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    ハッシュタグ「中条カムイ」記事一覧

    今年発売したドライバー『TP-XI』。中条カムイ独自の窒素ガス入りヘッドがゴルファーに好評だ。そのFW『TP-XI FW』が発売した。ドライバーに使用されるチタン材DAT55Gを極薄フェースで採用してドライバー並みの反発性能を実現した。 操作性を向上させるため、従来品『XP-03FW』と比べ20ccコンパクトに設計。重心距離は短く、浅重心の低スピンヘッドだ。#3(14.5度)、#4(16度)、#5(17.5度)、#7(19度)がラインアップする中で、今回は#3と#4をギアの賢者・永井延宏が徹底的に検証した。 まずは動画で <iframe width="788" height="433" src="https://www.youtube.com/embed/lyN81x_-VR0?si=RcL9_UH9JIFnhC-i" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> <h2>試打インプレッションTP-XI FW #4(16度) 小さく見えない形状高初速、弾き感抜群の4番</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/11/kamui11.jpg" alt="" width="1000" height="82" class="size-full wp-image-83888" /> TP-XI FW4 試打データ 地面から <strong>第一印象</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;"><strong>永井</strong></span>まず4番(16度)ですが、構えてみるとフェースは開き気味に見えます。このあたりは、左に行かせたくないという意図が見て取れますね。 <strong>試打印象</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;"><strong>永井</strong></span>打った第一印象は、インパクト効率が1.52と非常に高い。フェースの弾きが強く、初速が速い。それでいて低スピン性能。これが『TP-XI FW』の大きな特徴だと思います。それに加え、構えた時に感じた僅かなオープンフェース、フラットなライ角で、見た目通りに左に行かない飛球になりましたね。これは、実際にコースで力が入った時に、左にはいかない安心感がありますね。 試打データはキャリー203.7ード、トータル243.1ヤード。使い慣れてくれば、#4らしいキャリーになると思いますよ。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;"><strong>GEW</strong></span>いま打ってもらいましたが、今回の『TP-XI FW』 は各番手が従来品の『XP-03FW』と比べて20 cc小さくコンパクトになっていますが、それ以外に形状から感じることはありますか? <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;"><strong>永井</strong></span>ヘッドを上から見た外郭の弧が、ネックと対角側が膨らんでますね。海外ブランドのドライバーのような形状で、サイズ自体は小ぶりですが極端に小ささを感じませんでした。また、構えるとフェース面が少し長く見えるので、ボールへのコンタクトがシビアに感じない。現代的な大型ヘッドのドライバーとの相性の良さを感じますね。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;"><strong>GEW</strong></span>弾き感、打感は? <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;"><strong>永井</strong></span>なかなかのモノですね。弾き感、初速ともに強くて速い。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;"><strong>GEW</strong></span>実はドライバーのフェースに使われるDAT55Gという反発性能に優れた素材を、このFWのフェースに使っています。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;"><strong>永井</strong></span> それが弾き感、初速の速さの正体ですね。それに加えてスコアラインの存在が、芝の上から打つクラブとして機能していて、水や芝が噛んでもボールがドロップすることは無いと思います。薄肉なのに溝が機能する。造りこまれていますね。 <h2>試打インプレッションTP-XI FW #3(14.5度) 超低スピンで強弾道ミニドラでも活躍の#3</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/11/kamui22.jpg" alt="" width="1000" height="85" class="size-full wp-image-83889" /> TP-XI FW3 試打データ 地面から <strong>第一印象</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;"><strong>永井</strong></span>ロフト角が14.5度になって、フェースが立って見え、スクエア感が強い。目標に対して、スパッと構えられます。ソールの座りもイイですね。 <strong>試打印象</strong> <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;"><strong>永井</strong></span>#3は#4以上に低スピン性能が如実に顔を出しますね。フェースのチタン素材もあって、ミート率も1.53と良い数値ですが、私のヘッドスピード(40.6m/s)ではスピン量が1568rpmと低く、地面からのボールを打つとキャリーを出すのは少し厳しい、、、ということで、ティーアップしてのミニドライバー的に打ってみますね。 ということで、ティーアップして、再チャレンジ・・・ <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;"><strong>永井</strong></span>ティーアップして、少し打ち出し角を増やすように打つと、キャリーも217.1ヤード、トータル飛距離でも250ヤードまでいきました。スピン量も1760rpmまで増えました。その意味でも、低スピン性能は非常に高い。これだけ尖った性能をもったFWは久しぶり打ちましたし、それが『TP-XI FW』、特に#3の大きな特徴だと思いますね。 <h2>永井延宏の『TP-XI FW』FW3とFW4の総評</h2> <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/11/kamui33.jpg" alt="" width="1000" height="78" class="size-full wp-image-83890" /> TP-XI FW3 試打データ ティーアップ <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;"><strong>永井</strong></span>この『TP-XI FW』 の最大の特徴は、DAT55Gというフェースのチタン素材によるパフォーマンス、ボール初速、インパクト効率の高さ、そして低スピンに集約されます。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;"><strong>GEW</strong></span>その中で、永井さんは特に#3で苦労されていました。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;"><strong>永井</strong></span>そうですね。その意味では、ミニドライバー的に使用するのはアリですね。特に、シャフトがフェースに近い方がドライバーよりボールに当てやすいと感じるゴルファーもいて、これだけのボール初速、低スピンの弾道は、ドライバー並みに使用できると思いますし、魅力的だと思います。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;"><strong>GEW</strong></span>アドレス時のソールの座り、打った時のヌケはどうでしょうか? <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;"><strong>永井</strong></span>ゴルファーがやりたいことを実現するために、微妙にアドレスを変えたりしますが、その時でもソールのトゥ・ヒール方向、そしてフェースと バックフェース方向で丸みがあるので構えた時のソールの座りが安定して、インパクトでのソールのヌケもオールマイティに、傾斜やラフなど様々な状況に対応してくれます。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;"><strong>GEW</strong></span>一言で『TP-XI FW』 はどんなクラブですか? <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;"><strong>永井</strong></span>低スピン・強弾道でライナー性の飛球なので、グリーンにボールを止めるというよりは、「芝の上から打つという条件の中で、一番飛ばせるクラブ」と言って良いでしょう。
    (公開)2024年11月18日
    中条カムイから発売された新ブランド「XP-03」シリーズ。経験豊富な熟練ゴルファーを対象として、「パワーではなくスキルで飛ばす。」「道具にできることは道具で」というコンセプト。現代的なシェイプとテクノロジーを搭載。 カムイプロ(KP)、タイフーンプロ(TP)シリーズに比べヘッドはシャローで投影面積は大きく、楽にボールが上がりつかまる。また、打感、打球音にもこだわり、心地よい弾き感と爽快な打球音で全てのクラブにおいて力まずにスイングできる設計を施している。 今回はドライバーとFW(#3)をギアの賢者・永井延宏プロが徹底に検証する。 1969年埼玉県生まれ。アメリカ・オーストラリアでの経験をもとに、グローバルな視野と独自のティーチングメソッドを構築。NPO法人ゴルフアミューズメントパークの理事として、ゴルフ市場の発展や指導者の育成にも携わる。2006年度レッスンオブザイヤー受賞 動画で解説 <iframe src="https://www.youtube.com/embed/RyLaQFeD_Xg?rel=0" loading="lazy" width="788" height="433" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe> <h2>『XP-03』ドライバー試打インプレッション</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2021/05/xp03-1.jpg" alt="アクティブな熟練ゴルファーへ 中条カムイ『XP-03』スキルと道具を使える" width="780" height="520" class="aligncenter size-full wp-image-67061" /> まずドライバーですが、様々なテクノロジー、構造が見て取れますね。ソールのチャネルといわれる溝や、その日の状況や体調に合わせてロフト角&ライ角を調整できる弾道調整スリーブなどが搭載されています。 また、フェースには反発性能の高いDAT55Gを複数回の鍛造製法で薄い偏肉フェースに加工しています。 そして、フェースとクラウン&ソール部で溶接レスということで、芯が広い構造。そしてフェースの打点部分にスコアラインは無いですが、レーザーミーリングが施されています。雨露にも強いイメージが持てますね。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2021/05/xp03-2.jpg" alt="アクティブな熟練ゴルファーへ 中条カムイ『XP-03』スキルと道具を使える" width="780" height="520" class="aligncenter size-full wp-image-67062" /> 実際に打ってみると、構えやすい、現代のクラブの中では座りが良い。ポンっと置くと自然とフェースがターゲットを向きます。 そして打感と初速、ボールの潰れるフィーリングは、非常に心地が良い。フェースの薄肉偏肉構造によるフェースのたわみによって、高初速と心地よい打感を生み出している印象です。 加えて、トゥ―ヒール方向の寛容性も高いと思います。ヘッドサイズもちょうど良いサイズ感で、操作性も高い。コースで状況に合わせてボールを操っていくイメージが湧きます。そのあたりが、「スキルで飛ばす」というコンセプトを具現化していると思います。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2021/05/xp03-data-driver.jpg" alt="試打データ" width="800" height="70" class="aligncenter size-full wp-image-67065" /> 試打データを見ると、スピン量1860rpmでトータル飛距離277.0ヤードと低スピン性能が高いですね。この低スピン性能がハマれば、これまで体験したことのない飛距離を実現できると思います。 <h2>『XP-03』フェアウェイウッド試打インプレッション</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2021/05/xp03-3.jpg" alt="アクティブな熟練ゴルファーへ 中条カムイ『XP-03』スキルと道具を使える" width="780" height="520" class="aligncenter size-full wp-image-67063" /> 今回は#3を試打します。フェースもボディもチタン素材のフルチタンFWで、フェースにはドライバー同様にDAT55Gが採用されています。こちらも薄肉・偏肉構造のフェースでドライバー同様の反発性能が期待されます。 構えてみると投影面積も大きく安心感がある。そしてFPがあり、ネックの左側とリーディングエッジの線が滑らかで構えやすい。さらに、シャロー形状でボールが上がりやすく見えますね。 実際に打ってみると、低重心性能が高くボールを拾いますね。ボールの半径と同じ高さの位置に重心があるように感じます。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2021/05/xp03-4.jpg" alt="アクティブな熟練ゴルファーへ 中条カムイ『XP-03』スキルと道具を使える" width="780" height="520" class="aligncenter size-full wp-image-67064" /> 打感としては、芯を外してロスしたようなフィーリングでも、しっかり飛距離性能は高い。素材的な面、つまりチタンフェースの弾きの良さが寄与していると思われます。 もうひとつ、ソール後方に配置されたタングステンウエイトが、非常にボールを上げる方向にヘッドを動かす働きをしてくれます。その点でのつかまり感、ボールの上がりやすさに繋がっています。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2021/05/xp03-data-fw.jpg" alt="試打データ" width="800" height="71" class="aligncenter size-full wp-image-67066" /> 試打データでも高弾道でドロー系の弾道になっています。これらが『XP-03 FW』のヘッドの挙動の特徴といえるでしょう。 <h2>『XP-03』ドライバー&FW総評</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2021/05/xp03-5.jpg" alt="アクティブな熟練ゴルファーへ 中条カムイ『XP-03』スキルと道具を使える" width="780" height="520" class="aligncenter size-full wp-image-67068" /> これまでの中条カムイのクラブのイメージと一線を画すクラブですね。その中に様々なテクノロジーが搭載されています。ゴルファーが実際にコースで打った時の使いやすさが形になっていると思います。 ターゲットは、デザインも現代的ですからスタイリッシュなゴルファー、そしてアクティブにコースでラウンドするゴルファーにマッチしそうですね。その意味では、ドライバーから、FW、そして今後発売される予定のUTをセッティングするのがおススメです。 今回は純正シャフトでの試打でしたが、つかまり性能が高く、低スピンのドライバーヘッドは、高打ち出しをサポートしてくれるシャフトとの相性が良いですね。 FWは深重心で動く挙動なので、その挙動を利用するか、抑えるかによってシャフトを選ぶのが賢明だと思います。中条カムイらしい高反発、高初速にこだわった『XP-03』で、アクティブなゴルフを楽しんでもらいたいですね。
    (公開)2021年05月24日
    今年7月末、中条カムイから発売された『TP-Xnitrogen Kai』。『TP-Xnitrogen』(ガスのみ、ガス+発泡剤)の進化バージョンだが、そこにはエンドユーザーから強い要望があった。 <strong>「発泡+ガスだと打球音が静か過ぎて飛んだ気がしない!」</strong> <strong>「ガスのみだと打球音が甲子園の金属バット。周りが振り向くし、高反発だと思われてしまう」</strong> そんな声に応じて、内部構造を工夫して、ガスのみでも余韻の残らない心地よい打球音を実現。副産物として、打感はさらに軟らかくなり、芯が広がり、つかまりも良くやさしいヘッドに仕上がっている。 開発責任者の中条恭也常務は、「内部構造は、企業秘密です」と、口を閉ざすが、今回はギアの賢者、ソクラテス永井延宏プロが、『TP-Xnitrogen』(ガスのみ)、『TP-Xnitrogen』(ガス+発泡剤)、そして『TP-Xnitrogen Kai』をテスト。実力を検証するとともに、内部構造の改良点まで推測する 1969年埼玉県生まれ。アメリカ・オーストラリアでの経験をもとに、グローバルな視野と独自のティーチングメソッドを構築。NPO法人ゴルフアミューズメントパークの理事として、ゴルフ市場の発展や指導者の育成にも携わる。2006年度レッスンオブザイヤー受賞 打感打音がちょうど良い『TP-Xnitrogen』ドライバーを試打!飛距離性能もアップ <iframe src="https://www.youtube.com/embed/rQ0-E1YeviM?rel=0" width="788" height="433" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe> <h2>ソクラテス永井の『TP-Xnitrogen』分かりやすい解説</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/11/tp-x2.jpg" alt="打感、打音がちょうど良い 飛距離性能もアップする TP-Xnitrogen Kai" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-59744" /> <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">永井</span>:全体的な印象は、3種類とも打音が大きく違う点ですね。 まず、ガス入りの『TP-Xnitrogen』は、高校球児が使う金属バットのような打音。だからといって、高反発モデルではない。この打音を敬遠したいゴルファーに提案するのが、発泡剤を追加したバージョンですね。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">GEW</span>:窒素ガス+発泡剤入りの『TP-Xnitrogen』は、金属バットのような打球音は抑制できましたが、「静かすぎて飛んでいない気がする」というのが消費者の声で対応したモデルです。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">永井</span>:ゴルファーは贅沢ですね。ただ、ゴルファーにとって打音や打感は重要。 それを改善したのが、今回の『TP-Xnitrogen Kai』。フェースのロゴが青のタイプ。打音も「ちょうどいい」という表現がマッチします。同じヘッドがベースで、これだけ打音が異なると試打結果にも大変興味があります。 <h2>ガス入り『TP-Xnitrogen』は、弾くヘッドだからHSが低いゴルファーに合う</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/11/tp-x_gas1.jpg" alt="ガス入り『TP-Xnitrogen』は、弾くヘッドだからHSが低いゴルファーに合う" width="788" height="525" class="size-full wp-image-59740" /> TP-Xnitrogen(ガス入り)試打データ <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">永井</span>:音が反響する室内で試打したので、少し怖々試打したのでHSも少し遅めでしたが、窒素ガスの影響でヘッド全体が撓んで弾くフィーリングが強い。 試打のHS(41.5m/s)より遅いゴルファーにヘッド全体の撓みがマッチし、HSが遅くなれば打球音も少し抑制されます。 結果、ヘッドの性能が生きる可能性は高いと思われます。 <h2>ガス+発泡剤は中身がある鍛造製法が生きた厚い打感低スピン・高打ち出しで飛ぶ</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/11/tp-x_gas-happou1.jpg" alt="ガス+発泡剤は中身がある鍛造製法が生きた厚い打感低スピン・高打ち出しで飛ぶ" width="788" height="525" class="size-full wp-image-59742" /> TP-Xnitrogen(ガス・発泡剤入り)試打データ <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">永井</span>:続いてガス+発泡剤の『TP-Xnitrogen』です。音が変わっているのが顕著で打感も異なります。 ガスのみの『TP-Xnitrogen』はヘッド全体が撓み弾く感覚ですが、ガス+発泡剤の『TP-Xnitrogen』は中身がある打感。厚いインパクトを実現でき、ヘッドの重量感を最も感じられました。 クラブの構造的な特長から表出する打感や重量感が、ゴルファーにクラブの特性として伝わりやすいことで振りやすく打ちやすい。 インパクト効率も1・48と高く、ディープなヘッド形状が寄与してスピン量も1630回転と低い。また、発泡剤が挿入されていることで重心特性が浅く、それも低スピンに繋がっている。とはいえ、打ち出し角は14・2度と高い。飛距離が稼げる弾道特性になっています。 <h2>改良点が飛距離に繋がっている『TP-Xnitrogen Kai』</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/11/tp-x_kai1.jpg" alt="改良点が飛距離に繋がっている『TP-Xnitrogen Kai』" width="788" height="525" class="size-full wp-image-59741" /> TP-Xnitrogen Kai試打データ <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">永井</span>:最後に『TP-Xnitrogen Kai』です。 試打データでは、スピン量が1990回転と増えています。発泡剤がないことでの重心の深さ、そして改良によりヘッドの剛性感が高まっており、HSの速いゴルファーにもマッチします。 インパクト効率は1.46と少しガス+発泡剤と比べて落ちましたが、キャリーは『kai』の方が出ています。クラブに慣れれば、『kai』はトータル的に飛距離が出るはずです。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">GEW</span>:構造的に何が改良されたと推測できますか? <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">永井</span>:音に関してはリブを改良したことが推測できます。また、フェースやボディは肉厚、熱処理を変更している可能性はありますね。重心設計よりも打音の改良は難しいですから、良い点を集約したモデルです。 全体的には3タイプの特性が明確に違いますので、ゴルファーの特性や好みによって推奨すると大きな飛距離が実現できそうです。 <hr /> <strong>TP-Xnitrogen Kai</strong> ヘッド単価:7万2000円 クラブ単価:9万7000円 ヘッド重量:186g~ <strong>中条カムイ</strong> TEL:0766-24-5624 <a href="http://kamuipro.co.jp/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">http://kamuipro.co.jp/</a>
    (公開)2019年11月07日
    中条カムイの窒素充填型ドライバー<strong>『TP-Xnitrogen』</strong>が密かに地クラブ市場で大きな反響を呼んでいる。 その中で噂されているのが、上級者やHSの速いゴルファーが好むロフト角9度と、飛距離で遜色のないのがロフト角11度のモデルだという。 その噂を豊富な試打経験を持つギアの賢者・ソクラテス永井延宏プロにテストしてもらう。 1969年埼玉県生まれ。アメリカ・オーストラリアでの経験をもとに、グローバルな視野と独自のティーチングメソッドを構築。NPO法人ゴルフアミューズメントパークの理事として、ゴルフ市場の発展や指導者の育成にも携わる。2006年度レッスンオブザイヤー受賞 『TP-Xnitrogen』の印象は? <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/tp-xnitrogen2.jpg" alt="中条カムイ 窒素充填型ドライバー『TP-Xnitrogen』" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-57546" /> まず見た目の印象ですが、現代的なドライバーの中では締まったデザインで、ディープフェース。低重心化が図られたヘッドだと見てとれます。 ヘッドにブラックのイオンプレーティング加工を施してあるということで、物作りへのこだわりも感じられますね。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/tp-xnitrogen4.jpg" alt="中条カムイ 窒素充填型ドライバー『TP-Xnitrogen』" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-57548" /> 外観は小ぶりに見えますが、重心距離もほど良く長く、ディープヘッドながら捕まりすぎも抑制。 フェースには反発性能の高いDAT55Gを採用して反発を高め、フェースの編肉構造や窒素をヘッド内に充填することで、規制値内に抑えながら高い初速性能を実現していると思います。 <h2>秘密はDAT55Gと窒素!『TP-Xnitrogen』はロフト11度でも飛ぶ</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/tp-xnitrogen8.jpg" alt="中条カムイ 窒素充填型ドライバー『TP-Xnitrogen』" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-57555" /> ロフト角11度を打ってみました。ヘッドは構えた時のリアルロフトが多めで、フェース面も鮮明に視界に入ります。打ち出し角も高く、キャリーボールで飛ばすというイメージでしょう。 通常ロフト角が多い(寝ている)ヘッドは打ち出し角が増加しますので、ボールが適正な高さを出せずに飛距離が伸ばせないゴルファーや、ヘッドスピードが遅くて十分な打ち出し角を作れないゴルファーに推奨されます。 ところが、ロフト角が多いヘッドの場合は、同時にスピン量も比例して増加するので捲れる弾道とまではならないまでも、風の影響を受けてキャリーが伸びなかったり、着弾後にランが少なかったりする場合が多いのです。 ただ、この『TP-Xnitrogen』のロフト角11度のヘッドは、フェース素材・DAT55Gや窒素ガスなどの影響で、ロフトが増えても低スピンなので、高打ち出しながらランが出たという解釈してもいいでしょう。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/tp-xnitrogen_11.jpg" alt="中条カムイ 窒素充填型ドライバー『TP-Xnitrogen』" width="400" height="423" class="aligncenter size-full wp-image-57551" /> トラックマン試打データ(ロフト11度) 実感としては、ややトゥ寄りに当たってのギア効果も効果的に発揮され、突っ込んでいく弾道になったと感じています。そういう撃芯に当たりやすいというのも、飛ぶドライバーの要素だと思います。 数値を見て頂ければ分かる通り、キャリーは9度より7ヤードも多く、ランの差はわずか4ヤード。物性からいえば、ロフト9度との差が少ないロフト11度のドライバーは、ほかには無いですね。 <h2>ロフト角9度はスクエアなヘッドゴルファーもやる気が生まれる!</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/tp-xnitrogen3.jpg" alt="中条カムイ 窒素充填型ドライバー『TP-Xnitrogen』" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-57547" /> 一方のロフト角9度のヘッドは、フェースが立っている(ロフトが少ない)印象が視覚的に入ってきますね。 スクエア感が強く、易しさが見た目から伝わるロフト角11度のヘッドと比べて、ゴルファー自身もひとつギアを上げるというか、テンションを上げさせてくれるヘッドです。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/tp-xnitrogen_9.jpg" alt="中条カムイ 窒素充填型ドライバー『TP-Xnitrogen』" width="400" height="423" class="aligncenter size-full wp-image-57550" /> トラックマン試打データ(ロフト9度) ロフト角9度も明らかに初速が速く、窒素が充填されているからか、インパクト時のボールへのヘッドのパワーやスイングスピードのパワーの伝達効率が高い。それによって強弾道が実現できるということになります。 イメージは前へ前へという風にも強く、当たり前ですが、11度よりもランも稼げています。とはいえ、ランの差は4ヤード。優しく飛ばせるロフト11度もオススメです。 <iframe src="https://www.youtube.com/embed/M_wkK_sIsRU?rel=0" width="788" height="433" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe> <h2>『TP-Xnitrogen』商品解説</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/tp-xnitrogen1.jpg" alt="中条カムイ 窒素充填型ドライバー『TP-Xnitrogen』" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-57545" /> 『TP-Xnitrogen』はその名の通り、窒素ガス(nitrogen)をヘッド内に封入することによって、内圧を高めフェースの耐久性の向上に成功。 また、内圧を高めることで、ヘッドの抜けが良くなり、打球後のヘッドの減速を最小限に抑え、エネルギー効率が向上してボール初速がアップ。スイートエリアも広くなり、オフセンターヒットに更なる強さを発揮するのが特長だ。 それに加えて、フェースにDAT55Gを採用することで、打感の良さとボール初速のアップに貢献。高反発規制により、扱いにくいDAT55Gをガス封入と偏肉構造によってクリア。ヘッドスピード(HS)39以下のユーザーにも易しく飛ばせる適合モデルとなっている。
    (公開)2019年06月13日
    中条カムイの『KP-103UC』アイアンは『KP-103』のバックフェースにアンダーカットキャビティが深くデザインされたヘッドで、大きな低重心化で高弾道を実現するやさしいヘッドに進化した。 そのアイアンを永井プロに試打と解説してもらった。 1969年埼玉県生まれ。アメリカ・オーストラリアでの経験をもとに、グローバルな視野と独自のティーチングメソッドを構築。NPO法人ゴルフアミューズメントパークの理事として、ゴルフ市場の発展や指導者の育成にも携わる。2006年度レッスンオブザイヤー受賞 中条カムイ『KP-103UC』はどんなアイアンか <img class="aligncenter size-full wp-image-55532" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/03/kamui3.jpg" alt="中条カムイ KP-103UCアイアン" width="788" height="525" /> 全体的にはハーフキャビティの形状ですが、その中のアンダーカット構造が低重心化に寄与しています。 素材は「S20C」という比較的軟らかいとされる素材で、粗鍛造を800トンで3回、仕上げ鍛造を1000トンで2回、合計5回鍛造していますから、精錬されたヘッドに仕上がっています。 <img class="aligncenter size-full wp-image-55531" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/03/kamui2.jpg" alt="中条カムイ KP-103UCアイアン フェース" width="788" height="525" /> 一方、フェースですがスコアラインはCNCミルドで加工されており、フェース面にもCNCミルドで極細グルーブが入っています。非常に手の込んだアイアンだという印象があります。 <img class="aligncenter size-full wp-image-55530" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/03/kamui1.jpg" alt="中条カムイ KP-103UCアイアン 構えた印象" width="788" height="525" /> 構えた印象は、双方とも少し面長なヘッドでシャローな形状。そのシャローな形状の見え方ならではで、高弾道をイメージさせてくれます。 <h2>ザ・鍛造アイアンな『KP-103UC』 アンダーカットでボールも上がる</h2> <img class="aligncenter size-full wp-image-55533" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/03/kamui4.jpg" alt="中条カムイ KP-103UCアイアン 試打" width="788" height="525" /> 今回は5番アイアンと7番アイアンを打ってみました。 実際、打ってみるとバックフェースのアンダーカットキャビティの低重心設計によるボールの上がりやすさを実感しますね。 <img class="size-full wp-image-55535" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/03/kamui_7iron.jpg" alt="中条カムイ KP-103UCアイアン 永井プロトラックマン試打データ 7番アイアン" width="788" height="525" /> 7番アイアン トラックマンデータ そして何より打感の良さですね。ボールがフェースにくっつくようなフィーリングで、非常にラインが出しやすい。 また、それが構えた時の、フェースをターゲットに合わせやすい特性とマッチしますので、方向性の良いアイアンという印象を受けており、パーオン率が上昇しそうなアイアンです。 <img class="size-full wp-image-55534" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/03/kamui_5iron.jpg" alt="中条カムイ KP-103UCアイアン 永井プロトラックマン試打データ 5番アイアン" width="788" height="525" /> 5番アイアン トラックマンデータ 5番アイアンは、クラブ自体が長くなりスイングエネルギーも上昇します。その時に、ボールがしっかり潰れている軟鉄鍛造のフィーリングが感じ取れます。 このフィーリングは、特に昔のアイアンでゴルフを憶えたゴルファーには、魅力的な感覚といえるでしょう。 構造的には現代的なデザインが施されながら、フィーリングとしては伝統的なアイアンらしいテイストが味わえるアイアンです。 試打データを見てみますと、縦の距離の安定感、番手通りの距離を打ち分ける機能に長けていると思います。 一言で言えば、アイアンの中のアイアンという言葉が相応しく、パーオン率を高めてバーディーチャンスを多く作りたいゴルファーに勧めたいアイアンです。 <h2>永井延宏のスイング論からワンポイント</h2> <img class="aligncenter size-full wp-image-56079" src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/04/kamui_nagai.jpg" alt="永井延宏のスイング論からワンポイント" width="788" height="525" /> 見た目はシャープでクールな『KP-103UC』ですが、構えてみると想像以上に難しい印象ではありません。 このようなアイアンは、最近流行りの飛び系アイアンと異なり、しっかりゴルファー自身が打ちたい距離を安定的に打てるアイアンです。 そのような意味では、力むことなくいつものスイングを心掛けることが重要です。それができれば高弾道で、縦の距離が番手通り実現できてスコアメイクの武器になりますね。 <strong>価格(6本セット)</strong> ・DGS200(#5~PW):12万6000円 ・モーダス3(#5~PW):13万8000円 ・ヘッドのみ:9万円 ・単品:DGS200(#4)2万1000円 ・モーダス3(#4):2万3000円 ・ヘッドのみ(#4):1万5000円 <iframe src="https://www.youtube.com/embed/-huKjj4cnNY?rel=0" width="788" height="433" frameborder="0" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe>
    (公開)2019年04月02日
    月刊ゴルフ用品界2018年6月号「地クラブの神髄」掲載。 <hr /> 質朴剛健。 飾り気がなく素直で、心も体も力強く頼もしい様。豪雪地帯の富山県高岡市にあって、北東に富山湾を望み東南に立山連峰が聳え立つ。雪の閉じ込められながらも、必死に藻掻く姿は、飛距離を欲する使い手の如く。 其の心の機敏に即するように、今年六月、苦難を乗り越えて世に問われるのが、窒素充填の『TP-X Nitrogen』−。 そこには、中条からの想いがあった。   神髄一 爆発した成功体験 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/06/chujokamui.jpg" alt="中条カムイ" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-45249" /> 2001年―。中条は『カムイプロ320』の開発を手掛けていた。多くの試作を手掛けるのだが、その試作品では、ヘッドにガスを注入することで、内圧を十気圧、二十気圧、三十気圧と高めていった。 「練習場の280ヤード先のネット上段に面白いように当たる。こんなに飛んだクラブは見たことがない」。 中条佳市は当時をそう振り返る。ところが、当時、その構造は鍛造の4ピースで作られていた。打つ毎に、ヘッドの内圧が高まったのか、それとも、球のエネルギーによるものか。ヘッドが徐々に熱を持つようになる。その刹那、ヘッドが爆発し、シャフトにはホーゼルしか、残らなかった。 「これを売っていたら、会社が爆発していたかもしれない(笑)」 その技術が練りに練られ、現代の製造技術と相まって、形となった。それが、中条でなければ成し得ない技術。それが窒素充填型のドライバー。2011年に生を受け、多くの使い手の琴線を揺さぶった窒素充填型ドライバー『TP-07 Nitrogen』を進化させた。 飛び性能、感じる音、球の捉まり‥‥。それらの気がかりをひとつひとつと対峙して辿り着いたのが『TP―X Nitrogen』。 元来、窒素充填の基軸は、二十有余年前に独自開発に成功した。高反発ドライバーは当時、反発性能を高めるとフェースが凹んだ。その耐久性向上の対策としての考えとして窒素充填という方式が浮かんだ。そして、形となった。製造特許も認められた。 しかし、往時、R&amp;英は窒素充填による飛距離伸長を規則違反としたのだ。 「ゴルフの伝統と慣習にそぐわない」。世に問われることなく、使い手に飛距離増大を給することが出来なかった。 しかし、2008年の高反発規制後に、許しを得た。 飛距離増大に寄与する構造が違反とされ、一転、認められた。その結実が2011年の『TP-07 Nitrogen』。そこで成し得なかった想いの結晶が、『TP-X Nitrogen』に映し出されている。 初代窒素充填型ドライバーから数えて四半世紀以上。『TP-X Nitrogen』には、これまでの中条の粋が集められた。   <h2>神髄二 飛びを司る重心</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/06/chujo2.jpg" alt="中条カムイ" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-45167" /> 四十有余年、中条を率いてきた中条佳市は繰り返す。 「飛ばなきゃ、ゴルフは面白くありませんよ」。 脇目も振らず飛距離を求める姿勢は、次世代の開発者である中条恭也に引き継がれ、『TP-07 Nitrogen』での気がかりを払拭していく。まずは、低回転を統べるともいえる重心。 「フェースの反発力を高めるには薄肉フェースが最も有効だが、薄くすれば割れる。だから、ゴルフ専用に作られた素材『DAT55G』を使う」 ただし、「DAT55G」は比較的、比重が高く、浅重心になりやすい。反発力は高いが、比重が重い。重心位置の設計には邪魔となる。低回転による飛距離増進には、二律背反の素材。 「個体としての軽量化もひとつの課題だった」 そう語る中条恭也は、ヘッド形状と構造に考えを巡らせ、フェースの編肉構造を改良して、クラウンを軽量化、加えて、ソール内側にリブを設けた。さらに、窒素充填の入口であるカートリッジを換えた。これまでにない低い位置に据えた。結果、フェース面上でのフェース高に対する重心位置の割合は、「低重心率55.02%を達成した」 一般的には低重心率が六割を下回るヘッドは、超低重心設計で、低回転といわれる。それを成し遂げた。 もうひとつ、低重心に寄与したのが、ショートホーゼルだ。 「ホーゼルが高い位置にあれば、自然とフェース面の重心は高くなる」。 この短いホーゼルは、低重心化に寄与した以外にも、中条の製品を愛して止まないゴルファーに向けた想いでもあった。 「使い手の年齢層が上がり、やさしさも必要となった」 競技者は面を意識して意図的に球を捉まえる技術を持ち合わせている。ゆえに、長い重心距離で面を速く返すことで飛距離を生み出していた。しかし、その競技者も齢を重ねて、捉まりすぎよりも許容性を高めることが求められた。 「引っかかりは嫌われるが、ドローは好まれる。競技者だけではなく、多くの使い手に満足してもらいたい」 その微妙な使い手の心の機微に応えたのがホーゼルの短さ。それが競技者の心の拠り処である中条の神髄でもある。   <h2>神髄三 軽さ、広さ、弾き均衡を保つ</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/06/chujo3.jpg" alt="中条カムイ" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-45168" /> 面倒事は、瞬時に片付けられたわけではない。軽さには、ボディ素材を従来の「6-4チタン」から、「811チタン」に換え、クラウンを薄肉化することで、3gを軽量化した。しかし、フェース素材は、「DAT55G」を用いたから、重くなる。 「フェース面の重量は、ヘッド全体重量の四割を占める」 つまり、反発性能を考慮した素材は重く、ゆえに、フェースの広さを狭めれば、有効打点距離が短くなりにおける低重心率は上昇して、低回転の弾道は生み出せない。さらにフェース面積が狭められれば、自ずと反発力は落ちる。二律背反の要素が満載なのだ。重量、反発性能、フェース面の広さ。この三要素の均衡を求める。 「異常に困難な作業」 そう中条恭也は顔をしかめる。経験を基に、予想して検証する。金型を三度修正して、反発性能を高める作業。そこに、窒素充填という、中条の十八番を継ぎ足す。 「実際の試作ヘッドがあがり、打ってみないと理解し得ないことが多い」 多くのパーツブランドが対峙する道程。ただ、重心や飛びを求める過程で得た軽さは、何ものにも代え難い。なぜなら、十八番の窒素の重さだけでも5gを取られてしまうからだ。そして、 「基本となる軽さが自由度を増してくれる。重量の組合せによる弾道は明確に差があり、多くの使い手に価値として認められるはず」 そして均衡の中で、フェース面を広く使うために、ソールの重量物の間隔は『TP‐07 Nitrogen』より、11mm広げた。さらに、フェース高は上下方向に6mm広げた。 軽さを求めることによって、面倒事は徐々に片付きつつあった。ただ、難題は残った。そこにも中条は挑み続けた。   <h2>神髄四 飛びの証と好まれる響き</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/06/chujo4.jpg" alt="中条カムイ" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-45169" /> 窒素充填は中条の十八番。規則を統制する団体からは過去、その性能ゆえに、否を唱えられた。ただし、中条にも体感以外に証がなかった。その窒素充填の証が遂に認められた。 「ヘッドスピード40でのロボットテストで、インパクト時と直後で、ヘッドスピードの減衰率が減少する証が得られた」 中条が居を構える富山県高岡市には、富山県産業技術研究開発センターというスポーツ用品を含めた研究施設が存在する。古くから中条は、拠り所としており、『TP-X Nitrogen』の試験を依頼した。 「内圧を高めることによって、ヘッドのヌケが向上して、打球後のヘッドの減速度合いを24%改善できたことが証明された」 窒素充填なしのヘッドがインパクト直後にヘッドスピードが減少する現象を起こすのに対して、窒素充填型はその減衰率が低い。つまり、インパクトでのインパクト効率も低減しづらく、飛距離伸長へ寄与する。三十有余年の血の滲む、そして苦難の道を経た技で、「飛び」が第三者によって裏付けられた。 そして残った課題は、響きだった。 「窒素充填の打音は、独特の響きがある」 中条のヘッドには、発泡剤仕様が備えられている。しかし、発泡剤を注入すれば、重量は2g上昇する。 「万人受けする音へ。少しでも多くの使い手に受け入れられる打音をなさねばならない」 その音は、甲子園球児の金属バットとも表され、 「初速が速く飛距離につながるが、高反発仕様かと、疑われることもあった」。 ソール内側にリブを配したのは、低重心化のためだけではなかった。 「ブレた、ビビり音がする」 雑味がない、余韻が短い音を求めた。中条が求める伝統的な形状は、円に近い、縦横比が限りなく1に近い形。それを求めながら、軽さを求め、重心を低め、飛ぶ。そして好まれる打音。それが、『TP-X Nitrogen』で改善された。 若き開発者・中条恭也は締めくくる。 「練習でも、ゴルフ場でも、飽きることなく打ち続けたいと思われるクラブを作りたい」 中条の粋を集めた『TP-X Nitrogen』に、その理想と神髄が映し出された。   中条・カムイ <a href="http://www.kamuipro.co.jp" rel="noopener noreferrer" target="_blank">http://www.kamuipro.co.jp</a>
    (公開)2018年06月29日
    ドライバーヘッドに窒素が入っていると「飛ぶのか?」――。そんな疑問が払拭された。中条カムイがすでに発売しているドライバー『TP-07ニトロゲン』は、地クラブユーザーの中では「飛ぶ」と評判。 そもそも、反発性能を向上させるためにヘッド内に窒素を注入して内圧を上げて、ヘッドの反発性能を向上させたのがドライバーヘッド『TP-7ニトロゲン』。今回発売されるドライバーヘッド『TP-Xニトロゲン』はその進化版で、その飛びが証明されたようだ。 <h2>第三者機関のロボットテストで「飛び」を証明</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/05/kamui.jpg" alt="【公開可】中条の窒素入りの『TP-Xニトロゲン』は「飛び」が証明された!? " width="788" height="309" class="aligncenter size-full wp-image-44235" /> 今回発売される『TP-Xニトロゲン』は、中条が本社を構える富山県の産業技術研究開発センターでロボットテストが行われた。同施設は、スポーツ用品に留まらず、多くの製品のテストや次世代の素材などを研究。なかには、宇宙開発事業団からの依頼で人工衛星の冷却器の部品などを作っている。 そこで、今回の『TP-Xニトロゲン』のロボット試打テストを行っている。比較したのは、窒素を充填したドライバーと窒素が充填されていないドライバーで、インパクト時のヘッドスピードとインパクト直後のヘッドスピードが計測された。 結果は、窒素が充填されているドライバーの方が、インパクト直後にヘッドスピードがあまり減少しないことが分かったという。 つまり、インパクト直後にもヘッドスピードが少ししか減速しないから、インパクトでのヌケがよく、インパクト時のエネルギー伝達効率が高いという結論に至ったという。 <h2>『TP-07ニトロゲン』と新作『TP-Xニトロゲン』は何が違う?</h2> 新モデルの『TP-Xニトロゲン』は、『TP-07ニトロゲン』と比較して、より低重心化、より軽量化、より短重心化がなされている。 クラウンの軽量化、そして窒素を充填するカートリッジをこれまでより低位置に設計したことで、低重心率は55.02%と驚異的な数字。また、ヘッド単体(ウエイト無し)でも187gと、『TP-07ニトロゲン』よりも3g軽量化に成功している。それによって長尺仕様にも対応し、トゥ・ヒールのウエイト設定の幅が広がっている。結果として、球の捉まり具合の調整がしやすくなっている。 さらに、上記のウエイトの装着位置を『TP-07ニトロゲン』と比較して、11mmトゥ・ヒール側に広げたことで、スイートエリアも格段に拡大している。 また、ソール内側に、低重心にも寄与しているリブを3本設置。これによって、打球音も改善されているという。
    (公開)2018年05月24日

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