やはり注目は、昨年、一昨年とプロ・アマチュア問わず"ホワイトレボリューション"を巻き起こしたクラブ『ロケットボールズ(RBZ)』シリーズの後継機種『JET SPEED(ジェットスピード)』。FWで採用したスピードポケットをドライバーにはじめて採用した意欲作だ。シャローヘッド採用のFWにも貫通型の新スピードポケットを搭載し、飛距離性能に加え狙いやすさを加味した。
"ロケット"から"ジェット"とへと進化を遂げた新製品について、同社山脇康一社長はプレゼンテーションの中でも特に強調して紹介した。
「コミュニケーションのキーワードはズバリ、"ロフトアップ"。高ロフトは飛距離アップに非常に大きな効果があります。新商品はロフト調整が可能で、とにかくカチャカチャいじってもらいたいですね。ロフトアップすることで、さらに飛距離が伸びる、ということを啓蒙していく。我々は打出し角17度、バックスピン量1700回転を実現するドライバーの完成を目標に掲げており、これが実現できれば一般男性のHSで30Yアップが可能と考えています。『ジェットスピード』はその過程にある製品とご理解いただきたい」
実際、同社契約のD・ジョンソンは昨年まで8・5度の『R1』ドライバーを愛用しており、今シーズンは、10・5度の『SLDR』を使用。ツアープロですら2ビジットのロフトを使用し始めているとか。
ロフトアップに加え、飛びを実現するのは前々作から搭載の「スピードポケット」と呼ばれるソール部分に配された溝によるもの。同製品では、よりフェース側に「スピードポケット」を配することで重心がより浅く、前方に移動した。これを貫通型にすることにより、高弾道・低スピンを導き出しているという。
気になる発売時期は2月15日だが、飛びを求めたゴルファーが殺到するのは間違いないだろう。
同社は、よりエンドユーザーの視点に立ってモノづくりを進めてきた結果、13年の売上は300億円超を達成。2000年と比較して売上規模は6倍になっているという。今後のブランド展開について山脇社長が力説する。
「日本市場は国産ブランドが非常に強いマーケット。そのようななか、統計資料の段階ですが、2013年は売上ベースでNO・1のポジションを取れたのではないかと思っています。『テーラーメイド』、『アディダスゴルフ』、『アシュワース』、『アダムスゴルフ』の4ブランドのシナジー効果によるものですが、我々は今後も成長していきます。具体的には、2017年に向けて国内売上400億円を目指したい」
同社は昨年より、グローバル規模で社内改革に着手。『テーラーメイド3・0』プロジェクトがそれで、79年から2000年までを1・0期、アディダスグループの傘下に入った00年から13年までを2・0と捉えている。さらにここから成長するためには? それが『テーラーメイド3・0』だという。
「従来はトップダウンで命令されたことを実行する、というのが我々のビジネススタイルでした。今後は社員ひとりひとりが想像力を掻き立て、リーダーシップを発揮する方針へ大きく転換。一層、常識を覆すような製品投入に拍車がかかるでしょう。また、今回リーディングカンパニーになったことで、業界全体を盛り上げる施策にも取り組んでいきたい」
と締めくくった。
そのほか、軽さとBoaクロージャーシステムを融合させたアダィダスゴルフの次世代シューズ『アディ・ワン・ボア』やハイブリッド、FW、アイアンに特化したアダムスゴルフの"セカンドショット屋"戦略、アシュワースのアンバサダーに椎名桔平を招聘するなど盛りだくさんの内容だった。
なお、動画ニュースでは新製品発表会のもよう及びプロダクトマーケティング担当者に『JET SPEED』の特長を聞いた。
登壇者:テーラーメイドゴルフ山脇康一社長、同プロダクトマーケティング長谷部祐ディレクター