東京都北区のJR田端駅から徒歩10分弱のところにある「ゴルフショップチョイス」。開業は2009年で、中古ショップ兼ゴルフ工房という形でスタートした。ゴルファーのためを考えると「つい辛口になる」と言うのがフィッティングアドバイザーの吉田昌弘店長だ。その同氏を頼ってきたのは60歳の男性ゴルファーA氏。週2回のプレーを欠かさず競技にも参加するベテランだが、加齢とともに身体が回らなくなり、HSも落ちたことから軽量・長尺のクラブにした。するとアウトサイドインのスイングが強くなり、チーピンを繰り返すというのが悩み。そこで薦めたのが、小ぶりに見えるヘッドとミニドライバー用のシャフト。その成果は果たして?
60Sから50Sに軽くしても長尺ならクラブは軽くならない
ゴルファーのためを思うと、つい辛口になってしまう吉田店長が、シニアゴルファーにありがちなミスを指摘する。
「HSが落ちたシニアは軽いシャフトで長尺にして飛ばそうとします。でも、シャフトを軽くしても、長くすればクラブ重量は軽くならないことが多い」
60g台のSシャフトから50g台のSシャフトにリシャフトしても、0.5㌅長くすると、シャフト長が伸びた分、クラブ重量は思ったほど軽くならない。
「それよりも、クラブが長くなったことによる振りにくさが強調される場合があります。それによって、HSが低下する可能性も高まり、結果的に飛ばなくなるゴルファーは多いんです」
そのケースに当てはまるのがA氏だ。加齢によって身体が回らず、アウトサイドインのスイングが強くなり、ミート率もHSも低下。HSを上げようとして軽いシャフトで長尺にしたものの、振りにくさが強調されチーピンが悪化した。
そこで薦めたのが、ディープフェースで小ぶりに見え、浅重心のWAOWWの『BANG』(10度)とファイアーエクスプレスのミニドライバー用シャフト『S concept MD』だ。
ヘッドとシャフトとスイング 3つの相性で弾道改善
吉田店長はA氏に対して、まずクラブ長を短くしようと試みる。
「身体が回らないのと長尺化で、懐が狭くなっていました。そこで短尺にしたかったのですが、普通のシャフトを切るとシャフトの剛性が変わってしまう。場合によってはシャフトが硬くなりすぎることもあります。そこでミニドライバー用の『MD』にしたんです」
たまたま『MD』が他のヘッドに装着された試打クラブがあり、それを試打したら好結果に。もともとA氏は『BANG』を使っていたこともあり、『BANG』に装着したところ相性が良かったという。
もうひとつA氏がチーピンを連発する理由があったと吉田店長が指摘する。
「A氏は手首の力が強く、振り遅れた時に手首の力でヘッドを返して、ボールを捕まえにいく傾向が強い。それも懸念点でした」
WAOWWの『BANG』は、ディープで小ぶりに見え、重心深度も深くないというのが吉田店長の見立てだ。
「操作性が向上したことによって、振り遅れてもヘッドが戻ってくれます。ヘッド、シャフト、そしてA氏のスイングの3つの相性が良かったと思う」
フィッティングは成功して、A氏は方向性が向上、飛距離も20ヤードほど伸びたという。
ゴルフを楽しく続ける クラブにできること
吉田店長が続ける。
「A氏はクラブ競技にも出る平均スコア80台のベテランゴルファーです。ただ、体調を崩したことや加齢によって、ゴルフが楽しくないと言っていました。今回は、それがクラブで改善できた。工房マンとしても嬉しいですね」
出来上がったクラブは43.875㌅、総重量307.3g、クラブバランスはC4.2という、王道のフィッティングではあまり見られないクラブだ。
「特にドライバーはクラブバランスにこだわる必要はないと思いますし、クラブ長も同じです。一般的にHSが低下したシニアゴルファーには軽く長いクラブで速く振れるようにして、HSを上げて飛ばすと言われますが、例外もある。私自身も発見でした」
ヘッドやシャフトが多様化する中、ゴルファーのスイングに合わせて例外も見逃さない。それこそが職人技といえるだろう。
メーカー担当者コメント
コンポジットテクノ 中山豊昭氏
「『MD』は短尺やミニドライバー向けに作ったシャフトですが、振り切れる長さに組んだことで、ミート率が向上したことと、手元が緩いシャフトなので、上手くインサイドからダウンスイングができたことも今回のフィッティングの成功理由だと思います」
ゴルフショップチョイスとは
ゴルフショップチョイス
〒114-0012 東京都北区田端新町3丁目23−11 フルールハセガワ
TEL:03-3809-3809
https://www.golf-choice.jp/