• TOP
  • 工房ナビ
  • GEWとは
  • ライター一覧
  • GEW 購読申し込み
  • GEW 見本誌申し込み
  • 広告掲載について
  • 運営会社
  • 事業内容
  • 企業理念・ミッション
  • CEOメッセージ
  • 会社沿革
  • プライバシーポリシー
  • サイトポリシー
  • お問い合わせ
  • ゴルフ業界求人
  • PGA会員専用求人
  • 月刊GEW9月号 市場活性化のためのインドアゴルフ活用術

    ハッシュタグ「新入社員」記事一覧

    鹿沼グループは、令和7年度の新入社員として全国から10名(大卒6名・専門学校卒1名・高卒3名)の若手人材を迎え入れるとともに、3月より運営を開始したシェアハウス「ULMUS BASE(ウルムスベース)」に2名が入居した。 「ULMUS BASE」は鹿沼市内の古民家をリノベーションしたもの。県外や市外からの受け入れを積極的に行い、移住者を採用できるような体制を整え、入社後も安心して働けるように社内講師の新人研修やチューター制度を導入。 基本的なマナーやサービス、経営理念、労務や人事、マーケティングなど、自社で研修を実施し先輩講師より学ぶ場として開設。チューター制度では若手先輩社員がマンツーマンでサポートすることでメンタル面もフォローする。 また、リビングには大きなテーブルを設置し、入居者以外の同期も気軽に集まれる交流の場を提供。来年度以降の新入社員も入居可能で、今後は同期だけではなく、会社の仲間との交流の場につながっていくことも狙いのひとつとしている。 <img src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2025/06/sub2_resized_788x525.jpg" alt="" width="788" height="525" class="size-full wp-image-88507" /> 鹿沼グループシェアハウス「ULMUS BASE( ウルムス ベース)」 「ULMUS BASE」のULMUSは楡の木を表しており、鹿沼グループのビジョンである「次のゴルフ場を創り出す」を具体的に実現していく為に、様々なことへチャレンジしていく姿を表現するサブブランド。 シェアハウスが、「ULMUS(楡の木)」のように地域に根付き、そして横に広がる大きな木に育つ拠点(BASE)になるようにと、「ULMUS BASE」と名付けた。 また、鹿沼市が本年度より実施する「新卒者就業祝金事業」において、第1号申請者として同グループの新入社員が申請。この制度は、鹿沼市内の企業に就職した新卒者に対して、3万9154円(サンキューいちご市)を支給するもの。 同グループは今後も地域に根ざした企業として若者の雇用創出と、働きやすい環境づくりに積極的に取り組み、地方創生へ貢献していく。
    (公開)2025年06月26日
    朝日ゴルフが展開する自社ブランド『TURF DESIGN(ターフデザイン)』発売に合わせて毎年開催し、話題となる「ディスプレイコンテスト」。今年も多くのショップが参加し、インスタグラムの『TURF DESIGN』公式アカウントにて売り場を掲載。販売開始から2ヶ月間、コーナーディスプレイ・開催期間中の販売実績・SNSなどの採点項目を踏まえ、6月末の終了後厳正な審査により、優秀店舗を表彰する。 そこで「TURF DESIGNディスプレイコンテスト」の企画担当者であるマーケティングセールス部江藤俊課長と原田貴史氏に開催に込めた想いと、運営の裏話を聞いてみた。 まだ光の当たっていないショップに光を当てたい <img class="size-full wp-image-82080" src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/1_1.jpg" alt="" width="1000" height="1000" /> 1)ひかりゴルフパーク <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;"><strong>G</strong></span> 年々盛り上がりを増し、注目度を集めている「TURF DESIGNディスプレイコンテスト」ですが、いつから開催しているコンテストなのですか? <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;"><strong>原田</strong></span> 「TURF DESIGNディスプレイコンテスト」は全国の販売店の中から最も優れたショップを表彰するコンテストで、2021年にスタートしました。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;"><strong>G</strong></span> ブランドコンセプトは。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;"><strong>原田</strong></span> 「TURF DESIGN」は、〝フィールドライフを楽しくする。あったらいいなをデザインする。〟をコンセプトにすべてのゴルファーの『こだわりのポイント』に手が届き『新しいゴルフライフ』を楽しんでほしい、そんな想いを込め、2016年に産声を上げました。当初6アイテムでしたが、現在は300超のSKUを誇ります。 <img class="size-full wp-image-82082" src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/3_3.jpg" alt="" width="1000" height="1000" /> 2)GKファクトリー ゴルフキングプラス名古屋栄三越店 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;"><strong>G</strong></span> ゴルフカートに自分専用で装着できるカートポケットはじめ、化粧ポーチをヒントにしたゴルパカやランドリーバッグなどSDGsにも注力している。 <span style="font-weight: bold; color: #005d4d;"><strong>江藤</strong></span> はい。でも、ショップからは「せっかくいい商品を作っているのに埋もれちゃってもったいない」という声をよく耳にしてました。そこで、ショップと我々製品提供側が実際に繋がれる場所づくりを積極的に行ってきました。「ディスプレイコンテスト」もそのひとつです。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;"><strong>G</strong></span> 感触はどうですか <img class="size-full wp-image-82081" src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/2_2.jpg" alt="" width="1000" height="1000" /> 3)エヴォテック名谷 <span style="font-weight: bold; color: #005d4d;"><strong>江藤</strong></span> ショップも購入者も〝人〟なんですよね。もちろん製品を提供する我々も〝人〟で、現場に赴くと生の声をたくさん聞くことができる。それに、普段接点のない他店舗のコーナー展開をインスタグラムによって、自身の運営するショップを顧みる機会になったり、新たなビジネスチャンスが生まれたりするケースもあるんです。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;"><strong>G</strong></span> 参加店舗数によっては審査がかなり大変かと思われますが、どういった点を重視していますか? <img class="size-full wp-image-82083" src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/4_4.jpg" alt="" width="1000" height="1000" /> 4)ゴルフギアサージ西神戸 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;"><strong>原田</strong></span> 第3回は、『TURF DESIGNグラデーションシリーズ』発売に合わせた企画で82店舗の参加を目標に掲げてます。当コンテストでは、朝日ゴルフの全社員約130名による投票を行い、その結果を踏まえた最終審査を実施。それによってグランブリだったり、2位、3位、アイデア賞、社長賞の各賞が決まります。審査項目では、デザインや陳列改良、POP、売り上げなどの要素で選出。例えば『TURF DESIGN』はSDGsに配慮したパッケージなので、箱のまま陳列するだけでは、製品の魅力が伝わりづらいんですね。そこで、ある関東の店舗では、カラビナで氷嚢を吊るして、実際に手に取ってもらえるようにするなど、店舗によって様々なアイデアが生まれてます。 <span style="font-weight: bold; color: #005d4d;"><strong>江藤</strong></span> さらに我々運営スタッフの想いとしては、まだ光の当たっていないショップに光を当てたいという気持ちも大きいです。先述のとおり、日頃のショップ運営の努力と功績を讃えたい、より活躍の場を広げるきっかけになってほしいという想いも強くもっているので、受賞をきっかけにメディアの露出が増えたり、注目度が上がって来店数や売り上げ増加に繋げてほしいと思っています。 <img class="size-full wp-image-82084" src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/5_5.jpg" alt="" width="1000" height="1000" /> 5)武雄嬉野CC <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;"><strong>G</strong></span> 「ディスプレイコンテスト」を開催するにあたって、今まで一番大変だったことはなんですか? <span style="font-weight: bold; color: #005d4d;"><strong>江藤</strong></span> 開催開始が2022年とお話ししましたが、最初は何もかもが手探りで試行錯誤でした。『ショップの皆さんの日頃の功績を讃えたい、交流の機会を作りたい』という想いは一緒だったのですが、第一回、第二回ともにとてもアットホームな雰囲気での開催でした。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;"><strong>原田</strong></span> 実施を重ねるごとに参加店が増えていきました。各売場をSNSで共有することで、スペースが必要な大陳でなくても陳列技術やオリジナリティーを発揮すれば結果を出せる売場がつくれる。「自分たちでもできる」と参加してくれたことが、最大の効果だと思ってます。 <img class="size-full wp-image-82085" src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/6_6.jpg" alt="" width="1000" height="750" /> 6)大樹 ゴルフショップ72大府店 <h2>朝日ゴルフ 全社員が審査員</h2> <img class="size-full wp-image-82086" src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/7_7.jpg" alt="" width="1000" height="750" /> 7)第一ゴルフ(株)伊丹店 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;"><strong>G</strong></span> 社内スタッフ共有をかなり徹底して開催されてますよね。 <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;"><strong>原田</strong></span> そうなんです。ショップが目指すコンテストにするにはどうしたら良いかを社員全員で必死になって考えてます。計130名の審査員は普段は、サービス設計や運用を担当しているデザイナーやエンジニア、日々お問い合わせをお受けしているカスタマーサポートほか営業、総務、経理など職種はさまざまです。 <img class="size-full wp-image-82087" src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/8_8.jpg" alt="" width="1000" height="1000" /> 8)祁答院GC <span style="font-weight: bold; color: #005d4d;"><strong>江藤</strong></span> さらに一部の若手バックスタッフと新入社員が4チームに分かれて、担当営業と一緒にPOPを作ったり、現場のディスプレイ作業も行っている。主催者として、「ディスプレイコンテスト」という限られた時間のなかで、ショップのみなさんと関係を深めるために、最大限できることをしたい、というのが社員みんなの想いです。 <span style="font-weight: bold; color: #e74c3c;"><strong>G</strong></span> 最後に今後の「TURF DESIGNディスプレイコンテスト」の展望を教えてください。 <img class="size-full wp-image-82088" src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/9_9.jpg" alt="" width="1000" height="1000" /> 9)新君津ベルグリーンCC <span style="font-weight: bold; color: #1c4ca0;"><strong>原田</strong></span> 開催のたびに想い続けていることではありますが、ショップにとっても、目指すステージとして、もっともっとグレードアップしていきたい。コンテストを継続することはなによりも大切なことだと考えています。5年、10年と継続開催し、多くのショップに笑顔と感動を与えられるコンテストにしていきたい。そして、将来的には一般投票を審査に加えたい。ショップを評価するのはその先のゴルファーだと思うので、ゴルファーとより繋がれる仕組み作りを構築したいですね。 <img class="size-full wp-image-82089" src="https://cms-backend-gew.com/wp-content/uploads/2024/07/10_10.jpg" alt="" width="1000" height="1000" /> 10)二木G.多摩センター店 お問い合わせ:朝日ゴルフ ☎078-793-8440 <a href="https://turf-design.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://turf-design.jp/</a>
    (公開)2024年07月12日
    昭和26年の春、私は福井県の敦賀高校を卒業して、すぐに美津濃(ミズノ)へ入社しました。終戦から6年が経っておりましたが、ひどい就職難だったことを覚えています。 ただ、私自身はさほど就職に苦労しませんでしたな。兄が美津濃に勤めていて、先生もそれを承知していた。「だから行ってこい」「そうですか」ってなもんでね、えらく簡単に決まりました。前年の9月に内定をもらって、田舎から大阪へ出て来たんです。 大海を見たい、その一心でしたよ。父親は三男坊の私を地元に置いときたかったようですが、どうしても行かせて下さいと。一生懸命頼みました。入社は3月15日、今でもよう覚えとります。 だけど、4月最初の日曜日、実家へ「もう、いやや」と泣き言をいったもんですよ。なんせ食料事情が悪かった。敦賀湾の新鮮な魚を食べ慣れた私にとって、社員寮の食事は耐え難く、都会と田舎の食料格差を痛感したものです。 福島区には新入社員の寮があって、50人ほどが寝起きする。麦飯と味噌汁と漬物に、おかずが一品・・・。半月で3キロぐらい痩せたもんですよ(苦笑)。仲間は田舎出の子供が大半だから、寮で酒飲んで語り合うとか、そんなことはありません。何よりも、飯でしたなぁ。 星は十倍、我まず二倍 美津濃は当時からスポーツ用品の日本一で、高いけど良品を作るイメージが強くてね。私も少年野球やってたので美津濃のグラブを使ってました。 初任給は7000円、これは中の下だったでしょう。戦後、国家復興に邁進していたあの頃は銀行、炭坑、繊維、証券などの会社の給料が良かったですな。スポーツ業界も上り調子で、国民の体力向上に貢献しよう、復興の一翼を担うんだと、そんな熱気に溢れてました。 当時の本社ビルは淀屋橋の8階建てで、現在は直営ショップの本店になっています。そこで月1回、創業者の利八社長が訓示をされる。「星は十倍、我まず二倍」……。自分で思う倍働けいうことですよ。 大変プライドの高い方で、天皇陛下への思いも強かった。進駐軍に占領されて、人間宣言をして国民を救って下さったと、そんな話をする時は必ず涙を流されて。国家国民ということについて、強い責任を感じておられた方でした。 大阪の本社勤務は150人ほど、全員で訓示を聞きましたよ。神田には東京支店もありましたが、これと大阪工場、養老工場を合わせても500人程度の会社でね、だからトップの思想が末端の隅々まで染みわたる。 国家観をもって貢献しろ、良品を作れ、プライドを持って仕事しろと、𠮟咤激励されたものです。家族的な会社でもありましたなぁ。 <h2>札束の厚みは30センチ</h2> 私が最初に配属されたのは、小売部の「外売東部」いうところで、御堂筋から東地区の会社や学校へ砲丸、槍、マットや跳び箱、ユニホームなんかを売ってました。 学校以外にも営業しましたが、企業は京阪電車が大きかったぐらいで、大半は中小零細です。野球大会やるからグラブ持って来い、バットはないか。企業にすれば、福利厚生の意味合いですな。 和気藷々とスポーツをやって、労働の活力に変えていく。地方出身者が多くてろくな遊びも知らんから、スポーツが大切な役割を担っていたわけです。 月に70〜80万、場合によっては100万円ほど売れましたね。聖母女学院というのがありましてね、ここは沢山買うてくれましたな。払いはいつも現金だから、帰りの札束は30センチほどの厚みになりましたよ(笑)。 <h2>カナダカップ優勝で一変</h2> 私がゴルフ部に移ったのは昭和32年の4月です。当時は本店の小売りが中心で、営業は松本儀一さん、修理は高木誠一さんが責任者でした。ゴルフ部員は総勢20人、昨日まで砲丸とか売ってたのがいきなりゴルフをやれ、という。最初はワケも分からなかったし、随分苦労したものですよ。 <strong>美津濃の創業は明治39年(1906年)だが、ゴルフ用品の扱いはウイルソンと代理店契約を結んだ昭和6年に始まっている。「新着御案内」という当時のカタログには『ライダーカップ』のアイアン78円、ウッド48円など。ボールは『スポルディングKroフライト』が1ダース14円50銭、『ダンロップ』が11円50銭とある。</strong> <strong>「一九三一年の素晴らしいクラブと用品で御座いますので何卒品薄と相成り申さざる内に是非一度御一覧御用命の栄を賜り度く此段御案内申し上げます」と記述してある。</strong> <strong>その後昭和8年に尼崎工場でクラブ製造を開始(国産1号商品・スターライン)したが、第2次世界大戦が勃発して翌年から「ゴルフ品製造販売禁止令」が公布され、開戦から8年間、クラブ製造の中断に追い込まれる。</strong> <strong>養老工場はプロペラを製造、尼崎工場は戦火で焼失。終戦後クラブ製造を開始するが、鳩山内閣では「官僚ゴルフ禁止令」が出されてもいた。</strong> 当時の美津濃にとってゴルフ品は、微々たる売り上げに過ぎなかったし、相変わらずトレシャツ・トレパンが主力商品でした。 ゴルフ市場が飛躍的に伸びたのは、昭和32年のカナダカップ(現ワールドカップ)からですよ。当時「鍋底不況」ではありましたが、霞ヶ関CCで日本が個人・団体で優勝して注目された。敗戦国が、ゴルフで世界を制したことは、日本人に大きな喜びと自信を与えたものです。 ただ、それにしてもこの年のゴルフ売り上げは、全社の10%強じゃなかったかな。カナダカップ効果で養老の生産も伸びましたが、年間の生産量は1万8869本という記録が残ってます。今の時代と比べるとね、ビジネスというにはあまりに規模が小さかったですな。 <h2>ゴルフ専品部設立</h2> この頃、美津濃のゴルフ部は小売りが中心で、卸はやってなかったんですよ。街にゴルフ専門店がないからやりようもない。うちの淀屋橋本店の3階に60坪ほどの売り場があって、自社で作ったクラブをそこで売っていた。つまり美津濃は、メーカーでもあり、ゴルフショップの老舗でもあったわけですな。 卸売りを本格化したのは「ゴルフ専品部」のスタートからで、昭和37年に体制ができました。ゴルフのメーカーとして「ショップに売ろう」となったわけです。 この時、お前が責任者になれと言われて部長付を拝命し、細々と卸売りが始まります。まあ、地方のお店がたまに買いに来る程度で、ダンロップのボールが1ダース6500円、ブリヂストンで3200円。今と大して変わりませんな。東京支店は翌年、大阪管轄で専品部を設置することになります。 今となれば、スポーツのジャンルによって「事業部」を分けてますが、専品制度は事業部制の走りなんですよ。利八社長が「ゴルフ、野球、シューズ、スキーはスポーツ発展のために力を入れる」と宣言して、市場育成を目指しました。専品部隊はその種目の製造、卸、小売り、広告を一貫してやるんだと。 このあと電器の松下が事業部制を導入したので、うちは他産業に先駆けての英断でした。 <strong>専品部の設置と前後して、同社のゴルフ事業は活発化する。イタリア、豪州へクラブを輸出したり、池田内閣の「所得倍増計画」や貿易自由化で外ブラ流入が本格化するなか、美津濃は大証二部に上場。</strong> <strong>この時クラブ生産は月産約1万本へと達していた。ポリエステルヘッドの開発や、マダガスカルにクラブ輸出も始めている。1964年の東京五輪で近代化に弾みがつき、スポーツブームが到来した。</strong> 専品部になって力を入れたのが、「ゴルフ」そのものの啓蒙活動です。カナダカップの優勝で注目はされましたが、スポーツ市場全体で見ればゴルフなんか微々たる規模でしょ。 まして地方のスポーツ店は見向きもしなかったし、ゴルフビジネスの将来像を描く者もおりません。まぁ、一部の金持ちのスポーツ、社交という意識が大半だったし、そんな現実がね、スポーツ店主がゴルフを扱うのを躊躇させた。二の足を踏ませたわけですよ。 やっぱり地方の売り場は野球が中心で、店主は高校野球の出身者や地域のスポーツ関係者が多かった。こういった人達にどうやってゴルフを知らしめるか、これが最初の仕事だったし、なかなか大変なことでした。(つづく)
    (公開)2023年05月02日
    <strong>練習場経営塾の最終章は、「労務・人事管理」で締め括ります。</strong> 私は、練習場経営の60%が労務管理で、30%がマネージメント、残り10%が財務管理や施設管理で占められると思っています。労務管理が重要なのは、顧客満足度の向上はスタッフの接客を通して図られるからです。 顧客満足度を高め、それに伴い客単価を上げて収益の向上を図るのが練習場経営の要諦ですが、サービスの維持向上を図るためには優れたスタッフの採用、継続した教育、労働環境の整備、公平な評価と評価に見合った昇給・昇進が必要です。そこで今回はスタッフの採用、教育、退職、勤怠管理について詳述し、次号でスタッフの評価や育成などについて話を進めてまいります。 最初はスタッフの「採用」です。練習場経営者の皆さんは様々な方法で人材募集をしていると思いますが、大切なのは採用基準です。同じ想いを持った人材を1台のバスに乗せて、同じ目的地に向かわねばなりません。それらを見極めるために私が重要視したことは、情報誌を発行している会社などが有料で行っている適性検査でした。 当初は接客力の優れた人材を採用していましたが、徐々に協調性の高い人材を採用するように変わっていきました。データを見返すと、協調性の高い人の方が会社へのロイヤリティーが高く、勤務期間も長く、円満退職するケースが多かったからです。もう一つは転職歴で、短期間で転職している方の採用は見合わせました。 なお、面接の際は同じ職場の先輩スタッフを同席させ、採用にあたっての意見を聞きました。相性という、データでは見えない感覚を大切にしたことと、採用に賛同してくれた場合はその後の育成に責任を持ってくれたからです。 レッスンプロの募集もネットを活用しましたが、同時にコース関係者への紹介依頼や、練習場連盟主催の研修会に自社のレッスンプロを参加させて人材を探すこともしていました。 採用が決まると次は研修です。研修には新入社員研修、その6ヶ月前後に行うフォローアップ研修、その後の通常研修があります。練習場に入社してくる人材の多くが転職組、あるいはアルバイト経験者が多く、良くも悪くも前職の経験をベースに会社や仕事に対する基準や価値観を持っています。 それでは同じバスに乗って同じ目的地に向かうことができないので、入社して1ヶ月前後に新入社員研修を行います。会社の歴史や経営理念、運営方針、社会人として守らなければならないことなどの基本に加え、発声練習や挨拶、言葉遣いなど接客の基本を一から教えます。同時に個人情報の持ち出し、装いやお客様とのお付き合いなど、やってはいけないことを明確にします。 <h2>200名の名前を覚える</h2> こうした考え方や取り組み姿勢の教育と並行して「業務習得チェック表」を作成し、これに基づく実務面の指導を行います。 メインの指導担当者は設けますが、常に同じ勤務ではないので他の先輩スタッフも新人を指導します。その際、同じ項目の指導がダブらないよう、指導済みの項目にチェックを入れます。この表があると指導していない項目が分かるので早期育成に役立ちます。チェック表の作成は当初、少ない項目でスタートし、徐々に増やして行けばよいので誰でも簡単に作れます。 こうした日々の業務習得とは別に、来場回数ベスト100の顧客リストと、スクール生の受講回数ベスト100の「合計200名」の顔と名前を覚えることを課題としました。受付時に名前が分かるリライトカードや、ICカードを使用する場合は4~6ヶ月で大半の方の名前を言えるようになります。 新入社員研修を行ってから6ヶ月後にフォローアップ研修を行います。6ヶ月経って慣れてくると気の緩みも出てくるので、その引き締めが目的です。また、業務や接客はできても、なぜそのように行うのかを理解できていない場合が多々あるため、改めて理解を促すことも目的です。新入社員研修では、テキストを基にした講師の説明が大半を占めますが、フォローアップ研修では参加者同士が考え、話し合う時間に半分以上を割き、自主性を高めます。 研修は5~10名の集合研修が望ましいものの、練習場では新入社員が一度に複数名入るケースは少ないため、研修の専門機関に他施設との「合同研修」を依頼することをお勧めします。他施設との交流で副次的な効果も生まれます。 通常時の研修はロールプレーイングが中心です。私は年間通して月ごとのテーマを決め、月例ミーティングの始まる15分ほど前にしていましたが、これは入社したてや話が苦手なスタッフにとって貴重な場になりました。ロールプレーイングの原稿は最初から完全なものを作成するのではなく、繰り返し実行しながら改善すると無理なく出来てくると思います。 また、退職は自己都合、会社都合、懲戒解雇など様々ですが、ここでは自己都合について記述します。退職の申し出があった場合に問題となるのが「退職金」です。私は中小企業退職金共済機構の積立方式を利用しましたが、これだと退職金が決まっているので支払額でもめることはありません。 退職が決まった者がいつまでも会社にいると困るので、余った年休は買取で精算し、早期退職を促しました。中には早期に失業手当をもらいたいため「会社都合」の退職を依頼する者もいましたが、これに応じると助成金の支給が受けられないなど不都合が生じるため、きちんと拒否することが大事です。 労務問題で重要なのが未払い残業対策ですが、私は2種類の対応をしてきました。一つは固定残業の支給です。ベースアップの代わりに固定残業を支給するといったことを何年かに分けて行い、10時間を確保しましたが、これにより多少の残業はこの範囲内に収まるので対応が楽でした。 もう一つの対応はタイムカードを使わず本人に出社/退社時間を勤務実績表に記入させる方式の採用です。タイムカードの打刻が遅くなってもそのままのケースが多く、理由も不明なために残業とみなされてしまいます。と言ってタイムカードの打刻が遅くなった理由をその都度問いただして記入すると、我々を信じないのかといった不満が生まれ始めます。 これを避ける対策が勤務実績表の使用です。勤務実績表は本人が記入し、所定時間を越えた場合はその理由をその都度書かせる方式であるため、理由が明確となり証拠として役立ちます。会社を守るためにもパート・アルバイトはタイムカード方式とし、正社員は勤務実績表を導入することを強くお勧めします。 <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2022年12月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://www.gew.co.jp/magazine">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2023年02月26日
    「接客力」の中身は、店によって異なります。高級ブティックやホテルでの挨拶は「いらっしゃいませ」が多いでしょうが、私が指導する練習場では「いらっしゃいませ」はNGでした。 来場頻度の多い顧客に「いらっしゃいませ」では親近感がわかず、「おはようございます」なら「おはよう」と返せますが、「いらっしゃいませ」では返せないのも理由です。 「〇〇さん、おはようございます」が挨拶の基本ですが、若い方や常連ではない方の実名を呼ぶことは控えました。 このように挨拶ひとつにしても店の格、地域性、年令、来場頻度、取扱商品などによって異なるので、接客は難しい。その半面、独自色を打ち出すチャンスとも言えます。 そこで今回は、接客力を高める施策について述べていきます。 接客で一番大切なことは店の方針です。ホテル並みのてきぱきとした接客でお客様との距離感を保つ接客を志向するのか、フレンドリーな接客で一人一人のお客様をもてなすやり方かが問われます。大型店舗や都会の施設は前者が多く、地方の施設は後者が適していると思います。 二つ目に重要なのが人材です。接客は「施設の文化」ですから、継承する必要があります。早番/遅番があるため、長期間勤務するスタッフが最低2名は必要ですが、同時に週25時間以上勤務するスタッフの確保も大事です。教えても短期間で辞めていく学生バイトなどは論外です。 三つ目は「フロント」の仕事内容です。カード販売機や自動入金機でカードを販売し、打席指定をして送り出すだけなら軽作業ですし、電話・質問への対応をきちんとこなす手堅いタイプでOKです。 ところが「三位一体運営」(打席、スクール、ショップ)のフロント業務は総指揮官としての役割が求められます。 受付/精算にとどまらず、試打会の声掛けによる集客や打席清掃、イベントの企画・実行など各種業務が期待されます。前者は待ち(さばき)の接客であり、後者は攻め(売り込み)の接客です。良し悪しではなく、業務内容によって大きく異なってきます。 ここまでの大枠が決まってから、実務としての接客です。まずは攻めの接客を行うための新入社員教育を詳述しましょう。 最初に教えるのは会社としての取り組み姿勢です。 経営理念に始まり、お客様第一主義や三位一体運営など、考え方について学ばせます。次いで挨拶と発声です。お客様に体を向けて、目を見て、来場を感謝する気持ちを表すのが基本です。レジを打ちながら目も見ずに挨拶をするなどは論外です。 指導社員と一緒にフロントに立ってこうした挨拶ができるようになったらレジ操作の習得です。 まずは入場料、ボール料、打席指定の仕組みについて教えます。覚えたら挨拶は指導社員が行い、レジ操作に集中させ、レジに慣れてから挨拶を入れます。部分的に教えた方が習得が早いからです。 次の段階はお客様の「名前覚え」です。来場頻度の多いベスト100~200人のリストを渡し、3ヶ月程度で顔と名前が一致するように指導します。 名前を覚えて挨拶すると、お客様もスタッフの名前を覚えてくれ、仕事の楽しさが増えていきます。 以上と並行して行うのがワンモアリップサービスの習得です。最初の段階は時候の挨拶からです。暑いですねえ、寒いですねえなら誰にでも言えるので、声掛けの練習に適しています。 慣れてくるに従って「お久しぶりですねえ!どうされていたんですか?」とか「最近はコースに行かれているんですか」といった質問系の会話が増え始めます。 このやり取りを顧客データのメモ欄に記入、スタッフ間で共有できれば接客レベルはかなり向上していると思います。 <h2>懲戒免職の三原則</h2> 以上は基本的なコミュニケーションスキルです。攻めの接客を行うためには、「営業の声掛け」を行う実践訓練(ロールプレーイング)を繰り返し行う必要があります。 スタッフ役とお客様役とで二人一組となり、テーマに沿って台本を見ながらロールプレーイングを行います。私は「新規来場対応」「新規客が複数回来場された時の対応」「打席会員勧誘」「体験レッスンの声掛け」「体験レッスン2回予約」「休会届け提出時の対応」といった台本を用意しました。 台本を見ながら3~4回ロープレを行うと、台本なしで話せるようになります。話せると自信がつくので実践したくなります。やらせるのではなく、試してみたくなる雰囲気を作り、うまくいったら盛大にほめましょう。 ロープレを二人で行って、みんなで見る方式は無用なプレッシャーを与えるのでNGです。2~3組が同時に行い、指導者が巡回する方式が最適です。 体験レッスンなどは断られるケースが多いので、「体験渋り用」のロープレ原稿も用意します。そうしないと、声掛けにためらいが生じるからです。 次に、スタッフの「無駄話」についてです。フロントのスタッフ同士が会話をすることは当然ありますが、そのときは二人が横に並び、互いに壁を背にして前を向きながら話すよう指導します。お客様の動きに合わせた速やかな対応ができるからです。 無駄話は適切な仕事がないから生じるので、ノートパソコンを使って仕事ができる環境をフロントに作り、具体的な業務を委嘱します。無駄話を禁じるのではなく、客待ちの時間を有効利用する方策が大事なのです。 次は食事やゴルフに誘われた時の対応です。私の会社では入社時に、飲酒運転、お金に手をつけた時、不倫行為の3点は即時懲戒免職と伝え、年に一度はこの言葉を繰りした結果、20年間でそうした事例は皆無でした。 顧客に誘われると、最初は割り勘でも、次第に昼食やプレー代を出してもらうことになり、断れなくなるケースが増えます。これに備えて「会社の規定で同行は禁止されています。コンペがあった時に一緒に回らせて下さい」といった言い方をさせます。 行きたいけれど会社の規定があるので・・・・・、というニュアンスをにじませることがポイントです。 スタッフの装いやお化粧への配慮も大事です。同じ服でも他人と違う着こなしをするのがお洒落のポイントですが、制服は全員が同じ装いをしているから統一された美しさ(様式美)が強調されます。 ポロシャツの裾を出す/出さないもこの基準で考えることです。 私は「スポーツ産業で働いているのだから健康で爽やかに見える装いをしましょう」「お客様より控えめな装いをしましょう」と言い続けました。「結婚式に花嫁さんより目立つ装いで行かないでしょう!それと同じだよ」と。 耳につけるタイプのピアスはOKですが、イヤリングみたいにぶら下がるタイプはお客様の目線を散漫にするので禁止です。いずれも単純に禁止するのではなく、明確な理由を設けなければ若いスタッフには届かないようです。 接客のレベルは、その店の一番劣るスタッフによって判断されがちなので、根気よく底上げを図り続ける努力が大切です。 <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2022年5月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://www.gew.co.jp/magazine">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2022年11月13日
    コロナ禍において、ゴルフは密にならず、屋外で感染リスクも低いことからその良さが改めて見直された。同じ理由でキャンプ場も盛況となっている。今、その両者に注力しつつ総合リゾート施設へと変貌を遂げているのがリソルの森。ウィズ・コロナの社会で、ゴルフ場はこれからどこに進んでいくべきなのか。同社の佐野直人社長に、現地でじっくりと話を聞いた。 抜けるような夏空に、ぽっかり浮かんだ入道雲。スイスのレマン湖をかたどった大型プールでは、子供たちが歓声を上げながら水しぶきを上げていた。その脇に並んだ、テントの白さが目に染みる。 リソルの森は100万坪の広大な森林の中にゴルフ場45ホール、プール付きのグランピング施設、フォレストアドベンチャー・ターザニア、ホテル、メディカルトレーンニングセンター、研修施設、レストランなどが点在する総合リゾート施設。木々を抜けて来る風がさわやかだ。 ちょうどこの日、10棟のテントキャビンがオープン。すでにあった8張りに加え、18のグランピングテントが稼働を開始したところだった。佐野社長がこう話す。 「テント自体、ウチがオリジナルで開発していますし、コンクリートの基礎を打って快適性はどこにも負けない自信はあります。元々ホテルをやっていますので、よりホテルに近いサービスを提供しています」。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2021/09/20201024_1601-1.jpg" alt="" width="788" height="526" class="aligncenter size-full wp-image-68285" /> 確かにこれはキャンプの域を超えている。室内は冷暖房完備で、ベッドやソファー、照明などの調度品が揃いホテル並みの快適さ。それでいてアウトドアの爽快感が同時に味わえるのだからたまらない。 トップシーズンとあって、BBQの夕食を含む1泊2食付きの値段が1人あたり10万円を超えるプランもあるが、予約は順調に埋まっている。「開発時からランドスケープを考慮した」(前出の佐野社長)景観を含めば、時節がら海外旅行に代わる選択肢として、富裕層がお得感を感じるのも無理はない。 それにしても、鮮やかすぎる変貌ぶりと、うならざるを得ないタイミングの良さだ。しかしこのグランピング施設、コロナ禍を視野に入れて開発されたものではなかった。 「グランピング施設の建設が計画に上がったのは、2018年ごろだったと思います。あの時点でゴルフ場単体としての中長期的な展望は、決して明るいものではなかった。いずれ右肩下がりになるとすれば、それに対応していくには、ホテルリゾート部門の強化策が必要でした。そこで上がって来たのがグランピングだったのです」(佐野社長)。 <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2021/09/0P9A8095.jpg" alt="" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-68284" /> 施設の核となっている真名カントリークラブの歴史は古い。長柄ふるさと村総合開発を土台にホテル、別荘、スポーツ施設一体型のリゾート施設としてオープンしたのは1976(昭和51)年だから、45年前だ。 1978年の日本プロ王者で、11勝を挙げた小林富士夫が契約選手だったことでオールドファンにもおなじみのコースだが、1985年にオープンしたエアロビクスセンター(現・メディカルトレーニングセンター)はカール・ルイスやベン・ジョンソン、セルゲイ・ブブカなど世界のアスリートがトレーニングに訪れたことで世界的な知名度を得た。 さらに1996年の10月にはグランドスラマーの「南アの黒豹」ゲーリー・プレーヤー設計の18ホールが加わり、45ホールの大型ゴルフ場にも成長し、その後1997年にミサワリゾート株式会社(現・リソルホールディングス株式会社)が経営を引き継いだ。 <h2>感染拡大でゴルフとキャンプが人気に</h2> <img src="https://www.gew.co.jp/wp-content/uploads/2021/09/IMG_0804.jpg" alt="" width="788" height="525" class="aligncenter size-full wp-image-68286" /> もともと、単体のゴルフ場にはない強みがある。充実した宿泊・研修施設を使用する企業研修や総合運動場・プール・テニスコート・体育館を使うスポーツ選手・スポーツ団体のトレーニング合宿も大きな収入の柱になっていた。 2007年7月には、20代を中心とした若者をターゲットにした自然共生型アウトドアパーク「フォレストアドベンチャー・ターザニア」も加わり、多角化に拍車がかかっていく。 一方で悩ましい課題もいくつかあった。企業研修は安定した収入はあるものの、すでに飽和状態。「4月の新入社員研修、9月のフォローアップ研修、それに役員研修は時期が決まっていて、キャパの上限にもあるのでそれ以上取れない。それ以外の時期に独自の『チーム力を高める研修』なども行って、伸ばせては行けていましたが、単価が高いわけじゃなく、そこまでブランド力を高めるほどの収益力はなかった」事情もあった。 年間11万人が訪れるゴルフ場として知名度は高かったものの、ここでさらなる多角経営化に舵を切る必要があったわけだ。 そんなタイミングで、新型コロナウイルスの感染拡大。ご多分にもれず、週末のドル箱だった企業関連のコンペは、真名でも一気になくなった。佐野社長が昨年春の危機的状況を振り返る。 「3、4、6月は、例年コンペが最も入る時期。緊急事態宣言でそれがなくなりました。企業コンペは4割を占めていましたから、その影響は大きかったですね」。 しかしそんな状況でもグランピング施設の準備は粛々と進められた。一方で感染対策をして、スループレーを導入するなどしている頃、テレワーク生活で体を持てあました若者を中心にしたビジネスパーソンがゴルフに注目。ゴルフ練習場やゴルフ場が活況を呈し始める。 7月にグランピング施設がオープンすると、さらに風向きが変わっていく。グランピングのテントキャビンだけでなく、ログタイプのコテージ27室も密にならない宿泊施設として注目度が上がり、稼働率は100%に近づいて行った。 そしてもうひとつ、コロナ禍で注目を浴び始めたのが2拠点居住。通勤の必要性がダウンして、首都圏一極集中から地域分散型の動きが出始めている。 その動きに対応できる施設がリソルの森にそびえる16階建てのシンボルタワー「TRINITY書斎」だ。100室のうち53室が住居、47室が客室として利用されている。 「外房線の誉田駅から無料シャトルバスで約20分ですし、車はインターチェンジから5分ですので、東京へも十分通えます」。  ワーケーションの場所としても、うってつけだ。「10泊しても飽きない施設です。質を上げて、バリューを上げていくことが、大事だと思っています」(佐野社長)。 リソルの森ほどプラスアルファの選択肢が豊富なゴルフ場は、今のところない。 <h2>■取材後記</h2> 帰る途中でオープンしたばかりのグランピング施設を撮影するために立ち寄った。そこにスタッフとの打ち合わせのため佐野社長が自ら運転して駆けつけてきた。行動派のリーダーであることが、その仕事ぶりから伝わってくる。猛暑日とあって、その額には玉の汗が浮かんでいた▼「10泊しても飽きない施設」と佐野社長は胸を張ったが、ゴルフ場に加えそれぞれ性格の違う多彩な施設を運営する会社のトップの大変さを垣間見た気がした▼2000年秋から場内に実験的にキャンプサイトを開設し、これまでの熟年層のメンバーシップゴルフに加えて、若年層によるキャンプとゴルフのマッチングという新しいニーズの掘り起こしにもチャレンジしてきた。その甲斐あってかゴルフ場には、20代の若いカップルも目立った▼プールを中心にしたグランピング施設には子供連れも多かった。ホテル併設の分譲マンションにはシニアも多い。その盛況ぶりは、ゴルフ場の総合テーマパーク化が生き残りの道であることを、如実に物語っていた。 <h2>■データボックス</h2> Sport & Do Resort リソルの森 ▶住所&電話番号 〒297-0201 千葉県長生郡長柄町上野521-4 TEL: 0475-35-3333(9:00~17:00) ▶アクセス 《車》「板倉IC」「茂原長柄スマートIC」約5分。 《電車》 JR外房線「誉田駅」南口から無料シャトルバス約20分。 ▶グランヴォー スパ ヴィレッジ 《テントキャビン》 森-MORI- 7棟  ラク・レマン-LAC LEMAN- 8棟  《テントキャビンプレミアム》 森-MORI- 1棟 ラク・レマン-LAC LEMAN- 2棟 《グランピングヴィラ》 4室 《テラスハウス》 27室 《グランテラス》 11室 ▶スパ 天然温泉 紅葉乃湯 準天然温泉 長柄カルナの湯 ラク・レマンプール リラクゼーション  ウエルネス・リトリート ▶ゴルフ 真名カントリークラブ 真名コース27ホール 真名ゲーリー・プレーヤーコース 18ホール ドライビングレンジ2階建て48打席 230ヤード アプローチ練習場 ▶MTC メディカルトレーニングセンター 《屋内》多目的体育館・フィットネスルーム・ダンスルーム・室内200mトラック・室内プール 医療法人財団 健康医学研究会 リソルクリニック 《屋外》テニスコート4面 400㍍全天候トラック フィンネンバーン(ランニングコース)第1グラウンド140m×100m 第2グラウンド135m×95m アーチェリー場 ▶キャンプサイト 53区画 ▶フォレストアドベンチャー・ターザニア ▶レストラン 和食処 翠州亭 レストラン ブローニュ レストラン スポール  THE GRILL(真名店)(GP店) <hr> この記事は弊誌月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2021年8月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。 <a href="https://www.gew.co.jp/magazine">月刊ゴルフ・エコノミック・ワールドについてはこちら</a>
    (公開)2021年09月07日
    「入社おめでとう。新たな気持ちで今日を迎えたことと思います。学生と社会人は大きく違います。それは社会人には義務と責任が生じるからです。今日からは責任ある行動を自覚して欲しいと思います。 ミズノ社員には『3Fの精神』、フェアプレー、フレンドシップ、ファイティングスピリッツの精神を常に意識することを求めています。これからは1日のうち約1/3を会社で過ごします。40年働くとして人生の大半が働いている時間となります。この時間が楽しいか、苦しいかで今後の人生は大きく変わってくるはずです。楽しいと思うことは楽をすることではありあません。自ら高いハードルを設定し、そのハードルを越えるために果敢に挑戦し、会社が求める成果を挙げることが"楽しい"と思える時間ではないでしょうか。 毎日毎日をどういう意識で過ごすかが重要です。日本も世界の中の1リージョンです。その環境下で何ができるか。徐々に変わる環境の変化にはなかなか気付きにくいものです。常に自ら考え、動いて欲しいと思います。要求されたことを即座に『無理』と考えれば、その時点で終わりです。当たり前のことばかりをやっているだけでは今の時代のニーズには即していません。どうすればよいか? 常に創意工夫の精神で挑戦してください。 入社したばかりの皆さんは、会社、社会のことについてまだ何も知らないと思います。しかし、知らないことは価値がないことではありません。新しい目で物事を見極めることが大事であり、それも皆さんの役割と認識して欲しいと思います」 尚、新入社員は大・大学院卒51名、専門学校・高専・高校卒6名で、新たな門出を迎えた。
    (公開)2014年04月01日

    すべて読み込まれました。