• TOP
  • 工房ナビ
  • GEWとは
  • ライター一覧
  • GEW 購読申し込み
  • GEW 見本誌申し込み
  • 広告掲載について
  • 運営会社
  • 事業内容
  • 企業理念・ミッション
  • CEOメッセージ
  • 会社沿革
  • プライバシーポリシー
  • サイトポリシー
  • お問い合わせ
  • ゴルフ業界求人
  • PGA会員専用求人
  • 月刊GEW9月号 市場活性化のためのインドアゴルフ活用術

    ハッシュタグ「マイカスタム」記事一覧

    群馬県高崎市のゴルフプラスといえば、北関東を代表するゴルフショップ。毎年大規模な地クラブ試打会を主催することでも知られており、本店(高崎店)と前橋店、そして系列会社でゴルフ練習場、インドアゴルフも経営している。今回のマイカスタムは、本店の荒井貴之店長に話を聞いた。荒井店長にお悩み解決を依頼したのが48歳の男性Aさん。ゴルフ歴は5年と浅いが、HS50m/s前後のハードヒッターだ。スライスを嫌がりチーピンが癖になった。当たれば飛ぶが、方向性に悩まされている。提案したのは操作性に長けたヘッドwaowwの『BANG』と藤倉コンポジットの限定シャフト『ベンタス ホワイト』。これでチーピンは治ったのか? <h2>「やさしい」はそれぞれのゴルファーでまったく違う</h2> ゴルフプラスはフィッティング販売が中心で、地クラブのみならず、大手メーカーのクラブも扱っている。「AI」や「10K」、そして「高MOI」など、いま流行りの商品も充実するが、だからこそ荒井店長は警鐘を鳴らす。 「多くのメーカーが『やさしいクラブ』とPRしていますが、ゴルファーそれぞれに『やさしい』は違うんです。例えば『高MOI』イコール『やさしい』といわれても、ヘッドを操作できないゴルファーにはフェースが開いたら開きっぱなし。ヘッドが回転すれば、ずっと回転してつかまり過ぎる。ゴルファーにとって難しいクラブになりますね」 高MOI=安定する、メーカーはお題目のように唱えるが、ゴルファーは千差万別だと強調する。 今回の患者Aさんにも当てはまる。Aさんはサッカー経験者で、上半身、特に腕の使い方が分からない。スライスに悩んでドローに憧れるが、下半身が強く軸もシッカリして、インサイドから煽って球をつかまえようとリストを使いすぎる。結果チーピンが発生する。 高MOIのヘッドだと、ヘッドは回転しすぎてチーピンが発生。フェースが開いたままだと右プッシュとなる。そこで提案したドライバーヘッドが、ディープフェースで投影面積の小さいwaowwの『BANG』。シャフトは藤倉コンポジットの限定品『ベンタス ホワイト』のフレックスR2。 <h2>ヘッドが勝手に動いてシャフトでタイミングをとる</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/08/my28-head.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-89984" /> もともとAさんは、流行りの高MOIヘッドと60g台のXシャフトを使用していた。 「球が曲がるゴルファーに多い思考として、シャフトが硬くなれば曲がらないと思っている。だけどシャフトのしなりを作れなければ、リストや腕を使いすぎてつかまり過ぎたり、フェースが開けば右プッシュも出る。Aさんの症状です」 そこで、同じ高MOIでも投影面積が小さく低スピンの『BANG』、そして40g台の『ベンタス ホワイト』(R2)を提案した。ヘッドの選択理由は、 「ディープで小ぶりに見えて、つかまるヘッドに見えるからです。Aさんは、無理に操作しなくても勝手にヘッドが動いてくれるように見える。それと低スピンという特徴も決め手でした」 インサイドから煽っても、ヘッドは低スピン。加えてシャフトは40g台でR2の『ベンタス ホワイト』。 「Aさんのスイングは腕の関節を使わないロボットのようで、しなりを作れていなかった。さらに重いシャフトで球にヘッドをぶつけていました。そこでタメ、しなりを作り、先端が当たり負けしない軽くてタイミングが取れるシャフトにしたわけです」 シャフトが軟らかいため打ち急げず、ゆったりしたリズムを意識して、結果しなりが作れるようになった。ヘッドが勝手に動いてくれるように見えるから、リストを必要以上に使わない。 「そのようなスイングに改善され、飛距離も安定して真っすぐ300ヤード。平均スコアも80台になりました」 というから、Aさんの喜ぶ顔が目に浮かぶのである。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/08/ba8ee2f60d65d3ae79003de54209c303.jpg" alt="" width="788" height="182" class="alignnone size-full wp-image-89987" /> <h2>長い目で見たフィッティング ゴルファーの未来を繋ぐ</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/08/my28-shaft.jpg" alt="" width="788" height="102" class="alignnone size-full wp-image-89985" /> 今回のフィッティングでは、 「ヘッドを変えるだけでも良かったと思います。なぜなら、手をこねなくてもヘッドが回転するように見えるから、無理に球をつかまえに行く動きをしなくなります。ただ、長い目で見ると、それではタメもしなりも作れないスイングが身についてしまう。だから、シャフトも軟らかくしました。一種の矯正ですね」 荒井店長は対処療法ではなく、根本的に改善するフィッティングを施した。 「この先もゴルフを楽しんでもらいたい。未来に繋がるようなフィッティングを心掛けました。加えて、なぜ球が曲がるのか? その仕組みも今回のフィッティングで分かってもらえた。それでスコアアップにつながったようです」 ゴルフを楽しく続けられる。その未来をクラブで繋ぐのも、工房ならではと言えそうだ。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/08/my28-shaftspec.jpg" alt="" width="788" height="133" class="alignnone size-full wp-image-89988" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> WAOWW 我妻弘津江 社長 「市場では『BANG』よりも高MOIのヘッドが山ほどありますが、その意味でいうと『BANG』は、ある程度操作の出来るヘッドとして開発しました。この方の場合、『ヘッドを返したい』とのことですので、『BANG』がミートしたと思われます。でも、力がある方なので、返しすぎてしまうきらいがある。そこで40gR2というスペックがハマったのでは? シャフトは、重い=硬い、軽い=柔らかい、というのが定説です。また、操作性の部分では、硬いシャフトは敏感に反応する一方、柔らかいシャフトは鈍感です。つまり、遊びが大きいため、操作してもし過ぎない点が好結果に結び付いたのでしょう。近年は軽量で柔らかくても当たり負けしない『シャフトの進化』を痛切に感じます」 <h2>ゴルフプラス本店とは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/WW4xl0KaLTk?si=jLYB7bOTeU8x2GkV" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒370-0069 群馬県高崎市飯塚町485 TEL:027-395-0763 FAX:027-364-8569 https://www.golf-plus.net/ なお、この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年9月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2025年09月07日
    茨城県笠間市。常磐自動車道岩間ICから車で10分の幹線道路沿いに「ゴルフラボ」はある。一人で切り盛りするのが鈴木達也代表だ。水戸の工房で1年間修業して2019年に独立。20〜70歳代の老若男女、初心者から競技ゴルファーまで幅広い顧客をもち、すぐに対応できるよう、店内には数多くのグリップやシャフト、ヘッドが並んでいる。 そんな鈴木代表に悩みを打ち明けたのが30歳代男性のA氏。ゴルフ歴3年で、スコアは90〜100。パワーがあるため腕力と身体全体でボールを飛ばそうとする。アイアンの飛距離が出ず、時折ひっかける弾道が悩み。薦めたのは、中空マッスルと軽量カーボンシャフト。悩みは解決したのか? <h2>身体を使いすぎるゴルファーが多い</h2> 30歳代の男性A氏は、ゴルフに真剣に取り組む熱心なゴルファーだ。パワーがあるがゆえに、腕を振らず身体全体でボールをつかまえて飛ばそうとする。鈴木代表によると、同じようなゴルファーは多いという。 「彼もそうですが、雑誌やユーチューブを熱心に見て勉強するゴルファーが多く、プロにしかできない身体を使うスイングを真似してしまう。腰を切るとか、下半身主導だとかです。それによって、肝心の腕を振れなくなっています」 腕力に頼り、身体を回し過ぎ、「左に振り抜け」という言葉に影響されて、身体が突っ込むスライスなど、飛ばないスイングになっているのだとか。だから、A氏は打ち出し角と落下角、スピン量が足りず、低弾道で飛ばない。 「そのAさんはマッスルバックのヘッドがお気に入り。半中空のヘッドです。今回のフィッティングは、シャフトで打ち出し角、落下角、スピン量を補填することを意識しました」 ヘッドはマスターズの『アストロツアー TH/001』、そして装着したのはコンポジットテクノの『ファイアーエクスプレス スピリッツ i85』。このセッティングにはスイング改造も必要だったという。 <h2>腕を振ってパチンと当てるだけ 弾道も改善した組み合わせ</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my27-1.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-89395" /> 今回の組み合わせについては、こんな経緯があったという。 「Aさんは、このヘッドを『カッコいいから』という理由で選びましたが、どちらかと言えばライナー系弾道のヘッドです。ロフトも7番で32度。そこで打ち出し角、落下角、スピン量をシャフトで補おうと思ったんです」 また、シャフトの『ファイアーエクスプレス スピリッツ i85』は、カーボンシャフト独特のしなりでボールのつかまりと弾道の高さ、飛距離と方向性の安定がウリである。 「身体全体でボールをとらえるのではなく、手打ちでシャフトのしなりを使って球をとらえて飛ばすようにしたかった。腕を振ってパチンと飛ばす。シンプルなスイングにすることも、このシャフトを選んだ理由です」 これによって、飛距離は7番アイアンで140ヤード前後から160ヤードまで伸びた。打ち出し角は減少したが、スピン量が増えたことで、結果的に落下角も45度前後から48度前後まで増加。 「それに加え、当たり負けしないよう、シャフトを逆番手ずらしにしています」 逆番手ずらしとは、7番アイアンのシャフトを8番アイアンに装着することで、これによってシャフトの硬さを調整。腕を振るだけでパチンと当たって飛ぶ。それに対しての細やかな工夫も施した。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my27-head.jpg" alt="" width="788" height="98" class="alignnone size-full wp-image-89401" /> <h2>ユーチューブを見なくなり考え方も変えた工房の会話</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my27-2.jpg" alt="" width="788" height="92" class="alignnone size-full wp-image-89397" /> A氏の悩みは、腕力と身体に頼ったスイングで、球が上がらず飛距離が出なかったこと。が、その背景には、雑誌やユーチューブのレッスンが、様々な特徴をもつアマチュアに合わないことがある、という弊害である。 「Aさんへのアドバイスは、昨今のスイング理論とは逆行していると思います。ただ、今回のセッティングでAさんはユーチューブを見なくなり、他人のセッティングやスイング理論に惑わされないようになったとそうです。自分が気に入ったヘッドで距離も出て自信がついた。それが一番嬉しいですね」 鈴木代表が語気を強める。 「確かに教科書的なセッティングも大事ですが、Aさんの場合はそうではなかった。それが分かってもらえたこと大きいと思います」 固定概念に捉われず、ゴルファーの悩みと解決し、望みを叶える。捉われない考え方の広さが、職人の真骨頂なのかもしれない。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my27-shaft.jpg" alt="" width="788" height="64" class="alignnone size-full wp-image-89402" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> マスターズ 東京営業所 マネージャー安田晃一氏 「『TH/001』は中空構造なので、飛ばない人にも軟らかいシャフトを装着するのはアリですね。また、見た目は難しいのですが、素材もS400という軟かい素材を使っているので、弾く感じより食いつくフィーリング。見た目よりやさしいアイアンなので、アベレージゴルファーにも使ってもらいたいですね」 <h2>ゴルフラボとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/IUFjicu5AnM?si=7vsQzSZXlgYpAMWo" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒319-0204 茨城県笠間市土師1285-19 TEL 0299-56-5500 HP www.golflab.com なお、この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年8月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2025年08月28日
    栃木県宇都宮市では屈指の入場者数を誇る筑波ジャンボゴルフセンター。その片隅で営業するのが、SKゴルフショップ。練習場に通う常連客からプロゴルファー、そして初心者まで面倒見るのが鈴木康友店長だ。今回の悩みの主は、40歳の女性ゴルファーAさん。週1回プレーするヘビーゴルファーで、スコアは80台後半。悩みは女性に多いバンカーからの脱出。そのAさんに鈴木店長は、比較的重い310gのヘッドと超軽量スチールシャフトの組み合わせを提案。ポイントは「重い」「タメ」「短い」だった。 <h2>女性ゴルファーには分からない 「カットに入れる」って何?</h2> SKゴルフショップに集うゴルファー は様々で、腕前もいろいろ。むろん、女性ゴルファーも多いのだが、男性に通じ るゴルフ用語が、女性には通じないことが多いという。 「女性ゴルファーにはバンカーが苦手な人が多いですね。そうなると男性ゴルファーなら『カットに入れる』『ボールの手前から砂をエクスプロージョンさせる』などとアドバイスすれば、そのスイングをイメージしてもらえますが、女性は言葉からイメージできる人が少ない。スイングをあれこれ言っても効果がないことが 多いんです」 その典型が今回のAさん。鈴木店長によると、ティーショットや芝からのショット、スイングは申し分ないが、どうし てもバンカーから出せない。 「Aさんの悩みを聞いて、最初はスイングの仕方を話していましたが『どうやって良いか分からない』と。これはクラブで何とかしなければならない。そう思ったんです」 そこで提案したのがアクシスゴルフの『Z5TOUR WEDGE』と日本シャフトの超軽量スチールシャフト『Zelos6』。その組み合わせでバンカーから脱出できるようになったのか? <h2>「重さ」で落として「シャフト」でタメを作る</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my23-2.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-88974" /> 今回のヘッドはアクシスゴルフの『Z5TOUR WEDGE』で、ヘッド重量310g 、ロフト56度のモデル。通常のヘッドは300gだが、 「ヘッドの重さで砂を爆発させてバンカーから脱出させたかったので、310gのモデルに決めました。バンスが大きすぎ ないのも決め手です」 バンスが大きいと、非力な女性はヘッドが弾き飛ばされるからだ。そのヘッドに組み合わせたのは先調子だがタメが作りやすく、68.5gとスチー ルでは超軽量の日本シャフト『Zelos6』。グリップを入れて総重量は428gのバランスC8。大手クラブメーカーが展開 する女性用ウエッジに比べれば 30gほど総重量が重くなる。 シャフト選定の理由も明確だ。 「バンカー脱出にはダウンスイングでタメを作って、一気にコックを解いてヘッドを手前から入れることが必要ですが、タメを作れる女性は少ないんです。それをシャフトで補いました」 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my23-head.jpg" alt="" width="788" height="146" class="alignnone size-full wp-image-88980" /> <h2>Aさんの身長は160cm ライ角64度だから34 ㌅</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my23-3.jpg" alt="" width="788" height="244" class="alignnone size-full wp-image-88976" /> もうひとつポイントだったのがクラブ長。Aさんは身長160㎝。それに対して今回のヘッドのライ角は64度。市販の女性用ウエッジは35㌅が多いが、今回の組み合わせは1㌅短い34㌅で組み立てた。 「ロフトが56度だからアプローチでも使うことが前提です。クラブが35㌅だと160㎝のAさんはトウが浮いて左にひっかけてしまいます。短いと扱いやすく、重いクラブなのでボディーターンでスイングしやすくなる。アプローチでボールを突っつくなどがなくなって、安定すると思いますね」  さらに、鈴木店長が補足する。 「バンカーだけならクラブ全体の重さが最優先なので、シャフトはDGS200でも良いと思います。ただ、ロフト56度のウエッジはアプローチでも使う。非力な女性ゴルファーへのセッティングが前提なので『Zelos6』を選びました」  とはいえ、ヘッドは重量級、シャフトは軽量級、長さは短いと意外なセッティングだといえる。鈴木店長は、 「女性がバンカーにつかまると気分が相当落ち込むそうです。それを手助けするために工夫しました」  女性の悩みを解決したバンカー脱出ウエッジ。意外な組み合わせが、マイカスタムの本領発揮といえる。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my23-shaft.jpg" alt="" width="788" height="100" class="alignnone size-full wp-image-88981" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> アクシスゴルフ 代表取締役社長 大越和幸氏 「『Z5TOUR WEDGE』の通常モデルはヘッド重量が300gなんです。ただ、多くのティーチングプロと話すと、女性がバンカーで困っているという話を聞いて、少し重めのヘッドを作った経緯があります。今回のフィッティングでも、それがハマったと思いますので、是非、参考にしてもらいたいですね」 <h2>SKゴルフショップとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/iPqQozqHTmM?si=BepQnZHUG-oDTxt0" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒321-0917 栃木県宇都宮市西刑部町1951-1筑波ジャンボゴルフセンター内 TEL&amp;FAX:028-656-9925 URL:http://www.sk-enterprise.co.jp/web/index.html なお、この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年4月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2025年08月21日
    埼玉県伊奈町。住宅地の中でポツンと営業するのがゴルフ工房MIYABI。クラブフィッターの村田剛氏が一人で切り盛りする。少年期を米国と韓国で過ごし、帰国後は中古ゴルフ店で組み立てやフィッティングを学びながら12年勤務。2022年11月に独立。その村田氏を頼ったのが74歳のベテランゴルファーA氏だ。スコア70〜80台だが、加齢に伴い、身体が回らず、オーバースイングになって手打ち。ボールが上がらずドライバーより3Wが飛んでしまう。そこで村田フィッターは、A氏が慣れ親しんだテーラーメイド『M2』のHL(高ロフト版)と、USTマミヤの『アッタスキング』(4X)の組み合わせを薦めた。 ユーチューバーが推奨するスピン量は少なすぎる!? 2022年11月にオープンしたゴルフ工房MIYABI。40人ほどの常連が村田剛フィッターを頼りにしている。そんな同氏が最近の傾向に警鐘を鳴らす。 「動画を見るゴルファーは多いと思いますが、出演者の推奨するスピン量は少ないと思います。ヘッドスピード(HS)が35〜38m/sのゴルファーなら3000〜3000台後半の回転数があっても良いと思いますよ」  世の中は、低スピンヘッド、低スピンボールが持てはやされているが、それはHSが速いゴルファーに限られる。だから最近多いのは、 「ドライバーより3Wが飛ぶというゴルファーです」  ドライバーの弾道が低スピン過ぎて、飛距離に最低限必要なスピン量を確保できずにドロップ。一方で3Wは何とか飛ばせる。同じ症状が起きているのが、今回の患者であるA氏だ。 A氏は加齢に伴い身体が硬くなって回らなくなり、飛ばそうとしてオーバースイングが悪化。もともとダウンブローが強く、力いっぱい振るから手打ちも悪化。HSは38m/sだが、最近はテンプラかドロップ気味の弾道で、以前の200ヤードに届かず180ヤードと悩んでいた。  そこで村田氏が推奨したのが、A氏が好んで使っていたテーラーメイド『M2』の高ロフト版『M2』(HL)と、強烈なつかまりがウリのUSTマミヤの『アッタスキング』(4X)だ。 <h2>ベテランゴルファーの打ち込み 軟らかいシャフトには違和感</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/05/miyabi2.jpg" alt="" width="788" height="525" class="size-full wp-image-87926" /> ※写真はスタンダードモデル。実際にフィッティングで採用したのは『M2』(HL) 村田氏は、まず打ち出し角を上げることを優先した。 「A氏は初代『M2』を好んでいたので、それの高ロフト版を選びました」 『M2』(HL)は標準ロフトが12度だが、ロフト角はプラス2度まで調整が可能なモデル。 「そのヘッドでロフトをプラス2度調整して14度に設定。上から打ち込んでも打ち出し角を確保するためです」  もともとA氏のドライバーの打ち出し角は9〜10度。一方でロフト角15度のスプーンは打ち出し角17度程度を確保していたという。そこでドライバーの打ち出し角を最低でも15〜20度にしたかった。 「結果的に『M2』(HL)で打ち出し角は16〜17度を確保できました」  そのヘッドに装着したのが、USTマミヤ『アッタスキング』の4X。 「マッスルバックで育ったA氏ですから、ダウンブローが強くて軟らかいシャフトには違和感がある。なので、軽くても硬いシャフトで、つかまるシャフトということで『アッタスキング』の4Xを推奨しました」 「4X」という表記だが、重量は53g。74歳のシニアゴルファーが使うシャフトではない。 「ボールがつかまることで打ち出し角のアップ、飛距離アップを狙ったんです」  この組み合わせで、以前の飛距離200ヤードを取り戻したA氏。もうひとつ飛距離アップにつながったのはクラブ長だという。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/05/miyabihead.jpg" alt="" width="700" height="124" class="alignnone size-full wp-image-87929" /> <h2>工房だからできるサポート 徐々に最適な長さを探す</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/05/miyabi3.jpg" alt="" width="788" height="122" class="alignnone size-full wp-image-87927" /> 身体が硬くなり、手打ち。コンパクトなスイングになってスイングアークも小さくなる。それでも村田氏が薦めたクラ ブ長は 46 ㌅。なぜなのか? 「加齢に伴って身体が硬くなりスイングがコンパクトになるため、長いクラブは苦手になっていきます。長くなるほどミート率は下がる。でも当たり前ですが、ク ラブが長すぎれば短くカットすればいい。46 ㌅でスタートして、徐々に最適なクラブ長を探せばいいと思うんです。フィッティングは一発で決まらないものですよ」 もちろん、 46 ㌅のクラブ長ではミート 率が下がって飛距離ダウンの要因になるが、つかまるシャフトである『アタッス キング』でミート率減少による飛距離ダウンを補った形だ。 それにしても、HS38 m/sで74 歳のゴルファーに46 ㌅の長尺で、4Xのクラブセッティングは王道ではないだろう。それを実現したのは、ゴルフ工房というアフターサービスが充実した環境だから。これもマイカスタムを成立させる重要な要素だろう。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/05/miyabishaft.jpg" alt="" width="700" height="118" class="alignnone size-full wp-image-87930" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> UST Mamiya Japan 営業部 杉本崚氏 「『アッタスキング』はしなり戻りが強いシャフトで、ロフトが多いヘッドと組み合わせたことで、偶然かもしれませんが、いい感じになって飛距離も伸びたんだと思います。通常シニアは軟らかいシャフトを使いがちで、今回は一般的なケースとは違いますが、探求心のあるルファーのお役に立てて嬉しいですね」 <h2>ゴルフ工房MIYABIとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/HxRBQlDVqXM?si=p_hmXWhnkz_Tst6U" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒362-0806 埼玉県北足立郡伊奈町小室7399 Mobile 080-7108-0724 なお、この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年11月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2025年08月15日
    神奈川県茅ケ崎市。海岸から徒歩5分の自宅で工房を構えるのが MORI GOLFの森裕起氏。 地クラブメーカーの立ち上げサポートに5年、地元の工房で15年。その後、当時枻出版が営んでいた「EVEN GOLF LAB」で3年、さらに地クラブメーカーに3年勤め、地元に戻って独立して3年が経つ。来年キャリア30年を迎えるベテランだ。自宅に工房を開いてからは、地元茅ヶ崎の常連客やSNSを通じて相談に来るゴルファーに対応している。今回のケースは63歳の女性競技ゴルファーAさん。20年ほど前に父親からもらった重いクラブでゴルフを始めたドローヒッターだが、しばしば出てる振り遅れによる右へのプッシュアウトが悩みのタネ。それをどう解決したのか? <h2>高MOIと軟らかく長いクラブ 一部にしか合わない市販品</h2> 来年キャリア30年を迎えるMORI GOLFの森裕起氏。最近の市販クラブには、一部のゴルファーにしかマッチしないクラブが多いと指摘する。 「年々、市販品のクラブはシャフトが軟らかくクラブ全体が長くなっています。一方で高い慣性モーメント(MOI)のヘッドとの組み合わせが多いですよね。ゴルフはテークバックからトップ、そしてインパクトまで身体の右半分での動作が重要ですが、それらの組み合わせのクラブは物理的に振りにくい。長くて軟らかいシャフトのクラブで高MOIのヘッドは、振り遅れる可能性が高いからです。『やさしい』クラブと謳いますが、難しくなっていると思いますよ」 原因は異なるが、振り遅れで頻繁に顔を出す右プッシュに悩むのがAさんだ。父親から譲り受けた重いクラブでゴルフを始めたドローヒッター。悩みを解決するために提案したのがクオイドのヘッド『キングペガサスQS-01』(シャローフェース)とグラファイトデザイン『ツアーAD IZ』(6S)。アッパー気味にインパクトを迎えるドローヒッターには向かないヘッドとシャフトの組み合わせ。なぜ、それがハマったのか? <h2>振り遅れに逆効果のシャフトと浅重心で球が上がらないヘッド</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my20-2.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-88878" /> 今回Aさんに薦めた『QS-01』と『ツアーAD IZ』の組み合わせは少々複雑と言える。 「Aさんは古くて重いクラブでゴルフを覚えたので、男性向けの重いヘッド、シャフトでなければ気持ちよくスイングできません。それに加えて、ドローヒッターで悩みが振り遅れの右プッシュ。通常ならつかまるヘッドで、先端が走るシャフトを薦めがちですが、Aさんの場合は合わない。なぜなら、タメを使ってアッパー気味にインパクトを迎えて球をつかまえてから、高い弾道でドローを打つスイングだからです」  つまり、スイング自体でドローを打つから、ヘッドやシャフトに余計なことをさせたくない。付け加えれば、さらにタメができやすいシャフトを薦めるということになる。 「そこで薦めたのが『QS-01』(10.5度、シャローフェース)と『ツアーAD IZ』(6S)です。ヘッドは浅重心で球が上がらず、シャフトも先調子ではありません。普通なら薦めるセッティングではありませんが、Aさんの場合はハマりましたね」  改善された理由は2つあるという。 「ひとつは元調子のシャフトによって、よりタメができて、アッパーにインパクトを安定して迎えることができるようになったことです。もうひとつはヘッドの特性でしょう」 『QS-01』は浅重心のヘッドだが、形状はシャローフェースのシャローバック。この形状が重心位置とは別の効果を発揮して、インパクト時にロフトを寝かせてくれるのだという。 「もちろん、Aさんのスイングが前提ですが、リアルロフト10度でも打ち出し角は16度。球が上がらないヘッドで球を上げている。普通なら打てないです」  そのヘッドとシャフトのおかげで、Aさんの右プッシュも顔をひそめ、フェアウェイキープ率が上がったという。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my20-head.jpg" alt="" width="788" height="133" class="alignnone size-full wp-image-88883" /> <h2>女性には難しい長いクラブ 横ぶりでは球は安定しない</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my20-3.jpg" alt="" width="788" height="143" class="alignnone size-full wp-image-88881" /> もう一つ、今回の鍵となるのがクラブ長だ。完成したドライバーのスペックは、総重量307g、44 ㌅、バランスC8。市販品と比べ、スペックの割にはクラブ長が少しだけ短い。なぜ、そのような短いスペックにしたのか? 「一般的に女性はクラブをアップライトに振った方が良いと思います。身長が低いというのもありますが、クラブをフラットに振るとしなり戻りの方向とは別に、トゥダウンの動きがクラブ全体の挙動を邪魔するんです。それがアップライトなスイングなら、シャフトがしなり戻る動きの中で、トゥダウンの挙動が邪魔する割合が少ない。なので、アップライトに振りやすく短いクラブが良いんです」 特にAさんは、インサイドアッパーのドローヒッター。クラブが長いと邪魔をして、インパクトが安定しない。とはいえ、63 歳の女性競技ゴルファーに浅重心ヘッドと元調子シャフト、総重量307gのクラブは薦めない。 「この方でなければ薦めないし、市販品は全部合わなかったですから」 それが出来るのが工房。長年のキャリアでレアケースを解決している。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my20-shaft.jpg" alt="" width="788" height="132" class="alignnone size-full wp-image-88884" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> グラファイトデザイン 企画2部 部長 本吉興毅氏 「お話を聞くと、通常ならマッチするシャフトではないですよね。ただ、最近試打会などで女性でも重く硬い男性用クラブが合う方が増えてきました。今回のケースはヘッドとシャフトの特性で『振り遅れ』が無くなったケースで、44㌅というクラブ長も絶妙だと思います」 <h2>MORI GOLFとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/Hoxaag0Lrao?si=_ftKTO1pcG0FyenS" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒253-0061 神奈川県茅ケ崎市南湖4-22-8 TEL 090-9959-5700 なお、この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年1月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2025年08月09日
    東京都葛飾区青戸。レッスンとフィッティング、工房の三位一体で営業するのがフィッティングスタジオゼロだ。14年前の開業当時からフィッター兼クラフトマンとして活躍するのが金子正哉氏。その金子氏が歴30年で非常に稀なケースとして話すのが、しなりを嫌う68歳男性ゴルファーのA氏。A氏は独特な理論のコーチに師事し、シャフトをしならせないで、覆いかぶさるようにクラブを使う。今回チョイスしたヘッドはキャロウェイの『パラダイム◆◆◆』と藤倉コンポジットの『ベンタスブラック』(6X)。68歳、HS36m/sのゴルファーに合うとは思えないのだが。 <h2>ユーチューバーの意図が伝わらない動画が氾濫</h2> 『フィッティングスタジオゼロ』の名の通り、多くのゴルファーのクラブをフィッティングするのがチーフアドバイザーの金子正哉氏だ。最近は珍客も多いという。 「ユーチューブで『シャローイング』が流行った際には、シャローすぎて下からクラブをあおり、天井に向かってクラブを振っているように見えるゴルファーもいるんです。ユーチューブの見過ぎでしょう。『シャローイング』の理論は一理あると思うのですが、極端になるとメリットよりデメリットが大きくなってしまいます。ユーチューバーの伝えたいことが、動画ではうまく伝わっていないのでしょうね」  金子氏も研究のためレッスン動画を見るが、その中には独自の理論を提唱するインストラクターもいる。動画だけでは理解が難しく、実際に話をして初めて理解できることも多いという。  今回の患者A氏は、クラブのしなりを使わないという独特の理論を展開するインストラクターに師事しており、金子氏もインストラクターに会って初めて理論を理解したという。しなりを使わない独特の理論を実践するA氏の悩みは飛距離。しならせないクラブのセッティングに必要なこととは? <h2>クラブ重量を上手に使ってHSではなく初速を上げる</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my15-2.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-89289" /> 金子氏が提案したのが、A氏が過去に使っていたキャロウェイの『パラダイム◆◆◆』と藤倉コンポジットの『ベンタスブラック』の6X。上級者向けのヘッドと、HS36m/sのゴルファーがクラブをしならせられるとは思えない振動数のシャフトだ。 「A氏のスイングは、切り返しで左サイドに荷重してタメを作るスイングではありません。トップからボールに向かってたたみかけるように圧をかけてクラブを振るので、クラブをしならせるスペースはありません。ただ、トップから最短距離でボールにヘッドが向かうので、HSは上がりませんが、ミート率が向上する可能性があった。さらに、ヘッド重量が増加すれば初速が上がる可能性はありましたね」  それで、A氏が過去使っていたヘッド重量が重めの『パラダイム◆◆◆』を採用。ただ、以前のクラブでは打ち出し角が低かったこともあり、ロフト角10.5度に調整。それによって、スピン量を増やすことなく、打ち出し角も増加して、飛距離も220ヤードから10ヤード伸びたという。  しなりを嫌うゴルファーだが、シャフト『ベンタスブラック』(6X)の元調子の性能もタメを作らないA氏のスイングには効果があったという。さらに、クラブ長も44.5㌅に短く設定したことも奏功したという。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my15-head.jpg" alt="" width="788" height="132" class="alignnone size-full wp-image-89292" /> <h2>しならせないならハンマーで良い</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my15-3.jpg" alt="" width="788" height="73" class="alignnone size-full wp-image-89290" /> できたクラブは総重量321g 、クラ ブ長は 44.5㌅、クラブバランスはC8となった。 「A氏のスイングは独特で、通常なら68歳の男性ゴルファー、それもHS36 m/s のゴルファーに、今回のセッティングは薦めません。ただ、しなりを極端に嫌うゴルファーですから、クラブはハンマーで良いと思います。つまり、総重量が重ければ、クラブバランスは関係ない。さらに短くても良いと思いますね」 通常なら、上級者が好むヘッドで、パ ワーヒッター向けのシャフトを同年代のゴルファーに提案することはない。ただ、金子氏はA氏が支持するインストラクタ ーのスイング理論を理解する機会があった。それが今回のセッティングに対して金子氏が納得した上で、ゴルファーに提案したということになる。 「非常に稀なケースだと思います。200人に1人いるかどうかですね。それでも 飛距離が伸びたので良かった」 金子氏のフィッティング理論は「しなりを使うこと」だが、今回のフィッティングは真逆。成功した要因の一つは、フ ィッターの研究にあったといえるだろう。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my15-shaft.jpg" alt="" width="788" height="131" class="alignnone size-full wp-image-89293" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> キャロウェイゴルフ PR担当 原哲史氏 「どちらかといえば、『パラダイム◆◆◆』はHSが速めのゴルファーに合うというドライバーのポジションですが、試打会等でもHSが遅い方でもマッチするゴルファーは多いんです。ただ、今回のゴルファーのHSなどを聞くと、一般的にはなかなかいないケースだといえますね」 <h2>フィッティングスタジオゼロとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/2703TUDY9GI?si=aynwMKecm7_DvoEp" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒125-0062 東京都葛飾区青戸8-5-19 TEL:03-6662-9180 FAX:03-6662-9181 HP:Https://www.golf-zero.co.jp この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年8月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2025年08月01日
    2022年、元マミヤの吉川仁氏が立ち上げたのが、「ギアーズ」「トラックマン4」「GCクワッド」などの最新計測器を設置した『4plus Fitting Labo &amp; Golf Salon』だ。レッスン、フィッティング、工房に加え、食事やお酒なども楽しめるサロンも完備。ゴルファーの憩いの場となっている。今回の悩めるゴルファーは47歳の女性Aさん。独特のスイングはダウンブロー度合いが強く、アイアンの球が上がらず飛距離をロスしている。Aさんに薦めたのがグラインドワークスのマッスルバック『MB101A』と藤倉コンポジットの『MCI』(50S)の組み合わせ。Aさんの飛距離は伸びた? ドローの球筋が必ずしもインサイドアウトではない 最新鋭の測定器が揃う4plusはレンジ、レッスン、フィッティング、クラフトに加えサロンでの飲食も楽しめる。それぞれの会員合計は200名ほどで、そのほとんどが熱心なゴルファー。だから、トレンドに影響を受けやすいゴルファーも多いと吉川氏は解説する。 「特にシャローなスイングですね。ゴルフを始めるとスライスに悩まされる時期があるから、ドローボールへの憧れが強い。それで『ドローを打つスイング』=『インサイドアウト』と思い込んでいるゴルファーが多いんです。それで流行りのシャローなスイングを取り入れてしまう。今どきの高慣性モーメントのドライバーとは相性が悪いですから、球が散らばると思いますね」 そんな流行に左右されるゴルファーが多い一方で、今回の悩める女性ゴルファーAさんは流行には見向きもせず、独特のダウンブローでゴルフを楽しんいる。 「ボールを投げるなど、下半身から動き出す動作のスポーツ経験がない女性ゴルファーの多くは、上半身だけでスイングするのでシャフトをしならせる時に必要なタメができない。それで直線的にインパクトを迎え、入射角が強く、バウンスの強いソールだとハネる。打点位置と重心が合わず、飛ばないんです」  まさにAさんがそれだ。低重心で幅広ソールのアイアンに、タメが作りにくいスチールシャフトのセッティング。7番アイアンでキャリーが100ヤード未満と悩んでいた。 <h2>高重心、短重心距離で打点位置と重心を合わせてつかまえる</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my21-2.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-88896" /> Aさんに推奨したヘッドはグラインドワークスの『MB101A』。以前使っていたヘッドより重心は5㍉ほど高い。 「ダウンブローで入射角が3〜6度あって、ヘッドの重心より上に当たっていたインパクトを、比較的重心の高いマッスルバックのヘッドで打点と重心を合わせました」  さらに『MB101A』は重心距離が短く、ボールをつかまえてくれる。それによりミート率も向上したという。加えてソール幅が狭いため、ハネ返りが軽減されてヌケも改善された。シャフトは藤倉コンポジットの『MCI』(50S)をセッティング。その理由を吉川氏は、 「以前使用していたスチールシャフトは、直線的なインパクトを迎えるスイングだとタメを作れなかったと思います。そこでカーボンのしなりでタメを作り、さらに先端が当たり負けしない厚いインパクトが可能になりました」  結果、入射角も2〜5度程度に抑えられ、つかまったインパクトでキャリーも115ヤード程度まで伸びたという。長さは7番で以前の37.75㌅から37㌅と0.7575㌅短くなった。短くなればアップライトにクラブを振りがちになるが、その点にも『MCI』を勧めた理由があるという。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my21-head.jpg" alt="" width="788" height="157" class="alignnone size-full wp-image-88906" /> <h2>縦にクラブを振る女性は多い 軽く短い初心者セットの弊害</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my21-3.jpg" alt="" width="788" height="120" class="size-full wp-image-88898" /> ※実際採用されたのはフレックス「5S」 ここでひとつ疑問が浮かぶ。Aさんのスイングはアップライトでダウンブローが強く、重心と打点が合わないことで飛距離をロスしている。なのに、アップライトなスイングになりがちな短いクラブを推奨した。その理由について、 「『MCI』はタメを作りながらシャフトのしなり戻りが強いんです。結果として、横方向の挙動が強くてボールを拾ってくれました。今回のケースに限ってはヘッド特性との相乗効果で、短いクラブでもインパクトでのダウンブロー度合いが軽減されたと思います」 この現象は女性用の初心者セットでよく見られるという。 「軽くて短いクラブを上半身だけでスイングする女性は多く、ダウンブローのインパクトになって飛ばない女性は多い」 Aさんのケースで、吉川氏は新たな発見があったという。 「Aさんの場合は『やってみよう!』ということで、このセッティングを試して効果があったんです。身体の動きもインパクトの現象も複雑なので、試してみることが重要だと再認識しました」 常識にとらわれず、試してみる。フィッターの探求心がゴルファーの悩みを解決したといえるだろう。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my21-shaft.jpg" alt="" width="788" height="156" class="alignnone size-full wp-image-88905" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> 藤倉コンポジット プロモーションチームリーダー 飯田浩二氏 「『MCI』(50S)」はヘッドスピード40m/sのゴルファーが対象ですから、Aさんに合っているシャフトだと思います。そして、シャフト重量の割には硬くないという特徴がタメを作る要素になったと推測できます。フィッターの経験が生きたセッティングだと思いますね」 <h2>4plus Fitting Labo &amp; Golf Salonとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/icMIOV0ygqU?si=irg_G0GXSEKeim6u" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒162-0846 東京都新宿区市谷左内町5 Lowp B1 TEL 03-6842-9033 URL https://4plus-golf.com/ なお、この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年2月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2025年07月30日
    宮城県仙台市に隣接する富谷市で2018年に開店したのが「T―LABO仙台富谷店」。2022年には同「泉パークタウン店」もオープンして、仙台を中心とした地クラブユーザー、そして競技者のクラブの面倒を見ている。代表の竹井次郎氏は、工房歴30年。顧客の中には、男子ツアーのトップ選手も名を連ねるから、その腕は確かだ。今回の患者は、女性アスリートゴルファーのAさん。クラブ競技にも出場する50代で、悩みは競技で戦うには不足しているドライバーの飛距離。男性用ドライバーを使用しているAさんに、規格外の超軽量ドライバーを提案した。 <h2>数多くのD2信者 重さよりクラブMOI</h2> 地クラブ好きや競技ゴルファーも多い「T―LABO仙台富谷店」。その多くに固定概念があると竹井氏は強調する。 「アイアンやウエッジなど短いクラブは、クラブバランスを重くしないといけないと思い込んでいるフシがありますね。『D2信者』と呼んでいます(笑)」 例えば、アイアンのクラブバランスがD2なら、ウエッジはD3以上。それが思い込みだということが分かるきっかけがあったという。 「実はウエイト調整可能なドライバーヘッドで、ウエイトを全部はずした状態で試打をしてもらったことがあるんです。重量などは伝えていないんですが、意外と振り心地が良いという声が多かった。一概には言えませんが、クラブの総重量が軽い、特にヘッドが軽いクラブは、クラブ全体の慣性モーメント(MOI)が低いことで、振りやすかったんだと思います」 そんな経験から、クラブバランスのフローは考えるものの、 「特にドライバーは、全体の流れから切り離して考えることもあるんです」 振り心地を重視すると、結果的に総重量が軽くなり、パワーがないゴルファーほど、クラブMOIの低い方が振り心地が良いのだという。それがハマったのが女性アスリートゴルファーのAさんだ。 <h2>男性用280gから超軽量で規格外の236gのドライバー</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/04/my14head.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-87366" /> 竹井氏が薦めたのが、ジオテックゴルフコンポーネントの『クロトRE168cc』という172gの超軽量ヘッドと藤倉コンポジット『エアースピーダーPLUS』という37.5gのシャフト。そこにゴルフプライドの『ツアー25』という25gのグリップを装着した。総重量なんと236gのドライバーで、 「女性用といっても、通常の完成品クラブなら260g以下はあまりないです。230g台の軽いクラブは、普通なら女性の競技者には薦めないと思います」 AさんのHSは34m/sと女性では速い方で、飛距離も180ヤードと一般的な女性ゴルファーからしても飛ばし屋とはいかないまでも飛ぶ方である。結果はドライバーの飛距離が200ヤードまで伸びたという。 「新しいクラブやセッティングを試してもらうと、普通なら『振りやすい』というのが第一声なんですが、今回のクラブは『ナニコレ?』というのが第一声だったんです」 Aさんはクラブには詳しくなく、周囲の男性競技者に薦められ、既製品の男性用クラブのフレックスRを使っていた。重量は280gだから、40g以上の差がある。だから、 「私も驚きましたが、彼女自身が大きな驚きで、スコアも縮まったと聞いていますから、大成功だと思いますよ」 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/04/my14headspec.jpg" alt="" width="788" height="132" class="alignnone size-full wp-image-87370" /> <h2>HS上昇は1m/s前後だけど、それでも20ヤード伸びたワケ</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/04/my14shaft.jpg" alt="" width="788" height="98" class="alignnone size-full wp-image-87367" /> 『クロト168REcc』は業界でも最軽量クラスのヘッドで、シニア、女性向け。『エアースピーダーPLUS』も同様で、それだけ聞けば意外な組み合わせではない。ただ、総重量236gいう規格外の軽量が肝なのか、 「HSは1m/s程度しか上がっていないので、それで飛距離が伸びたとは考えづらいですね。ただ、ボール初速が上がったんです。考えられるのは超軽量ゆえに、クラブ全体のMOIが減少して、クラブが振りやすくなり、インパクト直前でヘッドのターンが加速して、初速が上がったという可能性です。それなら、HSはほとんど変わらなくても、初速が上昇する可能性があります。結果として20ヤード距離が伸びたということはいえるかもしれませんね」 クラブは振り切れる範囲で重いクラブの方が飛ぶ―。これが業界で長らく常識となっていた。しかし、 「既製品に230g台のドライバーってないですよね。だから、ほとんどのゴルファーが試したことがない。それもあって、効果が分からなかったんだと思います。それをカスタムだから実現できたという点はあると思いますよ」 とはいえ。236gのドライバーである。工房だからこそできるマイカスタムだといえるだろう。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/04/my14shaftspec.jpg" alt="" width="788" height="90" class="alignnone size-full wp-image-87371" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> ジオテックゴルフコンポーネント 広報担当 桜井暢彦氏 「『クロト168REcc 』と『エアースピーダーPLUS』の組合せは鉄板だと思いますが、想定ゴルファーは『今までのクラブが振りにくくなったシニア』や『体重がまだ軽いジュニア』でした。加えて、総重量が236gと非常に軽いので、女性とは言え競技ゴルファーには軽さがデメリットになると考えていましたが、今回、大きく飛距離アップしたと聞き、新境地を見つけたような話で正直驚きでした」 <h2>T―LABO仙台富谷店とは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/uOw2PpOOWMA?si=BlXIt-GHKyoGiffU" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒981-3329 宮城県富谷市大清水2丁目22-1 TEL:022―341‐3160 FAX:022‐341-3160 URL:www.t-labogolf.com <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年7月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2025年07月25日
    東京都西東京市の新青梅街道沿いは、多くのゴルフ練習場やゴルフショップが軒を連ねる。田無ファミリーランドTIMEZIPS24もそのひとつ。その中で営業するのが、「ブルーゴールドゴルフスタジオ」だ。同店でCTO(チーフ・テクニカル・オフィサー)を務める武井幸喜氏は15年以上の経歴で、練習場に通うゴルファーの面倒を熱心に見る。今回の悩めるゴルファーは60歳代の女性ゴルファーAさん。ゴルフ歴は20年以上だが、ドライバーの飛球がスライスやフックと安定しない。シャフトのしなりを感じられず、長いクラブほど縦振りが強くダウンブローになる。そのAさんに薦めた組み合わせはテーラーメイド『Qi10』と三菱ケミカル『ディアマナPD』の5S。方向は安定したのか? <h2>シャフトの硬度とHSは必ずしも一致しない</h2> 武井氏は、長年ゴルファーを診ていて思うことがあるという。 「昔はHSが速かったり力のあるゴルファーは、硬くて重いシャフトを使うのが定説でした。でも、最近は必ずしも一致しないケースが多いと思う。そこにとらわれてしまうと、フィッティングは失敗しちゃうんです」 自戒の念を込めて、そう語る。ひと昔前と比べ、シャフトはキックポイントが細かく設計されており、シャフトの選択肢も増えているからだという。 「たとえば野球部出身者とか、見るからに体格の良いゴルファーには、店員の第一印象で硬いシャフトを薦めがち。一方で女性やシニアには、なんの疑いもなく軽量で軟らかいシャフトのクラブを薦めてしまう」 ゴルフ工房には多くのゴルファーが相談に来るが、今回の悩めるゴルファーAさんも、病巣はそこにあった。症状はドライバーの飛球がスライス、フックと安定しない。ドライバーのHSは32m/s前後。スコアは100前後で飛距離は160ヤード。使用しているのはレディスクラブだ。 「シャフトのしなりや軟らかを感じることができないと言います。縦振りの度合いも強くて、ダウンブローにインパクトを迎えるから打点が安定せず、飛球が定まらない様子でした」 通常なら、シャフトのしなり、軟らかさを感じるように、さらに軟らかいシャフトを薦めるが、 「もちろん、そのようにしましたが、Aさんは違和感を覚えていました」 辿り着いた仕様がテーラーメイド『Qi10』(10.5度)と三菱ケミカル『ディアマナPD』の5Sだった。 <h2>中調子で先端硬めとカッコ良いヘッド</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my19-2.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-88864" /> Aさんの違和感の正体は、 「シャフトがしなるとヘッドの重みを感じると言いますが、ヘッドが動いていることが心地よくなかったそうです」 それで一目見て「カッコ良い」と思った『Qi10』を試打。男性向けのスタンダードなモデルだったから、 「硬くて重くて、最初は打てないと思ったんですよ。ところが気持ちよさそうにスイングされていた。それで女性シニアでも硬いシャフトが合うゴルファーもいるんだということに気が付いたんです。先入観はダメですね」 さらにAさんは「軽いシャフト」でも軽さを感じない様子だったという。そこで探求心も働き、重いシャフトの試打も促した。 「薦めたのは『ディアマナPD』の5Sです。全体がしなるシャフトで、中調子で且つ先端が硬め。40g台のRからスタートしましたが、重く硬くなれば振りやすくなってくる。それで5Sに決めたんです」 Aさんはシャフトが硬くなると振りやすくなる。つまり、量販店に並んでいるレディスクラブでは対応できないと武井氏は感じたという。シャフトが重くなればなるほど、気持ちよくスイングしているAさんを見て、 「60g台のシャフトも1発の飛距離を求めるならアリですが、1ラウンドは体力が持たないのでやめました(笑)」 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my19-head-1.jpg" alt="" width="788" height="166" class="alignnone size-full wp-image-88868" /> <h2>既成概念に捉われるとフィッティングは成功しない</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my19-3.jpg" alt="" width="788" height="60" class="alignnone size-full wp-image-88865" /> Aさんの新たなドライバーは、総重量 288g、長さ43.5㌅、バランスC4。これまでのドライバーが260gのC1だから、重量だけでも30g近く重く、さらにフレックス表示は一気にLからSになった。それによって、 「インパクトが安定して、サイドスピンが減りました。ロフトは10.5度ですから 打ち出し角は減りましたが、ボールは前へ行って、飛距離も180ヤードに伸び ました。何より『もっと早く来ればよかった』と言ってもらったことが嬉しかったですね」 武井氏は今回の件で、冒頭の固定概念 に捉われてはならないということを改め て自覚したという。 「すごく勉強になりましたし、やはり思い込みはダメですね。試打シャフトのラインアップも見直した方が良いと思いました」 今回のケースは、シニア、レディスゴルファーでも稀だという。だからと言って、必ずしも体格や年齢、HSでクラブが決まるわけでないという実例だ。それが出来るのがゴルフ工房の強みである。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/07/my19-shaft.jpg" alt="" width="788" height="165" class="alignnone size-full wp-image-88870" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> 三菱ケミカル ツアー担当 三好正樹氏 「お話を聞いた限りでは、縦振りがポイントで、重さを使ってヘッドを落とせるのでHSが上がると思います。それに加えて、『ディアマナPD』は手元が軟らかく先端が硬いのでAさんのスイングに合ったと思います。王道の組合せとは言えないですが、重さやフレックスに先入観を持たずに試打をしてもらうと、今回のように最適なシャフトが見つかると思いますね」 <h2>ブルーゴールドゴルフスタジオとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/uPIKRN1GdOg?si=MnsicgcxwMQTnpRu" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒188-0014 東京都西東京市芝久保町5丁目8‐2 田無ファミリーランドTIMEZIPS24内 なお、この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年12月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2025年07月23日
    東京都町田市の練習場・町田モダンゴルフ内で営業するのが、チューンアップスタジオ&amp;スクール。20年近く工房とスクールを営業しており、多くのゴルファーの拠りどころとなっている。今回の悩めるゴルファーは68歳のシニアゴルファーA氏。スイングアークが小さく、手打ちでタイミングがバラバラ。ドライバー飛距離も180ヤードで、左右に飛球がバラけるのが悩み。そこで提案したのが、飛距離性能に定評のあるアキラプロダクツのヘッド『プロトタイプ GL-02』と、知る人ぞ知るターフのシャフト『バディー OMOYAWA』だ。A氏の悩みは改善された? <h2>人気外資系の高MOIヘッドで「球がつかまらない」が続出</h2> 練習場で工房とスクールを開設するチューンアップスタジオ&amp;スクールの中嶋毅氏。多くのゴルファーを診る中で、最近の傾向を次のように説明する。 「大手外資メーカーの人気クラブをプロが使うという理由だけで、購入するゴルファーが多いんです。ヘッドの慣性モーメント(MOI)が大きく、フェースアングルは開き気味。パワーのあるゴルファーなら使いこなせますが、HSの遅いゴルファーなどは球がつかまらない傾向が見られます」 高MOIの米国大手メーカーのドライバー購入者は多いが、それによってつかまらない弾道になってしまい、飛距離をロス、方向性も定まらない傾向があるのだという。 今回の患者A氏は、国内メーカーのドライバーを使っているが、最近流行りの高MOI系で、球がつかまりにくいヘッド。スイングアークが小さく、手打ちで、腕と身体の動きがアンバランスとなる結果、ミート率が落ちて飛球が左右にバラけ、180ヤード程度しか飛ばないのが悩み。 そのA氏にはミート率を向上させる、クラブ重量を上げて手打ちを抑制することを目的として、つかまりと飛距離に定評のあるアキラプロダクツの『プロトタイプ GL-02』と、ターフの『オモヤワ』シャフトの組み合わせを提案した。 <h2>68歳、HS37m/sのシニアに総重量316gのドライバー </h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/05/my17head.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-87499" /> この組み合わせがA氏に不釣り合いなのは総重量だ。 「A氏はHSが37m/sと遅く、パワーもありません。以前まで300gを切るドライバーを使っていたので、総重量だけを考えても、ふつうならこの組み合わせは推奨しません」 と前置きして、中嶋氏が続ける。 「ターフの『オモヤワ』は短尺でバランスを軽めに仕上げることで、シャフトの性能を一番引き出せる。今回のドライバーは、総重量が316gとA氏には不釣り合いに見えますが、バランスは『C7』に設定しました」  クラブ長は44.5㌅。スイングアークは小さいままだが、『オモヤワ』の重くて軟らかい特性を生かし、手だけでテークバックせず、身体全体でクラブを上げる動作に誘導。さらに、シャフトの軟らかい特性を生かして打ち急ぎを防ぎ、スイングリズムを安定させた。  それに加えて、ヘッド『GL‐02』の球がつかまりやすい性能を生かして、ミート率が向上。結果として、飛球のバラつきが抑えられ、飛距離も10~15ヤード伸びたという。 「極端に言えば、『オモヤワ』は超軟らかい練習用シャフトです。それでタイミングを矯正しますが、タイミングが合ってきても、球がつかまらないヘッドでは、ミート率の向上と飛距離アップにつながりません。なので、総重量が上がってもバランスを下げて振りやすくして、球がつかまる組み合わせなんです」  そして、この組み合わせがA氏にハマった理由はもう一つあるという。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/05/my17headspec.jpg" alt="" width="1202" height="180" class="alignnone size-full wp-image-87501" /> <h2>先入観を取り除くために説明せずに打ってもらう</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/05/my17shaft.jpg" alt="" width="788" height="276" class="alignnone size-full wp-image-87500" /> クラブを推奨する際、中嶋氏が気をつけるのは、 「とにかく、先入観を持たずに一発目を打ってもらうことですね。今回のA氏にも、クラブ長や総重量を一切説明せずに打ってもらいました。振り心地が良いことがわかったので推奨したんです」 もちろん、クラブバランスについても説明せずに試打してもらったという。 「クラブのスペックを最初に説明すると、その数値に拒否反応を示すゴルファーは 多いんです。例えばバランスは『D2がベスト』と思っているゴルファーは多い。 強い先入観は邪魔になります」 それに加え、 「今回のようなセッティングは、万人向けのクラブをつくる大手メーカーには難しいと思います。地クラブだからこそできることはある」 ゴルフが上手なインフルエンサーが挙って持ち上げる高MOIのクラブだが、人間は千差万別だけに、合う、合わないは当然ある。そのことを改めて確認した今回のマイカスタムだった。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/05/my17shaftspec.jpg" alt="" width="788" height="77" class="alignnone size-full wp-image-87503" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> ターフ 専務取締役 鵜野善光氏 「『オモヤワ』は女性ゴルファーにも好評ですので、A氏のセッティングも可能性はありますね。できれば身長も参考にクラブ長を検討してもらうと、より良いセッティングになると思います」 <h2>チューンアップスタジオ&amp;スクールとは</h2> <iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/vb_lTSjFajY?si=gYgcuhP1f4VFjpb9" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒194-0004 東京都町田市鶴間447 町田モダンゴルフ内 TEL:042-795-0496 HP:http://ameblo.jp/jeronimo2010 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年10月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2025年07月20日
    鉄の塊からウエッジを削り出すのが、レッドホイルのクラフトアドバイザー鈴木伸也氏。ひとりで工房を切り盛りするが、その技に引き寄せられて多くのこだわりゴルファーが集まってくる。その一人が53歳のA氏。14歳でゴルフを始め、30代のころはドライバーのシャフトが90g台と常識外のスペックを使っていた。ただ、スイングで身体を痛め、指をケガ。以降、HSと飛距離は落ちてクラブは軽くなっていく。そのA氏が50歳を迎えるのを機に鈴木氏が薦めたのが、ターフの高反発ヘッド『バディ・ハイパー』とスイス発の『TPT21Hi』シャフトだった。 <h2>「重い」が正義だと思っている 自分の能力や感覚と向き合わない</h2>  レッドホイルの常連客は競技ゴルファーが多い。だから、 「プロのクラブを参考にする人が多く、重いシャフトを使いがち。『重い』が正義だと思っています。それは、自分の能力と真正面から向き合っていない。数値ばかり追って、自分の感覚を重視しないゴルファーが多いですね」 例えば、軽いクラブは、スイング中に遠心力で引っ張られない傾向が強い。それによって、 「クラブとゴルファーの力関係は、ゴルファーが主導権を握ることになります。スイングの精度が求められ、感性も磨かなければならず、鍛錬も必要。でも、みんな逆なんです」 この考え方は、今回の登場人物A氏にもつながる。30代の頃はHS48m/sでシャフト重量は90g台、クラブバランスD9のドライバーを使っていた。しかし、指のケガでHSは現在42m/s。セッティングは軽量の高反発ヘッドと、軽量だがアスリートが使うシャフト。ゴルフはどうなったのか? <h2>パワースイングで指に負荷 一気に開放して飛ばしていた</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/04/red2.jpg" alt="" width="665" height="525" class="alignnone size-full wp-image-81207" /> もともとA氏のスイングはパワースイング。超重量級のクラブを一気にテークバックし、同時に下半身は左に回転し始め、トップで一気に上げたクラブを左手の親指で受け止め、その反動で一気にダウンスイングに入っていた。その反動が長年続き、親指をケガ。慢性的な症状で重く硬いクラブは打てなくなってきた。 A氏が軽量クラブを求める中で、鈴木氏が薦めたのが、ウエイトなしで189.5gのターフの超高反発ヘッド『バディ・ハイパー』と40g台と軽量で低振動数ながらアスリート向けの『TPT21Hi』。 「このヘッドの恩恵を受けるのはHSが35m/s以下のゴルファーだと思います。一方、『TPT』は軟らかいスペックでもシャフトは締まったアスリート向け。この組み合わせは軽量を求めないなら、普通はあり得ません」 ただ、A氏はベテランの元アスリートゴルファー。スイングが出来上がっているから、先の話の通り、軽いクラブで主導権がゴルファー側になって、クラブを操れる。そして、 「スイングの精度が求められるので、飛距離や方向性を考えれば、ケガもあるから、力いっぱい振れなくなる。そこが狙いなんです」 結果、A氏はスイング中の親指の痛みもなく、全盛期の飛距離とまではいかないが、平均スコアは70台に戻った。さらに、ゴルフが続けられる状態を維持しているという。 <h2>第二のゴルフ人生を作る ゴルファー寿命を延ばす</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/04/red3.jpg" alt="" width="788" height="71" class="alignnone size-full wp-image-81206" /> A氏は次のように話していたという。 「ケガによって、そしてこのクラブとの出会いによって、飛距離への執着を捨てられました。誰もが300ヤード飛ばしたいと思う。ただ、できもしない事をやろうとしているのではないでしょうか。自分の能力を卑下するのではなく、認めることで私は第二のゴルフ人生を作ることができました」 完成したクラブは振動数214cpm。元スーパーへビー級のクラブを使っていた男が、いまでは総重量266.4gの超軽量ドライバーを使っている。鈴木氏がA氏について、付け加える。 「もともと超アスリートですから、スイングはできている。ただ、クラブが軽くなると主導権がゴルファーになり、速く振ろうとか、何でもできてしまう。だからこそ、余計に力が入らないようにスイングの精度を上げていかなければならない。クラブとしては難しくなります」 でも、それ以上のメリットがある。 「それはスイングの精度を突き詰めてスコアが縮まったことに加え、これから10も20年もゴルフが続けられるということです」 通常では考えられないヘッドとシャフトの組み合わせが、ゴルファーのプレー寿命を延ばしている。 <h2>メーカー担当者コメント</h2> TPT輸入代理店 ベガサスジャパン 堀口宜篤氏 「もともとアスリート向けのシャフトとして日本に上陸したので、そのイメージが強いですよね。そのイメージではセッティングしない組み合わせですが、いまでは軽く柔らかいシャフトもラインアップしています。とはいえ、高反発ヘッドとの組み合わせには驚きます。今後は軽く、柔らかいシャフトにも注目してもらいたいです」 <h2>レッドホイルとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/xvNWTv2ipIU?si=DQN7K07snJMI3Plc" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> レッドホイルゴルフ 〒133-0065 東京都江戸川区南篠崎1-14-12 TEL:03-5636-8455 FAX:03-5636-8456 この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年3月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2025年07月18日
    2020年にジオテックゴルフコンポーネントの「TEE―1」から独立して開業したのが「GOLFMAXさいたま浦和店」。埼玉県の中でも富裕層の多い浦和に店を構え、吉岡隆行代表は競技ゴルファーからエンジョイゴルファーまで幅広く対応している。 その吉岡代表を頼ったのが57歳の女性ゴルファーAさん。夫のおさがりのドライバーを使用しており、球が低いスライスで飛距離が悩み。リストが使えずタメができないから、ヘッドスピードも上がらない。薦めたのは超軽量のヘッドとシャフトという鉄板の組み合わせだが、ポイントは長さだったという。 <h2>衝動買いや貰ったクラブで全部バラバラのゴルファー</h2> 埼玉県内でも富裕層の多いさいたま市浦和地区。お金に糸目をつけずクラブを購入するせいか、 「ブランドやモデル名でクラブを買うゴルファーが多く、特に中古ショップでは衝動買いするゴルファーが多い。そのせいでクラブセットがバラバラになるゴルファーは多いんです」 と、注意をうながす。同じようにクラブがバラバラになるケースもある。 「旦那さんや知人にもらったクラブをそのまま使うケースです。特にクラブの知識が少ない女性に多く、合わないクラブだと知らないで使っている場合が多いですね」 吉岡代表によると、女性用クラブでドライバーからウエッジまで開発コンセプトや重量などのスペックに一貫性がある製品は、大手ナショナルブランドでも2〜3社しかないという。 「そのため選択肢が少なく、夫のおさがりを使うのは普通だと思います。ただ、良い傾向ではないですね」 今回のAさんも同じケースだ。Aさんはヘッドスピード36m/sと女性では速い方だが、夫からもらった男性用ドライバー(R)を使用。260gと軽量だが、Aさんのスイングはボディターンだけで打つのでタメができず、ヘッドスピードが足らない。低い球でスライスが出て飛距離が伸びない。そこで提案したのが超軽量のヘッドとシャフトの組み合わせ。鉄板だったのだが・・・。 <h2>超軽量のつかまるヘッドと自然とタメができるシャフト</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/06/my262.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-88586" /> 吉岡代表が薦めたヘッドは、ジオテックの『クロトエアリアル168』という168gの超軽量ヘッドと、鉄板の組み合わせといわれる藤倉コンポジットの『ゼロスピーダー』。46㌅で29.5gという超軽量シャフトである。『クロトエアリアル168』を選んだ理由は重量だけではない。 「11.5度というロフトが理由のひとつです。打ち出し角を増やして低スピンにしたかった。女性は非力なゴルファーが多く、球を上げられないからキャリーが少ない。最低でもロフト角11度は欲しかったのです」 それに加え、このヘッドは浅重心で少しグースネック。 「スイング中にタメを作れないため、アウトサイドからインパクトを迎えます。だから、ヘッドで球をつかまえてあげるんです」 そこに超軽量の『ゼロスピーダー』を組み合わせた。 「このシャフトは軽量ですが、先端が走って自然とタメを作ってくれます。入射角も3度くらい浅くなって、スピン量も3000台後半から2400rpmまで減りました。それによって20ヤードほど飛距離が伸びて、喜ばれていました」 ここまでは鉄板の組み合わせだが、肝は長さだという。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/06/my264head.jpg" alt="" width="788" height="97" class="alignnone size-full wp-image-88589" /> <h2>横ぶりにさせる46㌅ 長さでも球をつかまえる</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/06/my263.jpg" alt="" width="788" height="109" class="alignnone size-full wp-image-88587" /> もともとのドライバーは総重量260g(R)でロフト9.5度、長さ44㌅。それが今回の組み合せで総重量235g、ロフト11.5度、長さ46㌅になった。一見、スペックダウンしているように見えるが、長さが2㌅長くなっている。 「Aさんは身長が170㎝近くあって、短いクラブだと縦にスイングしてしまいます。横ぶりをさせて、球をつかまえる目的で46㌅にしました」 それに加え、 「ヘッドが軽くなり、カウンターバランスになった。クラブ自体が振りやすくなり、ヘッドスピードも2m/sくらい上昇して、飛距離に繋がったと思います」 吉岡代表は一連のフィッティングを次のようにまとめた。 「下半身始動で、タメを作ってほどく。それができればHSで4m/sはすぐに上がります。今回は、超軽量で球をつかまえやすいヘッドと、タメが作れるシャフトを46㌅で組んだ結果、Aさんのゴルフライフが幸せになったと思います」 飛距離が伸びただけではなく、ゴルフが楽しくなれば良い。工房店主のフィッティングの極意は、そこにある。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/06/my265shaft.jpg" alt="" width="788" height="65" class="alignnone size-full wp-image-88590" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> ジオテックゴルフコンポーネント 広報担当 桜井暢彦氏 「今回の組み合わせは、当社のロボットテストでも平均4.89%もヘッドスピードが上がりました。圧倒的な振りやすさを最大限活かし、女性ゴルファーでもボールをつかまえる意図で、クラブ長さを非常に長くして横振りにし、かつ速いヘッドスピードで振り切れるセッティング。これは『超軽量』の利点を『球のつかまり』にまで反映するという、当社では想定していなかった斬新で積極的なアプローチ。驚いてます!」 <h2>GOLF MAXさいたま浦和店とは?</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/3jPLr_E9_ew?si=f_cu59VHGfaZlwFT" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒336-0021 埼玉県さいたま市南区別所1-26-13 TEL 048-799-3888 HP https://golfmax-saitama.com/ この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年7月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2025年06月29日
    ゴルフ5プレステージといえば、アルペンの中でもひときわ目立つ高級ゴルフショップ。現在5店舗あり、外国人や経営者層が場所柄多いのが広尾店。今回は同店に夫と訪れた40代女性のAさん。HS33m/sと典型的な女性ゴルファーだが、ドライバー飛距離は140ヤード程度。悩みは球の上がらないスライス。そのAさんに薦めたのが軽量だがロフト角9度のPXG「ウルトラライト」と、軽量だがフレックスXの三菱ケミカル「バンキッシュ」(3X)の組み合わせ。それでスライスが改善され、飛距離はなんと210ヤードまで伸びたという。驚きのフィッティング術に迫る。 「身体を回す」を最初に教える その弊害がスライサーを生む 今回のフィッティングのポイントは、「日本人はスライサーが多い」ということの理由につながると、小池儀クラフトマンは説明する。 「日本人のインストラクターは、まず身体を回す、手打ちはダメと教えます。それで身体を回した結果、インパクトで身体が先に開いてスライスになります。つまり、ボールを逃がす動きを最初に教えてしまうからスライサーが多い」 ところが米国は逆で、 「最初に腕を振るということを教える。ボールをつかまえることを教えるんです。その後に体重移動を含めて、下半身の動きを教え、ボールを逃がす動きを学ぶ。その後にバランスを取るんです」 前者の「身体を回す」動きはテニスや野球経験者に多く、今回の悩める女性ゴルファーAさんもテニス経験者。悩みの種は弾道の低い飛ばないスライス。先の小池クラフトマンの分析に合致する。Aさんのスイングは、テニスでボールにドライブをかけるような動きで、インパクト前に身体を開いてしまう。身体が回りやすく、シャフトが軟らかいレディス仕様のドライバーだと振り遅れが発生する。ボールをこすってしまい、球が上がらずドライバーの飛距離は140ヤード程度だった。それを解決したい。原因は他にもあるようだ。 <h2>アッパー度合いは6〜7度 女性ではあまりない数値</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/05/ultralite.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-87902" /> Aさんのスイング特徴は数値にも表れており、女性ゴルファーの平均的アッパー度合いは3〜4度だが、Aさんは6〜7度と度合いが強い。それに加えて、女性ゴルファーはクラブが短いこともあり、ダウンブローが強い。この数値のバランスから、そもそも女性用ドライバーのロフト角は13.5度のハイロフトが多いわけなのだが、 「Aさんはアッパー度合いが6〜7度なので、インパクトロフトを相殺するためロフト角9度以下のヘッドが必要です」 さらにヘッド重量も大事な要素で、 「女性はクラブが重すぎるとスイング中にクラブを支えられず、ダフってしまうので、軽量ヘッドが必要です」 それでAさんに薦めたのがPXGの「ウルトラライト」(ロフト9度)だ。一方でシャフトは、 「Aさんは切り返しのタイミングが速く、シャフトに負荷をかけるスイング。軟らかいシャフトだと暴れるんです。なので軽量かつ硬いシャフトを選びました」 薦めたのは三菱ケミカル『バンキッシュ』の3X。できたクラブは、総重量253g、長さ45㌅、振動数266cpmという特殊なクラブになった。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/05/d696245c60d5879c16c33d30f978c084.jpg" alt="" width="700" height="144" class="alignnone size-full wp-image-87907" /> <h2>フレックス選びは切り返しのタイミングで行うべき</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/05/main_product_images_023.jpg" alt="" width="788" height="21" class="size-full wp-image-87905" /> ※写真は「5S」。実際にフィッティングで採用したのは「3X」です。 この組み合わせで、 「飛距離は最大210ヤードまで伸びたので、Aさんは大喜び。大事なことは軽量化もありますが、クラブの切り返しの速さでフレックスを選ぶこと。この視点も必要だと思います」 振り遅れが発生していたAさんは、硬いシャフトを使うことで振り遅れが改善され、低スピンのヘッドでもアッパー度合いが強いのでボールがドロップしない。スピン量も3000rpm以上だったが、1800rpmまで減少し、クラブが軽量で振り切れるようになった。45㌅の長尺でHSが上昇したことも、飛距離の大幅アップに寄与している。 「ただ、Aさんは100切りゴルファーです。今回のフィッティングは限界を求めた処方なので、ご主人の理解を得ながらのフィッティングでした(笑)」 HS33m/s前後の女性ゴルファーが総重量253gとはいえ、振動数266cpmのドライバー。常識にとらわれないフィッティングこそが、マイカスタムの要諦といえるだろう。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/05/b6bb9799de903a16871b7cfee3015d03.jpg" alt="" width="700" height="137" class="alignnone size-full wp-image-87908" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> PXGジャパン フィッター 秋元悠也氏  「インパクトロフトを考慮して、ロフト9度を選んだフィッターさんが素晴らしいです。ハイロフトと軟らかいシャフトの組合せは、インパクトでロフトが寝る可能性が高く振り遅れがち。女性ゴルファーであっても、テニス経験者でリストが強いからこそ『3X』の選択も、素晴らしい判断だと思います」 <h2>ゴルフ5プレステージ広尾店とは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/jscGibtV-ns?si=3SnUfvvIsOXunDAc" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> ゴルフ5プレステージ広尾店 〒106-0047 東京都渋谷区広尾5丁目7−35 広尾コンプレックス 1F TEL:03-3446-5021 HP:https://www.golf5-prestige.jp/store/hiroo/ この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年6月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2025年05月31日
    千葉県千葉市。ゴルフ場が多い地域でトッププロから地元のアマチュアゴルファーの面倒を見るのが、S-one GOLFの松成修一代表だ。10年ほど前に独立開業して、練習場・フジゴルフパークの空きスペースを借りて営業している。そんな松成代表が20代からクラブの相談にのっているのが現在40代の女性ゴルファーAさん。平均スコア80台半ばと上級者だが、ドライバーが若い頃と比べて振り切れないことで飛距離が停滞、弾道が散らばるのが悩み。男性用クラブでゴルフを始めたから、重く硬いクラブでゴルフを覚えている。今回のフィッティングの肝は「固定概念に捉われないこと」だとか。どんなフィッティングを施したのか? <h2>ツアー選手の影響で度の過ぎるアンダースペック</h2> トッププロから一般のアマチュアまで、幅広いゴルファーのクラブをサポートする松成代表。最近、対応するゴルファー にある傾向があるという。 「それこそ4~5年ほど前までは、日本人特有というか、見栄を張るゴルファーが多く、ヘッドが難しすぎたり、シャフトが硬く重すぎるスペックを好むゴルファーが多かったですよね。それが最近は逆で、度の過ぎたアンダースペックを希望するゴルファーが多いんですよ」 松成代表が説明するには、 「例えば、ローリー・マキロイですがシャフトは 50g台のSフレックス。それで、ヘッドスピード45m/sの男性ゴルファーが『 マ キロイが50gのSでしょう。だから俺は40gのRで十分なんだよ』と」 ヘッドが進化して、どんなシャフトでも曲がらない。単純に振りやすさを求めすぎて軟らかいシャフトを選ぶのだとか。 「特に女性ゴルファーには軟らかいシャフトを薦めがちです。でも今回のAさんは逆ですね」 若い頃と比べ振り切れず、飛距離が停滞し、球が散らばるAさん。薦めたのは、軽量で球が上がるワクチンコンポの「WACWAC8」(ワクワクエイト)のHT(11.5度)のヘッドと、棒みたい硬いと言われる藤倉コンポジットの「ベンタスブラック」(初代)の5S。簡単なヘッドと硬いシャフト。それで悩みは解決したのか? <h2>スイング中にヘッドを感じない シャフトはしなりを感じるのが嫌</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/04/my25-head.jpg" alt="" width="621" height="525" class="alignnone size-full wp-image-87340" /> Aさんのスイングは身体が軟らかいこともあり、インサイドからクラブが出てくるドローヒッター。しかし、アッパーなスイングではないから打ち出し角が低い。加えて、スイング中のヘッドの位置は感じないが、切り返し直後に感じるシャフトの「グニュッ」としたしなりが嫌いだという。 「それでヘッドは軽く、ロフトの多い『ワクワク8』のHTを選びました。そのヘッドに初代の『ベンタスブラック』のSフレックス。ヘッドスピードが38m/s前後ですから、ヘッドは良いとしてもシャフトは一見オーバースペックですよね」 Aさんは重く硬い男性用クラブでゴルフを覚えた。当時はヘッドを感じていたが、加齢とともにクラブが重く感じて振れなくなったという。 「スイングの特性もあって、『ワクワク8』はロフトが多いけど少しだけ前重心。ソール後方にもウエイトがあって、インパクト時にフェースが上向くんですが、低スピン。打ち出し角が高くなり、高弾道低スピンになりました」 一方の「ベンタスブラック」だ。 「Aさんはシャフトのしなりを感じやすい。だから違和感を覚えて振り抜けないという原因もあった。もともと硬いシャフトが好きだったので棒みたいにしなりを感じない『ベンタスブラック』のSシャフトにしたんです」 ヘッドが軽くカウンターバランス。だから、クラブを重く感じず振り切れるようになり、飛距離も若い頃にもどり、球の散らばりもなくなったという。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/04/47c5a1513b20374456a74c69887b812d.jpg" alt="" width="788" height="152" class="alignnone size-full wp-image-87348" /> <h2>「固定概念」対「クラブの進化」 その戦いがフィッティングの鍵</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/04/my25-shaft.jpg" alt="" width="788" height="149" class="alignnone size-full wp-image-87345" /> Aさんはこれまで、若い頃と異なり飛距離が停滞して球が散らばるから、 「OBが多くてゴルフが苦しくなっていたと言っていました。女性にしては200ヤードを超える飛距離の持ち主だったこともあって、自信もなくしていた。それが今回のフィッティングで解消されて、ゴルフ熱が上がったと聞いています」 今回のフィッティングで松成代表は改めて気づきがあったという。 「クラブが進化して、どんなシャフトでも曲がらなくなった。だから振りやすさ優先で軽く軟らかいシャフトを選びがちですが、それが振りにくいゴルファーもいます。『固定概念』と『クラブの進化』の戦いで、いかに『固定概念』を打ち破るかが、ゴルファーにとって最適なクラブ選びにつながることに気付きました」 過去の経験に当てはまらないゴルファーの存在。フィッターによる固定概念の打破が、マイカスタムの極意となっているのは間違いない。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/04/my24shaftspec.jpg" alt="" width="788" height="114" class="alignnone size-full wp-image-87349" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> グラビティー 代表取締役 原田安浩氏 「『ワクワク8』(HT)の設計は、ロフトが11.5度と多めながら、結構な浅重心なのでリアルロフト通りの中弾道が出るヘッド。ところが今回のケースは高弾道低スピンの球筋になっていますね。スイングやシャフトによってメーカーの意図と違う良い結果になっている。新たな発見だと思います」 <h2>S-one GOLFとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/GRqxZOMQjYk?si=Rg3GXb5GEDtBsSyu" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒265-0074 千葉県千葉市若葉区御殿町9-4 フジゴルフパーク内 TEL&amp;FAX 043-312-343 ブログ:http://ameblo.jp/s-onegolf この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年5月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2025年05月04日
    コンセプト、ジオギャラクシー、ゴルフパフォーマンスなどを経て、2023年12月に独立したのがティームスのクラブフィッターの徳嵩力一氏。これまでプロを含め5000人以上にフィッティングを提供してきた。 現在は東京や千葉のレッスンスタジオを中心に出張フィッティングを行っている。そんな徳嵩氏が今回診た患者が、30代で元アメフト選手のA氏。パワーはあるが、使用中のクラブが軽すぎてスイングが安定しない。そこで提案したのが、ミステリーの中空アイアンとトゥルーテンパーのDGS400。そのポイントは重くて振りづらいクラブだとか。 <h2>どこを重くするかが最大のポイント</h2> プロを含め5000人ものフィッティングを行ってきた徳嵩氏は、最近気になることがあるという。 「大手メーカーの完成品クラブが軽すぎるという点です。速く振れるゴルファーであれば効果はあると思いますが、軽すぎる場合が多いですね」  クラブはヘッド、シャフト、グリップがあり、これまではシャフト、グリップで軽量化を図ってきたが、昨今は技術革新で中空ヘッドなど軽いヘッドもある。その軽いヘッドの出現で、クラブバランスを変えずにクラブ全体の総重量を重くすることもできるのだとか。 「どのパーツを重くするかが重要だと思います」  その考え方がハマったのが、今回の患者であるA氏。元アメフト選手の30代男性は、初級者だがパワーに合わない軽すぎるクラブを使用しており、クラブをしっかり振ることができず、スイングが安定しない。スコア100を切れない状況だが、あまりにも軽すぎる身体能力とミスマッチなクラブを使うことで、トップしかでないという。そのA氏に薦めたのが、ミステリーの中空アイアン『HS820』とトゥルーテンパーの『DGS400』。重心距離長め&ヘッド重量が軽めのアイアンヘッドと、重量級のシャフトで何が起きたのか? <h2>重いから手で上げられない その振りづらさがスイングを作る</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/10/HS820.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-83306" /> 徳嵩氏が説明する。 「ヘッドは中空ですが、重心距離が長く、しかしながら、通常のヘッドと比べれば1番手ほど重量が軽い。つまり、軽いけど、つかまらないヘッドです」  そのヘッドに、超重量級の『DGS400』を装着することで、使用中のアイアンと比較して、新しい7番アイアンは約20gの重量アップを実現した。 「いわゆる重くてゆったりしたクラブになります。通常なら、このヘッドに重量級のシャフトは採用しませんが、なんせ元アメフト選手。パワーがありますがスイングができていない。力任せに手だけで振ることができない、振りづらさを具現化したクラブで、このゴルファーにだから提案した組み合わせになりますね」  ヘッドの重心距離の長さもポイントだという。 「つかまりづらいというのも、ヘッドが重く感じるひとつの要素で、それも振りづらさに影響します」  もうひとつ、ヘッドの特徴があると徳嵩氏は説明する。 「このヘッドは低重心過ぎないヘッドで、上下の打点のミスに強いと思います。軽いヘッドでトップが出るA氏には、このようなヘッドが必要なんです」  軽すぎたクラブでトップが止まらなかったA氏はどうなったのか? <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/10/headspec.jpg" alt="" width="788" height="84" class="alignnone size-full wp-image-83310" /> <h2>軽すぎるクラブへの警鐘 速く振れないなら重くすべき</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/10/dynamicgold.jpg" alt="" width="788" height="72" class="alignnone size-full wp-image-83307" /> A氏は、このミステリー『HS820』 とトゥルーテンパーの『DGS400』 の組み合わせで、身体を使ったスイングが身に付き、スコアも100を切った。なにより重量が重いため、自信をもってスイングができるようになったという。 「最初にも話しましたが、軽いクラブは速く振ることができると大手メーカーは謳っていますが、実際そうではないゴルファーは多いですね。ひとつの基準はHSで、軽いクラブでHSが速くならないゴルファーは、逆に重いクラブを使った方がHSは速くなる傾向が強いですね」<br /> それに加え、 「軽いクラブは、軽いからテークバックしやすいですよね。それでオーバースイングになりがちで、上体が伸びてしまいます。伸びると戻ろうとするのがヒトの動きで、それがあるからトップやダフリが出てしまいます」 レアケースとはいえ、振りづらさを追求したヘッドとシャフトの組み合わせ。これもマイカスタムといえるだろう。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/10/shaftspec.jpg" alt="" width="788" height="56" class="alignnone size-full wp-image-83312" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> 和宏エンタープライズ 社長 足立昌也氏 「あまり聞かない組み合わせですが、絶妙ですね。『HS820』のヘッド重量が軽く、そして重心距離が長い特徴を、マッチョでも手だけで振っているゴルファーに向けて振りづらさに変換している点は大変興味深い。当初はシニア向けに開発した商品でしたが、HS の速い人にも使ってもらえているので参考になりますね」 <h2>ティームスとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/ZoKO01kh2k0?si=OOyByBt9I5qJUjXN" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒285-0850 千葉県佐倉市西ユーカリが丘1-8-17 info@tmsgolf.co.jp この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年6月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2024年10月06日
    2016年10月、都内世田谷区のオークラランドゴルフ練習場内にオープンした「大蔵ゴルフスタジオ」。開業から8年、フィッティングスタジオという立ち位置で、ツアープロを含め多くのゴルファーが拠り所としている。その常連客である52歳のA氏。公認会計士という職業柄、ゴルフは理論派。練習時間はないが、アイアンのミスをゼロにして、常にスコア90を切りたい。そのA氏に薦めたのが、キャスコの『UFO Speed』とロッディオの『LUNAR』の組み合わせで7本。セッティングからアイアンを抜いた。その効果を検証する。 <h2>ゴルフは娯楽だから組み合わせは何でもあり</h2> 大蔵ゴルフスタジオがオープンしてから8年。フィッティングスタジオという位置づけで、初心者からツアープロまで幅広いゴルファーが通う。試打できるシャフトは2000本と、ヘッドとシャフトのマッチングも無限に近い。代表の市川雄一郎氏は、 「ゴルフをスポーツとしてはとらえていません。だから、こうでなくてはならないという考えはないんです。極力練習せずにクラブで何とかして、という常連客も多いですが、それもアリですね」 その典型が今回登場するA氏。毎年クラブがセットごと変わり、ミウラもロマロもPXGも一通り使った。そのA氏の悩みはアイアン。公認会計士という仕事柄、合理的に物事を考える。練習に時間がさけず、とはいえ、アイアンのミスをゼロにしたい。探求心が強く、様々なスイング理論が頭に入っていながら、理論通りに身体が実行できない。だからミスがミスとして現場で起きてしまう。 そのA氏は当初、米国メーカーのリーズナブルなUT型アイアンを購入。8本で3万円の初心者用アイアンだった。 「もちろん、シャフトも合いませんし、価格相応なので、A氏が求めるミス軽減の条件を満たしていませんでした」 そこで薦めたのがアイアンの代わりになるキャスコの『UFO Speed』のヘッドとロッディオのしっかり系シャフト『LUNAR』(UT用)だった。 <h2>アイアンを抜いて『UFO Speed』7本</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/08/mycustom2.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-82676" /> A氏が求めたのが、ミスをした時に結果としてミスとならないクラブ。理論派だが、練習をしない。 そこで持ち込んだクラブの代わりに薦めたのがキャスコの『UFO Speed』。「アイアンなしで、もっと楽に飛ぶ」という謳い文句で、立ったロフトのヘッドは FW形状、ロフトが寝るにしたがってUT形状のクラブ。A氏には『33』(ロフト15度)、『44』(同18度)、『55』(同22度)、『66』(26度)、『88』(同34度)、『99』(38度)、『PP』(同42度)を推奨した。採用したのは、ロッディオの『LUNAR』のUT用シャフト。シャフトが必要以上に動くことを嫌い、しっかりとしたフィーリングを求める、比較的上級者のゴルファーに多いニーズに応えたシャフトである。 「A氏はHSがドライバーで40m/s程度ですが、スイングやスコアからいえばしっかり系のシャフトが合います。とはいえ『練習をしないで、ミスを失くす』というリクエストがなければ、『UFO Speed』にロッディオの『LUNAR』をセッティングすることは通常ないですね」  それも7本も投入した。 「特に『LUNAR』は、手元調子で重めのシャフト。ヘッドとのバランスは通常なら良いとは言えません」  メーカー純正の『UFO Speed』は『88』(Sフレックス)の総重量が363g。しかし、ロッディオ『LUNAR』(Sフレックス相当)を装着したクラブの総重量は、同じ『88』で399.5gと30g以上重くなっている。バランスはD2.0だが、純正品ならC9。その組み合わせで、A氏はミスが減ったのか? <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/08/mycustom5.jpg" alt="" width="758" height="109" class="alignnone size-full wp-image-82681" /> <h2>年1回買い替えるA氏が今回はエースクラブになった</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/08/mycustom4.jpg" alt="" width="788" height="38" class="alignnone size-full wp-image-82680" /> A氏は年1回、すべてのクラブを買い替えるヘビーゴルファー。それが今回の 『UFO Speed』と『LUNAR』の組み合わせにしたところ、 「半年以上は使い続けていますから、エースのセッティングになっています。いまでも練習する時間はないと聞いていますが、それでもミスが減ったそうですから、レアなセッティングだけど、A氏には大きな効果があったのでしょう」 「練習をしないゴルファー」―。 実は、大蔵ゴルフスタジオの常連客には、 「アンチレッスンのゴルファー、つまり教えられたくないゴルファーは多いんです。クラブで何とかしてくれって。なので、それぞれゴルファーの求める内容に合わせて、振り心地を重視してフィッティングしています」 昭和のモーレツゴルファーと違い、練習場でトラック1台分のボールを打つゴルファーは少なくなった。合理性を求め る中で、通常のクラブセッティングの概念が変わっている。アイアンなしのA氏のセッティングも、目から鱗のマイカスタムといえるだろう。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/08/mycustom6.jpg" alt="" width="758" height="73" class="alignnone size-full wp-image-82682" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> キャスコ 開発・企画部 藤原 雅彦氏 「『UFO Speed』はフェアウェイウッドからアプローチウエッジまでの距離をやさしく打てるアベレージゴルファー向けのモデルですが、標準シャフトでは物足りないという上級者には今回のようなシャフトの装着により、コントロールとやさしさを両立できます」 <h2>大蔵ゴルフスタジオとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/2rUBMnfX1Lk?si=bobSZs58uo2Fu2HA" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒156-0053 東京都世田谷区桜3丁目24-1 オークラランドゴルフ練習場内 TEL:03-6413-9272 URL:www.ogs-p.jp この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年5月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2024年09月01日
    セレクトショップでスタートし、今では工房はもちろん、シミュレーターを導入したインドア施設、そしてレッスンまでのワンストップで店舗運営をしているのがゴルフショップパル。競技ゴルファーから女性の初心者まで、多くのゴルファーの拠り所となっている。 今回の主人公であるA氏は、42歳の男性シングルゴルファー。HS46m/sと飛ばし屋で、FWやUT、アイアンなど地面から打つショットに関しては方向性、飛距離に問題はないが、ドライバーだけ左右に飛球が散る。ヘッドはバルドの『568DEEP』のままだが、推奨したシャフトはオートフレックスの『SF505X』だった。 <h2>ゴルフに真剣に取り組めばスペックは硬い、重い方向に</h2> 2011年にオープンしたゴルフショップパルは、当初セレクトショップとしてスタートした。そこからワンストップの店舗を目指し、工房やシミュレーターを導入したインドア施設にレッスンと物販、練習場の三位一体型店舗。常連客の中にはトレンドを追う顧客も多く、 「人気のユーチューバーやトレンドのスイングに感化されるゴルファーも多いですね。ゴルフに真剣に取り組んでいる証拠ですが、悪影響もあります」 そのひとつが、ゴルフがうまくなればなるほど、スペックは硬くて重い方向に進んでしまうこと。大きな理由は、トレンドのスイングやプロダクトに手を出してしまうからだという。今回のA氏も同様で、ゴルフに真剣に取り組むから、クラブのスペックが硬くて重くなり、 「力任せにスイングするようになって迷宮入りしたんです」 そんなA氏が使用していたのが、重心距離が短めでバルジが強めの操作性重視のバルド『568DEEP』と、地シャフトで70g台のSシャフト。それを軽柔シャフトの先駆者的存在であるオートフレックスの『SF505X』という55gのシャフトに変更。この組み合わせでどうなったのか? <h2>曲がると硬くする 一発の飛びはあるが</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/112.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-82195" /> 近藤店長が指摘する。 「ドライバーが曲がるアスリートゴルファーや叩きに行くゴルファーは、ほとんどの場合、フレックスを硬くして、トルクを少なく、いわゆる『しめる』方向にいってしまいます。そして、シャフトをしならせるためにテンションをかけるスイングになります。一発の飛びはありますが、力いっぱいボールをシバくのでタイミングに関係なくスイングして、迷宮入りすることが多いですね」 A氏はその典型だという。そこで通常ではセッティングしない操作性に長けたバルドの『568DEEP』に、オートフレックス『SF505X』をリハビリ的に薦めた。 「柔らかいながら、しなり戻りの速いオートフレックスのシャフトを装着すると、その柔らかさに合わせて力いっぱいスイングすることがなくなります。当店にはレッスンプロも在籍していて、スイングが改善してきたのを確認して、効果があると考えて推奨したんです」 近藤店長によると、それによってクラブの正しい使い方が体得できたとか。 「ある意味、リハビリになっていると思います。それによって、A氏は一発の飛びもありながら、左右に散らばっていた飛球がドローに安定して、スコアが縮まりました。競技ゴルファーなど上達すればするほどクラブのスペックが硬く、重くなる迷宮入りゴルファーには、ハマる組み合わせかも知れませんね」 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/113.jpg" alt="" width="788" height="140" class="alignnone size-full wp-image-82197" /> <h2>タイミングを体得してアプローチも上達</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/114.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-82199" /> このセッティングでドライバーの左右のブレがなくなったA氏は、苦手だったアプローチまで得意になったという。 「クラブはしならせて、しなり戻すというのが基本だと思います。それにはタイミングが大事で、硬いシャフトを力いっぱい振っていても、飛距離に繋がるタイミングは作れません。柔らかいシャフトでタイミングが取れるようになると、動きが小さく振り幅の小さいショットでもタイミングが取れます。それでA氏の場合、アプローチショットの上達につながったと考えられます」 飛ばし屋に多いといわれるのが、大きい動きは得意だけど、小さくゆっくりとしたスイングは苦手。A氏も同様だったが、ドライバーがこのセッティングになってアプローチまで上達したという。 とはいえ、通常なら60g台や70g台のSやXフレックスと組み合わせるのが王道の『568DEEP』と、オートフレックス『SF505X』の組み合わせは、 「リハビリクラブとしては良くても、ある程度飛ばないとスコアメイクできないシングルさんにはオススメしません」 A氏はドライバーがタイミングよく打てるようになったことで、アプローチまで上達した。今回のセッティングは意外性以上の効果があったといえるだろう。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/115.jpg" alt="" width="1368" height="170" class="alignnone size-full wp-image-82202" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> オートフレックス日本代理店 ゴルフジャパン販売 松浦 真也氏 「振ることができ、HSは増加するといわれており、飛距離アップすると思います。それと、意外に先端剛性が高く、球が散らばらない。その両方で、全盛期のスイングに戻るゴルファーは多いですね。とはいえ、この組み合わせをHS46m/s のゴルファーに最初からは薦めないですね」 <h2>ゴルフショップパルとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/-fBs6HKVSQc?si=jDDD3fe0YKy2crfN" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒141-0021 東京都品川区上大崎3丁目14−37 TGMタマビル1F TEL:03-5422-6585 URL:https://www.pal-golf.com/ この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年4月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2024年07月28日
    鉄の塊からウエッジを削り出すのが、レッドホイルのクラフトアドバイザー鈴木伸也氏。ひとりで工房を切り盛りするが、その技に引き寄せられて多くのこだわりゴルファーが集まってくる。その一人が53歳のA氏。14歳でゴルフを始め、30代のころはドライバーのシャフトが90g台と常識外のスペックを使っていた。ただ、スイングで身体を痛め、指をケガ。以降、HSと飛距離は落ちてクラブは軽くなっていく。そのA氏が50歳を迎えるのを機に鈴木氏が薦めたのが、ターフの高反発ヘッド『バディ・ハイパー』とスイス発シャフトの『TPT21Hi』シャフトだった。 <h2>「重い」が正義だと思っている 自分の能力や感覚と向き合わない</h2> レッドホイルの常連客は競技ゴルファーが多い。だから、 「プロのクラブを参考にする人が多く、重いシャフトを使いがち。『重い』が正義だと思っています。それは、自分の能力と真正面から向き合っていない。数値ばかり追って、自分の感覚を重視しないゴルファーが多いですね」 例えば、軽いクラブは、スイング中に遠心力で引っ張られない傾向が強い。それによって、 「クラブとゴルファーの力関係は、ゴルファーが主導権を握ることになります。スイングの精度が求められ、感性も磨かなければならず、鍛錬も必要。でも、みんな逆なんです」 この考え方は、今回の登場人物A氏にもつながる。30代の頃はHS48m/sでシャフト重量は90g台、クラブバランスD9のドライバーを使っていた。しかし、指のケガでHSは現在42m/s。セッティングは軽量の高反発ヘッドと、軽量だがアスリートが使うシャフト。ゴルフはどうなったのか? <h2>パワースイングで指に負荷 一気に開放して飛ばしていた</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/05/mycustom9-2.jpg" alt="" width="525" height="414" class="alignnone size-full wp-image-81464" /> もともとA氏のスイングはパワースイング。超重量級のクラブを一気にテークバックし、同時に下半身は左に回転し始め、トップで一気に上げたクラブを左手の親指で受け止め、その反動で一気にダウンスイングに入っていた。その反動が長年続き、親指をケガ。慢性的な症状で重く硬いクラブは打てなくなってきた。 A氏が軽量クラブを求める中で、鈴木氏が薦めたのが、ウエイトなしで189.5gターフの超高反発ヘッド『バディ・ハイパー』と40g台と軽量で低振動数ながらアスリート向けの『TPT21Hi』。 「このヘッドの恩恵を受けるのはHSが35m/s以下のゴルファーだと思います。一方、『TPT』は軟らかいスペックでもシャフトは締まったアスリート向け。この組み合わせは軽量を求めないなら、普通はあり得ません」 ただ、A氏はベテランの元アスリートゴルファー。スイングが出来上がっているから、先の話の通り、軽いクラブで主導権がゴルファー側になって、クラブを操れる。そして、 「スイングの精度が求められるので、飛距離や方向性を考えれば、ケガもあるから、力いっぱい振れなくなる。そこが狙いなんです」 結果、A氏はスイング中の親指の痛みもなく、全盛期の飛距離とまではいかないが、平均スコアは70台に戻った。さらに、ゴルフが続けられる状態を維持しているという。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/05/mycustom9-head-spec.jpg" alt="" width="788" height="131" class="alignnone size-full wp-image-81469" /> <h2>第二のゴルフ人生を作る ゴルファー寿命を延ばす</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/05/mycustom9-3.jpg" alt="" width="788" height="200" class="alignnone size-full wp-image-81465" /> A氏は次のように話していたという。 「ケガによって、そしてこのクラブとの出会いによって、飛距離への執着を捨てられました。誰もが300ヤード飛ばしたいと思う。ただ、できもしない事をやろうとしているのではないでしょうか。自分の能力を卑下するのではなく、認めることで私は第二のゴルフ人生を作ることができました」 完成したクラブは振動数214cpm。元スーパーへビー級のクラブを使っていた男が、いまでは総重量266.4gの超軽量ドライバーを使っている。鈴木氏がA氏について、付け加える。 「もともと超アスリートですから、スイングはできている。ただ、クラブが軽くなると主導権がゴルファーになり、速く振ろうとか、何でもできてしまう。だからこそ、余計に力が入らないようにスイングの精度を上げていかなければならない。クラブとしては難しくなります」 でも、それ以上のメリットがある。 「それはスイングの精度を突き詰めてスコアが縮まったことに加え、これから10年も20年もゴルフが続けられるということです」 通常では考えられないヘッドとシャフトの組み合わせが、ゴルファーのプレー寿命を延ばしている。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/05/mycustom9-shaft-spec.jpg" alt="" width="788" height="126" class="alignnone size-full wp-image-81468" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> TPT輸入代理店 ベガサスジャパン 堀口宜篤氏 「もともとアスリート向けのシャフトとして日本に上陸したので、そのイメージが強いですよね。そのイメージではセッティングしない組み合わせですが、いまでは軽く柔らかいシャフトもラインアップしています。とはいえ、高反発ヘッドとの組み合わせには驚きます。今後は軽く、柔らかいシャフトにも注目してもらいたいです」 <h2>レッドホイルとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/xvNWTv2ipIU?si=DQN7K07snJMI3Plc" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒133-0065 東京都江戸川区南篠崎1-14-12 TEL:03-5636-8455 FAX:03-5636-8456 この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年3月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2024年06月02日
    神奈川県相模原市で2つの練習場を行き来し、その駐車場で営業するのが移動式工房のグリーンポイント。練習場の入り口付近に駐車して、各練習場で週に2回ほど来場客相手に商売をしている。最近の困りごとは、市販クラブに重くて軟らかいシャフトの設定がないことだとか。そんなニーズが多いなか、今回の主人公は月例競技常連の70歳代後半のベテランゴルファー。最近飛距離が落ちているのが悩み。提案したのは20ヤードの飛距離アップを目指して開発されたプログレス『BB4』と、超軽量もラインアップする藤倉コンポジット『プラチナムスピーダー』の3Xの組み合わせ。それで飛距離が伸びたのか? <h2>硬いシャフトは敬遠でも重軟シャフト装着モデルはない</h2> 「マイカスタム」も9回目を迎えたが、工房取材を続けているとトレンドが見える。そのひとつが「硬いシャフトのニーズが減少している」ことだ。 この点に同調するのは、神奈川県相模原市の2つの練習場で営業しているグリーンポイントの井上裕幸代表。 「フィッティングすると、ワンフレックスの軽くて柔らかいシャフトがマッチするゴルファーが多く、硬いシャフトを勧めるケースが少なくなりました」 HSが速くても、軽くて柔らかく、そしてしなり戻りが速いシャフトを推奨するケースが多いという。今回の登場人物は70歳代後半で競技ゴルファーのAさんである。HSは40m/sでスコアは70台。平均飛距離は230ヤードだが、競技で戦うには物足りない。そのベテランゴルファーに推奨したのが、『BB4』のヘッドと『プラチナムスピーダー』3Xのシャフト。何が起きるのか? <h2>ケガで可動域が狭小化 硬いから余計な動きがない</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/04/greenpoint3.jpg" alt="" width="788" height="163" class="alignnone size-full wp-image-81189" /> 井上代表が説明する。 「Aさんは肩をケガして手術した後、肩の可動域が狭くなってスイングがコンパクトになっていました。年齢的には軽くて柔らかいシャフトを勧めるのが王道ですが、それだと入射角が鋭角になる。ダウンブローにインパクトを迎えていたんだと思います」 先述の通り、昨今の軽柔シャフトはスイングするとしなり戻りが速い。スイングがコンパクトになったことに加えて、しなり戻りが速いとインパクトを迎えるタイミングも早く、スイープにインパクトを迎えることができなくなっていた。さらにスピン量が増加、ミート率も下がり飛距離が落ちたという見立てだ。 「流行りの軽柔シャフトはタメが作れず、シャフトをしならせられないゴルファー向きです。ただ、Aさんはスイングがきれいでタメも作れる。シャフトもしならせられます。軽くても柔らかいシャフトは必要ないんです」 出来上がったクラブは総重量290g。ただし、シャフトは30g台でもフレックスはX。クラブの振動数にいたっては260cpmだから、HS40m/s前後の、それも70歳代ゴルファーには、通常は推奨しない組み合わせだ。 「硬いシャフトでなければ、マッチしないケースの典型ですね」 それによって飛距離が10~15ヤード伸びたという。そしてヘッドだ。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/04/greenpoint5.jpg" alt="" width="788" height="128" class="alignnone size-full wp-image-81195" /> <h2>HSに関わらずたわむヘッドとの相性</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/04/greenpoint4.jpg" alt="" width="541" height="525" class="alignnone size-full wp-image-81191" /> もうひとつ飛距離が伸びた理由は、ヘッドだ。プログレスの『BB4』はソールの蛇腹構造でHSのスピードに関わらず、ヘッドがたわんで飛距離が伸びるというのが謳い文句。ヒットがないと言われる地クラブドライバーのヘッドで、近年のヒット作と言われている。 「ヘッドとの相乗効果もあると思います。スイングが完成されていて、かつHS40m/sでもXシャフトを打ちこなせる技量の持ち主でも、ヘッドがシャフトとマッチしなければ、飛距離は伸びない。その点が奏功したのだと思います」 とはいえ、HS40m/sの70歳代ゴルファーに、シャフト重量30g台といえどもフレックスはXである。 「もちろん、ワンフレックスの軽柔シャフトも試しましたよ」 それでもXシャフトに行きついた。強烈な振動数のクラブが、ベテランゴルファーの飛距離を救った。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/04/headspec.jpg" alt="" width="788" height="128" class="alignnone size-full wp-image-81196" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> 藤倉コンポジット 飯田 浩治氏 「出来上がったクラブの振動数などを聞くと少し驚きますが、年配でもしっかりタメを作れるゴルファーなのだと思います。そのようなゴルファーのために『プラチナムスピーダー』でも30g台の設定があるので、お役に立てて嬉しいですね」 <h2>グリーンポイントとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/p9hbniH_7wY?si=Jn9gPqAT-O1f1Miw" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 〒252-0135 神奈川県相模原市緑区大島2251-1 TEL 090-2440-2560 FAX 042-715-3114 この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年2月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2024年04月28日
    茨城県土浦市のマロニエゴルフ。会員権販売と物販の老舗だが、工房を担当するのが川﨑将朗常務。最近のゴルファーはギアオタクも多いため、「リッチなゴルファーは次々とクラブを買って迷子になる」傾向が強いとか。そんなゴルファーA氏が今回の登場人物。ギアオタクで、PGAツアープロの使用クラブに次々と挑戦。結果、ドライバーが安定しない30代後半の男性である。その彼に川﨑常務は、巷で噂のシンカグラファイト『ジンガー4』を提案した。その結果は、果たして? <h2>ギアオタクのPGAツアー好き 次々とシャフトを変えて迷子</h2> 米PGAツアーや世界中の試合が日常的に視聴できて久しく、日本のゴルファーへの影響も大きい。 「ギアマニアで、PGAツアーのプロが使っている最新ギアをすぐに買うゴルファーが増えました」 マロニエゴルフでクラフトを担当する川﨑将朗常務は、そう話す。 「ゴルファーがクラブに詳しくなるのは良いことですが、ネット通販で、日本では手に入らないパーツを買う傾向も強まっています。自分のスイングに合うかどうかは二の次で・・・」 その典型が今回登場する30代後半のアスリートゴルファー「A氏」。大学ゴルフ部出身でスコアは70台。HS48m/sのパワーヒッターだが、ドライバーが苦手という。使用中のシャフトは手元と先がガチガチで、60g台のXフレックス。長さは45インチのセッティングで、飛球が右に左に散らばるのが悩み。 そんなA氏に川﨑常務が提案したのが、工房で話題のシンカグラファイト『ジンガー』だ。幅広いゴルファーに対応したマルチフレックスのシャフトで、切り返しでの「間」と「タメ」を、手元側の大きなしなりとトルクで増幅する大胆な設計。ヘッドはテーラーメイドのプロ・上級者用『ステルス2+』。この組み合わせで何が起きたのか? <h2>硬いシャフトは操作したくなる スイングが安定しないと右へ左へ</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/03/maronie21.jpg" alt="" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-80590" /> 川﨑常務の話。 「硬いシャフトの特徴は、その硬さゆえに、振れるゴルファーが必要以上に操作しようとすることです」 なにやら深い・・・。こういったことらしい。例えば、オーケストラの指揮棒は硬いから、しなることなく、指揮者は的確に指揮できる。一方、硬いシャフトはしなりにくいため、ゴルファーが意図的に操作する。その操作の幅が広がって、インパクトがズレる・・・。 そこで逆に、40g台の『ジンガー』を提案してみた。 「Aさんはゴルフ部出身なので、スイングも我流の部分が大きく、最近レッスンに通い始めたそう。それもあって『ジンガー』を打ってもらいました」 なぜなら、『ジンガー』は間とタメを作るのに最適だという。基本的に軽くて振動数は低いが、ハリがあるため、単なる「軽柔」のシャフトではない。シャフトを操作するのではなく、シャフトに仕事をしてもらえる。それによって、 「使い手が何もできないような状態をつくります。つまりシャフトが仕事をしてくれて、必要以上に操作しなくても良い状態を狙いました」 その結果、ドライバーショットでインパクト・弾道とも安定したという。 <strong>ヘッドスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/03/maronie4.jpg" alt="" width="788" height="149" class="alignnone size-full wp-image-80592" /> <h2>スペックや説明を信用するギアマニアだから成立した</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/03/maronie3.jpg" alt="" width="788" height="261" class="alignnone size-full wp-image-80588" /> A氏はギアマニア。だからこそ、自分のパワーに寄せるプライドよりも、マニアックな興味関心が勝り、理解を示したのではないか、という。 「60g台を使っていた30代のゴルファーは普通、40g台は選択しません。ギアマニアだからこそ、メーカーの説明書きやスペックを理解して、納得度が増すと思うんです」 むろん、A氏が志向していたPGAツアーのギア観とは、全く違う世界になってしまうのだが・・・。 ともあれ、HS48m/sのアスリートゴルファーに40g台のシャフトを提案した今回のマイカスタム。A氏にしてみれば、目からウロコだったに違いない。 <strong>シャフトスペック</strong> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/03/maronie5.jpg" alt="" width="788" height="147" class="alignnone size-full wp-image-80593" /> <h2>メーカー担当者コメント</h2> シンカグラファイト 辻垣内柾好氏 「AさんのスコアやHSを聞く限り、かなりのパワーヒッターなので『ジンガー4』を薦めるのは珍しいと思います。それが第一印象ですが、『ジンガー4』のコンセプトは、打てば打つほどスイングが良くなるシャフトなので、今回のフィッティングがスイングを見つめなおす機会となり、弾道が安定したんでしょう」 <h2>マロニエとは</h2> <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/VWa5BM6prYY?si=X_cXtxgN_wW7hXDI" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" allowfullscreen></iframe> 〒300-0876 茨城県土浦市北荒川沖町1-35 1F TEL 029-843-0500 この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年1月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
    (公開)2024年03月17日