アシックスは先頃、公益社団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と契約を締結し、スポーツ用品(スポーツアパレル及び競技用具)カテゴリーで「東京2020ゴールドパートナー」に決定したことを発表した。
「東京2020ゴールドパートナー」は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を含む6年間(2015年4月6日~2020年12月31日)におよぶオリンピック・パラリンピックの日本代表選手団に関するもので、東京2020スポンサーシッププログラムにおける国内最高位のスポンサーになるという。
4月6日、八芳園(都内港区)で開催された発表会には、アシックスの尾山基社長、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長の他、卓球の石川佳純選手(オリンピアン)、陸上の桐生祥秀選手(東洋大学)、北浦春香選手(パラリンピアン)などが出席した。
その発表会の冒頭、尾山社長は、「(ゴールドパートナーになったことを)大変光栄に思います」と語り、次のように続けた。
「スポーツを通して青少年の健全な育成に貢献したいというアシックスの創業哲学は、近代オリンピックの創設の信念と原点を同じくしています。これまでの大会で選手や競技団体をサポートしてきた経験を生かし、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が世界で誇れるものとなるよう貢献するとともに、健康で持続可能な社会の実現に努めていきます」
これを受けた森喜朗会長は、「日本を代表するスポーツ用品メーカーであるアシックスが、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会をゴールドパートナーとしてご支援頂くことになり、大変嬉しく思います。大会では、日本代表選手団だけではなく、ボランティアの皆さんも含め、全員が同じ『アシックス』のユニフォームを着ることで、オールジャパンで一丸となり大会に臨んでまいります」と決意を表明した。
この契約により、日本代表団だけではなく、8万人と予想されるボランティアがアシックスのウエアとシューズを着用して大会をサポートするという。ブランドの露出効果は非常に大規模なものになりそうだ。
会見中、記者から「アシックスがパートナーになった経緯は?」と質問された森会長は、
「私が決めたわけではありませんが(笑)、条件としてアシックスから1社でやりたい(過去には3社で協賛)という話がありました。いろんなことを進めるには、この方が好都合だったというのも決め手だと思いますよ」と述懐。
尾山社長も、「カテゴリー毎の1社というのはIOC(国際オリンピック委員会)の原理原則なので、これに基づいた形になりました」と補足説明を加えた。
なお、契約金額については、守秘義務があり非公開だが、尾山社長は、「それなりの金額ですが、2020年までには十分償却可能と判断しています」とビジネスメリットの高さも強調した。
ちなみに、森会長は石川県能美市の出身だが、尾山社長もその隣町(白山市)の出ということで同郷である。森会長からは、尾山社長が1964年に開催された東京オリンピックの際、地元で聖火ランナーを務めたというエピソードも披露された。縁がある話で、同郷人が中心となって世界最大のスポーツイベントを盛り上げていく。
画像は、左がアシックスの尾山基社長、右が森喜朗会長。