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    ハッシュタグ「竹林隆光」記事一覧

    「アメリカのスイング理論は変わったのかもしれません。その影響で、日本でもカウンターバランスが静かに広まっている、そんな可能性を感じます」 ノッケから、何やら難しいことを言うのはジオテックゴルフコンポーネントの桜井暢彦氏だ。同社はゴルフクラブのパーツを組み立てるコンポーネント会社の老舗であり、一般ゴルファー向けに組み立て講習会を開くなどコンポーネントビジネスの普及を図ってきた。 今年10月、カウンターバランスのウエイト交換式グリップ『スイッチグリップ』の販売に乗り出し、風向きの変化に逸早く対応した。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2020/11/switchgrip.jpg" alt="" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-64695" /> そもそもカウンターバランスとは何か? 簡単に言えば、ゴルフクラブの両端であるヘッドとグリップの重量配分で、スイング時におけるクラブの操作性等を整えるもの。バランスをカウンターさせることで、ゴルファー個々の最適な振りやすさを追求し、フィッティングの際に用いられる。 今回、同社が投入したグリップは4種類で、うち3タイプがグリップエンドのウエイト(重量物)を交換できる。2タイプの標準仕様はグリップエンドに2gの蓋が付いて計45g。パターグリップ1タイプは2gの蓋が付いて標準重量は80g。オプションで交換可能なウエイトが4~30gまで8種類用意されており、 「フィッティングに関わる商材の充実を図るため、米国のスイッチグリップ社(フロリダ州)と輸入代理店契約を交わしました」(桜井氏) で、その効果はどういったものか? 「当社の計測結果ですが、ドライバーで2gのウエイトをグリップエンドに装着すると、クラブのバランスポイントは5ミリ、バット(手元)側に動きます。ノーマル状態で2g装着されているため、仮に30gの重さだと28gプラスで72ミリ重心が動く計算です。 これでスイングウエイトは7・5ポイント軽くなり、シャフトの挙動や打ち出し角への影響、さらにヘッドスピードが上がるかもしれません」 グリップの重量をいじることで、そんな効果があるという。 関西のショップで月間700本 同様の仕組みの別商品「ツアーロックゴルフ」を販売するのがスポーツティエムシーである。先の「日本女子オープン」では優勝者から3位までの選手が使用クラブの一部に採用しており、ツアー界でも広がりを見せている。 そのせいかどうか、関西の専門店では爆発的なヒットを続けているという。第一ゴルフ姫路本店(兵庫県姫路市)の入江道弘専務が人気ぶりをこう話す。 「当社の5店舗合計で、月平均700本ほどフィッティングしています。すべてのユーザーに効果があるとは言えませんが、効果を体感するゴルファーは多いですね。 量販店との差別化、そしてリシャフトやヘッド交換の次のフィッティングとして期待できる。フィッティング料は1本3000円なので利益にも貢献しています」 これまでゴルフクラブのカスタマイズはヘッドやシャフト交換が主流だったが、グリップのウエイト調整で効果があれば財布にもやさしいだろう。専門店にしてみれば、フィッティング料は「技術料」だから高い利益率が期待できる。他店との差別化にも役立つだろう。 ところで、冒頭の台詞についてである。「アメリカのスイング理論が変わった」とはどういうことか? この点について、GEWのギアインプレでもお馴染みの永井延宏プロに聞いてみた。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/11/nagai.jpg" alt="ティーチングプロ 永井延宏氏" width="788" height="525" class="size-full wp-image-51268" /> ティーチングプロ 永井延宏氏 「まず、昔は振り子型のスイングだったので、身体の正面でボールを捉えるクラブしかありませんでした。その際、クラブを比較する基準がスイングバランスだったのですが、現代のクラブは軽量化が進んだため、振り子スイングではクラブの出力は出にくいんです。 出力を出すためには、テイクバックを深くして、クラブ重量を背中で背負うイメージで体幹で振る。そうしなければクラブの出力が出にくいんですね。その時に大事なのが手元の重量感です。手元で重量を感じることで深くテイクバックでき、体幹で振れる。これで出力が出やすくなります。 その意味でグリップ側に重量を付加するのは、理に適っていると思いますね。デシャンボーの太いグリップも、同じような効果を狙ったのだと思います」 クラブの進化がスイングを変える。フォーティーン創業者でクラブ設計家の竹林隆光氏はかつて、「ヒトはクラブの『重心』を振っている」と語り「重心理論」の草分けとなったが、以後、日本のクラブメーカーは高反発フェースの追求に走り、米国メーカーは慣性モーメントの追求で飛球が曲がりにくいヘッド設計に注力した。 両者の違いが日米のツアープロのスイングに影響を及ぼし、永井プロが指摘する「体幹で振る」が主流になった。その結果、カウンターバランスが注目を集めたという流れだろう。 百聞は一見に如かず。探求心が旺盛なゴルファー諸氏、一度試してみては如何だろう。
    (公開)2020年11月05日
    アイアンセットはウッドに比べて、進化の度合を感じにくいというのが定説だった。バブル時代には、ゴルフクラブの買替え頻度はドライバーが3年、アイアンは5年に一度といわれていたが、今や十数年前のアイアンを使うゴルファーも珍しくない。 クラブ設計家でフォーティーンの創業者・竹林隆光氏(故人)はかつて、ウッドとアイアンに対するゴルファーの意識差をこう話している。 「ゴルファーは、飛距離はクラブ、方向性は腕と考える傾向が強いんです。そのため飛距離差を感じやすいドライバーに人気が集中して、メーカーもドライバーの開発に注力する。その結果、アイアンは疎かになる傾向が強いのです」 ゴルファー心理を言い当てた言葉といえるだろう。 しかし、近年はアイアンに注力するメーカーが増加中。ピンは1月、同社初の「飛び系アイアン」を謳う『G700』を発表したが、先行メーカーは意欲作を投入して「7番アイアンで190ヤード」を主張している。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/03/g700.jpg" alt="ピン G700アイアン" width="788" height="525" class="size-full wp-image-42341" /> ピン G700アイアン これにより、「アイアンセット」の崩壊が進みはじめた印象もある。多くのメーカーは7番からの4~5本組を定番とし、ふた昔前の「9本セット」は市場から姿を消してしまった。 その結果、何が起こるのか? アイアンセット崩壊の余波を探ってみよう。 アイアンのルール規制は「大甘」 クラブの開発史を振り返ると、チタンウッドの登場が大きなエポックになっている。チタン合金は比重が軽くて加工しやすく、耐久性も強いため各社こぞって採用した。 その先鞭をつけたのは、1990年3月に18万円で発売された『ミズノプロTi』だった。当時はバブルの全盛期であり、戦闘機などの軍需物資に使われていた高級金属のチタンは、米ソ冷戦の終焉もあって民需転換が急がれていた。 そこで注目されたのがゴルフクラブ。一般消費財としてはメガネフレームぐらいしか需要がなかったチタン合金は、ゴルフ業界の採用で一気に消費量を高めていく。 特に飛距離が求められるドライバーは、長くて軽くて大型ヘッドの「長軽大」が開発トレンドになり、フェースを薄くして反発性能を高める「高反発ドライバー」にチタンは最適の素材だった。 これに比べて設計自由度が低いアイアンは、肩身の狭い思いを続けてきた。 用具の「過剰な進歩」を規制するR&amp;Aも、アイアンについては寛大だ。開発の余地が大きいウッドヘッドは寸法、体積、慣性モーメント等が厳しく規制されているが、アイアンヘッドは過剰なスピンを抑制する「溝規制」を除いて簡素な内容にとどまっている。 このあたりの事情について、ゴルフルール研究家の第一人者であるマイク青木氏に聞いてみた。 「R&amp;AとUSGAがもっとも気にしているのは最大飛距離なので、必然的にドライバーへの監視が厳しくなる。ドライバーで400ヤードも飛んでしまったら、コース改造のコストも莫大になるので、この点については神経を尖らせています。 その一方、どんなに飛ぶアイアンを作っても、ドライバーの飛距離には及ばない。飛ぶアイアンではコース改造の必要もないため、今後、厳しく規制されることは考えにくいですね」 近年「飛び系アイアン」と呼ばれる商品が続々と現れているが、「規制の甘さ」が遠因する部分もあるだろう。 <h2>7番アイアンで190ヤード</h2> そのような事情もあって、メーカーは「飛び系アイアン」の開発に本腰を入れており、その「元祖」を自任するのがプロギアの山本眞司副社長だ。 「この市場は当社の『egg』が先鞭をつけたと自負しています。2007年に発売した初代モデルはゲテモノ扱いされましたが、これが近年の飛び系アイアンにつながっていると思いますね」 同氏が殊更に「元祖」を主張するのは、ヤマハの『インプレスUD+2』が「2番手余計に飛ぶ」をPRして大ヒット、飛び系の火付け役と騒がれたこともある。昨秋にはキャロウェイゴルフの『EPIC』、ブリヂストンスポーツの『JGR HF1』といったように後続が現れ、群雄割拠の様相だ。 注目されるのは『EPIC』アイアンの構造である。この商品、ドライバーヘッド内部の「2本の柱」(ジェイルブレイク)が話題になったが、実はアイアンヘッドの構造もかなり複雑だ。 フェース肉厚は最薄部で1mm程度、ネック内側を空洞にすることで重量配分の幅を広げるなど、製造工程は200を超える。他社も比重が重いタングステンを装着するなど、複数の素材を組み合わせているのだが、『EPIC』の複雑な構造が際立っている。 ティーアップするドライバーと比べ、直接地面を叩くアイアンには高い強度が求められる。マットの下がコンクリートの練習場でも高い頻度で使用されるため、高度な設計・製造・検査技術が求められる。キャロウェイの庄司明久副社長は、 「工場とのパートナーシップは非常に大事」 と強調するが、頷けることだ。 以下、各社の代表的な「飛び系アイアン」を見てみよう。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/03/jgr.jpg" alt="ブリヂストンスポーツ JGR HF1" width="788" height="525" class="size-full wp-image-42337" /> ブリヂストンスポーツ JGR HF1 ブリヂストンスポーツの『ツアーB JGR HF1』は、7番アイアンをヘッドスピード(HS)39m/sで打ち187ヤードを記録したとか。ロフト角26度、カーボンシャフト仕様の38インチで、セット構成は5本組(7~9番、PW1、PW2)で12万円。 ミドルアイアンの飛距離が伸びることで短い番手とのギャップが生じるため、PW2本を設定している。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/03/epic.jpg" alt="キャロウェイ EPIC" width="788" height="525" class="size-full wp-image-42338" /> キャロウェイ EPIC 『EPIC』はドライバーのHS42m/sの女子プロが7番アイアンで190ヤード級の飛距離が得られたとか。上田桃子は193・8ヤード(通常155ヤード)を記録しており、従来より40ヤード近い飛距離増は驚きだ。ロフト角は26度で37・5インチ仕様。5本組(6~9番、PW)で16万円。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2018/03/inpres.jpg" alt="ヤマハ インプレスUD+2" width="788" height="525" class="size-full wp-image-42335" /> ヤマハ インプレスUD+2 また、ブームの火付け役とされるヤマハの『UD+2』も7番で190ヤード(ロフト26度、37・75インチ)を主張しており、4本組(7~9番、PW)で9万6000円。 プロギアの『赤egg』は飛距離を公表していないが、7番(ロフト角25度、38・25インチ)で前作比5~10ヤード飛距離が伸びたという。こちらは4本組(7~9番、PW)で9万6000円だ。 飛び系で最新モデルとなるピンの『G700』は「飛んで、飛んで、止まる」をキャッチフレーズにしており、7番のロフト角が28度と他社より「寝ている」仕様となる。 同社がユニークなのは「1本売り」(2万1000円~)をすることで、カスタム販売の元祖だけにセット販売にこだわらない。 <h2>「セットの崩壊」で何が起きるか?</h2> 以上、「飛び系アイアン」の顔触れを簡単に紹介したが、特筆されるのは各社のセット構成である。ピンの1本を筆頭に、大半は4~5本組で販売するため、もはや「セット」とは呼べない状況だ。 ふた昔前のアイアンは3~9番、PW、SWの9本組が定番で、なかにはAWを入れて10本組もあった。その後3、4番が外れて5番からとなり、現在の「飛び系」は7番以降が定番になっている。 このことは、何を兆すのだろうか。 メーカーはアイアンの長さを半インチ刻みで設定し、各番手10ヤードの飛距離差を想定するのが一般的だが、7番で190ヤードとなった場合、10ヤード刻みでは9番で170ヤードになってしまう。 マルマンは9番とPWの間に10番アイアンを入れるなど、ショートアイアンの構成を変えているが、番手間の飛距離差を10ヤード以上に設定しないと辻褄が合いにくくなる。 さらにセット構成も、ウエッジの本数が多くなり、逆に7番から上の番手もFWやUTを組み込む余地が大幅に増えるなど、従来のセット構成が激変しそうな雲行きだ。 さらに話を飛躍させれば、「クラブは14本」という常識が覆される可能性も否めない。実際、1ラウンドですべてのクラブを使うことはほとんどなく、14本以内で自由に本数を決め、メーカーが定めた「セット販売」に縛られることなく「マイセット」を作っていく。そんな楽しさが一般化するかもしれない。 クラブ設計家の竹林氏は、かつてこんなことを話していた。 「R&amp;Aはクラブの進化に目を光らせていますが、その目的はクラブの進化に依存せず、ゴルファー自身が練習で技術力を高めるところにあります。だとすれば、一番簡単なのは本数を制限することですよ。14本を7本に規制すれば、技術力は格段に上がる。なぜなら、1本のクラブで多彩なショットを要求されるからです」 言い得て妙の至言だろう。 それはともかく、アイアンの飛距離が格段に伸びたことで、ゴルファーは残り200ヤードのセカンドショットをミドルアイアンで狙うことも夢ではなくなる。ゴルフの新たな醍醐味といえそうだ。 その反面、ショートアイアンとの「つなぎ」をどうするかが新たな課題にもなる。この課題を解決するために、これまでにない発想のアイアンが生れるかもしれない。 「飛び系アイアン」の登場には、市場活性化の起爆効果が期待される。
    (公開)2018年03月02日
    竹林氏が一貫してこだわってきた設計コンセプトは、力学的な機能の追求だった。現在では当たり前になった重心に関する設計理論を世界基準にまで普及させただけでなく、ヘッド素材の変遷、長尺シャフトの有利性など、時代を先取りして進化の方向性を示したのも大きな功績だろう。   「私たちは故人の高い意思を受け継ぎ、ゴルフ界に貢献できる企業を目指して努力する所存です。胸に去来する思い出は尽きませんが、ここに、故人が生前皆様から賜りました数々のご厚情、ご厚誼に対しまして、謹んで御礼申し上げます」(お別れの会委員長・同社代表取締役社長 廣田文雄氏)   お別れ会では、故人を偲ぶ多くの関係者たちが竹林氏の早逝を惜しんでいた。謹んでお悔やみを申し上げます。   【竹林氏略歴】 1949年 東京吉祥寺生まれ 1973年 成蹊大学を卒業後、横尾製作所に入社 1981年 有限会社フォーティーンを群馬県藤岡市に設立、代表取締役に就任 1985年 本社を群馬県高崎市へ移転 1990年 東京事務所を開設 1993年 本社を群馬県吉井町へ移転 1995年 株式会社フォーティーンに社名変更 2004年 大阪営業所を開設 2008年 同社顧問に就任   【主なタイトル】 1975年 香港オープンベストアマ獲得 1977年 日本オープンベストアマ獲得 1978年 東海クラシックベストアマ獲得   【主な団体、公職歴】 1986年 PGA用具審査委員会 技術顧問 2001年~ PGA・LPGAゴルフクラブ 知識顧問 2003年 JGA男子ナショナルチーム委員
    (公開)2014年02月24日
    1981年10月にフォーティーンを設立。創業の目的は、ゴルフクラブの設計会社を立ち上げることで、横浜ゴムがゴルフ市場へ参入した当初、ヘッドスピード理論を搭載したクラブ開発に多大な貢献をした。また、杉原輝雄が使用して爆発的なヒット商品となった国際興業の『モメンタム』も、竹林氏の設計思想を取り入れている。そのほか、長尺アイアンへの挑戦などで、個性的な商品を世に問いつづけた。近年はウエッジ市場で高いシェアを獲得するなど、存在感のあるニッチメーカーとして地歩を固めた。 同社の転機は2008年10月で、グローブライドへ株式を売却、完全子会社となった。その理由について竹林氏は、「会社の成長性を高めるには、あらゆる意味で中小規模では限界がある」と話していた。以後は同社の特別顧問として経営の一線から退き、商品開発に専念。ドライバー市場への捲土重来を期した2013年は『ゲロンディー』が人気を呼び、「脱ウエッジメーカー」の糸口を見出したばかり。あまりにも早すぎる逝去だった。 葬儀等は未定だが、後日「お別れの会」が行われる予定。巨星墜つ、合掌――。
    (公開)2013年12月27日

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