では、なぜ韓流女子か?理由はいたって明白。狙いは韓国におけるボールのシェアアップに他ならない。
同社は世界第3位の市場といわれる韓国で、『XXIO』などクラブの販売が好調だが、目下の課題はボール事業だ。140億円、年間500万ダース(ともにゴルフ用品界社調べ)と推定される同国のボールマーケットは、タイトリストの『プロV1』がシェア5割超えと圧倒的な強さを誇る。『XXIO XD』も一定の評価はあるものの、『プロV1』に大きく水をあけられているのが現状だ。
プレミアムディスタンス系ではNO.1の『XXIO XD』のマーケティングはシンプル。サンプルボールを配り、その性能を実感してもらうこと。中身で勝負だ。
一方、プロラインのボールは、性能に加えてイメージが重要。ツアーからの情報発信力が成否のポイントだ。『プロV1』とガチンコ勝負する以外に方法はない。特に、男子よりも人気の高い女子プロの使用は、韓国では正攻法となる。
今回迎え入れたスタッフプレーヤーの顔ぶれにも、その本気が伺える。最高峰のステージで頂点に立った朴インビ、韓国では美人プロのツートップといわれるイ・ボミとキム・ハヌル。話題にならないわけがない。『スリクソンZ-STAR』の顔として、申し分ないスタッフと手を結んだ。
実際、「この2人と契約したことで、シェアは5%上がるでしょう」とは現地関係者の印象で、ゴルフショップでもどんなプロモーションを仕掛けてくるのか、興味津々だ。
昨年は、プレミアムボールの販売が不調に終わった。特に、日本ではその傾向が顕著。アジアも似た現象ではあるが、市場が微増を続ける韓国はチャレンジした分だけ数字は上がる。あとは、製品の伝道師となるショップをどれだけ巻き込めるか。長期的な視野も含め、流通とのタッグが事業拡大のカギを握る。