「2年前にPGMを子会社化し、どのような観点でゴルフ業界へ貢献できるのか議論を重ねてきました。そのひとつが今大会であり、平和、PGMそしてJGTOの3社共催、さらには開催地である美浦村のバックアップにより行われます。"夢のある開かれた日本最大のトーナメント"をテーマに掲げ、大会を通じてゴルファーの底辺拡大へ尽力したいですね」
PGMは今年、JGTO主管のチャレンジトーナメントを3試合開催、各大会の優勝者3名に今大会への出場権を与えている。これに加え、「世界ジュニアゴルフ選手権日本代表選抜大会」(15~17歳・男子の部)の優勝者及びPGMグループの会員権保有者を対象としたスクラッチ競技優勝者2名(東西)のアマチュアも出場する。チェーンメリットを最大に活かし、ゴルフ界の底上げを図る構え。
「2020年には東京でオリンピックが開催されます。アスリートの出場機会を創出することで、男子ツアーを元気にしたい」
と話すのは、PGMホールディングスの神田有宏社長だが、その男子ツアーは周知のとおり元気がない。来季3試合減が囁かれるなど、スポンサー離れに歯止めがかからないのだ。
試合数は1983年の46試合をピークに、今季は25試合まで激減。女子ツアーの36試合と比べても劣勢は否めない。これを加速させそうなのが、松山英樹と石川遼の米ツアー本格参戦だ。米ツアーは10月から来季シーズンがはじまっているため、二人のスターは国内秋の陣に参加しない。危機感を覚えたJGTOは男子プロに喝を入れるため、来季シード枠の10人減(60人)を決めたのだが・・・。
このような状況で、干天の慈雨といえるのが新規トーナメントの開催だ。高額賞金の見直しが求められる中、敢えて「2億円大会」に踏み切った同社に対し、JGTOの海老沢勝二会長は、
「時代の変化に対応できるツアーのやり方を模索し見極めていきたい。今大会はその試金石です」
と謝辞を述べた。岐路に立つ男子ツアー、巻き返しに期待したい。
なお動画ニュースでは、当日開催の記者発表のもようを収録した