ブリヂストンスポーツは9月、『BX』シリーズを発売する。今回は全く性格の異なる、『BX1LS』『BX1ST』『BX2HT』『B‐Limited BX1★TOUR』という4モデルのドライバーを一挙に発売する。
そこでティーチングプロの常住充隆が4モデルを試打し、その特徴を徹底解説する。
【動画】『BX』シリーズドライバー4モデルを比較試打!
まずは常住充隆プロによる『BX1LS』『BX1ST』『BX2HT』『B‐Limited BX1★TOUR』の比較試打動画を観てもらいたい。
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<h2>『BX1LS』(9度/VENTUS BS6Ⅱ)</h2>
<span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">常住</span> まず構えてみると非常にシャープで叩ける感じがヘッド形状から伝わってきます。
早速打ちましたが、ヒールにヒットしたにも関わらず、スピン量が2702回転と低スピンになりました。正直言うと打った瞬間、結構右に流れるかなと思ったのですが、弾道が全くブレておらず驚きました。
<img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/09/f0ad21491a8fc04b37e70a6cc326b596.jpg" alt="『BX1LS』『BX1ST』『BX2HT』『B‐Limited BX1★TOUR』" width="1919" height="1079" class="size-full wp-image-90232" /> BX1LS 1球目
ブリヂストンのクラブと言えば、タイヤの技術から着想した「スリップレスバイトミーリング」が特徴です。今回は触った感じ前作よりも粗くなり、よりフェースがボールの滑りを抑えてくれそうな印象です。実際にヒールヒットにも関わらず弾道がブレていないところを見ると、その効果があると言えます。
<img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/09/BX1.jpg" alt="『BX1LS』『BX1ST』『BX2HT』『B‐Limited BX1★TOUR』" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-90236" />
今度は少し球を右に出してドローを打ってみました。データからも分かるようにクラブパスが3.4度とかなり右に打ち出しているのですが、実際の弾道はストレートに近い軽いドローになっています。
<img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/09/2c669ce4ed13d7b39c0379e80a5d1d67.jpg" alt="『BX1LS』『BX1ST』『BX2HT』『B‐Limited BX1★TOUR』" width="1919" height="1079" class="size-full wp-image-90233" /> BX1LS 2球目
このことからもフェースが曲がりを抑えてくれていることが分かります。スピン量も2371回転で飛距離も289ヤード。十分飛んでいます。
これだけ低スピンになってくれるのであれば、例えばスイング中に体の軸がブレてヘッドが上から入ってしまう方や、インサイドアウトが強くて手元が浮いてしまう方などはスピン量が増える傾向があるので、『LS』を使えばかなり恩恵を受けられると思います。
<h2>『B‐Limited BX1★TOUR』(9度/VENTUS BS6Ⅱ)</h2>
<span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">常住</span> このモデルはツアープロの意見をふんだんに取り入れたモデルとのことですが、見た感じストレートフェースで左に行かなそうな顔をしています。ツアープロはまず左に行くことを嫌うので、要望をしっかり反映したことが分かります。
シェイプもスッキリしていて、いわゆるイケメン顔ですね! 『BX1LS』に比べると少し後方に丸みを持たせている感じですが、全体的に小ぶりでディープフェース。しっかり叩けそうな印象です。
打ってみましたが、ほぼストレート弾道で飛距離294.7ヤードと飛びますね。ただ予想に反して意外と球が上がります。実際に『BX1LS』の1球目よりも打ち出しが3度ほど高く、思ったよりも易しい印象です。
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モデル名に「ツアー」とついているので、名前からしてハードな印象を持つかもしれませんが、これなら十分使いこなせる方が多そう。むしろ球がつかまらない方向けにフックフェースになっているモデルや、今時の460ccの大型ヘッドに違和感があるゴルファーはこちらの方が打ちやすいと思います。先入観を持たず是非このモデルも打ってほしいですね。
<h2>『BX1ST』(9.5度/VENTUS BS6Ⅱ)</h2>
<span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">常住</span> 『BX1ST』も『LS』や『★TOUR』と比べて全く違う顔をしていますね。モデルによってヘッド形状と性格を変えているのがしっかり伝わってきます。
構えてみると、ヘッド後方も含めて本当にスクエア。まるでパターのように真っすぐ動かせそうなイメージが浮かんできます。フェースは『★TOUR』よりはシャローですが、クラウンの横幅が短くスッキリしている。『LS』のように操作性が良さそうです。
打ってみましたが、このモデルも曲がらないですね。ドローのイメージで振ったのですが、どちらかと言うとストレートで前に強い球が出る印象です。
<img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/09/BX1-ST1.jpg" alt="『BX1LS』『BX1ST』『BX2HT』『B‐Limited BX1★TOUR』" width="1919" height="1079" class="alignnone size-full wp-image-90234" />
実は弾道操作にはリスクも伴っており、ヘッドによっては思ったよりも曲がったり、スピン過多になったりでトラブルを引き起こす可能性もあるんです。ところがこのモデルのように曲がり過ぎないということが分かれば逆に左右のミスを恐れずテクニカルに攻めていける。インドアではなく、コースの実践でこそ活躍するモデルだと思います。
<h2>『BX2HT』(9.5度/Diamana BS50Ⅱ)</h2>
<span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">常住</span> 『BX2HT』は他の3モデルに比べて、一番スタンダードな顔をしていますね。投影面積は一番大きく安心感があります。3モデルに比べて若干フックフェースに見えるので、ハイドローを狙っているモデルだということが分かります。
打ってみましたが、やはり思った通りのハイドローになりますね。他の3モデルに比べてスピン量が多く出ましたが、これは純正シャフトの重量・軟らかさと、私のヘッドスピードとの相性の問題です。むしろ3500回転くらいを想定していたので、十分低く出ていると思います。シャフトをカスタムすれば十分、ハイヘッドスピードの方でも打てます。
<img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/09/BX2-HT1.jpg" alt="『BX1LS』『BX1ST』『BX2HT』『B‐Limited BX1★TOUR』" width="1917" height="1079" class="size-full wp-image-90235" /> BX2HT 1球目
そこで次はこのモデルの対象だと思われる、ヘッドスピード39~42m/sくらいをイメージして打ってみました。すると今度はスピン量2417回転、飛距離も246.7ヤードと理想の弾道結果になりました。このヘッドスピードで250ヤード近く飛んでいるのは非常に効率が良いと思います。でも実は今も若干のトゥヒット。やはりこのモデルも曲がりに強いということが分かります。
<img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/09/BX-HT2.jpg" alt="『BX1LS』『BX1ST』『BX2HT』『B‐Limited BX1★TOUR』" width="1919" height="1079" class="size-full wp-image-90231" /> BX2HT 2球目
スライスがどうしても治らない方に多いのですが、右足体重のままインサイドから球をかち上げて無理矢理ハイドローを作ろうとする方がいます。まさにそういう方にはドンピシャ。何もしなくてもクラブがハイドローを出してくれます。
<h2>フェースとボディの進化で曲がらずに飛ぶ!</h2>
<img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/09/BX3.jpg" alt="『BX1LS』『BX1ST』『BX2HT』『B‐Limited BX1★TOUR』" width="788" height="525" class="alignnone size-full wp-image-90238" />
<span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;">常住</span> 4モデルを試打しましたが、シリーズ通して印象に残ったのは本当に球が曲がらずに飛ぶということ。プッシュドローを打っても、左への曲がりが緩やかなので、これならフックはほぼ出ないと思います。やはりこれはフェースが前作よりも進化していることが理由だと思います。
それと4モデルに共通するのは打感の柔らかさ。最近のドライバーは打感が硬く手や肘に負担がかかるモデルが多いですが、今作はそれがない。ヘッドは「カーボンセミモノコック」という構造になっており、モデルごとに造りを変えているとのこと。ヘッドのブレを抑え、フェースとの相乗効果でより曲がらずに飛ばせますし、個人的には球をしっかり潰して長く押せる効果があるように感じます。
いずれにしても4モデルのタイプが全く異なるので、必ず自分に合うモデルが見つかるはずです。あとはしっかりとフィッティングしてシャフトスペックまで合わせれば、本当に飛んで曲がらないドライバーになると思います。