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    ハッシュタグ「ゴルフ場利用税」記事一覧

    月刊ゴルフ用品界2016年2月号掲載 なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <hr /> いまどき100をゼロにするなんていう税金は、あり得ないはずなのに、ゴルフ場利用税撤廃運動をゴルフ関連17団体で組織する日本ゴルフサミット会議は、あくまでも撤廃(ゼロ)を求めて運動を続けていることは周知のことだ。 しかし、結論はいつも「廃止せず」で撤廃は、お流れになる。昨年も廃止見送りとなった。 失礼だけれど、いつまで続けるつもりなんだろう。つまり、廃止となりゼロにならなければ、勝ち取ったことにならないという図式は、このご時世ではあり得ないことだ。もう少し譲歩するアイデアを出して、綱引きする必要があってもいいのではないだろうか。 倉本昌弘PGA会長が、会長となって初めてこの会議に出席したときにも、そんな発言をしたらしい。ところが「自分たちは、撤廃を目標にずっとやってきたんだ。いまごろ(入ってきて)なにを言うんだ」というような声を浴びせられたという。 何を勝ち取ろうというのだろう、と僕は首をかしげたくなる。 利用税廃止は、もちろんいいことだ。ゴルファーが無駄な税金を払うこともない。 でも、もし廃止したからといって、ゴルファーは増えるだろうか。ゴルフ界という側面でいえば、廃止しようがしまいが、ゴルフ界が潤う可能性は薄い。もともと利用税を払いたくないからコースに行かないというゴルファーは、稀有なはずだ。 およそ500億円の財源を国も地方自治体も手放すはずがない。千葉県茂原市は、年間14億円とも15億円ともいわれる利用税収入があると聞いた。そのうち市町村に7割が分配される。そんな大金をゼロベースにするはずがない。 さらに、廃止となってゴルフ界に新たな財源が入るという図式もない。 いっそのこと、廃止せずに、分配したらどうか。総収入の1割は、スポーツ庁を通してゴルフ界。さらに、市町村は、取り分の半分をその市町村のゴルフ活性化に使う特定財源。 総額500億円をゼロにして国がそのぶんを地方自治体に別途財源を考えて配分するよりも、より地方活性化にもなり、ゴルフ界の活性化にもなると思うのだ。 <h2>劣化した組織</h2> 地方に、ゴルフに特化した財源が生まれれば、ジュニアゴルファーを育てられるし、地方トーナメントも楽に成立する。さらには、ゴルフ界全体で有効に使えば、日本のゴルフ活性化にも繋がる。 ところが、一度スポーツ庁にそのお金、たとえば年間50億を入れたとして、ゴルフ界にそのお金の受け皿がないとも思うのだ。JGAが独り占めもダメだし、各協会が一枚岩でもないし、方向がまちまち。 ならば、フェデレーションを設けて、そこから分配することは、どうか。日本にはゴルフフェデレーションがない。そういう組織の参加に、みんな加入して活動すれば、いまのように、総論賛成各論反対、自分たちの組織の利益優先、主張は変えないという図式にはならないはずだと思う。 どうも、日本の組織は柔軟性がなさすぎる。それは昭和の遺物だと思わなければ、時代錯誤の軋轢がどんどん生じるだけだと思う。 昨年末近くにテレビで、アマゾンがある地域で1時間以内に配達するというニュースをやっていた。そのときに商品の倉庫を撮影していて気がついたことがある。 普通ならば、例えばA4のコピー用紙なら、ある棚やスペースに、A4用紙が山積みになって格納されているはずだ。 ところが、どういう分析、方程式だかわからないけれど、アマゾンは、違っていた。ある棚に、四角いケースで間仕切りがあって、そこにA4のコピー用紙やら、さまざまな商品が入り混じっている。 理由のひとつは、A4用紙の棚だけのスペースを設けると、つまり同じ商品ごとに区分けして棚を設けると、スタッフが集めるときに、集中して動きが鈍くなる。無駄な時間が増えるということなのだ。 むしろ、なにがしかのデータを分析して、混載していれば、人間が探す導線に無駄がなく、少ない時間で集められるということだった。 また、こんな発想で成功していることがある。たとえばテレビショッピングで有名な会社の場合、メーカーはそこを倉庫代わりに使う。メーカーは倉庫経費、人件費などがなくなる。出荷は、そのテレビショッピングの倉庫から全国にできる。ショッピング会社は、いわば工場卸価格をベースに計算して、販売できるから価格も安くできる。 メーカーは、倉庫代などが助かるどころか、販売、出荷までやってくれるから、莫大な経費節減になる。 なにが言いたいかといえば、ひとつの会社、組織が、すべてをまかなう縦軸の商売が雲散しているということだ。 <h2>三方一両損でよい</h2> ゴルフメーカーも、同じだと思う。一社だけで、すべてをまかなう時代は、終わった。倉庫をひとつにして、出荷すれば、ゴルフショップ、量販店など、同じようなところに別々のトラックで運ぶよりも、混載して運べば経費節減になる。 で、ゴルフ団体・協会も、そろそろそういう考え方が必要だと思う。 トーナメント運営に必要な競技委員やスタッフなどは、JGAもPGAもみんな必要だけれど、トーナメント運営部隊をひとつにすれば、無駄は省けるだろうし、ゴルファー全体の基幹システムを共有できるセクションも作れるだろう。 つまり、共有部分で垣根をつくる必要性が、どこまであるのだろうか。 本来、各団体・協会が個性を出してなすべきことは、もっと別の次元、部門ではないだろうか。そう考えていけば、ゴルフ場利用税撤廃の運動も、もっと柔軟性のあるものになるはず。 見ていると、意地やプライド、メンツで100をゼロに、完全撤廃でなければ意味が無いと言っているように思える。 これって、独りよがりじゃないだろうか。 ゴルファー全体、日本のゴルフ界を少しでも活性化させていくには、三方一両損でよいのであって、それでも、ゴルフ界全体は、大いに得があるという図式を水面下でネゴしていけば、毎回、見送りというふがいない結果にはならないかも知れない。 縦軸で既得権益などを堅守するのではなく、もっと横軸も使い、まさしく縦横無尽な発想で乗り越えていかなければ、日本のゴルフ界の前途は暗いのだと思う。
    (公開)2017年08月18日
    月刊ゴルフ用品界2017年8月号掲載 =文・ゴルフ緑化促進会 大西久光理事長=  (月刊ゴルフ用品界 購読申し込みは<a href="http://www.gew.co.jp/form/koudoku" target="_blank">こちら</a>) ゴルフ場への支払い明細に「ゴルフ場利用税」が含まれているのをご存知だろうか。コースによって税額は段階的に変わるのだが、数百円から1000円前後が一般的だ。 ゴルフ場利用税は1989年に「娯楽施設利用税」が撤廃された時、ゴルフ場に対してのみ「贅沢税」として残された。 娯楽施設利用税はパチンコなど娯楽施設に対する課税だから、本来ならゴルフ場にのみ残されることは不自然だった。しかし、当時のゴルフ界はバブル景気で会員権が暴騰し、利用税を気にすることもない好況に浮かれていた。 そのため、ゴルフ界には反対の声すらなく導入されたのだが、今になって振り返ると、なぜあの時に反対運動をしなかったのかと悔やまれる。 利用税が制定された14年後の2003年、日本ゴルフ協会の後藤田正晴会長(当時)のご尽力もあり、70歳以上、18歳未満等の免税措置が施行された。 その結果、同年の「免税ゴルファー」は延べ約400万人となり、その大半を70歳以上が占める結果となった。これらシニアゴルファーはゴルフ場の平日利用を促進し、過去15年間のゴルフ場業界を支えてきた。 高齢化に伴い、免税ゴルファーは毎年約100万人ずつ増え続け、2016年度には約1600万人に達するなど、「課税ゴルファー」の減少分を埋めてきた事実がある。 具体的には、2003年の課税ゴルファーは8427万人で、2016年には7031万人(1396万人減)にまで落ち込んだが、逆に免税ゴルファーが約1000万人増えたことで、差引き400万人程度の減少になった点が注目される。 ゴルフ界はこの間、利用税撤廃運動を展開してきたが、撤廃どころか減税すら行われていないのが現状である。最大の理由は、ゴルフ場利用税交付金はゴルフ場所在地の都道府県に3割、市町村に7割が振り向けられ、自治体の貴重な財源になっているからだ。 2015年9月には「ゴルフ場利用税堅持のための全国市町村連盟」(代表三木市・兵庫県)が「ゴルフ場利用税の堅持を求める意見書」を衆参議長、総理、総務、財務、文科大臣に提出し、総額493億円(2013年度決算)の利用税は「地方創生に不可欠」との主張を行っている。 つまり、ゴルフ場利用税は、ゴルフを特別視した不平等税制でありながら、それ以上に自治体を支える原資として不可欠な存在となっている。このような事実を盾にして、自治体は「利用税撤廃」への抵抗勢力となり、ゴルフ界はこれに屈した格好なのだ。 <h2>「三税」に苦しむゴルフ場</h2> 現在、ゴルフ場経営は塗炭の苦しみを味わっている。売上はバブル期と比べて60%以下と激減しており、総額460億円ほどと見込まれる利用税は深刻な圧迫要因となっているのだ。 ゴルフ場の税負担は利用税だけではなく、8%の消費税や固定資産税も課せられており、固定資産税がゴルフ場開発前の山林と比べてかなり高いことは周知のとおり。 ネット予約が利便性を高める反面、価格比較によりゴルフ場の収益は落ち込んでいる。そのうえ、課税額は客単価の数割を占めるなど、利益を生み出すのが困難な状況だ。 日本の人口減に比例して、ゴルフ人口も減少傾向にある。特に20 ~ 30歳代の若者の参入が少なく、ゴルファー全体の老齢化に歯止めが掛らない。だからこそ、新規ゴルファーの創出や一人当たりのプレー回数を増やすためにも利用税の撤廃が求められる。 そもそもこの利用税は、ゴルファーは金持ちだから担税能力があるとの主旨に起因している。戦後、ゴルフ市場の黎明期はそうだったかもしれないが、バブル崩壊後のデフレ経済下では一般的なゴルファーが増え、必ずしも担税能力のある人ばかりではない。 また、ゴルファーは人口の10%に満たない少数派かもしれないが、シニアが延べ1600万人もプレーしていることが、健康増進に寄与していることを考えてほしい。パッティング時の集中力やプレー行為そのものが認知症の予防に効果的との研究もあるなど、ゴルフには様々な効果が期待できる。 <h2>税が「寄付」になる奇妙な提案</h2> 過去、遅々として進まなかったゴルフ場利用税の廃止だが、最近、注目すべき新たな動きが起きている。 超党派ゴルフ議員連盟は利用税撤廃の方向で活動しているが、撤廃しても自治体の懐が痛まない「代替財源」として先頃、ゴルファーから「寄付金」を募る案が提起されたのだ。 利用税は3割が都道府県、7割が市町村に納められるが、都道府県分を廃止して、市町村分全体の最大4分の3を国からの交付金で賄い、残りの4分の1をゴルファーからの寄付で埋めるもの。 同時に、ゴルファーに「ふるさと納税」を呼びかけて、地域の活性化を目指す方針だというが、ちょっと待ってほしい。強制力のない寄付金をアテにした財源に実現性はあるのだろうか。 それ以前に、税金が寄付に代わるような奇妙なこの提案に、正当性はあるのだろうか。これに対し、わたしは断固反対の立場を表明したい。 寄付を求めるくらいなら、利用税の「全廃」に執着するのではなく、「減税」によってゴルファーの負担額を減少させた方が公平であろう。 例えば、現在70歳以上が非課税となっているが、60歳以上に年齢を引き下げる。あるいは18歳未満は非課税を20歳以下に広げるなど、条件闘争の余地はあると考える。 利用税の撤廃は供給者団体のためではなく、ゴルファーの負担を軽減することが本来の趣旨。今回の「寄付金案」は、困ったらゴルファーの懐をアテにするという悪しき体質が根強くあることの証左といえる。 多くのゴルフ団体は供給者(業界)団体であり、需要者であるゴルファーの声を聞く機会もない。 また、東京五輪の開催で「日本はスポーツ(ゴルフ)で税金を取っている」ことが世界中に知れわたる。そんなことでいいはずがない。ゴルフ界は「ゴルフ場利用税」への取り組みを、もっと真剣に考えるべきだ。 日本の課題は健康寿命の延伸であり、これに寄与するゴルフは素晴らしいスポーツと断言できる。 だからこそ、ゴルフ振興は意義深いのだ。利用税撤廃運動の目的をその一点に定めてこそ、世間からの賛同が得られると私は考える。
    (公開)2017年08月09日

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