今回紹介する分析機能は、神奈川県相模原市のフルヤゴルフガーデンを運営している古谷社長から教えていただいたチャートです。
古谷社長は自身でExcel+VBAを使用し、このチャートを表示できるようにされていて、以前から、
「来場分析をする際に、このチャートを普段から見て考えている」
と話していました。そこで、分析システムの標準機能として組み込みたい旨を依頼して、快諾してもらった経緯があります。
現時点でフルヤゴルフガーデンのシステムは、当社のシステムではないため、福島県いわき市の荒川ゴルフクラブの実データを使用して紹介したいと思います。
同社の佐藤会長は、
「業界が良くなるためなら、いつでも当社のデータを使ってください」
と、情報開示に協力的です。
今回のチャートは1日の打席稼働状態を観察するのが目的です。まず集計日を図1のように指定します。
図1
次に図2のように、表示するチャートの種別を「滞在時間」「打球数」「客単価」から選択。まずは「滞在時間」で説明しましょう。
それぞれ3段階の色分け表示ができ、その閾値も指定できますが、まずは標準値のまま使ってみましょう。月曜日のデータを使おうと思っていましたが、3月31日は荒川ゴルフクラブが年に1度のメンテナンス休業日のため、4月1日火曜日の様子を平日前半のサンプルとして見てみます。(図3)
図3
縦軸が打席番号、横軸が時刻です。濃い色ほど滞在時間が長い人が利用したという感じで、一目で打席の稼働状況が確認できます。過去にこの連載で何度か紹介しましたが、荒川ゴルフクラブでは平日朝に9時から12時までの打ち放題を選択する人が大半なので、滞在時間が長く、濃い色の表示がほとんどです。
なお余談になりますが、平日朝に安価なプランで常連の来場が多い練習場はたくさんありますが、お得なプランなので実際は売り上げへの貢献が低いケースが多いものです。荒川ゴルフクラブの打ち放題は、長く滞在してたくさん打ちたい人にはお得なプランであり、安いプランではないので、売り上げにもしっかり貢献しています。
図4は、画面では図3のすぐ下に表示されていて、同時に見ると分かりやすいのですが、時間ごとの利用打席数のグラフです。朝の時間帯がもっとも打席が埋まっている様子が一目で分かります。
図4
次に金曜日の様子を見てみましょう。金曜日では図5のように、朝は少しだけ濃い色が減り、夜は薄い色ですが、空いている打席が火曜日に比べると少ない感じです。図6のグラフで見ても、火曜日とは異なり朝と夜が同じくらい埋まっているタイミングがある様子が分かります。
土曜日の様子を見てみましょう。荒川ゴルフクラブでは土日祝日は打ち放題を実施していないので、図7を見ると朝の濃い色、つまり長時間滞在する人が減り、薄い色が中心になります。午後も薄い色が多いながらもまんべんなく打席が埋まっていて、夜には濃い色が多くなります。図8のグラフでも平日とは異なり、夜が一番盛況になっています。
図8
日曜日はどうでしょうか?(図9)朝は土曜日より多くの打席が埋まっていますが、夜は空き打席も多い感じです。コロナ禍以降、夜の来場が減ったといわれていますが、特に日曜日は少ない感じです。図10でも土曜日に比べて朝や夕方が中心という感じが分かります。
滞在時間・打球数・客単価・時間単価を分析する
火曜日に関して滞在時間以外の様子も見ていきましょう。ここでは滞在時間・打球数・客単価・時間単価を見比べてみましょう。
荒川ゴルフクラブの平日朝の打ち放題は、9時以降なら何時に入っても12時までの打ち放題というプランです。ほぼ9時にスタートしていますが、図11の打球数も多くて濃い色になっています。
しかし、メンバーは打ち放題が1474円なので、図12の客単価では濃い色になっていません。平日夜はボール貸しのみなので、客単価1500円超えの濃い色もあります。時間が短くてもたくさん打つ人がいるのは図11、図12の濃い色で分かります。全員が1時間打ったと仮定した比較には、図13の時間単価表示が便利です。時間単価で見るとボール貸しで短時間にたくさん打った人が濃い色になります。
図13
マウスカーソルを確認したいバーの上に載せると、詳細情報が確認できます。図14の例では、ボール貸しで154分の滞在で606球打ち、5332円利用してくれ、時間単価は2077円ということで、売り上げに大きく貢献していることが確認できます。
最初に古谷社長からこのチャートを見せてもらったときは、分かりやすいけれど1日単位でしか確認できないので、活用は少し難しいかな?と感じましたが、実際に見ると、曜日による違いが一目瞭然で、活用しがいのあるチャートだと感じました。1ヶ月の様子など全体の傾向を見るだけではなく、日々の様子を観察するにも最適だと思います。
分析システムは練習場経営者・練習場コンサルタント・練習場研究者など、多くの方の希望やアドバイスから生まれた機能が増え、成長してきました。練習場経営の舵取りに役立つ切り口を今後もどんどん増やしていきたいと考えています。
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この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年5月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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