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    ハッシュタグ「ゴルフサステナビリティ」記事一覧

    日本における権威あるプロゴルフ団体:PGAとLPGA 日本において権威あるプロゴルフ団体を挙げるならばPGA(公益社団法人日本プロゴルフ協会)とLPGA(一般社団法人日本女子プロゴルフ協会)であろう。もともとLPGAは1967年にPGA内に「女子部」として発足後、1974年にPGAから「日本女子プロゴルフ協会」として独立しているのでルーツは同じである。そして、2020年度からはPGAに女性会員が入会するなど、近年はPGAで資格を取得した女子プロも見られだしている。 2026年現在、PGA会員数は約5500名、LPGA会員数は1452名とされている。 少しずつ増えている「博士プロ」 2000年代初頭より日本において博士号を保有するプロゴルファーが誕生している。筆者の調査(2026年3月調査)によれば、日本初の博士プロは大東将啓氏であり2003年に博士(学術)を取得している。また、最近では2026年3月に鈴木タケル氏が博士(造形)を取得している。 2026年現在で約7,000名にも及ぶプロゴルファーのうち「博士プロ」であるのは下記の6名である。 〈PGA〉 ・大東 将啓 博士(学術)(高知工科大学)2003年9月 ・安藤 秀  博士(体育科学)(筑波大学)2007年3月 ・江原 義智 博士(スポーツ医学)(筑波大学)2017年9月 ・鈴木タケル 博士(造形)(武蔵野美術大学)2026年3月 〈LPGA〉 ・野澤むつこ 博士(工学)(東京工業大学)2010年3月 ・長谷川弓子 博士(体育学)(中京大学)2013年3月 博士プロはどんな研究で博士号を取得したのか 「研究」とは、ある問題意識についてどのような先行研究が行われているかを調査し、未踏の領域(現状の理論で欠けていること)は何かを明確にした上で、調査や実験によってその欠けている部分を明らかにし、理論として導出して行く作業である。 博士学位の要件を満たすパブリケーション(学術論文の積み重ね)として認められる実績を上げるには、学部(卒業論文)や修士(修士論文)はもちろん、入門的な査読ジャーナルへの投稿経験を多く積まない限り、博士取得レベルに到達するのはかなり難しい。近年、プロスポーツ選手がセカンドキャリアのために大学院(修士課程)にチャレンジすることが報じられるのを目にすることがあるが、博士号(Ph.D)はそれに比べて何倍もハードルが高い。 学位取得したプロゴルファーたちの博士論文タイトル(表1)を見ると、プロとしてのリサーチクエスチョンはスイング動作に限らず多様であることが見てとれる。なお、国立情報学研究所(NII)のデータベース(CiNii)で誰でも博士論文のタイトル等は閲覧することができる。 真価が問われるのは博士号取得後:『論文を書かない研究者はネズミを捕らないネコと同じ』 「末は博士か大臣か」という言葉があるように、研究者における集大成が博士取得であった時代がかつてはあったが、それは遠い昔の話である。現代の学術界(大学)では「研究者」とは単に博士号を有することとは考えられていない。30~40年ほど前から、博士号取得は集大成ではなく研究者としてのスタートラインであると捉えられるようになっており、いまではそう考えるのが普通である。 要するに、学位取得はあくまでスタートラインであり、その後その人が研究を継続するかどうか(絶えず論文を出し続けられるか)で博士としての真価が問われる。これは博士プロに限らず、筆者を含めた大学業界にアカデミックポスト(教授、准教授、講師、助教)で従事する者すべてに当てはまることでもある。 北海道大学の角皆静男名誉教授は、研究者にとっての論文十ヶ条を示しているが「研究者としての姿勢」が語られる論稿でよく引用される(上出2014,渡辺2016など多数)ので、筆者の稿でも下記に引用させて頂く。 〈論文十ヶ条:北海道大学角皆静男名誉教授〉 1.「書かれた論文は書いた人の研究者としての人格を表す」 2.「データのみ出して論文を書かない者は、テクニシャンである」 3.「データも出さず、論文(原著論文)を書かない者は、評論家である」 4.「研究者は論文を書くことによって成長する。また、成長の糧にしなければならない」 5.「論文は研究者の飯のタネである」 6.「論文は後世の研究に影響を与えなければならない」 7.「研究者は書いた論文に責任を問われる」 8.「忙しくて論文が書けないというのは、言い訳にはならず、能力がないといっているのと同じである」 9.「博士論文以上の論文を書けない者は、その博士論文は指導教官のものといわれても仕方がない」 10.「研究において最も重要なのはアイデアであり、それが試されるのが論文である」 日本ゴルフ学会に新設された研究方法を学べるプロ向け講座 日本ゴルフ学会関東支部(理事長:北 徹朗)では、2025年度より「サマーセミナー」を開始し多くのプロがこれに参加した。このセミナーを主宰するのは、博士プロの鈴木タケル先生(PGA・武蔵野美術大学講師)である。 日々のレッスン活動で感じる疑問や記録を「研究」としてまとめるにはどうすればよいのか、ゴルフ場や練習場でデータ収集するにはどうすればよいのか、収集したデータはどうやって集計や統計分析すればよいのか、そして最終的にレポート(論文)としてどうまとめて行けばよいのか等々、研究作法のハウツーを1泊2日の合宿で経験して頂いている。そもそも、問題意識(リサーチクエスチョン)をどう考えればよいのかさえわからない場合など、研究の着眼点についても初学者目線で解説し、参加者自身に手を動かして実践して頂くセミナーとなっており、研究経験のない人でもゼロから学ぶことができる。 ここに参加した多くのプロと学者(大学教員)の共同研究は、2025年11月に愛知県瀬戸市で開催された日本ゴルフ学会第35回学会大会で多数発表されている。日々、現場でレッスン活動をされている方で、エビデンス・ベースド・ティーチング(EBT)を体現できるアカデミック・プロを目指されたい方は、是非、日本ゴルフ学会の門を叩いて頂きたい。 参考文献・参考資料 1)日本女子プロゴルフ協会(2026)JLPGA公式女子プロゴルフ選手名鑑2026 2)(公社)日本プロゴルフ協会ウェブサイト:【歴史】https://pga.or.jp/about/history(2026年3月17日確認) 3)(一社)日本女子プロゴルフ協会ウェブサイト:【歴史】https://www.lpga.or.jp/about/history/(2026年3月17日確認) 4)上出洋介(2014)国際誌エディターが教えるアクセプトされる論文の書きかた、丸善出版 5)渡辺 豊(2016)角皆静男先生のご逝去を悼む、地球化学 50巻1号 北 徹朗|きた・てつろう 博士(医学) 武蔵野美術大学教授・同大学院博士後期課程教授 GMACゴルフ市場活性化委員会有識者委員(企業連携・交流部会副委員長)
    (公開)2026年04月02日
    高齢者に人気のスポーツのうち怪我の割合が最も高いのはゴルフ 2025年10月に権威あるスポーツ医学誌Orthopaedic Journal of Sports Medicineに公開された論文(Andrew Qi et al., 2025)に、米国で高齢者に親しまれるスポーツにおける整形外科的損傷の定量化に関する研究が掲載されている。 この研究では、米国事故情報監視システム(NEISS)の10年分(2014年~2023年)のデータベースが分析され、米国の高齢者に人気の12種目において合計5,561件の症例が確認された。 その結果、ゴルフの怪我の割合が最も高かった。 怪我の割合が多い順では、ゴルフ(22.8%)、ピックルボール(17.0%)、テニス(13.4%)、ウエイトリフティング(12.9%)であり、負傷患者の平均年齢は67.3歳(±8.6歳)であった。 中でも、ゴルフ参加者の平均年齢は71.2歳(±9.9歳)で最も高かった。 2014年以降、ピックルボールの怪我が急増しており、ここ数年ではゴルフを上回っている(図1)。 図1.米国における2014年~2023年までの高齢者に人気の12スポーツにおける整形外科的傷害の発生率(Andrew Qi et al.,2025) ゴルフ場での心停止の平均年齢は64.6歳 上記とは別の研究(2026年2月公開のJournal of the American College of Emergency Physicians Open)では米国ゴルフ場での心停止の状況についてまとめられた論文が掲載されている(Bret Gustafson et al., 2025)。 それによれば、2020年から2023年までの4年間において、米国CARESデータベースがカバーする406のゴルフ場における病院外心停止(OHCA)は476件確認され、患者は主に男性(91.4%、n=435)および白人(85.1%、n=330)に多かったとされている。 患者の平均年齢は64.6歳(±15.5)であった。 この研究の著者らによれば、ゴルフコースでのOHCA発生時の状況や予後、その後の生存結果について示された先行研究が殆ど報告されていないことから、安全にゴルフを楽しむための基礎資料としてこの研究をまとめる意義があるとしている。 ゴルフ場での心停止における生存率は30.5% 米国のゴルフ場で2020年~2023年までに発生したOHCA症例476件のうち、73.7%(n=351)の患者が心肺蘇生(CPR)を受け、24.6%(n=117)に対してAED(自動体外式除細動器)が用いられたが、その生存率は30.5%(n=145)であった。 なお、生存者の97.2%(n=141)は良好な予後であったとされている。 パブリックコースでのAED使用率が低い この研究の著者ら(Bret Gustafson et al., 2025)によれば、AED使用率はパブリックコース(19.7%)よりもプライベートコース(32.1%)で有意に高く(p=0.03)、パブリックコースで起きた心停止はプライベートコースに比べ生存率が低かったとされる。 また、PGA of Americaはゴルフ施設に「最低2台のAEDを設置」を推奨しているが、これらの勧告がAED使用に効果を及ぼしたかどうかや生存結果に与えた影響は不明とされる。 起伏の多い日本のゴルフ場では各カートへのAED搭載が必須 この研究(Bret Gustafson et al., 2025)の報告では、米国ゴルフ場で発生した心停止476件のうち、CPRを受けたのが351件、AEDが用いられたのが117件であり、死に至らなかったのは145件(生存率30.5%)であった。 日本のゴルフ場に目を向けると、平坦な丘陵タイプのコースよりも、いわゆる山岳コースや斜面が多く起伏が激しいゴルフコースの方が多い。 そのため、とりわけAEDの備えと、とっさの場面でためらわず使用することが必要である。 特に、カートへのAEDの搭載は必須だろう。 例えば、山梨県の上野原カントリークラブではカート1台おきにAEDを搭載するなど、安全対策が進んでいるゴルフ場も見られる。 セカンドショットは危険がいっぱい ティーショットやパッティングなど、緊張を伴いやすい場面では、激しい身体活動を伴わなくとも心拍数が急上昇しやすい。 例えば、よいスコアのかかったパッティング時にはプレッシャーがかかるが、その緊張は心拍数や血圧の上昇として現れる。 特に、ミスショットした後の「セカンドショット」前後の危険性が指摘されている。 要するに、ティーショットを右や左に曲げてしまったストレスに加え、ボール地点まで山を上ったり谷に下りたりと激しく動くことで、ショットの際に上昇した心拍数や血圧をさらに上げることになる。 そして、息が上がっている状況ではスイングし難いため、多くの場合はアドレスに入ると呼吸数や換気量を落としてショットをしようとする。 そのため、さらに心臓には負担がかかる。 また、ショットの瞬間(インパクト前後)は一瞬息を止めているため、一時的に心拍数や血圧は急上昇する。 図2.上野原カントリークラブのAED搭載カート(2024年3月25日、北徹朗 撮影) 日本のプレースタイルは血圧を変動させやすい 12月~3月頃までにかけては、いわゆるヒートショックが発生しやすい季節でもある。 日本のゴルフ場では、ハーフターン時に屋内で食事を摂り、ホールアウト後に入浴、15時以降の外気温が下がり始めたころに帰宅するパターンが一般的である。 プレー当日の気温の状況によっては血圧が上下し、心疾患などを引き起こしやすくなる可能性があるため、その点では米国よりも注意や備えがなおさら必要であろう。 参考文献・参考資料 1)Andrew Qi et al.,(2025)Sports-Related Orthopaedic Injuries in the Older Athlete: A 10-Year NEISS Database Analysis, Orthopaedic Journal of Sports Medicine. 2025 Oct 15;13(10):23259671251360439. doi: 10.1177/23259671251360439. 2)Bret Gustafson et al.,(2026)Cardiac Arrest Care on United States Golf Courses-Up to Par Yet?. Journal of the American College of Emergency Physicians Open, Volume 7, Issue 1, 100278, February 2026 3)PGA of America:Save a life with heart safe protocol, https://www.pga.org/CPR/save-a-life-with-heart-safe-protocol 4)北 徹朗(2024)カート1台おきにAED搭載(上野原カントリークラブ, 2024年3月25日撮影)X, https://x.com/Actionresearch_/status/1772989034706407907(2026年2月26日確認) 5)吉原 紳(2010)セカンドショットは危険がいっぱい ゴルフ場での突然死を防ぐ, ダイヤモンドオンライン, https://diamond.jp/articles/-/10069(2026年2月26日確認) <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2026年3月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
    (公開)2026年03月07日
    東京2020五輪ではテニスとゴルフの紫外線曝露リスクが突出 2025年12月に公表された米国の医学ジャーナル「Cureus:Journal of Medical Science」に、『ゴルフアパレルにおける紫外線防御評価:米国の主要ゴルフアパレルブランドが高リスク人口向けに提供しているスキンカバレッジ(皮膚を覆う度合い)の分析』(Evaluation of Golf Apparel for Ultraviolet Protection: An Analysis of Skin Coverage Provided by Leading U.S. Golf Apparel Brands for a High-Risk Population)(Taylor Merkle et al., 2025)という論文が発表されている。 この研究の背景として、先行研究で示されてきた「ゴルフをする人はしない人に比べて生涯の皮膚がん罹患率が2.4倍高い(Stenner B et al., 2023)」ことや、「紫外線暴露の影響を受けやすいゴルフにおいて日焼け止めを常に塗布していると回答したゴルファーはわずか36%だった(Weikert AE et al., 2021)」こと、「2020年東京五輪のデータではテニスとゴルフは屋外競技の中で最も紫外線曝露リスクが高いグループであったこと(Downs NJ et al., 2020)」などを挙げている。 ゴルファーはUVカットの意識が低く皮膚がんのリスクが高い ゴルフプレー中の身体への紫外線曝露は、肩、背中、首の後ろ、腕の後ろで最も高く、身体前面への曝露は比較的少ないと推定されている(Sung H et al., 2006)。そのため、UVカット効果を最大限に高めるために、暗めの軽量生地に長袖シャツと長ズボンを選ぶことが推奨されることが多い。 だが、通常ゴルフ場ではドレスコードが求められるため、ゴルファーにおいてはアパレルのデザイン選択には制限がかかる。こうした問題意識から、この論文の著者ら(Taylor Merkle et al., 2025)は、ゴルフ専用として市販されているアパレル製品(ブランド5社)における紫外線防止設計要素と生地特性評価を目的とした調査を実施した。 この調査は2025年7月7日~7月21日に行われ、各ブランドのゴルフアパレルサイトについて5名の評価者による構造化分析が実施された。 具体的には、帽子、トップス、ボトムス、アクセサリーのカテゴリーで商品数が記録され、アパレル製品の性別、年齢層別に分類された。さらに、帽子の場合はつばの広さ、トップスの場合は首やフードカバーの有無や形状、同じく背中、胸、肩、腕全体および手指のカバー度合い、ボトムスについては脚全体をカバーしているかどうか、アクセサリー(取り外し可能な袖やネックゲイターなど)については首、腕、手指をカバーしているかどうか等について調査された。 その結果、合計671点の製品について、形状やデザインの特徴、UPFラベル(Ultraviolet Protection Factor:紫外線防護係数)の有無について評価・報告されている。 ゴルフ用として販売されているウエアでもUPFラベル表示率が極めて低い 調査の結果、UPFラベル表示率はウエアで特に低かった(ボトムス7.1%、トップス16.7%)。アクセサリーについては性別で差が見られ(男性用50%、女性用100%)、男性向け製品の半分でUPFラベル表示が確認されなかった。 また、上肢のアクセサリーについては、腕全体を覆う製品が100%である一方、手指を覆う製品は存在しなかった。 ゴルフ場では襟付きシャツの着用が一般的なドレスコードとなっているが、先行研究ではスイング時の前傾姿勢に加え、多くのゴルファーがシャツのボタンを外すため、首へのUV曝露は防げないことが明らかにされている(Sung H et al., 2006)。 この論文(Taylor Merkle et al., 2025)の調査では、首を完全に覆っているデザインのシャツは、男性用14.5%、女性用27.7%、子供用4.8%に過ぎなかった。この点については「モックネックや袖口のデザインの工夫によってこれらの部位のUV保護をさらに強化できる」としている。 これからのゴルフウエア開発においては皮膚科医、公衆衛生学者、アパレルデザイナーの緊密な連携が求められる この論文(Taylor Merkle et al., 2025)の著者らは、現在「ゴルファー向け」として販売されているアパレルであったとしても、皮膚を保護する機能に欠けUV暴露のリスクが高い製品が多く含まれており、肌を適切に保護するためのデザイン性や素材への考慮が欠けているとしている。 メーカーはエビデンスに基づいた紫外線防御原理よりも、スタイルや着やすさを優先している傾向が強く認められる。 また現状においては、上肢に取り付けるような部分的アクセサリーなど、部位に特化した製品を補完的に併用することで、衣服だけの場合よりも効果の高い紫外線防御対策となる可能性もあるとされる。 最後にこの論文の著者ら(Taylor Merkle et al., 2025)は、こうした現状を根本的に改善していくためには、今後は皮膚科医、公衆衛生学者、アパレルデザイナーが緊密に連携・協力できる体制を構築し、エビデンスに基づくUV防御の原則をウエアのデザインに反映させていく必要があること、そしてゴルフアパレル企業のマーケティングだけに頼っていては十分なUV防御効果を確保するのには課題が多いことを認識するべきである、とまとめている。 なお、ゴルフを安全に楽しむためには、Kita T et al.(2024)が主張するように、UVおよび熱中症対策の双方の観点が重要となる。さらには、ウエアの形状や素材だけでなく、プレー中の所作についても、安全なラウンドを楽しむためには重要である(北, 2025)。 参考文献・参考資料 ・Taylor Merkle et al.(2025) Evaluation of Golf Apparel for Ultraviolet Protection: An Analysis of Skin Coverage Provided by Leading U.S. Golf Apparel Brands for a High-Risk Population, Cureus. 2025 Dec 2;17(12):e98314. doi:10.7759/cureus.98314. eCollection 2025 Dec. ・Stenner B et al.(2023) Golf participants in Australia have a higher lifetime prevalence of skin cancer compared with the general population, BMJ Open Sport Exerc Med. 2023;9:0. doi:10.1136/bmjsem-2023-001597. ・Weikert AE et al.(2021) Golfers' interest in multilevel sun-protection strategies, Int J Environ Res Public Health. 2021;18:7253. doi:10.3390/ijerph18147253. ・Downs NJ et al.(2020) Biologically effective solar ultraviolet exposures and the potential skin cancer risk for individual gold medalists of the 2020 Tokyo Summer Olympic Games, Temperature (Austin). 2020;7:89–108. doi:10.1080/23328940.2019.1581427. ・Sung H et al.(2006) UV radiation exposure to body sites of golfers and effects of clothing, Fam Consum Sci Res J. 2006;34:386–400. ・Kita T et al.(2024) Observation of Clothing Color and UV Transmission in Hot Environments: A Pilot Study on Playing Golf in Mid-Summer in Japan, The Conference of Digital Life vol.2 ・北 徹朗ら(2025) 猛暑下の「シャツ出しプレー」は着衣内温度を下げない-40℃越えの北関東ゴルフ場での検証-、ゴルフの科学 Vol.38, No.1, pp.40-41 ・北 徹朗(2025) 真冬のスポーツ実施中における紫外線量―ゴルフ、スキー、マラソンのうち紫外線対策が最も必要なスポーツは何か―、ゴルフエコノミックワールド 2025年4月号 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2026年2月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
    (公開)2026年02月02日
    「同じスポーツを楽しむ夫婦」は親密度が高く離婚意向のスコアが低い(韓国の研究) 慶熙大学校(Kyung Hee University)のグループが2024年8月に発表したレジャー・スポーツ活動を行う夫婦350名を対象に実施した研究によると「同じスポーツ活動をしている夫婦」と「夫婦ともにスポーツ活動はしない」または「夫婦の一方だけがスポーツ活動している」の各群を比較すると、『同じスポーツ活動をしている夫婦のグループで肯定的要素のスコアが顕著に高かった』としている。具体的には「親密さ」と「満足度」において他の群よりも高いスコアを示し、逆に「離婚意向」は他より最も低かった。 近年、日本国内でも11月22日(いい夫婦の日)にちなんだ夫婦ゴルフ大会が毎年行われ、多くの参加者を集めている。例えば、ゴルフライフ株式会社が主催する「いい夫婦ペアスクランブルゴルフ選手権」は、“夫婦ペア限定参加という唯一無二の名物大会”として2017年にスタートしたとされ、毎年多くの参加者を集めているという。運営会社によれば、2023年度は21試合の予選会が行われ「カットラインが7アンダーというスコアも飛び出すほどハイレベルな戦いとなった」という。スコアメイクを求めるプレー頻度の高い夫婦ゴルファーにとっては、目標となる大会として今後も定着するのではないか。 スポーツエントリー:手軽なマラソンとは対照的なゴルフ 筆者は我が子の体力の保持増進と自らの健康維持のために、数年前からマラソン大会(ランニング)に参加している。様々なジャンルのスポーツイベントを扱う「スポーツエントリー」というポータルサイトから参加申込をしているが、2キロ程度の距離からフルマラソンまで、毎週全国各地で開催されるランニングイベントを検索・エントリーできる。 筆者の場合、子どもと走るため、せいぜい「5kmの部」だが、2019年に初めて参加して以来、時間を見つけてはエントリーを積み重ね、2024年内には出場100回の節目を迎える。 この「スポーツエントリー」ではゴルフイベントを検索することもできるが、その大半は18ホールや数日に渡る競技であり、気軽にエントリーするには少々ハードルが高い。子どもにゴルフ場を体験させたいといつも思っているので、ライトで手軽な企画を探しているが、我が家のレベルに合うゴルフイベントはまず無い。 「子どもにゴルフ場を見せてやりたい」と思うが… 昨年、あるゴルフ場で開催された子ども向けの企画に我が子(男児2人)を連れて参加した。「用具がなくても、初めてでも大丈夫です」と謳われていたが、これを機に「またゴルフをしたい」と言うかもしれないと思い、中古のハーフセットを2つ購入しそれぞれ子どもに持たせた。 当日現場に行ってみたところ、集まっていたのはハイレベルな「仕上がっている」子どもばかりで、皆カッコよくフィニッシュを決めていた。空振りばかりしているのは我が息子たちだけであり、そのあまりにも場違いな雰囲気に耐えられず、打ちっ放しとパターの練習場だけ参加させ、メインイベントであるカートに乗ってのゴルフコース体験は遠慮して逃げるように帰宅した。 要するに、子どもの体験イベントだと思った企画は、競技志向者の練習の場と化していたわけだが、遊びの延長的に軽く申し込んだ筆者とは異なり、他の保護者の表情は厳しく、子どもに熱心にアドバイスをしている親もいた。格安で本コースを回れることから3-4ホールの体験企画であってもこうした状況を生んでいるようだ。 朝日コーポレーションの「ピクニックゴルフ」が素晴らしい 東我孫子カントリークラブ(千葉県)など、ゴルフ場を全国に展開する株式会社朝日コーポレーショングループの各ゴルフ場では、「ピクニックゴルフ」と言う企画が定着している。その名の通り、ピクニック気分でゴルフ場を体験するもので、全くゴルフ経験の無い人や、コースデビューをためらっている層に「ゴルフは本当に楽しい!」という気持ちを実感してもらうための企画であるとされている。 ティーショットからホールアウトまでチャレンジするもよし、グリーンやアプローチのみをプレーするもよし、どんな回り方でも許容される。単にカートに乗ってゴルフ場を回遊したり、芝の上を歩きながらゴルフ場の景色を楽しむなど、楽しみ方は自由で「18ホールの完全ゴルフ」は想定されていない。 前述のエピソードとは対照的に、これこそ「手軽で簡単にゴルフ場を体験してみたい」と言う層にはピッタリな発想でとても魅力的だが、朝日コーポレーション以外にこうした事業を提供しているゴルフ場を見つけることは難しい。 「ピクニックゴルフ」のようなパッケージに簡単にアクセスできる環境が欲しい 年1回の賑やかし的なイベントや、競技を見据えたジュニアが集まるような企画ではなく、ピクニックゴルフのようなパッケージに簡単にアクセスできる環境があればと強く願う。 筆者が参加しているマラソン大会(5キロ程度)の1人あたりのエントリーフィーは概ね2000円~4000円程度であるが、毎週末多くの大会が開かれている。特に東京近郊ではその数が多いため、どれに参加しようかいつも迷いながらエントリーしている。 ピクニックゴルフの費用はマラソン大会の参加フィーと大差ない上に「ゴルフ場での食事とドリンク」、「クラブレンタル」、「シューズレンタル」、「ロッカー、浴室利用」等々も含まれているので、マラソンよりも格安なのかもしれない。 「Gちゃれ」や「ゴルマジ!」後の本格ゴルフへの接続パッケージにもなり得る 現状、初心者や子どもを連れて行こうとした場合、ショートコースでさえ敷居が高い。その要因は、選択の自由性の低さにある。9ホールや18ホールを完全に打ち繋ぐことを必須とするようなパッケージだけではなく、ピクニックゴルフの様な楽しみ方など、選択の自由性の高いプログラムを提供頂けたら、「夫婦でライトにゴルフに取り組もうとする層」、「Gちゃれやゴルマジ!のようなゴルフ経験のみの大学生」、「子どもにゴルフ場を見せてやりたい父親」等々、ニーズはあるはずだ。正規のお客(最終組)が全てスタートした後のため、後続組を気にする必要もないし、打ったり打たなかったりも自由。ピクニックゴルフのような企画や取り組みがもっと多くのゴルフ場で行われると本当に嬉しい。 冒頭に紹介した研究のように、高齢になっても夫婦で楽しめるスポーツの1つとして「ゴルフ」は思い浮かぶが、若いうちからの楽しい経験がその後の継続意欲には重要である。手軽で簡単にゴルフ場を体験できるピクニックゴルフのようなパッケージが広まれば、大学生向けに行われている「Gちゃれ」(大学ゴルフ授業研究会)や「ゴルマジ!」(リクルートホールディングス)を受け入れる環境形成が、日本のゴルフ場でも徐々に構築されて行くのではないか。 参考文献 1)JH Yang et al.(2024)Comparative Analysis of Stroke, Marital Intimacy, Marital Satisfaction and Divorce Intention According to the Type of Participation in Marital Leisure Sports,Behav Sci (Basel)27;14(9):757 2)ゴルフライフ株式会社(2023)激闘の末、夫婦ゴルファー日本一が決定!「2023いい夫婦ペアスクランブルゴルフ選手権」全国決勝開催,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000064888.html(2024年11月6日確認) 3)株式会社朝日コーポレーション:ピクニックゴルフ,https://www.asahi-c.com/picnic/(2024年11月6日確認) <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年12月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
    (公開)2024年12月07日
    ワークマンではゴルフウエアの売り上げが前期比255.6%増 作業服とその関連用品専門店の最大手として有名な、株式会社ワークマンの2024年3月期決算説明会資料(2024年5月7日)によれば、「ファン付ウエア」の売り上げは好調で前期比24.3%増だったとされている。 ちなみに、ワークマンでは、2022年5月からゴルフウエアの販売(ワークマンゴルフ)を開始している。この部門においては前期比255.6%増と大きく売り上げを伸ばしており、ゴルフ部門での存在感を示しつつある。 ファン付ウエア研究は「長袖」が主流 ファン付ウエアに関する研究論文は2017年頃から散見され始めた。2019年頃になるとファン付ズボンに関する検証も試みられるようになっており、気象環境や作業・活動状況に応じた様々なエビデンスが報告されている。 近年の研究では、ファン付ウエア内に着用するインナー素材について、桒原ら(2021)が「綿製インナーの残留汗量がポリエステル製よりも有意に高い」と言う結果を示している。要するに、インナーに綿を着用した場合は、汗が多く残る、と言うことだが、主観的な濡れ感覚には有意な差は見られなかったとしている。同じく、着衣内温湿度、皮膚温、発汗密度などにも、インナー素材の違いによる有意な差は見られていない。すなわち、この結果からみると、インナーに着用する素材は、あまり気にしないでもよいと考えられる。 また、榊原ら(2024)は、ファン付ウエアの効果を発揮しやすい気象環境について、温度28℃~35℃、湿度55%~64%の範囲内の環境の際、使用効果が高いとしている。 ただ、これらの研究は、全て長袖ファン付ウエアを対象として検証された論文である。この理由としてはおそらく「作業服」として建設現場や労働作業を想定した研究であるためと考えられる。 ゴルフの場面で好まれるのは「半袖」か「袖なし」 図1.<br />武蔵野美術大学のゴルフ授業用ファン付ウエア 真夏のゴルフの場面では、その運動特性から考えても、長袖よりも半袖や袖なし(ベストタイプ)のファン付ウエアが好まれることが多いのではないか。2019年にゴルフ用ファン付ウエアの先駆けとして株式会社プロギアから発売された製品も半袖タイプと袖なしタイプであった。 武蔵野美術大学でも、2022年度よりゴルフ授業用にファン付きウエア50着を活用してきたが、全て袖なしタイプを揃えている(図1)。 猛暑下における袖なしファン付ウエアの効果観察 ゴルフ場での実験プロトコル作成にあたり、まずは研究の手始めとして、普段から袖なしタイプのファン付ウエアを愛用している76歳男性に協力してもらい、畑での農作業時の着衣内温度を測定させてもらった(図2)。 図2. 野菜の苗の植え付け作業中の着衣内温度計測 (袖なしファン付ウエア着用中) 〈実験概要〉 ・ 実験日:2024年8月4日(日) ・ 実験開始時の気象環境:WBGT34.0℃、気温34.8℃、湿度69.3% ・ 実験終了時の気象環境:WBGT37.6℃、気温45.9℃、湿度37.7% ・ 被験者:日常的に農作業に従事する健康な男性(76歳) ・ 作業時間:9:40~10:20(前半20分Tシャツのみ,後半20分ファン付ウエア着用) ・ 作業内容:ブロッコリー8本、キャベツ8本の苗の植え付け  約40分間の農作業中の着衣内温度を観察したところ、図3のような結果が得られた。作業開始20分後からファン付ウエアを着用・稼働させたが、図を見ると、一見、着衣内温度自体は低下しなかったように見える。しかしながら、ファン付ウエアは猛暑下における使用が前提のため「外気温との差」を見ることが重要である。次にその観点からの推移を述べたい。 図3真夏の農作業における着衣内温度変化 袖なしファン付ウエアは7.5℃も涼しかった 観察当日、実験概要に示したように、実験開始時(WBGT34.0℃、気温34.8℃、湿度69.3%)に比べ、実験終了時(WBGT37.6℃、気温45.9℃、湿度37.7%)には著しい気温上昇が認められる環境であった。 「外気温との差」の観点からみると、ファン付ウエア稼働直後(10:00)における外気と着衣内温度の差は4.5℃、20分後(10:20)には7.5℃となった。すなわち、長袖で手首まで袋状になった形状でなくとも、袖なし形状でも7.5℃も涼しかった(図4)。 図4 袖なしファン付ウエア着用時の「気温」と「着衣内温度」の差 冒頭で述べたように、先行研究ではファン付ウエアが効力を発揮する温湿度環境が調べられているが、筆者らが過去に示したプレー中の帽子内温度実験(グリーン上で温度急上昇)のようにゴルフの種目特性により、ファン付ウエア使用の最適解が異なることもあり得る。また、半袖や袖なしタイプは空気の漏れによる冷却効果低減が懸念されることもある。それらの実際はどうなのか、フィールドでのラウンド検証が必要である。 参考文献 1) 株式会社ワークマン:2024年3月期 決算説明会資料(2024年5月7日)、https://www.workman.co.jp/ir_info/pdf/2024/43ki_03_kessan.pdf(2024年10月17日確認) 2) ワークマンゴルフ:https://workman.jp/shop/e/egolfgs/?srsltid=AfmBOoooe_nDZU9AXb6kLI-TXePMLOkhZFi1OIV53tZimtG8deKzmri1(2024年10月17日確認) 3) 山崎慶太ら(2017)建設作業員の快適感・暑さ感に及ぼす空調服の影響に関する実測調査に基づく基礎的検討、空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集G-44 4) 笹森暁ら(2019)ファン付き作業服が建設作業員の生理・心理反応に及ぼす影響に関する研究(第11報)、人間‐生活環境系シンポジウム報告集43巻 5) 桒原浩平ら(2021)ファン付き作業服内のTシャツ素材が生理心理反応に及ぼす影響、空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集F-9 6) 榊原康生ら(2024)歩行時に長袖ファン付作業服を着用すると生理・心理負担が軽減される温熱環境、日本建築学会環境系論文集第89巻第820号 7) 北 徹朗(2024)猛暑下における体育実技授業のガイドライン―武蔵野美術大学での試み―、大学体育123号、pp.101-103 8) Kita et al.,(2019)Changes in Temperature Inside a Hat During the Play of Golf-Comparison of Hats with Different Shapes-、International Journal of Fitness, Health, Physical Education &amp; Iron Games、Vol.6, No.2,pp.163-166 <hr /> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2024年11月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら
    (公開)2024年11月02日

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