)は全領域ですが、一番効果が出やすいのはHS43m/s前後で、スピン量は約500rpm減らすことが可能です」 ちなみに、購入者の多くは50~60代の飛距離減に悩むシニア層で、女性も2割ほどいるという。今後は全国300店舗で販売し、年間5万本を目標に掲げる。 同社は2015年9月、S字型に曲がった形状のゴルフティ『ウネッティ』を発売している。ボール手前のティを打つと、一瞬ボールが宙に浮き、インパクト時の摩擦をゼロにでき、スピン量を減らすというもので、ゴルフ規則不適合品にも関わらず累計販売本数10万本を突破した。森代表は公式記録391ヤードの飛ばし屋で、真面目な競技ゴルファーだが、不適合品連発の開発姿勢について後ろめたさは露ほどもない。 「競技ゴルファーは全体の数パーセントだから、ゴルフ産業は一般アマありきです。飛ばなくなってゴルフをやめてしまうシニアが多いなか、当社の商品で少しでも飛ぶようになって、長くゴルフを続けてもらいたい。それが願いです」 1プッシュで16ヤードアップ。こうなると、R&Aも笑うしかない?
    (公開)2017年02月15日

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