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    ハッシュタグ「ゴルフショップ」記事一覧

    総点数7万点以上の国内最大級超大型ゴルフ専門店『ヴィクトリアゴルフ新宿店』が8月25日にリニューアルオープンした。 店頭には大型LEDビジョンを新設し、新製品やキャンペーン、話題の情報などを放映。 1、2FにはタイトリストプロV1ボールのオールプレーナンバーやGPS・レーザーなどアクセサリーが充実。次世代足型測定器「FEET AXIS(フィートアクシス)」を設置し、足型を3D計測器で測定し、分析したデータから最適な一足を選ぶことが出来る。 3Fにはキャロウェイのインショップや、テーラーメイドコーナーなど試打席やパターコーナーを完備。 トラックマンも導入している。「ヴィクトリアゴルフフィッティング」で、ベストマッチのクラブがチョイスでき、パターコーナーでは、ストロークタイプに合わせたパターを提案してくれる。また、ゴルフパートナーの買取りカウンターも常設しているため、買い替えも手厚くサポートしてくれる。 5Fはタイトリスト、ピン、アディダスゴルフ、ルコックゴルフ、ロサーセンなど多数のメンズゴルフウェアブランドを、6FにはJ.LINDEBERG、TravisMathew、TOMMY HILFIGERのインショップ。 7Fにはデサントゴルフ、キャロウェイ、ルコックゴルフなど、国内最大級の取り扱いだ。 8Fにはレディス専用の試打室にトラックマンを完備し、自分にあったクラブを専任フィッターがお手伝い。 9Fにはタイトリスト専任クラフトマンが常駐する国内唯一のタイトリストショップを設置。そのほかにも希少なパターやウェッジなどコアゴルファーも楽しめる圧倒的な品揃えとなっている。 エントリーゴルファーからコアゴルファーまで全てのゴルファーが満足する店舗を目指したリニューアルだ。 【ヴィクトリアゴルフ新宿店 店舗概要】 住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿4―1―10 電話番号:03―3352―5281 営業時間:平日・土曜/11:00~20:00   日曜・祝日/10:30~19:30 WEBサイト:<a href="https://store.victoriagolf.supersports.com/22016" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://store.victoriagolf.supersports.com/22016</a>
    (公開)2023年09月05日
    <strong>「ウチで試打してネットで買うお客さんが非常に多い。冗談じゃありませんよッ。ウチはボランティアじゃないんだから!」</strong> <strong>過去十余年、ゴルフ専門店から聞かれた言葉である。その心中は察して余りある。店舗を構えて在庫を持ち、「鳥かご」のような試打室で来店客に無料でクラブをフィッティング。</strong> <strong>にもかかわらず、最適なクラブを教えてもらった客は「ありがとう」の一言を残して去ってゆく。彼らの購入先は専門店よりも安いネットショップ。専門店の徒労感は倍加するばかり。</strong> <strong>が、そんな状況に変化が見えはじめた。新型コロナに端を発したサプライチェーンの混乱や物不足で格安ネットの在庫が減り、価格競争が落ち着いた。加えて、ITの進化で計測・フィッティング技術が長足の進歩を遂げている。</strong> <strong>巻き返しを図るリアルショップの現状をリポートしよう。</strong> <h2>物不足がネットの安売りを止めた</h2> 物不足の影響から市中在庫が激減して、格安ECは玉不足。値引競争が沈静化したことを受け、多くのゴルフ専門店が息を吹き返した印象がある。現状、大手専門チェーンの売価は税込み価格の2割引き程度に収まっており、かつての3~4割引きが当たり前の値引き競争は影を潜めている。 さらに追い風となるのがフィッティング関連機器の進化である。ITの進化はこれまで、ECに有利に働いてきたが、近年は弾道計測器の進化だけではなく「姿勢推定」や「骨格抽出」によるスイングの映像解析など、新たな要素に彩られる。 フィッティングにエンタメ要素を交えながら、リアルならではの進化を遂げようとしているのだ。 スポーツ量販大手のアルペンは先頃、都内新宿駅東口に巨大旗艦店を立ち上げた。岡本眞一郎常務がこう話す。 「リアルとe-comのシームレスな融合を含め、小売りにはまだまだ進化の可能性があります」 ECとリアルの融合で、可能性を広げようとしているのだ。 その詳細は後述するが、ここで現在の市況を簡単に見てみよう。コトブキゴルフ(都内御徒町)の安本昌煥社長の弁。 「コロナ禍によるゴルフ熱の高まりで業績は順調ですが、今後、ウィズ・コロナの定着でレジャー消費が分散し、年内にはゴルフ関連支出が減るだろうと感じています」 現在、コロナの第7波が猛威を振るっており、それがゴルフ市場の「コロナ特需」を延命させるのか、それとも他のレジャーに食われるのかは神のみぞ知るだが、新規需要も一巡したとの見方が支配的だ。 「市場の先行きには不透明感が漂っています。長引くウクライナ戦争や資源・エネルギー不足に円安が加わって、値上げするメーカーも増えている。秋に発売される新商品は値上げ含みで、ドライバーは2万円ほど上がると思います」(安本社長) 輸入量の減少とコスト高、おまけに円安が加わって、市場の先行きは深い霧に包まれている。 <h2>ECの強みは「中毒性」?</h2> 財務省の輸出入統計によると、昨年輸入されたゴルフクラブは514万本超だった。バブルピークの1990年が1140万本弱だったから、往時とは比較すべくもない。 リーマンショック翌年の2009年が608万本超、東日本大震災の2011年が601万本弱。コロナ禍の2021年はこれより15%ほど減っている。 上記の数字は物不足と、格安ECの不調を裏付ける。流通量が減って製造原価が高まれば、フィッティング技術に長けた専門店にゴルファーが戻って来る。そんな見方は、あながち希望的観測とばかりは言えないだろう。 以上のことを前提にして、リアルとECの優劣を専門店各社に語ってもらおう。まずは「ECの強み」について、各店はこんな印象を話す。 ■ゑびすや 岩瀬文平社長 「ECの強みはコンビニエンス性があって、隙間時間を使って生産的な買い物ができることでしょう。あとは圧倒的な情報量と、ECストアを回遊する中毒性もあると思います」 ■リフレックスゴルフ丸山恭生代表 「やはり値段です。ひと頃より価格競争は落ち着きましたが、我々工房は値段じゃECに勝てませんよ。ECでの購入者はリアルなフィッティングに価値を感じない層が多いと思います」 ■二木ゴルフ川崎宮前店 伊藤弘輔店長 「特に大手ECの強みは価格競争力とポイントに尽きます。ヤフーショッピングや楽天は定期的にポイントキャンペーンをやっていて、ポイントはほかの買い物にも使えるためこの面では対抗できません」 以上のコメントから、ECの強みは「価格」「利便性」「中毒性」「情報量」「幅広く使えるポイント」などがあげられそうだ。 <h2>販売員の気づきが「価値」</h2> ECの強みの裏返しが「リアルの弱み」となるわけだが、コトはそれほど単純ではない。次にリアルショップが考える自身の弱みを列記しよう。 ■アルペン岡本眞一郎常務 「リアル店は出店する環境に影響を受けます。特にモールなどへの出店では、モール自体の集客力やコロナで閉鎖といったように外部要因に左右される。出店コストや人件費、光熱費などのランニングコストもECと比べた弱点でしょう」 ■ゴルフサーティ菅野實社長 「長年ゴルフショップを経営してますが、各種計測器を揃えるなど何をするにもコストが掛かり過ぎる。それが最大の弱点だと思います。すべての専門店が生き残れる時代ではないし、ゴルファー自身、情報量が多過ぎて何が正解かわからなくなっています」 ■コトブキゴルフ安本昌煥社長 「販売員の高齢化と人材不足も課題ですね。当社は販売員30名で、平均年齢50歳に近づいている。社内で新しい試みをするのに『年齢の壁』を感じますし、求人募集でもなかなか人が集まりません」 以上の声を聞いてみると、ECの軽快さに比べてリアルの「重さ」が際立って見える。それも当然で、そもそもITはリアル社会の不便を解決することで様々なビジネスを生み出してきた。物販系のECも、リアル店の弱点を解決して伸びてきたわけだ。 ただし、技術進歩はECにのみ恩恵を与えるわけではない。リアルの重さは「人と人」のコミュニケーションに関わる「密度」の濃さに代表されるが、ここに最新の技術を加えれば「重さ」はECにはない長所に早変わりする。 二木ゴルフの大木克也取締役は「体験」「体感」「信頼」がリアル店の強みだとして①商品サンプルの充実、②販売員の体感、③フィッティングの高度化を強化すべきポイントにあげている。 「特に②は、社員が真剣にゴルフと向き合う姿勢が大事です。ゴルファーの気持ちを理解して、どんな小さなサインも見逃さない。このことが本当に大事なんです」 ゴルフサーティの菅野社長も、ゴルフならではの特性をこう語る。 「ゴルフは自分と向き合う時間が長く、だから悩みが深いんです。我々の仕事は一人ひとりの悩みを熟知して、時間を掛けて理解を得る。専門店の役割は、精神科医と同じだと思いますね」 ゑびすやの岩瀬社長もこの点に同調する。 「ECは『物』、リアルは『コト』だと思うんです。当店は顧客の悩みをベースにメニューを開発しており、ECでは対応できないカスタマイズも、その場で調整→作る→合わせる、というプロセスで売場の価値を高めています」 その分、手間は掛かる。経費も掛かる。それでも手を緩めないのは、合理性では価値化できない価値があるからだろう。 球を打って穴に入れるだけの行為に一喜一憂するゴルフは、そもそも合理性に馴染まない。合理ではないから趣味ともいえるわけで、ゴルファーの購入スタイルも理屈一辺倒ではないようだ。 <h2>年間1600万円買う「太い客」</h2> 「10年ほど前、常識では考えられない買い方をする人がいました」 と前置きして、コトブキゴルフの安本社長がこう続ける。 「クラブで1000万円、ウエアで600万円。年間1600万円も買う顧客です。気に入らないと、一度使っただけで他人にあげちゃう。下取りなんかしませんよ。今はそこまでの顧客はいませんが、年間数百万円買う人はそこそこいます」 こういった「太い客」は、店ではなく個々の販売員につく傾向が強いという。つまり専門店の実力は、如何に優秀な販売員を揃えるかにかかっているのだ。 同社の場合、売場は1~4階で、2階がクラブのメインフロア。そのフロア長を務める深町健氏は販売歴25年、5人いるトップセールスの一人である。個人のケータイ番号を交換する「太い客」を100人ほどもち、紹介等で客層を広げている。指名客は約200人で、 「売上的に見た場合、ドライバーを2か月に一度買い替える人が上顧客の目安かもしれません。中には1か月に4回アイアンセットを買い替えた人もいます。 フィッティングは長くて1時間。日頃の雑談で悩みやゴルフへの想いを聞くようにします。『鳥かご』(試打室)に入って試打すると、計測器が様々なデータを出しますが、そのデータを全部参考にすると混乱するので、取捨選択します。 また、データ的には合ったとしても、そのクラブはこの人に合わないと直感的に閃く場合もありますね」 現状「鳥かご」に持ち込むドライバーは一人3本程度で、キャロウェイ、テーラーメイド、ピンの外資系3社が人気。自然、鳥かごに持ち込む試打クラブも3社のモデルが多いわけだが、 「人気モデルを名指しで買いに来ても、それ以外のメーカーのクラブを推奨する場合があります。実際に打ってぼくの推奨品に決まると、販売員冥利に尽きますね」 逆に、丁寧にフィッティングして販売しても、毎週のように買い替える顧客もいる。売上は立つが、プロフィッターとしては辛いところだ。 「売上的にはありがたいのですが、販売員冥利には尽きません(苦笑)。1時間必死に接客して、翌週『ダメだよ』って来られると、悲しくなります」 同氏はイップスに苦しんだ経験があり、ゴルフと真剣に向き合う顧客の気持ちがわかる。単なる販売員ではなく、ゴルファーの気持ちを瞬時に理解できることがトップセールスの要諦だ。 この点を重視するコトブキゴルフは1回につき5000円のプレー補助金を年2回、社員に出す。今後4回に増やす予定で、 「ゴルフ場へ行けばいろんな気づきがある。それを見て感じることが大事なんですよ」(安本社長) 一連の話からキーワードを抽出すると、販売員に必要な能力は「雑談力」「観察力」「共感性」に加えて「直感力」も大事な要件と言えるかもしれない。 今や大半のメーカーがSNSで商品情報の拡散に務めるが、それで認知度が上がったとしても「鳥かごの3本」に選ばれるまでにはハードルがあり、さらに購買決定には販売員の推奨がモノを言う。 販売員の「直感」は経験が瞬時に表れる「感性」であり、多くの顧客と「雑談」を交わした成果でもある。 <h2>「ソムリエ」という販売戦略</h2> ドライバー1本で20万円超の高額クラブを展開するマジェスティゴルフは、販売員の役割を高く評価するメーカーのひとつで、「ソムリエ制度」に注力している。 同社の工場(千葉県松戸市)を視察して学んだ販売員に「ソムリエ」の資格を付与。有資格者は約300名で、ソムリエの在籍店は230店ほどだという。 「その数を無闇に増やすつもりはまったくありません」 と前置きして、西原徹朗社長がソムリエの意義を力説する。 「当社にとってソムリエは、非常に大事な存在です。今年12代目の『プレステジオ』を発売しましたが、ドライバーは約25万円。その価値を正確に伝えるには、伝道師たる理解者が必要なんですよ。 単に金ピカのクラブということではなく、高いにはそれなりの理由がある。そこを丁寧に伝えるのが日々ゴルファーと接するソムリエであり、その存在なくして我々のビジネスは成立しません」 同社の立ち位置は、価格設定や購買年齢から見ても独特だが、それだけにリアル店の付加価値を重視する。ネットでは伝えきれない微妙な機微を、ヒトを介して染み込ませるところに価値を置く。 <h2>フィッティング術は千差万別</h2> 本題に入ろう。ECでは体験できないリアル店のフィッティング術についてである。実は、各店各様の技術があり、プロフィッターとしての矜持もある。以下、各氏の声を列記しよう。 ■ゴルフレンド松戸 大野照男代表 「私はこの道30年以上ですが、その経験からゴルファーの『振り心地』を重視します。ドライバーの場合は様々な仕様を15本用意。1本につき1球打つことを15本繰り返して、それを3セット行います。 合うクラブは3球全部理想の球が出ますが、フィッティングで『1球』にこだわるのは、1本のクラブで連続して打つと10球目に会心の当たりが出ることもある。でも、それはスイングをクラブに合わせた結果であり、勘違いの場合が多いんです。ロフトは0・1度、ライ角は0・25度刻みで調節します」 ■東京リシャフトラボ杉山賢一氏 「私は3年ほどキャディをした経験があるので、沢山のスイングを見てきました。そこで重視するのがフィニッシュの形です。最適な『重量』だとピタリと止まる。フィニッシュの『位置』でフレックスやキックポイントの適合度もわかります。 ただ、以上の2点が最適だとしても、スイングに『よどみ』がある場合はグリップのサイズを確認します。これが合わないと力みが出ますから」 ■ブルーターフ菊地正之店長 「工房歴は10年ですが、私は顧客が過去に経験したスポーツを重視します。野球の打者は飛ぶけれど、インパクトで身体が前に突っ込み気味だからスライス傾向が強い。 また、振りかぶる投手の動作は上半身を捻転するので、インサイドにテイクバックしやすく上達が早い。その投手に近いのがテニス経験者で、剣道経験者はアドレスが美しく、サッカー経験者はほとんどクセがありません」 上記3氏のコメントは、いずれもサワリの部分にすぎない。本当はここから深みに入るのだが、紙幅の都合で割愛する。続けよう。 ■アルペン岡本常務 「試打室に持ち込むクラブは、発売前に分析・テストを終え、どのようなゴルファーに何をどう推奨するかを突き詰めます。さらにお客様の希望を確認した上で、希望するクラブと最適と判断したクラブの両方を持ち込んで比較する。このやり方を原則にしています」 ■リフレックスゴルフ丸山代表 「ウチでは『トラックマン4』など最新の計測器を導入して、試打席のコースボールは月に一度全部入れ替えます。試打クラブは、スイング軌道等によって最適重量がある程度決まるので、合うと思われる試打クラブを打ち、弾道データを確認して、再度推奨クラブを提案するという流れになります。 計測器の進化で様々なデータが採れますが、肝心なのはフィッターが数値を『解読』する力です。個々のゴルファーによって何が大事な指標かをきちんと読み解くことが大事なんです。 近年、ユーチューバーがいろんな説を唱えますが、正しくないことも多いので問題だと思いますね」 ■二木ゴルフ田無店 菅野涼副店長 「メーカーごとに説明や基準がバラバラなので、まずは統一したデータを作成します。その上で、会話の中から使用クラブへの不満や悩みを聞き出して、病院のように処方箋を頭に描く。 試打クラブは『鳥かごの3本』という感じではなく、10本でもそれ以上でも、納得するまでアドバイスを続けます」 <h2>進化するリアル店の可能性</h2> フィッティングに対する考え方は千差万別の印象だが、最適なクラブを導き出すには「人と人」の濃密な時間が必要という点で一致している。つまり、手間を惜しまない姿勢がカギになる。 その上でITの進化を取り入れながら、リアル店自体が進化していく青写真をそれぞれ描く。 アルペンの岡本常務はECとリアルの「シームレス化」を目指しており、アパレルを例にとりながら次のような説明をする。 「品数が多いアパレルは店頭に十分な在庫をもてないので、端サイズや差し込みカラーを店頭で確認、その場で決済。さらに商品はe-comから配送する仕組みが考えられます。 バーチャルフィッティングルームで『仮想試着』をして、気に入った商品を実際に試着して決める流れもあるでしょうね。リアルとITが融合すれば専門店はまだまだ進化します」 むろん、この話はアパレルに限ったものではなく、ギアへの適用も考えられる。店頭に「コト」の要素を持ち込めば、ライフコンサルティングとしての広がりも期待できるだろう。二木ゴルフの大木取締役は、 「ゴルフを生涯スポーツとして続けられるよう、ショップで身体のメンテナンスをすることも視野に入れたいですね」 と語っているが、近年では理学療法士がゴルフ指導の資格を取り、レッスン市場に参入する動きもある。 身体の構造を熟知した理学療法士のレッスン&amp;フィッティングが実現し、これにAIの画像解析が加われば、まったく新しい世界観が表れるかもしれない。専門店の進化は、まだまだノビシロがありそうだ。
    (公開)2022年08月03日
    今年3月、JR御徒町駅前に3店舗を運営していたコトブキゴルフはバーディ館と北口店の2店舗を閉鎖、ワールド館に集中して専門店の新たな可能性を模索する。 実はこのワールド館、バブル時代には単独で年商30億円を記録して、「単店世界一」の売上を記録している。今年創業54年。旗艦店への一極集中を決断し、そしてコロナ禍に見舞われた。 「変化がおそろしく速い時代にあって、ヘタをすれば我々小売りはいらなくなる」――。 ECの伸長や、メーカーの直販体制が進む中、安本昌煥社長は口元を引き締める。世界一のゴルフショップだった同社は今後、どのような青写真を描くのか? (聞き手・GEW片山哲郎) 初心者セットが2倍売れた <strong>この夏、ゴルフ市場は総じて回復基調ですが、「コロナ特需」の面が強いですね。そこでまず、ここまでの商況を振り返ってください。</strong> 「わかりました。まあ、1~2月はコロナの影響が少なくて、昨対をクリアしていますが、ウチには特殊事情がありましてね、3月末にバーディ館と北口店を閉めたじゃないですか。 それで3月は閉店前の在庫削減とコロナのダブルパンチで厳しくなって、4月にコロナの本格化でさらに暗転した。2月頃は春節で中国人のインバウンド需要も多かったけど、4月の売上は6掛けで、5月は半減。この頃が本当に厳しかったですね」 <strong>で、緊急事態宣言の解除を受けた6月から上向いてくる。</strong> 「はい。5月26日の解除後に客足が徐々に戻りますが、解除後も感染者数は一進一退を続けました。増えると高齢者の来店が極端に落ちる、減ると増えるという繰り返しで、」 <strong>高齢者は重症化率が高いから怯えるのも当然でしょう。ところで、安本さんはいくつになりました?</strong> 「十年(とおねん)取って57です」 <strong>67歳ですか。コロナになったらヤバいですね。</strong> 「だから健康に気をつけて、今朝も6時からスポーツジムで走りましたよ。余命はあと33年しかありませんから(笑)」 <strong>百まで生きる?</strong> 「そのつもりです。いずれにせよ、感染者の増減で高齢者の需要が凹んだ分を若者需要が埋めてる感じもあるんですよ。 実は、初心者セットの売上は数量ベースで2倍を記録するなど、絶好調でしてね。これはコロナでゴルフが見直された結果だと思いますが、売価はキャディバッグ付きのフルセットで7万~8万円が中心です」 <strong>初心者セットの売れ筋はどれですか。</strong> 「まずキャロウェイの『ウォーバード』が好調で、BSの『ツアーステージ』も人気ですが、それ以上に注目すべきはレディスクラブなんですよ。もの凄い勢いで売れていて、こちらも倍増の実績です。 強いのはやっぱり『ゼクシオ』で、キャロウェイの『ソレイル』にBSも健闘してますが、『オリマー』もそこそこ頑張ってます。 『ゼクシオ』はメンズも健闘してますが、レディスは圧勝状態で、前作の『テン』に比べると遜色はあるけど勢いは続いてます。 ウチの場合はフルセットで『ゼクシオ』を買うとキャディバッグをサービスしてるんですよ。それで過度な値引きをしなくても、フルセットの購入者が非常に多い。実売30万円を超える商品だから、売場にとってはありがたいですね」 <strong>値引率は商品によってマチマチでしょうが、押し並べて御社の値引率は何割ですか。</strong> 「まあ、他店並ですよ(笑)」 <strong>2割5分引いてポイント還元を1割つけるとか?</strong> 「そこまではいきません。ウチのポイントは7%だから」 <strong>すると全体的には3割引が目安ですか。</strong> 「そのあたりはご想像に任せますが、競合他店の売価をマメにチェックして思うのは、最近はみなさん、意外と値引き幅が少なくなっていて、店頭では以前の価格競争が影をひそめた感じですね。 お客さんはいろんな店をまわるじゃないですか。それでウチの店員が他店の値引情報を聞くとですね、値引率はかなり少ないんです」 <h2>夏は売れ筋商品が店頭から消えた</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/09/yasumoto2.jpg" alt="" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-63829" /> <strong>売価の安定はいいことですね。ゴルフクラブは一時、発売と同時に3割引、その後4割引とか荒れ放題だった。</strong> 「そうですねえ」 <strong>二木ゴルフは本社ビルを売却しましたが、金融機関から適正利益への要望があったかもしれないし、アルペンも経営層の減俸に踏み切った。ゴルフショップは以前の売上拡大主義から利益主義に転換している。</strong> 「でもねえ、そうするとお客さんはネットに行くよ。あっちは今も荒れ放題だから。まあ、それに負けないための付加価値をリアル店は実現する必要があって、ウチはネットに対抗する値段が出せないから、ほかのメーカーとの交換キャンペーンなど知恵を絞ってやっています。 これは過去十数年の課題ですが、ネット価格に負けないリアルの在り方は常に模索するところですね。それで当社ではゴルフゾンの計測器『GDR』を複数台設置して、フィッティングに注力してるんですよ。 土日は試打で3組ほど待ちが出る人気ぶりで、データ解析によるフィッティングは非常に好評です。おかげで成約率もかなり上がりました」 <strong>成約率は何割ですか。</strong> 「もちろん100%まではいかないけど、8割にはなりますね」 <strong>それは凄い。以前は「一生懸命接客しても、客は聞くだけ聞いて安いネットで買ってしまう」と憤慨してましたが、状況が一変したわけですか。</strong> 「う~ん、変わったというか、相変わらずECの売価は荒れてますからねえ。ただ、フィッティングによる成約率の向上は、評価すべき点だと思っています。 それは外ブラも同様で、外資4社(テーラーメイド、キャロウェイ、ピン、アクシネット)も成約率が高いんですよ。先ほど6月までの商況を話しましたが、夏場はピンの売上が目立っています」 <strong>『410』のクローズですね。</strong> 「そう。『410』のクローズアウトで、夏商戦はピンの売上が外ブラ全体の4~5割を占めました。それで商品が店頭から消えちゃったわけですが、それだけじゃなくて『SIM MAX』や『マーベリック』も売れ筋は店頭にまったくない。お盆明けの売場は売る物がなくて困りました(笑)」 <strong>欠品で困ったという話は、近年はあまり聞きませんが、コロナの影響も大きいでしょう。値引幅が少なくなったのもそうですが、コロナで生産量が減った分、市場全体が生産調整したのと同じになった。</strong> 「それもかなり大きいですね」 <strong>で、夏場は欠品で商売にならなかった?</strong> 「それがですねえ、在庫が底をついたと思ったら、8月に出たプロギアの『RS5』が絶好調なんですよ。全体的に物がないから、売場としては出たばかりのプロギアを薦めましたが、試打で『GDR』の計測値を見ると非常にいいんです。 今回の『RS5』は物がいいし、実際に打てば外ブラに負けてない。そのことを証明しましたよね。だって、毎日アイアンセットとウッド2~3本が必ず売れるんだから。たった1店舗で毎日売れるって凄いですよ。 なのでプロギアの責任者には『今度のRSは大事に売りましょうよ』って話しました。まあ、これには裏があって、オフレコだから後で話しますが、とにかく『RS5』は好調です」 <h2>国内大手の弱点は社長交代の早さ</h2> <strong>このところピンは絶好調ですが、その要因をどう見ます?</strong> 「まあ、渋野が出たり、若手の女子プロを粘り強くサポートしたこともありますが、価格的な優位性も見逃せません。ピンのウッドは実売価格が3万円台半ばだから、特に国内他社と比べて価格競争力があるんですよ。 でね、これは企業のポテンシャルの話ですが、たとえばヨネックスはジュニアへの投資がもの凄いじゃないですか。でも、」 <strong>育つと外資系を含む他社に取られてしまう。</strong> 「それをヨネックスの米山会長は『仕方ない面もある』と達観した感じもあるんですが、つまり嘆いても仕方ないと思うんですね」 <strong>仕方ない?</strong> 「はい。だって外資企業は世界のマーケットをカバーしているけど、日本のメーカーは国内と東南アジアの一部でしょ。外ブラが1モデル10万本作ったとして、日本は1万本にも満たないから、スケールがあまりにも違いすぎる。 大量生産によるコスト格差は歴然とあるし、R&Dへの投資もハンパじゃない。このあたりは『SIM』と『マーベリック』を見ればわかりますよ」 <strong>国内メーカーは開発面でも劣勢だと?</strong> 「ところがですよ、国内メーカーの話を深く聞くと、彼らも凄い開発をやっている」 <strong>どっちですか?</strong> 「ねえ(笑)。要するにね、日本のメーカーも素晴らしい開発をしているけど、美味しいところは全部外ブラに取られちゃう、という話です。 プロギアは前作のカチャカチャでネック部分を2軸でやったし、ヘッドの異素材ハイブリッドはBSが先鞭をつけている。昔も今も、日本メーカーの技術は凄いんですよ」 <strong>国内メーカーはトーナメントを開催したり、市場育成に多大な投資をしてますが、美味しいところは外資に刈り取られると。それは「仕方ない」わけですね。</strong> 「仕方ないというか、構造的に太刀打ちできません」 <strong>「構造」というのはスケールの話?</strong> 「それも当然あるけれど、たとえばピンは過去十数年、若手の女子プロをサポートして、それが2~3年前から開花している。つまり軸がブレないわけですよ。 一方、日本の大手メーカーを見ると親会社からゴルフ事業の社長に下りて2~3年、腰掛的にやるだけじゃないですか。少なくとも5年や10年やらないと長期的な戦略は描けないし、そういった構造がある限り、ぼくは難しいと思ってますよ。 国内の大手は総じて同じで、ヤマハもポリシーが見えなくなった」 <strong>具体的には?</strong> 「飛び系アイアンのハシリとして『UD+2』が出たじゃないですか。あれは画期的な製品だし、非常にヤマハらしかった。 その前に『RMX』で革新的なことをやったのがヘッドとシャフトの別売りで、そのメリットを理解させるために販促チームが店頭を訪問した。それで顧客の声を聞いてカスタマイズする一方、ブランド的には藤田と谷口の裏付けがあった」 <strong>あれは流通戦略としても革新的だったですね。当時、ヘッドとシャフトのマッチング販売は売り方としても多大な労力が必要だった。一言でいえば面倒臭いわけですが、汗をかいてメリットを浸透させた。</strong> 「そう、あれは在庫の持ち方としても非常に挑戦的でしたね」 <strong>それを浸透させる下準備に時間を掛けたわけですが、今はネットでイメージ動画を配信するとか、それはそれで大事だけど、やり方が簡便になったんですかね。</strong> 「あの頃のヤマハには迫力がありましたよね。流通を巻き込んで変えてやろうって気概があった」 <strong>ヤマハのポリシーは何ですか?</strong> 「だから『革新』ですよ。単に商品開発の話じゃなくてね」 <strong>つまり革新的じゃなくなった?</strong> 「と思いますよ」 <strong>なぜですか?</strong> 「わかりませんよ(苦笑)。ただねえ、これはヤマハさんだけの話じゃなくて、もっと言えばゴルフ業界だけの話でもなく、前任者が実績を残すと後任は守ろうとするじゃないですか。それで新しいことがなかなかできない。 だから根本的に変わるには、一度落ちるしかないんです」 <strong>そもそも企業は伸縮する生き物だから、局面的には落ちることもある。問題は、下降期にファイティングポーズをとれるのか、このあたりの胆力と構想力が試される。</strong> 「あのねえ、ぼくはヤマハに期待しているし、BSにも期待してるんですよ。BSのノウハウは素晴らしいし、クラブの性能も高いんです。だけど目立った優位性が表現できてない。 昔ターボラバーをやったじゃないですか。あれをもっと磨き込んで、磨いた先に製販一体で全国展開するとかね。ちょっと古い話だけど、大須賀さんが社長だった頃のBSは非常に迫力がありました」 <strong>ナイキのボールをBSがOEMで作って、タイガーに使わせる。それでタイトリストが得意だった糸巻きボールの牙城を引っ繰り返した。慌てたタイトリストはソリッドボールの『プロV1』に踏み切りましたが、大須賀さんは世界を見ていた。糸巻きの技術や特許はタイトリストに勝てないから、ソリッドボールの土俵に引きずり込もうと。</strong> 「ねえ。当時のBSは、やることなすこと迫力がありましたよね」 <strong>タイトリストを特許侵害で訴えたり。とんでもない金額で訴えて、NHKのニュースにもなった。</strong> 「その大須賀さんが社長をやめてからローコスト戦略に切り替えてしまった。中国のベンダーが賃上げに入った時期のことで、これを抑え込もうとしたわけですよ。でもね、当時は『ゼクシオ』の台頭期と重なっていて、店頭で両社のクラブを見比べるとゴルファーはわかる。 だって、自分が使う道具だから。個人的には、あの政策が市場での評価を下げた一因だと思えますね」 <h2>メーカーと小売りの共通課題</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/09/kotobuki.jpg" alt="" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-63831" /> <strong>ミズノへの評価はどうですか。ミズノは逸早くカスタム戦略に注力して、利益体質に転換した。それで値引競争に巻き込まれにくい点が売場に評価されてますが。</strong> 「んー。ミズノが、ということではなく、カスタムで製品を絞り込むと市場での存在感が薄くなるんですよ。 固定経費を賄うためには、損益分岐点の一定水準を超える売上が必要になる。だけどカスタマイズに絞り込んで、昔は1000売れたのが300になれば、当然、固定費の捻出が難しくなるじゃないですか。 これはメーカーに限った話ではなくて、我々小売りも同じですが、規模と利益のバランスは常に悩むところですね。 ウチは同業他社と同じぐらいの店頭価格で売ってますが、本当は定価で売りたいんですよ。だけどそれで売上が落ちれば、経費が賄えなくなってくる」 <strong>一時は大手のメーカーも小売りもシェア主義に走って、プライスリーダーを目指しました。それで他社を振り落として、寡占化して価格決定権を握ろうと。</strong> 「それで失敗したところは沢山ある」 <strong>ところで、ショップの場合は仕入れを除けば、コストは家賃と人件費に集約されますが、御社は自社ビルだから家賃がない。従業員は何人ですか?</strong> 「今は社員が50人ほどですが、バーディ館と北口店があったときは78人ぐらいでした。このワールド館には事務とネットショップもありますから、店はふたつなくなったけど人員は半分になっていません。 でね、それが功を奏したと思えるのは、10年以上通う馴染み客は気に入った店員を指名するじゃないですか。だからベテラン社員の存在は非常に大事だし、売上に直結するんです」 <strong>実は今日、早めに来て接客トークを盗み聞きしました。客のフリをして。</strong> 「怖いねえ(笑)」 <strong>ベテラン店員が二人組に接客していて、上司と部下だと思いますが、年配客が「このひとに任せれば間違いないから」って。店員も単に物を売るだけじゃなく、ゴルフのトータルアドバイザーみたいな感じで話していて、信頼感が伺えましたね。</strong> 「ありがとうございます」 <strong>顧客は暑い中わざわざ足を運ぶわけだから、ECを超える何かがあるんだなぁ、と。</strong> 「そうです、そうです。そこは非常に大事なことです」 <h2>数か月前は極限状態だった</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/09/Photo_20-09-09-13-12-58.489.jpg" alt="" width="788" height="394" class="aligncenter size-full wp-image-63838" /> <strong>3月に閉店した北口店(売場面積33坪、2階)は小ぶりですが、大型のバーディ館(同272坪、6階)は今後、テナントビルにでもするんですか?</strong> 「ぼくの弟がコトブキの専務でしたが、閉店に際してバーディの建物は彼が見ることになったので、いろいろ判断するでしょう」 <strong>それでゴルフ事業は安本さんの専権になるんでしょうが、このワールド館(同386坪、5階)はバブル時代、単店で世界一の売上を記録してるんですよね。</strong> 「そうです。当時はワールドだけで30億円を売りました」 <strong>それは凄い。今はどれくらいですか?</strong> 「まあ、当時とは比べ物にならないですよ(苦笑)。ただね、3店舗を合わせた昨対実績には届かないけど、さっきの話、単店ベースでは驚くほどいいんです」 <strong>いくらですか?</strong> 「まあ、あんまり強気なことを言うとアレなんでね、詳しい数字はオフレコにしておきますが、コロナ禍の分を差し引いても大健闘です。 だって、キャロウェイ、ピン、テーラーメイド、売る物ないんだから(笑)。ショートパンツも完売だし、シューズは昨対200%ですよ。これは若者需要が盛り上がった結果だと考えてます」 <strong>コロナの反転需要があったとしても、経営戦術が奏功した?</strong> 「経営戦術とかね、そこまで大それたことは言えませんが、今年の頭はインバウンド消費がけっこうあって、店によっては売上の2~3割を占めていた。 それが消えた。消えたのに数字が伸びてるのは、日本人がゴルフに興味をもちはじめたということでしょう」 <strong>というか、3店舗が1店舗に集約されて、2店舗分がワールドに集中した。要因はこれでしょう。</strong> 「それはたしかに大きいです。そもそも2店舗を閉めたのは、この商圏で3店舗は多いと考えたのが理由ですから。 今のアメ横は昔ほどひとの流れがないし、外国人でもっていた。それが消えて、浅草も同じですが、閑古鳥が鳴いてますよ。だから逆にバーディ館と北口店をもっていたら、かなり苦しかったと思いますね」 <strong>閉店は絶好のタイミングだった?</strong> 「結果的にね。閉店に伴う経費も出ましたが、ありがたいのはメーカーさんの協力でね、閉店を睨んで発注を抑えていたところにコロナが発生した。それで在庫の戻しに応じてくれたり、支払いの先延ばしも受けてくれて」 <strong>なるほどねえ。今は「完売」で笑いが止まらないけど、つい数か月前は、</strong> 「コロナと閉店のダブルパンチで極限状態だったですよ」 <strong>経営はジェットコースターみたいなものですね。上がったり下がったりで心臓にわるい。</strong> 「ほんとだよねえ(苦笑)」 <h2>問われる専門店の価値</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/09/yasumoto3.jpg" alt="" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-63830" /> <strong>で、2店舗閉鎖の理由は商圏の疲弊と同時に新展開への挑戦もありました。挑戦は、具体的に何ですか?</strong> 「新展開はEコマース以外にもあるんだけど、ちょっと今は言えないですねぇ。コロナの収束を含めて今後の情勢を見ています」 <strong>じゃあ、今後の情勢をどう見ます?</strong> 「それについて私見を述べると、アパレルと同じようになる可能性が高いと思ってます。代表的なのがナイキで、自社サイトで集中的に売ってますよね。ゴルフも外資だけではなく、国内メーカーも自社サイトの充実で直販の流れになっている。 それとテーラー、ナイキ、キャロウェイは自社でアウトレットをもっていますよね。そう考えると、みんながユニクロになっていくんじゃないか」 <strong>キャロウェイは中古クラブを自社サイトで引き取る活動をはじめましたが、この流れが加速すると顧客の囲い込みが強化されて、物販もサブスク的な連続性で形態を変える。すると小売りは、</strong> 「いらなくなるでしょ。市場は劇的に変わりますよ。 そんな環境で参考になるのは関西の朝日ゴルフです。業界では唯一残ったゴルフ問屋というか、ヤマニさんも頑張ってますが、朝日の内本社長は自社ブランドで距離計(イーグルビジョン)を立ち上げたりとメーカー色を強めている。 アレが理想だなって気がしますね」 <strong>朝日ゴルフは以前、主力の卸部門でテーラーメイドなど外資系メーカーの売上依存が高かったけど、今は自社ブランドの構成比が5割を超えたと思います。</strong> 「そうですか」 <strong>これは内本さんの悲願だった。他社への依存度が高いと経営自体が馬なりになるから、安定性を著しく欠く。</strong> 「言えますよね。それとヤマニも自社で作って展開している。そんな方向性になるんだなあ、と」 <strong>コトブキもメーカーになる?</strong> 「ねえ、どうしようかな。余命はあと33年だから(笑)、死ぬまでにはやりたいですよね。だけど市場はもっと縮小していきますよ」 <strong>その「市場の縮小」ですが、これをどんな概念で捉えてますか?</strong> 「ん、質問の意味がわからない」 <strong>市場の「外周円」の話です。中古クラブは「市場」に入りますか。</strong> 「当然入るでしょ。ゴルフ用品を個人売買するネットオークションも入ります」 <strong>以前、キャロウェイのボーズマン社長が「中古やネットオークションは新品市場に多大な影響を与えているけど、その実態は誰にもわからない」と。つまり、市場の総体を合算すると新品市場は減るけど「全体」は増える。誰にもわからないボリュームが格段に増える。</strong> 「それは流通量の話でしょ。金額ベースで落ちるのは確実です」 <strong>そうですね。個人売買が広がれば新品市場には一銭も落ちない。つまり、業界に1円も入らない「ゴルフ市場」が急拡大している。</strong> 「だから会社は数量ベースではなく金額ベースで経営しています」 <strong>キャッシュフロー経営ですね。</strong> 「そう。その際、今の話を含めてね、一括りで『ゴルフ業界』なり『用品市場』を語れない時代になってますよね。こっちのマーケット、あっちのマーケット、よく見ればあそこにもマーケットがあるということで、そうなると実態はつかめません。 問題は、従来は新品のクラブを買うマーケットだけが我々の意識に存在していて、市場構造もそうでした。我々もそこで生きてきたし、メーカーもそう。その部分だけを切り取れば市場の縮小は確実だけど、それ以外の部分が大事になる」 <strong>現状、新品市場を支えるのがシニア層で、</strong> 「その需要がなくなると我々業界は、若者の可処分所得と向き合います。実は昨日も営業会議でその話になって、若年層の予算感を聞いたんですよ。 ぼくね、セットで5万円ぐらいだと思っていたの。だけど接客している社員に言わせれば『社長、3万円台ですよ』だって。スマホやゲームに小遣いが取られて、ゴルフクラブには3万円」 <strong>中古やネットオークションを使えばもっと安く買えるから、これがますます肥大化する。「市場」の実態がわからなくなるし、そもそも若者は実生活の相場観が違います。</strong> 「言えますよね。アパレルで若者に人気の『グローバルワーク』はしゃれたシャツが千数百円でしょ。それでゴルフができますし、彼らの相場観がそこだとすれば、ゴルフシャツの1万2000円なんか信じられない値段ですよ。あと『ワークマンプラス』ね」 <strong>作業着だと思っていたら、アウトドア系の商品で勢いがある。</strong> 「あそこのTシャツなんか数百円だし、ファッション要素も入るから女性客も多いんですよ。せっかく若者がゴルフ市場に入ってきても、現状ではここのギャップが埋められないし、青写真も描けない。どうしよう、という感じですね(苦笑)」 <strong>安本さんが百歳になったとき、コトブキゴルフはなくなってる。そんな話を一生懸命してるんですか?</strong> 「いやいや(苦笑)。ただ、残るとしても業容は大きく変わるでしょうね。ゴルフがバックボーンだとしても在り方を変えなきゃいけないし、だって百年の歴史をもつ百貨店やアパレルのレナウンが飛んじゃう時代ですよ。コロナが加速度的に変化を早めている」 <strong>10年の変化が半年だから。これはもう、有無を言わせないスピード感ですね。</strong> 「ほんとだよねえ。そう考えると今は外資系のギアが好調だけど、それもいつどうなるかわからないし。まあ、新展開を考えているので、時期が来たら連絡します」 <strong>ゴルフギアって何ですかねえ。</strong> 「大人のオモチャですよ」 <strong>安本さんが言うとビミョーなんですよね(笑)</strong> 「真面目に聞いてくださいよ。やはり飛ばしたいという欲があって、スコアを縮めたい欲もあるから、妄想に駆られて新しいクラブに飛びつくんです。でね、それはそれでいいんです。 ゴルフは健康志向を満たせるし、ヒトとの出会いや屋外の魅力もある。それだけにゴルフにはまだまだ可能性があるし、我々がやれてないことも沢山ある。そう考えると、」 <strong>ゲホッ、ゲホホホッ。</strong> 「なにっ、コロナ? 花粉症?」 <strong>換気で窓を開けてるから、室外機のチリが喉に入ったんです。</strong> 「ああ、よかった」 <strong>百歳まで生きてください。</strong> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/5mzFMUJPVy4" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe>
    (公開)2020年09月11日
    スポーツ小売最大手のアルペンはこのほど、4月の業績を発表した。これによると既存店ベースでの売上は前年同月比45・4%減、全店でも46・2%減とほぼ半減。同社によれば、 「新型コロナウイルスの感染拡大と緊急事態宣言による自粛の影響で、当初想定していた売上が大幅に減りました」 そのため、経費削減の一環として役員報酬を大幅に引き下げる。5月から9月までの5か月間、代表取締役は月額報酬の50%、常勤取締役は10%の減額を決めた。 政府は先頃、緊急事態宣言の延長を5月末までと発表したが、出口戦略が示されずに厭世観が漂っている。コロナ禍は「政治不況」の色も帯びはじめ、小売市場を直撃した。 首都圏を中心に26店舗を運営する有賀園ゴルフは、緊急事態宣言以降8店舗を休業したが、営業を続ける店舗の売上は平均35%減で4月を終えた。この業績について有賀史剛社長は判断に苦しむ様子でもある。 「悪いと言えば悪いし、さりとて健闘と言えなくもない。もっと悪化することを予想していたので、どちらかと言えば健闘でしょうか」 同社が休業した8店舗は百貨店やアウトレットのインショップが中心で、施設自体が休業したため営業の続行を断念。また、都心部の新橋、神保町店も出勤自粛により客足が見込めず、臨時休業に踏み切った。その反面、利益率は高まったという。 「利益の落ち込みは3割なので、利益率だけを見てみると7~8%改善しています。セールのDMや新聞広告を全面休止したことと、このような状況で来店客の値引き要求がなくなったこと。この2点が大きいです。会社としてもコロナを機に様々な工夫をしているので、今後の展開につなげたいですね」 <h2>3割減でも明るい広島</h2> 有賀社長が話す「工夫」の詳細は後述するが、広島県で4店舗を運営する広島ゴルフショップも4月の売上は3割減と苦戦した。しかし、山田一夫社長の声は意外に明るい。 「今は『コロナの雪』が積もっていますが、いずれ雪解けするでしょう。5月中は厳しいけど、6月に市場は動くと見ています。その後、新しいゴルフ界がはじまりますが、それは世情の動きと無縁ではありません」 どういったことか? 同氏が指摘するのは、コロナを経験したことで働き方が急速に変わり、ゴルフの位置づけも変わるということらしい。 「これまではひとつの会社に勤めて、一日8時間労働が当たり前でした。それがコロナを経験したことで、優秀な人間は時間に縛られず、複数の仕事を同時にこなすようになる。すると出会いも増えてきます。 ゴルフはビジネスの縁を取り持つのに最適だし、新しい仕事が次々に生まれる中で商機が広がる。従来の価値判断はお金でしたが、これからの価値観はヒトですよ。人の出会いがもっと大事になってくれば、ゴルフの価値も高まってくる。新しい時代の幕開けです」 同氏は6月以降、そのような視点で施策を考えていくという。詳細は明らかにしていないが、そもそも同社は顧客への提案や催事を積極的に開催し、大手専門チェーンが版図を拡大する中で県内4店舗の牙城を守ってきた。地元有力者とのパイプも太く、となれば「二世会」や異業種交流の拠点としてゴルフショップの新たな価値が創造できる。 「おたくもね、メディアだけやってる時代じゃないですよ。もっと挑戦しなければ」 と、本誌にエールまで送ってくれた。 <h2>売場は濃厚接触の恐怖と戦っている</h2> 前出の有賀社長もアフター・コロナの青写真を描いているが、その中身を一問一答で紹介しよう。 <strong>コロナを機に、どのような青写真を描いているのか?</strong> 「たしかに売上は厳しいけど、利益率は上がっています。直接的な要因は3月以降、DMや新聞への宣伝広告をゼロにしたことが大きくて、5月も予算を使わない予定です。政府は5月14日、出口戦略を発表しますが、それを見て6月以降のマーケットが動くことを期待しています。 ただ、期待するばかりではなく、同時に体質改善も進めています。新横浜店の販売員は常時13~14名体制でしたが、今は最大6名でまわしています。雇用調整助成金を使いながら出勤調整をしてますが、これによりいろんなことが見えてきた」 <strong>たとえば?</strong> 「これまで当たり前にやってきたことのムダですね。ぼく自身、今日は6店舗まわりましたが、現場を見る重要性はありつつも、移動や会議の在り方はもっと合理的に進められる。販売員の人数も、雇用を守るのが前提ですが、少数精鋭によるスキルアップや効率的なローテーション。1店舗に専従しない在り方も考えていく必要があります」 <strong>メーカーとの関係性も見直す必要がありますか。</strong> 「見直すというよりも、いろいろ思うことはありますよ。メーカーと小売りは運命共同体だと思ってますが、我々小売りは日々、コロナに怯えながら接客しています。その一方、メーカーはテレワークで在宅勤務じゃないですか」 <strong>メーカーは安全地帯にいると。</strong> 「ええ。運命共同体ということであれば、店頭に来て支援してもらいたいし、我々の厳しい日常をもっと理解してもらいたいとも思います。ただ、ヨネックスなど国内メーカー3社は、マスクを200枚ずつ送ってきました。それぞれ社員の人数分で、マスクが足りなかった時期だけに涙が出るほど嬉しかったです」 <strong>メーカーの支援という意味で、支払い面でのサポートはどうですか?</strong> 「それは個別の話し合いですが、支払いの猶予を2か月延ばしてくれたり、店頭在庫を半分返品で受けてくれるところもあり、その面では非常に感謝しています」 <strong>反転攻勢の時期はいつぐらいですか。</strong> 「現状、6月から積極的に打って出ようと思っています。4月は不測の事態として、タレントの石田純一さんがゴルフ場で罹患して来客が一気に減りましたが、今後は一人10万円の給付金もある。 当社の顧客は生活に困っている人が少ないので、声高に言うことじゃないかもしれませんが、給付金がゴルフ需要にまわる可能性もありますから、いろんな刺激策を考えます」 コロナ禍に沈んだ4月のゴルフ市場だが、この間、様々な善後策を考えている様子。前出の山田社長がこう話す。 「この数か月はジッと耐えてきましたよ。外に飲みに行くこともなくなった。でも、この間いろいろ考えました。逆に言えば、コロナ自粛の期間中に何も考えなかったところはダメでしょうね。 世の中は大きく変わります。むしろワクワクしています」
    (公開)2020年05月09日
    <h2>地域住民の「笑顔」を見たい</h2> 関西のゴルフショップ「ゴルフギアサージ」は兵庫県に6店舗、大阪府に2店舗を構える老舗。アウトレットやゴルフスクールの併設店もあるなど、地域のゴルファーに親しまれてきた。これを経営するのが1973年創業の西明石ゴルフショップである。 その同社は今年3月、旗艦店となる西神戸店内のスクールの一部を改装して、シニア向けのフィットネスジム「元気創造広場【EMIO】エミオ〜笑みを〜」(エミオ)を開業、このほど本格的に訴求を図る。 「店名の由来は、地域のみなさんに『笑みを』与えたいと考えたからです」 同社の朝日貴信常務はそう前置きして、次のように続けた。 「エミオが入る4階建てのビルは、4階がスクール、3階がアウトレット、2階に専門店のギアサージが併設されており、売り場面積は350坪で当社の旗艦店になっています。ジムは4階にオープンしましたが、これには2つの狙いがあって、具体的には地域貢献と高齢化対策を目指しました」 専門店はネット販売の台頭もあり、総じて苦境に立たされている。このような状況を打開するには、地域密着型の利点を生かして「痒いところに手が届く」サービスを提供しなければならない。いわゆる「利己」より「利他」の精神で、顧客に愛されることが肝心だ。 ところが、同店が過去の営業データを調べた結果、地域住民の90%以上が来店していないことがわかった。来店率を高めるために店舗スペースの一部を「憩いの場」にしようと考え、手軽にフィットネスを楽しめる場を提供することになった。 「そのため敷居をかなり下げています。一般的なフィットネスジムのように入会金やカード発行料、システム料は一切取りません。シンプルに1回500円で、営業時間の10時から19時まで時間無制限で利用できます。 インストラクターはいないので、自分のペースで楽にトレーニングできるのも特徴ですね。着替える必要もなく、そのままの服装と靴で利用できます」 <h2>もともと社員の会議室</h2> エミオのスペースは約17坪で、もともと社員の会議室として使っていた場所。そんな話を聞くと、ゆるい感じの施設を想像するが、本格的なマシンが揃っているという。朝日常務の説明によれば、 「万能筋力マシン『キネシス』など、19台のトレーニングマシンが揃っています。これらは東京や大阪といった大都市圏のフィットネスジムも導入しています。 ただし、どれも筋力を本格的に鍛えるのではなく、少しの力で行えます。皆でおしゃべりしながらストレッチ感覚、といった感じでしょうか。疲れたらマッサージ機で休んでもいいし、本格コーヒーで一息ついてもいい。あくまでもくつろいでもらうことを念頭に置いています」 対象年齢は定めていないが、実際の利用者は60歳以上が大半であり、開業当初は一日4人ほどの利用者と、自慢のマシンも手持ち無沙汰の様子だったという。 「具体的な金額を言うのは少々気後れするのですが、将来的には月商40万円程度になれば」 と朝日常務は笑う。 とはいえ、改装費用に加えて、機材関連だけでも相当額の設備投資が必要だったのではなかろうか。また、500円で一日4人とすれば月商6万円ほどだから、目標の達成には7倍の来場者が必要になる。早期に達成できるのか? 「PRと言うほどのものではないのですが、最近では郵便局のタウンプラスを利用して、地域の方に『EMIO』のことをお知らせしています。その効果もあってか、段々と認知されるようになり、最近では一日に10人くらいの日もあります。 利用者の年齢からして、ウェブサイトやSNSなどでの訴求はあまり届かないだろうと思うので、今のところホームページを作る予定はありません。 まあ、スペース的なことを考えると、多くの人が来過ぎて窮屈な思いをさせても申し訳ないですし、リラックスできる雰囲気が半減してしまいます。丁度いい感じがベストですね」 機材の購入は新品と中古をうまく組み合わせたりなど工夫したという。 「もちろんしっかりしたトレーニングマシンなので、1台につき最低でも20万円以上はかかっています。全体の設備投資費ですか?一般的なフィットネスジムに比べて申し訳ないくらいの金額なので、そこはオフレコでお願いします。そもそものコンセプトが長年お世話になっている地域住民への貢献が第一なので、利益は度外視なんですよ(笑)」 現在、ギアサージ西神戸店で商品を購入した方には、初回無料チケットも配布中。今後、機材のメンテナンス費用もかかるだろうから、朝日常務が言うように確かに利益度外視の良心的な価格設定と言える。 <h2>「認知症予防」のWAGと連携する?</h2> 団塊の世代が主要顧客となるゴルフ界は近い将来、シニア層のゴルフリタイアが大量発生する危機に瀕している。これを食い止めるためにはプレー寿命の延伸策が不可欠で、最大手の住友ゴム工業(ダンロップスポーツ)はフィットネスとゴルフの融合を推進するなど懸命だ。 注目されるのはウィズ・エイジングゴルフ協議会(WAG)の活動である。これはゴルフ関連の5団体が各100万円を出資して立ち上げた機関で、今年3月、ゴルフは「認知症予防に効果がある」ことを発表した。医療機関や東京大学等と共同研究したもので、学術的な裏付けをとっている。 <a href="https://www.gew.co.jp/news/organization-news/g_44525" rel="noopener noreferrer" target="_blank">「ゴルフは認知症予防に効果あり 髙橋会長が構想語る」</a> <a href="https://www.gew.co.jp/column/g_43406" rel="noopener noreferrer" target="_blank">「認知症の予防にゴルフは役立つ!超高齢化社会の到来に朗報」</a> WAGは今後、地方自治体を通じて「ゴルフで認知症予防」の活動を広める構想をもつ。具体的には、子供用のプラスチック製ゴルフ用具を使うスナッグゴルフや、地域の練習場に高齢者を招き初心者を指導するプログラム、長続きさせるための「仲間づくり」などソフト面も充実している。WAGの指示を受けた県単位のゴルフ連盟が主導する方針だが、その際の課題はゴルフ未経験者のシニアを如何に巻き込むかに集約される。 カギは、地域のゴルフ関連企業の賛同を得ることだが、創業45年のゴルフギアサージは地元ゴルフ界にカオがきくはず。ここはひとつ、認知症予防の旗振り役として、エミオを拠点にしてもらいたいもの。高齢者に生き甲斐を与えられれば、結果的にゴルフ市場の活性化につながるはずだ。 「EMIO」facebookページは<a href="https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=1378034485675039&id=126517187493448&refsrc=http%3A%2F%2Fwww.google.co.jp%2F&_rdr" rel="noopener noreferrer" target="_blank">こちら</a> <strong>「GEWの紹介記事を見た!」と言えば、初回利用料無料とのこと。</strong>
    (公開)2018年07月04日
    二木ゴルフと有賀園ゴルフでは、全社員と家族の安全を確認した。福島県に本社を置くゼビオの状況が案じられるが、「現在確認できている情報からは、お客様、従業員への大きな人的被害はない」という。同社は、被害の大きな地区において、防寒用品などの無償提供を準備している。郡山市のエーコーゴルフは「店舗自体に大きな被害はないが、断水がつづいている。人心の混乱を含めて、再営業の目処は立たない」――。有賀園ゴルフは今後について、「停電や物流の混乱など、生活面の安定を取り戻すまでに数カ月かかる。その間、ゴルフ用品の売れ行きは急ブレーキが掛かるだろうし、メーカーや金融機関との支払い面で、厳しい局面を迎える専門店も増えるはず」と懸念している。   全日本ゴルフ練習場連盟では、「千葉県市川市の練習場が一部倒壊したとの情報を得たが、震源に近い東北支部の練習場は一部で窓ガラスが割れたとの連絡はあったが、人的被害については報告されていない」。ゴルフ用品大手のブリヂストンスポーツは「今後については予断を許さないが、ゴルフ界の全員が運命共同体との意識で難局を乗り切る方策を考えたい」と話している。
    (公開)2011年03月14日

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