『JOPグリップ』というグリップを知っているだろうか? 独自の開発思想で多くのツアープロを勝利に導いたグリップだ。そんな同社から新たにアイアン・ウッド用のグリップが登場した。
ゴルファーに起きているスイングのエラーとクラブの動きの特徴を徹底的に研究し、独自の形状と構造に落とし込んだ、その名も『ZUNDO』(ずんどう)という新モデル。
そこでグリップに精通する、「ソクラテス永井」こと永井延宏プロが『ZUNDO』を徹底試打&解説する。
<h2>【動画】永井延宏が『ZUNDO』を試打</h2>
まずは永井プロによる『ZUNDO』の試打&解説を動画で観てもらいたい。
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<h2>遠心力に負けない『JOPグリップ』の構造</h2>
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<span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">永井</span> 独自のコンセプトを形にしたパター用グリップで多くのツアープロに愛用された『JOPグリップ』。そのJOPがアイアン・ウッド用のグリップも展開していました。そこにはパター同様、オリジナルのコンセプトが入っています。
特徴としては80g台、100g台、130g台と重量級のグリップになっており、ともするとカウンターバランスと思われがちですがそうではありません。
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グリップ単体のバランスポイントを中心に配置し、グリップのテーパーをなくして、全体の肉厚を変えないようにすることで、クラブ全体のバランスポイントが手元寄りにくるような構造にこだわっています。それによって特にトップの位置での左手の収まりや、フェースコントロールのしやすさに寄与しています。
私もよくレッスンで生徒さんに「引っ張りっこ」という表現を使うのですが、クラブのバランスポイントを感じ、クラブを振った時の遠心力に負けないようにクラブコントロールをすることがゴルフスイングにおいては重要です。その意味でもJOPグリップの構造はゴルフスイングの仕組みにリンクしていると言えそうです。
<h2>右手の滑りにくさ&どこでグリップしても同じ握り心地を実現</h2>
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<span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">永井</span> そして、そのコンセプトを踏襲し、52gとスタンダードな重量帯として発売したのが今作の『ZUNDO』(ずんどう)です。
早速『ZUNDO』をグリップしてみましたが、ファーストインプレッションとしては、表面にしっとり感がありつつ手に吸いついてくるような感覚があります。それとやはり寸胴形状で右手が太くなっており、右手の滑りにくさを感じるので、手汗や雨でグリップ表面が濡れている場合でも安心感があります。
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実際にプロゴルファーでも寸胴形状になるようにテープの下巻きを変えている方もいます。しかし通常のグリップでテーパーをなくすようにするとなると、おそらく下巻きが4~5枚は必要で、グリップ本来の重量が見えなくなってしまいます。その意味でも、今作のようにグリップがそれをカバーしてくれて、さらに肉厚も均等でグリップ単体のバランスもほぼ中央にきているというのは非常に信頼感が高いと思います。
それとやはりノンテーパー形状なので、左右の手に均等に力が入るのと、ショートアイアンやウエッジでクラブを短く持った時の握り心地に差がありません。
<h2>味方ができた!</h2>
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<span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">永井</span> まずアイアンを試打しましたが、1発撃っただけで「味方ができたな!」という感じです。スイング中のクラブヘッドのうねりや遠心力に対して、手元のお友達感が非常に強いんですね。
そこで2発目は自分のお友達的な『ZUNDO』を信頼して、一緒にグッとクラブを押し込んでいけたので、厚いインパクトで自分のイメージ通りの弾道が出ました。
一般的なテーパー形状のグリップだと、どうしてもグリップエンド支点という感覚が出てしまい、ヘッドがグッと動いた時に右手がコントロールできなくなってしまいます。
グリップエンドに支点ができると、どうしてもクラブが振り子的に動き、遠心力でクラブがどんどん体から逃げてしまう。そうなると腰が前に出てフェースが開く。それをいかに手元で戻そうとしても言うことを聞きません。
それに対して今作はグリップ全体が塊となって自分の体のコアとリンクしてくれる。そうするとよく私が「X型」と呼んでいるのですが、自分を中心にクラブが交差するような現代的なスイングの形が作りやすい。
言い換えるとグリップを縦ではなく横に動かすイメージが作りやすい感じです。その意味で信頼感のあるグリップだと言えます。
<h2>ドライバー軌道を大谷翔平打法に導く</h2>
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<span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;">永井</span> 続いてドライバーでも試打してみましたが、なるほど!という感じで、また一つ新しいヒントがグリップから入ってきました。
というのも、通常のグリップに比べて今作は右手の重量感があるので、その重さがクラブを理想的なトップの位置に連れて行ってくれる感覚があります。
そしてダウンスイングでは、今度はその重さがテコのように働いて、グリップエンドを上に引き上げながらインパクトを迎える動きが作りやすく、クラブ全体が自然とアッパー軌道に入ってきます。
実はこれは大谷翔平選手のスイング動作からヒントを得て、現在私が研究している動きにリンクするものがあります。ドライバーらしいアッパー軌道でエネルギーが伝わりやすい、まさに大谷選手を彷彿とさせるスイングに勝手にグリップが導いてくれるという感じがします。
『ZUNDO』は通常のグリップとは違う感覚で、それでいて重量をスタンダートに合わせてくれているのでクラブに合わせやすい。私も是非実践で試してみたいと思わされるモデルです。