• TOP
  • GEWとは
  • ライター一覧
  • GEW 購読申し込み
  • GEW 見本誌申し込み
  • 広告掲載について
  • 運営会社
  • 事業内容
  • 企業理念・ミッション
  • CEOメッセージ
  • 会社沿革
  • プライバシーポリシー
  • サイトポリシー
  • お問い合わせ
  • ゴルフ業界求人
  • PGA会員専用求人
  • 月刊GEW7月号 リアルショップの現在地とは?

    ハッシュタグ「ゴルフ場」記事一覧

    今年も酷暑が予想され、ゴルフ場のメンテナンスが難しくなりそう。グリーンの被害も今から心配だ。そこで今回は芝生について解説したい。まず、日本のゴルフ場で採用されている芝の部位と芝種は、 ・ティーイングエリア=高麗芝 ・フェアウェイ=高麗芝 ・ラフ=野芝 ・グリーン=ベント芝 このような構成で使い別けるコースがほとんどで、日本の気候に配慮した設定といえる。 高麗芝は別名「日本芝」と言われ、暖地型。一方のベント芝は「洋芝」と言われ寒冷地型に分類される。ちなみに洋芝=ベント芝と一言で括られがちなのだが、ベントには100種以上の品種が存在する。 観賞用(庭園用)とは異なるゴルフ場の芝は、スポーツターフとして日々研究されている。グリーン用は繊細なボールの転がりを追求するほど葉先が細く、アップライトに立って生育することが求められる。近年は地球温暖化による異常気象に耐えられるよう、寒冷地型でも暑さへの耐性を備える改良もテーマになる。 バブル創成期、日本のゴルフ場のグリーンに使われた品種はペンクロスが一般的で、当時は第二世代だった。現在は第六世代まで進化している。 フェアウェイでベント芝が使われるのは、北海道などの寒冷地に限られる。この地域のゴルフ場は、全ての部位が単一の芝種で構成され、刈高を変えることでフェアウェイラインを変化させることができる。戦略性が高いトーナメントセッティングへのアレンジも容易にでき、汎用性が高く理想的だ。 しかしながら日本の大半のゴルフ場は、気候の制約からフェアウェイの芝は高麗となる。高麗芝は乾燥に強く、土壌中の水分が少ない環境でも比較的我慢ができ、踏圧にも強い。暖地型だが寒さにもある程度耐えられるため、その万能性から多くの地域で採用されている。 散水設備においても、高麗芝を採用するゴルフ場ほどスプリンクラーの設置数が少なく、造成コストが抑えられるメリットがある。ただし近年の酷暑下では、高麗芝の乾燥が深刻化し、コース管理も夏場は散水業務に追われている。つまり、寒冷地型並みの散水設備が必要になってきているのだ。 目土バッグ導入の背景 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/06/2506iijima_img1.jpg" alt="" width="788" height="591" class="aligncenter size-full wp-image-88089" /> 次に、目土について説明しよう。ショットで削り取られた芝生は放置すると再生されない!このことを筆者は強調したい。フェアウェイやグリーン周り、パー3ホールでのティーショット時にダウンブローで打ったりダフった場合、芝は削り取られディポット跡が残る。 削り取られたこれらの部位には、前述のように高麗芝が使われている。高麗芝の特性は、ライナー(匍匐茎)を伸ばし、その先端や節から、芽や根が成長するため、横に広がりながら芝面を形成する。この時、削り取られたまま放置するとライナーを伸ばせず、つまり住み家を造れず、削り取られたディポットはいつまでもそのままの状態となるため、住み家をちゃんと用意すべく目土(砂)を補充しておく必要がある。 それ以外にも目土を施す効果はある。たとえば・・・。 ・ディポット跡に目土(砂)をして表面を平らに整えると、次にプレーするゴルファーが不公平なライを避けられる。 ・排水性の改善効果があり、ディポット跡がぬかるむことを防止できる。 ・地表面を平らにすることで、ボールの転がりやショットへの影響を抑制できる。 つまり目土には、多くの効果が期待できるわけだ。 その目土の効果を、ゴルファーに認識させたいと筆者は以前から考えていた。そんな折、約10年前からゴルフ愛好家に普及し始めた「ターフエイド」という、オシャレで使い勝手が良い目土バッグの存在を知った。 製造販売元を調べたところゴルフライターの高梨祥明氏(ポジション・ゼロ株式会社:千葉県)に辿りつき、連絡をして訪問した。高梨さんはEditorであり、Creator兼Craftsmanと多彩な人。「ターフエイド」製品化の経緯や想いを聞くにつけ、芝草に対する思い遣りや考え方に筆者は共鳴。ゴルフ場用にカスタマイズして導入したい旨を伝えると、快諾を得、ゴルフ場への導入に動きだした。 ただし幾つかのハードルがあり、特に価格が難問だった。この目土袋は個人のゴルフ愛好家向けなため、贅沢な造りで目土袋としては高額(税込7810円)で、業務用にアレンジすれば更に価格は上がってしまう。そこで業務用ではなく、来場者への新たな価値観の提唱としてこの目土袋を位置づけることにした。リコンセプトの発想だ。 <h2>価値観の見直し</h2> 筆者が取り組んだ施策は「ターフエイド」をコースAccessoryの一部と位置づけ、削られたターフをプレーヤー自身が楽しく目土をするという、新たなゴルフ場文化の構築であった。 プレーヤーに業務用の古びた目土袋ではなく、洒落たバッグで楽しんで目土作業をするスタイルを定着させたいと試みた。この目土袋は、持ち手がバッグの中腹にも付いていて、そこを持つと水平にバッグが傾き、目土作業がやり易いことも好都合だった。また、目土袋と目土ステーション(目土箱)のアイコンを同一化させ、アイコンで双方をつなぐことで補充の意識付けも行う。メンバーシップ色が濃いゴルフ場ではコースを労わる光景を見かけるが、そのスタイルをゴルフの嗜みとして演出したいと考えたのだ。 業務用に際してカスタム化にも着手した。耐久性の向上(持ち手部分を強化し繰り返しの使用に耐えられるよう変更)と、オリジナリティの追求だ。ゴルフ場名をオンネーム化することで、各コース独自のブランドイメージを高めたもの。 この「ターフエイド」の導入により、主として以下の3つの成果が確認できたことは何よりも嬉しかった。 ・目土作業の促進:ゴルファーが積極的に目土を行うようになった。 ・意識向上:目土の重要性が広く認識され、芝生の維持に対する意識が高まった。 ・利用者からの評価:おしゃれで使いやすいバッグとして、メンバーから高評価を得られた。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/06/2506iijima_img2.jpg" alt="" width="788" height="591" class="aligncenter size-full wp-image-88088" /> 筆者が提唱するリコンセプトは、コース内における標識など物質的なものばかりではない。ゴルフ場の個性や思想に合わせた生き残り策には、そのコースならではのスタイルやメッセージ性、こだわりも大事な要素になってくる。それが定着・熟成していくことで、ゴルフ場の品格や居心地の良さ、独自の世界観が世代を超えて受け継がれてゆくと思うのだ。 また、酷暑下の芝生管理は激務である。プレーヤーが目土を行えば作業員の労働が軽減され、効率化でき、そのコースの雰囲気は思い遣りに満ちたものになるはずだ。それがリコンセプトの本懐でもある。 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年6月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2025年06月29日
    鹿沼グループは、令和7年度の新入社員として全国から10名(大卒6名・専門学校卒1名・高卒3名)の若手人材を迎え入れるとともに、3月より運営を開始したシェアハウス「ULMUS BASE(ウルムスベース)」に2名が入居した。 「ULMUS BASE」は鹿沼市内の古民家をリノベーションしたもの。県外や市外からの受け入れを積極的に行い、移住者を採用できるような体制を整え、入社後も安心して働けるように社内講師の新人研修やチューター制度を導入。 基本的なマナーやサービス、経営理念、労務や人事、マーケティングなど、自社で研修を実施し先輩講師より学ぶ場として開設。チューター制度では若手先輩社員がマンツーマンでサポートすることでメンタル面もフォローする。 また、リビングには大きなテーブルを設置し、入居者以外の同期も気軽に集まれる交流の場を提供。来年度以降の新入社員も入居可能で、今後は同期だけではなく、会社の仲間との交流の場につながっていくことも狙いのひとつとしている。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/06/sub2_resized_788x525.jpg" alt="" width="788" height="525" class="size-full wp-image-88507" /> 鹿沼グループシェアハウス「ULMUS BASE( ウルムス ベース)」 「ULMUS BASE」のULMUSは楡の木を表しており、鹿沼グループのビジョンである「次のゴルフ場を創り出す」を具体的に実現していく為に、様々なことへチャレンジしていく姿を表現するサブブランド。 シェアハウスが、「ULMUS(楡の木)」のように地域に根付き、そして横に広がる大きな木に育つ拠点(BASE)になるようにと、「ULMUS BASE」と名付けた。 また、鹿沼市が本年度より実施する「新卒者就業祝金事業」において、第1号申請者として同グループの新入社員が申請。この制度は、鹿沼市内の企業に就職した新卒者に対して、3万9154円(サンキューいちご市)を支給するもの。 同グループは今後も地域に根ざした企業として若者の雇用創出と、働きやすい環境づくりに積極的に取り組み、地方創生へ貢献していく。
    (公開)2025年06月26日
    平和グループで国内172コースを運営するアコーディア・ゴルフが東千葉CC(千葉)とアクアラインGC(同)で6/13より「ナイトゴルフ」の営業を開始した。 営業前に先駆け、プロトーナメントの舞台として名高い東千葉カントリークラブ(千葉県東金市)にてGEW編集部の取材班がいち早く潜入し、照明下でのプレーという非日常体験をレポートする。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/06/2_788x525.jpg" alt="" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-88418" /> プロ仕様の難関コースがナイト仕様に進化 東千葉CCの東コースといえば、かつて日本オープン、日本プロ選手権など数々のビッグトーナメントが開催された“名門コース”。そんな難関舞台が、夜になると全く異なる顔を見せる。 ティーイングエリア、フェアウェイ、グリーン、そして林に至るまで、コースに設置された約600台のLED照明器に照らされ、光と影が織りなす幻想的な世界が広がる。 特に、クラブハウス前のエントランスから1番ティーグラウンドに向かう瞬間は、まるで映画のワンシーンのようだ。カートに乗り込めば、送風機付きの「クールカート」が乗車を感知して自動で動き出した。 前後座席天井部に4台付いているので、風向きや風量を各自調整できるのもうれしい。カート道も車両前部のLEDライトが夜道を明るく照らしてくれ、視界は良好だ。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/06/3_788x525.jpg" alt="" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-88419" /> <h2>“影”との戦い</h2> コース内に照明柱を約120本設置し、1本につき平均5台のLED照明をつけているおかげか樹木やプレーヤーの影ができにくく、ティーショットでの打球の視認性も問題なし。 セカンド地点からバンカーやクリークも確認できたが、暗がりに入った際、ボールのライの状況は顔を近づけないと分かりづらい場所もあった。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/06/4_788x525.jpg" alt="" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-88420" /> <h2>グリーン周りはどこにいってもOK</h2> スコアメイクに重要なショートゲームだが、東千葉の高速グリーンは昼夜問わず妥協なしでグリーン周りは十分な光量が確保されていた。芝目や傾斜も問題なく視認でき、グリーン周りでのロストボールすることはなさそうだ。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/06/f843cb770789a4eb3706605b87e21110.jpg" alt="" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-88417" /> <h2>夏のゴルフシーンが変わるかも</h2> 「ナイトゴルフ」の魅力は、プレー体験だけではない。 杉林の隙間から差す光、カップに沈むボールの影、ナビ付きカートの誘導ランプまで、すべてが画になる。 Instagram世代にも訴求力抜群のロケーションだ。 都心から近く、ロッカーやシャワーも利用可能で帰りの渋滞もなし。何より夏の猛暑を回避しながらプレーを楽しめる「ナイトゴルフ」は夏ゴルフの定番になるかもしれない。 <h2>【営業概要】</h2> 営業開始日:2025年6月13日よりスタート 営業対象コース: 西コース OUT(18ホール・LED照明付き) 東コース IN(18ホール・LED照明付き) ナイトゴルフ・スタート時間帯 16:30~18:30 プレー料金 平日1ラウンド7990円~、土曜12990円~、日祝10990円~。 ハーフプレーは平日3990円~、土曜7990円~、日祝6990円~。 ※8月末までの利用料金 ※スタート時間や期間は変更の場合あり。特設サイトで最新確認を推奨。 <a href="https://www.accordiagolf.com/special/night_golf/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://www.accordiagolf.com/special/night_golf/</a>
    (公開)2025年06月24日
    2023年1月より、弊社が経営するザ・クラシックゴルフ俱楽部(福岡県)で大型プロジェクトが始まりました。スコットランドのゴルフコースデザイナー、ベンジャミン・ウォレンを起用し、全グリーンとバンカーを改修するのが目的です。その理由は前回詳述しましたので、今回は当プロジェクトのプロセスについて記述したいと思います。 アウトコースの改修 ザ・クラシックGCは27ホール(総面積148万m2)を有するため、2023年の改造初年度はまずアウトの9ホールを閉鎖して改修。18ホール営業となったため、来場者数は前年比20%減でした。 コース改修で最初に協議することはルーティングです。九州の穏やかな丘陵地に理想的な18ホールズを並べるにはルーティング(1番から18番までの流れ)が重要で、これがコースの良し悪しを決定します。 ゴルフ場周辺の美しい景観を見せるには、どこから打たせ、どこに旗を立てるのか。敷地内にある池や川等、天恵を存分に生かすために各ホールをどこに配置するか。ゴルフは歩きを基本とするスポーツなので、プレイヤーが心地よく18ホールを歩けるよう、ホール間のジョイントを短く、すぐに次のホールへ行けることを含めて18ホールの配列を考えます。それはまるで一つの「楽曲」を創作するようです。 優しく穏やかに一日のプレイが始められる1番ホールから、2番3番と続き、心身がフィールドに馴染む4番ホールあたりから徐々に山場を迎えて印象的なホールが現れる。そして7番8番では難易度が高くメモラビリティのある大きなホールを築き、ランチへと向かう9番ホールはペナルティ等を減らし、スコアを崩さず気持ちよくホールアウトしてもらいたい。設計者は土地のポテンシャルを見定めて、完成後にプレイするであろうゴルファーと、心の中で会話をしながら18ホールの絵を描いていきます。当倶楽部ではアウトコースで2~3ホールのルーティング変更を行いました。 ルーティングが決まれば、ホールのレイアウト設計に入ります。ここでの設計者の視線は、遠くの景観に向けられます。つまり、借景をデザインするのです。「この地域のあの山が美しいので、ここにグリーンを置く」というように考えます。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/05/2503tanimizu3.jpg" alt="" width="788" height="525" class="size-full wp-image-87761" /> 改修コースの上空より グリーンの位置が決まると、その形状や大きさを検討し、周辺のバンカーのデザインに進んでいきます。前回記述した通り、ゴルフコースの価値はコースバラエティにありますので、グリーンの仕様もホールごとに特徴を出します。当倶楽部では、最大1000m2(18番ホール)のグリーンから最小550m2(2番ホール)までの大きさのほか、大きなアンジュレーションもあればフラットに近いグリーンもあります。形状も実に様々です。 グリーン周りが決まれば、次はFWバンカーの工事に入ります。当倶楽部では2028年に「日本女子オープン」を開催するため、IP(ドライバーの落下地点)を250ydsに設定しました。その上で、遠くの山から徐々に視線をこちらに近づけていき、グリーン周辺のサイドバンカーを見て、それに調和するFWバンカーを造成します。当倶楽部から20km離れた遠方に三郡山地があり、アウト1番ホールではその借景を十分取り入れています。 本プロジェクトでは廣野や横浜、太平洋御殿場等のバンカー改造を行った米国のクイン・トンプソンを中心に全てのバンカーを改修しています。FWバンカーが決まると、ティーイングエリアの位置のデザインに入ります。日本のコースはレディースティーからバックティーまで4つのティーブロックが主流ですが、世界では3ブロックとなっています。 余談ですが、ティーイングエリアは排水対策として表面勾配をつけます。昔はパーシモンウッドを想定して、ティーイングエリア後方に向け1~1・5%の勾配でした。なぜなら、パーシモンウッドは、ティーアップしたボールをダウンブローに打ち、スピン量を増やして球を上げることが基本となるためです(現代のクラブは、アッパーブローに打っていくことが基本)。しかし近代ではクラブの変化と共にスイング理論も変わったことで、ティーイングエリア前方、つまりグリーンにむけて勾配を付けます。 当倶楽部は丘陵コースでありながら、ゴルファーに歩く楽しみを体験してもらうべく、グリーンと次のホールのティーイングエリアを可能な限り近づけました。特に1番ホールは、グリーン周りのコレクションエリアを次のホールまで刈込み、そのままティーイングエリアとすることで我々の想いを表現しています。他のホール間の移動距離も押しなべて短く、無理なく歩ける距離に設計しました。 <h2>インコースの改修</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/05/2503tanimizu2.jpg" alt="" width="788" height="525" class="size-full wp-image-87760" /> ザ・クラシックGC 17番ホール 2024年1月、インコースの改修に着工して、18ホールの楽曲も終盤に差し掛かります。当倶楽部のインコースには大きな天然の池が土地の中心にあり、その池を魅せるべく大掛かりな伐採工事を実施。池や川があれば、その外周をきれいに伐採(掃除)して、沿岸すべてを見せることはゴルフコースの演出として昔からのセオリーです。 伐採の観点で言えば、近代の設計者の多くは「空中のハザード」とされるFW真ん中の木々を決して評価しません。歴史あるスコットランドのリンクスには木々がほとんどないため、日本のコースの木の多さに違和感を覚えるようです。 インコースはトーナメントにドラマと興奮が生まれるよう、18番ホールに向けて徐々に難易度を高め、最終ホールは長めのPAR4(ストロングpar4)としました。最終ホールはクラブハウスとの位置関係も大切で、グリーンの背景にクラブハウスが見え、セカンドショットをハウスに向かって打ってゆく。このような演出に設計者はこだわります。 私は数年前、全英オープン開催コースであるスコットランドのロイヤル・トゥルーンをプレイしましたが、最終18番のグリーンからハウスまでの距離は5mほどだったと記憶しています。その他の海外メジャー開催コースの多くも同様の造りでした。スコットランドのゴルファーは、最終グリーンとハウスが近いほど〝クール〟だと言います。ホールアウトした前の組がお酒を飲みながら後続組のショットを見守る。そんな光景が目に浮かびます。ちなみに当倶楽部の最終ホールからハウスまでの距離は直線20m程であり、今回の改造で可能な限りハウスに近づけて造成しました。 松山英樹プロは今季米ツアー初戦で35アンダーの新記録をマークし、若い女子プロも世界のトップレベルで活躍しています。その姿に憧れる子供たちがクラブを手に取り、ゴルフを始めれば市場活性化につながります。同時に、日本のゴルフ場が世界標準のコースを目指せば競技レベルが高まり、回りまわってゴルフ経済に大きく貢献すると思うのです。 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年3月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2025年05月25日
    ゴルフ場のRe-Concept(リコンセプト)について、具体策を考えてみる。今回は「サイネージ」について取り上げよう。 サイネージ(Signage)は看板や標識を表す英語で、近年は工夫を凝らしたデジタルサイネージ(電子看板)が公共交通機関にもあふれている。が、大半のゴルフ場はコース内サイネージに無関心で、その理由を筆者は「付け足し文化」の悪しき定着だと見ている。美は細部に宿るというが、その細部が「付け足し」になっているのだ。 日本のゴルフコース内には、ゴルフならではの用語があふれているが、そのサイネージを注意深く眺めると1)漢字2)ひらがな3)カタカナ4)和製英語5)ゴルフ英語など、多種多様な文字が混在している。中にはオープン当初から風雨にさらされて設置してあるものや、近隣との関係から「打ち込み注意」などの注意喚起を後付けで設置したものも混在し、それらは書体や色、プロポーションなどがバラバラで何とも居心地が悪いのだ。 <h2>マスターズ会場視察</h2> 筆者は2013年4月に、マスターズの会場である米国ジョージア州のAugusta National Golf Clubを1週間、向学のため自費で訪ねたことがある。月曜日に現地に入り、日曜の最終日を見届けて翌日に帰国というスケジュール。指定練習日の2日間、大会前日に行われるパー3コンテスト、本戦4日間を見学して、合間に12番ホールに隣接するAugusta Country Clubでプレー、女子アマチュアの予選会場となるChampions Retreat Golf Clubでのラウンドも組み込んだ。 いくつかの目的で筆者が一番重視したのは「美しく見えるのは何故か?」というモヤモヤをクリアにする答え合わせにあった。期間中、1番から18番ホールまでを十数周、隅々まで歩き自分の目で確かめた。 実際に現場を眺めると、モヤモヤがクリアになってゆく。そして「美しく見える」のは〝統一感〟にあると気づいた。さらに肌感覚で確信したことは「居心地の良い空間が美しさと共に人々の心を魅了する」ということであった。会場に集うパトロンの顔を観察すると「人は居心地の良い空間にいると自然と表情が柔らかくなる」ことに気づけたのは、筆者にとって大きな財産となった。 統一感への細かい配慮はサイネージの統一だけではなく、スコアーボードやロープ、マンホールに至るまで基調色のグリーンに統一され、スポンサー名を一切出さず、TV放映用のケーブル配線を地中に埋め込み、林帯の中の整備や樹木管理など、一つひとつのディテールが緩みなく統一されていた。 <h2>世界観へのこだわり</h2> リコンセプトとは何か? それはゴルフ場がオープン当初に掲げたコンセプトに、紆余曲折した歴史が堆積して今がある。その現実を受け止めた上で「どうしたいか?」、あるいは「どうあるべきなのか?」をしっかりと検証し、進むべき方針を決めるプロセスがある。このような一連の作業全体を、リコンセプトという言葉に集約している。 筆者がリコンセプトの入り口としてこだわるポイントのひとつにコースAccessory(サイネージ)があり、これを活用してそのゴルフ場の「世界観」を統一する手法が、最もインパクトを与えられると心得ている。 ゴルフ場で何気なく違和感を覚えることのひとつに、Ladies Teeの場所移動に伴う不揃いのヤード表示板やティーマーカーも一時的に設置したと思われる体裁がほとんど。 筆者がコースAccessoryをデザインと共にプロデュースする際には、既存の付け足しのサイネージ関連を全て撤去し、そのコースに最も似合う形で統一した言葉選びや書体、色、プロポーション、規則性などを決めていく。このような提案をすると、最初はゴルフ場から抵抗を受けるときもあるが、作業完了後に来場者の印象がフィードバックされると、反対論者は賛成論者へと瞬時に変わる。作業前の反対者の論拠は「英語だと意味が通じない!別にそんなもん不要だ!」というコメントが多いが、不要なサイネージが取り払われ、さらに周辺の整備が行われると、各種Accessoryが独特の世界感を醸し出し居心地の良い空間に変貌する。 <h2>コースは物語</h2> 筆者がゴルフ場のプロデュース&コンサルティング会社を約10年前に設立したとき、真っ先に報告に訪れたのはゴルフ場設計家の故「加藤俊輔」先生である。加藤先生が手掛けたコースは、名峰・富士を雄大な借景とした太平洋クラブ御殿場コースが有名だが、それ以外にも富士や箱根などアクセントの強いビューバランスを取り込んだ伊豆ゴルフ倶楽部、思想的影響を受けたスコティッシュデザインの北海道ゴルフ倶楽部、理想的な風を求めて造り上げた瀬戸内海ゴルフクラブなど、そのどれもが設計意図の異なる特徴的なコースばかりである。 手掛けた日本のゴルフ場は70コース以上にのぼる。幸い筆者は、加藤先生と20年近いご縁を頂き、立ち上げた会社の顧問をお願いしたところ快諾してくださった。存命中に加藤先生と交わしたゴルフ談義は、実に楽しく有意義であった。 中でも「コースは18Holesの物語である」という話が、特に印象に残っている。要約すると以下の通りだ。 「良いコース条件にはいろいろあるが、1st Hole(序章)から始まり、起承転結のストーリーで展開していく。上がり3ホールの16th Holeから18th Holeは最もクライマックスに相応しいドラマチックな展開が待っている設計が望ましい」 この話を筆者は、コース設計には「物語」が不可欠である、と解釈している。コース設計家は大なり小なり、ポリシーやストーリー性をもってデザインしている。そのコースに華を添えるアイテムが不揃いの付け足しでは、折角の作品も台無しになる。画竜点睛を欠いてしまう。 そのため筆者が取り組むリコンセプトは、まず、設計家の意図を丁寧に汲み取るところから始める。アスリート系のトーナメントコースという方向性なのか、リゾートコース的な方向性なのか、そのほか様々な方向性にマッチしたテイストを最も重要視する。方向性は概ね5パターンに分類されると思う。 たかがコースAccessory、されどコースAccessory。 ゴルフ場にゴルファーが望むものはなにか! 答えは「非日常空間」への没入であり、異空間ともいえる世界観に触れたいという想いではないか。筆者はそう確信している。 そんな想いを胸に秘めて、今後もTPCオリジナルプロダクトとしてコースAccessory(サイネージ)にこだわりつづけ、各コースの世界観の演出に寄与したいと考えている。 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年4月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2025年05月19日
    建設ラッシュに沸いたバブル期のゴルフ場は、なんといっても豪華絢爛なクラブハウスが特徴だ。内装の壁材には大理石をふんだんに使い、宮殿風のスロープ階段と天井が高い吹き抜け構造。見上げれば豪華なシャンデリアが光り輝き、オーダー家具で統一された装飾は、まるで西洋のお城を思わせた。 コンペルームも大小様々だ。200名も収容できる大コンペルームから、3~5組程度でパーティや表彰式が行える部屋。高級料亭風の個室や迎賓館のような洋風個室に運転手の控室、秘書の書斎まであった。 従業員向けの社員寮や託児所を完備するところも珍しくなかった。託児所はキャディの雇用促進が目的だったが、「働き方改革」という言葉もなかったあの時代、ゴルフ場業界の従業員待遇は手厚かった。 往時のゴルフ場には、時代の最先端が取り揃えられていた。今でこそ、街中の温浴施設の洗い場は個々にパーテーションで仕切られているが、ゴルフ場の浴場は当時からそうだった。蛇口も特注品で、湯水のように金を使い細部にこだわった。 筆者が新卒で入ったSTTグループの高級コース・冨岡カントリークラブ(現PGM富岡カントリークラブ サウスコース、群馬)や、ヤシロカントリークラブ(兵庫)は、クラブハウスの建設費だけで約70億円もの巨費を投じていた。 更地に億単位のコスト 日本経済の黄金期に建設されたこれらのクラブハウスは今、維持管理費が高額なことから「負の遺産」となっているケースが多い。しかし筆者は、黄金期のレガシーとして未来に引き継ぐべきだと思っている。高額な会員権が売れた時代だからこそ、豪華なクラブハウスもソロバン勘定が合ったわけだが、今日の環境下では到底、これほどのものは造れない。 館内容積が大きいクラブハウスは電気を食う。2000年3月から2016年4月まで、電力の自由化が段階的に進み、相次ぐ第二電力への切り替えで大幅なコスト削減ができたものの、コロナ過を挟みロシア・ウクライナ戦争や中東の不安定な動きが重なりエネルギー問題は頭が痛い。多くのゴルフ場は電力料金の軽減策として、電力の形態を分割して元に戻す見直しや、場所ごとに節電ができるようにセントラル空調を廃止したり、デマンド管理やLED化への切り替えなど、経費削減のための投資を行っている。 しかし、これらの投資は客単価アップに繋がらない「修繕投資」であるため、もどかしさを感じるゴルフ場は多いはずだ。加えて、クラブハウスの耐用年数は50年ほどとされ、70年代の開場ラッシュにできたところは補修か建て直しの決断に迫られている。実は、大規模施設は更地にするにも億単位の費用がかかるため、どの道大金が必要なことに変わりはない。 そこで筆者は、急場凌ぎの復旧修繕を重ねるのではなく、クラブハウスの雰囲気やデザイン性を融合したトーンで修繕を行い、現代にマッチする機能を持たせて需要を創造する「プチリノベーション」が有効だと考えている。 繰り返すが、狂乱のバブル時代でしかできなかった「文化遺産」は、個々のゴルフ場の特徴としてビジネス的な強みを発揮できる。重荷から武器へ! 発想次第でクラブハウスは、有効なコンテンツに変身する。 <h2>クラブハウスの新しい価値</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/04/2503iijima2.jpg" alt="" width="788" height="557" class="size-full wp-image-87031" /> コンペRoom_before 筆者は、建築業界誌「商店建築」(2017年12月号)のインタビューを受けたことがある。お題は「変化するゴルフ場のニーズ いまクラブハウスに求められるコンテンツとは?」であった。見開き2頁で掲載された筆者のコメントは、贅を尽くしたコンペルームの惨状を憂うもので、今や物置部屋となってホコリ臭く、不要な備品が放置されている。ツワモノどもが夢のあと……。その惨状を救う策として、以下のコンペルームの活用術を取材で話した。 1)エアポートラウンジのようにWi‐Fi無線LANや電源を自由に使え、仕事や読書ができるスペースとして活用する。 2)雨天でもTee Off前に打感を確かめる練習ができるよう「インドアのシミュレーター(スクリーンゴルフ設備)ルーム」として活用する。 3)ウォーミングアップやクールダウンの場所として、ストレッチスペースにジム機材などを設置する。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/04/2503iijima3.jpg" alt="" width="788" height="557" class="size-full wp-image-87032" /> コンペRoom_after ほかにも沢山の活用術があるはずだ。オーソドックスなところで言えば「会員専用」の差別化されたラグジュアリーなラウンジ(コンシェルジュ付)や、多目的なレンタルスペース(時間貸し・シェアリング)も需要があるかもしれない。 いずれにせよ、コロナ禍でゴルフ界に特需が生まれ、リモートワークの普及からクラブハウス内にワーキングスペースを設けるゴルフ場も現れた。コロナ前からこのような環境整備の必要性を主張してきた筆者にすれば、コロナの有無に関わらず必然性を伴う発想だと手応えを感じている。それだけに、コロナ特需の一過性で終わらせず、定着させる努力が不可欠だ。 周知のことではあるが、来場者のゴルフ場での「行動」を時系列で並べてみよう。 1)ゴルフ場へ到着 2)ロッカーで着替える 3)練習場でウォーミングアップ 4)前半9ホールをラウンド 5)昼食と共にビールで喉を潤す 6)後半の9ホールをラウンド 7)カラスの行水が如く入浴 8)着替えて渋滞を気にしながら逃げるように帰路へ 1)→8)の流れを見ると、クラブハウスで〝くつろぐ〟場面がないことに気づかされる。 <h2>多様性を軸に考える</h2> クラブハウスは本来、メンバー同士の交流を深めたり、いわゆる「19番ホール」として、仲間と酒を酌み交わし、ゴルフ談義に華を咲かせる場所であった。むろん、飲酒運転に鈍感だったバブル時代と、幾多の悲劇を経て飲酒運転厳禁に至った現代を、同列に論じることはできないだろう。 だが、現代のゴルファーはあまりにも慌ただしく、①→⑧をこなすのみ。ゴルフ場のコースレイアウトには興味があっても、クラブハウスは成金趣味の残滓として嘲笑されているのが現状だ。しかし、そうではない。クラブハウス内のコンテンツを充実し、仕掛ければ、多様な魅力を創出できるはず。 例えば、各種スポーツ観戦をパブリックビューイングでメンバーや家族、ゲストを招いて盛り上がる。一人でふらっと訪れて、午前中はリモート会議や溜まった書類をPCで処理し、食後はドライビングレンジで爽快感を味わいながら練習する。気分が乗れば3ホールから9ホールをサクッとまわる。 クラブハウスに仕事やアクティビティの要素を入れればゴルフ場で過ごす時間が多様性を帯びる。多様性を「軸」に考えれば、クラブハウスも大事な武器になってくるのだ。 メンバーが自由な使い方を楽しみ、メンバーベネフィットが高まれば、価値が希薄な「メンバー制ゴルフ場」の意義を、再構できると筆者は考えている。 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年3月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2025年05月05日
    本稿では、弊社ザ・クラシックゴルフ倶楽部(福岡県)が2028年の「日本女子オープン」開催に向けてコースを強化すべく、2年間に及ぶコース改修プロジェクトを実施した裏側をご紹介します。 ザ・クラシックGCは過去、国内メジャー大会を3回開催しています。直近は2020年の日本女子オープンで、九州での同大会開催は32年ぶりのこと。コロナ禍で一般非公開となり、静寂に包まれたコースで大輪の花を咲かせたのはメジャー初優勝となった原英莉花選手でした。  大会終了後、弊社は主催団体の日本ゴルフ協会に、再度大会誘致をしたい旨を伝え、ありがたいことに了承して頂きました。今度は一般公開をして、ギャラリーの歓声に包まれる大会にしたいと念願しています。 前回のこの連載に書きましたが、弊社のメジャー大会誘致はロマンやビジョンという精神論のみならず、経営戦略上の意味合いも大きいと言えます。少子高齢化が進む日本の人口構造を考えれば、特に地方都市のゴルファー減少は自明の理で、福岡も例外ではありません。この状況から脱するには、関東や関西など大商圏のゴルファーを福岡に誘引して、商圏拡大を図る必要がある。メジャー大会の開催は、ザ・クラシックGCの知名度を全国区にするための施策なのです。 選手が口を揃えた20アンダー <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/04/2501tanimizu2.jpg" alt="" width="788" height="591" class="size-full wp-image-87191" /> ザ・クラシックGC No,7 レダンホール 前回開催した2020年の大会で忘れられない光景があります。 トーナメントウイークに入り、注目選手たちが記者のインタビューに応えていました。記者から「優勝スコアはいくつになりそう?」と質問された際、多くの選手が「20アンダー」と口を揃え、当コースの印象についても「日本女子オープンっぽくない」「練習ラウンドをしましたがよく覚えていません」など、我々にすれば、忸怩たる思いを禁じえない言葉が並んだのです。 国を代表するナショナルオープンは、最高難易度のゴルフ場で行うという印象が強いだけに、優勝予想が「20アンダー」とは・・・。原選手の優勝スコアは、予想に4打足りず16アンダーでしたが、ビッグスコアに変わりはありません。 そこで大会終了後の月曜日、我々はコースレイアウトの改善を決意したのです。数か月後、親交のあったスコットランド人のベンジャミン・ウォレンにコース改修の設計を依頼します。マスタープランの策定期間を経て、2023年1月より2年間にわたる大改修に着手。初年度はアウト9ホール、次年度はイン9ホールを改修しました。 若手設計家のベンジャミン・ウォレンとの出会いは、R&Aメンバーの紹介がきっかけでした。彼はスコットランドでも特に美しい港町、ノースベリックに生まれ育った生粋のリンクスゴルファーです。改修に入る前年、私は彼と一緒にロイヤルトゥルーン、ノースベリック・ウエストリンクス、ミュアフィールドやプレストウィックあたりを視察して、多くのことを学びました。 <h2>ゴルフ場のレイアウト評価</h2> ゴルフコースの評価は、3つの概念が重視されると言われます。 <strong>ショットバリュー</strong> ゴルフゲームの基本であるリスク&リワードの思想が反映され、リスク覚悟のショットに成功すると、次のショットで恩恵を受けられる <strong>デザインバラエティ</strong> 距離や形状、ハザードの位置などが変化に富み、多様な戦略が備わっている <strong>メモラビリティ</strong> ホールごとに見た目の個性があり、周辺の景色とコースが一体化してゴルファーの記憶に残る この3つを満たすため、本改修では全てのグリーンとバンカーを取り壊して1から造り直しました。ランドスケープを整えるためのコース外周の木々の伐採は、今も継続中。張芝の延べ面積は約15万m3に及び、芝生の仕入から張芝、養生までの大部分を自社で行ないました。二度とないであろう大規模改修は、終わりの見えない作業で途方に暮れ、コース管理スタッフと共に地を這って張芝に従事したことは貴重な経験です。 多額なコストも掛かりました。国内における改修事業の相場は、バンカーで3億〜4億円、バンカー及びグリーンで6億〜8億円と言われます。海辺に近い砂ベースのコースの造成は、排水管を入れなくて済むので安く仕上がりますが、著名設計家への依頼は設計料だけで1億円近く、さらに彼らは海外からシェイパーチームを連れてくるため旅費や欧米基準の日当でコストは跳ね上がります。弊社のプロジェクトに集まったシェイパーは5名で、一人当たり日当は650ドル(9万7500円程度)。日本人のフリーシェイパーの3倍です。優れた才能には高い報酬を惜しまないという、日欧の文化の違いも実感しました。 <h2>一生涯ゴルフを楽しむ</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/04/2501tanimizu1.jpg" alt="" width="788" height="525" class="size-full wp-image-87190" /> ベンジャミン・ウォレンとその仲間たち 改修にはクラシック理論を取り入れました。この理論は、ゴルフコース設計の原点とも言える戦略性に優れた8つのレイアウトを指します。ノースベリック・ウエストリンクス15番par3の『レダンホール』、セントアンドリュースオールドコース17番par4の『ロードホール』が代表的。スコットランドで学んだ設計家たち(C・B・マクドナルド他)が米国に向かい、世界トップ100に入るコースを沢山造りましたが、彼らはこのクラシック理論を基盤としながら戦略性のある美しいコースを後世に残しています。 ザ・クラシックGCのアウト7番のpar3は『レダンホール』を採用し、会員から評価を得ています。この『レダン』は、グリーン周りがバンカーで囲まれ、ティーイングエリアに対してグリーンが斜め45度を向いている。グリーン右サイドは右から左に大きく傾斜し、左サイドは手前から奥に傾斜しています。 これらの改修で次回の日本女子オープンに臨み、大商圏からの誘客を目指しますが、別の視点では、弊社が考えるゴルフの理想を追求することも大きなテーマ。それは、一度ゴルフを始めた人を、死ぬまでゴルフに夢中にさせることです。 最近、米国の知人に、アメリカ人ゴルファーの関心事を尋ねたら、こんな答えが返ってきました。 「ポッドキャストでゴルフコース設計者の話を聞く人が増えている」 ポッドキャストはインターネットラジオです。米国の熱心なゴルファーはクラブセッティングやアマ競技を一通り楽しんだ後、コースレイアウトの歴史や設計家についての研究を始めており、ポッドキャストで情報を得ているそうです。 ゴルフ場開発が止まった日本では、上田治氏や井上誠一氏に続く次世代設計家の輩出が目立ちませんが、世界ではギル・ハンスやトム・ドーク、カイ・ゴルビーなどの気鋭設計家が活躍中。彼らについて学ぶことは、ゴルフ人生を文化的で豊かなものにし、成熟したゴルファーを生涯夢中にさせることができる。私はそのように考えているのです。 ザ・クラシックGCのバンカーを担当したクイン・トンプソンのポッドキャストはこちらから。 <a href="https://podcasts.apple.com/jp/podcast/the-tie/id1583596139?i=1000551517712" rel="noopener noreferrer" target="_blank">Quinn Thompson-Designer and Craftsman of Bunkers</a> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/04/2501tanimizu3.jpg" alt="" width="788" height="300" class="size-full wp-image-87192" /> ザ・クラシックGCのバンカーを担当したクイン・トンプソンのポッドキャスト特集 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年1月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2025年04月20日
    前回まで、ゴルフ場の隆盛と凋落の推移を見てきたが、本稿では、なぜリコンセプト(Re-concept)が大事なのか、その前提となる筆者の考えを述べる。 日本最古のゴルフ場、神戸ゴルフ倶楽部(一般社団法人)が六甲山頂に開場したのは1903年。最初の4ホールが開場した1901年を日本の「ゴルフ元年」とする説もあるが、英国人貿易商アーサー・グルームが故郷を想い、山頂に開いた。 以後、多くのゴルフ場が誕生し、近年は開場百年を迎える老舗コースが現れている。そして70~80年代の開発ブームに乗ったゴルフ場群は、歴史ある名門クラブを絶えず真似て、続々と誕生した。その弊害を、筆者は強く感じている。 古い社団法人のクラブ(一部、任意団体及び株主会員制の営利目的外クラブを含む)と、日本で約90%を占める営利目的の株式会社による預託金制クラブでは、理事会や各文化委員会の在り方が同じである必要はない。なぜなら、社団法人のクラブは営利目的ではないからだ。 ちなみに、いわゆる名門と言われる代表例に「関東七倶楽部」や「九大ゴルフ倶楽部」(重複コースあり)があり、これら歴史あるクラブの目的は、持続可能な運営のもとで会員同士が楽しむクラブライフを重要視するソサエティだ。 <h2>【関東七倶楽部】(社団法人、株主会員制)</h2> 小金井カントリー倶楽部(東京)、相模カンツリー倶楽部(神奈川)、程ヶ谷カントリー倶楽部(神奈川)、霞ヶ関カンツリー倶楽部(埼玉)、東京ゴルフ倶楽部(埼玉)、我孫子ゴルフ倶楽部(千葉)、鷹之台カンツリー倶楽部(千葉) <h2>【九大ゴルフ倶楽部】(社団法人、株主会員制、任意団体)</h2> 相模カンツリー倶楽部(神奈川)、程ヶ谷カントリー倶楽部(神奈川)、霞ヶ関カンツリー倶楽部(埼玉)、東京ゴルフ倶楽部(埼玉)、軽井沢ゴルフ倶楽部(長野)、神戸ゴルフ倶楽部(兵庫)、廣野ゴルフ倶楽部(兵庫)、鳴尾ゴルフ倶楽部(兵庫)、茨木カンツリー倶楽部(大阪) 同好の士が出資して運営する倶楽部は、性格上、排他性を伴う。その一方で接待需要が普及し、会員同士でクラブライフを楽しむ目的ではなく、Guest=接待先や、ゴルフ仲間を連れて楽しむスタイルとなったのだが、にも関わらず、多くは名門と呼ばれる社団法人系のクラブ運営を真似てきた。そこに、ボタンの掛け違いがある。 たとえば後発組のゴルフ場は、自ゴルフ場の物差しを決める際に「名門の〇〇倶楽部がそうしているから」とエクスキューズできるよう、模倣的に会則・細則・利用約款などを決めてきた歴史がある。水戸黄門の葵の御紋と同じで、名門の権威に盲従する情けない姿だ。 このような歴史が根深く残る盲従体質を改善するには、リコンセプトが唯一無二の方法だと筆者は考えている。 <h2>「預託金」の負い目</h2> 「なぜこうなっているのか?」について、本来は一つひとつ意味があって然るべきだが、先達からのバトンを受け継いできたゴルフ場の社員たちは、それが自社のコンセプトに合っているか否かが判断できず、問題意識なく過ごしていることが多い。日々の業務に追われる中で思考停止状態に陥っている。 筆者がゴルフ場をコンサルする際、現場からは「前任者がこのやり方だったから」「メンバーさんから言われたから」というフレーズをよく耳にする。逆に「当クラブのポリシーはこうだから、こうしたい!」との主張を聞くことは少ない。 なぜか? 多くのゴルフ場は預託金返還請求に困窮し、再生手続きなどを経て預託金債権を棒引きにしてもらった負い目があるから、と筆者は見る。バブル絶頂期の強気が一転、弱腰になり、主体性を失った印象が否めないのだ。 <h2>具体的な例をあげよう。</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/04/2502iijima2.jpg" alt="" width="788" height="591" class="aligncenter size-full wp-image-87026" /> ゴルフ場の玄関先に、不似合いな装飾の置き物等をよく目にする。これらはステークホルダーなどからの寄贈品が多く、忖度して目立つところに置いている。ゴルフ場に支払う料金の中には「居心地の良い空間の利用料」も含まれる、と考えれば、その空間に不似合いな物は来場者に違和感を与える。サービスを提供するエリア用か、バックヤードに設置すべき物なのかの判断基準が歪んでおり、忖度優先の一例と言える。 また、ラウンジの雰囲気をぶち壊しにする「SALE」の張り紙や、業者から持ち込まれた不揃いの什器による景観の乱れもこれに該当する。 ホールインワン植樹も例外ではない。そもそもコースと樹木は密接な関係にあり、コース築造の際にはコースレイアウトのデザインと同時に植栽計画が織り込まれているため、ティーイングエリア付近に乱雑に植えるものではない。脈略なく植栽した樹木は、根が芝生の中に入り込み、水分を吸収し、芝生の生育を妨げたり、グラウンド上の不陸(地面の凸凹)が生じたりと様々な弊害を生む。そんな光景をしばしば目にする。 記念植樹の代わりに、クラブハウスにホールインワンのプレートボードを設置して敬意を払う。あるいは達成者が記念品の寄贈を申し出たら、ゴルフ場が木製の3人掛けベンチを用意して、寄贈プレートを背面に設置する。これはスコットランドの風習で、筆者のお勧めだ。 <h2>客観的な実態把握</h2> リコンセプトの第一歩は、実態把握を徹底的に行うことから始まる。この実態把握は、あくまで〝客観的〟に行うことが重要だが、当然、このプロセスには外部の力を借りることをお勧めする。内部でやろうとすると現体制への批判と取られかねず、忖度した結論が生まれやすいからだ。 筆者がレポートをまとめる際には、その会社の強みや弱みなどを洗い出すSWAT分析から始める。そして、そこからリコンセプトとして目指すゴルフ場(なりたいゴルフ場)=新たなコンセプトを提案する。 リコンセプトの着眼点は、己を知り、己のポテンシャルをどこまで追求できるか、が重要。「己」は、自社のゴルフ場であり、その着眼点から見える光景よりも、アップサイドの提言、すなわちやるべき事項が浮き彫りとなってくる。また、リコンセプトが網羅すべき範囲は、全てに及ぶ。全ての細部において「当ゴルフ場はこのようなクラブにするべく運営しております!」という強いメッセージを発信できれば「Re-concept」は全ての指針となるはずだ。 基準が明確になれば「これはOK」「これはNG」という判断基準が理路整然と共有され、ひとつの法則が見えてくる。 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年2月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2025年04月13日
    前回はゴルフ場の開場ラッシュについて、「預託金」制度に焦点を当てて説明したが、今回はゴルフ場ビジネスが瓦解した過程を深掘りして考えよう。 言うまでもなく、1991年2月のバブル経済崩壊が発火点となった。急激な地価の高騰を冷やすために、政府は1990年、「総量規制」(不動産融資の伸び率を金融機関の総貸出の伸び率以下に抑える指導)に踏み切ったが、これがハードランディングの原因となる。「バブル三悪」と呼ばれた土地・株・ゴルフ会員権が一気に暴落してバブル崩壊につながった。 これにより、ゴルフ本来の目的(ゴルフコミュニティを通してクラブライフを楽しむ)ではなく、投機目的で会員権を購入した人々は大いに慌て、資産を失う危機感に支配された。 預託金に運用金利はつかないが、「元本は保証される」というゴルフ場との共通認識があっただけに、これを主張して返還請求に走る取り付け騒ぎが全国で起きたのだ。 会員には中小企業の経営者も多く、バブル経済の崩壊で会社の経営も危うくなった。返還された預託金を事業資金に充てる目論見もあったろう。その意味で返還請求は、皆、死に物狂いの形相だったのだ。 返還を求められたゴルフ場側は蒼白となる。会員権価格は将来にわたり上がり続けるという根拠なき「神話」を前提としたビジネスモデルは、弁済をまったく想定していない。本来、ゴルフ場の手元にあるはずの預託金は、すでに土地・建物等のゴルフ場資産に形を変えている。唯一の手段は、これらを処分して返還することだが、安値で処分しても預託金の額には到底及ばない。バブル経済の崩壊はゴルフ場の会員権制度にとって、まさに青天の霹靂であった。 ゴルフ場破綻と再生手続き 1991年、破産手続きの和議法に代わり「民事再生法」が施行された。この法律を簡単に言えば、再建計画(再生計画)の可決要件のもとで行う再建型倒産法の制度、となる。 裁判所から選任された監督委員のもと、再生計画案の策定並びに再生計画案の確定後に再生計画を遂行(リストラクチャリング)するという建付けで、この「新法」ができた背景には預託金の取り付け騒ぎが社会問題化したこともあった。民事再生法の申請を通し、預託金弁済を「帳消し」にして、身軽になって再生しようというものだ。 全国の破産コースでは債権者集会が連日開かれ、経営者は容赦ない罵声を浴びつづけた。結果、会員権として購入した権利の裏付け(預託)である保証金は90%以上カット(放棄)され、プレーの「利用権」のみ保護されることになった。 ゴルフライフは続けられますと、一見、綺麗事に聞こえるかもしれないが、要はゴルフ場が無くなるか、それとも債権棒引きでゴルフ場を残して利用権の保護を選ぶのか? 二者択一を迫られた多くの会員は、泣く泣く後者を選ぶしかなかった。 民事再生の適用で、潰れるはずのゴルフ場が命脈を保った。だが、その後もゴルフ場は静かに減り続けており、2002年のピークから約20年間で、約300のゴルフ場が姿を消している。そしてこれは、バブル崩壊という外的要因とは別に、ゴルフ場業界が抱える内的要因が影響していると筆者は考える。そこで、ゴルフ場が苦戦している理由を10項目にまとめてみた。 <h2>ゴルフ場が減った10の理由</h2> 1)民事再生法の初期段階では債権カット率が低く、二次破綻となって会員離れが起きた。 2)殆どのゴルフ場が会員の同伴や紹介なしに予約が取れる。 3)かつての開発ラッシュで地方にも多くのゴルフ場ができたが、現在は遠方に行かなくても近場のゴルフ場で手軽にプレーでき、特に関東商圏に需要が集中している。 4)メンバーとゲストとの料金格差が無くなっている。 5)預託金の殆どがカットされているので、会員権としての価値がないにも関わらず、年会費を払う義務とのバランスを欠いた歪な構造となっている。 6)接待ゴルフが極端に減少し、一部では復活しているが、接待需要は近場に限られている。 7)ゴルフ場施設の老朽化及びコース荒廃による客足の減少のスパイラルに陥っている。 8)ハゲタカファンドのゴルフ場再生には功罪あるが、プレー料金の破壊で低価格競争(大衆化)が起こり、特に地方では大打撃を受けている。 9)メンバーの高齢化と自動車離れ(免許返納等)で休会会員が増えた結果、年会費の減少による経営悪化が起きている。 10)築30~40年経過した施設(特にバックヤード設備:ボイラー、空調、水廻り、散水設備等)が想像以上に老朽化し、その修復資金が捻出できない。 以上の10項目に集約できるだろう。預託金返還の嵐は過ぎ去ったが、それでコトは治まらなかった。ゴルフ場は徐々に存続意義を失ってしまい、会員の猛反発を受けることもなく、自然死のように廃業している。 むろん、2003年3月の電力自由化で、太陽光パネル事業者が激増し、その矛先がゴルフ場に向いたことや、自然災害の影響も大きいが、ゴルフ場業界の「内的要因」も見逃せない。 この窮地を脱するにはコンセプトの練り直しが必須だと筆者は考える。かつての接待需要を意識した金太郎飴的な経営ではなく、個性を活かした多様な経営にシフトすることだ。名門の真似をしたドレスコードの押し付けをやめ、自社に合った顧客ニーズを丁寧に汲み取り、地方のゴルフ場なら地元密着を打ち出すなど「リコンセプト」の方法は沢山ある。 そこで次回以降、筆者が手掛けたリコンセプトの事例を紹介しよう。 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年1月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2025年03月11日
    鹿沼グループは、鹿沼カントリー倶楽部のランチメニューで一番人気の「鹿沼カルビラーメン」が、2024年12月に「かぬまブランド」厳選!鹿沼の逸品部門に認定されたことを発表した。 約50年前から販売している人気メニューで、オリジナルスープは唐辛子やココチジャンなどの香辛料をブレンドし、こだわりの製法で作った辛味噌を使用。ゴロっと大きな特製牛カルビはしっとりと柔らかく、口に入れた瞬間とろけるような感触。さらにかぬまブランド認定「かぬまにら合同会社」の鹿沼産にらを大量に使用。ピリっとした辛味に味噌のコク、牛肉と野菜のエキスが麺に絡み、クセになる美味しさだ。 現在は鹿沼グループの3つのゴルフ場(鹿沼カントリー倶楽部・鹿沼72カントリークラブ・栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部)のレストランで提供。ゴルフ場売店やECサイトでも販売している。価格は麺・野菜具材・顆粒スープ・辛みそ・牛カルビ入り、2食で2200円。3月にはリブランディングを予定している。 鹿沼カントリー倶楽部オンラインショップ  <a href="https://kcc45.official.ec/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://kcc45.official.ec/</a>
    (公開)2025年03月04日
    前回は、バブル時代にゴルフ場の開発ラッシュが起きた背景を説明した。バブル崩壊から30年以上経った今、日本のゴルフ場はピークから約300コース消えてしまい、2100コース台に減少している。なぜ、そのような事態に陥ったのかを2回に分けて考察しよう。 表層的には、バブル経済の崩壊が引き金をひいた。これにより「預託金」の償還に耐えられず、次々と白旗を挙げ、法的整理に陥ったゴルフ場を外資系ファンドが傘下に収めた。そのことは誰でも知っているが、ゴルフビジネスに携わる者としては、より深く当時の経緯を知っておく必要があるだろう。 まず、ゴルフ場が減った理由を理解するには、会員権制度の仕組みを知る必要があると筆者は考える。そこで、日本で主流となった「預託金制会員権」について説明しよう。 そもそもゴルフ倶楽部は同好の士が集まる「仲良しクラブ」であり、営利目的ではないという性格をもっていた。そのため草創期は「社団法人」または「任意団体」として次々と誕生した経緯がある。 社団法人制は、ゴルフ倶楽部が社会的にみても法的にみても、一個の独立した団体として組織化されなければならなかった。その法形成に添う形として社団制を採用したのだが、1966年(昭和41)以降、ゴルフ場会社は社団法人として認可されなくなった。 その理由は、本来、民法上の社団法人は公益性と非営利性が設立許可の条件であり、主務官庁である文部省(現・文部科学省)は、一部の会員だけがゴルフを通じて親睦を楽しむことを目的とするゴルフ倶楽部の公益性に疑問を抱いたからである。以後、新しく開業するゴルフ場は「株主会員制」に移行するケースとなり、一方でその手続きよりも簡素でゴルフ場側の裁量権の強い「預託金制」会員権が主流となって今日に至る。 そのためゴルフ会員権を購入するときは「入会金」とは別に、ゴルフ場会社に期限付きで預ける「預託金」を合わせて払うことになった。この預かり金を開発コストに充てる形で、ゴルフ場会社は次々とゴルフ場を造っていったわけだ。 もう少し細部に踏み込もう。会員権を発行するゴルフ場側の事情についてである。 <h2>完成までの筋書き</h2> ゴルフ場開発は、ゴルフ場になりそうな場所(田んぼ・畑・山林等)を探して事前立地承認許可を取り付ける。その上で国土法(当時の申請手続き)に則り土地を取りまとめ、森林法など段階に応じた個別法をクリアしていく。最終的に大規模開発の許可を取得してゴルフ場を造成するが、長ければ7~8年を要するケースもあった。複数の地権者が絡む場合、それぞれ複雑な思惑が介在する。農業を続けたい家と断念する家。あるいは隣家の土地よりも高く買ってもらいたいなど、人間の欲も当然ある。それらを取りまとめる作業にも時間が費やされる。 土地がまとまり許可が下りると、田んぼや畑などの土地が初めて価値を生み、ゴルフ場としての評価を得る。ところが途中で頓挫すると、集めた土地は田んぼや畑などのほかに転用できず(開発行為が認められない)虫食いの土地を得ただけで終わってしまう。そんな土地に価値があるはずもなく、ゴルフ場会社が考えたくもない最悪のシナリオになるわけだ。 このようなリスクが付きまとう用地買収(地上げ)の資金を銀行が貸してくれるはずはない。したがって、ゴルフ場開発には①自己資金、②不動産等を担保にする、③ゼネコンからの債務保証で〝ノンバンク〟などからの資金調達……。以上を併用するなどして、用地買収を進めるのが一般的だ。 晴れて大規模開発の許可が下り、ゴルフ場ができる段階で、初めて銀行からの融資が受けられる。銀行によるノンバンク資金の肩代わりで、この「肩代わり資金」を会員募集によって集めた預託金で弁済する。これが一連の筋書きである。 まとめると、ゴルフ場の開発資金は、最初は手ガネとノンバンクからの融資で調達し、その後銀行からの資金に入れ替えて、最後に預託金で銀行からの借り入れを弁済する。このプロセスからわかるように、土地・建物を含むゴルフ場開発資金は最終的に、全て会員からの預託金で賄う形となるわけだ。 <h2>会員権神話</h2> 日本経済は1986年からバブルに沸き返り、それと同一歩調で第三次ゴルフブームが起きた。ちなみに第一次ゴルフブームは1957年、「カナダカップ」(現ワールドカップ、於・霞ヶ関CC)で中村寅吉・小野光一組が優勝したことに始まっている。第二次ブームはその9年後。ジャック・ニクラウス、アーノルド・パーマー、ゲーリー・プレーヤーのビッグ3が来日した1966年以後である。日本では「和製ビッグ3」と呼ばれた杉本英世、河野高明、安田春雄が人気を博した。 1980年代の第三次ブームはA・O・N(青木功、尾崎将司、中嶋常幸)が、それぞれ違う個性と強さで注目を浴びた。前回触れたプラザ合意による急激な円高とバブル経済の台頭で、企業の接待交際費が潤沢となりゴルフ市場が潤った。 この時期、ゴルフの熱気と土地神話、さらに狭い日本の国土におけるゴルフ場の希少性から「会員権神話」が生まれた。ゴルフ会員権の価値は上がる一方で、絶対に下がらない!という神話である。 この神話にゴルフ場開発会社も麻痺していき、極端な施策としては、預託金に据え置き期間を設けず、会員の退会と引き換えに返還することを会則に定めるところも増えていった。本来預託金は、償還時期を迎えるまでゴルフ場会社の手元に置いておくはずの資金だが、預託金を返して欲しいのであれば、 「どうぞ退会してください。いつでもお返しいたします!」 と、一転して強気の態度に変わったのだ。なぜなら、退会した会員の数だけ「枠」が空けば、それを高値に付け替えて、新たに募集できるからだ。横暴な根拠、すなわち会員権神話に基づく預託金の返還だった。 が、間もなくシッペ返しが襲ってくる。バブル崩壊で押し寄せたのは、ゴルフ場の経営難を懸念する会員から起こされた預託金返還請求の嵐であった。 「いつでも返します」の強気が一転、日本中のゴルフ場が預託金返還の波に呑まれ、ゴルフ場業界の崩壊を招く。好況時には誰も想像できなかった……。 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年12月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2025年01月21日
    ゴルフの技術やスコアの良し悪しは評価に直結するものではありません。当たり前の話ですが、まず『人として』どうなのか、なのです。マウント取ったり、ニギりの無理強いをしてはいけません。ゴルフが上手くてもなんにも偉くありません。ゴルファーにとっての最高の賛辞は「また行きましょう」と言われること。そのために避けるべきは『へぼ』じゃなく『やぼ』。ゆめゆめ油断なさらぬよう。 【楽しくなけりゃ遊びじゃない】 難しいことで有名なコースで開催されたコンペ。そこは距離も長い。うーん、難しいのと長いのと、どっちかにしてもらわないと、飛ばない女子には辛いのよ。なぜならパーオンしない限りバーディーチャンスにはつかないから。つまり、ミスは加算される一方でスコアを減らせるチャンスが訪れないってこと。さらにグリーンまわりが難しいときた日には寄せワンの望みも薄く、万事休す。 それなのにスタート前に飛ばし屋の幹事が「男性はブルー、女性はゴールドティーから」とのたまった。いくら後から「まあ赤でもいいですけどね」と言われても最初に指定されたら自分から「じゃあ赤で」とは言いづらい。老若男女いろんな人が参加するコンペは競技ではない。遊びです。ずっと真剣モードでは親睦を深める余地もない。そんなの意味ある?これね、女性だけの問題じゃないんです。シニアの男性だって中級者の男性だって辛い。飛ばないハンデがどれほどのものか、飛ばし屋の幹事はもっと想像力を働かせなきゃダメです。 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年1月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2025年01月14日
    前回は、私がゴルフ界を歩んできた道程と、千代田カントリークラブ(茨城)の「リコンセプト」について簡単に触れた。本稿はその続き。 1982年、財界の6大グループ(前号参照)が会員となって、「選ばれし者」のみが集う高級ゴルフ場の千代田CCが開場した。千代田CCの会員権は当初、県内の平均的な価格(300万円)で発売されたが、高級ゴルフ場にリコンセプトするには会員を少数に抑える必要があった。そこで、すでに会員権を買っていた人に全額返還し、少数会員制として新価格を発表した。初回の募集は2500万円からであった。 この価格は、用地買収に関わる金利込みの費用と、造成・建築費などの総額を法人会員の総数550社で割ったもので、リコンセプト前の価格の8倍強に高騰している。 なぜ、このようなことが成功に結びついたのか? 事情を理解するためには、時代背景を見る必要があるだろう。 当時、プラザ合意(1985年)があった。ニューヨークのプラザホテルで行われた先進5か国蔵相会議で、ドル高を是正し、米国の貿易赤字を軽減するのが目的だった。これにより1㌦235円が、翌年には150円台まで円の価値が急騰する。同時に金融緩和や、行き場を失った資金が土地や株式投資、会員権市場に流れ込む。千代田CCの新価格による会員募集は当初苦戦したものの、6大系列企業の入会が進むにつれて勢いを増し、高級路線は成功した。 その後、当時筆者が勤めていたSTTは、前回触れた旧・梓カントリークラブ(現・プレステージカントリークラブ)を189億円で落札(1986年)するという、今思えばとんでもない落札劇を演じたわけだが、その伏線には千代田CCの成功があったと言える。 旧・梓CCの落札額を「189億円」に決めた根拠はこうだ。まず、千代田CC(18ホール、16万坪)の用地買収に約10年の歳月を費やした。その結果坪当たりの買取額は約3万円となり、この3万円を旧・梓CC(36ホール、60万坪)にもそのまま当てはめた。「60万坪×3万円=180億円」。これに、絶対に落札できるプラス9億円を乗せて189億円。そのような理屈だったと聞いている。 その後、許認可を取得し、さらに造成・建築費が掛かる。それだけの大金を投じても、千代田CCの成功例から「必ず売れる」と経営陣は踏んだのだろう。事実、旧・梓CC改め「プレステージCC」の会員権は、順調に売れた。 千代田CCとプレステージCCの成功は、社会的にも大きな注目を集めた。ゴルフ場を媒介にして、会員権という「紙切れ」を刷れば、未完成のゴルフ場でも青田売りでき、莫大な投下資金を短期で回収できる。デベロッパーが大挙してゴルフ場開発に乗り出し、日本全国で造成ラッシュの夜明けを迎えた。 高額会員権購入のカラクリ <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/01/2411iijima2.jpg" alt="" width="1000" height="665" class="size-full wp-image-84659" /> 千代田CC ゴルフ場開発ラッシュの背景には、金融機関の存在が大きかった。プラザ合意後、日本の金融機関は貸付先の獲得に苦慮していたが、そこに会員権の販売と、その購入資金を一体化して融資する手法が編み出されて野火のように燃え広がった。 日本の狭い国土を考えればゴルフ場の数には限界があり、希少性の高いゴルフ会員権は株よりも確実に儲けられる投資対象と考えられた。80年代半ばからバブルへと向かう道程で、人々は争うようにゴルフ会員権を購入したのだ。 そのカラクリはこうだった。 まず、銀行とゴルフ場開発会社が提携ローンを締結する。その上で銀行は、会員権購入者を顧客から探し出し、金を貸して購入させる。借金の担保は、購入する会員権の「預託金」に質権を設定する。つまり、銀行は会員権を担保に金を貸し、その会員権は株式同様値上がりするから、銀行としてはノーリスクで新規融資先を獲得できる。まさに夢のような連鎖だった。 一方で、借入をして会員権を買う者にもメリットがあった。少ない入会金を自己資金(取得会員権の20%前後)で用意できれば、残りの資金は実質無担保(持ち込み担保)で融資を受けられるため、中には2口申し込み、会員権の値上がりを見計らって1口を売却。その売却益で2口分の借金を完済できた。 <h2>1口はタダで手元に残った! </h2> 濡れ手に泡、とはこのことである。ゴルフ場会社、金融機関、購入者の三者が潤う「三方良し」の構造だ。 銀行が、簡単に会員権の購入資金を貸してくれる。むしろ、貸し付けるネタとしてゴルフ場は便利な存在だったから、2000万円、3000万円、4000万円、5000万円…と、会員権価格は高騰した。ゴルフ場開発会社はその金額に見合う設備の豪華さを競い合った。 <h2>豪華絢爛なクラブハウス</h2> 一番わかりやすいのはクラブハウスである。「バブル仕様」のクラブハウスは大きな空間に豪華なシャンデリアなど、今となれば空調費やクリーニングコストも大変だが、当時はお構いなしにひたすら豪奢を競っていた。第二はメンバーの数を少なくすること。第三は接待用に向いた交通至便なロケーションの確保。以上がバブルコースの3要件だった。 プレー料金は接待交際費で落とせるため、高額会員権のバブルコースは「接待用」として、企業が購入する法人会員権も多かった。社用ゴルフの全盛期は、プレーも食事もお土産も豪華であるほど喜ばれた。 1986年、国内ゴルフ場数は1538コース。それが5年後の1991年には1926コースに激増している。この間、デベロッパーやゴルフ場開発会社は、都心から近くて平坦な地形を必死に探した。土地の買収コストが跳ね上がり、都心近郊に土地がなくなると、買収範囲を地方へ広げていった。 同時に、ゴルフ場開発は乱開発・自然破壊だと糾弾される。それも一因となって首都圏近郊の開発許認可は次々凍結されてゆく。東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬、山梨と新規開発が禁じられた。 ちなみに、今年になって山梨県は開発凍結の解除を発表したが、その理由はリニア建設を見据え、民間による適切な投資・開発を促し、県土の強靱化と高付加価値な複合施設の建設で、県の財政力を高めるためと説明している。いずれにせよ、様々な利害関係者が金儲けとゴルフを結びつけて開発に邁進、ピークの2002年には2460コースを記録している。 その後バブル経済の崩壊や自然災害等で減少し、2023年度は2123コース。ピークから300コース以上減っている。とはいえ、最多のアメリカに次ぎ、カナダやイギリスと肩を並べる数のゴルフ場が日本の狭い国土で運営されている。 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年11月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2025年01月10日
    連載の初回となった9月号では、弊社の成り立ちを中心に執筆しましたが、本号では経営戦略の基本となる考え方を述べてまいります。 弊社は、福岡(ザ・クラシックGC、西日本CC)と佐賀(佐賀クラシックGC)で計3つのゴルフ場を経営しております。本社を置く福岡県は、福岡市を筆頭に人口が増え続けている街がいくつかあります。その要因は大学等の教育機関の充実、空港や新幹線駅へのアクセスの良さ、天神ビックバンや博多コネクテッドの二大プロジェクトの推進等で九州他県からの流入人口が多いことが挙げられます。 ザ・クラシックゴルフ俱楽部からは車で40分(距離30km)で中心地の福岡市中央区天神に辿り着きます。この街は近年、リッツカールトン福岡の開業に始まり、国内最大規模のシャネルの出店や、東京に次いでグーグルが支店設置を発表する等、将来性を感じさせる事業が次々と展開されています。 しかし、福岡県全体としては、2010年から人口減少傾向に入り、2020年は509万人、2030年には495万人と推測され、同年の65歳以上割合は30.4%(日本の地域別将来推計人口2018年より)と推計されています。このような状況を受け、近年弊社は地元やその近隣の「小商圏」のシェア獲得に加え、関東や関西等の「大商圏」から顧客誘引を図ることが経営課題となっています。 小商圏対応と大商圏対応 ゴルフ場の売上高は端的に、 「商圏内ゴルフ人口×獲得シェア×一人当たり消費金額」 で表せます。そこで、競合対策を打ってシェア獲得に励み、ショップやレストランでもう一品の提案をして客単価アップに努めますが、そもそもの母数となる目の前のゴルフ人口が減れば売上の維持・拡大は見込めません。従来は小商圏対応としてメンバーやコンペ幹事など、地元のお客様への密着軸(個人名での呼びかけやハレの日のお祝いなど)を磨き、売上の基盤とすることで十分でしたが、2015年前後より、減少する小商圏内人口に危機感を覚え、関東や関西などの大商圏からゴルファーを誘引し、自然減する客数を補う必要性を感じてきました。 このような単純な思考により、大商圏対応として、プロのトーナメントを開催し、全国的な知名度と価値を上げる運営に舵を切り始め、目安として、小商圏の売上を8割・大商圏の売上を2割に設定しています。大商圏優先に走りすぎると、コロナや災害時で来場者が激減するため、このような配分を考えています。 <h2>日本シニアOPと日本女子OP</h2> 福岡には、客単価4万円のにぎり鮨を提供する名店がいくつかあります。そのカウンターに並ぶのは地元の顧客に加えて東京や大阪の富裕層です。その一方で、大衆食堂に目を向ければ、地元の顧客が主な客層となります。つまり、単価が取れる、換言すれば付加価値のあるお店にならなければ、商圏拡大は見込めないということです。 弊社のザ・クラシックGCでは、経営課題として商圏拡大に取り組んでおり、その戦術として、2017年に日本シニアオープン、2020年に日本女子オープンを誘致して、「メジャートーナメントコース」という肩書きを全国のゴルファーに訴求しました。写真映えするような海も見えず、歴史が浅く、日本のトップ100選にも入っていないコースでは、この方法しか思いつかなかったというのが正直なところです。しかし、トーナメント誘致後の2018年頃から現在まで、毎年2000万~3000万円の売上伸長があり、一定の成果が確認できます。 全国のお客様を誘引する商圏拡大の手段としては、有料広告を打ったり、代理店と提携したりと、様々な取り組みが考えられますが、弊社は広告予算を設けていないため、トーナメントのようなニュースバリューのあるコンテンツをつくり、結果として広く伝わるオーガニックな宣伝広報を心掛けています。 <h2>入会動機の最大化と客層の最大化</h2> 先ほど、ゴルフ場の売上高は「商圏内ゴルフ人口×獲得シェア×一人当たり消費金額」で表されると書きましたが、弊社にはもうひとつ、参考にしている式があり、それは、 「入会動機の最大化×客層の最大化」 です。弊社はこれまで、年商2億円程度の小さなコースから10億円に達する大型コースを経営してきましたが、その「年商差」はこの式で説明できます。年商が小さなコースは入会動機が少なく・客層が狭い。年商が大きなコースは、入会動機が多様にあり・客層も広い。簡単に例を述べれば、 年商2億円のコースは、 <strong>入会動機</strong><br /> 1)メンバーフィで安くプレイできる <strong>客層</strong> 1)初心者 一方で年商10億円のコースは、 <strong>入会動機</strong> 1)メンバーフィで安くプレイできる 2)館内設備に鉄板焼やサウナがあり充実している 3)国内提携コースがあり、ゴルフ旅が充実する 4)トーナメントを開催しており、ステータスを感じられる <strong>客層</strong> 1)初心者 2)中級者 3)上級者(トップアマ) 4)エリートプロゴルファー となります。下に三角形の図を載せましたが、ゴルフ場の売上を伸ばすためには、この三角形を大きくすること(底辺:入会動機×高さ:客層)だと考えています。【底辺拡大】として、ゴルフを安くプレイする以外にいかに入会メリットを提示できるか。【高さ】として、初心者もなんとか挑戦することができ、セッティングに応じてエリートプロゴルファーも満足できるコースの汎用性を、いかに高めるかが弊社のもう一つの経営課題となります。 ハザードが多すぎる、全ホール砲台でグリーンが小さくパーオンできない等、難易度を高めすぎると「もう二度と来ない」と言われてしまうので、中途半端と評価されてしまうこともありますが、商売としてはコースの汎用性はとても大切だと考えています。 本稿に記したことの実践として、2028年の日本女子オープン誘致や、スコットランドの造成家による2年間のコース改修、他のグループコースにおいてもプロツアーのホストに立候補しております。九州という中央から離れた街で、このような挑戦をすることはとても難しいと感じていますが、挑戦は最大の防御という言葉を胸に、ゴルフ事業に邁進してまいります。 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年11月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2025年01月05日
    鹿沼グループは、 DX化によりこれまで受付業務を行っていた時間を有効活用し、来場者とのコミュニケーションや対話によるサポートとサービスを充実させている。その一環として、1月より自社予約システムにおいて、新たなポイント制度を開始した。 同グループのWEBサイトから予約を行うと、代表者に100ポイントを付与。ポイントは次回以降、WEBから予約する際に利用することが可能になる。 2021年よりDXを積極的に推進し、LINEと自社予約システムを連携している同グループは、セルフでのチェックイン・チェックアウトを促進している。自社WEBの会員は2万6000人を突破、予約での利用率30%、セルフチェックイン利用率も30%、セルフチェックアウトの利用率は90%を超えている。LINE登録者も積極的に集めており、開始3年で2万6000人を有している。 鹿沼グループの詳細およびWEBサイトは左記まで。  ・鹿沼カントリー倶楽部 <a href="https://www3.golfyoyaku.jp/rsv_sys/kanuma-g/kanuma45/mcalendar/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://www3.golfyoyaku.jp/rsv_sys/kanuma-g/kanuma45/mcalendar/</a> ・鹿沼72カントリークラブ <a href="https://www3.golfyoyaku.jp/rsv_sys/kanuma-g/kanuma72/mcalendar/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://www3.golfyoyaku.jp/rsv_sys/kanuma-g/kanuma72/mcalendar/</a> ・栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部 <a href="https://www3.golfyoyaku.jp/rsv_sys/kanuma-g/tgc18/mcalendar/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://www3.golfyoyaku.jp/rsv_sys/kanuma-g/tgc18/mcalendar/</a>
    (公開)2025年01月04日
    クラシックマネジメントグループ株式会社で取締役副社長兼総支配人を務める谷水大祐と申します。弊社は九州を中心にザ・クラシックゴルフ俱楽部、佐賀クラシックゴルフ倶楽部、西日本カントリークラブを運営しており、福岡市内ではトラックマンを装備したインドアゴルフスクール&レンジ「Golf Days」の運営等を行う独立系の中小法人です。 関連会社にはスポーツタレントのエージェント・マネジメント業務を行うCMGスポーツマーケティング株式会社があり、代表取締役を務めております。清水大成プロ、後藤未有プロ、菅楓華プロ、リハナプロらトップアスリートの後方支援が主業務となります。 実は、前職でコンサルティングファームに在籍していた2017年に、本誌で「異業種から学ぶゴルフ界再考術」というタイトルで執筆経験があります。机上でゴルフ界を考えていた時代です。 現在はゴルフ場の現場で飲食の調理以外、ほぼすべての業務に従事して四苦八苦の日々。自然相手のゴルフ場経営は思い通りにならないのが常であり、当連載でも机上論ではなく、現場に基づく挑戦記を執筆してまいります。 タイトルの「上を向いて歩こう」は、ゴルフ場の価値を如何に高めるかを意識したものです。弊社のザ・クラシックGCは2020年「日本女子オープン」を開催し、2028年も開催予定。佐賀クラシックGCはJLPGA認定コースとなりますが、これらも価値向上の一環にほかなりません。 <h2>当社の始まり</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/12/202409tanimizu2.jpg" alt="" width="1000" height="612" class="aligncenter size-full wp-image-84347" /> 当社は、私の曽祖父である谷水信夫が、1961年に京都と滋賀の境の山頂で小さなゴルフ場を開発したことに始まります。 信夫は1912年和歌山に生まれ、戦前は大阪で小さな鉄工所を営み、その後空襲被害の少なかった京都に移りました。京都ではお米のポン菓子の製造機業を展開し、当時珍しかった割賦販売で、関西では8割近いシェアを獲得したとの記録があります。食料危機の改善を見越した信夫は、娯楽の時代を予見して、映画館や旅館業へと事業転換しています。 1957年、霞ヶ関カンツリー俱楽部で開催されたカナダカップを信夫は現地で観戦します。中村寅吉・小野光一組がサム・スニードら世界の名手を抑えて優勝した瞬間、ゴルフブームの到来を予感して、帰りの電車でゴルフ場の開発を決意したそうです。 1961年、滋賀県の山頂で県内2例目のゴルフコースとして皇子山カントリークラブ(設計 谷水信夫)を開場。ゴルフ場としては土地が狭く、開発工事を引き受けてくれる業者もおらず、大学でゴルフをしていた二代目谷水雄三との二人三脚でゴルフ場を設計しました。苦労して資金を調達し、信夫の個人資金も投じて、18ホール・5200ヤード弱のコースを造り上げました。(※2021年皇子山CCは他社へ譲渡) <h2>関西から九州の地へ</h2> その後、銀行から広大な土地の情報を聞き付け、九州の開発に着手。1975年、福岡県北部に西日本CC(設計 ゲーリー・プレーヤー)を開場。1990年には同じく福岡県北部の丘陵地にザ・クラシックGC(設計 鈴木正一/改造 ベンジャミン・ウォレン)を、6年後には姉妹ブランドの佐賀クラシックGC(設計 中村享治)を開場します。いずれも「接待型」がコンセプトで、サービスや食事、館内の設えにこだわりました。 社内に「感動創造課」を設置したところに、弊社の経営方針の一端が表れています。お客様のおもてなしを第一に考える専門部署で、リッツカールトンのゴールドスタンダードに憧れを抱きながら、お客様の心に残るコミュニケーションに注力するのが同課の役割。 近隣には古賀GCや門司GC等、著名設計者による名門があります。歴史があり、確固たる会員組織の団結があり、ゴルフリテラシーも高い。一方で参入する立場の弊社としては、当時の名門が着目しなかったホテルのようなきめ細かいサービスで対抗する、カウンターポジションを目指したのです。 1991年にバブルが崩壊し、1週間に1件ゴルフ場が倒産する時代に突入します。弊社も会員権の償還対応で経営難に陥りました。幸い、事業清算をすることなく代をつないできましたが、ゴルフ業界を取り巻く環境は楽ではありません。人口減少やクラブハウスの老朽化、多様なスポーツの出現等、ゴルフ場業態の好転要素はなかなか見当たりません。 <h2>垂直軸が「背骨」になる</h2> このような状況下、依存する親会社もなく、ゴルフ場単体で商いをしている弊社は、戦略軸の見直しを真剣に行っています。多くの同業者が様々な策を講じていると思いますが、弊社の場合はゴルフ場としての「本筋」(垂直軸)を伸ばすことにこだわっています。 ザ・クラシックGCではメジャー大会の誘致や海外設計家によるコース改修等、本筋を重視。私は前職のコンサル時代に菓子業界を中心に歩きましたが、本筋重視は当時の経験とも重なります。 菓子業の「垂直軸」は美味しいお菓子をつくることです。「水平軸」にはイベントを通じた地域交流や感動接客もありますが、そもそもお菓子がマズければ成果は期待できません。背骨があるから肋骨が機能するという考え方です。 ゴルフ場も同じではないでしょうか。サービスを磨き、交流イベントを行うことも非常に大事だと思いますが、本筋であるゴルフコースを磨かなければ、その他の努力は報われにくいと考えられます。業界のリーダーではない弊社の立場で、このようなことを書くのは気がひけますが、激動のゴルフ場市場を60年以上生きてきた中で肝に銘じていることです。 連載では、小さな会社が女子のメジャー大会誘致に挑戦した戦略的経緯や、スコットランドのデザイン会社と2年間のコース改修プロジェクトを行った体験記等を共有させて頂きます。ゴルフ産業がゴルファーを魅了しつづけ、異業種に負けない市場となることを皆様と目指してまいります。 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年9月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2024年12月15日
    連載を始めるにあたり、私のゴルフ業界におけるバックグラウンドを紹介する。 特段ゴルフが好きでも、興味があったわけでもなく、税理士の次男として生まれた筆者は将来、 税理士になるものと思っていた。そのため高校卒業後の2年間、大原簿記学校の税理士本科へ進学した。 1年が経った頃、兄が税理士になることを決めたため、自分は兄とは別のビジネスの世界に入ることを決意したのだが、専門学校卒ゆえ学歴の壁は高く「学歴不問、能力主義、幹部候補生募集」の3要素を備えるベンチャー企業を探すことにした。その企業が、たまたまゴルフを生業とする千成グループ(後のSTTグループ)だった。入社は1983年。以後41年間、ゴルフ業界に携わっている。 <h2>幹部候補生研修</h2> オーナー社長のポリシーは「幹部候補生たるものは現場を知らずして幹部になれるか!」であった。そのため入社式直後の合同研修を終えるとすぐ、現場であるゴルフ場へ配属された。同社は当時、千成ゴルフクラブ(栃木)と千代田カントリークラブ(茨城)の2コースを保有・運営しており、同期は2班に別れて各コースで研修に入った。 筆者の配属先は千代田CC(18ホール)だった。当時13番ホール横の林の奥にプレハブ小屋があり、3DKの間取りに同期4人の生活が始まる。2人は各1人部屋、残りの2人は相部屋となるが、毎週くじ引きで部屋変えをして、プライベート空間を楽しんだ。 まず、コース管理課に配属され、地下足袋にヘルメット姿で来る日も来る日も芝草刈り……。誰でもできる手押しモアによるラフ刈りから始まり、グリーン刈りや3連モアを乗りこなす技術を、約5か月掛けて習得。次にハウス内に配置されてポーター、ハウスメンテナンス、ウエーター、フロント、事務所等、あらゆる部署を体験した。今思えばありがたい経験ではあった。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/12/tiyoda.jpg" alt="" width="1000" height="795" class="aligncenter size-full wp-image-84284" /> 筆者は生まれも育ちも東京である。本社が「六本木」だったことも入社動機のひとつで、夜の街をビシッとスーツを決めて闊歩する、そんな淡い期待もあったのだが、実際は芝刈りの毎日で「俺はこんなところで何をしてるのか?」と悩んだ一時期もあった。しかし、とにかく忙しく、幹部候補生として同期に負けたくない!との想いが支えとなってやりきった。同期はいつの間にか去ってしまい、3DKを一人で過ごす。 約1年後、本社配属の辞令が下り、経理部に入る。経歴書に簿記1級・珠算2級・販売士3級等の記載があったからだろう。 <h2>プレステージCCの誕生</h2> 入社3年後の1986年7月。倒産した旧・梓ゴルフ倶楽部(36ホール)を189億円で落札した。この落札を機に財務部が設立され、筆者はそこに抜擢される。資金繰りの専門部署が必要だったからだ。 今も鮮明に覚えているのは、決済の場に小切手を用意したときの光景である。チェックライターで小切手をタイピングする際、当時のチェックライターは99憶台の桁しかなく、手書きで「金壱佰八拾九億圓也」と書き込んだ。それを三井信託銀行丸の内支店の応接室に持参・決済したときは、さすがに緊張した。 この旧・梓GCの敷地は約60万坪の規模であった。オリジナルのゴルフ場の姿は山岳コースで、パー3ホールでは、パターで転がして崖から落とした方がグリーンに乗る確率が高いほど、無理のある地形とコースレイアウトだった。 敷地内には3つの山があり、その山をすべてダイナマイトで粉砕。大量の土砂を谷に埋め、まったく新しいコースに造り変えた。名称も「プレステージカントリークラブ」に変更して、1988年7月に再オープン。グループとしては千成GC、千代田CC、グランドスラムCCに次ぐ4番目のコースとなった。 プレステージCCが会員を募集した80年代後半は「青田売り」ができた時代である。青田売りとは、未完成のゴルフ場の会員権を売ることで、バブル時代、ゴルフ場の乱立につながった一因と言える。 プレステージCCの初回販売価格は特別縁故募集で1口2500万円であった。コンセプトは、法人接待用の高級ゴルフ場で、上場企業又はそれに準ずる企業の役員以上が「記名人」になれる、という高飛車な姿勢で販売した。 振り返れば、隔世の感がある。 落札に際し、三井信託銀行を幹事行として、他ノンバンク7社から合計189億円の資金調達をしたのだが、この時(1985年)の長期プライムレートは7.5%で、これにスプレッドレート(上乗せ金利)で約9%という高金利での資金調達。ゼロ金利時代では考えられない利率の借入で落札したことになる。 <h2>リコンセプトの実体験</h2> このプレステージCCを落札する前に、自社で千代田CCを完成していた。千代田CCのコンセプトは「法人向けの財界サロン」で、入会制限が厳しく、一部上場企業の役員以上しか記名人になれなかった。 千代田CCの初代理事長には三井物産の現役社長が就かれた。そのため二木会(三井グループ)系列はもちろん、白水会(住友グループ)、三菱金曜会(三菱グループ)、芙蓉会(芙蓉グループ)、三水会・みどり会(三和グループ)、三金会(第一勧銀グループ)という6大グループが選ばれて入会したのである。 日本を動かす錚々たる顔ぶれが集ったが、このコンセプトメイクの背景には、三井物産会長が当時話した、 「これからは大衆の芋を洗うような混みあったゴルフ場ではなく、人数を絞り、選ばれし者のみが入場を許されるコースが必要だ」 とのアドバイスがあったからだと聞いている。アドバイス前、千代田CCの会員権は茨城県の平均相場に近い300万円で売り出していたが、アドバイス後に会員権の購入者に全額返還をして、一旦リセットした経緯がある。コンセプトを作り直すことで、異なるゴルフ場に生まれ変わる。筆者が「リコンセプト」に関わる原体験であった。 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年10月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2024年12月03日
    PGMは、スマートフォン用「PGMアプリ」に新たにスコア履歴が確認できる「スコア丸」の機能を追加した。 「スコア丸」は、PGMのゴルフ場で、カートナビに入力したスコアが、自動で アプリから確認できる機能。過去、当日のスコアだけではなく、ベストスコア・平均スコア、当日のゴルフ場ごとのスコアランキングが確認できるようになっている。一部のゴルフ場では、ラウンド中、カートナビにスコアを登録すると、そのままアプリにも反映されるため、アプリ上でスコア入力をする必要がなく、簡単に利用することが出来る。 また、「スコア丸」に先行してPGMのゴルフ場でラウンドするとゴルフ場のロゴマーク入り「ラウンドマーカー」や、各種サービス利用で「スペシャルマーカー」が獲得できる「ラウンドマーカー」機能も搭載。アプリ上でコレクションができ、獲得マーカー数・ラウンド数の全国ランキングや、エリア内ゴルフ場のラウンドマーカーを全て獲得すると「COMPLETE(コンプリート)」マークが表示される等、コレクション意欲をそそる機能になっている。 ■PGMアプリの主な機能 1)スマートチェックイン機能 2)予約機能 3)PGMポイント残高や PGM Web ステイタスの確認機能 4)プッシュ通知機能 5)ラウンドマーカー機能 6)「スコア丸」機能 詳細は下記WEBサイトまで。 <a href="https://booking.pacificgolf.co.jp/app/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://booking.pacificgolf.co.jp/app/</a>
    (公開)2024年11月05日
    静ヒルズカントリークラブ(茨城県常陸大宮市)で生まれた、ゴルフとキャンプを掛け合わせて非日常を満喫するプラン「ゴルキャン」。昨年大好評だったこの企画が、今年はグレードアップして開催する。 新・アウトドアレジャー「ゴルキャン」は、地元食材を使った贅沢BBQに加え、今年はビールサーバーも完備。お酒を飲みながら焚き火を囲み、戦略性の高いゴルフコースをプレー。2日間を大満喫できるフルコースプランを組数限定、特別価格で提供する。開催日は10月から12月上旬までの週末。キャンプをした後に翌日ラウンド、またはラウンドをした後にキャンプの2パターンが設定されているため、日程は確認が必要。また、宿泊はテント泊もしくはホテル泊を選ぶことができる。 【ゴルキャン 料金】 最大5万7200円がキャンペーン価格で4万8700円。 1)ゴルフ18Hプレー(セルフ、バック差額あり) 2)手ぶらキャンプ 3)練習施設使い放題(ドライビングレンジ、Par3コース、アプローチ練習場、パター練習場) 4)朝昼夜3食付き(夜はBBQ、サーバードリンク5杯まで無料、朝食ビュッフェ) 詳細と申し込みは左記WEBサイトまで。 <a href="https://hillsgolf.jp/shizuhotel/news/240830-1/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">https://hillsgolf.jp/shizuhotel/news/240830-1/</a>
    (公開)2024年10月17日
    いつもは子どもや学生に向けた「ゴルフチャレンジ」について書く機会が多いのだが、今号は、有馬カンツリー倶楽部が加盟している地元兵庫県三田市ゴルフ協会の新規プロジェクトについて紹介したい。 2024年7月より、三田市ゴルフ協会加盟のゴルフ場七か所をプレーしてめぐる『ゴ朱印めぐり』プロジェクトを始めた。「ゴルフ」と「御朱印」を掛けたわかりやすいネーミングである。 当コースのほか、有馬冨士カンツリークラブ、神戸三田ゴルフクラブ、サングレートゴルフ倶楽部、三田ゴルフクラブ、三田レークサイドゴルフクラブ、千刈カンツリー倶楽部の7か所のゴルフ場を七福神の神様になぞらえ、オリジナルの朱印シールを専用ゴ朱印帳に貼って収集していくスタンプラリーである。 近年、寺社の御朱印だけでなく、「御城印(お城)」「御船印(船舶)」「御湯印(温泉)」「御鉄印(鉄道)」「御翔印(空港)」など様々な御朱印があり、流行しているが、ゴルフ場やゴルフについては、まだ行われていないようだったので、全国に先駆けてゴルフ場専用の「ゴ朱印」と専用のオリジナル「ゴ朱印帳」を考案。三田市ゴルフ協会の新たなプロジェクトとして実施するもの。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/09/20240628_130451.jpg" alt="" width="1000" height="1012" class="aligncenter size-full wp-image-83234" /> このプロジェクトの実施で、三田市へのマイクロツーリズム及びインバウンドツーリズムの活性に一石を投じ、地元地域の振興に寄与していくことを目的としている。そのため「ゴ朱印帳」にはゴルフ場の情報だけでなく、近隣の観光スポットやグルメスポットも掲載している。 ゴ朱印帳は、初版1000部限定とし、販売価格は原価ギリギリの1100円(税込み)。 また各ゴルフ場でプレー時にゴ朱印帳を持参の方のみ、無料で「ゴ朱印」シールをお渡しする。すべてのゴルフ場をプレーした場合には、満願シールも配布する。 <h2>評価は「数値」だけ?</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/09/20240623_0922002.jpg" alt="" width="1000" height="666" class="aligncenter size-full wp-image-83235" /> 三田市ゴルフ協会の会長は元三田市長が担っているが、実際に協会の運営を担っているのは7か所のゴルフ場支配人である。事務局は現在有馬カンツリー倶楽部にある。そのため、本プロジェクトについてもゴルフ場及び発案した当クラブが中心となって進めている。 地域振興及び協会の取り組みの活性のために実施するプログラムではあるが、「ゴ朱印」には、もうひとつ目的があった。 それは、市内7か所のゴルフ場それぞれの個性を差別化して可視化することである。 ポータルサイトによるゴルフ予約が一般化している現在、ゴルフ場を決める3大要因はすべて「数値」である。 1つ目に「価格」、2つ目に「最寄りインターチェンジからの距離や時間」、3つ目は「口コミなどの評価ポイント」である。いずれも数値でのみ判断され、ゴルフ場が本当に伝えたいそれぞれの特徴がなかなか伝わらない。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/09/VideoCapture_20240628-165331.jpg" alt="" width="1000" height="978" class="aligncenter size-full wp-image-83236" /> そこで、「ゴ朱印帳」を制作するにあたり、お互いのゴルフ場を比較しながら、他のゴルフ場にはない特徴を引き出し、それを掲載してゴルファーに知っていただく。そうすることで、同じ市内でも特徴が異なるゴルフ場を見つけて「次はここに行ってみよう!」と思ってもらえるかもしれない。そうしたものを作りたかった。 近隣ゴルフ場の特徴を理解し、自社のゴルフ場の特徴との差別化を明確にする。そうすることで、近隣ゴルフ場同士が「数値」のみで競争する原理から脱却し、近隣同士がお互いで送客し合う方向に舵を切る。このような工夫を重ねることで、地域全体に多くのゴルファーを引き寄せることができるのではないかと考えている。 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年8月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://bt3.jp/url/ts/g/z9lenol2">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2024年09月29日