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    ハッシュタグ「ゴルフ5」記事一覧

    ゴルフショップにはどんな来客があり、何が売れているのか。「有力店店長が語るリアルマーケットレビュー」は、全国でも有数の販売力を誇る店舗にその動向を聞くコンテンツ。 二木ゴルフ宇都宮インターパーク店、有賀園ゴルフ新横浜店、ゴルフ5プレステージ新宿店の3店舗に2024年11月度の販売状況を語ってもらった。 二木ゴルフ 宇都宮インターパーク店 石井 英之店長 11月は去年よりも売れ行きがよかったです。ドライバーは新製品のダンロップ『スリクソンZXi』が好調でした。根っからの『スリクソン』ファンの期待が結果に出ています。今回のドライバーは4種類のヘッドがあり、中でも『ZXi MAX』は『ゼクシオ』ユーザーにも合う設計だけに、シニア層がカスタムで購入するケースが目立ちました。また、2024年春に発売されたテーラーメイド『Qi10』やキャロウェイ『Aiスモーク』が中旬からマークダウンに入って人気が集中。ピン『G430』は相変わらず強かったです。 FW&UTはマークダウン品の『Qi10』や『Aiスモーク』がランクイン。『スリクソンZXi』とタイトリスト『GT』はフィッティングによる需要が多かった。アイアンはブリヂストン『24シリーズ』、ミズノ『JPX925』、そして『スリクソンZXi』と概ね新製品が好調でした。パターはツアー中継の影響か、優勝者の使用パターが売れましたね。例えば男子の平田憲聖プロが使って好成績を出したオデッセイ『Ai-ONEトライビーム』です。ボールもツアーで使われる競技系が強かったです。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/12/2501niki.jpg" alt="" width="1000" height="1131" class="size-full wp-image-84431" /> 二木ゴルフ 石井店長 <h2>有賀園ゴルフ 新横浜店 小森 康孝店長</h2> 11月は全体的に売り上げが好調でした。ドライバーは11月15日からマークダウンになったテーラーメイド『Qi10』やキャロウェイ『Aiスモーク』が上位に来ました。マークダウンの時期を知っているゴルファーが待っていた感じです。ダンロップ『スリクソンZXi』も好調に売り上げを伸ばしました。11月に新製品として発売された商品が他になかったこともあるでしょう。FWやUTもマークダウンになった『Qi10』、『Aiスモーク』が1、2位を占めました。ドライバーを買いに来た方が3W、5W、もしくはUTを一緒にまとめて購入されることが多かったですね。 アイアンは新製品のダンロップ『ZXi』がトップ。もともと人気がある商品ですが、今回のシリーズは初心者やアベレージゴルファーも使える機種があり、購入者の層が広がった印象です。ブリヂストンの『242CB+』も根強い人気があり、昔のブリヂストンユーザーが戻っている手ごたえがあります。価格的にも比較的求めやすいという面も大きいでしょう。パターはオデッセイシリーズが上位を独占。お客様が1打の重みを改めて感じている結果なのかと思っています。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/12/2501ariga.jpg" alt="" width="1000" height="1129" class="size-full wp-image-84432" /> 有賀園ゴルフ 小森店長 <h2>ゴルフ5プレステージ新宿店松岡 秀典店長</h2> ドライバーは新発売のダンロップ『スリクソンZXi』シリーズが10月の先行予約に引き続き人気でした。11月はキャロウェイ『Aiスモーク』やテーラーメイドの『Qi10』がマークダウンされたため、カスタムオーダーが終了してしまった。当店の来店客はフィッティングによるカスタムオーダーが中心なので、それができるダンロップに流れることが多かったように思います。同じ理由で2番目にタイトリスト『GT』シリーズ、続いてピン『G430』がランクインしています。 FW、UTも新製品の注目度の高さとフィッティングができることで『スリクソンZXi』シリーズや『GT』シリーズが上位に来ました。アイアンも『スリクソンZXi』シリーズが人気でした。『スリクソン』のアイアンはもともと評価が高い上に新シリーズの注目度の高さで需要が増えました。エポン『AF』シリーズは相変わらず強いですね。高性能な日本製品を求める訪日外国人客が、かなり来店されたのも大きかった。ボールに関してはタイトリスト『プロV1』がマークダウンしましたが、ランキングは毎月同じようなダンゴ状態でした。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/12/2501golf5.jpg" alt="" width="1000" height="1178" class="size-full wp-image-84433" /> ゴルフ5 松岡店長
    (公開)2024年12月21日
    ゴルフショップにはどんな来客があり、何が売れているのか。「有力店店長が語るリアルマーケットレビュー」は、全国でも有数の販売力を誇る店舗にその動向を聞くコンテンツ。 二木ゴルフ宇都宮インターパーク店、有賀園ゴルフ大田池上店、ゴルフ5プレステージ新宿店の3店舗に2024年10月度の販売状況を語ってもらった。 二木ゴルフ 宇都宮インターパーク店 石井 英之店長 10月は例年とは違ってクラブがほとんど動かなかったです。やはり物価高に代表されるような経済状況が影響していると感じます。そういう中でドライバーはピン『G430 10K』が方向性の良さで盛り返してきました。タイトリストの『GT』シリーズは飛距離性能の高さが競技志向のゴルファーから支持されています。先に購入した方の口コミを聞いて購入されるお客様も増えました。FW、UTはピン『G430』やダンロップ『ゼクシオ』が弾道の安定感と球の上がりやすさ、キャロウェイ『Aiスモーク』、タイトリスト『GT』は球の強さで人気がありました。 アイアンはミズノ『JPX925』が新製品ということで、ミズノファンを中心に売れた感じで、ブリヂストン『241CB』はこちらも新製品で軟鉄の打感が高評価を得ています。契約プロがシーズン中に替えたという話題性も追い風になっています。パターはピンの『2023』や『2024』がフィッティングの納得度が高かった。ボールはブリヂストン『ツアーB』など競技志向のスピン系が上位を占めましたが、ブリヂストン『エクストラソフト』やダンロップ『トライスター』の廉価系も気候のよさからよく売れました。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/11/24dec_niki.jpg" alt="" width="1000" height="1135" class="size-full wp-image-84004" /> 二木ゴルフ 石井店長 <h2>有賀園ゴルフ 大田池上店 服部 正樹店長</h2> 10月のドライバーは、タイトリスト『GTシリーズ』が新発売のインパクトを維持した感じでよく売れました。性能が優れているという口コミが広がって「GTっていいんでしょう」と言って来店された方が、実際試打したら結果が出て購入を決めたというケースが多かったです。やはり飛距離に関しては抜けていますし、初速が出て球離れが速い打感も高く評価されていました。リョーマゴルフ『MAXIMA』は私たちの店舗近くの練習場でよく試打会が開かれるので、そこでフィッティングを受けた方が買いに来られたのでランキングに入りました FW&UTは元々人気があったテーラーメイド『Qi10』、キャロウェイ『Aiスモーク』、ピン『G430』に年末が迫ってきた時期の駆け込み的な需要がありました。ドライバーを先に買って、そろそろFWやUTも揃えたいという方がソールの抜けがよくて高さが出るモデルをお求めになった感じです。アイアンはブリヂストンの新製品『241CB』が打感の良さでよく出ました。ダンロップの『スリクソンZXiシリーズ』の試打クラブも試す方が多かったですが、それとの打ち比べでも『241CB』がいいという方が多くいらっしゃいました。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/11/24decariga.jpg" alt="" width="1000" height="1079" class="size-full wp-image-84005" /> 有賀園ゴルフ 服部店長 <h2>ゴルフ5プレステージ新宿店松岡 秀典店長</h2> 10月はダンロップの新製品『スリクソンZXiシリーズ』がウッド系、アインともすごく人気を集めました。発売日は11月初旬ですが、その先行予約という形で試打クラブを打っていただいたら結果が出るお客様が多かった。今回の『スリクソン』のクラブはメチャメチャいいですね。ドライバーはもちろんFW、UTも飛距離が出る。今回は試打シャフトのラインアップが豊富なので、お客様に合ったものを提供しやすくなったのが大きいです。お客様としては以前に比べて自分に合ったクラブを体感しやすくなったので、試打結果が出ればそのまま購入するという感じでした。 アイアンも『スリクソンZXiシリーズ』がトップでした。アイアンは元々強いんですけど、今回も打感がいいと評価されるお客様が多かったです。また『スリクソン』のいい点はバラで注文できるところで、『ZXi7』と『ZXi5』のコンボのような形で頼まれる方も少なくなかったです。パターはオデッセイ『ジラフ』が真っすぐ引きやすいし、ヘッドが真っすぐ出やすい、理にかなったパターということで人気になりました。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/11/24dec_golf5.jpg" alt="" width="1000" height="1137" class="size-full wp-image-84006" /> ゴルフ5 松岡店長
    (公開)2024年11月26日
    アルペンは3月1日、スポーツ・デポ川崎店内に併設されていた「ゴルフ5川崎店」を移転し、売場面積約1.5倍にパワーアップさせた「ゴルフ5リコパ川崎店」をオープンする。 新店舗は人気ブランドクラブの取り扱いはもちろん、左記のメーカー特約認定がされているので、最適なカスタムフィッティングも可能だ。 ・Callaway SELECTED STORE  ・TaylorMade SELECTFIT STORE ・TITLEIST SELECT STORE ・MIZUNO GCF SHOP  ・DUNLOP FITTING STORE ・ONOFF LABOSHOP ・PING認定フィッター在籍店 ・マジェスティ ソムリエ在籍店 また、ゴルフ5独自の3方向カメラを備えた最新鋭データ計測器で、科学的・立体的に解析する「クラブフィッティング」も実施。フィッター4名が在籍している。パターフィッティングは、秒間400回のセンシング、マルチセンサーを搭載した「CAPTO」を導入し、フェースローテーションやアタックアングル、打点位置から算出されるエネルギー効率など詳細なデータからパッティングのメカニズムを解析してくれる。 中古クラブは地域最大級の品揃えで3000本。 購入前に試打可能で、万が一店舗に在庫がなくても、全国のゴルフ5から取り寄せてくれる。 移転前と比較してフロア面積が約2倍に拡張したのが、アパレルコーナー。キャロウェイとニューバランスはコーナー展開をする。取扱いブランドは、ジャック・バニー、アディダスなど人気ブランドを含む全20ブランド。 【ゴルフ5リコパ川崎店 店舗概要】 店舗名:ゴルフ5リコパ川崎店 住所:神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目2番3号 TEL:044-355-1333 オープン日:2024年3月1日 営業時間:10時~21時
    (公開)2024年02月29日
    ゴルフは一番大きな事業ですよ <strong>昨年、ゴルフ用品市場は震災を機に前代未聞の安売り競争に突入しました。業界の誰も得をしない激安競争はなぜ起きたのか? まずはこの点から振り返ってください。</strong> 「まあ、我々の『他店徹底対抗!』の話をすればですよ、たしかに震災の影響は甚大でしたが、それとはまったく関係なく以前からその準備はしていたわけです。というのも、2007年をピークにゴルフ事業の売上が下降局面に突入して、前年割れがつづいてしまった。 大きな視点で考えれば少子高齢化やリーマンショックも深刻でしたが、一番はルール改定の問題ですよ」 <strong>ゴルフ規則を統括する英国のR&amp;Aは2008年1月、高反発規制を施行して、飛びすぎるゴルフクラブの規制に走った。</strong> 「そうです。誰だって今使ってるクラブより飛ばないものを買うはずがない。当たり前の話じゃないですか」 <strong>それもあって、御社のゴルフ事業はピークの718億3100万円から、前期は644億6300万円まで落ちてしまった。</strong> 「どうあれ落ちることは容認できませんから、停滞局面を打開するために終始一貫、当社ではお客様に最適なクラブを提供するフィッティング販売に力を入れて、現状の打開に努めておるわけです。 社内では『サンカメ』(3台のカメラで計測)と呼んでますが、当社独自の計測器を活用して、結果論ではなく、その球筋が発生するメカニズムをきちんと掘り下げてお客様に説明している。スイング映像と数値の両面で、お客様に教育というか、丁寧に説明しておるわけですよ。 この間、当社に共感してもらえるメーカーとは計測販売の取り組みを強化してきたし、その姿勢は今後も変わりません。店頭における丁寧な販売で顧客満足度を高めるのが『サンカメ』を導入した狙いです」 <strong>御社と共同歩調をとるメーカーで代表的なのがミズノですね。ミズノはゴルフ5のフィッティング販売に合わせた商品供給や販促を展開している。</strong> 「そうです。以前GEWにも掲載されましたが、まずはミズノさんと『ライ角フィッティング』で協業して、コアなお客様にはコアな対応をしましょうと、両社の考えが一致したわけですよ。 これはレシピを綿密に記入してオーダーするもので、販売後1年間は微調整のアフターサービスも行っています。当社の工房で働くクラフトマンの技術レベルや、ミズノの養老工場の供給体制もありますから、当初は系列の10店舗から始めたんですが、徐々に水平展開で広げてきたんです」 <strong>店頭の販売方法にメーカーが合わせるのは画期的で、ミズノは国内工場を持っているから対応できたわけですね。</strong> 「それで現在、当社の工房設置店は150を超えましてね、90〜150坪の店舗を除く300坪以上の標準店には、すべて工房を設置しています。クラフトマンは通常2名、繁盛店の場合は3名体制なんですが、このような活動をみてもわかるように、我々は手間暇かけて販売をしてるんですよッ。 御社の先月号でギアサージ(兵庫県の有力専門店)の梅田社長がインタビューに答えておられましたよね。『極端な安売りに走りたくない』と。それでWGH(ウエスト・ゴルフ・ホールディングス=関西以西の有力専門店7社が集まった共同仕入れ構想)を立ち上げられたわけですが、ウチもね、WGHの方々と思いは一緒なんです。 特に広島ゴルフさんは販売方法にいろんな工夫をされていて、安売りに走らない努力をされている。あの姿勢は理解できますし、大いに共感できることですよ」 <strong>WGHの各ショップと御社の系列店は地域ごとに激しい局地戦をやってますが、無益な安売りには走りたくない、と。</strong> 「当然ですよ」 <strong>御社のゴルフ事業の販売構成比は34・5%で、ウインター事業(9・3%)よりも遥かに大きい。つまりゴルフは大切な市場だし、安売りで破壊したくない。</strong> 「当たり前じゃないですかッ(笑)。昔はね、ウインタービジネスが当社で最大だったけど、今はゴルフが一番大きい。ゴルフは単純なスポーツではなく、レジャーの要素が入りますし、プレー寿命が長いからライフスタイルスポーツだと言えるわけです。 だから我々は単に物を売るだけじゃなくて、大型の450坪店ではPGAのインストラクターによるゴルフ5アカデミー(10校)も開校するなど、ゴルファーの創造にも取り組んでいる。ゴルフ市場を大事に育てている。そういった活動もきちんと見てもらいたいですよ」 <h2>「徹底対抗!」の値段勝負</h2> <strong>ここで改めて、価格競争の功罪を伺います。まず「功」ですが、売価が安くなることで需要喚起の効果はあるんじゃないですか?</strong> 「まぁ、そのあたりの判断は難しいところなんですが、安くなって販売数量が増えたのはたしかでしょう。販売単価の下落は問題ですが、昨年10〜12月は数量ベースで増えたので、需要促進になったとは言えるでしょうな」 <strong>経営の指標として、金額と数量、どちらを重視するわけですか?</strong> 「うん。どちらが大事とは単純に言いきれませんが、数量の減少はお客様の減少を表わすひとつの指標だから、こちらのほうがダメなのかな、という考えにはなるでしょうね。金額面のマイナスは競争原理における現象なので、仕方ない面もありますよ」 <strong>ゴルフ専門店はどこも同じようなメンタリティなんですかね? 昨秋のピークでは市場価格が禁断の5割引きに突入して、二木ゴルフも御社の「徹底対抗」に応戦したし、他店も軒並み参戦しました。</strong> 「そう、深刻な状況だったですよね」 <strong>つるや、ヒマラヤの綱引きも激化して、誰かが白旗をあげるまで止まらない。そんな危機感が蔓延していたし、その中心がゴルフ5だったという見方もあります。</strong> 「いやいや、我々はね、どこかが白旗をあげるまでとか、そんなことはまったく考えておりませんよ(苦笑)。 だってね、昔のウインタースポーツ・ビジネスは競争が激しくなりすぎて、倒産や企業売却にもつながったじゃないですか。その点への反省はもちろんあるし、だからゴルフを二の舞にしてはいけないと強く思っているんですよ。誰も儲からない市場に未来はありませんから」 <h2>安売りのメカニズム</h2> <strong>そもそも論ですが、一連の価格競争はどのようなメカニズムで発生したわけですか?</strong> 「そうですねえ。まず、ここ数年の安売りはネットと中古ショップから始まったとみています。わたし自身、映画のチケットや乗車券はネットで買うし、ゴルフのネットビジネスにも利便性はある。ですから全否定するつもりはありません。 ありませんが、特にネット販売は構造的に試打ができないじゃないですか。フィッティングを含めた最適なクラブ選択ができない体質なんですよ。一方の我々は、先ほど申し上げたように『サンカメ』を含めてフィッティング販売に人材も機材も投資している。 だけどネット販売の購入者は、リアル店舗の設備やフィッティングを利用して、最適なスペックを教えてもらい、専門店よりも安いネットで買う」 <strong>となると、かなり頭に来ますよね。コストを掛けた設備をタダで利用して、肝心の購入はネットに行くわけだから。</strong> 「それがそもそもの発端ですよ。で、何が起きたのか。当初ECの影響は軽微だろうと考えておったんですが、リアル店でありながらフィッティング技術や適性クラブの推奨力をもたない店がネットの影響を受けました。 そのような店が過度な安売りに走ってしまい、次の段階では我々やWGHの方々も巻き込まれていく。そんな流れだったと思いますね。 2007年以降、当社に来店して、フィッティングは受けるけど購入は他店でするという傾向が目立ちはじめたわけですよ。で、いよいよ看過できなくなったのが去年の1月頃です。実態調査をしたところ、事態は想像以上に深刻でした」 <h2>「また来るわ」が原因</h2> <strong>実態調査をやったんですね。それで、御社でフィッティングをするけど他店で買うというゴルファーはどれくらいいたんですか?</strong> 「それはねぇ……非常に企業秘密です(苦笑)」 <strong>明かせませんか?</strong> 「はい。いずれにせよ、お客様は自分のイメージに合うクラブを試行錯誤しながら購入されるわけで、ゴルフクラブってのは本来そういう商品じゃないですか。 だから接客も一人最低30分は費やしますし、接客は人件費と設備投資の塊でしょ。一生懸命接客した挙句に『また来るわ』でヨソで買われたら、これは野放しにできませんよッ。そこで一部の店で効果検証をはじめたんです」 <strong>どのような方法で?</strong> 「それはね、接客中にこちらから値段の話を挿入するようにしたんです。そうしたら当社での購入率が如実に高まるという結果が得られました。 それ以前は『価格保証』という消極的な姿勢で、これは当社の価格が他店より高い場合、高いと証明できるモノをお持ちであれば対応しましょうという姿勢でした」 <strong>顧客の求めに応じる消極的な姿勢だったわけですね。</strong> 「そうです。一方の『他店徹底対抗』は、消極的な姿勢から積極姿勢に転じたもので、我々が市場価格を調べた範囲内で競合他店が3割引きなら、お客様から値段交渉をしてこなくても、こちらから市場価格を出しましょうと。そのように変えたわけですよ。 誤解があるなら残念ですが、当社が率先してどこよりも安くということではなくて、あくまで対抗策として合わせたんです。震災から1年数か月経ちますが、この間広告で『○割引き!』という表現は、新聞、テレビ、チラシなど、一切やっておりませんから」 <strong>今の話を整理すると、そもそも「他店徹底対抗」は地区ごとの価格競争に対するエリア戦略であって、局地戦だった。</strong> 「それが全国に広がったのは、連鎖反応によるものですよ。A店は『おれはやってない』と言うかもしれんけど、申し訳ないけどB店はやっている。そのB店に我々が対抗すれば影響はA店にも及ぶでしょ。するとA店も黙っていられないわけで、そういった連鎖反応から全国に広がったわけですよ。まあ、このあたりは資本主義の必然と言えるかもしれませんな」 <strong>ただ、今は去年の最悪期に比べれば多少マシになっていて、激安競争は微妙に落ち着いた印象もありますが、御社は「徹底対抗」の旗を降ろしたわけですか。</strong> 「いや、降ろしてはいませんが、今は消極姿勢というか、おとなしくしているところです(笑)。我々もね、正常な状態に戻したいし、そのきっかけを各メーカーの2012年モデルに求めているんですよ。 その試金石としては『ゼクシオ』に期待したいし、テーラーメイドの『グローレ』やタイトリストの『VG3』にしてもですよ、我々が率先して安売りすることはないと申し上げて、一旦、矛を収めました。 だけど昨今の市場価格をみると、限界かなぁ。いよいよとなれば、ひるむことなく舵を切ります」 <strong>それは、いつ、どんな状況で起こりますか?</strong> 「現状、いつでも起こります」 <strong>う~ん。</strong> <h2>シェア2割の巨艦の悩み</h2> <strong>ネット・中古の台頭が安売りの導火線だったという話ですが、これは単に安売りの話ではなく、流通の多様化における構造的な現象でもあると思うんですね。ECの台頭は、リアルショップの欠点や穴を突いて市場での認知度を高めてきた。つまり、新たな利便性の提案です。</strong> <strong>ところが御社は、ゴルフ用品市場でシェア2割を超える巨艦じゃないですか。巨艦は舵を切っても旋回に時間がかかりますが、それと同じで図体が大きいゆえに多様性への対応が不得意に見えます。そんな体質は?</strong> 「たしかにあります」 <strong>そのことを意識してるわけですか?</strong> 「だから自分たちの能力を最大限発揮するために、ミズノと協業をはじめたわけです。ピンやマルマンとも一部でやってるし、その成功例を見てほかのメーカーもアプローチしてきますがね。 ただ、各社のうちに対するアプローチは、必ずしも優れたものではありませんなぁ。少なくとも私の目にはそう見えます」 <strong>優れてない、とは?</strong> 「販売技術が低いゴルフショップにも同じ商品で対応するという姿勢ですよ。 あのね、誤解されたら困るんですが、我々はメーカーに対して『特別な商品をください』と要望してるわけじゃないんです。そうではなく、フィッティング技術を必要とする商品を提供してください、それを『我々の技術レベルで販売したい』ということなんですよ。 だから販売技術がない店でも売れるフィッティング商材が市場に蔓延すれば、この話はそもそも成立しませんし、一夜で崩壊するじゃないですか。『それでいいの?』と問いたいわけです」 <strong>なるほど。要はメーカーの覚悟ですね。メーカーとしては当然、ひとつのモデルで沢山の量を売りたいけど、販売量を求めると店によって異なる販売技術を許容することになる。その『技術差』を、御社はシビアに見るわけですね。うちは『サンカメ』を使ってる。あの店とはレベルが違うじゃないか、と。</strong> 「まぁそうです」 <h2>膨大な顧客データの活用法</h2> <strong>ゴルフ5が推進するフィッティング販売の領域に、いずれインドアゴルフが参入するでしょうね。それも多様性のひとつですが、対応策として、御社が駅前商圏で100坪ぐらいのフィッティング専門店を開くとか、そんな可能性はありますか?</strong> 「う〜ん、今のところそれはないでしょうなぁ。出店の余地がなくなってくれば話は別ですが、まだあると考えていますから。 それと、優先事項としては老朽化した90〜150坪の店舗ですね。これが30〜40店舗残っているので、スクラップ&ビルドを継続的にやる必要もあるんです。 アイテムが多い『アルペン』の業態だと300〜400坪は小さいので、これを『ゴルフ5』へ転用することを含めまして、テコ入れは常に必要ですから」 <strong>ところで、経営戦略の基本はシェア主義ですか?</strong> 「そこは企業ですからねぇ、成長を求めるのは当然だし、求めればシェアが高まることにもなるでしょうなぁ。とはいえ、シェアを取るために安売りをするという考えはまったくありませんよ」 <strong>シェア論について個人的な関心があるんですよ。</strong> 「うん?」 <strong>関心というのは、最大シェア企業の優位性についてです。これまでのシェア論は大量仕入れでコストを下げるとか、サプライチェーンを有利に抑えるといったように物理的な優位性が重視されましたが、今は情報戦略の面でもシェアが重要な意味をもちます。</strong> 「当然そうです」 <strong>市場シェア2割超ということは、ゴルファーの顧客情報を2割以上持っているわけで、いわゆるインテリジェント・リテーラーとしての優位性がありますね。これについてどんな構想をもってますか?</strong> 「そこはあんまり話したくないんだけど(苦笑)、我々の方針の中にあることは否定しません。おっしゃるようにシェア2割超という我々の生データは、我々だけの有益な資産ですから。 市場の2割以上を抑えると、顧客の購買動態や嗜好性が極めて明瞭につかめますし、現状では詳細な分析とまでは言えませんが、使えるところから順次活用してるんですよ。 例えば有力メーカー数社とは、年2回ほどビジネスミーティングをやってましてね、我々のデータの一部を叩き台にした議論をしています。このような活動を行いながら情報の有効活用を図っているわけで、メーカーとは具体的な話ができます」 <strong>情報収集はカード会員の囲い込みがベースになるんでしょうが、現状の会員数はどれくらいですか?</strong> 「そこは2種類ありましてね、ひとつはクレジット機能がついた『APグループカード』で会員は270万人です。これはゴルフ5を含む全店でポイント還元や様々なサービスが受けられるもので、全体の4割弱がゴルフ5を中心に購入される会員です」 <strong>つまり会員の4割近くをゴルファーが占める。</strong> 「まぁそうです。もうひとつはゴルフ5専用の『リライトカード』で、こちらは数十万人規模になりますかね。我々は『APグループカード』への変更を推奨してるんですが、以上が当社の抱える集団だと思ってください」 <strong>つまり、ゴルフ関連で百数十万人の購買データが把握できる。</strong> 「そういうことです。もちろん個人情報はきっちりガードしてますが、全体をいくつかのパターンで類型化して、年齢、ターゲット、技術や嗜好性を導き出せるんですよ。 あるメーカーがシニア用のクラブを開発したいと考えたとき、我々のデータを見れば細かな傾向がつかめるじゃないですか。どんなキャリアや志向のシニアに、どんな商品をどのように訴求すればどう動くのか。これはね、メーカーさんにしてみれば喉から手が出るほど欲しい情報でしょうなぁ(笑)」 <h2>データはPBの開発にも有効</h2> <strong>そのデータをメーカーに販売するんですか。</strong> 「今のところは無償ですが、メーカーが我々のデータを生かして商品化したときにはインセンティブを求めます。慈善団体ではありませんので、対価を求めるのは当然でしょう」 <strong>御社はSPA(製造小売り)で自社ブランドのPB商品も開発・販売してますが、その際もデータは威力を発揮しそうですね。</strong> 「それは大いにありますよね。PBの販売比率は言えませんが、近年はかなりの手応えを感じているんですよ。商品の精度が高まって、フィッティングも512種類(ドライバー)からチョイスできるため、大手メーカーのNB商品以上に最適な対応が行えます。 それとPBは、ゴルフ5ならではの差別化を担う部分も大きいから、データを活用した開発は非常に重要だと考えています」 <strong>自社製品のPBはNBよりも利益率が高い。当然、PBの販売比率を高めたいわけですね。</strong> 「実は、PBとNBのバランスに適正値を求めるのは難しいんですが、たしかに利益率は高いので注力したいとは考えています。ただ、意外かもしれませんがPBは逆風なんですよ」 <strong>NBの方がブランド認知度が高いから?</strong> 「というか、『徹底対抗』をやったおかげでNBに割安感が出てしまったじゃないですか。それでPBの動きが鈍化してるんですよ。 NBの市場価格が安定すればPBの出番も増えるので、先ほどの話に戻りますが、そのような事情を考えても我々が価格競争を望んでないことはわかりますよね。市場全体の発展を考えても、値段競争じゃなく、むしろ販売技術を高める競争の方が遥かに健全だと思ってます」 <h2>ゴルフ5はECに消極的?</h2> <strong>最後の質問です。</strong> 「どうぞ」 <strong>ゴルフ5はネット事業に消極的ですが、某EC大手の役員が「ゴルフ5のネット事業をウチでやらせてもらえないか? 話す機会があったら伝えてください」と言われました。つい先日の話ですが、どうです?</strong> 「どうですって言われても、そんなコトあるわけないでしょう、あり得ませんよ(苦笑)。リアルでフィッティング販売に注力している我々にとって、ネットとの相性はたしかに難しい課題もあります。 だけどすべてのゴルファーがリアルに来店できるわけじゃありませんから、そこをカバーする意味でもネットは必要だと思ってます。 それとね、今は消極的に見えるかもわからんけど、いきなり来月どーんとやるかもわからんし。やるとなれば当然自社でやりますよッ。先方さんにはそう伝えてください(笑)」 <hr>
    (公開)2023年04月19日
    一時期のゴルフブームは落ち着いたとは言え、練習場やゴルフ場はコロナ以前よりも女性ゴルファーが増えた印象がある。数人の友達グループで打席を訪れ、お互いのスイングをアドバイスし合う様子はゴルフ業界がずっと願っていた光景だ。 最初はお下がりやレンタルクラブで練習していた女性ゴルファーも、ある程度球が打てるようになってくると次に考えるのがクラブ選び。とは言え、長年女性用クラブは男性用に比べて選択肢が少ないというのが問題点だった。 そんな女性モデルの中で新たな選択肢になりそうなのが、ヨネックスから発売中の『Fiore』(フィオーレ)という女性モデルだ。ヨネックスの女性モデルと言えば『EZONE GT』があるが、それとは明確にコンセプトを分け、初心者や初めてクラブを買う女性、そして中級者も安心して使えるモデルとなっている。 そこで、日々多くの女性ゴルファーにクラブアドバイスをし、心のこもった接客が人気のゴルフ5 港北みなも店フィッターの菅野美寿希さんが『フィオーレ』を試打。ドライバーからアイアンまでその特徴を動画で解説する。 <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/9gKYSLHLTkw" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe> <h2>軽量で振りやすい女性ファーストのモデル</h2> <strong>菅野さん</strong> 『フィオーレ』は初心者セットや他のレディスモデルに比べて、ドライバーからアイアンまで軽量で振りやすいクラブになっています。始めたばかりの女性でも芯に当たって、ボールが上がる楽しさを体験できるクラブです。デザインもブラックとホワイトを基調にシャンパンゴールドが入っていて上品な「大人可愛い」見た目が特徴。ヘッドカバーもニット素材でクラブのデザインにマッチしています。初心者や初めてクラブを買おうという女性には真っ先に打ってほしいクラブですね。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/03/fiore2.jpg" alt="ヨネックス フィオーレ2023" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-76529" /> 女性にとって初めてのクラブ選びは迷うもの。ましてや店頭での試打は緊張するだろう。そんな時は菅野さんが在籍する、ゴルフ5 港北みなも店に足を運んでみてはどうだろうか? ■店舗情報 ゴルフ5 港北みなも店 住所:神奈川県横浜市都筑区中川中央2-7-1(都筑区、区役所通り大塚交差点角、港北みなも内) 電話番号:045-594-5785(店舗代表) 営業時間:10:00~21:00
    (公開)2023年03月28日
    12月21日、東京都渋谷区広尾にゴルフ5プレステージ広尾店がオープンする。高級路線でフィッティングによる高付加価値サービスを提供するプレステージブランドとしては、2016年10月オープンの日本橋店、今年6月オープンの新宿店に続く3店舗目。スポーツ量販大手のアルペンが運営するもので、コンセプトは「ゴルフ用品を売るだけでなく、新しいゴルフライフをお客様に提案する」というものだ。 <h2>ソール研磨も可能な本格的な工房を完備</h2> <img class="alignnone size-full wp-image-52160" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/12/prestagehiroo2.jpg" alt="プレステージ広尾" width="788" height="525"> 売場面積93坪に試打クラブは約2000本を完備。試打室は3打席(VIP試打室2打席)で弾道計測が設置され、パター売場にはパッティング解析機も常備されている。しかし、この広尾店の最大の特長は、カスタムに対応できる工房を完備したことだという。 10人近いスタッフを引っ張る岡謙二郎店長が説明してくれた。 「実は今回、ゴルフ5の店舗も含めて初めて取り扱いを行うのが『EPON』です。それもあって本格的な工房を店内に作りました。ただ、作業場というイメージではなく、売場と隔たりのないオープンキッチンのようなイメージなので、半分ガラス張りです」 そのこだわり抜いた工房スペースは、細長いスペースで計器や工具もシンプルでコンパクトなものが多い。 <img class="alignnone size-full wp-image-52161" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/12/prestage3.jpg" alt="プレステージ広尾3" width="788" height="525"> 「まず、売場のイメージと合わせてキレイな工房を目指しています。なので極力、ソケットや工具類は見えないように引き出しの中に収納しています。それと、作業中のゴルフクラブはなるべく移動距離を少なくクラブを平行に移動するだけで作業が出来るようにしたい。工房内であっても動かすことで御客様のクラブにキズが付くこともあります。細心の注意を払う意味で、コンパクトで使いやすい、ムーバブルな計器などを揃えています」 その工房で、ソールの研磨もゴルファーからの要望によっては行うという。その価格表も見せてもらった。 <img class="alignnone size-full wp-image-52164" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/12/IMG_9201.jpg" alt="プレステージ広尾店" width="4032" height="3024"> そのため、リシャフト作業時にシャフトティップ側の塗装を剥がすサンドペーパー以外にも、ソール研磨用のサンドペーパーも用意。町中の工房にも負けない最新鋭のフィッティング機器とソールまで削って調整してもらえる工房機能が最大の特長だというのも頷ける。 <h2>次はギンザ!? プレステージ成立要件は人口よりも富の集中</h2> <img class="alignnone size-full wp-image-52167" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/12/prestage5.jpg" alt="プレステージ広尾" width="788" height="525"> ゴルフ5プレステージ広尾店は、オープン前日の12月20日に関係者向けにプレオープンしている。クラブメーカーをはじめとする各社の幹部が顔を揃えた。一方、アルペンは村瀬一夫副社長が対応。今後のプレステージ構想の一部を話してくれた。 「東京で3店舗のプレステージ店をオープンできましたが、今後は立地や不動産物件次第ですが、限られた富裕層がメインのターゲット層となりますので、人口が集中する都市というよりは、それ以上に富裕層が集中する場所になるかもしれませんね。そういう意味では、東京なら銀座ですかね」--。 その他の大都市圏について聞いてみると、 「横浜、大阪、神戸は候補になるかもしれませんが、それを含めてもプレステージは10店舗出店出来れば十分ではないでしょうか。それ以外の場所だと、費用対効果が見込めるとは考えにくいですからね」 とにもかくにも、高級路線で高付加価値サービスのプレステージ。ゴルファーへ特別なサービスを提供するための店舗としては、ある種の希少価値も必要なのかもしれない。 <img class="alignnone size-full wp-image-52176" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/12/prestage7.jpg" alt="プレステージ広尾" width="788" height="525"> <img class="alignnone size-full wp-image-52177" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/12/prestage8.jpg" alt="プレステージ広尾" width="788" height="525"> ■店舗情報 店 名・・・ゴルフ5プレステージ広尾店 住 所・・・〒150-0012 東京都渋谷区広尾5丁目7-35 広尾コンプレックス1階 ○電話番号・・・03-3446-5021 ○営業時間・・・平日・土曜日/10:30~20:30 日曜日・祝日/10:00~20:00 ○アクセス・・・東京メトロ日比谷線広尾駅1 番出口から徒歩3 分 外苑西通り沿い ○店 長・・・岡 謙二郎(オカ ケンジロウ) ○店舗 URL・・・https://golf5-prestige.jp/store/hiroo ○取り扱いブランド・・・EPON、PXG、イーデルゴルフ、ドゥーカス、ゼクシオ、タイトリスト、キャロウェイゴルフ、テーラーメイドゴルフ、ブリヂストンゴルフ、ミズノ、ヤマハ、スリクソン、ピン、PRGR、オノフ、フォーティーン、ヨネックス、リョーマゴルフ、本間ゴルフ、マジェスティゴルフ、クリーブランド、オデッセイ、スコッティーキャメロン、クロノスゴルフ、シーモアパター、フジクラ、グラファイトデザイン、三菱ケミカル、ピレッティーパターなど
    (公開)2018年12月20日
    スポーツ量販最大手のアルペンは8月、今年6月で締めた前期決算を発表した。売上高は2276億円超(前期比3・5%増)で、ゴルフ事業が牽引した格好だ。 その要因を同社執行役員の岡本眞一郎ゴルフ商品部長は、外資系大手の独創的なクラブがヒットした結果と分析。同社はアルペン(59店舗)、ゴルフ5(207店舗)、スポーツデポ(149店舗=各前期末時点)を展開するが、ゴルフ5の売上構成比は久し振りに35%を超えたという。 外資系大手2社(キャロウェイ、テーラーメイド)の好調は、斬新な商品開発だけではないという。発売前の早い段階で小売側に情報を提供し、ショップの意見を生産計画に反映させる。一方の国内メーカーは、情報提供が遅いため売場として身動きが取りにくい。このあたりも影響したと考察する。 ただし、岡本部長は今後について危機感を募らせ、「改革の必要がある」と強調。課題は3つ。大型店舗の在り方の見直し、ECの販売構成比が3%と極端に低いこと、そしてレディスアパレルに代表されるソフトアイテムの強化である。 そのため、当期を売場改革の重要年度と位置づける。どのような手法で改革するのか。まずは動画で岡本部長が熱く語る。その後、ゴルフ5が抱える課題と解決策を詳述しよう。 <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/eOj7YV0TADQ?rel=0" frameborder="0" allow="autoplay; encrypted-media" allowfullscreen></iframe> <h2>切り札はカスタム専門の「プレステージ」</h2> ゴルフ5は売場面積別に6タイプある。90坪(7店舗)、150坪(10店舗)、300坪(120店舗)、450坪(58店舗)の4タイプに加え、スポーツデポとアルペンの店内に100~300坪のインショップが10店舗。さらにカスタム専門店の「プレステージ」が2店舗だ。 特に注力するのが150坪規模の「プレステージ」で、一昨年10月に都内日本橋に1号店、今年6月に新宿店、年内を目処に広尾に3号店を開業する。カスタム重視のコンサルティングセールスへ舵を切り、適正利益を確保する狙いがある。 「あくまで物件ありきですが、購買力が高い100万都市へ半年に1店舗のペースで出すのが理想的です」(岡本部長) ゴルフ5全体の6割を「300坪店」が占めているが、 「我々が得意だった初心者向けの低価格品やクローズアウトが厳しくなっているんです。初心者が減って成熟ゴルファーの構成比が高まると、新たな付加価値が重要になる。300坪は22年ほど前の浦和店が皮切りなので、賞味期限切れといったら言い過ぎですが、事業モデルとしては弱くなっています。 300坪の売場を確保するには、必然的に郊外になる。果たして、初心者がクルマを運転してまで来るだろうか。すぐにどうこうの話ではありませんが、将来を見据えると転機かもしれません」 このような話は、同社に限ったものではない。首都圏を中心に22店舗を展開する有賀園ゴルフは9月、都内新橋に売場面積170坪と、通常に比べて小規模なショップを開業するが、これも従来の事業モデルを見直す動きといえる。 ゴルフ5が注力する都市型のカスタム専門店「プレステージ」は、コアゴルファーの満足度を高め、過剰な割引競争から抜け出すための方策だ。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/09/180905_alpen7.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-48485" /> <h2>2830万ショットの試打履歴</h2> カスタム専門店をチェーン化するにはフィッターの存在が不可欠だが、その人材育成は一朝一夕にはいかず、多くの専門店が頭を悩ませる課題でもある。 その際、ゴルフ5は豊富なデータを蓄積している強みがあるようだ。店頭で日々、来店客が打つ試打データをまとめており、総数は2830万ショット。これを分析することでゴルファーの傾向値を探り、同時にフィッティング技術を高める「教材」にもなる。 「ショットデータからは様々なことがわかります。たとえばヘッドスピード(HS)分布です。一番厚いところ(ピーク)は41で、10年前もピークは同じでしたが、かつては41を中心に正規分布を描いていたのが、今は41を中心に、それより高い47とか50近い部分がえぐれているんですね。 年齢を重ねて体力が落ちて、魚影の濃い部分が下方に来ている。まさに『ゼクシオ』が年々軽くなっているのと同じです」 このようなデータをメーカーに提供する場合もあるというが、フィッターの育成にも活用できるはず。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/09/180905_alpen4.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-48464" /> プレステージの最大の特徴は、店内の在庫構成にある。ヘッドとシャフトを別々に陳列して、顧客の特徴に合わせて組み立てる。 「パターとウエッジは完成品だし、『マジェスティ』や『GⅢ』などの金ぴかクラブもインバウンド客用に完成品を置いてますが、それ以外はすべてカスタム用の試打クラブです。本数は1店舗当たり2700~2800本になります。 その上で、当社のエース級を集めたフィッターが、ドライバーからウエッジまで2時間ベタ付きでフィッティングする総合診断が8000円(ウッド4000円、アイアン4000円、ウエッジ2000円)。診断後3ヶ月以内にプレステージで購入すると、フィッティング料を返金するという仕組みです」 ただし、問題はある。プレステージの有料フィッティングで「最適スペック」を教えてもらい、同じ仕様のクラブを他の激安店で購入するケースが起こり得ることだ。フィッティングは有料だが、それを上回る割引額で同じ商品を購入できれば、ゴルファーは他店に流れてしまう。この点についてはどうなのか? 「その問題を解決するためには、顧客満足を高めるしかありません。一人ひとりのフィッティング技術はもとより、お客様の立場になって、ゴルフの悩みやゴルフを通じた生き甲斐づくり、そことどれだけ真剣に向き合えるかです。 プレステージの本質的な挑戦は、値引き以外の価値を生み出すことに尽きますから、スタッフの質向上が生命線です」 このような考えに基づくショップ経営は、従来のコスト構造からの転換を迫られる。端的にいえば、人件費の上昇だ。ゴルフ5の人員は1店舗当たり7~8名が平均だが、プレステージは通常の売場面積(300坪)の半分程度の規模ながら10名体制で対応する。その内5名がクラフトマンだ。 脱価格競争で「付加価値販売」を実現しなければ、プレステージ構想そのものが崩れるだけに、岡本部長が「本質的な挑戦」と語るのも頷ける。 ちなみに新宿店の構成は、売場面積が120坪、VIP用の試打室が2、オープン試打席が2、これにパター専用のフィッティングルームが設置される。 ※ゴルフ5プレステージ新宿店については「<a href="https://www.gew.co.jp/news/g_44646">6月7日(木)ゴルフ5プレステージ新宿店オープン</a>」に詳しく書いています。 <h2>女性用アパレルへの挑戦</h2> ゴルフ5のもうひとつの課題は不得意分野の強化であり、女性用アパレルの脆弱さをどのように克服するかに集約される。小売市場における同社のシェアは、クラブ全体で3割台後半と強いのだが、ゴルフアパレルは2割超、レディスアパレルに至っては1割超とアイテムによって凸凹がある。 それも当然の話で、郊外までクルマを運転して、300坪のクラブ売場でアパレルを購入する女性は想像しにくい。 「ですが、その分ノビシロはあると思うんですね。クルマを運転して郊外となると難易度が高い話ですが、単に新しいブランドを置くということではなく、わざわざ行きたい何かを用意する必要がある。 それは何かということを詰めてる最中ですが、一言でいえばプレステージの基本構想と同じです。豊富なブランドや色柄から、自分だけに最高のコーディネートをしてくれるスタッフを店頭に置くことを含め、顧客満足を高めることがカギになります」 つまり、女性社員を「スタイリスト」に育てる構想だ。同社の女性社員比率は約2割で、管理職は女性部長が1名、部長の下のマネージャーは若干名と少ない。いわば「男社会」ともいえる体質を見直すことも今後の課題になる。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/09/180905_alpen6.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-48486" /> 「アルペンアウトドアーズ」 同時に「空間演出」に注力する必要もあるだろう。工業製品の需要が全般的に低下して、「時間消費」が重視されるようになった。いわゆるモノ消費からコト消費へのシフトである。 ゴルフ業界にもこの流れに対応した動きがある。 ダンロップスポーツ(住友ゴム工業)は2014年10、12月に相次いでフィットネスクラブ2社を買収し、年内をめどに49店舗体制を目指している。フィットネスとゴルフの融合例に独自開発した「ゴルフ体操」があり、プレー寿命の延伸等につなげる構え。 また、ブリヂストンスポーツは東京・丸の内のビジネス街にマンツーマンのゴルフスクールを開業し、メーカーならではの最新機器を使ったレッスンや、近隣企業の福利厚生に役立てる青写真を描いている。 アルペンは4月、名古屋近郊の春日井市に時間消費型の大型店「アルペンアウトドアーズ」を開業した。店内にはキャンプ場を模したスペースがあり、 「時間消費型という意味では、ここがひとつの回答になります。オープン時には駐車場に行列ができる人気ぶりで、来店客のSNSには『気がついたら6時間も過ごしていた』との書き込みがあったほど。 まあ、6時間も過ごされたら駐車場の問題等で困りますが(苦笑)、いずれにせよ、ゴルフ5も商品構成やVMDの在り方を含め、時代に合った展開をする必要があるでしょう」 以上、ゴルフ5が抱える課題と解決策を駆け足で見てきた。クラブ市場で3割超のシェアをもつ巨艦だけに急旋回は難しいが、解決すべき課題は鮮明だという。今後、どのような艦砲射撃を連発するのか興味深い。
    (公開)2018年09月06日
    はじめまして! GEWの新人記者・大矢です。 昨日、「ゴルフ5プレステージ新宿店」(都内渋谷区)のプレオープンを取材しました。オープンは本日、6月7日。スポーツ量販大手のアルペンが運営するもので、コンセプトは「ゴルフ用品を売るだけでなく、新しいゴルフライフをお客様に提案する」というもの。2016年10月に、日本橋に1号店をオープンし、満を持しての2号店です。 入口左側には大きめの電光掲示板がそびえ、ガラス張りの外観はスタイリッシュな印象。通行人からも店内の商品が見やすい構造になっています。 売り場面積110坪の店内に入ってみると、一般的なゴルフショップのそれとは違い、メーカーごとに区分けされた空間ではなく、郊外型の大型店に比べて在庫量が少ない。その理由を同店の小口貴彦店長に聞いてみたところ、合点しました。 新宿店のコンセプトは、「お客様にピッタリの1本を」を合言葉に、フィッティングを第一に考え、ゴルファーに最適なクラブに出会ってもらうことを主眼にしているとのこと。記者が目にした店内のクラブはいわゆる吊るしの売り物ではなく、あくまでも試打用のクラブだとか。つまり、ゴルファーに最適な一本をカスタマイズするための「ベース」でしかないのです。 <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/1eAAHMBqgvs?rel=0" frameborder="0" allow="autoplay; encrypted-media" allowfullscreen></iframe> そのため、店内には4打席の試打スペースを完備。その内2打席は予約制の完全個室となっており、全打席にシミュレーターを導入しています。試打クラブは日本最大級の2700本を保有しているそうで、今後、2~3ヶ月以内には3000本に増やす予定とのこと。 むろん、販売スタッフも精鋭揃い。全国のゴルフ5から9名を選び、小口店長含めた大半が社内の試験を通過した「クラフトマン資格」をもつフィッティングのプロフェッショナルということです。また、近年の外国人観光客の増加に対応するため、中国語、ハングル、英語に対応できるスタッフも配置しているとか。 シャフトのラインアップも豊富。フジクラ、グラファイトデザイン、三菱ケミカル、USTマミヤの製品を幅広く取り揃え、「シャフトは新しいものが発売され次第、どんどん追加していく体制ができています」(小口店長) <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/R13nXaf27JQ?rel=0" frameborder="0" allow="autoplay; encrypted-media" allowfullscreen></iframe> 記者も実際に、個室試打ルームでフィッティングを体験させてもらいました。 対応してくれたのは、精鋭9名の1人であるクラフトマンの沖宗浩一郎氏。爽やかな笑顔と丁寧な対応に、ホスピタリティの高さを感じました。小口店長の「接客の質にこだわりたい」という言葉を実感できます。 3球ほど試打すると、記者の弾道や普段のゴルフの球筋の悩みを一発で見抜かれました。具体的には、上部、横、後方の3台のカメラを駆使し、ゴルファーのスイングを18パターンに分類。特に上部のカメラでは、インパクトの瞬間の映像から進入角、シャフト傾き、フェース角、打点などを瞬時に解析。そこから最適なシャフトをフィッティングできる仕組みです。またパターに関しても、最新型の「SAM PuttLab」を使ってゴルファーのスイング軌道から最適な1本を提案してもらえます。 <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/T5vKANQFHh8?rel=0" frameborder="0" allow="autoplay; encrypted-media" allowfullscreen></iframe> 沖宗氏によると「我々は、あくまでもゴルファーの要望に寄り添ってフィッティングしていきます。ゴルファーによってはどうしてもこのメーカーのこのヘッドが使いたいという要望もあります。ですから、計測結果から他のクラブがいいとなっても、希望のヘッドで最適マッチするカスタマイズを提案します。クラブとシャフトのデーターは頭にインプットしていますから」 わずか数分でクラブ選びの全てを委ねたくなる気持ちになり、この店のフィッティングへのこだわりを身をもって体験できました。 小口店長はこんな言葉で締め括りました。 「店名はプレステージと名付けていますが、アベレージ層や初心者にも気軽に来店してほしいですね。もし入り口で入店を躊躇されているようなお客様がいましたら、積極的に声掛けをして、入りやすい店内環境にしていきたいと思っています」 AI技術の進歩で、業界によっては販売員が不要と言われる昨今だからこそ、「個」の力、Face to Faceの大切さを重視した店作りに挑戦する。そんな意気込みを実感できました。
    (公開)2018年06月07日

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