日本の軟鉄鍛造アイアン。その老舗が兵庫県神崎郡市川町で60年以上の歴史を誇る共栄ゴルフ工業。そのスピンアウトブランド「TAKUMI JAPAN」を展開するのがTK2。軟鉄鍛造の素材となる丸棒を一定の長さに切り出す作業から、鍛造、研磨、メッキ加工まで、国内で唯一の一貫生産が可能な工場で生まれるのが匠ジャパンだ。
今回は『TAKUMI JAPAN』のアイアン3モデルを試打経験豊富なギアの賢者・ソクラテス永井プロに検証してもらった。
1969年埼玉県生まれ。アメリカ・オーストラリアでの経験をもとに、グローバルな視野と独自のティーチングメソッドを構築。NPO法人ゴルフアミューズメントパークの理事として、ゴルフ市場の発展や指導者の育成にも携わる。2006年度レッスンオブザイヤー受賞
海外でも通用する和の味わい 所有感を満たす仕上げ
<img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/08/takumi-japan8.jpg" alt="TAKUMI JAPAN アイアン試打" width="770" height="513" class="aligncenter size-full wp-image-58809" />
まず、3モデルの中で『TJ KMB』と『TJ KCB』は研磨痕をわざと残した仕上げになっていますね。
海外のゴルファーにとって日本の軟鉄鍛造アイアンは認知度が高いですが、逆の見方をすると海外ブランドの鍛造アイアンは、CNC加工が施された『TAKUMI JAPAN TYPE N』を含めても、仕上げが違いますね。
今回の3機種はどことなく和のテイスト、日本で製造されたアイアンらしい素材感と、落ち着いたデザイン性に特色を感じます。手にしたゴルファーには満足度が高く、所有感を満たすのではないでしょうか。
<h2>まさにカミソリのような切れ味『TJ KMB』存在価値があるマッスルバック</h2>
<img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/08/takumi-japan4.jpg" alt="TAKUMI JAPAN アイアン試打" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-58802" />
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<dt>TJ KMB</dt>
<dd>オーソドックスなマッスルモデルでソールはクレセントカット、マッスル特有の打ち込みにも対応し、バックフェースは一部粗仕上げを残した伝統的でハンドメイドの美しさを再現したアイアン。</dd>
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まず、マッスルバックタイプの『TJ KMB』です。構えた感じはヘッドもコンパクトで、デザインもシンプルというのは見た目で分かると思います。打感の良さと操作性が特筆するアイアンです。ターフをスパット切り抜く切れ味の良さを感じます。
また、『TJ KMB』はマッスルバックの形状ということもあり、こだわりの世界感があふれ出ています。正直なところ、これだけシャープなアイアンはツアープロでも使いこなす選手は少ないですが、『TJ KMB』の形状を最大限に生かして弾道を操作する、高いミート率でプレーするゴルファーもいるわけです。
<img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/08/takumi-japan6.jpg" alt="TAKUMI JAPAN アイアン試打" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-58804" />
市場では、そのようなゴルファーが好むアイアンが少ない傾向にありますので、非常に存在価値のあるモデルです。
<h2>キャビティの深重心効果で高弾道と厚い打感を実現初心者でもOKな『TJ KCB』</h2>
<img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/08/takumi-japan3.jpg" alt="TAKUMI JAPAN アイアン試打" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-58801" />
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<dt>TJ KCB</dt>
<dd>鍛造では再現し辛い形状のバックフェースで、番手により形状が変化するキャビティフロー設計を施した大型ヘッドで初心者でも安心して使えるアイアン。</dd>
</dl>
次に『TJ KCB』のキャビティタイプです。ヘッドサイズは『TJ KMB』に比べて少し大きめで、構えた時の安心感は抜群です。見た目はハーフキャビティですが、キャビティ効果による重心の深さを感じて、シャフトの撓り戻りを後押ししてくれます。
ボールを上手に拾ってくれるアイアンです。高い弾道のショットが実現できて、ピンを真上から狙える。その性能がヘッド形状に非常に良く表れているアイアンです。
深重心でインパクトでも厚みのあるインパクトをむかえられるので、軟鉄鍛造アイアンの打感、心地良い打球音を感じやすいモデルとなっています。やさしいアイアンと表現でき、シャフトの重量、フレックスをダウングレードしていけば、初心者ゴルファーでも十分に軟鉄鍛造を味わえるモデルだと思います。
<h2>市場で主流のサイズ感中級者から上級者まで対応する『TYPE N』</h2>
<img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/08/takumi-japan2.jpg" alt="TAKUMI JAPAN アイアン試打" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-58799" />
<dl>
<dt>TAKUMI JAPAN TYPE N</dt>
<dd>軟鉄鍛造でバックフェースにCNC加工技術を惜しげもなく活用してマッスルバックとキャビティバック両方の機能を兼ね備えた操作性の高いアイアン。</dd>
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最後に『TAKUMI JAPAN TYPE N』です。その形状はマッスルバックの『TJ KMB』とキャビティバックの『TJ KCB』の間のサイズで、市場では主流となるアイアンのサイズです。
実は海外のツアープロも同じサイズ感のアイアンを使用している場合が多いと思います。その意味で幅広いゴルファー、中級者から上級者までカバーできるアイアンだと思います。
<img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2019/08/takumi-japan5.jpg" alt="TAKUMI JAPAN アイアン試打" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-58803" />
ロフト角も少し他のモデルより立っていることもあって、現代的という意味でモダンなアイアンです。
ロフト角の影響で十分な飛距離もでますが、深重心も感じられ厚いインパクトとともに十分な弾道の高さも確保されています。老舗である共栄ゴルフの技術が詰まっているモデルだと思います。
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価格
■『TAKUMI JAPAN TYPE N』=1本/5万8000円
■『TJ KMB』=1本/2万7000円
■『TJ KCB』=1本/2万8000円
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