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    ハッシュタグ「マイカスタム」記事一覧

    コンセプト、ジオギャラクシー、ゴルフパフォーマンスなどを経て、2023年12月に独立したのがティームスのクラブフィッターの徳嵩力一氏。これまでプロを含め5000人以上にフィッティングを提供してきた。 現在は東京や千葉のレッスンスタジオを中心に出張フィッティングを行っている。そんな徳嵩氏が今回診た患者が、30代で元アメフト選手のA氏。パワーはあるが、使用中のクラブが軽すぎてスイングが安定しない。そこで提案したのが、ミステリーの中空アイアンとトゥルーテンパーのDGS400。そのポイントは重くて振りづらいクラブだとか。 <h2>どこを重くするかが最大のポイント</h2> プロを含め5000人ものフィッティングを行ってきた徳嵩氏は、最近気になることがあるという。 「大手メーカーの完成品クラブが軽すぎるという点です。速く振れるゴルファーであれば効果はあると思いますが、軽すぎる場合が多いですね」  クラブはヘッド、シャフト、グリップがあり、これまではシャフト、グリップで軽量化を図ってきたが、昨今は技術革新で中空ヘッドなど軽いヘッドもある。その軽いヘッドの出現で、クラブバランスを変えずにクラブ全体の総重量を重くすることもできるのだとか。 「どのパーツを重くするかが重要だと思います」  その考え方がハマったのが、今回の患者であるA氏。元アメフト選手の30代男性は、初級者だがパワーに合わない軽すぎるクラブを使用しており、クラブをしっかり振ることができず、スイングが安定しない。スコア100を切れない状況だが、あまりにも軽すぎる身体能力とミスマッチなクラブを使うことで、トップしかでないという。そのA氏に薦めたのが、ミステリーの中空アイアン『HS820』とトゥルーテンパーの『DGS400』。重心距離長め&ヘッド重量が軽めのアイアンヘッドと、重量級のシャフトで何が起きたのか? <h2>重いから手で上げられない その振りづらさがスイングを作る</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/10/HS820.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-83306" /> 徳嵩氏が説明する。 「ヘッドは中空ですが、重心距離が長く、しかしながら、通常のヘッドと比べれば1番手ほど重量が軽い。つまり、軽いけど、つかまらないヘッドです」  そのヘッドに、超重量級の『DGS400』を装着することで、使用中のアイアンと比較して、新しい7番アイアンは約20gの重量アップを実現した。 「いわゆる重くてゆったりしたクラブになります。通常なら、このヘッドに重量級のシャフトは採用しませんが、なんせ元アメフト選手。パワーがありますがスイングができていない。力任せに手だけで振ることができない、振りづらさを具現化したクラブで、このゴルファーにだから提案した組み合わせになりますね」  ヘッドの重心距離の長さもポイントだという。 「つかまりづらいというのも、ヘッドが重く感じるひとつの要素で、それも振りづらさに影響します」  もうひとつ、ヘッドの特徴があると徳嵩氏は説明する。 「このヘッドは低重心過ぎないヘッドで、上下の打点のミスに強いと思います。軽いヘッドでトップが出るA氏には、このようなヘッドが必要なんです」  軽すぎたクラブでトップが止まらなかったA氏はどうなったのか? <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/10/headspec.jpg" alt="" width="788" height="84" class="alignnone size-full wp-image-83310" /> <h2>軽すぎるクラブへの警鐘 速く振れないなら重くすべき</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/10/dynamicgold.jpg" alt="" width="788" height="72" class="alignnone size-full wp-image-83307" /> A氏は、このミステリー『HS820』 とトゥルーテンパーの『DGS400』 の組み合わせで、身体を使ったスイングが身に付き、スコアも100を切った。なにより重量が重いため、自信をもってスイングができるようになったという。 「最初にも話しましたが、軽いクラブは速く振ることができると大手メーカーは謳っていますが、実際そうではないゴルファーは多いですね。ひとつの基準はHSで、軽いクラブでHSが速くならないゴルファーは、逆に重いクラブを使った方がHSは速くなる傾向が強いですね」<br /> それに加え、 「軽いクラブは、軽いからテークバックしやすいですよね。それでオーバースイングになりがちで、上体が伸びてしまいます。伸びると戻ろうとするのがヒトの動きで、それがあるからトップやダフリが出てしまいます」 レアケースとはいえ、振りづらさを追求したヘッドとシャフトの組み合わせ。これもマイカスタムといえるだろう。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/10/shaftspec.jpg" alt="" width="788" height="56" class="alignnone size-full wp-image-83312" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> 和宏エンタープライズ 社長 足立昌也氏 「あまり聞かない組み合わせですが、絶妙ですね。『HS820』のヘッド重量が軽く、そして重心距離が長い特徴を、マッチョでも手だけで振っているゴルファーに向けて振りづらさに変換している点は大変興味深い。当初はシニア向けに開発した商品でしたが、HS の速い人にも使ってもらえているので参考になりますね」 <h2>ティームスとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/ZoKO01kh2k0?si=OOyByBt9I5qJUjXN" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒285-0850 千葉県佐倉市西ユーカリが丘1-8-17 info@tmsgolf.co.jp この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年6月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2024年10月06日
    2016年10月、都内世田谷区のオークラランドゴルフ練習場内にオープンした「大蔵ゴルフスタジオ」。開業から8年、フィッティングスタジオという立ち位置で、ツアープロを含め多くのゴルファーが拠り所としている。その常連客である52歳のA氏。公認会計士という職業柄、ゴルフは理論派。練習時間はないが、アイアンのミスをゼロにして、常にスコア90を切りたい。そのA氏に薦めたのが、キャスコの『UFO Speed』とロッディオの『LUNAR』の組み合わせで7本。セッティングからアイアンを抜いた。その効果を検証する。 <h2>ゴルフは娯楽だから組み合わせは何でもあり</h2> 大蔵ゴルフスタジオがオープンしてから8年。フィッティングスタジオという位置づけで、初心者からツアープロまで幅広いゴルファーが通う。試打できるシャフトは2000本と、ヘッドとシャフトのマッチングも無限に近い。代表の市川雄一郎氏は、 「ゴルフをスポーツとしてはとらえていません。だから、こうでなくてはならないという考えはないんです。極力練習せずにクラブで何とかして、という常連客も多いですが、それもアリですね」 その典型が今回登場するA氏。毎年クラブがセットごと変わり、ミウラもロマロもPXGも一通り使った。そのA氏の悩みはアイアン。公認会計士という仕事柄、合理的に物事を考える。練習に時間がさけず、とはいえ、アイアンのミスをゼロにしたい。探求心が強く、様々なスイング理論が頭に入っていながら、理論通りに身体が実行できない。だからミスがミスとして現場で起きてしまう。 そのA氏は当初、米国メーカーのリーズナブルなUT型アイアンを購入。8本で3万円の初心者用アイアンだった。 「もちろん、シャフトも合いませんし、価格相応なので、A氏が求めるミス軽減の条件を満たしていませんでした」 そこで薦めたのがアイアンの代わりになるキャスコの『UFO Speed』のヘッドとロッディオのしっかり系シャフト『LUNAR』(UT用)だった。 <h2>アイアンを抜いて『UFO Speed』7本</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/08/mycustom2.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-82676" /> A氏が求めたのが、ミスをした時に結果としてミスとならないクラブ。理論派だが、練習をしない。 そこで持ち込んだクラブの代わりに薦めたのがキャスコの『UFO Speed』。「アイアンなしで、もっと楽に飛ぶ」という謳い文句で、立ったロフトのヘッドは FW形状、ロフトが寝るにしたがってUT形状のクラブ。A氏には『33』(ロフト15度)、『44』(同18度)、『55』(同22度)、『66』(26度)、『88』(同34度)、『99』(38度)、『PP』(同42度)を推奨した。採用したのは、ロッディオの『LUNAR』のUT用シャフト。シャフトが必要以上に動くことを嫌い、しっかりとしたフィーリングを求める、比較的上級者のゴルファーに多いニーズに応えたシャフトである。 「A氏はHSがドライバーで40m/s程度ですが、スイングやスコアからいえばしっかり系のシャフトが合います。とはいえ『練習をしないで、ミスを失くす』というリクエストがなければ、『UFO Speed』にロッディオの『LUNAR』をセッティングすることは通常ないですね」  それも7本も投入した。 「特に『LUNAR』は、手元調子で重めのシャフト。ヘッドとのバランスは通常なら良いとは言えません」  メーカー純正の『UFO Speed』は『88』(Sフレックス)の総重量が363g。しかし、ロッディオ『LUNAR』(Sフレックス相当)を装着したクラブの総重量は、同じ『88』で399.5gと30g以上重くなっている。バランスはD2.0だが、純正品ならC9。その組み合わせで、A氏はミスが減ったのか? <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/08/mycustom5.jpg" alt="" width="758" height="109" class="alignnone size-full wp-image-82681" /> <h2>年1回買い替えるA氏が今回はエースクラブになった</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/08/mycustom4.jpg" alt="" width="788" height="38" class="alignnone size-full wp-image-82680" /> A氏は年1回、すべてのクラブを買い替えるヘビーゴルファー。それが今回の 『UFO Speed』と『LUNAR』の組み合わせにしたところ、 「半年以上は使い続けていますから、エースのセッティングになっています。いまでも練習する時間はないと聞いていますが、それでもミスが減ったそうですから、レアなセッティングだけど、A氏には大きな効果があったのでしょう」 「練習をしないゴルファー」―。 実は、大蔵ゴルフスタジオの常連客には、 「アンチレッスンのゴルファー、つまり教えられたくないゴルファーは多いんです。クラブで何とかしてくれって。なので、それぞれゴルファーの求める内容に合わせて、振り心地を重視してフィッティングしています」 昭和のモーレツゴルファーと違い、練習場でトラック1台分のボールを打つゴルファーは少なくなった。合理性を求め る中で、通常のクラブセッティングの概念が変わっている。アイアンなしのA氏のセッティングも、目から鱗のマイカスタムといえるだろう。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/08/mycustom6.jpg" alt="" width="758" height="73" class="alignnone size-full wp-image-82682" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> キャスコ 開発・企画部 藤原 雅彦氏 「『UFO Speed』はフェアウェイウッドからアプローチウエッジまでの距離をやさしく打てるアベレージゴルファー向けのモデルですが、標準シャフトでは物足りないという上級者には今回のようなシャフトの装着により、コントロールとやさしさを両立できます」 <h2>大蔵ゴルフスタジオとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/2rUBMnfX1Lk?si=bobSZs58uo2Fu2HA" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒156-0053 東京都世田谷区桜3丁目24-1 オークラランドゴルフ練習場内 TEL:03-6413-9272 URL:www.ogs-p.jp この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年5月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2024年09月01日
    セレクトショップでスタートし、今では工房はもちろん、シミュレーターを導入したインドア施設、そしてレッスンまでのワンストップで店舗運営をしているのがゴルフショップパル。競技ゴルファーから女性の初心者まで、多くのゴルファーの拠り所となっている。 今回の主人公であるA氏は、42歳の男性シングルゴルファー。HS46m/sと飛ばし屋で、FWやUT、アイアンなど地面から打つショットに関しては方向性、飛距離に問題はないが、ドライバーだけ左右に飛球が散る。ヘッドはバルドの『568DEEP』のままだが、推奨したシャフトはオートフレックスの『SF505X』だった。 <h2>ゴルフに真剣に取り組めばスペックは硬い、重い方向に</h2> 2011年にオープンしたゴルフショップパルは、当初セレクトショップとしてスタートした。そこからワンストップの店舗を目指し、工房やシミュレーターを導入したインドア施設にレッスンと物販、練習場の三位一体型店舗。常連客の中にはトレンドを追う顧客も多く、 「人気のユーチューバーやトレンドのスイングに感化されるゴルファーも多いですね。ゴルフに真剣に取り組んでいる証拠ですが、悪影響もあります」 そのひとつが、ゴルフがうまくなればなるほど、スペックは硬くて重い方向に進んでしまうこと。大きな理由は、トレンドのスイングやプロダクトに手を出してしまうからだという。今回のA氏も同様で、ゴルフに真剣に取り組むから、クラブのスペックが硬くて重くなり、 「力任せにスイングするようになって迷宮入りしたんです」 そんなA氏が使用していたのが、重心距離が短めでバルジが強めの操作性重視のバルド『568DEEP』と、地シャフトで70g台のSシャフト。それを軽柔シャフトの先駆者的存在であるオートフレックスの『SF505X』という55gのシャフトに変更。この組み合わせでどうなったのか? <h2>曲がると硬くする 一発の飛びはあるが</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/112.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-82195" /> 近藤店長が指摘する。 「ドライバーが曲がるアスリートゴルファーや叩きに行くゴルファーは、ほとんどの場合、フレックスを硬くして、トルクを少なく、いわゆる『しめる』方向にいってしまいます。そして、シャフトをしならせるためにテンションをかけるスイングになります。一発の飛びはありますが、力いっぱいボールをシバくのでタイミングに関係なくスイングして、迷宮入りすることが多いですね」 A氏はその典型だという。そこで通常ではセッティングしない操作性に長けたバルドの『568DEEP』に、オートフレックス『SF505X』をリハビリ的に薦めた。 「柔らかいながら、しなり戻りの速いオートフレックスのシャフトを装着すると、その柔らかさに合わせて力いっぱいスイングすることがなくなります。当店にはレッスンプロも在籍していて、スイングが改善してきたのを確認して、効果があると考えて推奨したんです」 近藤店長によると、それによってクラブの正しい使い方が体得できたとか。 「ある意味、リハビリになっていると思います。それによって、A氏は一発の飛びもありながら、左右に散らばっていた飛球がドローに安定して、スコアが縮まりました。競技ゴルファーなど上達すればするほどクラブのスペックが硬く、重くなる迷宮入りゴルファーには、ハマる組み合わせかも知れませんね」 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/113.jpg" alt="" width="788" height="140" class="alignnone size-full wp-image-82197" /> <h2>タイミングを体得してアプローチも上達</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/114.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-82199" /> このセッティングでドライバーの左右のブレがなくなったA氏は、苦手だったアプローチまで得意になったという。 「クラブはしならせて、しなり戻すというのが基本だと思います。それにはタイミングが大事で、硬いシャフトを力いっぱい振っていても、飛距離に繋がるタイミングは作れません。柔らかいシャフトでタイミングが取れるようになると、動きが小さく振り幅の小さいショットでもタイミングが取れます。それでA氏の場合、アプローチショットの上達につながったと考えられます」 飛ばし屋に多いといわれるのが、大きい動きは得意だけど、小さくゆっくりとしたスイングは苦手。A氏も同様だったが、ドライバーがこのセッティングになってアプローチまで上達したという。 とはいえ、通常なら60g台や70g台のSやXフレックスと組み合わせるのが王道の『568DEEP』と、オートフレックス『SF505X』の組み合わせは、 「リハビリクラブとしては良くても、ある程度飛ばないとスコアメイクできないシングルさんにはオススメしません」 A氏はドライバーがタイミングよく打てるようになったことで、アプローチまで上達した。今回のセッティングは意外性以上の効果があったといえるだろう。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/115.jpg" alt="" width="1368" height="170" class="alignnone size-full wp-image-82202" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> オートフレックス日本代理店 ゴルフジャパン販売 松浦 真也氏 「振ることができ、HSは増加するといわれており、飛距離アップすると思います。それと、意外に先端剛性が高く、球が散らばらない。その両方で、全盛期のスイングに戻るゴルファーは多いですね。とはいえ、この組み合わせをHS46m/s のゴルファーに最初からは薦めないですね」 <h2>ゴルフショップパルとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/-fBs6HKVSQc?si=jDDD3fe0YKy2crfN" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒141-0021 東京都品川区上大崎3丁目14−37 TGMタマビル1F TEL:03-5422-6585 URL:https://www.pal-golf.com/ この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年4月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2024年07月28日
    鉄の塊からウエッジを削り出すのが、レッドホイルのクラフトアドバイザー鈴木伸也氏。ひとりで工房を切り盛りするが、その技に引き寄せられて多くのこだわりゴルファーが集まってくる。その一人が53歳のA氏。14歳でゴルフを始め、30代のころはドライバーのシャフトが90g台と常識外のスペックを使っていた。ただ、スイングで身体を痛め、指をケガ。以降、HSと飛距離は落ちてクラブは軽くなっていく。そのA氏が50歳を迎えるのを機に鈴木氏が薦めたのが、ターフの高反発ヘッド『バディ・ハイパー』とスイス発シャフトの『TPT21Hi』シャフトだった。 <h2>「重い」が正義だと思っている 自分の能力や感覚と向き合わない</h2> レッドホイルの常連客は競技ゴルファーが多い。だから、 「プロのクラブを参考にする人が多く、重いシャフトを使いがち。『重い』が正義だと思っています。それは、自分の能力と真正面から向き合っていない。数値ばかり追って、自分の感覚を重視しないゴルファーが多いですね」 例えば、軽いクラブは、スイング中に遠心力で引っ張られない傾向が強い。それによって、 「クラブとゴルファーの力関係は、ゴルファーが主導権を握ることになります。スイングの精度が求められ、感性も磨かなければならず、鍛錬も必要。でも、みんな逆なんです」 この考え方は、今回の登場人物A氏にもつながる。30代の頃はHS48m/sでシャフト重量は90g台、クラブバランスD9のドライバーを使っていた。しかし、指のケガでHSは現在42m/s。セッティングは軽量の高反発ヘッドと、軽量だがアスリートが使うシャフト。ゴルフはどうなったのか? <h2>パワースイングで指に負荷 一気に開放して飛ばしていた</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/05/mycustom9-2.jpg" alt="" width="525" height="414" class="alignnone size-full wp-image-81464" /> もともとA氏のスイングはパワースイング。超重量級のクラブを一気にテークバックし、同時に下半身は左に回転し始め、トップで一気に上げたクラブを左手の親指で受け止め、その反動で一気にダウンスイングに入っていた。その反動が長年続き、親指をケガ。慢性的な症状で重く硬いクラブは打てなくなってきた。 A氏が軽量クラブを求める中で、鈴木氏が薦めたのが、ウエイトなしで189.5gターフの超高反発ヘッド『バディ・ハイパー』と40g台と軽量で低振動数ながらアスリート向けの『TPT21Hi』。 「このヘッドの恩恵を受けるのはHSが35m/s以下のゴルファーだと思います。一方、『TPT』は軟らかいスペックでもシャフトは締まったアスリート向け。この組み合わせは軽量を求めないなら、普通はあり得ません」 ただ、A氏はベテランの元アスリートゴルファー。スイングが出来上がっているから、先の話の通り、軽いクラブで主導権がゴルファー側になって、クラブを操れる。そして、 「スイングの精度が求められるので、飛距離や方向性を考えれば、ケガもあるから、力いっぱい振れなくなる。そこが狙いなんです」 結果、A氏はスイング中の親指の痛みもなく、全盛期の飛距離とまではいかないが、平均スコアは70台に戻った。さらに、ゴルフが続けられる状態を維持しているという。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/05/mycustom9-head-spec.jpg" alt="" width="788" height="131" class="alignnone size-full wp-image-81469" /> <h2>第二のゴルフ人生を作る ゴルファー寿命を延ばす</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/05/mycustom9-3.jpg" alt="" width="788" height="200" class="alignnone size-full wp-image-81465" /> A氏は次のように話していたという。 「ケガによって、そしてこのクラブとの出会いによって、飛距離への執着を捨てられました。誰もが300ヤード飛ばしたいと思う。ただ、できもしない事をやろうとしているのではないでしょうか。自分の能力を卑下するのではなく、認めることで私は第二のゴルフ人生を作ることができました」 完成したクラブは振動数214cpm。元スーパーへビー級のクラブを使っていた男が、いまでは総重量266.4gの超軽量ドライバーを使っている。鈴木氏がA氏について、付け加える。 「もともと超アスリートですから、スイングはできている。ただ、クラブが軽くなると主導権がゴルファーになり、速く振ろうとか、何でもできてしまう。だからこそ、余計に力が入らないようにスイングの精度を上げていかなければならない。クラブとしては難しくなります」 でも、それ以上のメリットがある。 「それはスイングの精度を突き詰めてスコアが縮まったことに加え、これから10年も20年もゴルフが続けられるということです」 通常では考えられないヘッドとシャフトの組み合わせが、ゴルファーのプレー寿命を延ばしている。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/05/mycustom9-shaft-spec.jpg" alt="" width="788" height="126" class="alignnone size-full wp-image-81468" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> TPT輸入代理店 ベガサスジャパン 堀口宜篤氏 「もともとアスリート向けのシャフトとして日本に上陸したので、そのイメージが強いですよね。そのイメージではセッティングしない組み合わせですが、いまでは軽く柔らかいシャフトもラインアップしています。とはいえ、高反発ヘッドとの組み合わせには驚きます。今後は軽く、柔らかいシャフトにも注目してもらいたいです」 <h2>レッドホイルとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/xvNWTv2ipIU?si=DQN7K07snJMI3Plc" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒133-0065 東京都江戸川区南篠崎1-14-12 TEL:03-5636-8455 FAX:03-5636-8456 この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年3月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2024年06月02日
    神奈川県相模原市で2つの練習場を行き来し、その駐車場で営業するのが移動式工房のグリーンポイント。練習場の入り口付近に駐車して、各練習場で週に2回ほど来場客相手に商売をしている。最近の困りごとは、市販クラブに重くて軟らかいシャフトの設定がないことだとか。そんなニーズが多いなか、今回の主人公は月例競技常連の70歳代後半のベテランゴルファー。最近飛距離が落ちているのが悩み。提案したのは20ヤードの飛距離アップを目指して開発されたプログレス『BB4』と、超軽量もラインアップする藤倉コンポジット『プラチナムスピーダー』の3Xの組み合わせ。それで飛距離が伸びたのか? <h2>硬いシャフトは敬遠でも重軟シャフト装着モデルはない</h2> 「マイカスタム」も9回目を迎えたが、工房取材を続けているとトレンドが見える。そのひとつが「硬いシャフトのニーズが減少している」ことだ。 この点に同調するのは、神奈川県相模原市の2つの練習場で営業しているグリーンポイントの井上裕幸代表。 「フィッティングすると、ワンフレックスの軽くて柔らかいシャフトがマッチするゴルファーが多く、硬いシャフトを勧めるケースが少なくなりました」 HSが速くても、軽くて柔らかく、そしてしなり戻りが速いシャフトを推奨するケースが多いという。今回の登場人物は70歳代後半で競技ゴルファーのAさんである。HSは40m/sでスコアは70台。平均飛距離は230ヤードだが、競技で戦うには物足りない。そのベテランゴルファーに推奨したのが、『BB4』のヘッドと『プラチナムスピーダー』3Xのシャフト。何が起きるのか? <h2>ケガで可動域が狭小化 硬いから余計な動きがない</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/04/greenpoint3.jpg" alt="" width="788" height="163" class="alignnone size-full wp-image-81189" /> 井上代表が説明する。 「Aさんは肩をケガして手術した後、肩の可動域が狭くなってスイングがコンパクトになっていました。年齢的には軽くて柔らかいシャフトを勧めるのが王道ですが、それだと入射角が鋭角になる。ダウンブローにインパクトを迎えていたんだと思います」 先述の通り、昨今の軽柔シャフトはスイングするとしなり戻りが速い。スイングがコンパクトになったことに加えて、しなり戻りが速いとインパクトを迎えるタイミングも早く、スイープにインパクトを迎えることができなくなっていた。さらにスピン量が増加、ミート率も下がり飛距離が落ちたという見立てだ。 「流行りの軽柔シャフトはタメが作れず、シャフトをしならせられないゴルファー向きです。ただ、Aさんはスイングがきれいでタメも作れる。シャフトもしならせられます。軽くても柔らかいシャフトは必要ないんです」 出来上がったクラブは総重量290g。ただし、シャフトは30g台でもフレックスはX。クラブの振動数にいたっては260cpmだから、HS40m/s前後の、それも70歳代ゴルファーには、通常は推奨しない組み合わせだ。 「硬いシャフトでなければ、マッチしないケースの典型ですね」 それによって飛距離が10~15ヤード伸びたという。そしてヘッドだ。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/04/greenpoint5.jpg" alt="" width="788" height="128" class="alignnone size-full wp-image-81195" /> <h2>HSに関わらずたわむヘッドとの相性</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/04/greenpoint4.jpg" alt="" width="541" height="525" class="alignnone size-full wp-image-81191" /> もうひとつ飛距離が伸びた理由は、ヘッドだ。プログレスの『BB4』はソールの蛇腹構造でHSのスピードに関わらず、ヘッドがたわんで飛距離が伸びるというのが謳い文句。ヒットがないと言われる地クラブドライバーのヘッドで、近年のヒット作と言われている。 「ヘッドとの相乗効果もあると思います。スイングが完成されていて、かつHS40m/sでもXシャフトを打ちこなせる技量の持ち主でも、ヘッドがシャフトとマッチしなければ、飛距離は伸びない。その点が奏功したのだと思います」 とはいえ、HS40m/sの70歳代ゴルファーに、シャフト重量30g台といえどもフレックスはXである。 「もちろん、ワンフレックスの軽柔シャフトも試しましたよ」 それでもXシャフトに行きついた。強烈な振動数のクラブが、ベテランゴルファーの飛距離を救った。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/04/headspec.jpg" alt="" width="788" height="128" class="alignnone size-full wp-image-81196" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> 藤倉コンポジット 飯田 浩治氏 「出来上がったクラブの振動数などを聞くと少し驚きますが、年配でもしっかりタメを作れるゴルファーなのだと思います。そのようなゴルファーのために『プラチナムスピーダー』でも30g台の設定があるので、お役に立てて嬉しいですね」 <h2>グリーンポイントとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/p9hbniH_7wY?si=Jn9gPqAT-O1f1Miw" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒252-0135 神奈川県相模原市緑区大島2251-1 TEL 090-2440-2560 FAX 042-715-3114 この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年2月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2024年04月28日
    茨城県土浦市のマロニエゴルフ。会員権販売と物販の老舗だが、工房を担当するのが川﨑将朗常務。最近のゴルファーはギアオタクも多いため、「リッチなゴルファーは次々とクラブを買って迷子になる」傾向が強いとか。そんなゴルファーA氏が今回の登場人物。ギアオタクで、PGAツアープロの使用クラブに次々と挑戦。結果、ドライバーが安定しない30代後半の男性である。その彼に川﨑常務は、巷で噂のシンカグラファイト『ジンガー4』を提案した。その結果は、果たして? <h2>ギアオタクのPGAツアー好き 次々とシャフトを変えて迷子</h2> 米PGAツアーや世界中の試合が日常的に視聴できて久しく、日本のゴルファーへの影響も大きい。 「ギアマニアで、PGAツアーのプロが使っている最新ギアをすぐに買うゴルファーが増えました」 マロニエゴルフでクラフトを担当する川﨑将朗常務は、そう話す。 「ゴルファーがクラブに詳しくなるのは良いことですが、ネット通販で、日本では手に入らないパーツを買う傾向も強まっています。自分のスイングに合うかどうかは二の次で・・・」 その典型が今回登場する30代後半のアスリートゴルファー「A氏」。大学ゴルフ部出身でスコアは70台。HS48m/sのパワーヒッターだが、ドライバーが苦手という。使用中のシャフトは手元と先がガチガチで、60g台のXフレックス。長さは45インチのセッティングで、飛球が右に左に散らばるのが悩み。 そんなA氏に川﨑常務が提案したのが、工房で話題のシンカグラファイト『ジンガー』だ。幅広いゴルファーに対応したマルチフレックスのシャフトで、切り返しでの「間」と「タメ」を、手元側の大きなしなりとトルクで増幅する大胆な設計。ヘッドはテーラーメイドのプロ・上級者用『ステルス2+』。この組み合わせで何が起きたのか? <h2>硬いシャフトは操作したくなる スイングが安定しないと右へ左へ</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/03/maronie21.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-80590" /> 川﨑常務の話。 「硬いシャフトの特徴は、その硬さゆえに、振れるゴルファーが必要以上に操作しようとすることです」 なにやら深い・・・。こういったことらしい。例えば、オーケストラの指揮棒は硬いから、しなることなく、指揮者は的確に指揮できる。一方、硬いシャフトはしなりにくいため、ゴルファーが意図的に操作する。その操作の幅が広がって、インパクトがズレる・・・。 そこで逆に、40g台の『ジンガー』を提案してみた。 「Aさんはゴルフ部出身なので、スイングも我流の部分が大きく、最近レッスンに通い始めたそう。それもあって『ジンガー』を打ってもらいました」 なぜなら、『ジンガー』は間とタメを作るのに最適だという。基本的に軽くて振動数は低いが、ハリがあるため、単なる「軽柔」のシャフトではない。シャフトを操作するのではなく、シャフトに仕事をしてもらえる。それによって、 「使い手が何もできないような状態をつくります。つまりシャフトが仕事をしてくれて、必要以上に操作しなくても良い状態を狙いました」 その結果、ドライバーショットでインパクト・弾道とも安定したという。 <strong>ヘッドスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/03/maronie4.jpg" alt="" width="788" height="149" class="alignnone size-full wp-image-80592" /> <h2>スペックや説明を信用するギアマニアだから成立した</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/03/maronie3.jpg" alt="" width="788" height="261" class="alignnone size-full wp-image-80588" /> A氏はギアマニア。だからこそ、自分のパワーに寄せるプライドよりも、マニアックな興味関心が勝り、理解を示したのではないか、という。 「60g台を使っていた30代のゴルファーは普通、40g台は選択しません。ギアマニアだからこそ、メーカーの説明書きやスペックを理解して、納得度が増すと思うんです」 むろん、A氏が志向していたPGAツアーのギア観とは、全く違う世界になってしまうのだが・・・。 ともあれ、HS48m/sのアスリートゴルファーに40g台のシャフトを提案した今回のマイカスタム。A氏にしてみれば、目からウロコだったに違いない。 <strong>シャフトスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/03/maronie5.jpg" alt="" width="788" height="147" class="alignnone size-full wp-image-80593" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> シンカグラファイト 辻垣内柾好氏 「AさんのスコアやHSを聞く限り、かなりのパワーヒッターなので『ジンガー4』を薦めるのは珍しいと思います。それが第一印象ですが、『ジンガー4』のコンセプトは、打てば打つほどスイングが良くなるシャフトなので、今回のフィッティングがスイングを見つめなおす機会となり、弾道が安定したんでしょう」 <h2>マロニエとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/VWa5BM6prYY?si=X_cXtxgN_wW7hXDI" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe> 〒300-0876 茨城県土浦市北荒川沖町1-35 1F TEL 029-843-0500 この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年1月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2024年03月17日
    スタジオCGAは東京都内の有力工房で、多くのプロやアマゴルファーが集う。山崎康寛代表が2006年に開業して、2021年6月には同じ東京都練馬区内に移転、室内練習場を備えた工房としてリニューアルした。練習して、レッスンを受けて、クラブの面倒を見てもらえる工房だ。今回の「マイカスタム」はHS50m/s以上ながら、ドライバーだけ球筋が定まらない男性ゴルファー。中上級者向けのヘッドに、カットすると40g台の軽柔シャフトを提案した。 <h2>ユーチューブの悪影響 振れないのにハードスペック</h2> 多くの工房と同じように、山﨑氏も集客にSNSを利用するため、新規ゴルファーの来店も多い。そして、彼らの多くがユーチューブの影響でハードスペックのクラブを使っているという。 「とあるチャンネルを見た人が多いですね。ギア好きのゴルファーで、そのままユーチューブを信用して、出演者が使っているハードスペックのクラブと同じスペックを使っている人が多い」 具体的には、 「出演者はハードスペックのクラブを振りこなせます。プロ向けのヘッドにPGAツアーでもハードスペックと言われるシャフトの組み合わせです。クラブ全体の重量は問題ない場合が多いですが、シャフトのフレックスが硬すぎる。振り切れないし、シャフトをしならせることができない状態のゴルファーが多い」 コロナ過の用品市場の低迷で、ユーチューバーを用品メーカーが多用するなど、一時期は多くのメーカーがSNSを中心としたPRに切り替えた。その一つがユーチューブ。その悪影響があるという。 そんなゴルファーが多い中、今回の登場人物は40代男性で、HSは50m/s以上。スコアも70台のアスリートだが、ドライバーだけ球筋が定まらない。そこに中上級者向けのミステリー『CF455ツアー』とFSPの軽柔シャフト『MX-V BRN』という新商品。 『CF455ツアー』は大慣性モーメントとバランスの良い重心設計により、安定した方向性と圧倒的な飛距離を達成したヘッド。一方の『MX―V BRN』は軽量で低振動数ながら、ボロンと5軸カーボンの強いコシが当たり負けを防ぎ、ミスに強くボールを弾き飛ばしてくれるという触れ込みだ。この組み合わせで、一体どうなるのか? <h2>硬いシャフトはトゥダウンしづらくヒールヒットになりやすい</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/02/mycustom2.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-80189" /> 今回の登場人物は40代男性でハードヒッター。HSも50m/s以上だが、ドライバーが苦手。日本人ゴルファーにありがちだが、例にもれずハードスペックのシャフトを使っている。 「硬いシャフトは、しならせることができにくい、ねじれをうまく使えないという点があります。スイング中はクラブの重量による遠心力で前方に引っ張られるので、トゥダウンしにくい硬いシャフトだと、フェースセンターで構えていても、インパクト時にはヒールに当たってしまう。しならせられない、ねじれを使えない場合、それが硬いシャフトのメリットなんです」 一方で、軽くて軟らかいシャフトは、スイング中のヘッドの位置を感じやすい。最初はタイミングを合わせるのが難しいが、しなりやねじれが適度にあって、トゥダウンしやすく、インパクトでセンターをとらえやすい。もうひとつある。 「硬いシャフトはしなりづらいので、手で振ろうとします。ダウンスイング時のタメもできにくく、結果的にしなりを使えず、ヘッドも走らないですね」 山﨑氏自身、頚椎ヘルニアを患い、硬いシャフトが使えない。HSが低速化した時に、軽く軟らかいシャフトをテストしたという。 「結果、今回のケースと同じで、HSが速くなりました」 <strong>ヘッドスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/02/hedspec.jpg" alt="" width="788" height="196" class="alignnone size-full wp-image-80193" /> <h2>カット後40g台のシャフトは普通なら競技者には提案しません</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/02/mycustom3.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-80191" /> とはいえ、『MX-V BRN』はカットすれば40g台のシャフト。さらに振動数もクラブにして209cpm。それだけを見れば、通常なら競技ゴルファーに推奨しない。ただ、このシャフトは5軸カーボンとボロンで先端強度を高めたモデル。軽くて柔らかいのに当たり負けもせず、軽量感もあまり感じない。 「今回のゴルファーはミート率も上がり、HSも以前よりも増しました。球筋も安定しましたね。なので、このセッティングはひとつのひな型になりそうです」 クラブを軽く感じない理由も明確だ。 「軽くてもシャフトがしなれば、インパクトでトゥダウンを起こします。その結果、ヘッドは地面方向に垂れますから、ヘッドの重心がシャフト軸線から離れます。だから、スイング中にクラブを軽く感じないんです」 その意味では、山﨑氏は「軽硬」シャフトもあまり推奨しない。 「『重柔』『軽柔』が最近はオススメです」 HS50m/s以上のゴルファーに40g台の軽柔シャフトと中上級者向けヘッド。工房ならではの知恵が結集した組み合わせと言えるだろう。 <strong>シャフトスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/02/shaftspec.jpg" alt="" width="788" height="195" class="alignnone size-full wp-image-80195" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> 和宏エンタープライズ 足立昌也氏 『CF455ツアー』はつかまり過ぎない低スピンヘッドですが、シャフトはFSPさんの『MX-V』をベースにもう少しHSの速 い方向けに作ってもらったんです。ただ、想定HSは上限が45m/sだったので、HS50m/s 以上のゴルファーでもマッチすると聞いて、ポテンシャルの高さを感じましたね。 <h2>スタジオCGAとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/vz1i4ziBCnA?si=ia-u0Bhg2R_aoL_g" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe> スタジオCGA  〒177-0044 東京都練馬区上石神井1-25-3 TEL 03-5903-9108 https://cga-golf.cc/ この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2023年12月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2024年02月11日
    埼玉県川口市。東京外環自動車道川口中央ICから車で10分。大型練習場フォーシーズンズゴルフガーデンの入口横に、トッズゴルフラボは5坪弱のコンテナ工房を構える。一人で切り盛りするのが真柄肇氏だ。今回の「マイカスタム」は、重心距離の長い外資系の大型アイアンヘッドで、弱い球が出てスライスに悩む70歳のベテランゴルファー。ロフト角が立ったアイアンより、つかまり重視でマッスルバックのアイアンと、軟らかく安定した挙動のシャフトを提案した。 <h2>弾道計測器では立ったロフトが飛ぶと評価される時代</h2> トッズゴルフラボは練習場の駐車場で営業している。だから、試打クラブを借りて練習場で試打する常連客も多く、 「弾道計測器ではなく、実際の球筋を見て判断するのが大事です」 そう、真柄氏は語気を強める。 「弾道計測器では、ロフトが立ったヘッドの方が初速は速く算出される傾向が強いと思います。ただ、ロフトが立っているとボールはつかまらない。その意味では、ゴルフを難しくしているのはロフト角だと思いますね」 それに加え、 「もうひとつ問題になるのは硬いシャフトです。硬いシャフトは力いっぱい速く振ろうとします。屋内で試打をする場合、ロフトが立っていて、硬いシャフトのクラブを一生懸命試打するので、瞬間的に数値は良い場合がほとんどです。ただ、ロフトが立っていては、グリーンで球が止まらない。過度の低重心でスピンが入らない。球もつかまらない。でも、ロフトが立って硬いシャフトのクラブを薦められるゴルファーは多いんです」 真柄氏は、そんな現状があると指摘する。そのような中、今回の主人公は70歳男性ゴルファー。外資系の大型ヘッドのアイアンで、球がつかまらず、ペラっとしたスライスが出ていた。 <h2>重心距離が短く、多ロフトでつかまえて強い弾道へ</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/12/tozz2.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-79881" />   70歳の男性ゴルファーに薦めたのが、BUCHIのアイアンヘッド『T22M』とオートフレックスのアイアンシャフト『SF405』。BUCHI『T22M』のキャッチコピーは「研ぎ澄まされた流線美」で、マッスルバックだ。素材もS15CKという軟らかい打感を実現したアイアンである。 一方のオートフレックス『SF405』は、軟らかいのに安定した挙動という性能で、様々なスイングタイプに合わせて「しなり幅」や「しなり戻りのタイミング」を最適化するシャフト。それによって、 「ヘッドの重心距離が短く、また、ロフトも同じ7番で4度ほど寝ているので、ボールがつかまる弾道になる。それでスライスが抑制され、ボールも強い弾道になりました。もうひとつ、『T22M』のソール幅が狭いことで、ヌケが良くなってつかまり具合が向上したことも弾道が強くなった理由だと思います」 もともと、右手が強く、カット軌道だったため、弱い球でスライスが出るスイング。それが、ロフトが寝ていて重心距離が短く、ソール幅が狭くヌケやすい。そこに軟らかいが安定した挙動のオートフレックスで、球がつかまり、カット軌道のスイングも修正された。 <strong>ヘッドスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/12/tozz3.jpg" alt="" width="788" height="202" class="alignnone size-full wp-image-79882" /> <h2>飛距離もほぼ変わらず 想定内だけど意外性もあった</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/12/tozz4.jpg" alt="" width="788" height="116" class="alignnone size-full wp-image-79883" /> ※写真はドライバー用 今回のセッティングは70歳男性に向けたものだが、HSも38m/s程度とパワーヒッターではないゴルファーに、マッスルバックと軟らかいシャフトの組み合わせは、まず見たことがない。このあたりに自在性が伺える。 「もちろん、このようなセッティングでペラっとしたスライスから球がつかまって、強い弾道になるのは想定してましたが、距離もほぼ変わらない結果になったのは意外でしたね」 軟らかいシャフトによる効果もある。 「テイクバックからシャフトがしなりますから、トップからの切り返しで手が素直にインサイドに落ちてきます。それもボールのつかまり具合を向上させた要因だと思いますし、それによって、前に使っていたクラブとロフトで4度ほど差がありますが、飛距離が変わらなかったのだと思います」 新たな発見は、ロフトに4度も差がありながら、ロフトより、ヘッドの短重心距離によるつかまり具合の向上、そしてソール幅と軟らかいシャフトが、弾道の強さはもちろん、飛距離につながったことだろう。シニアにとって加齢による飛距離減退は大きな悩みだが、安易に「飛び系アイアン」に飛びつくのは、危険をともなうと真柄氏は強調する。今回も、目から鱗のマイカスタムだった。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/12/tozz5.jpg" alt="" width="788" height="148" class="alignnone size-full wp-image-79884" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> オートフレックス 日本地区輸入代理店 ゴルフジャパン販売 松浦真也氏 「今回は、テイクバック時のしなりが残像として残り、良い効果を出しているケースですね。軟らかいシャフトだと、タメもヘッドのターンも、走りも意識するので良いスイングになるんです。でも、70歳のシニアでしょう? 非常に興味深いケースだと思いますよ」 <h2>トッズゴルフラボとは?</h2> <iframe width="788" height="443" src="https://www.youtube.com/embed/9_h1qkZiZ_4?si=FtU04co-7T8fSi_o" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe>
    (公開)2023年12月31日
    千葉県木更津市。住宅街の一角で営業するのがゴルフ・リミックス。一人で切り盛りする藤田典紀代表は、玩具のトイザらス出身ということもあり、商品の充実に余念がない。ヘッドやシャフトでも膨大な品揃えが特徴の工房だ。今回の「マイカスタム」は、スコア100前後、30歳の女性ゴルファーが主人公。悩みは縦の距離が揃わず、スコアに繋がらない。その女性ゴルファーにマッスルバックアイアンを薦めた。 <h2>多くのゴルファーが軽いクラブ だから飛ばないし安定しない</h2> 最近の傾向を藤田氏に聞くと、 「軽いクラブを使う、軽いクラブが良いという傾向が強いですね。それは間違っていると思いますよ」 藤田氏の語気が強まる。 「だって、ボールの重量は変わってないじゃないですか。女性でも男性でも、シニアもプロも、同じ重量のボールを使っっている。それなのに、そのボールにぶつけるクラブが軽いと、単純に負けますよね。それが分かっていないゴルファーも多いと思います」 さらに、 「もうひとつ、重いクラブを振ると体幹でスイングできるようになるんです。軽いクラブでは小さい筋肉しか動きませんし、それでは飛距離も出ない。女性だとバンカーから脱出できないですよね」 それを解決するために、重いセッティングを推奨するのだが、今回のケースは女性ゴルファーだ。彼女の悩みは、不安定な縦の距離が原因でスコアにならないことだとか。そこで、なんと、アーティザンのマッスルバックアイアン『LS★720MB』とクレイジーの『ARROWアイアン』を薦めた。 これにより、何が起きたのか? <h2>軽いがシッカリした軽量シャフトとプロも絶賛のマッスルバック</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/11/remix2.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-79593" /> 今回のケースは、30歳、HS30m/s、プレー頻度は週2回だが、スコア100前後の女性ゴルファー。これまでは、高級国内メーカーのアイアンを使用していて、悩みは縦の距離の不安定さによるスコアメイクだ。 「アイアンの前に『アーティザン』のウエッジを購入された。その流れで、悩みのアイアンも『アーティザン』のマッスルバックにしました。これまで使用していたアイアンはレディス。スイングは体幹を使った良いスイングなのに、飛ばないし安定しない。そこで思い切って重たいヘッドにしたんですよ」 アーティザン『720MB』に、クレイジーの『ARROW』シャフトを挿した6番アイアンは347.5gで、以前のアイアンに比べて30g以上も重い。ロフトも6度は寝ている。装着したのはHSに合わせた40g台の『ARROW』だが、フレックスはSRだ。 「女性ならではで、ロフトが寝て球が上がり、ヘッド、クラブの重量でビッグボールが打てるようになりました。『ARROW』はシニア、女性向けの軽量シャフト。ただ、軽量ですがシッカリしたシャフトなんです。今回の女性はスイングがシッカリしているので、フレックスも硬めのSRにしたんです」 <strong>ヘッドスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/11/headspec1-1.jpg" alt="" width="788" height="207" class="alignnone size-full wp-image-79602" /> <h2>女性だからこそ重いクラブをランで稼ぐゴルフからキャリーに</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/11/Arrow_-White_front1.jpg" alt="" width="788" height="104" class="alignnone size-full wp-image-79594" /> この組み合わせによって、ビッグボールが打てるようになり、クラブ重量でインパクトエネルギーが強くなった。それでアイアンでのキャリーが伸び、これまでつかまっていたバンカーも避けられるようになったという。 「女性は軽いクラブを使うため、球が上がらない。キャリーではなく、ランで距離を稼ごうとするからバンカーに入る。バンカーから出ずにゴルフが嫌になる。そんな女性ゴルファーは多いんです」 それに加えて、 「重いクラブを振ると、身体とクラブでコミュニケーションが取れるようになるんです。軽いクラブでゴルフをしてはダメですよ。ゴルフを続ける上で重要なことだと思います」 結果、30歳の女性ゴルファーは、アイアンの縦の距離が安定して、スコアも縮まっているというが、とはいえ、女性にマッスルバックと軽・硬のシャフトの組み合わせ。常識を覆すマイカスタム。しっかりした体幹を見極めての着想だ。 <strong>シャフトスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/11/shaftspec1.jpg" alt="" width="788" height="156" class="alignnone size-full wp-image-79603" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> アーティザン輸入代理店 インフィニットゴルフ 秋山 弘充氏 「ソール幅、そしてスイートスポットが狭いため、アスリート向けに見られがちな『720MB』ですが、アスリートからアマチュアまで幅広く愛用してもらってます。今回、女性ゴルファーに選んでもらったのも、そういう先入観がなかったからかもしれませんね。幅広いゴルファーに使ってもらいたいですね」 <h2>ゴルフ・リミックスとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/IkfutKgJrTA?si=XW91w-8eMGKSFyFb" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe> 〒292-0038 千葉県木更津市ほたる野4丁目19-1 TEL 0438-97-8577/ FAX 0438-38-3308 https://www.golf-remix.com/
    (公開)2023年12月03日
    ゴルファーズ・ガレージ・サムライといえば以前はユーチューブでチョンマゲのカツラで試打インプレッションを行っていた工房。中古店から始まり、いまでは埼玉県屈指の工房としてゴルファーの信頼を獲得している。そのクラフトマンが取締役の枝松和健氏。今回の目からの鱗のマッチング「マイカスタム」は、スライサーが球をつかまえすぎて、よりフックになることを抑制したセッティング。その意外な組み合わせが興味深い。 <h2>力自慢が硬いシャフトで身体が開く 小さいヘッドに短いシャフト</h2> サムライの常連には、建築関係の力自慢ゴルファーが多く、軟らかいシャフトだとスライスするが、硬いシャフトでも振り遅れてスライス・・・。どっちにしても、スライスに悩むゴルファーが多いという。原因は少々複雑だ。 クラブが長いと、しなってくれると思い込んで身体が開く。シャフトの先端がインパクトに間に合わず、かつ、しなりを利用できず打ちにいってしまう。 これを解決するために、インパクトまでのタイミングが短い短尺で、返りやすい小ぶりのヘッドを組み合わせる。それによってスライスを抑制する。この考え方は一般的なのだという。 枝松さん自身、逆の症状に悩まされた経験があるという。それはインサイドアウトのスイングで球を右に打ち出し、つかまえるとドローではなくフックが出る。その時に考えた解決策が、今回紹介する「マイカスタム」のセッティング。『ロッディオ』のポケットキャビティのヘッドに、コンポジットテクノの競技者向けのシャフトを合わせる。これにより何が起きたのか? <h2>スライサーなのにつかまって左へ ヘッドを遅らせる組み合わせ</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/10/1.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-79231" /> 今回の被験者ゴルファーは、42歳でHS45m/s前後。ゴルフ歴10年で、週1回ラウンドする。少しアウトサイドインのスイングで、入射角が若干強く、ドライバーでは右に飛び出してスライスするが、フェアウェイの範囲にボールが収まるから問題なし。ただ、短いアイアンは引っかかってスコアにならない。 そこでチョイスしたのが、ロッディオの『PCフォージドアイアン』だ。ポケットキャビティのヘッドだが、ヘッド重量が少し重めの270.5g(#7)。打感が良く、それでいて易しいヘッド。 このヘッドに合わせたシャフトがコンポジットテクノの競技者向け『ファイアーエクスプレスMS-I 100』。アスリートゴルファーが理想とするアイアンシャフトという触れ込みで、重量も7番で 102gとなっている。 この組み合わせによって、ヘッドでボールをつかまえる試みだが、ヘッドとシャフトが重い仕様。スイングのトップからダウンにかけて、ヘッドを身体の右側に落とし、さらに、総重量でクラブを身体の右側に落とす。その結果、ヘッドだけではなく、クラブが振り遅れて、スイングがインサイドからインパクトを向かえるようになるという。 <strong>ヘッドスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/10/headspec.jpg" alt="" width="788" height="196" class="alignnone size-full wp-image-79235" /> <h2>打ち出しが右に出てつかまる スライサーがストレートになる</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/10/FE_MS_I_100.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-79232" /> もともとロッディオの『PCフォージドアイアン』は、打感の良さを求めながら、スリットが深くてMOIも大きく、ソールも幅広なアベレージ向けヘッド。一方で『ファイアーエクスプレスMS-I 100』は、重量級のカーボンシャフトで、手元が重く感じる。この組み合わせは、アベレージ向けヘッドと競技者向けシャフトの組み合わせになり、通常なら軟らかく軽いシャフトを入れて、楽にゴルフをさせるヘッドだ。 その常識に反して、ヘッドとクラブをインサイドからインパクトに向かわせ、かつ、球をつかまえるためにヘッドとクラブを落とすことで、インパクトを遅らせ、スイング軌道とつかまり具合を調整したという。 これによって、左に打ち出して、つかまりすぎて左に行くゴルファーが、正常なロフトでインパクトを向かえることによりストレートの弾道になった。 それにしても、ヘッドやクラブを振り遅らせてスクエアなインパクトを向かえることは、「振り遅れ」を良しとしない常識のフィッティングでは考えにくい。これも特殊なケースと言えるのだろうが、ゴルファーにとっては、大きな弾道の変化になる。逆転の発想が「マイカスタム」だということだろう。 <strong>シャフトスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/10/shaftspec.jpg" alt="" width="788" height="151" class="alignnone size-full wp-image-79241" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> コンポジットテクノ 中山豊昭氏 「パワーがあるからと言って重量級のシャフトが使いこなせるわけではないので、やさしいヘッドに『MS-I 100 』を装着するケースもあると思います。ただ、量販店に並んでいるナショナルブランドではあまりないセッティングですから、これぞカスタムといったセッティングだと思いますね」 <h2>ゴルファーズ・ガレージ・サムライとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/Y8gnaUo9ST8?si=_TheTIiL1ZfvEbNw" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe> 〒351-0015 埼玉県朝霞市幸町2-5-23 TEL 048-423-7750/ FAX 048-423-7751 http://samurai-golf.net/ この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2023年9月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2023年10月29日
    埼玉県所沢市の埼玉スポーツセンター。ボウリング場、バッティングケージ、フットサルコートがあるスポーツ施設で、ゴルフ練習場も併設されている。その練習場の一画で営業するのがゴルフ工房「SPARK」。一人で切り盛りする佐藤敦郎氏は工房歴15年。昨年独立した。顧客の7割が常連客だが、今回悩みを解決したゴルファーは、飛び系アイアンを使用して、ゴルフ仲間から「反則」と言われたシニア。解決策は、マッスルのヘッドに女性でも使えるシャフトの組み合わせだった。 <h2>カスタムシャフトの人気と見栄でオーバースペック</h2> 最近のゴルファーはカスタムシャフトの人気と見栄で、オーバースペックのクラブを購入する傾向が強い。佐藤氏はそう呟く。 「シャフトの軽量化はここ数年進んでいますが、40歳代のゴルファーがドライバーで50g台のXシャフトを使うケースが目立ちます。自分がオーバースペックを使っていることを認識する人も増えましたが、見栄もあるのが日本人のゴルファーの特長ですかね」 同氏によると、数年前までアイアンシャフトはダイナミックゴールドとNS950がメインだった。それに加えて重くて硬いシャフトが「上級者用」との固定観念があり、そこに見栄も加わって、ハードスペックになりがちだとか。 「重量とフレックスを1段階ずつ下げることで、ドライバーの飛距離が230ヤードから245ヤードまで伸びたケースもあります。思い込みや見栄が飛距離減を招くことは多いんです」 そんな佐藤氏の顧客に72歳のシニアゴルファーがいる。数年前からナショナルブランドの飛び系アイアンを使っていたが、ゴルフ仲間から「反則だ」と。 「それでアイアンをガラッと変えたいと『ジニコ』の薄っぺらいマッスルバックを要望されたんです」 7番アイアンでロフトは34度。シャフトは女性でも使えるデザインチューニングの『メビウスEQ IX LITE』を組み合わせた。 <h2>ダウンブローなのに払い打ちのアイアン</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/09/ginnicco-web.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-78798" /> 「反則」呼ばわりされたこのゴルファーは、HS35m/s程度。ダウンブロー度合いが強い反面、飛び系アイアンは払い打ちで、その性能が活かせなかった。 「もともとのアイアンは7番でロフト角は26度でした。クラブ長も長く38.25インチ。長すぎて、ダウンブロー度合いが強いスイングなのに、払い打ちになっていた。それによって打点も安定していなかったのだと思います」 周囲からの揶揄もあり、ガラッと変えたい! そんな希望もあり、ヘッドはイオンスポーツが展開する「ジニコ」のマッスルバック『MBアイアン』に。ペラッペラのヘッドのロフトは7番で34度。シニアが使えそうな仕様ではないが、これに組み合わせたシャフトが女性でも使えるといわれる50g台の『メビウスEQ IX LITE』である。 「驚くことに、飛距離は変わらなかったんです。クラブ長も同じ7番ですが37.25インチ。2番手ほど短くなりましたが、同じ7番でも短くて振りやすかった。錯覚なんでしょうかね」 ロフト角8度の差、そして1インチ短くなっても飛距離は変わらない。驚きの結果は、理由がほかにもあるという。それは、クラブ重量だ。 <strong>ヘッドスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/09/headspec.jpg" alt="" width="788" height="220" class="alignnone size-full wp-image-78800" /> <h2>短く重いクラブでインパクト効率の上昇</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/09/EQ_IXlite-web.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-78802" /> 「その人が使っていた飛び系アイアンは、7番で総重量350g程度。それが『ジニコMB』と『メビウス』のシャフトで374g。20g以上重くなりましたが、それでインパクトエネルギーが強くなり、短いからミート率も上がった。ロフトが8度寝ても飛距離が変わらなかった最大の理由かもしれませんね」 周囲から「反則」呼ばわりされたシニアゴルファーの悩みは解決された。 「冒険的なセッティングでしたが、信用してもらえた。そこが嬉しい」 と笑う。佐藤氏が最後に付け加えた。 「今回のケースは、ロフト角&クラブ長よりも、クラブ重量が飛距離につながったケースです。誰にでも推奨できるセッティングではありませんが、私としては引き出しが増えて嬉しいですね」 目からの鱗のフィッティング「マイカスタム」は、特定のゴルファーに向けたセッティングだが、今回のマッスルバックと女性でも使えるシャフトの組み合わせは、思わぬところで工房店主の引き出しを増やす結果となった。 <strong>シャフトスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/09/shaftspec.jpg" alt="" width="788" height="214" class="alignnone size-full wp-image-78804" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> イオンスポーツ 東日本マネージャー 渡辺政光氏 「昔から佐藤さんのフィッティング技術は高いと思っていましたが、『MB』はシニア向けのアイアンじゃないので、我々としても驚きの組み合わせです。これからはシャフトで予期せぬ組み合わせが出てくる時代になると思いますし、今回のケースは勉強したいので、すぐに佐藤さんに電話します!(笑)」 <h2>SPARKとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/yfBmZ72_Ijc?si=6S3XPco2IeCq3YEF" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe> 〒359-0011 埼玉県所沢市南永井1116 埼玉スポーツセンターゴルフ練習場内1F TEL&amp;FAX:04-2968-5778 この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2023年8月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2023年10月01日
    東京都世田谷区のゴルフステージ成城といえば、25年ほど前に大手ナショナルブランド(NB)の特約店としてスタートし、同時に東京都初の『エポン』特約店として始まった老舗。15年前に地クラブの商いに移行した都内の有力店だ。同店では最近、吉田朋広店長独自の見立てで、ウエッジでのダフリトップが止まった例があるという。それが鍛造ヘッドとカタログにはカウンターバランスという表記のないのシャフトだ。 <h2>バランスにこだわるゴルファー それしか基準がなかった!</h2> ゴルフステージ成城の吉田店長が開口一番、業界の習慣について警戒心を露わにする。 「クラブのバランスにこだわりすぎるゴルファーが多く、それにとらわれ過ぎてゴルフが上手くいっていないゴルファーは多いです」 クラブバランス……。ゴルファーがスイングする際のクラブの振り心地を数値化したものだ。それにゴルファーがこだわりすぎて、ゴルフの足かせになっているという。 「大手メーカーのカタログを見ればわかりますが、ほとんどが男性用は Dバランス、女性用はCバランス。ウエッジはD5だとか、それがゴルファーの常識になってしまっています。もちろん、他に基準がなかった時代からの習慣でしょうが、昔と比べれば、アイアンひとつとっても高重心から低重心に変わっているし、ネックも短くなっています。だから、バランスだけにこだわるのは危険なんです」 総重量が同じクラブでもヘッド側にバランスポイントがあれば、体より遠くに重心があるからクラブを重く感じて、振り辛くなる。逆も然りで、バランスが軽いクラブは非力な女性用というのが定番。そのような警戒心と吉田店長の自由な発想が、ゴルファーの悩みを解決している。今回の目から鱗のマッチングは「鍛造ウエッジ」と「棒みたいなカーボンシャフト」だ。 <h2>ウエッジもバランス重めが常識!? 棒みたいなシャフトでダフリ軽減</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/08/063-IMG_0007-6.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-78441" /> 吉田店長が、特にウエッジに対して言及する。 「売れ筋の大手NBのウエッジは、ほとんどがDバランス以上です。Eバランスも珍しくない。そのデメリットはヘッドが落ちやすく、ボールより手前に入ることが多い。つまりダフリが起きるということもそうですが、バランスの重いクラブに慣れ過ぎて、そのようなスイングになってしまったということもあります」 知らないうちに、ウエッジでダフる症状のゴルファーは多い。同店の顧客で50歳代男性は、ラウンド頻度月2回、HSは46m/sと速く、スコアは80台。スインガータイプでアウトサイド・イン。ドライバーのクラブバランスは重めのD3。 そこで敢えて、標準的な鍛造のウエッジヘッドに棒のようなカーボンシャフトの組み合わせを推奨した。 ヘッドはプロトコンセプトの『フォージド・ウエッジ』。打感の良さが際立つメーカー。これに、日本でも密かに人気のあるLAゴルフの『Lシリーズ120ウエッジWV』というシャフト。このLAゴルフは、HSの速い米PGAツアープロに人気というだけあって、重量も120g台と重く余計な挙動が少ない。振動数だけみても345cpmと少し高めで、簡単にいえば棒のようなシャフトだ。 その組み合わせで何が起きるのか? <strong>ヘッドスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/08/d67dd5163f0f72fc9aa92994a5c78639.jpg" alt="" width="788" height="272" class="alignnone size-full wp-image-78448" /> <h2>カタログ表記にない手元重心 コックがほどけずダフリが止まる</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG_6778.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-78442" /> 吉田店長がカタログには記載がないと前置きして、 「実は『120WV』はシャフトのバランスポイントが手元にあるんです。カウンターバランスに感じるんですよ。それによってクラブ全体のバランスが軽くなり、『フォージド・ウエッジ』との相乗効果で、打感を感じやすく、ヘッドの操作性が上がります。なにより、コックがほどけないから、早いタイミングでヘッドが落ちて手前に入ってダフることがなくなります」 これは、吉田店長ならではの見立てだ。そして、吉田店長が語気を強める。 「今回のセッティングは市場のウエッジと異なり、バランスが軽いです。今回のウエッジはバランスがC8で、その効果も大きいと思います。先ほどから話していますが、習慣化しているクラブバランスの考え方にとらわれないことで、新たなセッティングが見つかるんです」 業界でひとつの基準となっているクラブバランス。それにこだわることで、ゴルフが上手くいかないゴルファーは多い。それを逆手にとった組み合わせは、工房ならではの技。特にLAゴルフの『120WV』は、メーカー発信ではない性能を見つけ、ゴルファーの悩みを解決していく。目から鱗のマッチングは、メーカーの情報だけではなく、クラフトマンの視点の置き方によって生まれていた。 <strong>シャフトスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/08/4968382f5e9f6e17d4a09e55ebd50bb1.jpg" alt="" width="1172" height="407" class="alignnone size-full wp-image-78451" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> 輸入代理店 K.E.Iプランニング 竹渕 幸夫氏 「『120WV』は振動を減衰する素材を採用していて、余計なフィーリングがないシャフトです。それゆえ、プロの印象は打感が良いというのがほとんどですが、カウンターバランスというのは聞いたことがありませんね。新たな発見で、そういう効果もあるかもしれませんね(笑)」 <h2>ゴルフステージ成城とは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/EtkTmProrRA?si=yUssYAv6JXZPYhgG" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe> 〒157-0074 東京都世田谷区大蔵2-5-1オークヒル一階 ☎03-3749-0171 https://www.golfstageseijyo.com/ この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2023年7月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2023年09月02日
    本号からはじまる新連載「マイカスタム」の初回は愛知県春日井市で営業するリフレックスゴルフである。国内屈指の売上を誇る単独工房として業界でも有名な存在だ。同店では最近、以前の常識とは異なるセッティングでゴルファーの悩みを解決した例が増えたという。重ヘッドに手元がゆるゆるのシャフト。その意図と効果を丸山恭生代表が解説する。 <h2>シャフトのしなりが使えない 左抑制のシャフトで左に行く</h2> リフレックスゴルフの丸山恭生代表が、最近の傾向から警鐘を鳴らす。 「特に外資大手の人気クラブを使用するゴルファーには、オーバースペックのクラブを使用するゴルファーが多い。良い傾向ではないですね」 オーバースペック……。つまり、自分の力以上の仕様を使うことだが、これにより、クラブ本来の性能とは逆の症状が出てしまうという。 「例えば、ゴルファーは上級者になると左へのショットを警戒して、球がつかまりにくいヘッドとシャフトを使いたがります。この組み合わせはシャフトをしならせることが前提ですが、オーバースペックでシャフトをしならせることができないから、球がつかまらない。それで身体で球をつかまえるアウトサイド・インのスイングになってしまい、弾道はストレートだけど打ち出しが左になってしまう。左に行かないヘッド、シャフトなのに、結果的に左へ行くんです」 そのようなゴルファーのほとんどが、Sシャフトを使っているため、同店ではスペックダウンを推奨しているという。さらに、手元がしなりやすいシャフトでトップスイングからダウンスイングにかけて、タメをつくれるセッティングをテストするという。 今回の目から鱗のマッチングは「重ヘッド」と「手元ゆるゆるシャフト」の組み合わせだ。 <h2>重ヘッドは上級者だけではない 元ゆるシャフトでアベレージにも</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/07/5c9e905e2beb90927790e66d792efb29.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-77987" /> 丸山代表が説明する。 「一昔前は、重量が200gを超えるヘッドには、重くて硬いシャフトをセッティングして、パワーヒッター向けに組み立てました。ところが最近のヘッド重量は196~198gが平均的で、そうなると200gを超える『重ヘッド』は難しいヘッドとなってしまう」 これはヘッド単体の話だが、これにシャフトのトレンドを加味すると、もっとややこしくなってくる。 「最近の地クラブは460㎤の大型ヘッドで、慣性モーメントも高くなっています。それに合わせて、インパクトでの当たり負けを防ぐために、シャフト先端の剛性を高めたシャフトを装着するクラブが多い。それもあり、シャフトを上手くしならせることができないのです」 そんな悩みを持ったゴルファーが多いという。同店の顧客で55歳の男性ゴルファーは、ラウンド頻度月2回、HSは40~42m/sだが、タメができないスイングでアウトサイド・イン軌道。クラブはオーバースペックだという。 そこで敢えて、難しい「重ヘッド」と「手元ゆるゆるシャフト」で短尺の組み合わせを推奨した。ヘッドはエポンの『EF‐02D』で202g。これに、先ごろ発売されたスリリングの『シュハリ』を組み合わせた。このシャフトは手元がゆるゆるで剛性の低い部分が長く、完成後のクラブ長に影響されず、ゆるゆる効果でタメを作り、インパクトでHSが減速しにくい効果を狙ったシャフトだ。一昔前まで上級者向けだった「重ヘッド」が「ゆるゆるシャフト」でどうなるのか? <strong>ヘッドスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/07/7f0c23a65ae1e96328bc6f023c00557e.jpg" alt="" width="788" height="281" class="alignnone size-full wp-image-77996" /> <h2>短尺でミート率も上がりタメができてつかまる</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/07/c7999664be42f5d5fc058a5bdeffe6eb.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-77989" /> まず、「重ヘッド」の利点はインパクトでの衝突エネルギーが大きいこと。 「45.5㌅の短尺で組むとミート率が上がり、インパクトでの圧が高まって飛距離アップにつながります。また、ヘッドが重いのでインパクトの軌道がアッパーになり、シャフトをしならせやすくなるのです」 そこに手元ゆるゆるの『シュハリ』を組み合わせると、ヘッドの重みとの相乗効果もあって、シャフトの性能を活かしやすいという。 「これによってタメができるため、シャフトがしなりタイミングもとれる。アウトサイド・インの軌道が抑制され、ドローボールが打ちやすいのです」 顧客のゴルファーは、この組み合わせでドローボールが打てるようになり、悩みは解決に向かったという。「重ヘッド」はバランス調整のため、重くて硬いシャフトを装着しがちだが、「ゆるゆるシャフト」との組み合わせで、スコア90~100程度のアベレージゴルファーの悩みを解決した例だ。 一昔前にはあまり見られなかったマッチングだが、目から鱗の「マイカスタム」であることは間違いない。 <strong>シャフトスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2023/07/e3384e408c2c0f83393cf3076ceeeb12.jpg" alt="" width="1180" height="400" class="alignnone size-full wp-image-77999" /> <h2>メーカー担当者コメント </h2> スリリング 代表取締役 植木達朗 「『シュハリ』はコックが早くほどけてタメができないゴルファーにベネフィットを提供するシャフトです。今回の『重ヘッド』との相性が良く、ゴルファーの悩み解決になるという工房の新たな発想は、参考になりますし、嬉しい限りですね」--。 <h2>リフレックスゴルフ&amp;スポーツとは?</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/S7AYC5A1kBw" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe> 〒486-0914 愛知県春日井市若草通り4丁目104番地 ☎0568-29-9090/ FAX:0568-29-9299 https://www.reflex-g.jp/ この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2023年6月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2023年07月29日

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