前代未聞の大量押収の内訳は、ゴルフクラブが740本、クラブヘッドが1500個、グリップが4700本、シャフトが2300本で、このほかヘッドカバーやウエア、タオルなど、計1万点にのぼるものだ。同店の社長以下8名が逮捕され、大捕り物は幕を閉じた。
今回の摘発劇は、米国のゴルフ用品メーカーによって組織される「反偽造品ワーキンググループ」の要請に基づき、中国当局が乗り出したもの。同グループの設立は04年で、加盟企業はアクシネット、キャロウェイ、ナイキゴルフ、テーラーメイド・アディダスゴルフ、ピンなど、大半の有名メーカーが名を連ねている。以後の取り締まり強化で、十数回の摘発を成功させるなど、一定の成果を収めている。
ただし、中国のゴルフ関係者によれば、「偽造品業者と当局の摘発は、イタチごっこです。事前に調査情報がもれるケースもあり、踏み込んだらもぬけの殻。そんなケースも多いため、必ずしも十分な成果をあげているとは言えないのです」――。不況の影響で物が売れず、零細工場が半製品を横流しする事例も多いなど、ブランドメーカーにとっては気の休まる暇がない。